JP2002069146A - ポリカルボジイミド共重合体及びその製造法、並びにこれからなるシート状組成物 - Google Patents

ポリカルボジイミド共重合体及びその製造法、並びにこれからなるシート状組成物

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JP2002069146A
JP2002069146A JP2000264966A JP2000264966A JP2002069146A JP 2002069146 A JP2002069146 A JP 2002069146A JP 2000264966 A JP2000264966 A JP 2000264966A JP 2000264966 A JP2000264966 A JP 2000264966A JP 2002069146 A JP2002069146 A JP 2002069146A
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Sadahito Misumi
貞仁 三隅
Yuji Hotta
祐治 堀田
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Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低弾性率でかつ高耐熱性のポリカルボジイミ
ドを得る。電子部品用の接着剤として好適な接着シート
を提供する。 【解決手段】 下式: 【化1】 (式中、kは0〜30の整数、mは2〜100の整数、
nは0〜30の整数、R は炭素数2〜10のアルキレ
ン基、Rは芳香族ジイソシアネート残基、Rは芳香
族モノイソシアネート残基を表す)で表されるポリカル
ボジイミド共重合体、その製造法及びこれからなるシー
ト状組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】本発明はポリカルボジイミド分子中にポ
リカーボネートをウレタン基を介して共重合した共重合
体、及びこれからなるシート状組成物に関する。また、
この共重合体の製造法に関する。本発明の共重合体は、
低弾性率でかつ高耐熱性、低吸湿性、低誘電率など種々
の優れた特性を有し、フィルムやシート状組成物、接着
剤、成形物として用いることができる。
【0002】芳香族ポリカルボジイミドには、従来ジフ
ェニルメタンジイソシアネート(MDI)やトリレンジイ
ソシアネート(TDI)などをモノマーとし、これを重合
したものが知られている。このような芳香族ポリカルボ
ジイミドは、その優れた耐熱性により耐炎化フィルムや
耐熱性接着剤として使用されている。
【0003】これらポリカルボジイミドフィルムは、4
00℃以上の高温にさらしても揮発性ガスや分解モノマ
ーを生成しないという点では耐熱性を有するが、200
℃以上で長時間熱処理すると自己架橋を起こし、フィル
ムの可撓性が低下する。また、ポリカルボジイミドフィ
ルムは、それ自体の弾性率が高く、曲げ加工を必要とす
る用途には使用できない。
【0004】
【発明の目的及び概要】本発明者らは、このような従来
のポリカルボジイミドの欠点を解消すべく種々検討を重
ねた。その結果、ポリカルボジイミド分子中にポリカー
ボネートをウレタン基を介して共重合することにより、
200℃以上で長時間処理してもフィルムの可撓性が低
下せず、低弾性率が維持できることを見出し本発明を完
成した。
【0005】本発明は、下式:
【0006】
【化4】 (式中、kは0〜30、好ましくは2〜20の整数、m
は2〜100の整数、nは0〜30、好ましくは2〜2
0の整数、Rは炭素数2〜10のアルキレン基、R
は芳香族ジイソシアネート残基、Rは芳香族モノイソ
シアネート残基を表す)で表されるポリカルボジイミド
共重合体及びその製造法を提供するものである。また、
本発明はこのポリカルボジイミド共重合体からなるシー
ト状組成物を提供するものである。
【0007】なお、特開平8−208788号公報に
は、本発明のポリカルボジイミド共重合体に関連する共
重合体が記載されている。しかしながら、ここには本発
明のポリカルボジイミド共重合体、すなわち、ポリカル
ボジイミド分子中にポリカーボネートをウレタン基を介
