JP2002069152A - プリント配線板用エポキシ樹脂組成物およびプリント配線板 - Google Patents

プリント配線板用エポキシ樹脂組成物およびプリント配線板

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JP2002069152A
JP2002069152A JP2000295154A JP2000295154A JP2002069152A JP 2002069152 A JP2002069152 A JP 2002069152A JP 2000295154 A JP2000295154 A JP 2000295154A JP 2000295154 A JP2000295154 A JP 2000295154A JP 2002069152 A JP2002069152 A JP 2002069152A
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JP
Japan
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epoxy resin
printed wiring
resin composition
resin
epoxy
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JP2000295154A
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English (en)
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Yasuyuki Murata
保幸 村田
Toru Tabuchi
田渕  徹
Tetsuro Imura
哲朗 井村
Takayoshi Hirai
孝好 平井
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Japan Epoxy Resins Co Ltd
Original Assignee
Japan Epoxy Resins Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は難燃性に優れ、環境に悪影響を与え
ない耐湿性、耐熱性が良好なエポキシ樹脂組成物とこれ
を用いたプリント配線板を提供する。 【解決手段】 (a)重質油類またはピッチ類とフェノ
ール類およびアルデヒド化合物とを重縮合反応させて得
られた変性フェノール樹脂とエピハロヒドリンとを反応
させて得られたエポキシ樹脂(b)エポキシ樹脂用硬化
剤を必須成分として配合してなり、かつ樹脂成分中に存
在するハロゲン元素の含有量が全樹脂成分の合計に対し
1重量%以下であり、その硬化物がUL94規格のV−
0相当以上の難燃性を有することを特徴とするプリント
配線板用エポキシ樹脂組成物とこれを用いたプリント配
線板である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、難燃性に優れるた
め環境や樹脂特性に悪影響を与える難燃剤を最小限にで
き、耐湿性および耐熱性に優れた硬化物を与えるプリン
ト配線板用エポキシ樹脂組成物に関する。更に、環境に
有害な物質を含有せず、かつ耐湿性および耐熱性に優れ
たプリント配線板に関する。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂組成物は、その優れた硬化
物性や取扱いの容易さから、接着、注型、封止、積層、
成型、塗装等の広い分野で使用されている。また、エポ
キシ樹脂やその硬化剤には、多くの種類があり、その選
択により硬化物性が大きく変わるため、使用分野目的に
応じて使い分けられている。一方、高分子材料の難燃化
は重要な課題であり、JIS規格、自動車製品用規格、
電気製品用規格、UL規格等においてもその規定が設け
られている。一般的なエポキシ樹脂組成物の硬化物は可
燃性であり、難燃化が必要である。エポキシ樹脂の難燃
化には種々の手法があるが、臭素化エポキシ樹脂等のハ
ロゲン化合物を難燃剤として用いるか、ハロゲン化合物
とアンチモン化合物を併用する方法が安定した難燃性が
得られ、樹脂特性を損なうことも少ないため、最も一般
的に用いられている。ところが、近年環境保護の観点か
ら、焼却時にダイオキシン類似物質を発生させる可能性
のあるハロゲン化合物を排除することが求められつつあ
る。アンチモン化合物を併用することにより、ハロゲン
系難燃剤の使用量を削減することができるが、上記の目
的には充分ではない。また、アンチモン化合物自体が劇
物であり、使用を制限する動きが強くなってきた。ハロ
ゲン系やアンチモン系難燃剤の代わりに、リン系、窒素
系、無機系等の難燃剤を使用することも試みられている
が、難燃性を得るに充分な量を添加すると耐湿性や耐熱
性等の大幅な悪化を起こしたり、高価格等の問題があ
り、実用的な代替難燃剤は知られていないのが現状であ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、難燃性に優
れるため環境や樹脂特性に悪影響を与える難燃剤の添加
を最小限にでき、耐湿性および耐熱性に優れた硬化物を
与えるプリント配線板用エポキシ樹脂組成物を提供する
こと、さらに、環境に有害な物質を含有せず、かつ耐湿
性および耐熱性に優れたプリント配線板用エポキシ樹脂
組成物及びプリント配線板を提供することを目的とする
ものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決するために種々研究を重ねた結果、重質油類ま
たはピッチ類とフェノール類およびアルデヒド化合物を
重縮合させて得られた変性フェノール樹脂とエピハロヒ
ドリンとから製造されたエポキシ樹脂を使用することに
よりその目的を達成できたのである。すなわち、本発明
は、 「1. (a)重質油類またはピッチ類とフェノール類
およびアルデヒド化合物とを重縮合反応させて得られた
変性フェノール樹脂とエピハロヒドリンとを反応させて
得られたエポキシ樹脂 (b)エポキシ樹脂用硬化剤 を必須成分として配合してなり、かつ樹脂成分中に存在
