JP2002066820A - バニシングドリル - Google Patents

バニシングドリル

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JP2002066820A
JP2002066820A JP2000257588A JP2000257588A JP2002066820A JP 2002066820 A JP2002066820 A JP 2002066820A JP 2000257588 A JP2000257588 A JP 2000257588A JP 2000257588 A JP2000257588 A JP 2000257588A JP 2002066820 A JP2002066820 A JP 2002066820A
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和男 早川
Yasutomo Takahashi
康友 高橋
Takashi Maeda
隆 前田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 穴径の精度や、穴の仕上面の面粗度が良好な
穴が安定して加工できるバニシングドリルを提供する。 【解決手段】 ドリル本体10の先端に半径方向に伸びた
一対の主切刃11a,11b が設けられ、この主切刃によって
切削された切屑を排出する一対の切屑排出溝12a,12b が
ドリル本体の先端から後方に向けて設けられ、この切屑
排出溝に対してドリル本体の回転方向前方及び後方にマ
ージン13a,14a、13b,14b が形成されたバニシングドリル
において、ダイヤモンド及び立方晶窒化ホウ素から選択
される高硬度焼結体20を、ドリル本体の少なくとも先端
部においてその中心を通るようにして直径方向に連続し
て設け、この高硬度焼結体により主切刃全体及び主切刃
の外周側のマージンを構成すると共に、主切刃における
軸方向のすくい角が切屑排出溝の捩じれ角に対してマイ
ナスになるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ドリル本体の先
端に半径方向に伸びた一対の主切刃が設けられると共
に、この一対の主切刃によって切削された切屑を排出す
る一対の切屑排出溝がドリル本体の先端から後方に向け
て設けられ、この一対の切屑排出溝に対してドリル本体
の回転方向前方及び後方にそれぞれマージンが形成され
たバニシングドリルに係り、特に、鋳物やアルミニウム
材料等の被削材に対して、穴径の精度や穴の仕上面の面
粗度等が良好な穴を安定して加工できるようにした点に
特徴を有するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より穴加工を行うにあたり、穴径の
精度や穴の仕上面が良好な穴を加工するためにバニシン
グドリルが使用されていた。
【0003】ここで、このようなバニシングドリルとし
て、従来においては、一般に鋼や超硬合金で、図1に示
すように、ドリル本体10の先端に半径方向に伸びた一
対の主切刃11a,11bを設けると共に、この一対の
主切刃11a,11bによって切削された切屑を排出す
る一対の切屑排出溝12a,12bをドリル本体10の
先端から後方に向けて設け、この一対の切屑排出溝12
a,12bに対して、ドリル本体10の回転方向前方及
び後方にそれぞれマージン13a,14a、13b,1
4bを形成したものが使用されていた。
【0004】しかし、上記のように鋼や超硬合金で構成
されたバニシングドリルを用いて鋳物やアルミニウム材
料等の穴加工を行った場合、このバニシングドリルにお
ける主切刃11a,11bやマージン13a,14a、
13b,14bの摩耗が早くなり、また高速で穴加工を
行った場合に、切屑が主切刃11a,11bやマージン
13a,14a、13b,14b等に溶着して、穴径の
精度や仕上面の状態が悪くなり、長期にわたって安定し
た穴加工が行えないという問題があった。
【0005】このため、近年においては、図2(A),