して共重合した重合体についての具体的記載はなく、こ
のような化学構造により200℃以上で長時間処理して
も可撓性が高く、低弾性率が保持されるポリカルボジイ
ミドフィルムについては何ら記載がない。
【0008】
【発明の詳細な開示】つぎに本発明のポリカルボジイミ
ドの製造法を詳細に説明する。本発明のポリカルボジイ
ミドを製造するには、まず下式:
【0009】
【化5】 (式中、mは2〜100の整数、Rは炭素数2〜10
のアルキレン基を意味する。)で表されるポリカーボネ
ートジオールを、芳香族ジイソシアネートと反応させて
ポリウレタンを得る。ついで、カルボジイミド化触媒の
存在下、末端のイソシアネート基と芳香族ジイソシアネ
ートとによりカルボジイミド化を行い、芳香族モノイソ
シアネートにより末端封鎖してポリカルボジイミド共重
合体を得るのが好ましい。
【0010】すなわち、ポリカボネートジオール1モル
に対して2倍モル以上、好ましくは4〜80倍モル、よ
り好ましくは5〜50倍モルのジイソシアナートを用
い、溶媒の存在下、通常0〜120゜C、好ましくは2
0〜100℃で1分〜5時間程度反応する。系中に水酸
基が殆ど存在しなくなった点を両末端NCO含有ポリウ
レタン生成反応の終点とする。
【0011】次いで、カルボジイミド化触媒の存在下、
このポリウレタンと系中に過剰に存在する芳香族ジイソ
シアナートとを通常40〜150℃、好ましくは50〜
140℃にて反応し、前記式(I)の共重合体を得る。こ
こで必要な芳香族ジイソシアナートは、前記ポリカーボ
ネート1モルに対して2倍モル以上であり、この反応段
階で追加してもよく、反応初期より存在するものであっ
てもよい。また、芳香族モノイソシアネートによる末端
封鎖は、カルボジイミド化の初期、中期、末期又は全般
にわたり芳香族モノイソシアネートを加えて行うのが好
ましい。
【0012】反応の終点は、IR測定によるカルボジイ
ミド基由来の吸収(2140cm )の観測およびイ
ソシアネート基由来の吸収(2280cm−1)の消失
により確認することができる。
【0013】(ポリカーボネートジオール)式(II)におい
て、Rは炭素数2〜10のアルキレン基であり、たと
えば、エチレン、テトラメチレン、ヘキサメチレン、オ
クタメチレン基などが挙げられる。また、mは2〜10
0の整数であり、好ましくは5〜80である。
【0014】ポリカーボネートジオールは、カーボネー
ト基を含むポリカーボネートジオールであればよく、具
体的にはポリエチレンカーボネートジオール、ポリテト
ラメチレンカーボネートジオール、ポリヘキサメチレン
カーボネートジオール、ポリオクタメチレンカーボネー
トジオール、ポリドデカメチレンカーボネートジオール
などが挙げられ、特にポリヘキサメチレンカーボネート
ジオールが好ましい。なお、これらのポリカーボネート
ジオールは単独で用いてもよく、2種以上を混合して使
用してもよい。
【0015】(芳香族ジイソシアネート)式(II)中でR
は芳香族ジイソシアネート残基であり、Rとしては、
たとえば、トリレンジイソシアネート残基、ジフェニル
メタンジイソシアネート残基などが挙げられる。また、
kは0〜30の整数であり、好ましくは2〜20であ
る。また、nは0〜30の整数であり、好ましくは2〜
20である。
【0016】したがって、芳香族ジイソシアネートは、
具体的には、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレ
ンジイソシアネート、1−メトキシフェニル−2,4−
ジイソシアネート、3,3'−ジメトキシ−4,4'−ジフ
ェニルメタンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルエ
ーテルジイソシアネート、3,3'−ジメチル−4,4'−
ジフェニルエーテルジイソシアネート、2,2−ビス[4
−(4−イソシアネートフェノキシ)フェニル]ヘキサフ
ルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−イソシアネー
トフェノキシ)フェニル]プロパンなどが挙げられ、特に
トリレンジイソシアネートが好適に使用できる。なお、
これらのジイソシアネートは単独で用いてもよく、2種
以上を混合して使用してもよい。
【0017】(芳香族モノイソシアネート)また、重合反