するハロゲン元素の含有量が全樹脂成分の合計に対し1
重量%以下であり、その硬化物がUL94規格のV−0
相当以上の難燃性を有することを特徴とするプリント配
線板用エポキシ樹脂組成物。 2. (a)成分の原料である変性フェノール樹脂が、
重質油類またはピッチ類と、平均分子量から算出した前
記重質油類またはピッチ類1モルに対して、0.3〜1
0モルのフェノール類、0.2〜9モルのアルデヒド化
合物、および0.01〜3.0モルの酸触媒とを混合し
た後、昇温し、重縮合反応させて得られた変性フェノー
ル樹脂である、1項に記載されたプリント配線板用エポ
キシ樹脂組成物。 3. (a)成分の原料である変性フェノール樹脂が水
酸基当量130〜200g/eq.の樹脂である、1項
または2項に記載されたプリント配線板用エポキシ樹脂
組成物。 4. 重質油類またはピッチ類として、芳香族炭化水素
分率fa値が0.40〜0.95で、かつ芳香環水素量
Ha値が20〜80%である石油系重質油類またはピッ
チ類を用いる、1項ないし3項のいずれか1項に記載さ
れたプリント配線板用エポキシ樹脂組成物。 5. (a)成分のエポキシ樹脂がエポキシ当量160
〜280g/eq.のエポキシ樹脂である、1項ないし
4項のいずれか1項に記載されたプリント配線板用エポ
キシ樹脂組成物。 6. (b)成分の硬化剤が、エポキシ基と反応する硬
化剤であって、使用割合が、全エポキシ樹脂成分中のエ
ポキシ基1モルに対しエポキシ基と反応する基の合計が
0.5〜2.0モルとなる量である、1項ないし5項の
いずれか1項に記載されたプリント配線板用エポキシ樹
脂組成物。 7. (b)成分の硬化剤が、エポキシ基の重合を開始
する硬化剤であって、使用割合が全エポキシ樹脂成分1
00重量部に対して0.1〜10重量部である、1項な
いし5項のいずれか1項に記載されたプリント配線板用
エポキシ樹脂組成物。 8. 樹脂成分中に存在するハロゲン元素の含有量が全
樹脂成分の合計に対して0.5重量%以下であることを
特徴とする、1項ないし7項のいずれか1項に記載され
たプリント配線板用エポキシ樹脂組成物。 9. 1項ないし8項のいずれか1項に記載されたプリ
ント配線板用エポキシ樹脂組成物を用いて製造されたプ
リント配線板。」に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のエポキシ樹脂組成物の必
須成分である(a)成分は、重質油類またはピッチ類と
フェノール類およびアルデヒド化合物とを重縮合反応さ
せて得られた変性フェノール樹脂とエピハロヒドリンと
を反応させて得られたエポキシ樹脂である。(a)成分
の原料は、前述のように重質油類またはピッチ類とフェ
ノール類およびアルデヒド化合物を重縮合させて得られ
た変性フェノール樹脂である。ここで、重質油類及びピ
ッチ類には、石油系及び石炭系のいずれかの原料油を用
いてもよい。石油系重質油類およびピッチ類としては、
原油の蒸留残油、水添分解残油、接触分解残油、接触改
質残油、ナフサまたはLPGの熱分解残油及びこれらの
残油の減圧蒸留物、溶剤抽出によるエキストラクトある
いは熱処理物、石油精製過程における熱分解及び接触分
解等の分解工程で得られる特定の留出油または残渣油お
よびナフサ等の接触改質における残渣油およびこれ等の
残油の減圧蒸留物等を例示できる。石炭系重質油類及び
ピッチ類としては、石炭乾留におけるコールタールを蒸
留して得られる特定の分留成分及び石炭液化における重
質油等を例示できる。
【0006】石油系重質油類またはピッチ類は、0.4
0〜0.95、好ましくは0.5〜0.8のfa値と、
20〜80%、好ましくは25〜60%のHa値とを有
することが望ましい。なお、fa値およびHa値は、各
々石油系重質油類およびピッチ類の13C−NMR測定
によるデータ、および1H−NMRによるデータから、
下記式に基づいて算出される。 fa値=(油またはピッチ中の芳香族炭素数)/(油ま
たはピッチ中の全炭素数) Ha値=(油またはピッチ中の芳香環水素数)/(油ま
たはピッチ中の全水素数)×100(%) 原料の石油系重質油類およびピッチ類のfa値が0.4
より小さくなると、芳香族分が少なくなるため、得られ
る変性フェノール樹脂の性能の改質効果、特に難燃性の
改質効果が小さくなる傾向にある。また、原料のfa値
が0.95より大きい石油系重質油類およびピッチ類の
場合には、芳香族炭素とアルデヒド化合物との反応性が
低くなる傾向がある。
【0007】原料の石油系重質油類およびピッチ類のH
a値が20%より小さくなると、アルデヒド化合物と反
応する芳香環水素分が少なくなり、反応性が低下するた
め、フェノール樹脂の性能の改質効果が低下する傾向が
ある。Ha値が80%より大きい石油系重質油類および
ピッチ類を原料とした場合には、変性フェノール樹脂の
強度が弱くなる傾向を示す。このような石油系重質油類
およびピッチ類としては、石油精製過程における熱分解
および接触分解および接触改質等の分解または改質工程
で得られる留出油または残渣油を用いることが、原料の
安定供給等の観点から、特に好ましい。分解または改質
工程において、得られた接触分解物、熱分解物および接
触改質物は、様々な沸点を有するとともに、種々の化合
物組成を有する留分に別れるが、このうち本発明で好適
に用いられる留出油または残渣油は、上述の芳香族炭化
水素分率fa値および芳香環水素量Ha値を有するとと
もに、沸点の下限値(留出開始温度)が170℃以上、
好ましくは180℃以上、さらに好ましくは190℃以
上である。
【0008】本発明において、石炭系重質油類およびピ
ッチ類として用いられる分留成分は、上記沸点を有する
限りいずれかのコールタールを蒸留したものであっても
よいが、所望の蒸留成分の含有量が多いという観点か
ら、特にコークス炉タール等の高温タールが好適であ
る。このようなコールタールを蒸留すると、様々な分留
成分を得ることができ、例えばコークス製造時に得られ
るコークス炉タールを蒸留した場合、タール軽油(沸点
約94〜178℃)、カルボン油(石炭酸油:沸点約1
68〜200℃)、ナフタリン油(中油)および吸収油
