JP2002069011A - テトラシクロドデセン誘導体組成物 - Google Patents

テトラシクロドデセン誘導体組成物

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JP2002069011A JP2000254722A JP2000254722A JP2002069011A JP 2002069011 A JP2002069011 A JP 2002069011A JP 2000254722 A JP2000254722 A JP 2000254722A JP 2000254722 A JP2000254722 A JP 2000254722A JP 2002069011 A JP2002069011 A JP 2002069011A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オレフィン、シクロペンタジエンおよび/ま
たはジシクロペンタジエン場合により特定構造のノルボ
ルネン誘導体を加熱反応させ、原料を回収、再使用して
製造し、臭気を低減したテトラシクロドデセン誘導体組
成物を提供することである。 【解決手段】 テトラシクロドデセン誘導体中にノルボ
ルナン誘導体含有量を特定量以下に低減することにより
臭気を低減し、またこれを重合して得たポリマーの臭気
を改善し、耐光性、耐候性を向上することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はテトラシクロドデセ
ン誘導体の組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】優れた光学特性、高透明性や耐熱性、吸
油性を有するポリマーとしてシクロオレフィン(コ)ポ
リマーは注目されており、その原料としてテトラシクロ
ドデセン類に代表される環状オレフィンは有用である。
これらの環状オレフィンは、一般には有機金属錯体触媒
を用いる重合に供されるが、これらの重合はチグラー触
媒やメタロセン触媒を用いる環状オレフィンのオレフィ
ン部位での単独重合、あるいは低級α−オレフィンとの
共重合と、カルベン型錯体を使用したメタセシス重合の
二つの重合形式に大別される。アルキルテトラシクロド
デセンの代表であるテトラシクロドデセンの製造方法と
しては、シクロペンタジエン(以下、CPDと称するこ
とがある)、ジシクロペンタジエン(以下、DCPDと
称することがある)またはこれらの混合物、ノルボルネ
ンおよびエチレンを加熱混合することによりテトラシク
ロドデセンとノルボルネンを含む反応混合液が製造さ
れ、その際ノルボルネンは回収、循環させる方法が例示
されている。またエチレンの代わりに他のオレフィン、
例えばプロピレンを用いるとメチルテトラシクロドデセ
ンのようなアルキルテトラシクロドデセンが得られる。
この方法は、たとえば、特開平3−128333号公
報、特開平6−9437号公報、特開平6−72909
号公報等により提案されている。そして、これらの方法
では、いずれも、具体的態様としては、エチレン、DC
PDおよびノルボルネンの混合物を反応させ、反応器か
ら得られた反応混合物を冷却後、脱圧分離し、その後の
精製工程において、ノルボルネンおよびジシクロペンタ
ジエンを分離回収し、これを循環、再使用する態様が開
示されている。しかし、これらのテトラシクロドデセン
誘導体を重合させて得られたポリマーは臭気などにおい
て問題がある場合があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を
解決するものであり、臭気が少なく、またこれを重合し
て臭気、色相、耐候性等に問題の無いポリマーが得られ
るテトラシクロドデセン誘導体組成物を供給することを
目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは詳細に反応
を検討した結果、オレフィンとノルボルネン誘導体とか
らノルボルナン誘導体が生成することを見出した。また
このノルボルナン誘導体はテトラシクロドデセン誘導体
と沸点が近いため分離が困難である。さらにノルボルナ
ン誘導体を含んだテトラシクロドデセン誘導体の重合に
おいては、ノルボルナン誘導体はテトラシクロドデセン
誘導体と反応性が異なるため、重合反応物中に残存し、
得られたポリマーがノルボルナン誘導体による独特の臭
気を有するようになることを見出し本発明に至った。
【0005】すなわち本発明の第1は、下記式[1]で
表されるオレフィン化合物と、シクロペンタジエンおよ
び/またはジシクロペンタジエンとを加熱反応して得ら
れ、下記式[2]で表されるノルボルナン誘導体を50
000ppm以下含む、下記式[3]で表されるテトラ
シクロドデセン誘導体組成物である。
【化5】 (R1〜R5は水素または炭素数1〜6までのヒドロカルビ
