JP2002067333A - インクジェットヘッドのノズル形成方法 - Google Patents

インクジェットヘッドのノズル形成方法

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JP2002067333A
JP2002067333A JP2000254718A JP2000254718A JP2002067333A JP 2002067333 A JP2002067333 A JP 2002067333A JP 2000254718 A JP2000254718 A JP 2000254718A JP 2000254718 A JP2000254718 A JP 2000254718A JP 2002067333 A JP2002067333 A JP 2002067333A
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laser
nozzle
forming
diameter
jet head
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Application number
JP2000254718A
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English (en)
Inventor
Koji Sone
浩二 曽根
Hirobumi Sugimoto
博文 杉本
Takayoshi Oga
隆義 大賀
Naoyuki Seo
直之 瀬尾
Masatomo Matsui
昌朋 松井
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 寸法精度がよく撥液膜の損傷がなく、インク
滴の吐出体積及び飛翔方向のばらつきを低減できるイン
クジェットヘッドのノズル形成方法を提供する。 【解決手段】 被加工物6の厚みに応じてレーザ集光ス
ポット径を変えながらレーザを照射して、レーザ入射面
5aの径φd1がレーザ抜け面5bの径φd2よりも大
きい孔を穿設してインクジェットヘッドのノズル7を形
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エキシマレーザに
よってノズルを形成するインクジェットヘッドのノズル
形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、プリンタなどに使用されるイ
ンクジェットヘッドのノズルは、良好なインクの吐出性
能を得る為に、インクの吐出口が基端部よりも細くなる
ようテーパ角が付けられた形状となっている。
【0003】図5は、インクジェットヘッドのノズル形
成方法を示す。ポリイミド等の樹脂プレートからなるノ
ズル形成用シート5は、ヘッドの内側となる面がエキシ
マレーザ1の照射面となるように加工テーブル6に載置
される。
【0004】ノズル形成用シート5の上面にはレーザ源
であるレーザ発振器17が設けられている。レーザ発振
器17は、照射したエキシマレーザビーム1をマスク2
の孔2aによって形成しようとする孔に対応した形状に
絞り込み、集光レンズ3で所定の大きさに絞り込んで集
光ビーム4が加工テーブル6に到達するような光路を形
成するよう構成されている。
【0005】レーザ発振器17より照射された集光ビー
ム4がノズル形成用シート5に照射されると、テーパ孔
(円錐形孔)からなるノズル7が形成される。ノズル7
のテーパ角度には様々なものがあるが、レーザの照射エ
ネルギーを調整することで各種のテーパ角度の形成を行
っている。
【0006】ノズル7のテーパ角と照射エネルギー密度
との間には、図6に示すように、照射エネルギー密度を
小さくするとテーパ角度が大きくなるという関係があ
り、照射エネルギー密度の小さい点Aではテーパ角度の
大きいノズル7Aが形成され、照射エネルギー密度の大
きい点Bではテーパ角度の大きいノズル7Bが形成され
