JP2002067047A - インストルメントパネル表皮の成形金型及びその製造方法 - Google Patents

インストルメントパネル表皮の成形金型及びその製造方法

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JP2002067047A
JP2002067047A JP2000257025A JP2000257025A JP2002067047A JP 2002067047 A JP2002067047 A JP 2002067047A JP 2000257025 A JP2000257025 A JP 2000257025A JP 2000257025 A JP2000257025 A JP 2000257025A JP 2002067047 A JP2002067047 A JP 2002067047A
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mold
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JP2000257025A
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Hidehiro Uno
秀広 宇野
Yasushi Kawakubo
靖 川久保
Toshikatsu Kasahara
俊克 笠原
Masaji Fujimori
正次 藤森
Yoshiya Akemiya
義也 朱宮
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KTX Corp
Toyo Tire Corp
Original Assignee
KTX Corp
Toyo Tire and Rubber Co Ltd
Konan Tokushu Sangyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金型本体の裏面に添接配置した温度調節用の
配管を、金型本体2や破断部用溝を形成する金属リブに
収縮や変形および割れ等の影響を与えることなく、精度
良く取付固定でき、インストルメント表皮を精度よく成
形できる成形金型を得る。 【解決手段】 エアバックドア部を一体に成形するイン
ストルメントパネル表皮の成形金型1で、電鋳形成によ
る金型本体2の表面2aに破断部用溝を成形する金属リ
ブ3を設けておき、金型本体2の裏面2bに温度調節用
の配管5を添接配置した後、比較的目の粗い導電性を有
する網状体6を前記配管5に被せるととともに、その両
側部分6a,6aを金型本体2の裏面に対し略垂直もし
くは僅かに鈍角をなすように仮止めし、この後、網状体
6の上から金型本体2の裏面、配管5及び網状体6を覆
うように電鋳被覆を施し、電鋳被覆部7により配管5を
金型本体2に添接状態で固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インストルメント
パネル表皮の成形金型及びその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】車輌のイ
ンストルメントパネルは、図7に例示するように、例え
ばポリ塩化ビニル系樹脂等の合成樹脂成形体よりなる表
皮(21)と、合成樹脂製の基材(22)との間にポリウレ
タン発泡体等の発泡樹脂層(23)を介在させた積層構造
をなしているのが一般的である。
【0003】このインストルメントパネル(20)におい
て、内方に助手席用のエアバック装置(30)を備えてい
る場合は、エアバッグ装置(30)のケース(31)と対応
する部位がエアバッグドア部(24)として形成され、該
ケース(31)内に折り畳まれて収納されたバッグ本体
(33)がインフレータ(32)により膨張展開する時に他
部分との境界部で破断し開口するようになっている。
【0004】前記インストルメントパネルの表皮(21)