ル基を表す)
【化6】 (R1〜R5は水素または炭素数1〜6までのヒドロカルビ
ル基を表す)
【化7】 (R1〜R5は水素または炭素数1〜6までのヒドロカルビ
ル基を表す)
【0006】また本発明の第2は、式[1]で表される
オレフィン化合物と下記式[4]で表されるノルボルネ
ン誘導体、シクロペンタジエンおよび/またはジシクロ
ペンタジエンとを加熱反応して得られる、式[2]で表
されるノルボルナン誘導体を50000ppm以下含
む、式[3]で表されるテトラシクロドデセン誘導体組
成物である。
【化8】 (R1〜R5は水素または炭素数1〜6までのヒドロカルビ
ル基を表す)
【0007】以下本発明について詳しく説明する。本発
明に使用する式[1]で表されるオレフィン化合物にお
いて、前記式[1]中のR1〜R5は水素、または炭素数1
〜6までのヒドロカルビル基である。オレフィンの立体
配置は全く任意である。具体的には、プロピレン、1−
ブテン、2−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、2−ペ
ンテン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブ
テン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、2−ヘ
キセン、3−ヘキセン、2−メチル−1−ペンテン、3
−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、
2−メチル−2−ペンテン、3−メチル−2−ペンテ
ン、4−メチル−2−ペンテン、2,3−ジメチル−1
−ブテン、2,3−ジメチル−2−ブテンなどがあげら
れる。これらの中で低級オレフィンがテトラシクロドデ
セン誘導体収率が高く好ましい。具体的には工業的に入
手が容易なプロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソ
ブテンが好ましい。
【0008】ここで用いられるCPDは、好ましくはあ
らかじめDCPDを熱分解蒸留したものである。CPD
はDCPDの熱分解により容易に得られる。本発明にお
いては、通常の反応条件下ではDCPDはCPDへ分解
する。また工業的にはDCPDの入手は容易である。し
たがって、本発明においてはDCPDを用いると、ナフ
サ等の熱分解油から回収されるものが工業的に大量に得
られしかも安価であるので好ましい。
【0009】本発明において使用される前記式[4]で
表されるノルボルネン誘導体において、R1〜R5は水素、
または炭素数1〜6までのヒドロカルビル基である。ま
た置換基の立体配置は全く任意である。ノルボルネン誘
導体は前記式[1]で表されるオレフィン化合物と、C
PDとのディールス−アルダー反応付加体である。前述
の好ましいオレフィンから誘導されるノルボルネン誘導
体は、具体的には5−メチル−2−ノルボルネン、5−
エチル−2−ノルボルネン、5,6−ジメチル−2−ノ
ルボルネン、5,5−ジメチル−2−ノルボルネンなど
があげられる。
【0010】前記式[3]で表されるテトラシクロドデ
セン誘導体において、R1〜R5は水素、または炭素数1〜
6までのヒドロカルビル基である。また置換基の立体配
置は全く任意である。前述の好ましいオレフィンから誘
導されるテトラシクロドデセン誘導体は、具体的には8
−メチルテトラシクロ[4.4.0.12、5.17、10]
−3−ドデセン、8−エチルテトラシクロ[4.4.
0.12、5.17、10]−3−ドデセン、8,9−ジメチ
ルテトラシクロ[4.4.0.12、5.17、10]−3−
ドデセン、8,8−ジメチルテトラシクロ[4.4.
0.12、5.17、10]−3−ドデセンなどがあげられ
る。
【0011】前記式[4]で表されるノルボルナン誘導
体において、R1〜R5は水素、または炭素数1〜6までの
ヒドロカルビル基である。また置換基の立体配置は全く
任意である。前述の好ましいオレフィンから誘導される
ノルボルナン誘導体は、具体的には2−メチル−4−プ
ロペニルノルボルナン、2−メチル−5−プロペニルノ
ルボルナン、2−エチル−4−ブテニルノルボルナン、
2−エチル−5−ブテニルノルボルナン、2,3−ジメ
チル−4−イソブテニルノルボルナン、2,3−ジメチ
ル−5−イソブテニルノルボルナン、2,2−ジメチル
−4−イソブテニルノルボルナン、2,2−ジメチル−
5−イソイソブテニルノルボルナンなどがあげられる。
なおこれらのオレフィンの立体配置は任意である。
【0012】本発明においては、前記式[1]で表され
るオレフィン化合物とCPDおよび/またはDCPDと
を加熱反応する。反応液を適宜精製することで、式
[2]で表されるノルボルナン誘導体を含んだ式[3]
で表されるテトラシクロドデセン誘導体組成物が得られ
