JP2000026333A - 2−エチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレンの製造方法 - Google Patents

2−エチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレンの製造方法

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JP2000026333A
JP2000026333A JP10204271A JP20427198A JP2000026333A JP 2000026333 A JP2000026333 A JP 2000026333A JP 10204271 A JP10204271 A JP 10204271A JP 20427198 A JP20427198 A JP 20427198A JP 2000026333 A JP2000026333 A JP 2000026333A
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Fuyuki Aida
冬樹 相田
Takashi Suzuki
貴 鈴木
Yoshihisa Inomata
佳久 猪俣
Yasuo Matsumura
泰男 松村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特定のテトラシクロドデセン類の各種重合を
検討し、広範な重合に適した重合用組成物の製造方法を
提供する。 【解決手段】 シクロペンタジエンおよび/またはジシ
クロペンタジエン、および5−エチル−2−ノルボルネ
ンを特定の条件下で反応させることからなる、重合にお
いてゲル化の原因となるシクロペンタジエン3量体の合
計含有量が100〜5,000ppmである2−エチル
−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8
a−オクタヒドロナフタレンの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は重合用の2−エチル
−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8
a−オクタヒドロナフタレン組成物の製造方法にし、さ
らに詳しくは、シクロペンタジエンおよび/またはジシ
クロペンタジエン、および5−エチル−2−ノルボルネ
ンを反応させることからなる重合用の2−エチル−1,
4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−
オクタヒドロナフタレンの製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】優れた光学特性、高透明性や耐熱性、吸
油性を有するポリマーとしてシクロオレフィン(コ)ポ
リマーは注目されており、その原料としてテトラシクロ
ドデセン類に代表される環状オレフィンは有用である。
これらの環状オレフィンは、一般には有機金属錯体触媒
を用いて重合されるが、チーグラー触媒やメタロセン触
媒を用いる環状オレフィンのオレフィン部位での単独重
合、あるいは低級α−オレフィンとの共重合と、カルベ
ン型錯体を使用したメタセシス重合の二つの重合形式に
大別される。
【0003】ここで、テトラシクロドデセン類の製造方
法としては、例えば、特公昭1−60011号公報が知
られており、ここではα−オレフィンとシクロペンタジ
エン(またはジシクロペンタジエン)およびノルボルネ
ンを加熱しノルボルネンおよびテトラシクロドデセン類
を含む混合物を製造する方法において、ノルボルネンを
循環使用することが開示されている。しかるに、製法自
体その他の理由により、得られたテトラシクロドデセン
類にはわずかではあるが異性体、そのほかの化合物を含
むことがある。これらの化合物のうち特定の化合物は、
テトラシクロドデセン類の特定の重合を阻害する可能性
がある。例えば、特開平7−173085号公報におい
ては、二つのノルボルネン環がそれぞれ不飽和二重結合
を有する特定のジオレフィン化合物を含有するテトラシ
クロドデセン類組成物を開示し、特定のジオレフィン化
合物がテトラシクロドデセン類のメタセシス重合に際し
ゲル化の原因となるため、上記特定のジオレフィン化合
物の含有量は50〜5,000ppmの範囲にすべきで
あることを提案している。なお上記公報記載の組成物
は、具体的にはメタセシス開環重合用の単量体に関する
ものであり、メタロセン触媒やチグラー触媒を用いるオ
レフィン部位での単独重合あるいは低級α−オレフィン
との共重合についての言及はなされていない。また上記
特定のジオレフィン化合物についてのみ言及するもので
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、特
定のテトラシクロドデセン類の各種重合を検討し、広範
な重合に適した重合用組成物の製造方法を見出すことを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の第1
は、シクロペンタジエンおよび/またはジシクロペンタ
ジエン、および下記式〔I〕で表される5−エチル−2
−ノルボルネンを、反応温度100〜350℃、反応圧
力0.5〜20MPa および滞留時間0.1〜360分の
条件で、ジシクロペンタジエンとシクロペンタジエンの
2倍量のモル数の合計を1として、5−エチル−2−ノ
ルボルネンを1〜20倍モルの割合で反応させることか
らなる、下記式〔II〕および式〔III〕で表されるシク
ロペンタジエン3量体の合計含有量が100〜5,00
0ppmである重合用の下記式〔IV〕で表される2−エ
チル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,
8,8a−オクタヒドロナフタレンの製造方法に関する
ものである。
【0006】
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