については、前記エアバッグドア部(24)と対応するド
ア部分(21a)と他部分(21b)との間に、前記の膨張
展開時の破断を容易にするための断面略U字形を成す比
較的細幅の破断用溝(25)が形成されている。この破断
部用溝(25)は、外観上の見栄え、耐熱劣化性及び対光
劣化性等の点から、極力開口幅が小さく、深いものであ
るのが望ましい。
【0005】通常、この表皮(21)は、電鋳法による成
形金型を用いてパウダースラッシュ成形される。この
際、図8のように電鋳殻よりなる金型本体(52)の表面
(52a)の所定の部位に、前記の破断部用溝(25)に対
応する凸条のリブ(53)を設けておくことで、表皮(2
1)の成形と同時に破断部用溝(25)が形成される。
【0006】前記成形金型(51)における凸条のリブ
(53)としては、電鋳法により成形金型を製造する際
に、一部を金型本体に埋設して固定した金属インサート
よりなるもの〔図8(a)〕、あるいは別の金属を内部
材とし表面部を電鋳形成したもの〔図8(b)〕、さら
に基部と先端部を電鋳により2段階で形成して接合し金
型本体と一体化させたもの等が知られている(例えば、
特開平10−128775号公報)。
【0007】一方、この種のインストルメントパネル表
皮(21)を成形する成形金型(51)においては、成形前
に成形温度に加熱し、成形後に冷却する成形サイクルを
繰り返すのが普通である。そのため、図8(a)(b)
に示すように、金型本体(52)の裏面(52b)には、油
等の加熱媒体や冷却媒体を通す温度調節用の配管(55)
が略全面にわたって所定のピッチ(通常、20〜50m
m)で添接され配設されている。
【0008】従来、この温度調節用の配管(55)は、銀
ロウによる溶接手段あるいは半田付け、TIG溶接等の
手段により取付固定されていた。(59)は溶接部を示
す。
【0009】しかしながら、前記の銀ロウ溶接等の溶接
手段を利用した場合、溶接後の冷却によって電鋳による
金型本体(52)が収縮したり歪みや変形を生じることが
ある上、金型本体(52)の表面に破断部用溝(25)を成
形する凸条のリブ(53)が電鋳や金属インサートを利用
して設けられている場合、前記溶接熱の影響で該リブ
(53)の部分に変形や割れあるいは剥離が生じるおそれ
がある。
【0010】すなわち、溶接は、母材に対して極めて短
い時間内に加熱、冷却を繰り返し行う加工であることか
ら、溶接部には非常に複雑な組織、機械的性質の変化が
生じることが考えられる。溶接部といっても、その範囲
は溶接棒(銀ロウ)より滴下した溶融金属が急速に凝固
したピート部から、溶融するまでには至らないものの、
それに匹敵する高温にさらされた後に急冷された熱影響
部、ひいては溶接熱の影響を殆ど受けなかった母材原質
部まで非常に広い範囲に及び、又それぞれの場所で加熱
時の最高温度や冷却時間が微妙に異なっている。
【0011】その結果、母材には1横収縮、2縦収縮、
3縦曲がり変形、4横曲がり変形、また5薄板の座屈的
変形などが起こる。これが、電鋳型にパイピング加工
(高圧用炭素鋼に銀ロウ溶接をする加工)した場合に電
鋳型に寸法の収縮や歪みまたは変形を発生し、上記した
ような問題が生じることになる。
【0012】そこで、パウダースラッシュ成形等に用い
るこの種の成形金型において、金型本体の裏面に配置し
た温度調節用の配管に網状体を被せ、これをスポット溶
接等で仮止めしておいて、電鋳成形を行うことにより、
この配管を電鋳被覆部により被覆して固定することが提
案された(特開平7−227851号)。
【0013】しかしながら、前記提案の場合は、図9の
ように、温度調節用の配管(55)に被せられた網状体
(56)が、配管(55)の両側より斜めに延びて山形状を
なすように金型本体(52)の裏面(52b)に仮止めされ
ており、そのまま電鋳が施されて電鋳被覆部(57)が形
成されている。そのため、配管(55)の両側部における
電鋳被覆部(57)の斜め部分(57a)(57a)との間に