る。
【0013】本発明においては、反応型式はバッチ式で
も連続式でもよい。バッチ式の場合は完全混合型の反応
器が使用される。連続式の場合、反応器に関しては完全
混合型およびピストンフロー型のいずれも使用すること
ができる。ピストンフロー型反応器の市販品としては、
(株)ノリタケカンパニー製「スタティックミキサ
ー」、住友重機械工業(株)製「スルーザーミキサ
ー」、(株)櫻製作所製「スケヤミキサー」などがあげ
られる。反応は一段または多段で行なうことができる。
多段で行なう場合には、完全混合型またはピストンフロ
ー型の反応器を直列または並列で使用することができ
る。
【0014】次に式[1]で表されるオレフィン化合物
とDCPDおよび/またはCPDとから、式[2]で表
されるノルボルナン誘導体を含んだ式[3]で表される
テトラシクロドデセン誘導体を合成する条件について述
べる。反応温度は150〜300℃が適当で、好ましく
は160〜270℃、より好ましくは170〜250℃
である。下限値以下であると、テトラシクロドデセン誘
導体の生成が少なく、上限値以上であると重質の副生成
物が多くなる。滞留時間は10分〜12時間が適当で、
好ましくは10分〜6時間、より好ましくは10分〜2
時間である。下限値以下であると、テトラシクロドデセ
ン誘導体の生成が少なく、上限値以上であると重質の副
生成物が多くなる。
【0015】式[1]で表されるオレフィン化合物とD
CPDとのモル比(CPDを用いた時はDCPDに換算
する)はオレフィン/DCPD=0.1/1〜10/1
が適当で、好ましくは0.5/1〜9/1、より好まし
くは1/1〜8/1である。下限値以下であると、重質
の副生成物が多く、上限値以上であるとテトラシクロド
デセン誘導体の生成が少なくなる。
【0016】また式[2]で表されるノルボルナン誘導
体の式[3]で表されるテトラシクロドデセン誘導体に
対する含有量は50000ppm以下であり、1ppm
以上であることが好ましい。式[2]で表されるノルボ
ルナン誘導体の含有量が、限りなく0に近いとテトラシ
クロドデセン誘導体の純度は非常に高く、例えば重合に
供した場合、非常に優れたモノマーとなるが、精製のた
めの労力が多大で好ましくない。ノルボルナン誘導体を
50000ppm以上含んだ組成物では、例えばチグラ
ータイプやメタロセンタイプの重合では、テトラシクロ
ドデセン誘導体よりも重合性が低いノルボルナン誘導体
が残存し、ノルボルナン化合物独特の臭気を発生した
り、オレフィンが残存するため耐光性や耐候性を悪化さ
せたりする。
【0017】本発明においては、原料を加熱反応させる
ことで、まずオレフィンとCPDとが付加反応をおこ
し、式[4]で表されるノルボルネン誘導体が合成され
る。さらにこれにCPDが付加することで、式[3]で
表されるテトラシクロドデセン誘導体が合成される。式
[2]で表される化合物は、式[4]で表される化合物
と式[1]で表される化合物とがエン反応と呼ばれる、
熱的な付加反応したものである。反応温度が高いほど、
式[2]で表される化合物が生成しやすいので、過度の
加熱は避けることが好ましい。
【0018】次に式[1]で表されるオレフィン化合
物、式[4]で表されるノルボルネン誘導体とDCPD
および/またはCPDとから、式[2]で表されるノル
ボルナン誘導体を含んだ式[3]で表されるテトラシク
ロドデセン誘導体を合成する条件について述べる。反応
温度、滞留時間については、オレフィンとDCPDおよ
び/またはCPDとから反応液を合成する場合と同じで
ある。すなわち、式[1]で表されるオレフィン化合物
とDCPDとのモル比(CPDを用いた時はDCPDに
換算する)はオレフィン/DCPD=0.1/1〜10
/1が適当で、好ましくは0.5/1〜9/1、より好
ましくは1/1〜8/1である。下限値以下であると、
重質の副生成物が多く、上限値以上であるとテトラシク
ロドデセン誘導体の生成が少なくなる。
【0019】また式[4]で表されるノルボルネン化合
物と式[1]で表されるオレフィン化合物とのモル比は
オレフィン/ノルボルネン≦10/1が適当で、好まし
くはオレフィン/ノルボルネン≦9/1、より好ましく
はオレフィン/ノルボルネン≦8/1である。上限値以
上であるとテトラシクロドデセン誘導体の生成が少なく
なる。いずれの場合においても式[2]で表されるノル
ボルナン誘導体の式[3]で表されるテトラシクロドデ
セン誘導体に対する含有量は1〜50000ppmであ
ることが肝要である。
【0020】また式[3]で表されるテトラシクロドデ
セン誘導体の精製には、いかなる方法も採用できる。工
業的には蒸留が好ましく使用される。
【0021】本発明における組成物を製造する際には溶
媒を使用してもよい。パラフィン系、ナフテン系、芳香
族系のいずれの溶媒も使用できる。例えば、炭素数6〜