(沸点約202〜223℃)、重油(沸点約218〜3
14℃)、アントラセン油(沸点約296〜360℃)
およびピッチ(残さ:沸点約450℃以上)等が分留成
分として得られる。このうち、沸点が200℃を越える
分留成分は、ナフタリン油、吸収油、重油、アントラセ
ン油およびピッチである。本発明で用いる石炭系重質油
類またはピッチ類としては、上述の沸点を有するこのよ
うな分留成分を、単独で用いても二種類以上組み合わせ
て用いてもよい。また、これ等の分留成分の混合物から
特定成分を分離・回収し、混合したものであってもよ
く、例えばナフタリン油以上の沸点を有する留分の混合
物で、ナフタリン、アントラセン、タール酸類およびタ
ール塩基等を分離・回収して得られるクレオソート油を
用いることもできる。なお、沸点が200℃以下の分留
成分を用いた場合、原料油中に含まれる縮合多環芳香族
成分の量が少なく、反応性が低下する。
【0009】本発明では、石炭系重質油類またはピッチ
類として、石炭液化に伴って生産される重質油を用いる
こともでき、この重質油は、単独で用いても、上述のコ
ールタール分留成分の一種以上と混合してもよい。な
お、本発明では、石炭系重質油類またはピッチ類は、こ
れをそのまま用いてよいが、フェノール類、カルボン酸
類等の酸性化合物、およびカルバゾール類、ピリジン
類、アニリン類、キノリン類、等の塩基性化合物が含ま
れている可能性があり、これ等を除去することが望まし
い。以上説明した石油、石炭系重質油類およびピッチ類
は、石油化学工業において一般的な工程で安定して生産
される製品であり、したがってこれを使用することで原
料の低コストでの供給を図ることが可能となる。
【0010】目的の性状である変性フェノール樹脂を得
るための、原料として用いられるフェノール類として
は、フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシ
ン、メチルレゾルシン、ハイドロキノン、メチルハイド
ロキノン、ジメチルハイドロキノン、ジブチルハイドロ
キノン、カテコール、フェニルフェノール、ビニルフェ
ノール、ノニルフェノール、p−tert−ブチルフェ
ノール、tert−ブチルクレゾール、ビスフェノール
A、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビフェノ
ール、テトラメチルビフェノール、ジヒドロキシナフタ
レン、ジヒドロキシジフェニルエーテル、およびテルペ
ンフェノール等を挙げることができ、この中から選ばれ
た少なくとも1種類のフェノール化合物を用いる。好ま
しくは、フェノール、クレゾール、またはキシレノール
である。変性フェノール樹脂に用いられるアルデヒド化
合物には、ホルマリン、パラホルムアルデヒド、トリオ
キサン等が挙げられる。それ等のアルデヒド化合物の中
では、ホルムアルデヒドまたはその誘導体が好ましい。
変性フェノール樹脂に用いられる酸触媒としては、シュ
ウ酸、パラトルエンスルホン酸(PTS)、キシレンス
ルホン酸、およびギ酸等の有機酸、塩酸および硫酸等の
無機酸を挙げることができる。この中で好ましくはシュ
ウ酸、パラトルエンスルホン酸(PTS)である。
【0011】各成分の使用割合としては、重質油類また
はピッチ類と、平均分子量から算出した前記重質油類ま
たはピッチ類1モルに対して、0.3〜10モルのフェ
ノール類、0.2〜9モルのアルデヒド化合物、および
0.01〜3.0モルの酸触媒である。この使用割合の
組成物は難燃性、耐湿性、耐熱性が良好であるので特に
好ましい。ここで、重質油類またはピッチ類の平均分子
量は蒸気圧浸透法分子量測定装置を用いて測定した。
【0012】本発明で用いる変性フェノール樹脂の製造
は、特定量の重質油類またはピッチ類、フェノール類、
アルデヒド化合物および酸触媒を反応器に仕込み、加熱
撹拌しながら反応温度まで昇温して重縮合させることに
より行なえる。反応条件は、原料の種類や目的とする樹
脂の特性等に応じて制御されることは当然であるが、本
発明で用いる変性フェノール樹脂は例えば次のようにし
て製造することができる。先ず、特定量の原料および酸
触媒を反応器に入れ、重縮合反応が進行しない温度、例
えば50℃以下、好ましくは40〜50℃の温度に保ち
ながら撹拌して均一に混合させる。次に、得られた化合
物を、50〜200℃、好ましくは80〜180℃まで
徐々に昇温し、15分間〜8時間、好ましくは30分間
〜6時間重縮合反応させる。なお、重縮合原料等の混合
は、重縮合反応が進行しないうちに均一な混合物が得ら
れればよいので、重縮合反応温度まで徐々に昇温してい
る間に行ってもよい。反応混合物中には未反応成分、低
分子成分、酸触媒等が残存しているので、適宜、精製処
理してこれらを除去することが好ましい。
【0013】精製方法としては、例えば、水蒸気蒸留、
不活性ガスの吹き込み、減圧蒸留等による未反応成分、
低分子成分の除去、水、アルカリ溶液処理、加水分解等
による酸触媒の除去、静置分離による未反応成分等の除
去、有機溶媒や水を用いた抽出、再結晶、デカンテーシ
ョン等による未反応成分、低分子成分、酸触媒の除去や
目的とする変性フェノール樹脂の分離等が可能であり、
これ等の処理を単独で或いは適宜、組み合わせて実施す
ることが好ましい。本発明で使用する変性フェノール樹
脂は、原料の組成や反応温度等の反応条件を制御するこ
とによって、生成する変性フェノール樹脂の水酸基当量
の値を130〜200g/eq程度にすることが本発明
の効果や、樹脂の取り扱いの点で好ましい。次に、これ
等の変性フェノール樹脂と、エピハロヒドリンとをアル
カリ金属水酸化物の存在下で反応させれば、(a)成分
のエポキシ樹脂が得られる。その反応は一般的な条件で
も可能だが、その反応の代表的な態様例を、以下に詳述
する。まず、変性フェノール樹脂をそのフェノール性水
酸基1モル当たり3〜20モルに相当する量のエピハロ
ヒドリンに溶解させて均一な溶液とする。次いで、その
溶液を撹拌しながらこれにフェノール性水酸基1モル当
り1〜2モル量のアルカリ金属水酸化物を固体または水
溶液で加えて反応させる。この反応は、常圧下または減
圧下で行わせることができ、反応温度は、通常、常圧下