【0007】本発明の第2は、シクロペンタジエンおよ
び/またはジシクロペンタジエン、および上記式〔I〕
で表される5−エチル−2−ノルボルネン、および1−
ブテンを、反応温度100〜350℃、反応圧力0.5
〜20MPa および滞留時間0.1〜360分の条件
で、ジシクロペンタジエンとシクロペンタジエンの2倍
量のモル数の合計を1として、1−ブテンを0.1〜1
0倍モルおよび5−エチル−2−ノルボルネンを1〜2
0倍モルの割合で反応させることからなる、上記式〔I
I〕および式〔III〕で表されるシクロペンタジエン3量
体の合計含有量が 100〜5,000ppmである
重合用の上記式〔IV〕で表される2−エチル−1,4,
5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オク
タヒドロナフタレンの製造方法に関するものである。本
発明の第3は、シクロペンタジエンおよび/またはジシ
クロペンタジエン、および上記式〔I〕で表される5−
エチル−2−ノルボルネン、および1−ブテンを、反応
温度100〜350℃、反応圧力0.5〜20MPa お
よび滞留時間0.1〜360分の条件で、ジシクロペン
タジエンとシクロペンタジエンの2倍量のモル数の合計
を1として、1−ブテンを0.1〜10倍モルおよび5
−エチル−2−ノルボルネンを1〜20倍モルの割合で
反応させ、さらに5−エチル−2−ノルボルネンを循環
使用することからなる、上記式〔II〕および式〔III〕
で表されるシクロペンタジエン3量体の合計含有量が1
00〜5,000ppmである重合用の上記式〔IV〕で
表される2−エチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,
3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレンの製
造方法に関するものである。本発明の第4は、本発明の
第1から第3のいずれかにおいて、上記式〔III〕で表
されるシクロペンタジエン3量体の含有量が100〜
3,000ppmである重合用の2−エチル−1,4,5,
8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタ
ヒドロナフタレンの製造方法に関する。
【0008】以下本発明について詳しく説明する。本発
明の前記式〔II〕および式〔III〕で表されるシクロペ
ンタジエン3量体の合計含有量が100〜5,000p
pmである、重合用の前記式〔IV〕で表される2−エチ
ル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,
8a−オクタヒドロナフタレン組成物の製法の第1は、
シクロペンタジエンおよび/またはジシクロペンタジエ
ン、および5−エチル−2−ノルボルネンを、反応温度
100〜350℃、反応圧力0.5〜20MPa および
滞留時間0.1〜360分の条件で、ジシクロペンタジ
エンとシクロペンタジエンの2倍量のモル数の合計を1
として、5−エチル−2−ノルボルネンを1〜20倍モ
ルの割合で反応させる方法である。
【0009】反応原料のジシクロペンタジエンは、市販
のものを使用することが望ましく、その純度は90%以
上であることが望ましい。ジシクロペンタジエンの不純
物は主としてテトラヒドロメチルインデンのほか、C5
〜C6の鎖状または環状ジオレフィンとシクロペンタジ
エンとの付加物などであり、これらの量が多いと重質の
副生成物が多くなる。またシクロペンタジエンを使用す
る場合には、あらかじめジシクロペンタジエンを熱分解
蒸留したものを用いる。またシクロペンタジエンは市販
されているものは2量体、すなわちジシクロペンタジエ
ンになっており、これを熱分解することにより容易にシ
クロペンタジエンが得られるので、熱分解が起こる温度
以上で反応を行う場合には、原料としてジシクロペンタ
ジエンも使用することができる。
【0010】上記の方法における各成分の供給割合に関
し、シクロペンタジエンおよび/またはジシクロペンタ
ジエンのモル数はジシクロペンタジエンのモル数を基準
として表す。すなわち、例えばシクロペンタジエン2モ
ルとジシクロペンタジエン1モルとの混合物を原料とす
る場合には、ジシクロペンタジエン2モルとして計算す
る。このようにして求めたジシクロペンタジエンのモル
数に対して、5−エチル−2−ノルボルネンを1〜20
倍、好ましくは2〜10倍、より好ましくは3〜8倍の
モル数の範囲で供給する。5−エチル−2−ノルボルネ
ン量がこの範囲よりも多いと、式〔II〕および式〔II
I〕の化合物で代表される重質分の収量は比較的少なく
なるが、目的物の有効収率は低下する。またこの範囲よ
りも少ない場合には、式〔II〕および式〔III〕の化合
物で代表される重質物の生成量が多くなる傾向がある。
【0011】ここで、式〔I〕で表される5−エチル−
2−ノルボルネンは特に限定されず、いずれの方法で製
造されたものも使用することができる。例えば、1−ブ
テンと、シクロペンタジエンおよび/またはジシクロペ
ンタジエンとを原料として、反応温度100〜350℃
および反応圧力0.1〜20MPa の条件で合成するこ
とができる。すなわち、1−ブテンと、シクロペンタジ
エンおよび/またはジシクロペンタジエンとを原料に反
応温度100〜350℃および反応圧力0.1〜20M
Paの条件で合成する5−エチル−2−ノルボルネンの
製造条件は、式〔IV〕で表される2−エチル−1,4,
5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オク
タヒドロナフタレンの製造条件と重複する。従って、ジ
シクロペンタジエンおよび/またはシクロペンタジエ
ン、および5−エチル−2−ノルボルネンを加熱混合す
る際に1−ブテンを共存させることにより、5−エチル
−2−ノルボルネンが合成されると共に本発明の目的物
も製造される。従ってブテン−1の共存により5−エチ
ル−2−ノルボルネンを合成しながら2−エチル−1,
4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−
