JP2002066618A - 圧延機の板厚制御装置 - Google Patents

圧延機の板厚制御装置

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JP2002066618A
JP2002066618A JP2000254481A JP2000254481A JP2002066618A JP 2002066618 A JP2002066618 A JP 2002066618A JP 2000254481 A JP2000254481 A JP 2000254481A JP 2000254481 A JP2000254481 A JP 2000254481A JP 2002066618 A JP2002066618 A JP 2002066618A
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rolling mill
rolling
roll gap
signal
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JP2000254481A
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Hiroaki Kuwano
博明 桑野
Isao Imai
功 今井
Eisuke Mikuni
栄祐 三国
Osamu Uchida
収 内田
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IHI Corp
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
IHI Corp
Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 板厚制御の応答性を高めて、精度のよい製品
板厚を得ることができる圧延機の板厚制御装置を提供す
る。 【構成】 ロールギャップを設定する油圧圧下装置66
と、圧延荷重Pを検出するロードセル1とを備えた圧延
機の板厚制御装置において、圧延機の入側の圧延材30
の張力を調節する張力制御装置33と、圧延機の入側の
圧延材の板厚tを検出する厚み計22と、圧延機の入側
の圧延材の走行速度Vs1を検出する速度計50とを備
え、更に、ロードセルの信号に基づき油圧圧下装置で圧
延力を一定にする制御を行い、厚み計の信号から圧延機
の出側の板厚変動量を求め、かつ速度計の信号よりロー
ルギャップを変更するタイミングを演算してロールギャ
ップの変更量を油圧圧下装置へ出力するロールギャップ
変更量演算器51を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシングルスタンド圧延機
の板厚制御装置に係わり、更に詳しくは、油圧圧下方式
の圧延機において高応答の板厚制御を実現するシングル
スタンド圧延機の板厚制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の油圧圧下方式の圧延機の一例とし
て、図6に、入側及び出側(入出側)にリール20、2
7を配したシングルスタンドの冷間可逆式圧延機を示
す。この図において、圧延材30は巻戻し用リール20
から送り出され、デフレクタロール21からワークロー
ル3、4間を通り、この間で所定の圧延が行われた後、
デフレクタロール26を通って巻取り用リール27に巻
取られる。巻戻し及び巻取り用リール20、27は各々
モータ19、28で駆動されており、さらに圧延機32
の入出側で圧延材30に働く張力を一定に保つためのリ
ールモータ張力制御装置18、29が設けられている。
張力制御装置18、29は一般にモータ電流を張力に比
例させるように制御している。またラインの圧延速度
は、圧延機32のワークロール駆動用モータ23の速度
を速度制御装置24でコントロールして、所定の値に制
御している。
【0003】図6において、1は圧延荷重を検出するロ
ードセル、2は上バックアップロール、3、4は上下ワ
ークロール、5は下バックアップロール、6はワークロ
ール3、4間のロールギャップを設定する油圧シリン
ダ、7は油圧シリンダ6とサーボ弁8間の配管、9は油
圧シリンダ内に装着された油圧ラム6′の変位を検出す
る変位計である。10はサーボ弁8への開度指令(電流
信号)を送るサーボアンプ、11は加減算器12の出力
信号を増幅する制御ゲインKG を与える係数器で、圧下