の反応の場合に約30〜105℃であり、減圧下の反応
の場合に約30〜80℃である。反応中は、必要に応じ
て所定の温度を保持しながら反応液を共沸させ、揮発す
る蒸気を冷却して得られた凝縮液を油/水分離し、水分
を除いた油分を反応系に戻す方法によって反応系より脱
水する。アルカリ金属水酸化物の添加は、急激な反応を
おさえるために、1〜8時間かけて少量ずつ断続的もし
くは連続的に添加する。その全反応時間は、通常、1〜
10時間程度である。反応終了後、不溶性の副生塩をろ
別して除くか、水洗により除去した後、未反応のエピハ
ロヒドリンを減圧留去して除くと、目的のエポキシ樹脂
が得られる。この反応におけるエピハロヒドリンとして
は、通常、エピクロルヒドリンまたはエピブロモヒドリ
ンが用いられ、またアルカリ金属水酸化物としては、通
常、NaOHまたはKOHが用いられる。
【0014】また、この反応においては、テトラメチル
アンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムブロ
ミド等の第四級アンモニウム塩;ベンジルジメチルアミ
ン、2,4,6−(トリスジメチルアミノメチル)フェ
ノール等の第三級アミン;2−エチル−4−メチルイミ
ダゾール、2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール
類;エチルトリフェニルホスホニウムイオダイド等のホ
スホニウム塩;トリフェニルホスフィン等のホスフィン
類等の触媒を用いてもよい。さらに、この反応において
は、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;
アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ジオキサ
ン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル
類;ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等の
非プロトン性極性溶媒等の不活性な有機溶媒を使用して
もよい。さらに、上記のようにして得られたエポキシ樹
脂の可鹸化ハロゲン量が多すぎる場合には、再処理し
て、充分に可鹸化ハロゲン量が低下した精製エポキシ樹
脂を得ることができる。つまり、その粗製エポキシ樹脂
を、イソプロパノール、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン、トルエン、キシレン、ジオキサン、プ
ロピレングリコールモノメチルエーテル、ジメチルスル
ホキシドなどの不活性な有機溶媒に再溶解し、アルカリ
金属水酸化物を固体または水溶液で加えて約30〜12
0℃の温度で、0.5〜8時間再閉環反応を行った後、
水洗等の方法で過剰のアルカリ金属水酸化物や副生塩を
除去し、さらに有機溶媒を減圧留去して除くと、精製さ
れたエポキシ樹脂が得られる。
【0015】(a)成分のエポキシ樹脂は、上記のよう
にして製造されたエポキシ樹脂であるが、変性フェノー
ル樹脂の性状や他の原料との使用割合、反応温度などの
反応条件を制御することによって、エポキシ当量が16
0〜280g/eq.、軟化点40〜100℃に調整す
ることが、本発明の効果や、樹脂の取り扱いの点で好ま
しい。(a)成分のエポキシ樹脂は、1種単独でも、2
種以上併用してもよい。
【0016】本発明のプリント配線板用エポキシ樹脂組
成物には、上記(a)重質油類またはピッチ類、フェノ
ール類およびアルデヒド化合物とを重縮合反応させて得
られた変性フェノール樹脂とエピハロヒドリンとを反応
させて得られたエポキシ樹脂の以外のエポキシ樹脂を併
用することができる。その併用するエポキシ樹脂として
は、特に指定はなく、(a)成分以外のエポキシ樹脂で
あれば、どのようなエポキシ樹脂でも使用可能であり、
例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフ
ェノールAD、ハイドロキノン、メチルハイドロキノ
ン、ジメチルハイドロキノン、ジブチルハイドロキノ
ン、レゾルシン、メチルレゾルシン、ビフェノール、テ
トラメチルビフェノール、ビスフェノールS、ジヒドロ
キシナフタレン、ジヒドロキシジフェニルエーテル、ジ
ヒドロキシスチルベン類、フェノールノボラック樹脂、
クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラッ
ク樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール樹脂、フェノ
ールアラルキル樹脂、ナフトールノボラック樹脂、テル
ペンフェノール樹脂等の種々のフェノール類や、種々の
フェノール類と、ヒドロキシベンズアルデヒド、クロト
ンアルデヒド、グリオキザール等の種々のアルデヒド類
との縮合反応で得られる多価フェノール樹脂等の各種の
フェノール系化合物と、エピハロヒドリンとから製造さ
れるエポキシ樹脂やジアミノジフェニルメタン、アミノ
フェノール、キシレンジアミン等の種々のアミン化合物
と、エピハロヒドリンとから製造されるエポキシ樹脂、
メチルヘキサヒドロフタル酸、ダイマー酸等の種々のカ
ルボン酸類と、エピハロヒドリンとから製造されるエポ
キシ樹脂等、さらには2官能以上のエポキシ樹脂との2
官能以上のフェノール化合物を反応させて得られる二段
法エポキシ樹脂等が挙げられる。それ等各種のエポキシ
樹脂の中では、ビスフェノールA、ビスフェノールF、
ビフェノール、テトラメチルビフェノール、フェノール
ノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェ
ノールAノボラック樹脂、ジシクロペンタジエンフェノ
ール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、フェノールヒド
ロキシベンズアルデヒド等のフェノール系化合物と、エ
ピハロヒドリンとから製造されるエポキシ樹脂が硬化物
性や入手のしやすさの点から好ましい。また(a)成分
の製造時に、変性フェノール樹脂と変性フェノール樹脂
以外のフェノール化合物を混合使用して、エピハロヒド