オクタヒドロナフタレンを合成することができるので特
に好ましい。すなわち、この方法によれば、別途5−エ
チル−2−ノルボルネンを合成したりまたは外部から購
入することが不要となる。
【0012】本発明の2−エチル−1,4,5,8−ジメ
タノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナ
フタレン組成物の製法の第2は、シクロペンタジエンお
よび/またはジシクロペンタジエン、および上記式
〔I〕で表される5−エチル−2−ノルボルネン、およ
び1−ブテンを、反応温度100〜350℃、反応圧力
0.5〜20MPa および滞留時間0.1〜360分の条
件で、ジシクロペンタジエンとシクロペンタジエンの2
倍量のモル数の合計を1として、1−ブテンを0.1〜
10倍モルおよび5−エチル−2−ノルボルネンを1〜
20倍のモル数の割合で反応させる方法である。
【0013】上記第2の方法において、反応系に供給す
る各成分の割合としては、シクロペンタジエンおよび/
またはジシクロペンタジエンのモル数をジシクロペンタ
ジエンのモル数を基準として表した値に対して、1−ブ
テンを0.1〜10倍、好ましくは0.2〜8倍、より好
ましくは0.5〜5倍のモル数の範囲で使用する。1−
ブテンの量がこの範囲より少ないと重質物の生成量が多
くなり、反対に多い場合には重質分は減少するが、目的
物の有効収率が低下する。また5−エチル−2−ノルボ
ルネンは、同じくジシクロペンタジエンのモル数を基準
として1〜20倍、好ましくは2〜10倍、より好まし
くは3〜8倍のモル数で供給する。5−エチル−2−ノ
ルボルネン量が多いと式〔II〕および式〔III〕の化合
物で代表される重質分の収量は比較的少なくなるが、目
的物の有効収率が低下する。またこれより少ない場合に
は式〔II〕および式〔III〕の化合物で代表される重質
物の生成量が多くなる。
【0014】上記において使用することができる1−ブ
テンとしては、石油精製プラントや、ブタン、ナフサあ
るいは軽油などを原料とする各種分解プロセスから生成
するもの、プロピレンの不均化反応で生成するもの、エ
チレンの2量化反応で生成するものなど、あらゆる種類
の製造方法によるものが挙げられる。
【0015】さらに、上記の1−ブテンを共存させる方
法においては、反応中に5−エチル−2−ノルボルネン
が生成するのであるから、反応混合物から5−エチル−
2−ノルボルネンの少なくとも一部を分離回収し、これ
を循環再使用することができる。特に、少なくとも5−
エチル−2−ノルボルネンの量が減少しない条件で製造
を行うようにすれば、反応混合物から5−エチル−2−
ノルボルネンを分離回収して循環再使用することによ
り、5−エチル−2−ノルボルネンの新たな補給をする
ことなく、見かけ上1−ブテンと、シクロペンタジエン
および/またはジシクロペンタジエンとから2−エチル
−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8
a−オクタヒドロナフタレンを合成することができるの
で、さらに好ましい製造方法となる。
【0016】本発明の反応の各成分、例えばシクロペン
タジエンおよび/またはジシクロペンタジエンは任意の
方法を用いて反応系に輸送されるものであるが、連続的
に2−エチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,
4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレンの製造を行
う場合には昇圧機および/またはポンプを使用すること
が望ましい。もう一方の原料である5−エチル−2−ノ
ルボルネンとあらかじめ混合しておいてもよく、別に供
給してもよい。ただし別に供給する場合には原料タンク
およびポンプが2台必要になるため、あらかじめ混合し
ておく方が好ましい。
【0017】本発明においては溶媒を使用することがで
きる。溶媒としてはパラフィン系、ナフテン系および芳
香族系炭化水素のいずれも使用することができる。循環
使用する5−エチル−2−ノルボルネンと同時に回収で
きるもの、すなわち沸点が5−エチル−2−ノルボルネ
ンの沸点と近接しているものが好都合であり、炭素数と
しては6〜13程度のものが好ましい。これらの中でも
汎用性のあるノルマルヘキサン、イソヘキサン、ベンゼ
ン、ヘプタン、イソヘプタン、トルエン、ノルマルオク
タン、イソオクタン、ジメチルシクロヘキサン、エチル
シクロヘキサン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチ
ルベンゼン、エチルシクロヘキサン、テトラヒドロナフ
タレン、デカヒドロナフタレンなどが好ましく使用され
る。これらの溶媒は単独でも混合物でも使用することが
でき、添加割合は5−エチル−2−ノルボルネンに対し
重量比で300%以下であることが好ましい。なお溶媒
を使用することにより、2−エチル−1,4,5,8−ジ
メタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロ
ナフタレンの収率も向上する。
【0018】これらを原料として、必要により溶媒を用
いて2−エチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,
4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレンの合成を
行う。反応形式はバッチ式でも連続式でもよい。バッチ
式の場合は完全混合型の反応器が使用される。連続式の
場合、反応器に関しては完全混合型およびピストンフロ
ー型のいずれも使用することができる。ピストンフロー
型反応器の市販品としては、(株)ノリタケカンパニー製
「スタティックミキサー」、住友重機械工業(株)製「ス
ルーザーミキサー」、(株)櫻製作所製「スケヤミキサ
ー」などが挙げられる。反応形式は1段またはそれ以上
の多段で行うことができる。多段の場合、完全混合型反
応器やピストンフロー型反応器を直列または並列など任