応の末期、中期、初期のいずれか、又は全般にわたり、
その分子内にR基を有する芳香族モノイソシアネート
を加えて末端封鎖処理を行う。このような末端封鎖処理
に用いられる芳香族モノイソシアネートとしては、具体
的には、フェニルイソシアネート、p−ニトロフェニル
イソシアネート、p−及びm−トリルイソシアネート、
p−ホルミルフェニルイソシアネート、p−イソプロピ
ルフェニルイソシアネートなどを用いることができる。
特にp−イソプロピルフェニルイソシアネートが好適に
用いられる。このようにして末端封鎖したポリカルボジ
イミド共重合体溶液は、溶液の保存安定性に優れてい
る。
【0018】(反応)共重合の反応温度は40〜150℃
が好ましく、50〜140℃がより好ましい。反応温度
が40℃より低いと反応時間が長くなりすぎ実用的でな
い。また、反応温度が150℃を越える場合は、溶媒の
選択が困難である。
【0019】反応溶液中におけるジイソシアネートモノ
マー濃度は5〜80重量%(以下、単に%という)であ
る。モノマー濃度が5%より低いとカルボジイミド化反
応が進行しない場合がある。また80%を越えると反応
の制御が困難になる可能性がある。
【0020】ポリカルボジイミドの製造に用いられる溶
媒、及びポリカルボジイミド溶液に用いられる有機溶媒
は、従来公知のものであってよい。具体的には、テトラ
クロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホル
ムなどのハロゲン化炭化水素、アセトン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンな
どのケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサンな
どの環状エーテル系溶媒、トルエン、キシレンなどの芳
香族炭化水素系溶媒などが挙げられる。これら溶媒は単
独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0021】また、カルボジイミド化に用いる触媒とし
ては、公知のリン系触媒がいずれも好適に用いられ、例
えば1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド、3
−メチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−エチル
−2−ホスホレン−1−オキシド、3−メチル−1−フ
ェニル−2−ホスホレン−1−オキシド、あるいはこれ
らの3−ホスホレン異性体などのホスホレンオキシドが
挙げられる。
【0022】共重合反応の終了後にメタノール、エタノ
ール、イソプロピルアルコール、ヘキサンなどの貧溶媒
に反応液を投入し、ポリカルボジイミド共重合体を沈澱
として析出させ、未反応のモノマーや触媒を取り除いて
もよい。
【0023】ポリカルボジイミドの溶液を調製するに
は、沈澱として析出したポリマーを所定の操作により洗
浄、乾燥を行い、再度有機溶媒に溶解する。このような
操作を行うことにより、ポリカルボジイミド共重合体の
溶液安定性を向上させることができる。
【0024】また、ポリマー溶液中に含まれる副生成物
は適当な吸着剤などに吸着させ、精製してもよい。吸着
剤としては例えばアルミナゲル、シリカゲル、活性炭、
ゼオライト、活性酸化マグネシウム、活性ボーキサイ
ト、フラースアース、活性白土、分子篩いカーボンなど
を単独もしくは併用して用いることができる。
【0025】本発明のポリカルボジイミド共重合体の平
均重合度は2〜160、好ましくは9〜120である。
ポリカルボジイミドの重合度がこれより高いと、常温で
の放置においても数分から数時間で容易にゲル化し実用
上好ましくない。また、重合度が前記の範囲より小さい
と、皮膜の信頼性に欠け好ましくない。
【0026】(フィルム及び接着シートの製造)本発明の
ポリカルボジイミド共重合体シート(又はフィルム;以
下、フィルムと称される厚さのものを含めて単にシート
という)を製造するには、ポリカルボジイミド共重合体
ワニスを公知の方法(キャスティング、スピンコーティ
ング、ロールコーティングなど)を用い、適当な厚さに
製膜する。製膜された膜は、通常、溶媒の除去に必要な