リンと同時に反応させ、(a)成分と他のエポキシ樹脂
の混合物を同時に製造してもよい。それ等その他のエポ
キシ樹脂の使用割合は、(a)成分100重量部に対し
て200重量部以下が好ましく、より好ましくは、10
0重量部以下である。その他のエポキシ樹脂の使用割合
が多すぎると、本発明の効果が充分に発揮されなくな
る。
【0017】次に、本発明のエポキシ樹脂組成物には
(b)エポキシ樹脂用硬化剤が必須成分として配合され
るが、このエポキシ樹脂用硬化剤には、特に制約はなく
一般的なエポキシ樹脂用こ硬化剤が使用できる。その使
用できる硬化剤としては、例えば、ビスフェノールA、
ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ハイドロキノ
ン、レゾルシン、メチルレゾルシン、ビフェノール、テ
トラメチルビフェノール、ジヒドロキシナフタレン、ジ
ヒドロキシジフェニルエーテル、フェノールノボラック
樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノ
ボラック樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール樹脂、
テルペンフェノール樹脂、ナフトールノボラック樹脂等
の種々の多価フェノール類、および種々のフェノール類
とヒドロキシベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、
グリオキザール等の種々のアルデヒド類との縮合反応で
得られる多価フェノール樹脂、重質油類またはピッチ
類、フェノール類およびアルデヒド化合物と重縮合反応
させて得られた変性フェノール樹脂等の各種のフェノー
ル樹脂類、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒ
ドロ無水フタル酸、無水ピロメリット酸、メチルナジッ
ク酸等の酸無水物類、ジエチレントリアミン、イソホロ
ンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフ
ェニルスルホン、ジシアンジアミド等のアミン類等が挙
げられる。
【0018】また、エポキシ基の重合を開始するタイプ
の硬化剤としては、例えば、トリフェニルホスフィン等
のホスフィン化合物、テトラフェニルホスホニウムテト
ラフェニルボレート等のホスホニウム塩、2−メチルイ
ミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−エチル−
4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾー
ル、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、2,
4−ジシアノ−6−[2−メチルイミダゾリル−
(1)]−エチル−S−トリアジン等のイミダゾール
類、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウム
トリメリテート、2−メチルイミダゾリウムイソシアヌ
レート、2−エチル−4−メチルイミダゾリウムテトラ
フェニルボレート、2−エチル−1,4−ジメチルイミ
ダゾリウムテトラフェニルボレート等のイミダゾリウム
塩、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェ
ノール、ベンジルメチルアミン等のアミン類、トリエチ
ルアンモニウムテトラフェニルボレート等のアンモニウ
ム塩、1,5−ジアザビシクロ(5,4,0)−7−ウ
ンデセン、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)−5
−ノネン等のジアザビシクロ化合物、それ等ジアザビシ
クロ化合物のテトラフェニルボレート、フェノール塩、
フェノールノボラック塩、2−エチルヘキサン酸塩等。
さらにトリフル酸(Triflic acid)塩、三
弗化硼素エーテル錯化合物、金属フルオロ硼素錯塩、ビ
ス(ペルフルオルアルキルスルホニル)メタン金属塩、
アリールジアゾニウム化合物、芳香族オニウム塩、II
Ia〜Va族元素のジカルボニルキレート、チオピリリ
ウム塩、MF 陰イオン(ここでMは燐、アンチモン
および砒素から選択される)の形のVIb元素、アリー
ルスルホニウム錯塩、芳香族ヨードニウム錯塩、芳香族
スルホニウム錯塩、ビス[4−(ジフェニルスルホニ
オ)フェニル]スルフィド−ビス−ヘキサフルオロ金属
塩(例えば燐酸塩、砒酸塩、アンチモン酸塩等)、アリ
ールスルホニウム錯塩、ハロゲン含有錯イオンの芳香族
スルホニウムまたはヨードニウム塩等を用いることがで
きる。(b)成分のエポキシ樹脂用硬化剤は、1種単独
でも、2種以上併用してもよい。
【0019】それ等各種のエポキシ樹脂用硬化剤の中で
は、フェノールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボ
ラック樹脂、テルペンフェノール樹脂、フェノールアラ
ルキル樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール樹脂、フ
ェノールヒドロキシベンズアルデヒド樹脂、重質油類ま
たはピッチ類とフェノールおよびアルデヒド化合物とを
重縮合反応させて得られた変性フェノール樹脂、ジアミ
ノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジ
シアンジアミド等が硬化物性や入手のしやすさの点から
好ましい。
【0020】本発明のエポキシ樹脂組成物で使用される
(b)成分の使用割合は、(b)成分としてエポキシ基
と反応する基を持つ化合物のみを使用する場合は、全エ
ポキシ樹脂成分中ののエポキシ基1モルに対して、全
(b)成分中のエポキシ基と反応する基の合計が0.5
〜2.0モルになる量が好ましく、より好ましくは、
0.7〜1.5モルになる量である。(b)成分として
エポキシ基の重合を開始するタイプの硬化剤を使用する
場合は、全エポキシ樹脂成分100重量部に対して、
0.1〜10重量部が好ましく、より好ましくは、0.