空洞(60)が生じ、この部分の内側で電鋳被覆の厚みが
薄くなって熱伝導性を損ない、成形品の品質に影響を与
えるおそれがある。(58)はスポット溶接部を示す。
【0014】本発明は、上記に鑑みてなしたものであ
り、金型本体の裏面に配設された温度調節用の配管を、
その両側部に大きな空洞を生じさせることなく電鋳被覆
により低温で確実に取付け固定でき、金型の寸法精度や
破断部用溝を形成する金属リブに影響を与えることも、
また熱伝導性を損なうこともなく、品質の良好なインス
トルメントパネル表皮を安定して成形し生産できる電鋳
による成形金型と、その製造方法を提供するものであ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、表皮表面に形
成した破断部用溝から破断されるエアバックドア部を一
体的に成形するインストルメントパネル表皮の成形金型
であって、電鋳形成されてなる金型本体の表面に前記破
断部用溝を成形する金属リブが取付けられ、該金型本体
の裏面に温度調節用の配管が配設されてなる金型におい
て、前記金型本体の裏面に添接配置された温度調節用の
配管に、比較的目の粗い導電性を有する網状体が被せら
れて、該網状体の両側部分が金型本体の裏面に対し略直
角もしくは僅かに鈍角をなすように仮止めされ、さらに
前記網状体の上から金型本体の裏面、配管及び網状体を
覆うように電鋳被覆が施されて固定されてなることを特
徴とするものである。
【0016】この成形金型によれば、前記金型本体の裏
面に配設されている温度調節用の配管は、低温での電鋳
被覆により強固に固定され、電鋳による金型本体に収縮
あるいは歪みや変形が生じることがなく、また金型本体
の表面に取付け固定されている破断部用溝を形成する金
属リブの変形や歪み、あるいは割れや剥離の発生を防止
することができる。
【0017】特に、前記配管に被せた網状体は、比較的
目の粗い網よりなり、その両側部分が金型本体の裏面に
対し略直角もしくは僅かに鈍角をなすように仮止めされ
ているので、配管両側における網状体との間の空間も弱
電部にはならず、この空間内においても網状体の網目を
透過して充分に電着できるとともに、網状体にも電着で
き、空洞を殆ど生じさせずに電鋳を施すことができる。
それゆえ、この温度調節用の配管の両側で熱伝導効果を
損なうおそれがない。
【0018】前記の成形金型において、前記温度調節用
の配管に被せられた網状体の両側部分が、配管両側から
金型本体の裏面に対し外側で90゜〜100゜の角度を
なすように延びて仮止めされてなるものが好ましい。す
なわち、前記角度が90゜未満になると、仮止め作業が
困難になる上、隣接する配管同士の間の熱伝導性が劣
り、金型全体の熱伝導性の均一化に問題がある。
【0019】また前記角度が100゜より大きくなる
と、網状体の網目が比較的粗いものであっても、配管の
両側に空洞が生じることがあり、十分満足できる熱伝導
性が得られない。
【0020】前記の成形金型における網状体としては、
20メッシュ以下の網であるのが好ましい。すなわち網
目の大きさが20メッシュを越えると、網目が細かくな
りすぎて、該網状体を透過しての電着効果が劣り、電鋳
被覆による配管固定の安定化に問題がある。
【0021】また、前記網状体は、線径が0.18mm
以下の比較的細径の金属線よりなる網であるのが好まし
く、これにより、金型本体に対する電着効果を良好に確
保できる。また、この網状体の素材としては、ニッケ
ル、ステンレス、鉄、銅等の導電性金属線よりなるもの
好ましく、中でもニッケル又はその合金を素材とする線
材が高い熱伝導性と高い強度を両立できる点から特に好
適に用いられる。
【0022】請求項6の発明は、上記のインストルメン
トパネル表皮の成形金型の製造方法に係るものであっ
て、電鋳形成されてなる金型本体の表面に前記破断部用
溝を成形する金属リブが取付けられ、該金型本体の裏面
に温度調節用の配管が配設されてなる金型の製造方法に
おいて、金型本体の裏面に温度調節用の配管を添接配置