(B)に示すように、各切屑排出溝12a,12bの先
端部に、鋼や超硬合金で構成された基材15aにダイヤ
モンドや立方晶窒化ホウ素からなる高硬度焼結体15b
を積層させたチップ15をロウ付けして、主切刃11
a,11bの外周側の部分及びこの主切刃11a,11
bの外周側におけるマージン14a,14bの先端側の
部分をダイヤモンドや立方晶窒化ホウ素からなる高硬度
焼結体15bで構成したバニシングドリルが用いられる
ようになった。
【0006】しかし、このように切屑排出溝12a,1
2bの先端部にチップ15をロウ付けする場合、ドリル
本体10の径が小さくなると、チップ15をロウ付けす
る面積が小さくなって、チップ15を切屑排出溝12
a,12bの先端部に取り付ける強度が弱くなり、この
チップ15がドリル本体10から外れたりするという問
題があった。
【0007】また、このようなバニシングドリルを長く
使用すると、チップ15に設けた高硬度焼結体15bの
部分と、鋼や超硬合金で構成されたドリル本体10の部
分とにおける摩耗に差が生じて、チップ15を取り付け
た部分に段差が生じ、この部分に切屑が詰まって、良好
な切削が行えなくなったり、バニシングドリルが欠損す
る等の問題が生じた。
【0008】さらに、切屑排出溝12a,12bとチッ
プ15に設けた高硬度焼結体15bの部分とを揃えるよ
うにダイヤモンドホイール等で切削する場合、ダイヤモ
ンドホイールに目詰まりをおこし、高硬度焼結体15b
の部分の面粗度が悪くなったり、高硬度焼結体15bで
構成された主切刃11a,11bがだれて丸みを生じ、
良好な切削が行えなくなる等の問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、ドリル本
体の先端に半径方向に伸びた一対の主切刃が設けられる
と共に、この一対の主切刃によって切削された切屑を排
出する一対の切屑排出溝がドリル本体の先端から後方に
向けて設けられ、この一対の切屑排出溝に対してドリル
本体の回転方向前方及び後方にそれぞれマージンが形成
されたバニシングドリルを用いて穴加工を行う場合にお
ける上記のような様々な問題を解決することを課題とす
るものである。
【0010】すなわち、この発明におけるバニシングド
リルにおいては、鋳物やアルミニウム材料等の被削材に
対して高速で穴加工を行う場合等において、穴径の精度
や、穴の仕上面の面粗度が良好な穴が安定して加工でき
るようにすることを課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明においては、上
記のような課題を解決するため、ドリル本体10の先端
に半径方向に伸びた一対の主切刃11a,11bが設け
られると共に、この一対の主切刃11a,11bによっ
て切削された切屑を排出する一対の切屑排出溝12a,
12bがドリル本体10の先端から後方に向けて設けら
れ、この一対の切屑排出溝12a,12bに対してドリ
ル本体10の回転方向前方及び後方にそれぞれマージン
13a,14a、13b,14bが形成されてなるバニ
シングドリルにおいて、ダイヤモンド及び立方晶窒化ホ
ウ素から選択される高硬度焼結体20を、上記のドリル
本体10の少なくとも先端部においてその中心を通るよ
うにして直径方向に連続して設け、この高硬度焼結体2
0により上記の主切刃11a,11b全体及び主切刃1
1a,11bの外周側で切屑排出溝12a,12bに対
してドリル本体10の回転方向後方側における各マージ
ン14a,14bを構成すると共に、主切刃11a,1
1bにおける軸方向のすくい角が切屑排出溝12a,1
2bの捩じれ角に対してマイナスになるようにしたので
ある。
【0012】ここで、この発明におけるバニシングドリ
ルのように、ダイヤモンド及び立方晶窒化ホウ素から選
択される高硬度焼結体20を、ドリル本体10の少なく
とも先端部においてその中心を通るようにして直径方向
に連続して設け、この高硬度焼結体20により主切刃1
1a,11b全体及び主切刃11a,11bの外周側で