ラム6′の圧下位置S′を制御するようになっている。
【0004】従来の油圧圧下方式の圧延機は、基本的な
位置制御ループとして、油圧圧下装置66を備えてい
る。この制御ループは、指令信号Rと変位計9の出力信
号Sとを比較演算し、その偏差信号eに係数器11でゲ
インKGを乗算し、この信号によりサーボアンプ10を
介してサーボ弁8の開度を制御して、配管7から油圧シ
リンダ6に供給する圧油の量を調節することにより、圧
下ラム6′の位置S′を制御する。その結果、下バック
アップロール5、下ワークロール4が移動して上下ワー
クロール3、4間の開度(ロールギャップ)を所定の値
に調節することができる。
【0005】更に、従来の油圧圧下方式の圧延機は、圧
延荷重を受けたミルの伸び分を補正するためのミル常数
制御装置54を備えている。すなわち、圧下ラム6′の
位置S′を上述した油圧圧下装置66により位置制御す
るだけでは上下ワークロール3、4間のロールギャップ
に圧延荷重を受けたミルの伸び分だけの誤差が発生す
る。そのため、通常は圧延開始後のあるタイミングで基
準圧延荷重Prefを記憶し、ロードセル1で検出した圧
延中の圧延荷重を表わす信号Pとの差ΔPを加減算器1
7で求め、それをミル常数制御装置54の係数器16に
おいてミル常数K m(圧延機のバネ常数に当たるもの
で、予め求めておく)で除算してミルの伸びを求め、そ
れに何割り補正するかを決める補正ゲインcを乗算し
て、圧下ラム6′の位置S′を修正する修正信号CP
求め、これを先の基本位置制御ループの指令として加算
器13に与え、圧下ラム6′の位置S′を補正してい
る。
【0006】更に、従来の油圧圧下方式の圧延機は、圧
延後の実際の板厚をモニターして板厚を制御するモニタ
AGC(Automatic Gauge Contro
l)装置を備えている。このモニタAGC装置は、圧延
機32出側の圧延材30の絶対板厚を目標値hrefと一
致させるために、圧延機32の出側に設けた厚み計25
(逆方向走行時は厚み計22を使用する)によって検出
された信号hと目標値hrefとを加減算器31で比較演
算して偏差Δhを求め、それを積分制御器15を通した
後、係数器14において実際の圧下位置に直す補正ゲイ
ン1+(M/K e)を乗算して圧下ラム6′の位置S′
を修正する修正信号Ch を求め、これを前述の基本位置
制御ループ(油圧圧下装置66)の指令として加算器1
3に与え、圧下ラム6′の位置S′を補正する。ここ
で、Mは圧延材30の堅さを表す定数で予め求めてお
く。また、Ke は制御されたミル常数でKe=Km
(1−c)の関係がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の油圧圧
下方式の圧延機(図6)において圧延材30の板厚を制
御するために、圧下ラム6′の位置S′を変えロールギ
ャップを変更すると、圧延材30に作用している入出側
の張力が変化する。例えば、板厚を薄くするためにワー
クロール3、4間のロールギャップを狭くすると、圧延
材30が伸び、入出側の張力が減少する。しかし、入出
側の巻戻し、巻取りリール20、27のモータ19、2
8を制御するリールモータ張力制御装置18、29の応
答は、一般に油圧圧下よりも1桁以上遅いため、ロール
ギャップが変更され、張力が変わっても、油圧圧下並の
速さで張力を設定値に戻せない。このため、入出側の張
力が減少し、その結果、見掛け上圧延材30の変形抵抗
が大きくなったかのような効果が生じ、ロールギャップ
は拡大する方向に向かう(板厚が薄くならない)。すな
わち、高速の油圧圧下で板厚を薄くしようとしても、入
出側のモータ19、28のリールモータ張力制御装置1
8、29の応答速度以上の速さでは板厚を薄くできない
問題点があった。このため、特に2〜3Hz以上の速い
入側板厚外乱に対しては、先のミル常数制御でミルを硬
くして除去しようとしても板厚制御が応答しないので除
去できない問題点があった。油圧圧下を使って、どんな
に速く圧下ラム6′の位置S′を制御しても、板厚制御
の精度が思った以上に良くならないということを圧延現
場でしばしば耳にするが、それは上述の理由によること
がわかった。
【0008】図7は本発明者による計算機シュミレーシ
ョンの例であり、上述した問題点を明らかにするもので
ある。シュミレーションを行った対象は図4に示したシ
ングルスタンドの冷間可逆式圧延機で、入側設定張力
1.36トン、出側設定張力2.35トン、入側板厚
0.52mm、板厚1800mmの材料を圧延速度18