した後、比較的目の粗い導電性を有する網状体を前記配
管に被せるととともに、該網状体の両側部分を金型本体
の裏面に対し略垂直もしくは僅かに鈍角をなすように仮
止めし、この後、前記網状体の上から前記金型本体の裏
面、配管及び網状体を覆うように電鋳被覆を施すことを
特徴とする。
【0023】これにより、上記した効果を呈する成形金
型を精度良く製造できる。すなわち、配管両側における
網状体との間の空間も弱電部にはならず、この空間内に
おいても網状体の網目を透過して充分に電着できるとと
もに、網状体にも電着でき、空洞を殆ど生じさせずに電
鋳を施すことができる。また添接された配管を電鋳被覆
部により確実に安定性よく固定でき、金型本体に収縮や
変形を生じさせず、また金型本体の表面に取付固定され
ている金属リブに変形や割れあるいは剥離を生じさせる
ことなく、寸法精度の高い成型金型を得ることができ
る。
【0024】前記成型金型の製造方法において、前記温
度調節用の配管に被せた網状体の両側部分を、金型本体
の裏面に対しスポット溶接により仮止めするのが、熱伝
導性を良好に確保する上で好ましい。
【0025】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図1〜
図5示す実施例に基づいて説明する。
【0026】図1は本発明に係るインストルメントパネ
ル表皮の成型金型の1実施例の概略を示す断面図、図2
は同上の一部の拡大断面図である。図3〜図5は成形金
型の製造過程を示す断面図である。図6は金属リブの他
の例を示し、図6はインストルメントパネルのエアバッ
グドア部の構造を示す一部の断面図である。
【0027】図において、(1)は図(7)に示すイン
ストルメントパネル(20)の表皮(21)をパウダースラ
ッシュ成形するための成形金型を示している。この成形
金型(1)は、周知の電鋳法により、例えばニッケル合
金等を素材として形成された厚みが3〜5mm程度の電
鋳殻よりなるもので、この金型本体(2)が前記表皮
(21)に対応した形状をなしており、この金型本体
(2)の内側(成形側)の表面(2a)の所定の部位に破
断部用溝(25)を形成する金属リブ(3)が突設されて
いる。
【0028】すなわち、図7に示すインストルメントパ
ネル(20)の表皮(21)のように、助手席用のエアバッ
ク装置(30)のドア部分(21a)と他部分(21b)との
境界部分に形成されている破断部用溝(25)に対応し
て、金型本体(2)の内側表面(2a)に該破断部用溝
(25)を形成するための凸条の金属リブ(3)が突設さ
れている。
【0029】この金属リブ(3)は、例えば図3のよう
に電鋳法により成形金型(1)を形成する際に、別形成
されたニッケルやその合金あるいはステンレス等の金属
製のリブ材をインサートして、一部を金型本体(2)に
埋設して固定したものよりなる。このほか、金属インサ
ートを内部材として表面部を電鋳形成したもの、さらに
基部と先端部を電鋳により2段階で成形して接合して金
型本体(2)と一体化させたもの等、どのような方法で
形成されたものであってもよい。
【0030】また、前記の金属インサートによるリブ材
として、電鋳形成により別形成しておくこともできる。
この場合、図6の(a)〜(d)に例示する任意の断面
形状にして実施でき、アンダーカットの断面形状での実
施も容易に可能になる。このような形状の金属リブ
(3)を設けておくことで、これによりパウダースラッ
シュ成形される表皮(21)の破断部用溝(25)は、開口
幅が狭くてしかも溝底部の厚みが薄くなり、外観的体裁
がよく、かつ比較的破断が容易なものとなる。
【0031】なお、前記のように金属インサート等によ
る金属リブ(3)を設けた場合、通常、金型本体(2)
の裏面(2b)には、前記の金属リブ(3)に相当する部
分が盛り上がり形状をなすことになる。(4)はその盛
り上がり部を示す。
【0032】また、前記の成形金型(1)において、金
型本体(2)の裏面(2b)には温度調節用の配管(5)