切屑排出溝12a,12bに対してドリル本体10の回
転方向後方側におけるマージン14a,14bを形成す
ると、鋼や超硬合金で構成された基材15aにダイヤモ
ンドや立方晶窒化ホウ素からなる高硬度焼結体15bを
積層させたチップ15を切屑排出溝12a,12bの先
端部にロウ付けさせた従来のバニシングドリルのよう
に、ドリル本体10の径が小さくなった場合に、チップ
15の取付強度が低下して、チップ15が切屑排出溝1
2a,12bの外れるということがなく、高硬度焼結体
20がドリル本体10に強固に保持されるようになる。
【0013】また、この発明におけるバニシングドリル
においては、高硬度焼結体20をドリル本体10の少な
くとも先端部においてその中心を通るようにして直径方
向に連続して設けているため、主切刃11a,11b全
体及び主切刃11a,11bの外周側で切屑排出溝12
a,12bに対してドリル本体10の回転方向後方側に
おけるマージン14a,14bが高硬度焼結体20で構
成されると共に、チゼルの部分や切屑排出溝12a,1
2bの先端側の部分が高硬度焼結体20で構成されるよ
うになる。
【0014】そして、この発明のバニシングドリルを用
いて鋳物やアルミニウム材料等の被削材に穴加工を行う
ようにした場合、主切刃11a,11bにおける切削性
が高まると共に、切屑が詰まったりするのが抑制され、
さらにこのバニシングドリルの各部分における摩耗も少
なくなって、良好な穴加工が安定して行えるようにな
る。
【0015】また、この発明におけるバニシングドリル
のように、主切刃11a,11bにおける軸方向のすく
い角を切屑排出溝12a,12bの捩じれ角に対してマ
イナスになるようにすると、ドリル本体10における切
屑排出溝12a,12bの研削加工とは別に高硬度焼結
体20を研削加工することができ、高硬度焼結体20の
部分の面粗度が悪くなったり、高硬度焼結体20で構成
された主切刃11a,11bがだれるのが防止され、穴
径の精度や穴の仕上面の面粗度が良好な穴が得られるよ
うになる。
【0016】また、この発明におけるバニシングドリル
において、さらに切屑排出溝12a,12bに対してド
リル本体10の回転方向前方側におけるマージン13
a,13bの少なくとも先端部を高硬度焼結体20で構
成すると、穴径の精度や穴の仕上面の面粗度がさらに向
上される。
【0017】また、この発明におけるバニシングドリル
において、上記の切屑排出溝12a,12bをドリル本
体10の軸方向に沿って直線状に設けると共に、主切刃
11a,11bにおける軸方向のすくい角を−10’〜
−5°の範囲にすると、切屑排出溝12a,12bによ
ってドリル本体10の剛性が低下するのが少なくなると
共に、主切刃11a,11bにおける切削性が低下する
のも抑制され、精度の良い穴加工がスムーズに行えるよ
うになる。
【0018】
【発明の実施の形態】次に、この発明の実施形態に係る
バニシングドリルを添付図面に基づいて具体的に説明す
る。
【0019】この実施形態におけるバニシングドリルに
おいては、図3(A)〜(C)に示すように、先端側が
円錐状に形成される一方、後端側が中心に向かってテー
パー状に切欠された超硬合金からなるブランクス10a
において、その円錐状になった先端側の中心を通るよう
にして直径方向に連続してダイヤモンドや立方晶窒化ホ
ウ素からなる高硬度焼結体20を設けたものを用いるよ
うにした。
【0020】そして、このブランクス10aのテーパー
状に切欠された後端側を超硬合金からなるシャフト10
bの先端側にロウ付けした後、これに対してダイヤモン
ドホイール等を用いて研削加工し、この実施形態のバニ
シングドリルを作製した。
【0021】ここで、この実施形態のバニシングドリル
においては、図4(A),(B)に示すように、シャフ
ト10bにブランクス10aがロウ付けされたドリル本
体10の先端に上記の高硬度焼結体20が存在し、この
ドリル本体10の先端において半径方向に伸びた一対の
主切刃11a,11bを設け、この一対の主切刃11