温度で乾燥する。すなわち、硬化反応をあまり進行させ
ずに乾燥させるよう、塗工温度は例えば20〜350
℃、好ましくは50〜250℃、最も好ましくは70〜
200℃に設定する。乾燥温度が20℃より低いと、フ
ィルム中に溶剤が残存し、フィルムの信頼性が乏しくな
り好ましくない。また乾燥温度が350℃より高いと、
フィルムの熱硬化が進みやすい。
【0027】本発明のシート状組成物の製造にあたって
は、その加工性、耐熱性を損なわない範囲で微細な無機
充填剤を配合してよい。また表面平滑性を得るため平滑
剤、レベリング剤、脱泡剤などの各種添加剤を添加して
もよい。これらの配合量は、共重合体100重量部に対
して、0.1〜100重量部、好ましくは0.2〜50重
量部である。
【0028】本発明共重合体のシート状(フィルム状)組
成物は、耐熱性接着シートとして用いることができる。
フィルム(又はシート)の厚さは、ー般には1〜200μ
mであるが、これに限定されるものではなく用途に応じ
て適宜選択することができる。またシートの形状や大き
さについても、リードフレームや半導体チップなど、被
着体に応じて適宜に決定することができる。
【0029】接着シートには、導電性の付与や熱伝導性
の向上、弾性率の調節などのため、更に、例えばアルミ
ニウム、銅、銀、金、ニッケル、クロム、鉛、錫、亜
鉛、パラジウム、半田などの金属、あるいは合金、アル
ミナ、シリカ、マグネシア、窒化ケイ素などのセラミッ
ク、その他カーボンなどの種々の無機粉末を必要に応じ
1種または2種以上配合してもよい。
【0030】これら無機粉末の配合量は、共重合体10
0重量部に対して、0.1〜100重量部、好ましくは
0.2〜50重量部である。
【0031】さらに、フィルムを支持体上に形成して接
着シートとしてもよい。ここで用いられる支持体として
は、金属箔、絶縁性フィルムなどが挙げられる。金属箔
としてはアルミニウム、銅、銀、金、ニッケル、インジ
ウム、クロム、鉛、錫、亜鉛、パラジウム等がいずれも
用いられてよく、これらを単独で、あるいは合金として
用いてもよい。また、絶縁性フィルムとしては、ポリイ
ミド、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレートな
ど、耐熱性や耐薬品性を有するフィルムなどがいずれも
用いることができる。
【0032】また金属箔と絶縁性フィルムは、それぞれ
単独で用いてもよく、また両者を2層以上積層した、例
えば金属箔/絶縁性フィルムなどの2層基材を用いても
よい。このような2層基材としては、例えば銅/ポリイ
ミド2層基材などが挙げられる。
【0033】かかる接着シートを製造するには、前記の
支持体上にワニスを塗工して製造してもよく、あらかじ
めフィルムを形成し、得られたフィルムをプレスなどに
より支持体上にラミネートして製造してもよい。
【0034】このようなシート状接着剤は加熱処理によ
り熱硬化し、強固な接着力を発現すると共に低弾性率の
硬化物となる。加熱処理を行うには、例えばヒーター、
超音波、紫外線などの適宜の方法が用いられてよい。従
って本発明の接着シートは種々の材料の接着処理に好ま
しく、半導体チップやリードフレームなどで代表される
電気・電子部品の固着処理に好ましい。本発明の接着シ
ートは低弾性率であること、可とう性に富み取り扱いや
すいこと、半導体素子に対して接着性がよいこと、保存
安定性がよいことなどの点で優れている。
【0035】(用途)このように本発明のポリカルボジイ
ミド樹脂は、その耐熱性を利用して電子部品用の接着剤
として用いることもでき、また前記のようにシート状組
成物に成形して接着剤として用いることもできる。
【0036】
【実施例】つぎに本発明を実施例及び比較例によりさら
に具体的に説明する。合成はすべて窒素気流下で行っ
た。なお、得られたポリカルボジイミドの特性は次のよ
うにして測定した。
【0037】IR FT/IR−230(日本電子製)を用いて測定した。熱分解開始温度(Td) TG/DTA300((株)セイコー電子工業製)を用いて
測定し、5%重量減少温度をTdとした。数平均分子量 装置としてHLC8120((株)東ソー製)、カラムにG
MHHR−H+GMH HR−H+G2000H
HR((株)東ソー製)を用い、テトラヒドロフランを展開