が所定のピッチで添接配置されて、後述のように電鋳法
を利用して固定されている。前記の盛り上がり部(4)
ではその両側に沿って配管(5)が配設されている。こ
の配管(5)は、電鋳による固定構造のために導電性の
金属材、中でも銅製で径が10mm前後、肉厚が1mm
前後の管が特に好適に用いられる。またこの配管(5)
の配設ピッチは、成型金型及び成形対象製品によっても
異なるが、前記の表皮(21)の成形用としては、通常2
0〜50mmである。
【0033】前記の温度調節用の配管(5)は、図2に
拡大して示すように、導電性の金属線で、その線径が
0.18mm以下の細径の金属線よりなる比較的目の粗
い網状体、好ましくは20メッシュ以下、特に好ましく
は16メッシュ以下の網状体(6)が被せられて仮止め
された後、電鋳被覆が施されて固定されている。(7)
はその電鋳被覆部を示す。
【0034】特に、前記網状体(6)は、配管(5)の
両側より延びる両側部分(6a)(6a)が、金型本体
(2)の裏面(2b)に対して外側の角度(θ)が略直角
若しくは僅かに鈍角をなすように、特に好ましくは90
゜〜100゜の角度をなすように仮止めされて電鋳被覆
され、略均一な厚みの電鋳被覆部(7)により埋設され
た状態になっている。
【0035】そのため、金型本体(2)の裏面(2b)お
よび前記配管(5)および網状体(6)に層状に電鋳さ
れる電鋳被覆部(7)は、前記配管(5)両側の網状体
の両側部分(6a)(6a)との間の空間を埋めて、空洞を
殆ど生じさせることなく形成されている。
【0036】次に、前記の温度調節用の配管(5)の固
定手段、方法について説明する。
【0037】図4に示すように、電鋳法により、前記金
型本体(2)の裏面(2b)に温度調節用の配管(5)を
添接配置した後、図5のように比較的目の粗い導電性を
有する網状体(6)を、前記各配管(5)を覆うように
被せ、スポット溶接等の手段により、網状体(6)の網
目をできるだけ埋めないように仮止めする。(8)はス
ポット溶接による仮止め部を示す。
【0038】特にこの際、前記のように配管(5)に被
せた網状体(6)は、配管(5)両側より延びる両側部
分(6a)(6a)を、金型本体(2)の裏面(2b)に対し
てなす外側の角度(θ)が略直角もしくは僅かに鈍角を
なすように仮止めする。このスポット溶接による熱はご
く僅かであり、かつ局部的であって、金型本体(2)に
は溶接熱による影響を殆ど与えない。
【0039】この仮止めの後、前記網状体(6)の上か
ら金型本体(2)の裏面(2b)、配管(5)及び網状体
(6)を覆うように電鋳被覆を施して、図2のように電
鋳被覆部(7)を形成する。この電鋳被覆部(7)の厚
さは0.5〜3.0mmで、好ましくは1.0mm以
上、特に好ましくは1.0〜2.0mmである。
【0040】この電鋳の際、前記網状体(6)が、線径
0.18mm以下の金属線よりなる網で、20メッシュ
以下の比較的目の粗い網目をなしていると、該網状体
(6)の網目を通して配管(5)と網状体(6)の両側
部分(6a)(6a)との間の空間においても、金型本体
(2)の裏面(2b)および配管(5)表面に略均一に電
着するとともに、網条体(6)の両面にも電着し、最終
的には図2のように殆ど空洞を生じさせずに電鋳被覆部
(7)が形成される。この低温での電鋳被覆部(7)に
よって、金型本体(2)の裏面(2b)と、配管(5)と
網状体(6)とが相互に接合され、以て温度調節用の配
管(5)が金型本体(2)に接合状態で強固に安定性よ
く固定される。
【0041】したがって、従来のように溶接熱の影響を
受けたり、溶接熱による金型本体(2)の収縮、変形夜
歪み等を防止して、寸法精度や面精度を向上できる。ま
た金型本体(2)自体が収縮、変形することがないこと
もあって、金属インサート等の手段により取付固定され
ている金属リブ(3)が、変形あるいは割れや剥離など
を発生するおそれもない。
【0042】しかも、前記のように配管(5)に被せら