意に組み合わせて反応させることができる。
【0019】連続式の場合の反応器における反応条件と
して、空間速度は0.001〜100h-1であり、好ま
しくは0.1〜50h-1、より好ましくは1〜10h-1
である。空間速度が100h-1を超える場合には、未反
応物が多くなり不適当である。反応圧力は0.1から2
0MPa であり、好ましくは0.5から15MPa、より
このましくは1から10MPa である。反応温度は0〜
350℃であり、好ましくは100から330℃、より
好ましくは200から300℃である。特にジシクロペ
ンタジエンを原料に用いる場合は、反応温度は100℃
以上でないとシクロペンタジエンへの分解が起こらな
い。なお滞留時間は、反応器の長さに影響されるもので
あるが、0.1〜360分が適当である。反応時間がこ
れよりも長いと、重質の副生物が多くなる。
【0020】バッチ式の場合、反応圧力は0.1から2
0MPa であり、好ましくは0.5から15MPa、より
好ましくは1から10MPa である。反応温度は0〜3
50℃であり、好ましくは100から330℃、より好
ましくは200から300℃である。特にジシクロペン
タジエンを原料に用いる場合は、反応温度は100℃以
上でないとシクロペンタジエンへの分解が起こらない。
また反応温度がこれよりも高いと、式〔II〕および式
〔III〕で表される重質分が多く生成するようになる。
【0021】反応器から抜き出された反応混合物は蒸留
工程に導かれ、循環使用する5−エチル−2−ノルボル
ネンと、溶媒(使用した場合)、および2−エチル−
1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a
−オクタヒドロナフタレンが分離精製される。精製には
蒸留が好ましく用いられ、蒸留はバッチ式でも連続式で
もよい。
【0022】バッチ式の場合、反応混合物には未反応の
1−ブテン、シクロペンタジエンが含まれていることが
あり、まずこれらを分離する。蒸留条件は圧力0.1〜
1MPa および温度0〜100℃の範囲から任意に選ば
れる。次にノルボルネンと、特に溶媒を使用した場合に
は溶媒を同時に回収するが、蒸留条件は1〜100 k
Pa および温度20〜140℃である。回収された5−
エチル−2−ノルボルネンと溶媒の混合物は、必要に応
じ濃度を調整し、原料として再利用される。続いて残存
するジシクロペンタジエンを回収するが、温度は40〜
170℃、圧力は1〜100kPa が適当である。ジシ
クロペンタジエンが残存しない場合は、この蒸留をする
必要はない。ただしジシクロペンタジエン由来の不純物
がある場合には、上記条件で除去する操作を加えておく
ことが好ましい。それにより2−エチル−1,4,5,8
−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒ
ドロナフタレンの純度を高く保つことができる。続いて
2−エチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4
a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレンの蒸留条件
は、温度40〜160℃および圧力0.01〜30kPa
である。
【0023】連続式の蒸留の場合は、少なくとも2本以
上の蒸留塔を含むプロセスであることが好ましい。蒸留
塔が2本の場合は第1塔で、塔頂から1−ブテン、シク
ロペンタジエン、5−エチル−2−ノルボルネン、溶媒
(使用した場合)、および残存ジシクロペンタジエンを
回収し、塔底の混合物を第2塔に送り、第2塔の塔頂で
目的物の2−エチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,
3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレンを得
る。塔底からは重質物が得られる。この場合第1塔での
蒸留条件は、ジシクロペンタジエンが残存している場合
は温度20〜173℃および圧力1〜100kPa が適
当であり、残存していない場合は圧力1〜100kPa
および温度35〜140℃である。第2塔では温度40
〜160℃および圧力0.01〜30kPa である。蒸
留塔が2本のプロセスは、反応生成物中にエキソジシク
ロペンタジエンが存在しないか、あるいはごく少量しか
存在しない場合に適用される。ジシクロペンタジエンが
残存しない場合は、蒸留条件は1〜100kPa および
温度20〜140℃で1−ブテン、シクロペンタジエ
ン、5−エチル−2−ノルボルネン、溶媒(使用した場
合)が回収されるが、温度20〜173℃および圧力1
〜100kPaの条件で除去する操作を加えておくこと
が好ましい。それにより2−エチル−1,4,5,8−ジ
メタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロ
ナフタレンの純度を高く保つことができる。
【0024】蒸留塔が3本の場合は第1塔で、塔頂から
主として1−ブテンとシクロペンタジエンを分離する。
蒸留条件は圧力0.1〜1MPa および温度0〜100
℃の範囲から任意に選ばれる。塔底から得られた混合物
は第2塔に送られ、第2塔の塔頂では5−エチル−2−
ノルボルネンと溶媒(使用した場合)、場合によっては
残存ジシクロペンタジエンを同時に回収する。ジシクロ
ペンタジエンが残存している場合、温度20〜170
℃、圧力は0.01〜100kPa が適当であり、残存
していない場合は蒸留条件は1〜100kPa および温
度35〜140℃である。第2塔の塔底から得られる混
合物は第3塔に送られ、第3塔の塔頂から温度80〜1
60℃および圧力10kPa 以下の条件で2−エチル−
1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a
−オクタヒドロナフタレンを分離精製する。 蒸留塔が
3本のプロセスは反応生成物中にジシクロペンタジエン
が存在しないか、あるいはごく少量しか存在しない場合
に適用される。ジシクロペンタジエンが残存しない場合