00m/分で目標板厚0.3mmにするという条件下
で、途中ロールギャップをステップ状に10μm減少さ
せた例である。油圧圧下の応答は周波数応答で90度位
相遅れ20Hz を想定しており、ステップ応答では
0.04秒以下で目標値に到達するという高速なもので
ある。シュミレーション結果を見ると、ロールギャップ
を10μm変えると、出側板厚変化Δhはほぼ1秒後に
定常値に到達している。実際の油圧圧下は0.04秒で
目標値に到達するのに、板厚が時間的に25倍も遅くし
か変化しないのは、前述のように、入出側のリールモー
タ張力制御装置18、29の応答が遅いからである。す
なわち、一般にリール20、27の張力はモータ電流を
一定にすることにより制御されるが、モータ19、28
を含むリール20、27の慣性はかなり大きく、従って
電流コントロールによって、リール20、27の周速が
テンション変動を抑え、次の定常値に達するまでに1秒
程度かかるからである。
【0009】上記問題点に対して本発明者の1人は、特
開平3−155406号公報「圧延機の板厚制御装置」
において、圧延機の入側、もしくは入出側の両方に、圧
延材料に印加されている張力を調節する張力制御装置を
備えた図8に示すような圧延機の板厚制御装置を提案し
た。尚、図8では図6と同一の符号を付した部分は同一
物を示している。図8の装置によればロールギャップを
操作した結果発生する張力の変動を速やかに抑制するこ
とができるので、ロールギャップを動かした結果が板厚
に即座に反映されるようになり、従来のミル常数制御も
十分に機能するようになる。図8における張力制御装置
33、34としては具体的には図9に示すようなものが
一例として考えられる。即ち、図9において、35は圧
延材30を押さえる押えロールで、アーム36に回転自
在に支持されている。37は押えロール35の軸受けに
取り付けられた荷重検出器(ロードセル)で、圧延材3
0からの反力を検出する。アーム36はレバー38と結
合されており、回転主軸39を中心に回転し、その結果
押えロール35を上下させる。レバー38は液圧シリン
ダ40に装着されたピストンロッド41と結合されてお
り、サーボ弁42で液圧シリンダ40への流量を調節す
ることにより、回転主軸39を中心に回動する。その結
果一体となったアーム36が回動し、押えロール35を
上下させる。サーボ弁42の開度調整は、荷重検出器3
7で検出した圧延材30の反力から圧延材30の張力T
を張力演算器46で演算して求め、それを加減算器45
で張力設定値Tre fと比較演算して偏差ΔTを求め、こ
の偏差ΔTに係数器44により係数KT を乗算し、サー
ボアンプ43を介してサーボ弁42を制御することによ
り、偏差ΔTを零とするように制御する。
【0010】図9に示した張力制御装置33、34によ
れば、ロールギャップが変わった場合、その結果生じる
張力変化を押えロール35の軸受け部の荷重検出器37
で検出し、これを目標値Trefと一致するように高速の
サーボ弁42で液圧シリンダ40への流体の流入、流出
量を調整し、その結果押えロール35が上下し、圧延材
30の張力が即座に変わる。このため、油圧圧下でロー
ルギャップを変えた結果が即座に出側板厚に反映され、
従来のモータ電流による張力制御装置を使用した場合に
比べて、高応答の板厚制御を実施することができる。
尚、図8の装置においては、リールモータ張力制御装置
18、29は遅い張力変動を抑制し、張力制御装置3
3、34は速い張力変動を吸収するように作用し、全体
として上述した板厚制御の遅れが解決され、高応答の板
厚制御を実施することができる。
【0011】しかし、かかる張力制御装置を備えた圧延
機においても、ミル常数制御で入側板厚外乱を除去する
ためにミルを硬くすると、ミル機械本体のロール偏心な
どの外乱が板厚へ影響を及ぼしやすくなり、板厚精度を
悪化させるという問題点があった。これに対して従来か
ら、ロール偏心を圧延荷重信号などから抽出して、これ
をもとにロールギャップを偏心の動きと逆向きに動かし
て補正する、いわゆるロール偏心除去制御装置が実用化
されていた。しかし、この方法も圧延速度が速くなる
と、ロール偏心の変動周期が速くなり、油圧圧下の応答
が間に合わなくなるので偏心の影響を十分に除去できな
いという問題点があった。
【0012】図10〜図13は、本発明者がかかる問題
点を検討するために行った計算機シュミレーション結果
である。シュミレーションを行った対象は、図6、図8
に示したシングルスタンドの冷間式圧延機で、入側設定