3〜5重量部である。
【0021】本発明のプリント配線板用エポキシ樹脂組
成物には、必要に応じて無機充填剤、強化用繊維、硬化
促進剤、カップリング剤、可塑剤、顔料、溶剤等を適宜
に配合することができる。その強化用繊維の種類として
は、例えば、グラスファイバー、カーボンファイバー、
アルミナ繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊維等が挙
げられる。それ等の繊維は、クロス、不織布、短繊維等
として強化用に使用できる。その無機充填剤の種類とし
ては、例えば、溶融シリカ、結晶性シリカ、ガラス粉、
アルミナ、炭酸カルシウム等が挙げられる。その形状と
しては、破砕型または球状である。
【0022】また、本発明のプリント配線板用エポキシ
樹脂組成物に用いられる硬化促進剤は、エポキシ樹脂中
のエポキシ基と硬化剤中の活性基との反応を促進する化
合物である。その硬化促進剤としては、例えば、トリブ
チルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(ジ
メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(ヒドロキシプ
ロピル)ホスフィン、トリス(シアノエチル)ホスフィ
ン等のホスフィン化合物、テトラフェニルホスホニウム
テトラフェニルボレート、メチルトリブチルホスホニウ
ムテトラフェニルボレート、メチルトリシアノエチルホ
スホニウムテトラフェニルボレート等のホスホニウム
塩、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾー
ル、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデ
シルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミ
ダゾール、2,4−ジシアノ−6−[2−メチルイミダ
ゾリル−(1)]−エチル−S−トリアジン、2,4−
ジシアノ−6−[2−ウンデシルイミダゾリル−
(1)]−エチル−S−トリアジン等のイミダゾール
類、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウム
トリメリテート、2−メチルイミダゾリウムイソシアヌ
レート、2−エチル−4−メチルイミダゾリウムテトラ
フェニルボレート、2−エチル−1,4−ジメチルイミ
ダゾリウムテトラフェニルボレート等のイミダゾリウム
塩、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェ
ノール、ベンジルジメチルアミン、テトラメチルブチル
グアニジン、N−メチルピペラジン、2−ジメチルアミ
ノ−1−ピロリン等のアミン類、トリエチルアンモニウ
ムテトラフェニルボレート等のアンモニウム塩、1,5
−ジアザビシクロ(5,4,0)−7−ウンデセン、
1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)−5−ノネン、
1,4−ジアザビシクロ(2,2,2)−オクタン等の
ジアザビシクロ化合物、それらジアザビシクロ化合物の
テトラフェニルボレート、フェノール塩、フェノールノ
ボラック塩、2−エチルヘキサン酸塩等が挙げられる。
それ等の硬化促進剤となる化合物の中では、三級アミン
類、ホスフィン化合物、イミダゾール化合物、ジアザビ
シクロ化合物、及びそれらの塩が好ましい。それらの硬
化促進剤は、単独でまたは、2種以上混合して用いら
れ、その使用量は、全樹脂成分に対して、0.1〜7重
量%である。
【0023】一般的なプリント配線板用エポキシ樹脂組
成物には、難燃化のための各種難燃剤が配合されるが、
本発明のプリント配線板用エポキシ樹脂組成物の硬化物
は難燃性に優れるため、難燃剤を配合する必要がない
か、その使用量を最小限にすることができる。特性の悪
化や環境保護の観点から、本発明のエポキシ樹脂組成物
には、ハロゲン系難燃剤やアンチモン化合物を配合しな
いことが好ましい。ハロゲン元素は原料中の不純物とし
て持ち込まれることもあるが、その量も全樹脂成分の合
計に対して1重量%以下にすることが必要であり、好ま
しくは0.5重量%以下である。リン酸エステル類、ホ
スフィン類等のリン系難燃剤、メラミン誘導体等の窒素
系難燃剤および水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
ム等の無機系難燃剤等の難燃剤も、配合しないか、その
使用量を最小限にすることが好ましい。
【0024】本発明のプリント配線板は、本発明のプリ
ント配線板用エポキシ樹脂組成物を用いて製造されたこ
とを特徴とするプリント配線板である。そのプリント配
線板の種類や製造方法には、特に限定されない。その種
類としては、リッジド基板またはフレキシブル基板であ
り、用途としては、電子部品を搭載する配線基板、半導
体パッケージ用サブストレート、TABテープ等があ
り、その製造法は、ガラスクロス等に含浸してプリプレ
グとした後プレスして、両面または多層の銅張り積層板
としたり、液状レジストや樹脂付き銅箔としてビルドア
ップ基板とすることができる。発明のプリント配線板用
エポキシ樹脂組成物は、難燃性に優れるため環境や樹脂
特性に悪影響を与える難燃剤を最小限にでき、耐湿性お
よび耐熱性に優れた硬化物を与える。本発明のプリント
配線板は、環境に有害な物質を含有せず、かつ耐湿性お
よび耐熱性に優れる。
【0025】
【実施例】以下に、本発明で使用される変性フェノール