a,11b全体を高硬度焼結体20で構成した。
【0022】また、この一対の主切刃11a,11bに
よって切削された切屑を排出する一対の切屑排出溝12
a,12bを、捩じれ角がほぼ0°になるようにドリル
本体10の軸方向に沿ってその先端から後方に向けて真
っすぐに設け、この一対の切屑排出溝12a,12bの
先端側において上記の高硬度焼結体20が露出するよう
にした。
【0023】また、この一対の切屑排出溝12a,12
bに対してドリル本体10の回転方向前方及び後方にそ
れぞれマージン13a,14a、13b,14bを形成
し、上記の主切刃11a,11bの外周側で切屑排出溝
12a,12bに対してドリル本体10の回転方向後方
側におけるマージン14a,14bの先端側の部分を上
記の高硬度焼結体20で構成した。
【0024】そして、このようなバニシングドリルを研
削加工して作製するにあたっては、ドリル本体10の軸
方向に沿ってダイヤモンドホイールにより、上記のシャ
フト10b及びブランクス10aの超硬合金の部分に上
記の切屑排出溝12a,12bの溝加工を行い、ブラン
クス10aにおける上記の高硬度焼結体20の面が現れ
た時点で、ドリル本体10の先端側からダイヤモンドホ
イールにより高硬度焼結体20を研削して、ドリル本体
10の先端に上記の主切刃11a,11bを形成すると
共に、図5に示すように、捩じれ角がほぼ0度になった
切屑排出溝12a,12bに対して、主切刃11a,1
1bの軸方向のすくい角θがマイナスになるようにし
た。
【0025】ここで、このように捩じれ角がほぼ0度に
なった切屑排出溝12a,12bに対して、主切刃11
a,11bにおける軸方向のすくい角θがマイナスにな
るようにすると、高硬度焼結体20がドリル本体10と
共削りされるのを防止することができ、主切刃11a,
11bがだれるのが防止されて、シャープな主切刃11
a,11bが形成されるようになると共に、切屑排出溝
12a,12bと連続する高硬度焼結体20の部分の面
粗度も良くなった。
【0026】また、この主切刃11a,11bにおける
軸方向のすくい角θを−10’〜−5°の範囲にする
と、主切刃11a,11bの切削性が低下するのも抑制
され、穴径の精度や穴の仕上面の面粗度が良好な穴が得
られるようになった。
【0027】また、この実施形態のバニシングドリルに
おいて、上記のように主切刃11a,11bを設けるに
あたり、主切刃11a,11bのオフセット量aが小さ
すぎると、ドリル先端中心部が欠損しやすくなり、また
バニシングドリルの芯厚が薄くなって剛性が不足し、穴
加工の精度が悪くなる一方、オフセット量aが大きすぎ
ると、切屑排出溝12a,12bが小さくなって切屑の
排出が悪くなり、切削された穴の面粗度が低下すると共
に、切削抵抗も大きくなって、穴加工の精度が悪くなる
ため、図6に示すように、主切刃11a,11bのオフ
セット量aをドリル本体10の直径Dの0.5〜5.0
%の範囲にすることが好ましかった。
【0028】また、この実施形態のバニシングドリルに
おいて、その先端部分にシンニングを行うにあたり、シ
ンニング部分の芯越え量Eが小さすぎると、切屑の排出
性が悪くなり、切削された穴の面粗度が低下する一方、
シンニング部分の芯越え量Eが大きすぎると、バニシン
グドリルの剛性が不足して、穴加工の精度が悪くなるた
め、シンニング部分の芯越え量Eをドリル本体10の直
径Dの3〜20%の範囲にすることが好ましかった。
【0029】さらに、この実施形態のバニシングドリル
において、上記の各切屑排出溝12a,12bの開き角
γが大きくなりすぎると、バニシングドリルの剛性が不
足して、穴加工の精度が悪くなる一方、開き角γが小さ
くなりすぎると、切屑の排出性が悪くなり、切削された
穴の面粗度が低下するため、各切屑排出溝12a,12
bの開き角γを85〜110°の範囲にすることが好ま
しかった。
【0030】なお、この実施形態のバニシングドリルに
おいては、前記の図3(A)〜(C)に示すように、円
錐状になった先端側の中心を通るようにして直径方向に