張力1.42トン、出側設定張力3.04トン、入側板
厚0.28mm、板幅1800mmの材料を圧延速度1
800m/分で目標板厚0.2mmにするという条件下
で、入側板厚外乱として振幅±4μm、変動周波数5H
z、ロール偏心として振幅±3μm、変動周波数6.5
3Hzを想定して計算した例である。図10、図11は
入側板厚変動の影響のみを検討したものであり、図10
は、張力制御装置のない図6に示した従来の圧延機にお
いて、ミル常数をミル常数制御で10倍に硬くした例で
ある。図10から明らかなように、入側板厚変動8μm
P-P に対して出側板厚変動は5.4μmP-P と大きい
変動幅となっている。図11は、圧延機32入側に張力
制御装置33を備えた図6に示す装置の場合であり、図
11から分かるように、3.4μmP-P まで板厚変動
が減少している。これは、張力制御装置33で入側張力
変動を抑制できるので、ミル常数制御によりミルを硬く
して十分に入側板厚変動を減らすことができるからであ
る。
【0013】一方、図12、図13はロール偏心の影響
のみを検討した場合であり、図12は張力制御装置のな
い図6に示した従来の圧延機32でやはりミル常数をミ
ル常数制御で10倍に硬くした例で、ロール偏心6μm
P-P は、ほとんど出側板厚変動を引き起こしていな
い。すなわち、入側張力変動から分かるように、張力が
0.88トンP-P も変動し、その結果、ロール偏心が板
厚にほとんど影響を及ぼさないのである。それに対し
て、圧延機32入側に張力制御装置33を入れると、図
11に示すように入側張力変動が0.2トンP-P と大
幅に減少するのに伴い、出側板厚変動は3.2μmP-P
にまで増加している。即ち、入側張力変動が抑制され
たので、ロール偏心に起因するロールギャップの変化が
圧延材の板厚に影響を及ぼすようになったのである。
【0014】従って、上述した張力制御装置を備えた圧
延機においても、例えば入側板厚外乱等とロール偏心等
の両方がある場合には、応答性の高い高精度の板厚制御
が困難であるという問題点があった。従って、圧延機3
2の入側、もしくは入出側の両方に圧延材30に印加さ
れている張力を調節する張力制御装置33、34を設け
た場合、入側板厚外乱等の材料自体に起因する原因、並
びにロール偏心等の機械に起因する原因の両方を考慮し
た対策を考えることが重要であることがわかった。本発
明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、入側板厚
外乱等とロール偏心等の両方に対する板厚制御の応答性
を高めて、精度のよい製品板厚を得ることができる圧延
機の板厚制御装置を提供しようとするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、上下ワークロ
ール間のロールギャップを設定する油圧圧下装置と、圧
延荷重を検出するロードセルとを備えた圧延機の板厚制
御装置において、前記圧延機の入側の圧延材の張力を調
節する張力制御装置と、圧延機の入側の圧延材の板厚を
検出する厚み計と、圧延機の入側の圧延材の走行速度を
検出する速度計とを備え、更に、速度計の信号よりロー
ルギャップを変更するタイミングを演算してロールギャ
ップの変更量を前記油圧圧下装置へ出力するロールギャ
ップ変更量演算器を備え、該ロールギャップの変更量に
圧延機のミル常数と補正量をかけて圧延荷重相当信号に
変更し、その信号と前記ロードセルより測定した圧延荷
重を比較演算し、その差を零とする圧延荷重一定制御を
行う、ことを特徴とするものである。
【0016】
【作用】上記本発明の構成によれば、シングルスタンド
圧延機の入側に張力制御装置を設けたので、ロールギャ
ップの変動による張力の変動を速やかに抑制することが
できる。また、圧延機入側の厚み計により入側板厚変動
が、速度計により圧延材の送り速度がそれぞれ測定さ
れ、前記厚み計及び速度計からの信号を基にロールギャ
ップ変更量と、入側板厚変動が圧延機の上下ワークロー
ル間を通過するタイミングとが演算され、ロールギャッ
プ変更量信号CF が油圧圧下装置、もしくは張力制御装
置へ出力され、圧延機の上下ワークロール間のロールギ
ャップが調整されて入側板厚変動が除去されると共に、
ロードセルの信号を基に、ロール偏心などの圧延機自体
に起因する外乱成分の出側板厚への影響を除去するため
に圧延機は圧延荷重一定制御(ミル常数=0)で運転さ
れる。これにより、油圧圧下の高速制御性を最大限に生