13程度の炭化水素が好ましい。これらの中でも一般的
にはイソヘキサン、ヘプタン、イソヘプタン、ノルマル
オクタン、イソオクタン、シクロヘキサン、メチルシク
ロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘ
キサン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレ
ン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチル
ベンゼンなどが好ましく使用される。
【0022】また本反応においては酸化防止剤、重合禁
止剤等を加えることができる。以上のようにして製造さ
れるテトラシクロドデセン誘導体組成物は、公知の方法
により重合に供することができる。メタセシス重合を行
なう場合には、例えば、特開平9−183832号公
報、特開平8−151435号公報、特開平5−436
63号公報、特開平1−172422号公報、特開平1
−172421号公報、特開平1−168725号公
報、特開平1−168724号公報、特開昭60−26
024号公報などに開示されているような方法で行うこ
とができる。具体的には、(a)遷移金属化合物触媒成
分と、(b)金属化合物助触媒成分からなる触媒を用い
る方法である。ここで、(a)遷移金属化合物触媒成分
とは、周期律表第IVB、VB、VIB、VIIBまたは VIII族の
遷移金属の化合物であり、これら遷移金属のハロゲン化
物、オキシハロゲン化物、アルコキシハロゲン化物、ア
ルコキシド、カルボン酸塩、(オキシ)アセチルアセト
ネート、カルボニル錯体、アセトニトリル錯体、ヒドリ
ド錯体、これらの誘導体、これらのホスフィン化合物
等の錯化剤による錯化物が挙げられる。また、(b)金
属化合物助触媒成分としては、周期律表第IA、IIA、II
B、IIIAまたはIVA族金属の化合物で少なくとも一つの金
属元素−炭素結合、または金属元素−水素結合を有する
ものであり、例えば、Al、Sn、Li、Na、Mg、Zn、
Cd、Bなどの有機化合物が挙げられる。また、メタセ
シス重合活性を高めるために、(a)、(b)両成分の
他に、脂肪族第三級アミン、芳香族第三級アミン、分子
状酸素、アルコール、エーテル、過酸化物、カルボン
酸、酸無水物、酸クロリド、エステル、ケトン、含窒素
化合物、含硫黄化合物、含ハロゲン化合物、分子状ヨウ
素、その他ルイス酸等を加えることができる。
【0023】一方、テトラシクロドデセン類のオレフィ
ン部位における単独重合、あるいは低級α−オレフィン
との共重合は、メタロセン触媒を含むチーグラー触媒を
用いて行うことができる。メタロセン触媒を用いる場合
は、例えば、特開平3−45612号公報、特開平2−
173112号公報、特開平4−63807号公報、特
開昭64−106号公報、特開昭61−221206号
公報などに開示されている方法で行うことができる。具
体的には、(c)周期律表のIVB、VB または VIB族から
なる遷移金属の化合物成分と、(d)有機アルミニウム
オキシ化合物成分からなる触媒を用いる方法である。
(c)の遷移金属化合物成分は、周期律表のIVB、VBま
たはVIB族の遷移金属の化合物であり、少なくとも2個
のシクロアルカジエニル基またはその置換体の多座配位
性化合物を配位子とし、あるいはそれらシクロアルカジ
エニル基またはその置換体が炭化水素基またはシリレン
基あるいは置換シリレン基を介して結合した多座配位性
化合物を配位子とした化合物が挙げられる。(d)有機
アルミニウムオキシ化合物成分は下記式[5]および下
記式[6]で表される化合物である。
【化9】 (式中のRは炭化水素基であり、具体的には、メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基などであり、mは
2以上の整数を示す。)
【化10】 (式中のRは炭化水素基であり、具体的には、メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基などであり、mは
2以上の整数を示す。)
【0024】また、チーグラー触媒としてはチタン、バ
ナジウム化合物が触媒に用いられており、例えば特開平
9−176396号公報、特開昭62−252406号
公報、特開昭62−252407号公報などに記載の、
炭化水素溶媒に可溶性のバナジウム化合物および有機ア
ルミニウム化合物から形成される触媒を用いる方法によ
って、エチレンのようなα−オレフィンと環状オレフィ
ンの共重合体が合成される。またノルボルネン、ジシク
ロペンタジエン等の他の環状オレフィンとの共重合も可
能である。また、本発明におけるテトラシクロドデセン
誘導体を重合する際には、他の種類のオレフィン性化合
物と共重合することが可能であり、例えば特公平7−1
03223号公報に開示されているように、共重合の割