樹脂の製造例、エポキシ樹脂の製造例、本発明のプリン
ト配線板用エポキシ樹脂組成物の実施例及び比較例を挙
げてさらに詳述する。 変性フェノール樹脂の製造例1および2 表1に示す原料油100g、フェノール83g、パラホ
ルムアルデヒド10.2g及びシュウ酸0.6gを1L
ガラス製反応容器に仕込み、250〜350rpmの速
度で撹拌させながら、20分かけて100℃まで昇温す
る。同温度で100分間撹拌しながら反応を継続させて
重縮合反応生成物を得た。上記反応生成物を静置して9
5℃まで温度を低下させ、上層に分離した未反応原料油
分をデカンテーションにより除去して粗変性フェノール
樹脂を得た。得られた粗変性フェノール樹脂を、190
℃でフェノールの留出がなくなるまで減圧蒸留を行った
後、さらに同温度で窒素を吹き込むことによりシュウ酸
を熱分解除去すると共に未反応フェノールを除去した。
このようにして得られた樹脂にヘビーナフサ100ml
を加え、約100℃で30分間撹拌し、樹脂中に残存す
る未反応原料油を抽出した。その後、デカンテーション
により未反応油を含むヘビーナフサ層を除去した。上記
のヘビーナフサを用いた一連の未反応油抽出除去操作を
同条件でさらに3回行った。抽出操作終了後、極少量残
存するヘビーナフサを減圧蒸留により除去して、精製変
性フェノール樹脂を得た。この変性フェノールの150
℃における溶融粘度、軟化点、水酸基当量、数平均分子
量を表1に示す。また、製造法は例1と同様で、フェノ
ール使用量、パラホルムアルデヒドおよびシュウ酸の添
加量を変更した系を表1の製造例2に示す。
【0026】
【表1】
【0027】(a)成分のエポキシ樹脂の製造例3およ
び4 温度計、撹拌装置、冷却管を備えた内容量2Lの三つ口
フラスコに、表2に示した量の製造例1または2で製造
した変性フェノール樹脂、フェノール化合物、エピクロ
ルヒドリン555g及びイソプロパノール200gを仕
込み、50℃に昇温して均一に溶解させた後、48.5
重量%の水酸化ナトリウム水溶液91gを1時間かけて
滴下した。その間に徐々に昇温し、滴下終了時には系内
が70℃になるようにした。その後、70℃で30分間
保持して反応を行わせた。その反応終了後、水洗して副
生塩及び過剰の水酸化ナトリウムを除去した。次いで、
生成物から減圧下で過剰のエピクロルヒドリン及びイソ
プロパノールを留去して、粗製エポキシ樹脂を得た。こ
の粗製エポキシ樹脂をメチルイソブチルケトン250g
に溶解させ、48.5重量%の水酸化ナトリウム水溶液
2gを加え、70℃の温度で1時間反応させた。その反
応終了後に、第一リン酸ナトリウムを加えて過剰の水酸
化ナトリウムを中和し、水洗して副生塩を除去した。次
いで、減圧下でメチルイソブチルケトンを完全に除去し
て、目的のエポキシ樹脂を得た。これらのエポキシ樹脂
のエポキシ当量、軟化点および重質油類またはピッチ類
の含有量を表2に示した。
【0028】
【表2】
【0029】実施例1〜3および比較例1および2 表3に示したように、(a)成分として、製造例3また
は4で製造したエポキシ樹脂、他のエポキシ樹脂とし
て、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、または難燃
剤として臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、
(b)成分として、ビスフェノールAノボラック樹脂ま
たはジシアンジミド、硬化促進剤として2−エチル−4
−メチルイミダゾール、溶剤としてメチルエチルケトン
またはエチレングリコールモノメチルエーテルを用い
て、各プリント配線板用エポキシ樹脂組成物(ワニス)
を配合した。次いで、各ワニスをガラスクロスに含浸
し、130℃で7分間乾燥して、樹脂分約45重量%の
プリプレグを得た。このプリプレグを8枚と両面に厚さ
35ミクロンの銅箔を重ね、170℃圧力40Kg/m
で1時間プレス成型して厚さ1.6mmの銅張りガ
ラスエポキシ積層板を作成した。これ等の積層板の難燃
性、吸湿率およびハンダ耐熱性を試験した結果を表3に
示した。実施例1〜3の各組成物は、有害なハロゲン系
難燃剤を含まず、比較例1および2の組成物に較べて難
燃性、吸湿率および耐熱性のバランスが大幅に優れてい
た。
【0030】
【表3】
【0031】(註) *1:A;製造例3で製造したエポキシ樹脂 *2:B;製造例4で製造したエポキシ樹脂 *3:C;臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油
化シェルエポキシ社商品名 エピコート5046、エポ
キシ当量:480臭素含有量:21%) *4:D:オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂
(油化シェルエポキシ社商品名 エピコート180S7
5、エポキシ当量:215) *5:E:ビスフェノールAノボラック樹脂(軟化点:
120℃、水酸基当量:120) *6:F:ジシアンジアミド *7:各原料のハロゲンの含有量から算出 *8:UL−94に従って測定 *9:40℃ 90%RH 100時間後の吸湿率 *10:120℃、2気圧、8時間のプレッシャー・ク
ッカー処理後、260℃のハンダ浴に30秒浸漬後、板
のふくれ、はがれの有無をチェックし、下記の基準にし
たがって評価した。 ○:板のふくれ、はがれが全くない。 ×:板のふくれ、はがれがある。
【0032】本発明のプリント配線板用エポキシ樹脂組
成物はその硬化物がUL94規格のV−0相当以上の難
燃性を有する。プリント配線板が組み込まれた電子機器