る。このような特性を利用して、大きなテーパ角度を持
つノズル7を形成する場合には、所望の形状が得られる
ように最適な強度にレーザ照射強度を調整してノズル7
を形成している。
【0007】なお、下部孔直径のばらつきと照射エネル
ギー密度とは、上記のノズル7のテーパ角と照射エネル
ギー密度と同様の傾向を示すので、図6ではともに一本
の線で示している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようなノズル7の形成方法では、大きなテーパ角度のノ
ズル7を形成するためにエキシマレーザの照射エネルギ
ー密度を小さくすると、加工時のエネルギー減衰量が大
きくなり、レーザの抜け側にあたるインク噴射孔もしく
はシート下部の内径ばらつきが大きくなる。このように
ノズル7のテーパ形状がばらつくと、インクジェットヘ
ッドから吐出される液滴体のばらつきが大きくなり、印
字品質が悪化するという問題がある。
【0009】また、図7(a)に示すように、ノズル形
成用シート5のレーザ抜け面5b側には、インク滴の飛
翔直進性の改良を目的として基材9に撥液膜10が形成
されているが、撥液膜10が形成されたノズル形成用シ
ート5にエキシマレーザ1を照射して上記のような孔加
工を行うと、図7(b)に示すように、レーザ抜け面5
b側から見たノズル7bの孔周りには、撥液膜10の損
傷領域15が発生するという問題がある。
【0010】そこで、撥液膜10の表面に樹脂フィルム
13に粘着材12を添付した市販のテープ14を貼り付
けて撥液膜10を保護する方法が取られているが、テー
プ14の貼り付け時に撥液膜10とテープ14の粘着材
12の間に微小な気泡16が混入してしてまう。このよ
うな気泡16が混入すると、エキシマレーザ1による加
工時に一定の確率で気泡16の混入位置にレーザ照射が
行われ、樹脂フィルム13を構成する樹脂の分子、原子
の結合が切断されて高温高圧ガスとなって飛散し、発生
したガスにエキシマが照射されてプラズマが発生する。
気泡16の中でこのような高温高圧ガス及びプラズマが
発生すると、気泡16部に露出している撥液膜10が損
傷して同様に損傷領域15が形成される。
【0011】そのためインクジェットヘッドからインク
液滴を飛翔させたときに、この撥液膜10の損傷領域1
5にのみインクが残り、ノズルエッジにインクメニスカ
スの不均一性が発生して飛翔方向のばらつきが大きくな
り、印字品質が悪化するという問題がある。
【0012】本発明は前記問題点を解決し、寸法精度が
よく撥液膜の損傷がなく、インク滴の吐出体積及び飛翔
方向のばらつきを低減できるインクジェットヘッドのノ
ズル形成方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
ヘッドのノズル形成方法は、被加工物の厚みに応じてレ
ーザ集光スポット径を変えながら加工処理することを特
徴とする。
【0014】この本発明によると、大きなテーパ角であ
っても孔径精度が良く、インク液滴体積のばらつきの小
さいノズルが実現できる。また、本発明の別のインクジ
ェットヘッドのノズル形成方法は、被加工物の撥液膜の
上に感光性ドライフィルムレジストをラミネーションし
てレーザを照射することを特徴とする。
【0015】この本発明によると、撥液膜の損傷が低減
でき、インク飛翔方向のばらつきの小さいノズルが実現
できる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1記載のインクジ
ェットヘッドのノズル形成方法は、被加工物にレーザを
照射して前記レーザ入射面の径が前記レーザ抜け面の径
よりも大きい孔を穿設してインクジェットヘッドのノズ
ルを形成するに際し、前記被加工物の厚みに応じてレー
ザ集光スポット径を変えながら加工処理することを特徴
とする。
【0017】この構成によると、大きなテーパ角を有す
るノズルを高い寸法精度で形成できる。本発明の請求項
2記載のインクジェットヘッドのノズル形成方法は、請