は、蒸留条件は1〜100kPa および温度35〜14
0℃で5−エチル−2−ノルボルネン、および溶媒(使
用した場合)が回収されるが、ジシクロペンタジエンに
含まれる不純物がある場合には、温度20〜173℃お
よび圧力1〜100kPa の条件で除去する操作を加え
ておくことが好ましい。それにより2−エチル−1,4,
5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オク
タヒドロナフタレンの純度を高く保つことができる。
【0025】蒸留塔を4本使用場合は第1塔では、塔頂
から1−ブテンとシクロペンタジエンが分離される。蒸
留条件は圧力0.1から1MPa および温度0〜100
℃の範囲から任意に選ばれる。この塔底から得られた混
合物は第2塔に導かれ、塔頂から5−エチル−2−ノル
ボルネンと溶媒(使用した場合)を同時に回収する。蒸
留条件は1〜100kKPa および温度35〜140℃
である。この塔底から得られた混合物は第3塔に導か
れ、ジシクロペンタジエンを主成分とする混合物が分離
される。蒸留条件は温度40〜173℃および圧力1〜
100kPa が適当である。第3塔の塔底から得られた
混合物は第4塔に導かれ、温度40〜160℃および圧
力0.01〜30kPa で2−エチル−1,4,5,8−ジ
メタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロ
ナフタレンが分離され、塔底からは反応副生成物である
重質物が得られる。
【0026】蒸留塔を4本使用する場合の別の方法は、
第1塔の塔頂から1−ブテンとシクロペンタジエンを分
離する。蒸留条件は圧力0.1から1MPa および温度
0〜100℃の範囲から任意に選ばれる。この塔底から
得られた混合物はボトムは第2塔に導かれ、塔頂から5
−エチル−2−ノルボルネンとジシクロペンタジエンを
分離回収する。蒸留条件は、圧力が20kPa 以下であ
り、温度が20から160℃である。この塔頂から得ら
れた混合物を第3塔に導き、塔頂から5−エチル−2−
ノルボルネンを分離し、塔底からジシクロペンタジエン
を分離する。第3塔の蒸留条件は圧力1〜100kPa
および温度20〜140℃が適当である。第2塔の塔底
から得られた混合物は第4塔に導かれ、温度80〜16
0℃および圧力10kPa 以下で2−エチル−1,4,
5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オク
タヒドロナフタレンが塔頂から分離され、塔底からは反
応副生成物である重質物が得られる。
【0027】バッチ式および連続式のいずれの場合も、
2−エチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4
a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレンは高温で分解
するため、最高温度を200℃以下に保って蒸留を行う
ことが肝要である。各蒸留塔には分離効率を高めるため
に、各種充填物を充填したり、還流を行うことができ
る。理論段数は、各蒸留塔において1〜100段であ
り、好ましくは2〜50段、より好ましくは3〜30段
である。還流比は各蒸留塔の分離状態をみて決定される
ものであるが、1〜50が適当である。
【0028】このように回収された5−エチル−2−ノ
ルボルネンあるいは5−エチル−2−ノルボルネンと溶
媒との混合物は、原料タンクに戻され循環使用される。
蒸留で排気ガス中に損失となった5−エチル−2−ノル
ボルネンおよび/または溶媒は、原料タンクから適宜補
充することができ、また反応により増量したノルボルネ
ンは適宜抜き出して濃度を一定値に保つことができる。
【0029】本発明の組成物に含まれるシクロペンタジ
エンの3量体は、式〔II〕で表される、ノルボルネン型
のオレフィン構造とシクロペンテン型のオレフィン構造
を有するジオレフィン化合物と、式〔III〕で表され
る、ノルボルネン型のオレフィン構造を2組有するジオ
レフィン化合物からなるジオレフィン化合物である。こ
れらはメタセシス開環重合のみならず、環状オレフィン
のオレフィン部位での単独重合や低級α−オレフィンと
の共重合の際に悪影響を与える可能性がある。しかしな
がら、上記本発明の方法を採用すれば、シクロペンタジ
エン3量体の含有量は合計で100〜5,000ppm
の範囲となる。好ましくは100〜4,000ppm、
より好ましくは100〜3,000ppmの範囲であ
る。上記シクロペンタジエンの3量体のうち、式〔II
I〕の化合物の含有量は100〜3,000ppmであ
り、好ましくは100〜2,500ppm、より好まし
くは100から2,000ppmである。このような範
囲以上にシクロペンタジエン3量体の含有量が増大する
と、メタセシス開環重合のみならず、環状オレフィンの
オレフィン部位での単独重合あるいは低級α−オレフィ
ンとの共重合の際に架橋反応を起こし、多分散構造が顕
著になると共にゲルが発生する。また、このような範囲
以下の場合は、重合用単量体としてはより好ましく使用
できるが、蒸留精製に負担が増大し、蒸留塔の段数や還
流量が多大になるなど経済的に好ましくない。また本反
応に際しては、適宜に酸化防止剤、重合禁止剤等を加え
ることができる。
【0030】以上のようにして製造される2−エチル−
1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a
−オクタヒドロナフタレン組成物は、前記公知の方法、
すなわちメタセシス重合またはオレフィン部位での単独
重合もしくは低級α−オレフィンとの共重合に供するこ
とができる。メタセシス重合の場合には、例えば、特開
平9−183832号公報、特開平8−151435号
公報、特開平5−43663号公報、特開平1−172
422号公報、特開平1−172421号公報、特開平
1−168725号公報、特開平1−168724号公
報、特開昭60−26024号公報などに開示されてい
るような方法で行うことができる。この方法は、具体的
には(a)遷移金属化合物触媒成分と、(b)金属化合物助