溶媒として用いて測定した。弾性率(E’) 動的粘弾性装置DMS210((株)セイコー電子工業製)
を用いて測定した。ガラス転移温度(Tg) 動的粘弾性装置DMS210((株)セイコー電子工業製)
を用いて測定した。接着強度 島津オートグラフAGS−100Dを用いて180°ピール
強度を測定した。
【0038】[実施例1] (ポリカルボジイミドの製造)攪拌装置、滴下漏斗、還流
冷却器、温度計を取り付けた500mLの四つ口フラス
コにトリレンジイソシアネート(100g、0.57mo
l)(武田薬品工業(株)製タケネート80)、ポリヘキサ
メチレンカーボネートジオール(100g、0.10mo
l)(宇部興産(株)製UH−CARB100)、キシレン
75g、シクロヘキサノン25gを仕込み、100℃で
3時間ウレタン化を行った。
【0039】溶液を室温に戻した後、カルボジイミド化
触媒(3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−1
−オキシド)(0.883g、4.59mmol)、p−イ
ソプロピルフェニルイソシアネート(6.4793g、4
0.2mmol)を仕込み、100℃で2時間、攪拌して
重合を行った。
【0040】IRスペクトルによりカルボジイミド化を
確認した(図1)。このポリカルボジイミド共重合体の
数平均分子量(Mn)は6300であった。
【0041】(接着シートの製造)上記で得られたワニス
を厚さ105μmの銅箔上に塗工し、90℃×30分、
次いで200℃×30分で乾燥して接着剤層の厚みが5
0μmの接着シートを得た。この接着シートの熱的特性
を評価したところ、ガラス転移温度は133℃、35℃
における弾性率は940MPaであった。5%重量減少
温度Tdは380℃であった。
【0042】この接着シートを42アロイ板に貼り付
け、200℃、50kg/cmの圧力で1秒間プレス
して貼り合わせた。接着力を測定したところ1500g
/cmの接着力を示した。この基材を200℃の熱風乾
燥機にて1週間加熱した後、接着力を測定したところ1
420g/cmの接着力を示した。
【0043】また、この接着シートのみを200℃の熱
風乾燥機にて1週間加熱したところ、可撓性を保持して
いた。その接着シートの35℃における弾性率を測定し
たところ1100MPaであった。
【0044】[実施例2] (ポリカルボジイミドの製造)攪拌装置、滴下漏斗、還流
冷却器、温度計を取り付けた500mLの四つ口フラス
コにトリレンジイソシアネート(100g、0.57mo
l)(武田薬品工業(株)製タケネート80)、ポリヘキサ
メチレンカーボネートジオールUH−CARB200
(100g、0.05mol)(宇部興産(株)製UH−CA
RB200)、キシレン75g、シクロヘキサノン25
gを仕込み、100℃で3時間ウレタン化を行った。
【0045】溶液を室温に戻した後、カルボジイミド化
触媒(3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−1
−オキシド)(0.883g、4.59mmol)、p−イ
ソプロピルフェニルイソシアネート(6.4793g、4
0.2mmol)を仕込み、100℃で1時間、攪拌して
重合を行った。
【0046】IRスペクトルによりカルボジイミド化を
確認した(図2)。このポリカルボジイミドの数平均分
子量(Mn)は6000であった。
【0047】(接着シートの製造)上記で得られたワニス
を厚さ105μmの銅箔上に塗工し、90℃×30分、
次いで200℃×30分で乾燥して接着剤層の厚みが5
0μmの接着シートを得た。この接着シートの熱的特性
を評価したところ、ガラス転移温度は129℃、35℃
における弾性率は42MPaであった。5%重量減少温
度Tdは390℃であった。
【0048】この接着シートを42アロイ板に貼り付
け、200℃、50kg/cmの圧力で1秒間プレス
して貼り合わせた。接着力を測定したところ1550g
/cmの接着力を示した。この基材を200℃の熱風乾
燥機にて1週間加熱した後、接着力を測定したところ1
490g/cmの接着力を示した。また、この接着シー
トのみを200℃の熱風乾燥機にて1週間加熱したとこ
ろ、可撓性を保持していた。その接着シートの35℃に
おける弾性率を測定したところ53MPaであった。