連続してダイヤモンドや立方晶窒化ホウ素からなる高硬
度焼結体20を設けただけのブランクス10aを用い、
主切刃11a,11bの外周側で切屑排出溝12a,1
2bに対してドリル本体10の回転方向後方側における
マージン14a,14bの先端側の部分だけを高硬度焼
結体20で構成するようにしたが、図8に示すように、
切屑排出溝12a,12bに対してドリル本体10の回
転方向前方側におけるマージン13a,13bの先端側
の部分も高硬度焼結体20で構成することも可能であ
る。
【0031】ここで、図8に示すように、切屑排出溝1
2a,12bに対してドリル本体10の回転方向前方側
におけるマージン13a,13bの先端側の部分も高硬
度焼結体20で構成するにあたっては、例えば、図7
(A),(B)に示すように、円錐状になった先端側の
中心を通るようにして直径方向に連続してダイヤモンド
や立方晶窒化ホウ素からなる高硬度焼結体20を設ける
と共に、この直径方向に連続した高硬度焼結体20と直
交する直径方向の外周部にも部分的に高硬度焼結体20
を設けたブランクス10aを用いるようにしたり、また
切屑排出溝12a,12bに対してドリル本体10の回
転方向前方側におけるマージン13a,13bの先端側
の部分に高硬度焼結体20をロウ付けさせるようにする
ことができる。
【0032】そして、このように切屑排出溝12a,1
2bに対してドリル本体10の回転方向前方側及び後方
側における各マージン13a,13b、14a,14b
を高硬度焼結体20で構成すると、さらに高精度で面粗
度のよい穴加工が行えるようになる。
【0033】また、図9(A),(B)に示すように、
ドリル本体10の軸方向に貫通した2つの案内穴16を
設け、切削時に各案内穴16を通して油等の冷却用媒体
を供給させることも可能である。なお、このようにドリ
ル本体10の軸方向に貫通した案内穴16を設けるにあ
たっては、例えば、案内穴16が設けられたシャフト1
0bの先端側にブランクス10aをロウ付けした後、こ
のブランクス10aの部分に、細穴放電加工によりシャ
フト10bに設けられた案内穴16と連続するようにし
て案内穴16を設けるようにすることができる。
【0034】
【実施例】次に、この発明の実施例におけるバニシング
ドリルを用いて穴加工を行った場合に、穴径の精度や穴
の面粗度のよい穴の加工が安定して行えることを比較例
を挙げて明らかにする。
【0035】(実施例1)実施例1のバニシングドリル
においては、上記の実施形態のバニシングドリルにおい
て、図3(A)〜(C)に示すブランクス10aにおい
て、円錐状になった先端側の中心を通るようにして直径
方向に連続してダイヤモンドからなる高硬度焼結体20
を設けるにあたり、この高硬度焼結体20の幅を0.6
5mmにした。
【0036】そして、上記の実施形態に示すように、こ
のブランクス10aを超硬合金からなるシャフト10b
の先端側にロウ付けした後、ダイヤモンドホイールを用
いて研削加工してバニシングドリルを作製した。
【0037】ここで、この実施例1のバニシングドリル
においては、ドリル本体10の外径Dが8.00mm、
各切屑排出溝12a,12bの捩じれ角が0°、各主切
刃11a,11bのすくい角θが−1°になるように
し、各主切刃11a,11b及び切屑排出溝12a,1
2bに対してドリル本体10の回転方向後方側における
マージン14a,14bの先端側の部分をダイヤモンド
からなる高硬度焼結体20で構成した。
【0038】また、主切刃11a,11bのオフセット
量aをドリル本体10の直径Dの1.9%の0.15m
mに、シンニング部分の芯越え量Eをドリル本体10の
直径Dの10%の0.8mmに、各切屑排出溝12a,
12bの開き角γを90°にした。
【0039】(比較例1)比較例1においては、上記の
実施例1のバニシングドリルにおいて、ダイヤモンドホ
イールを用いて研削加工するにあたり、ドリル本体10
における切屑排出溝12a,12bとダイヤモンドから
なる高硬度焼結体20とを共削りして、各主切刃11