合を変化させることにより、種々の物性バランスを調整
することができる。なお開環重合を行った場合、得られ
るポリマーは不飽和二重結合を含むことがあり、そのた
め耐熱劣化性や耐光性が低い場合には、これを改善する
ためにオレフィンの一部あるいは全部を水素化すること
ができる。水素添加反応はニッケル、パラジウム、白金
などの貴金属を無機担体に分散して担持させたものが使
用される。また均一系の水素化触媒も用いることができ
る。水素添加反応の圧力は0.1〜20MPa、温度は0
〜200℃の範囲である。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。 <実施例1>プロピレンとDCPDとをモル比で3:1
に混合し、1Lのオートクレーブに合計量500gを導
入した。反応温度245℃まで1時間かけて昇温し、2
時間反応させた。反応生成物を冷却し、蒸留することで
8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12、5
7、10]−3−ドデセンを得た。なお得られたテトラシ
クロドデセン誘導体に対して2−メチル−4−プロペニ
ルノルボルナンおよび2−メチル−5−プロペニルノル
ボルナンが合計で1000ppm含まれていた。なおこ
れら2−メチル−4−プロペニルノルボルナンおよび2
−メチル−5−プロペニルノルボルナンは質量分析によ
り、M/e=150、M/e=109から同定した。 ≪重合例1≫撹拌羽を取り付けた2Lなす型フラスコ
に、窒素雰囲気下で乾燥したトルエンを1000ml導
入した。このフラスコにさらにジクロロエトキシオキソ
バナジウム(1mmol)と、実施例1で得られたメチ
ルテトラシクロドデセン(10g)を加えた。この溶液
を撹拌しながら、エチレンと窒素の混合ガス(モル比:
エチレン/窒素=1:5)を、溶液に200L/hの流
量でバブリングを行った。ここにさらにエチルアルミニ
ウムセスキクロリド(10mmol)を滴下して反応を
開始し、5℃で20分間重合を行った。メタノールを3
0ml加えて重合を停止し、反応混合物を2Lのメタノ
ールに注ぎ、共重合体を析出させた。共重合体を真空乾
燥し、サノールLS770を100ppm、サノール2
00を200ppm添加し、窒素下で240℃にてラボ
プラストミルで溶融混練し、200℃で厚さ1mmのプ
レスシートを作製した。シートには独特のノルボルナン
臭は感じられなかった。シートを1ヶ月間屋外に放置し
たが、とくに変化はみられなかった。
【0026】<実施例2>2−ブテンとDCPDとをモ
ル比で4:1に混合し、1Lのオートクレーブに合計量
500gを導入した。反応温度250℃まで1時間かけ
て昇温し、1時間反応させた。反応生成物を冷却し、蒸
留することで8,9−ジメチルテトラシクロ[4.4.
0.12、5.17、10]−3−ドデセンを得た。なお得ら
れたテトラシクロドデセン誘導体に対して2,3−ジメ
チル−4−イソブテニルノルボルナンが8000ppm
含まれていた。なお2,3−ジメチル−4−イソブテニ
ルノルボルナンは質量分析により、M/e=178、M
/e=123から同定した。 ≪重合例2≫実施例2で合成したジメチルテトラシクロ
ドデセンを10g使用すること以外は、重合例1と同様
に行なった。同様にシートには独特のノルボルナン臭は
感じられなかった。シートを1ヶ月間屋外に放置した
が、とくに変化はみられなかった。
【0027】<実施例3>1−ブテン、5−エチル−2
−ノルボルネンとDCPDとをモル比で6:4:1に混
合し、1Lのオートクレーブに合計量500gを導入し
た。反応温度240℃まで1時間かけて昇温し、0.5
時間反応させた。反応生成物を冷却し、蒸留することで
8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12、5
7、10]−3−ドデセンを得た。なお得られたテトラシ
クロドデセン誘導体に対して2−エチル−4−ブテニル
ノルボルナンおよび2−エチル−5−ブテニルノルボル
ナンが合計で3000ppm含まれていた。なおこれら
2−エチル−4−ブテニルノルボルナンおよび2−エチ
ル−5−ブテニルノルボルナンは質量分析により、M/
e=178、M/e=123から同定した。 ≪重合例3≫実施例3で合成したエチルテトラシクロド
デセンを10g使用すること以外は、重合例1と同様に
行なった。同様にシートには独特のノルボルナン臭は感
じられなかった。シートを1ヶ月間屋外に放置したが、
とくに変化はみられなかった。
【0028】<比較例1>プロピレンとDCPDとをモ
ル比で12:1に混合し、1Lのオートクレーブに合計
量500gを導入した。反応温度270℃まで1時間か
けて昇温し、4時間反応させた。反応生成物を冷却し、
蒸留することで8−メチルテトラシクロ[4.4.0.