触媒成分からなる触媒を用いる方法である。
【0031】(a)遷移金属化合物触媒成分は、周期律表
第IVB、VB、VIB、VIIB または VIII族の遷移金属の化合
物であり、これら遷移金属のハロゲン化物、オキシハロ
ゲン化物、アルコキシハロゲン化物、アルコキシド、カ
ルボン酸塩、(オキシ)アセチルアセトネート、カルボニ
ル錯体、アセトニトリル錯体、ヒドリド錯体、これらの
誘導体、これらのホスフィン化合物 等の錯化剤による
錯化物が挙げられる。 (b)金属化合物助触媒成分としては、周期律表第IA、II
A、IIB、IIIA またはIVA族金属の化合物で少なくとも一
つの金属元素−炭素結合、または金属元素−水素結合を
有するものであり、例えば、Al、Sn、Li、Na、M
g、Zn、Cd、Bなどの有機化合物が挙げられる。ま
た、メタセシス重合活性を高めるために、(a)、(b)両
成分の他に、脂肪族第三級アミン、芳香族第三級アミ
ン、分子状酸素、アルコール、エーテル、過酸化物、カ
ルボン酸、酸無水物、酸クロリド、エステル、ケトン、
含窒素化合物、含硫黄化合物、含ハロゲン化合物、分子
状ヨウ素、その他ルイス酸等を加えることができる。
【0032】一方、テトラシクロドデセンのオレフィン
部位での単独重合、あるいは低級α−オレフィンとの共
重合は、メタロセン触媒やチーグラー触媒を用いて行う
ことができ、メタロセン触媒を用いる場合は、例えば特
開平3−45612号公報、特開平2−173112号
公報、特開平4−63807号公報、特開昭64−10
6号公報、特開昭61−221206号公報などに開示
されている方法で行うことができる。具体的には、(c)
周期律表のIVB、VB または VIB族からなる遷移金属の化
合物成分と、(d)有機アルミニウムオキシ化合物成分か
らなる触媒を用いる方法である。
【0033】(c)の遷移金属化合物成分は、周期律表の
IVB、VB または VIB族の遷移金属の化合物であり、少な
くとも2個のシクロアルカジエニル基またはその置換体
の多座配位性化合物を配位子とし、あるいはそれらシク
ロアルカジエニル基またはその置換体が炭化水素基また
はシリレン基あるいは置換シリレン基を介して結合した
多座配位性化合物を配位子とした化合物が挙げられる。 (d)有機アルミニウムオキシ化合物成分は下記式〔V〕
および下記式〔VI〕で表される化合物である。式中のR
は炭化水素基であり、具体的には、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基などであり、mは2以上の整
数を示す。
【0034】
【化9】
【化10】
【0035】また、チーグラー触媒としてはチタンやバ
ナジウムの化合物が用いられており、例えば特開平9−
176396号公報、特開昭62−252406号公
報、特開昭62−252407号公報などに記載の、炭
化水素溶媒に可溶性のバナジウム化合物および有機アル
ミニウム化合物から形成される触媒を用いる方法によっ
て、エチレンのようなα−オレフィンと環状オレフィン
の共重合体が合成される。本発明の2−エチル−1,4,
5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オク
タヒドロナフタレンは、他の種類のオレフィン性化合
物、例えばエチレン、ノルボルネン、ジシクロペンタジ
エンなどと共重合することが可能である。さらに、例え
ば特公平7−103223号公報に開示されているよう
に、共重合の割合を変化させることにより、種々の物性
バランスを調整することができる。
【0036】なお上記重合において開環重合を行うこと
により得られるポリマーは、オレフィン性二重結合を含
むことがあり、そのため耐熱劣化性や耐光性が低い場合
には、これを改善するために、二重結合の一部あるいは
全部を水素化することができる。水素添加反応はニッケ
ル、パラジウム、白金などの貴金属を無機担体に分散し
て担持させたものが使用される。また均一系の水素化触
媒も用いることができる。水素添加反応の圧力は0.1
〜20MPa、温度は0〜200℃の範囲である。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例により説明
する。
【実施例】<実施例1>純度94.9%のジシクロペン
タジエン(2000g)と1−ブテン(2240g)を
10リットルのオートクレーブに導入し、230℃で3
時間反応を行った。反応液を精留することにより、5−
エチル−2−ノルボルネン(3400g)を得た。内径
5mmのチューブ型反応器を用い、内容量が25ml
(127cm)の部分のみ、250℃に温度調整したオ
イルバスに浸漬した。上記の合成した5−エチル−2−
ノルボルネン(3400g)とジシクロペンタジエン
(460g)を混合し、ポンプを使用してチューブ型反
応基に空間速度が4h-1になるように液送し、加熱ゾー
ンに入る前に、1−ブテンをジシクロペンタジエンとの
モル比が1:1になるように連続的に加えた。なお調圧
弁を使用して、反応系内の圧力を5MPa に維持した。
10時間連続運転を行い反応混合物を得て、圧力0.1
kPa で精留を行うことにより2−エチル−1,4,5,
8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタ
ヒドロナフタレン主とする留分108gを得た。なおこ
の留分には式〔II〕の化合物3,650ppmおよび式
〔III〕の化合物1,250ppが含まれていた。
【0038】<重合例1>撹拌羽を取り付けた2リット
ルなす型フラスコに、窒素雰囲気下で乾燥したトルエン
を1000ml導入した。このフラスコにさらにジクロ
ロエトキシオキソバナジウム(1mmol)と、実施例
1で合成した、式〔II〕の化合物3,650 ppmおよ
び式〔III〕の化合物1,250ppmを含む2−エチル
−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8
a−オクタヒドロナフタレン(10g)を加えた。この
溶液を撹拌しながら、エチレンと窒素の混合ガス(モル