求項1において、レーザ源と被加工物との間隔を近接さ
せた状態から、前記レーザ抜け面で所望の径が得られる
適正な間隔まで加工ショットに連動して前記レーザ源と
前記被加工物の間隔を調整しながら加工処理することを
特徴とする。
【0018】この構成によると、容易な構成で大きなテ
ーパ角を有するノズルを高い寸法精度で形成できる。本
発明の請求項3記載のインクジェットヘッドのノズル形
成方法は、請求項1において、前記加工ショットに連動
してレーザ集光スポット径が大きいものから小さいもの
へ変更することを特徴とする。
【0019】本発明の請求項4記載のインクジェットヘ
ッドのノズル形成方法は、請求項1〜請求項3のいずれ
かにおいて、前記レーザの集光角度を前記ノズルのテー
パ角度よりも小さくして前記レーザを照射することを特
徴とする。
【0020】この構成によると、微少なシートのうねり
が存在して場合においても、大きなテーパ角を有するノ
ズルを高い寸法精度で形成できる。本発明の請求項5記
載のインクジェットヘッドのノズル形成方法は、請求項
1において、レーザの照射経路にマスクを配設して前記
マスクに前記集光スポット径の変化数に対応した径の孔
パターンを形成し、被加工物の加工深さに応じて前記マ
スクの孔パターンを変えることを特徴とする。
【0021】本発明の請求項6記載のインクジェットヘ
ッドのノズル形成方法は、請求項1〜請求項5のいずれ
かにおいて、前記レーザの照射エネルギー密度をレーザ
抜け面における加工孔径のばらつきが1ミクロンメート
ル以下となるようにして加工処理することを特徴とす
る。
【0022】この構成によると、加工孔径を高精度に形
成できる。本発明の請求項7記載のインクジェットヘッ
ドのノズル形成方法は、請求項1〜請求項6のいずれか
において、前記被加工物の厚みに応じて前記レーザ集光
スポット径を変えるに際し、加工深度とレーザ集光スポ
ット径の連動を1次、2次、指数、ステップ等の関数式
により制御することを特徴とする。
【0023】この構成によると、ノズルを円錐、ホー
ン、段付きなどの形状に形成できる。本発明の請求項8
記載のインクジェットヘッドのノズル形成方法は、レー
ザ抜け面に撥液膜が形成された被加工物にレーザを照射
して前記レーザ入射面の径が前記レーザ抜け面の径より
も大きい孔を穿設してインクジェットヘッドのノズルを
形成するに際し、被加工物の前記撥液膜の上にフィルム
レジストをラミネーションした後、前記被加工物の未処
理面側からレーザを照射して加工処理することを特徴と
する。
【0024】この構成によると、エキシマレーザの加工
時に発生する熱及びプラズマによる撥液膜の損傷を確実
に保護できる。本発明の請求項9記載のインクジェット
ヘッドのノズル形成方法は、請求項8において、上記ラ
ミネーションを加熱したローラで圧延して行なうことを
特徴とする。
【0025】この構成によると、ノズル形成用シートと
前記感光性ドライフィルムを確実に気泡なく貼り付けで
きる。本発明の請求項10記載のインクジェットヘッド
のノズル形成方法は、請求項8または請求項9におい
て、前記ラミネーションを行った後の感光性ドライフィ
ルムレジストに紫外線を照射して硬化させてレーザ照射
することを特徴とする。
【0026】この構成によると、前記ラミネーション後
の前記感光性ドライフィルムに強度を持たせ剥離防止を
行うことでシートの取り扱い性を向上できる。本発明の
請求項11記載のインクジェットヘッドのノズル形成方
法は、請求項8〜請求項10のいずれかにおいて、前記
レーザ加工後に前記フィルムレジストを溶剤にて除去す
ることを特徴とする。
【0027】この構成によると、薄いノズルシートにス
トレスを与えること無く前記フィルムレジストを容易に
除去できる。本発明の請求項12記載のインクジェット
ヘッドのノズル形成方法は、請求項1〜請求項11のい
ずれかにおいて、前記被加工物の材料が、ポリスチレ
ン、ポリイミド、ポリサルフォンであることを特徴とす
る。
【0028】この構成によると、光吸収係数の高い樹脂