れている網状体(6)が、比較的目の粗い網よりなり、
その両側部分(6a)(6a)が金型本体(2)の裏面に対
し略直角もしくは僅かに鈍角をなすように仮止めされて
いるので、配管両側(2b)における網状体(6)との間
の空間も弱電部にはならず、この空間内においても網状
体(6)の網目を透過して充分に電着できるとともに、
網状体(6)にも電着でき、空洞を殆ど生じさせずに略
均一な厚みで電鋳を施すことができることになる。それ
ゆえ、この温度調節用の配管(5)の両側で熱伝導性を
損なうおそれがない。
【0043】比較のために、同じ網状体(素材:ニッケ
ル、線径:0.18mm、16メッシュ)を用いて、図
9のように、網状体(56)を金型本体(52)に対してか
なり大きい角度で仮止めして電鋳被覆した場合(比較例
1)と、図10のように、網状体(56)を配管(55)の
両側で内側に括れ形状をなすように金型本体(52)に仮
止めして電鋳被覆した場合(比較例2)と、図2のよう
に、網状体(6)を金型本体(2)に対し略直角をなす
ように仮止めして電鋳被覆した場合(本発明の実施例)
とについて、電鋳被覆の状態および成形金型の熱伝導性
について比較した。熱伝導性は、配管に対し加熱媒体お
よび冷却媒体の流通させて、温度上昇と温度低下の状態
を測定することにより行った。
【0044】その結果、比較例1の場合は配管両側部に
空洞が生じて、その内側の電鋳被覆の厚みが薄くなり、
また比較例2の場合は括れ部分で電鋳被覆の厚みが薄く
なった。これに対し、本発明の実施例の場合、略均一な
厚みで殆ど空洞を生じることなく電鋳被覆を施すことが
できた。また、本発明の実施例のほうが、比較例に比し
て熱伝導性がよく、全体に略均一な熱伝導性が得られ
た。
【0045】
【発明の効果】上記した本発明の成形金型およびその製
造方法によれば、金型本体の裏面に配設した温度調節用
の配管を、電鋳被覆を利用して安定性良く確実に取付固
定でき、金型本体の収縮および曲がり等の変形や歪みを
生じさせることがなく、金型の寸法精度や面精度を向上
できる。また、金型本体の内側表面に設けられている金
属リブの変形や割れあるいは剥離を生じさせることもな
く、インサートや電鋳を利用した金属リブの実施も容易
に可能になる。
【0046】特に、配管を仮止めする網状体を、配管に
被せて金型本体に対し略直角若しくは僅かに鈍角をなす
ように仮止めして電鋳被覆を施しているので、配管の両
側部でも熱伝導性を損なうことがなく、金型の熱伝導性
を均一良好に保持できる。したがって、寸法精度が高
く、強度および耐久性に優れる成形金型を提供でき、以
て、エアバッグドア部の破断部用溝を有するインストル
メントパネル表皮の成形精度、生産性を高めることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例を示す成形金型の略示断面図
である。
【図2】同上の成形金型の一部の拡大断面図である。
【図3】同上の成形金型において金属リブを金属インサ
ートにより固定した状態の金型本体の一部の拡大断面図
である。
【図4】同上の金型本体の裏面に温度調節用の配管を添
接配置した状態の一部の拡大断面図である。
【図5】同上の配管の上から網状体を被せた電鋳被覆前
の一部の拡大断面図である。
【図6】(a)〜(d)のそれぞれ金属リブの他の例を
示す略示断面図である。
【図7】インストルメントパネルにおけるエアバック装
置装備部分の略示断面図である。
【図8】(a)および(b)とも、従来の温度調節用の
配管の取付け構造を例示する一部の拡大断面図である。
【図9】網状体を被せて電鋳被覆を施した形態の本発明
以外の例を示す一部の拡大断面図である。
【図10】同上の他の例を示す一部の拡大断面図であ
る。