比:エチレン/窒素=1:5)を用い、200リットル
/hの流量でバブリングを行った。ここにさらにエチル
アルミニウムセスキクロリド(10mmol)を滴下し
て重合を開始し、5℃で20分間重合を続けた。メタノ
ールを30ml加えて重合を停止し、反応混合物を2リ
ットルのメタノールに注ぎ、共重合体を析出させた。得
られた共重合体を真空乾燥し、240℃で厚さ1mmの
プレスシートを作製した。均質の透明なシートが得ら
れ、なんらゲル状のものは観測されなかった。
【0039】<比較例1>2−エチル−1,4,5,8−
ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒド
ロナフタレンの合成反応を380℃で行うこと以外は実
施例1と同様に行い、2−エチル−1,4,5,8−ジメ
タノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナ
フタレンを主とする留分を92g得た。なおこの留分に
は、式〔II〕の化合物5,300ppmおよび式〔III〕
の化合物3,500ppmが含まれていた。
【0040】<重合例2>比較例1で合成した式〔II〕
の化合物5,300ppmおよび式〔III〕の化合3,5
00ppmを含む2−エチル−1,4,5,8−ジメタノ
−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタ
レンを用いた以外は重合例1と同様にエチレンとの共重
合を行い、プレスシートを作製した。シートにはゲルの
存在が確認された。このゲルを切り出してホットプレー
ト上で300℃まで加熱したが、溶融しなかった。
【0041】<重合例3>実施例1で合成した式〔II〕
の化合物3,650ppmおよび式〔III〕の化合物1,
250ppmを含む2−エチル−1,4,5,8−ジメタ
ノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフ
タレン(20g)、ノルボルネン(2.5g)、ジシク
ロペンタジエン(2.5g)およびトルエン(200m
l)を十分に乾燥した 500mlオートクレーブに導
入した。ここにトリエチルアルミニウム(3 mmo
l)を加え、さらに四塩化チタン(0.7mmol)と
トリエチルアミン(7mmol)を加え、30℃で6時
間開環重合を行った。反応物をアセトンとイソプロピル
アルコールの混合物に注入することによりポリマーを沈
澱させ、得られたポリマーを再びトルエンに溶解し、再
沈澱の操作を2度繰り返し、減圧乾燥を行ってポリマー
21gを得た。200mlのオートクレーブに0.5%
のパラジウムカーボン(0.4g)、トルエン(100
ml)を導入し、さらに開環重合したポリマー(4g)
を加えた。20℃で水素圧力を5MPa として、1時間
水素化を行った。反応終了後、触媒をろ過し、メタノー
ルを用いて再沈澱を行った。得られた共重合体を真空乾
燥し、350℃で厚さ1mmのプレスシートを作製し
た。均質の透明なシートが得られ、なんらゲル状のもの
は観測されなかった。
【0042】<重合例4>比較例1で使用した式〔II〕
の化合物5,300ppmおよび式〔III〕の化合物3,
500ppmを含む2−エチル−1,4,5,8−ジメタ
ノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフ
タレンを使用すること以外は、重合例3と同様に重合お
よび水素化を行い、ポリマーを得た。これを用いて作製
したプレスシートにはゲル状のものが見られた。
【0043】<実施例2>内径5mmのチューブ型反応
器を用い、内容量が25ml(127cm)の部分の
み、250℃に温度調整したオイルバスに浸漬した。5
−エチル−2−ノルボルネン(3400g)とジシクロ
ペンタジエン(460g)およびメチルシクロヘキサン
(500g)を混合し、ポンプを使用してチューブ型反
応器に空間速度が4h-1になるように液送し、加熱ゾー
ンに入る前に、1−ブテンをジシクロペンタジエンとの
モル比が1:1になるように連続的に加えた。なお調圧
弁を使用して、反応系内の圧力を5MPa に維持した。
10時間連続運転を行い反応混合物を得て、0.1kPa
で精留を行うことにより5−エチル−2−ノルボルネ
ン600gを回収し、目的物の2−エチル−1,4,5,
8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタ
ヒドロナフタレンを主とする留分106gを得た。なお
この留分には式〔II〕の化合物3,450ppmおよび
式〔III〕の化合物1,050ppmが含まれていた。
【0044】<実施例3>実施例2における反応混合物
から回収した5−エチル−2−ノルボルネン(600
g)とジシクロペンタジエン(82g)およびメチルシ
クロヘキサン(88g)を混合し、実施例2と同様にし
て5時間連続反応を行った。精留により5−エチル−2
−ノルボルネン300gを回収し、目的物の2−エチル
−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8
a−オクタヒドロナフタレンを主とする留分53g得
た。なおこの留分には式〔II〕の化合物3,460pp
mおよび式〔III〕の化合物1,070ppmが含まれて
いた。
【0045】<比較例2>内径5mmのチューブ型反応
器を用い、内容量が25ml(127cm)の部分の
み、250℃に温度調整したオイルバスに浸漬した。5
−エチル−2−ノルボルネン(600g)とジシクロペ
ンタジエン(1000g)を混合し、ポンプを使用して
チューブ型反応器に空間速度が4h-1になるように液送
し、加熱ゾーンに入る前に、1−ブテンをジシクロペン
タジエンとのモル比が1:1になるように連続的に加え
た。なお調圧弁を使用して、反応系内の圧力を5MPa
に維持した。1時間連続運転を行い反応混合物を得て、
圧力0.1kPa で精留を行うことにより、目的物の2
−エチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,