【0049】[実施例3] (ポリカルボジイミドの製造)攪拌装置、滴下漏斗、還流
冷却器、温度計を取り付けた500mLの四つ口フラス
コにトリレンジイソシアネート(100g、0.57mo
l)(武田薬品工業(株)製タケネート80)、ポリヘキサ
メチレンカーボネートジオール(100g、0.034m
ol)(宇部興産(株)製UH−CARB300)、キシレ
ン112.5g、シクロヘキサノン37.5gを仕込み、
100℃で3時間ウレタン化を行った。
【0050】溶液を室温に戻した後、カルボジイミド化
触媒(3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−1
−オキシド)(0.883g、4.59mmol)、p−イ
ソプロピルフェニルイソシアネート(6.4793g、4
0.2mmol)を仕込み、100℃で1時間、攪拌して
重合を行った。
【0051】IRスペクトルによりカルボジイミド化を
確認した(図3)。このポリカルボジイミドの数平均分
子量(Mn)は5400であった。
【0052】(接着シートの製造)上記で得られたワニス
を厚さ105μmの銅箔上に塗工し、90℃×30分、
次いで200℃×30分で乾燥して接着剤層の厚みが5
0μmの接着シートを得た。この接着シートの熱的特性
を評価したところ、ガラス転移温度は120℃、35℃
における弾性率は17MPaであった。5%重量減少温
度Tdは395℃であった。
【0053】この接着シートを42アロイ板に貼り付
け、200℃、50kg/cmの圧力で1秒間プレス
して貼り合わせた。接着力を測定したところ1390g
/cmの接着力を示した。この基材を200℃の熱風乾
燥機にて1週間加熱した後、接着力を測定したところ1
350g/cmの接着力を示した。
【0054】また、この接着シートのみを200℃の熱
風乾燥機にて1週間加熱したところ、可撓性を保持して
いた。その接着シートの35℃における弾性率を測定し
たところ25MPaであった。
【0055】[比較例1]攪拌装置、滴下漏斗、還流冷
却器、温度計を取り付けた500mLの四つ口フラスコ
にトリレンジイソシアネート(100g、0.57mo
l)(武田薬品工業(株)製タケネート80)、キシレン7
5g、シクロヘキサノン25gを仕込んだ。
【0056】カルボジイミド化触媒(3−メチル−1−
フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド)(0.883
g、4.59mmol)、p−イソプロピルフェニルイソ
シアネート(6.4793g、40.2mmol)を仕込
み、100℃で1時間、攪拌して重合を行った。
【0057】IRスペクトルによりカルボジイミド化を
確認した。このポリカルボジイミドの数平均分子量(M
n)は4800であった。
【0058】このワニスを厚さ105μmの銅箔上に塗
工し、90℃×30分、次いで200℃×30分で乾燥
して接着剤層の厚みが50μmのフィルムを得た。この
フィルムの熱的特性を評価したところ、ガラス転移温度
は125℃、35℃における弾性率は3400MPaで
あった。5%重量減少温度Tdは400℃であった。
【0059】このフィルムを42アロイ板に貼り付け、
200℃、50kg/cmの圧力で1秒間プレスして
貼り合わせた。接着力を測定したところ900g/cm
の接着力を示した。この基材を200℃の乾燥機にて1
週間加熱した後、接着力を測定したところ35g/cm
の接着力を示した。
【0060】また、このフィルムのみを200℃の熱風
乾燥機にて1週間加熱したところ、可撓性がなくなっ
た。そのフィルムの35における弾性率を測定したとこ
ろ3400MPaであった。
【0061】[比較例2]攪拌装置、滴下漏斗、還流冷
却器、温度計を取り付けた500mLの四つ口フラスコ
にトリレンジイソシアネート(100g、0.57mo
l)(武田薬品工業(株)製タケネート80)、ポリエチレ
ングリコール(100g、0.10mol)(三洋化成(株)
製PEG−1000)、キシレン112.5g、シクロヘ
キサノン37.5gを仕込み、100℃で3時間ウレタ
ン化を行った。
【0062】溶液を室温に戻した後、カルボジイミド化
触媒(3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−1