材料を用いることで高い寸法精度の形成が実現できる。
本発明の請求項13記載のインクジェットヘッドのノズ
ル形成方法は、請求項8〜請求項12のいずれかにおい
て、前記撥液膜がフッ素系材料からなりその膜厚が1ミ
クロンメートル以下であることを特徴とする。
【0029】この構成によると、紫外線吸収係数の低い
撥液膜においてもエキシマレーザによる孔加工が実現で
きる。本発明の請求項14記載のインクジェットヘッド
のノズル形成方法は、請求項1または請求項8におい
て、前記レーザにエキシマレーザを用いることを特徴と
する。
【0030】以下、本発明の各実施の形態を図1〜図4
を用いて説明する。なお、上記従来例を示す図5〜図7
と同様の構成をなすものには、同一の符号を付けて説明
する。
【0031】(実施の形態1)図1〜図3は、本発明の
(実施の形態1)を示す。この(実施の形態1)では、
被加工物であるノズル形成用シート5の厚みに応じてレ
ーザ集光スポット径を変えながら加工処理するよう構成
した点で上記従来例とは異なる。
【0032】図1,図2に示すように、図5と同様にポ
リイミド製のノズル成形用シート5にレーザとしてエキ
シマレーザ1を照射して、ノズル形成用シート5に上部
ノズル径φd1、下部ノズル径φd2であるテーパ状ノ
ズルを形成するに際し、レーザ集光スポット径の変更は
以下の手順にて行われる。
【0033】まず、ノズル形成用シート5のレーザ入射
面5aでの集光ビーム4の集光スポット径がφd1とな
る集光レンズ3との距離h1、ノズル形成用シート5の
レーザ抜け面5bでの集光ビーム4の集光スポット径が
φd2となる集光レンズ3との距離h2、さらにノズル
形成用シート5の貫通に必要なエキシマレーザの加工シ
ョット数が設定される。この加工ショット数は、ノズル
形成用シート5の厚みに応じて異なる。
【0034】加工テーブル6aはレーザ源に近接離間の
方向に駆動可能に構成されており、この加工テーブル6
aを集光ビーム4の光軸P方向に移動させて距離h1か
ら前記加工ショット数に連動して距離h2まで加工テー
ブル6の高さを移動させて集光レンズ3との距離を変え
ることで、ノズル形成用シート5の加工面の集光スポッ
ト径を変更できる。
【0035】すなわち、加工開始時には、集光レンズ3
とレーザ入射面5aとの距離がh1となる位置まで加工
テーブル6aを上昇させ、レーザ源とノズル形成用シー
ト5とを近接させた状態でエキシマレーザ1を照射す
る。このときのレーザ集光スポット径は、ノズル形成用
シート5のレーザ入射面5aの径φIDと同じ大きさと
なる。
【0036】この状態から、レーザ抜け面5bで所望の
径φD2が得られる適正な間隔、すなわち集光レンズ3
と加工テーブル6aとの距離がh2となるまで加工ショ
ットに連動して、レーザ源とノズル形成用シート5の間
隔を調整しながら加工処理が行なわれる。このときのレ
ーザ集光スポット径は、ノズル形成用シート5のレーザ
抜け面5bの径φ0Dと同じ大きさとなる。加工ショッ
トに連動して加工テーブル6aをh1からh2まで移動
させる場合に、加工ショット数の一次関数で移動させる
と図2の様な円錐状のテーパ状ノズル7が得られる。
【0037】このように加工ショットに連動してレーザ
集光スポット径が大きいものから小さいものへ変更する
ことで、レーザ入射面5aの径φIDがレーザ抜け面5
bの径φ0Dよりも大きく、テーパ角度の大きいノズル
を寸法精度良く形成できる。
【0038】得られたノズルは、複数のノズル間でばら
つきのないインク液滴体積が吐出可能なノズルとなり、
このノズルを使用したインク噴射装置は、印字品質の優
れたものとなる。
【0039】なお、上記のようなノズルの形成方法にお
いて、図2に示す集光ビーム4の集光角度θLが所望の
ノズルのテーパ角度θNより小さくなるよう、マスク2
や集光レンズ3をノズル形状やレーザ加工条件などによ
って適切に設定すると、微小なシートのうねりが存在し
ている場合でも、大きなテーパ角を有するノズルを高い