は、外国と取り引きされるので国際的規格に合う必要が
ある。UL(Underwriters Labora
tories)はアメリカ団体規格。UL Inc.は
デラウェア州法によって設立され、NationalB
oard of Fire Underwriters
の後援により生命、財産に及ぼす危険に対処するための
試験を行う非営利団体。〔規格例〕 UL−94 プラ
スチック材料の耐燃焼性試験。
【0033】
【発明の効果】本発明のプリント配線板用エポキシ樹脂
組成物は、難燃性に優れるため環境や樹脂特性に悪影響
を与える難燃剤を最小限にでき、耐湿性および耐熱性に
優れた硬化物を与える。本発明のプリント配線板は、環
境に有害な物質を含有せず、かつ耐湿性および耐熱性に
優れる。
フロントページの続き (72)発明者 井村 哲朗 三重県四日市市塩浜町1番地 油化シェル エポキシ株式会社開発研究所内 (72)発明者 平井 孝好 三重県四日市市塩浜町1番地 油化シェル エポキシ株式会社開発研究所内 Fターム(参考) 4J036 AF03 AF06 AF07 AF08 AF09 AF19 AF24 AF26 AF27 AF29 DB06 DC41 DC46 DD07 FB07 FB21 GA19 JA08 5F044 MM06

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)重質油類またはピッチ類とフェノ
    ール類およびアルデヒド化合物とを重縮合反応させて得
    られた変性フェノール樹脂とエピハロヒドリンとを反応
    させて得られたエポキシ樹脂 (b)エポキシ樹脂用硬化剤 を必須成分として配合してなり、かつ樹脂成分中に存在
    するハロゲン元素の含有量が全樹脂成分の合計に対し1
    重量%以下であり、その硬化物がUL94規格のV−0
    相当以上の難燃性を有することを特徴とするプリント配
    線板用エポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (a)成分の原料である変性フェノール
    樹脂が、重質油類またはピッチ類と、平均分子量から算
    出した前記重質油類またはピッチ類1モルに対して、
    0.3〜10モルのフェノール類、0.2〜9モルのア
    ルデヒド化合物、および0.01〜3.0モルの酸触媒
    とを混合した後、昇温し、重縮合反応させて得られた変
    性フェノール樹脂である、請求項1に記載されたプリン
    ト配線板用エポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (a)成分の原料である変性フェノール
    樹脂が水酸基当量130〜200g/eq.の樹脂であ
    る、請求項1または2に記載されたプリント配線板用エ
    ポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 重質油類またはピッチ類として、芳香族
    炭化水素分率fa値が0.40〜0.95で、かつ芳香
    環水素量Ha値が20〜80%である石油系重質油類ま
    たはピッチ類を用いる、請求項1ないし3のいずれか1
    項に記載されたプリント配線板用エポキシ樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 (a)成分のエポキシ樹脂がエポキシ当
    量160〜280g/eq.のエポキシ樹脂である、請
    求項1ないし4のいずれか1項に記載されたプリント配
    線板用エポキシ樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 (b)成分の硬化剤が、エポキシ基と反
    応する硬化剤であって、使用割合が、全エポキシ樹脂成
    分中のエポキシ基1モルに対しエポキシ基と反応する基
    の合計が0.5〜2.0モルとなる量である、請求項1
    ないし5のいずれか1項に記載されたプリント配線板用
    エポキシ樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 (b)成分の硬化剤が、エポキシ基の重
    合を開始する硬化剤であって、使用割合が全エポキシ樹
    脂成分100重量部に対して0.1〜10重量部であ
    る、請求項1ないし5のいずれか1項に記載されたプリ
    ント配線板用エポキシ樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 樹脂成分中に存在するハロゲン元素の含
    有量が全樹脂成分の合計に対して0.5重量%以下であ
    ることを特徴とする、請求項1ないし7のいずれか1項
    に記載されたプリント配線板用エポキシ樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれか1項に記載
    されたプリント配線板用エポキシ樹脂組成物を用いて製
    造されたプリント配線板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016106395A (ja) * 2012-07-06 2016-06-16 日本発條株式会社 回路基板用積層板、金属ベース回路基板及びパワーモジュール

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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