−オキシド)(0.883g、4.59mmol)、p−イ
ソプロピルフェニルイソシアネート(6.4793g、4
0.2mmol)を仕込み、100℃で1時間、攪拌して
重合を行った。IRスペクトルによりカルボジイミド化
を確認した。このポリカルボジイミドの数平均分子量
(Mn)は5800であった。
【0063】このワニスを厚さ105μmの銅箔上に塗
工し、90℃×30分、次いで200℃×30分で乾燥
して接着剤層の厚みが50μmの接着シートを得た。こ
の接着シートの熱的特性を評価したところ、ガラス転移
温度は120℃、35℃における弾性率は980MPa
であった。5%重量減少温度Tdは230℃であった。
【0064】これを42アロイ板に貼り付け、200
℃、50kg/cmの圧力で1秒間プレスして貼り合
わせた。接着力を測定したところ650g/cmの接着
力を示した。この基材を200℃の乾燥機にて1週間加
熱した後、接着力を測定したところ0g/cmの接着力
を示した。
【0065】また、このフィルムのみを200℃の熱風
乾燥機にて1週間加熱したところ、フィルム形状を保持
していなかった。
【0066】これら実施例、比較例にて得られた結果を
表1に示す。表1より明らかなように、実施例にて得ら
れたポリカルボジイミドフィルムは、はいずれも比較例
より低弾性率で、耐熱性が高い。
【0067】
【表1】ポリカルボジイミド共重合体の物性および接着
シートの物性
【0068】
【発明の効果】本発明のポリカルボジイミド共重合体は
低弾性率でかつ高耐熱性、低吸湿性、低誘電率など種々
の優れた特性を有しており、フィルムや接着剤、成形物
として好ましい。特に、その低弾性率、高耐熱性から電
子部品用の接着剤として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1にて得られたポリカルボジイミドの
IRスペクトルである。
【図2】 実施例2にて得られたポリカルボジイミドの
IRスペクトルである。
【図3】 実施例3にて得られたポリカルボジイミドの
IRスペクトルである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下式: 【化1】 (式中、kは0〜30の整数、mは2〜100の整数、
    nは0〜30の整数、R は炭素数2〜10のアルキレ
    ン基、Rは芳香族ジイソシアネート残基、Rは芳香
    族モノイソシアネート残基を表す)で表されるポリカル
    ボジイミド共重合体。
  2. 【請求項2】 式(I)において、Rがヘキサメチレン
    基であり、Rがトリレンジイソシアネート残基又はジ
    フェニルメタンジイソシアネート残基である請求項1の
    ポリカルボジイミド共重合体。
  3. 【請求項3】 式(I)において、Rがp−イソプロピ
    ルフェニルイソシアネート残基である請求項2のポリカ
    ルボジイミド共重合体。
  4. 【請求項4】下式: 【化2】 (式中、kは0〜30の整数、mは2〜100の整数、
    nは0〜30の整数、R は炭素数2〜10のアルキレ
    ン基、Rは芳香族ジイソシアネート残基、Rは芳香
    族モノイソシアネート残基を表す)で表されるポリカル
    ボジイミド共重合体からなるシート状組成物。
  5. 【請求項5】 式(I)において、Rがヘキサメチレン
    基であり、Rがトリレンジイソシアネート残基又はジ
    フェニルメタンジイソシアネート残基であり、Rがp
    −イソプロピルフェニルイソシアネート残基である請求
    項4のシート状組成物。
  6. 【請求項6】 下式: 【化3】 (式中、mは2〜100の整数、Rは炭素数2〜10
    のアルキレン基を意味する。)で表されるポリカーボネ
    ートジオールを、2倍モル以上の芳香族ジイソシアネー
    トと反応させて両末端にイソシアネート基を有するポリ
    ウレタンを製造し、ついで該両末端のイソシアネート基
    と芳香族ジイソシアネートとにより触媒の存在下、カル
    ボジイミド化を行うことを特徴とする請求項1記載のポ
    リカルボジイミド共重合体の製造方法。
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