a,11bのすくい角θが各切屑排出溝12a,12b
の捩じれ角と同じ0°になるようにし、それ以外は、上
記の実施例1の場合と同様にして、バニシングドリルを
作製した。
【0040】ここで、このようにして比較例1のバニシ
ングドリルを作製する場合、ダイヤモンドホイールを用
いて正確に研削加工することが困難であり、またダイヤ
モンドからなる高硬度焼結体20で構成された主切刃1
1a,11bがだれて丸みをおびると共に、各主切刃1
1a,11bの刃裏となる高硬度焼結体20の部分の面
粗度も悪くなった。
【0041】(比較例2)比較例2においては、前記の
図2(A),(B)に示す従来のバニシングドリルよう
に、各切屑排出溝12a,12bの先端部に、超硬合金
で構成された基材15aにダイヤモンドからなる高硬度
焼結体15bを積層させたチップ15をロウ付けして、
主切刃11a,11bの外周側の部分及びこの主切刃1
1a,11bの外周側におけるマージン14a,14b
の先端側の部分をダイヤモンドからなる高硬度焼結体1
5bで構成した。
【0042】なお、この比較例2のバニシングドリルに
おいては、上記のように各切屑排出溝12a,12bの
先端部に取り付けたチップ15における高硬度焼結体1
5bの面を、切屑排出溝12a,12bの面より0.2
mm下げるようにしてロウ付けした。
【0043】次に、上記の実施例1及び比較例1,2の
各バニシングドリルを使用して、AC4Bからなるアル
ミニウム材に穴加工を行った。
【0044】穴加工の条件としては、切削速度を125
m/min、送り速度を0.2mm/rev、加工深さ
を24mmにして、外部から水溶性切削液をかけなが
ら、100穴の穴加工を行い、100穴目における穴径
拡大代と穴の面粗度とを調べ、その結果を下記の表1に
示した。
【0045】
【表1】
【0046】この結果から明らかなように、実施例1の
バニシングドリルを使用した場合、100穴目における
穴径拡大代や穴の面粗度は、比較例1,2のバニシング
ドリルを用いた場合に比べて著しく向上していた。
【0047】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明における
バニシングドリルにおいては、ダイヤモンド及び立方晶
窒化ホウ素から選択される高硬度焼結体を、ドリル本体
の少なくとも先端部においてその中心を通るようにして
直径方向に連続して設け、この高硬度焼結体により主切
刃全体及び主切刃の外周側で切屑排出溝に対してドリル
本体の回転方向後方側におけるマージンを形成したた
め、鋼や超硬合金で構成された基材にダイヤモンドや立
方晶窒化ホウ素からなる高硬度焼結体を積層させたチッ
プを切屑排出溝の先端部にロウ付けさせた従来のバニシ
ングドリルのように、ドリル本体の径が小さくなった場
合にチップが外れるということがなく、高硬度焼結体が
ドリル本体に強固に保持されるようになった。
【0048】また、この発明におけるバニシングドリル
においては、上記のように主切刃全体及び主切刃の外周
側で切屑排出溝に対してドリル本体の回転方向後方側に
おけるマージンが高硬度焼結体で形成されると共に、チ
ゼルの部分や切屑排出溝の先端側の部分も高硬度焼結体
で構成されるようになるため、このバニシングドリルを
用いて鋳物やアルミニウム材料等の被削材に穴加工を行
うようにした場合、主切刃の切削性が高まると共に、切
屑が詰まったりするのが抑制され、さらに摩耗も少なく
なって、良好な穴加工が安定して行えるようになった。
【0049】また、この発明におけるバニシングドリル
のように、主切刃における軸方向のすくい角を切屑排出
溝の捩じれ角に対してマイナスになるようにすると、ド
リル本体における切屑排出溝の研削加工とは別に高硬度
焼結体を研削加工することができ、高硬度焼結体の部分
の面粗度が悪くなったり、高硬度焼結体で構成された主
切刃がだれるのが防止され、穴径の精度や穴の仕上面の
面粗度が良好な穴が得られるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋼や超硬合金で構成した従来のバニシングドリ