2、5.17、10]−3−ドデセンを得た。なお得られた
テトラシクロドデセン誘導体に対して2−メチル−4−
プロペニルノルボルナンおよび2−メチル−5−プロペ
ニルノルボルナンが合計で70000ppm含まれてい
た。 ≪重合例4≫比較例1で得たメチルテトラシクロドデセ
ンを使用すること以外は、重合例1と同様に行なった。
プレスシートには独特のノルボルナン臭があり、1ヶ月
の屋外暴露により著しい黄変がみられた。
【0029】<比較例2>2−ブテンとDCPDとをモ
ル比で11:1に混合し、1Lのオートクレーブに合計
量500gを導入した。反応温度280℃まで2時間か
けて昇温し、3時間反応させた。反応生成物を冷却し、
蒸留することで8,9−ジメチルテトラシクロ[4.
4.0.12、5.17、10]−3−ドデセンを得た。なお
得られたテトラシクロドデセン誘導体に対して2,3−
ジメチル−4−イソブテニルノルボルナンが65000
ppm含まれていた。 ≪重合例5≫比較例2で得たジメチルテトラシクロドデ
センを使用すること以外は、重合例2と同様に行なっ
た。プレスシートには独特のノルボルナン臭があり、1
ヶ月の屋外暴露により著しい黄変がみられた。
【0030】<比較例3>1−ブテンとDCPDとをモ
ル比で11:1に混合し、1Lのオートクレーブに合計
量500gを導入した。反応温度280℃まで2時間か
けて昇温し、3時間反応させた。反応生成物を冷却し、
蒸留することで8−エチルテトラシクロ[4.4.0.
2、5.17、10]−3−ドデセンを得た。なお得られた
テトラシクロドデセン誘導体に対して2−エチル−4−
ブテニルノルボルナンおよび2−エチル−5−ブテニル
ノルボルナンが合計で55000ppm含まれていた。 ≪重合例6≫比較例3で合成したエチルテトラシクロド
デセンを使用すること以外は、重合例3と同様に行なっ
た。プレスシートには独特のノルボルナン臭があり、1
ヶ月の屋外暴露により著しい黄変がみられた。
【0031】
【発明の効果】本発明のテトラシクロドデセン誘導体組
成物は、独特の臭気を有する特定のノルボルナン誘導体
を不純物として特定量以下含むことを特徴とする。また
その含有量が特定量以下であるため、特にポリマーとし
た時の臭気を改善し、耐光性、耐候性を向上することが
できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式[1]で表されるオレフィン化合
    物と、シクロペンタジエンおよび/またはジシクロペン
    タジエンとを加熱反応させて得られ、下記式[2]で表
    されるノルボルナン誘導体を50000ppm以下含
    む、下記式[3]で表されるテトラシクロドデセン誘導
    体組成物。 【化1】 (R1〜R5は水素または炭素数1〜6までのヒドロカルビ
    ル基を表す) 【化2】 (R1〜R5は水素または炭素数1〜6までのヒドロカルビ
    ル基を表す) 【化3】 (R1〜R5は水素または炭素数1〜6までのヒドロカルビ
    ル基を表す)
  2. 【請求項2】 式[1]で表されるオレフィン化合物と
    下記式[4]で表されるノルボルネン誘導体、シクロペ
    ンタジエンおよび/またはジシクロペンタジエンとを加
    熱反応させて得られる、式[2]で表されるノルボルナ
    ン誘導体を50000ppm以下含む、式[3]で表さ
    れるテトラシクロドデセン誘導体組成物。 【化4】 (R1〜R5は水素または炭素数1〜6までのヒドロカルビ
    ル基を表す)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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