寸法精度で形成できる。
【0040】また、さらに精度の良いテーパ加工を行な
うためには、集光レーザ4の照射エネルギー密度をレー
ザ抜け面5bの加工孔径ばらつきが1ミクロンメートル
以下とすることが好ましい。すなわち、レーザ単独では
ノズルのテーパ角度がほとんどつかない程度の高い密度
に設定することが好ましく、この設定値は、上記従来の
ノズル加工法により、照射エネルギーと加工ノズル径の
相関データを求めることでことで容易に設定できる。
【0041】また、上記説明では、加工テーブル6をh
1からh2まで前記加工ショット数の一次関数で移動さ
せて円錐状のテーパ状ノズルを形成したが、加工テーブ
ル6の移動距離と加工ショット数の関数を2次、指数、
ステップなどとすることで、ホーン状や段付きなどのノ
ズルを形成することも可能である。特に、ホーン状のノ
ズルは、円錐状テーパノズルよりもノズル内のインク粘
性抵抗を小さくできるなどの利点があり、粘性の高い液
体を使用する場合に有効である。
【0042】また、上記説明では、加工テーブル6aを
レーザ源に接近離間の方向に駆動できるよう構成した
が、本発明はこれに限定されるものではなく相対移動す
るものでも良い。例えば、加工テーブル6aを固定して
集光レンズ3の側を移動させてレーザ源としてのレーザ
発振器17とノズル形成用シート5との間隔を調整する
よう構成してもよい。
【0043】また、上記説明では、レーザ集光スポット
径を変える方法として、加工テーブル6とレーザ発振器
17との距離を調節する例を挙げて説明したが、レーザ
の照射経路に配設されたマスク2に集光スポット径の変
化数に対応した径の孔パターンを形成して、ノズル形成
用シート5の加工深さに応じてマスク2の孔パターンを
変えるようにしてもよい。具体的には、図3に示すよう
に、シート上部のレーザ集光スポット径φd1からシー
ト下部の集光スポット径φd2までの複数の集光スポッ
ト径が得られようにマスク2に集光スポット径に対応す
る径のφD1(8a)〜φD2(8n)[nは任意の自
然数]までの多数のパターンを用意し、板厚方向の加工
深度に連動させてマスク2を移動させ、8a,8b,…
8nまでの多数のパターンを順次切り換えて加工を行う
ことによっても、上記と同様の効果が得られる。
【0044】(実施の形態2)図4は、本発明の(実施
の形態2)を示す。この(実施の形態2)では、レーザ
抜け面5bに撥液膜10が形成されたノズル形成用シー
ト5の構成を特殊にした点で異なるがそれ以外の基本的
な構成は上記(実施の形態1)と同様である。
【0045】図4(a)に示すように、ノズル形成用シ
ート5のレーザ抜け面5b側には、撥液膜10が設けら
れている。このノズル形成用シート5は、光吸収係数の
高いポリイミドからなる厚さ約50ミクロンメートルの
シート基材9に、スピナー、印刷などの装置により含フ
ッ素系溶液が均一に塗布され、厚さ1ミクロンメートル
以下の撥液膜10が形成されてなる。
【0046】撥液膜10の上には、ラミネーションによ
り感光性ドライフィルムレジストフィルム層11が貼り
付けられている。ラミネーションは、撥液膜10付きノ
ズル形成用シート5を感光性ドライフィルムレジストフ
ィルム層11と厚さ約1ミリメートルのアルミ板とでサ
ンドイッチしたまま、ラミネーション専用の加熱ローラ
で圧縮して行われる。しかしながら、このままの状態で
はドライフィルムが外部からの力で剥がれ易くなり作業
性が低下するが、紫外線照射によりドライフィルムを硬
化することで、フィルムに強度を付与できる。
【0047】このように平坦性の高いドライフィルムを
使用し、感光性ドライフィルムレジストをラミネーター
(加熱ローラによる圧着)によりノズルプレートの撥液
面に貼り付け、UV硬化処理を行なうことで、ノズル形
成用シート5の撥液膜10との間に微細な気泡が封入さ
れること無く、密着性の良いレジストフィルム層11が
得られる。
【0048】レジストフィルム層11を有するノズル形
成用シート5に、上記(実施の形態1)と同様に未処理