ルの概略正面図である。
【図2】切屑排出溝の先端部に、鋼や超硬合金で構成さ
れた基材にダイヤモンドや立方晶窒化ホウ素からなる高
硬度焼結体を積層させたチップをロウ付けした従来のバ
ニシングドリルの概略正面図及び部分側面図である。
【図3】この発明の一実施形態に係るバニシングドリル
を製造するのに用いたブランクスの正面図、側面図及び
平面図である。
【図4】同実施形態に係るバニシングドリルの概略正面
図及び部分側面図である。
【図5】同実施形態に係るバニシングドリルにおいて、
切屑排出溝の捩じれ角に対して主切刃のすくい角がマイ
ナスになっている状態を示した部分説明図である。
【図6】同実施形態に係るバニシングドリルにおいて、
主切刃のオフセット量a、シンニング部分の芯越え量
E、切屑排出溝の開き角γ等を示した説明図である。
【図7】この発明の他の実施形態に係るバニシングドリ
ルを製造するのに用いたブランクスの正面図及び側面図
である。
【図8】図7に示すブランクスを用いて製造したこの発
明の他の実施形態に係るバニシングドリルの正面図であ
る。
【図9】ドリル本体の軸方向に貫通した2つの案内穴が
設けられたこの発明の他の実施形態に係るバニシングド
リルの正面図及び部分側面図である。
【符号の説明】
10 ドリル本体 11a,11b 主切刃 12a,12b 切屑排出溝 13a,14a,13b,14b マージン 20 高硬度焼結体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前田 隆 大阪市平野区加美東2丁目1番18号 ダイ ジ▲ェ▼ット工業株式会社内 Fターム(参考) 3C037 BB08 CC08 DD03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドリル本体10の先端に半径方向に伸び
    た一対の主切刃11a,11bが設けられると共に、こ
    の一対の主切刃11a,11bによって切削された切屑
    を排出する一対の切屑排出溝12a,12bがドリル本
    体10の先端から後方に向けて設けられ、この一対の切
    屑排出溝12a,12bに対してドリル本体10の回転
    方向前方及び後方にそれぞれマージン13a,14a、
    13b,14bが形成されてなるバニシングドリルにお
    いて、ダイヤモンド及び立方晶窒化ホウ素から選択され
    る高硬度焼結体20を、上記のドリル本体10の少なく
    とも先端部においてその中心を通るようにして直径方向
    に連続して設け、この高硬度焼結体20により上記の主
    切刃11a,11b全体及び主切刃11a,11bの外
    周側で切屑排出溝12a,12bに対してドリル本体1
    0の回転方向後方側におけるマージン14a,14bを
    形成すると共に、主切刃11a,11bにおける軸方向
    のすくい角が切屑排出溝12a,12bの捩じれ角に対
    してマイナスになるようにしたことを特徴とするバニシ
    ングドリル。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載したバニシングドリルに
    おいて、上記の切屑排出溝12a,12bに対してドリ
    ル本体10の回転方向前方側におけるマージン13a,
    13bの少なくとも先端側を高硬度焼結体20で構成し
    たことを特徴とするバニシングドリル。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載したバニシングド
    リルにおいて、上記の切屑排出溝12a,12bをドリ
    ル本体10の軸方向に沿った直線状に設けると共に、上
    記の主切刃11a,11bにおける軸方向のすくい角を
    −10’〜−5°の範囲にしたことを特徴とするバニシ
    ングドリル。
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