5,8,8a−オクタヒドロナフタレンを主とする留分3
5gを得た。なおこの留分には式〔II〕の化合物5,0
50ppmおよび式〔III〕の化合物3,150ppmが
含まれていた。
【0046】<比較例3>1リットルのオートクレーブ
に5−エチル−2−ノルボルネン(400g)、ジシク
ロペンタジエン(68g)および1−ブテン(29g)
を導入し、300℃に昇温して、6.5時間反応を行っ
た。反応混合物を圧力1kPa で精留することにより、
目的物の2−エチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,
3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレンを主
とする留分35gを得た。なおこの留分には式〔II〕の
化合物1,7050ppmおよび式〔III〕の化合物7,
850ppmが含まれていた。
【0047】
【発明の効果】本発明の方法により製造した式〔IV〕で
表される2−エチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,
3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン組成
物は、式〔II〕および式〔III〕で表されるシクロペン
タジエン3量体の含有量が少ないため、重合原料として
用いた場合に、実質的にゲルの発生の防止することがで
きる。
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松村 泰男 神奈川県横浜市泉区上飯田4663−1−205 Fターム(参考) 4H006 AA02 AB46 AC28 AD11 BA90 BA94 BB11 BB49 BC10 BC11 BC19 BC31 BC37 BD30 BJ30

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シクロペンタジエンおよび/またはジシ
    クロペンタジエン、および下記式〔I〕で表される5−
    エチル−2−ノルボルネンを、反応温度100〜350
    ℃、反応圧力0.5〜20MPa および滞留時間0.1〜
    360分の条件で、ジシクロペンタジエンとシクロペン
    タジエンの2倍量のモル数の合計を1として、5−エチ
    ル−2−ノルボルネンを1〜20倍モルの割合で反応さ
    せることからなる、下記式〔II〕および式〔III〕で表
    されるシクロペンタジエン3量体の合計含有量が100
    〜5,000ppmである重合用の下記式〔IV〕で表さ
    れる2−エチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,
    4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレンの製造方
    法。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】
  2. 【請求項2】 シクロペンタジエンおよび/またはジシ
    クロペンタジエン、および上記式〔I〕で表される5−
    エチル−2−ノルボルネン、および1−ブテンを、反応
    温度100〜350℃、反応圧力0.5〜20MPa お
    よび滞留時間0.1〜360分の条件で、ジシクロペン
    タジエンとシクロペンタジエンの2倍量のモル数の合計
    を1として、1−ブテンを0.1〜10倍モルおよび5
    −エチル−2−ノルボルネンを1〜20倍モルの割合で
    反応させることからなる、上記式〔II〕および式〔II
    I〕で表されるシクロペンタジエン3量体の合計含有量
    が 100〜5,000ppmである重合用の上記式
    〔IV〕で表される2−エチル−1,4,5,8−ジメタノ
    −1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタ
    レンの製造方法。
  3. 【請求項3】 シクロペンタジエンおよび/またはジシ
    クロペンタジエン、および上記式〔I〕で表される5−
    エチル−2−ノルボルネン、および1−ブテンを、反応
    温度100〜350℃、反応圧力0.5〜20MPa お
    よび滞留時間0.1〜360分の条件で、ジシクロペン
    タジエンとシクロペンタジエンの2倍量のモル数の合計
    を1として、1−ブテンを0.1〜10倍モルおよび5
    −エチル−2−ノルボルネンを1〜20倍モルの割合で
    反応させ、さらに5−エチル−2−ノルボルネンを循環
    使用することからなる、上記式〔II〕および式〔III〕
    で表されるシクロペンタジエン3量体の合計含有量が1
    00〜5,000ppmである重合用の上記式〔IV〕で
    表される2−エチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,
    3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレンの製
    造方法。
  4. 【請求項4】 前記式〔III〕で表されるシクロペンタ
    ジエン3量体の含有量が100〜3,000ppmであ
    る請求項1から3のいずれかに記載の製造方法。
JP10204271A 1998-07-06 1998-07-06 2−エチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレンの製造方法 Pending JP2000026333A (ja)

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CN116854555A (zh) * 2023-07-10 2023-10-10 天津大学 一种二甲桥八氢萘或其衍生物与其梯度增压制备方法

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