面側からエキシマレーザ1による加工処理を施すと、ポ
リイミド製のシート基材9、撥液膜10そしてレジスト
フィルム層11に至るまで加工処理が行なわれ、撥液膜
10の下部孔が完全な形で形成される。
【0049】この時、レジストフィルム層11は、撥液
膜10に気泡を有すること無く密着しているため、ノズ
ル周辺における撥液膜面のプラズマや高温高圧ガスの発
生を低減でき、図4(b)に示すように、レーザ抜け面
5b側からみた場合にノズル7の孔周辺部の撥液膜10
に損傷領域のないインク液滴の飛翔が安定でかつ方向性
の良い良好なノズルが実現できる。
【0050】また、レーザ加工を施した後に、ノズル形
成用シート5に密着しているレジストフィルム層11を
アセトンなどの溶剤に浸漬し、超音波洗浄などを行なう
ことで、ノズル形成用シート5にストレスを与えて変形
させること無く、レジストフィルム層11を容易に除去
できる。
【0051】従って、上記のように形成されたノズルを
使用したインク噴射装置は、印字品質が良好となる。な
お、上記各実施の形態において、被加工物の材料として
ポリイミドを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限
定されるものではなく、ポリスチレンやポリサルフォン
なども使用できる。
【0052】
【発明の効果】以上のように本発明のインクジェットヘ
ッドのノズル形成方法によると、被加工物にレーザを照
射して前記レーザ入射面の径が前記レーザ抜け面の径よ
りも大きい孔を穿設してインクジェットヘッドのノズル
を形成するに際し、前記被加工物の厚みに応じてレーザ
集光スポット径を変えながら加工処理することで、大き
なテーパ角を有するノズルを高い寸法精度で形成でき、
インク液滴体積のばらつきの少ないノズルが実現でき
る。
【0053】また、レーザ抜け面に撥液膜が形成された
被加工物にレーザを照射して前記レーザ入射面の径が前
記レーザ抜け面の径よりも大きい孔を穿設してインクジ
ェットヘッドのノズルを形成するに際し、被加工物の前
記撥液膜の上に感光性ドライフィルムレジストをラミネ
ーションした後、前記被加工物の未処理面側からレーザ
を照射して加工処理することで、エキシマレーザの加工
時に発生する熱及びプラズマによる撥液膜の損傷を確実
に保護でき、インク飛翔方向のばらつきの少ないノズル
が得られる。
【0054】従って、これらの方法によって製造された
ノズルを使用したインク噴射装置は、優れた印字品質が
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の(実施の形態1)におけるノズル形成
方法を説明する構成図
【図2】図1の要部拡大断面図
【図3】図1のマスク2を説明する模式図
【図4】本発明の(実施の形態2)における撥液膜付き
ノズルシートの縦断面図とレーザ抜け面側からみたノズ
ルの周辺部を示す模式図
【図5】従来例のノズル形成方法を説明する構成図
【図6】レーザの照射エネルギー密度とテーパ角度及び
下部孔直径のばらつきを説明する図
【図7】従来例の撥液膜付きノズルシートの縦断面図と
レーザ抜け面側からみたノズルの周辺部を示す模式図
【符号の説明】
1 エキシマレーザビーム 2 マスク 3 集光レンズ 4 集光ビーム 5 ノズル形成用シート 6a 加工テーブル 7 ノズル 8 マスクパターン 9 シート基材 10 撥液膜 11 感光性ドライフィルムレジスト 17 レーザ発振器
フロントページの続き (72)発明者 大賀 隆義 香川県高松市古新町8番地の1 松下寿電 子工業株式会社内 (72)発明者 瀬尾 直之 香川県高松市古新町8番地の1 松下寿電 子工業株式会社内 (72)発明者 松井 昌朋 香川県高松市古新町8番地の1 松下寿電 子工業株式会社内 Fターム(参考) 2C057 AF93 AG07 AP13 AP23 AP60 AQ03 4E068 AF01 CA07 CA11 CA12 CD10 CE05 DA09 DB10