【符号の説明】 (1) 成形金型 (2) 金型本体 (2a) 表面 (2b) 裏面 (3) 金属リブ (4) 盛り上がり部 (5) 温度調節用の配管 (6) 網状体 (6a)(6a) 両側部分 (7) 電鋳被覆部 (8) 仮止め部 (20) インストルメントパネル (21) インストルメントパネル表皮 (22) 基材 (23) 発泡樹脂層 (24) エアバッグドア部 (25) 破断部用溝 (30) エアバッグ装置 (31) ケース (32) インフレータ (33) バッグ本体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川久保 靖 大阪府大阪市西区江戸堀1丁目17番18号 東洋ゴム工業株式会社内 (72)発明者 笠原 俊克 大阪府大阪市西区江戸堀1丁目17番18号 東洋ゴム工業株式会社内 (72)発明者 藤森 正次 大阪府大阪市西区江戸堀1丁目17番18号 東洋ゴム工業株式会社内 (72)発明者 朱宮 義也 愛知県江南市安良町地蔵51番地 江南特殊 産業株式会社内 Fターム(参考) 3D044 BA11 BB01 BC02 4F202 AA15 AH25 CA06 CB01 CD12 CD27

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表皮表面に形成した破断部用溝から破断さ
    れるエアバックドア部を一体的に成形するインストルメ
    ントパネル表皮の成形金型であって、電鋳形成されてな
    る金型本体の表面に前記破断部用溝を成形する金属リブ
    が取付けられ、該金型本体の裏面に温度調節用の配管が
    配設されてなる金型において、 前記金型本体の裏面に添接配置された温度調節用の配管
    に、比較的目の粗い導電性を有する網状体が被せられ
    て、該網状体の両側部分が金型本体の裏面に対し略直角
    もしくは僅かに鈍角をなすように仮止めされ、さらに前
    記網状体の上から金型本体の裏面、配管及び網状体を覆
    うように電鋳被覆が施されて固定されてなることを特徴
    とするインストルメントパネル表皮の成形金型。
  2. 【請求項2】前記温度調節用の配管に被せられた網状体
    の両側部分が、配管両側から金型本体の裏面に対し90
    ゜〜100゜の角度をなすように仮止めされてなる請求
    項1に記載のインストルメントパネル表皮の成形金型。
  3. 【請求項3】前記網状体が、20メッシュ以下の網であ
    る請求項1または2に記載のインストルメントパネル表
    皮の成形金型。
  4. 【請求項4】前記網状体が、線径が0.18mm以下の
    金属線よりなる網である請求項1〜3のいずれか1項に
    記載のインストルメントパネル表皮の成形金型。
  5. 【請求項5】前記網状体が、ニッケル、ステンレス、
    鉄、銅等の導電性金属線よりなる請求項1〜4のいずれ
    か1項に記載のインストルメントパネル表皮の成形金
    型。
  6. 【請求項6】表皮表面に形成した破断部用溝から破断さ
    れるエアバックドア部を一体的に成形するインストルメ
    ントパネル表皮の成形金型であって、電鋳形成されてな
    る金型本体の表面に前記破断部用溝を成形する金属リブ
    が取付けられ、該金型本体の裏面に温度調節用の配管が
    配設されてなる金型の製造方法において、 金型本体の裏面に温度調節用の配管を添接配置した後、
    比較的目の粗い導電性を有する網状体を前記配管に被せ
    るととともに、該網状体の両側部分を金型本体の裏面に
    対し略垂直もしくは僅かに鈍角をなすように仮止めし、
    この後、前記網状体の上から前記金型本体の裏面、配管
    及び網状体を覆うように電鋳被覆を施すことを特徴とす
    るインストルメントパネル表皮の成形金型の製造方法。
  7. 【請求項7】前記温度調節用の配管に被せた網状体の両
    側部分を、金型本体の裏面に対しスポット溶接により仮
    止めする請求項6に記載のインストルメントパネル表皮
    の成形金型の製造方法。
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