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被加工物にレーザを照射して前記レーザ入
    射面の径が前記レーザ抜け面の径よりも大きい孔を穿設
    してインクジェットヘッドのノズルを形成するに際し、 前記被加工物の厚みに応じてレーザ集光スポット径を変
    えながら加工処理するインクジェットヘッドのノズル形
    成方法。
  2. 【請求項2】レーザ源と被加工物との間隔を近接させた
    状態から、前記レーザ抜け面で所望の径が得られる適正
    な間隔まで加工ショットに連動して前記レーザ源と前記
    被加工物の間隔を調整しながら加工処理する請求項1記
    載のインクジェットヘッドのノズル形成方法。
  3. 【請求項3】前記加工ショットに連動してレーザ集光ス
    ポット径が大きいものから小さいものへ変更する請求項
    1記載のインクジェットヘッドのノズル形成方法。
  4. 【請求項4】前記レーザの集光角度を前記ノズルのテー
    パ角度よりも小さくして前記レーザを照射する請求項1
    〜請求項3のいずれかに記載のインクジェットヘッドの
    ノズル形成方法。
  5. 【請求項5】レーザの照射経路にマスクを配設して前記
    マスクに前記集光スポット径の変化数に対応した径の孔
    パターンを形成し、被加工物の加工深さに応じて前記マ
    スクの孔パターンを変える請求項1記載のインクジェッ
    トヘッドのノズル形成方法。
  6. 【請求項6】前記レーザの照射エネルギー密度をレーザ
    抜け面における加工孔径のばらつきが1ミクロンメート
    ル以下となるようにして加工処理する請求項1〜請求項
    5のいずれかに記載のインクジェットヘッドのノズル形
    成方法。
  7. 【請求項7】前記被加工物の厚みに応じて前記レーザ集
    光スポット径を変えるに際し、 加工深度とレーザ集光スポット径の連動を1次、2次、
    指数、ステップ等の関数式により制御する請求項1〜請
    求項6のいずれかに記載のインクジェットヘッドのノズ
    ル形成方法。
  8. 【請求項8】レーザ抜け面に撥液膜が形成された被加工
    物にレーザを照射して前記レーザ入射面の径が前記レー
    ザ抜け面の径よりも大きい孔を穿設してインクジェット
    ヘッドのノズルを形成するに際し、 被加工物の前記撥液膜の上にフィルムレジストをラミネ
    ーションした後、前記被加工物の未処理面側からレーザ
    を照射して加工処理するインクジェットヘッドのノズル
    形成方法。
  9. 【請求項9】上記ラミネーションを加熱したローラで圧
    延して行なう請求項8記載のインクジェットヘッドのノ
    ズル形成方法。
  10. 【請求項10】前記ラミネーションを行った後の感光性
    ドライフィルムレジストに紫外線を照射して硬化させて
    レーザを照射する請求項8または請求項9記載のインク
    ジェットヘッドのノズル形成方法。
  11. 【請求項11】前記レーザ加工後に前記フィルムレジス
    トを溶剤にて除去する請求項8〜請求項10のいずれか
    に記載のインクジェットヘッドのノズル形成方法。
  12. 【請求項12】前記被加工物の材料が、ポリスチレン、
    ポリイミド、ポリサルフォンである請求項1〜請求項1
    1のいずれかに記載のインクジェットヘッドのノズル形
    成方法。
  13. 【請求項13】前記撥液膜がフッ素系材料からなりその
    膜厚が1ミクロンメートル以下である請求項8〜請求項
    12のいずれかに記載のインクジェットヘッドのノズル
    形成方法。
  14. 【請求項14】前記レーザにエキシマレーザを用いる請
    求項1または請求項8記載のインクジェットヘッドのノ
    ズル形成方法。
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