かして、板厚制御の応答性が高められ、精度の良い製品
板厚が得られる。
【0017】
【実施例】以下、本発明によるシングルスタンド圧延機
の板厚制御装置を図面を参照して説明する。図1は本発
明によるシングルスタンド圧延機の板厚制御装置の一実
施例であり、図中図6と同一の符号を付した部分は同一
物を示している。図1に示す如く、本発明による装置
は、上下ワークロール3、4間のロールギャップを設定
する油圧圧下装置66と、圧延荷重Pを検出するロード
セル1とを備えた圧延機において、圧延機32の入側の
圧延材の張力を調節する張力制御装置33と、圧延機の
入側の圧延材の板厚tを検出する厚み計22と、圧延機
の入側の圧延材の走行速度Vを検出する速度計50とを
備える。更に本発明による圧延機の板厚制御装置は、ロ
ードセル1の信号に基づき油圧圧下装置66で圧延荷重
Pを一定にする制御を行い、厚み計22の信号から圧延
機の出側の板厚変動量を求め、かつ速度計50の信号よ
りロールギャップを変更するタイミングを演算してロー
ルギャップの変更量を油圧圧下装置66へ出力するロー
ルギャップ変更量演算器51を備える。かかる構成によ
り、入側の厚み計22の信号tより入側板厚外乱を相殺
するロールギャップ変更量を求め且つ速度計50の信号
S1よりロールギャップを変更するタイミング、即ち入
側板厚外乱が圧延機32の上下ワークロール3、4間を
通過するタイミングを演算してロールギャップ変更量信
号CFを圧延荷重一定制御のループへの指令値として加
算器13へ加えることができる。上述した制御システム
の作動を以下説明する。張力制御装置33は、圧延材3
0の張力変動を測定して、それを減少させるように図7
に示したような押えロール35を動かすため、ロールギ
ャップ変動による張力変動は速やかに抑制されると共
に、ロールギャップ変動が出側板厚に反映されるように
なる。更に、圧延機32入側に設けた厚み計22により
入側板厚変動ΔHが測定され、且つ、圧延材30の送り
速度Vが速度計50により測定され、前記厚み計22及
び速度計50からの信号t、VS1を基にロールギャップ
変更量演算器51において、ロールギャップ変更量と、
入側板厚変動ΔHが圧延機32の上下ワークロール3、
4間を通過するタイミングとが演算され、ロールギャッ
プ変更量信号C F が圧延荷重一定制御ループの加算器1
3へ出力され、圧延機32の上下ワークロール3、4間
のロールギャップが調整されて入側板厚変動ΔHが除去
される。すなわち、図1から、e=(CF+Ch)×α・
m-Pとあらわすことができる。この式の意味は、位置
S'を修正する信号Chとロールギャップ変更量CFの和
に圧延機のミル常数Kmをかけて、荷重相当信号に直
し、それとロードセル1で測定した圧延荷重Pとを比較
し、その差eに制御ゲインKG'をかけてサーボアンプ1
0へ送ることによって、ザーボ弁を駆動して圧下ラム
6'の位置S'を修正し、圧延荷重Pが指令値(CF
h)×α・Kmと等しくなる圧延荷重一定制御を実施す
る。ここでαは、事前に測定した圧延機のミル常数Km
の測定誤差を補正する係数である。なお、従来の実施例
図8の11のKGに対して図1及び後述する図2の11
をKG'と区別しているのは、本発明が圧延荷重一定制御
を主体とする制御であるのに対し、図8は圧下ラムの位
置一定制御であるからである。
【0018】図2は本発明の他の実施例で、本発明によ
れば、シングルスタンド圧延機の出側に圧延材の走行速
度vを検出する速度計50bを備え、入側板厚変動ΔH
に起因する圧延機の出側の板厚変動量Δhは厚み計22
の信号tと圧延機の入出側の速度計の信号とVS1、VS2
から求めことができる。かかる構成により、厚み計22
の信号tと圧延機の入出側の速度計の信号とV S1、VS2
から入側板厚外乱を相殺するロールギャップ変更量を求
め、且つ速度計50の信号VS1よりロールギャップを変
更するタイミング、即ち入側板厚外乱が圧延機32の上
下ワークロール3、4間を通過するタイミングを演算し
てロールギャップ変更量信号CFを圧延荷重一定制御の
ループへの指令値として加算器13へ加えることができ
る。すなわち、ロールギャップ前後の体積流量が一定で
あることから、Δh=(VS1/VS2)×ΔHの関係があ
り、この関係から板厚変動量Δhを求めることができ
る。こうすることにより、図1の実施例の場合よりも、
より正確に入側板厚変動ΔHによって引き起こされる出
側板厚変動Δhを求めることができるので、さらに制御
精度を向上させることができる。本制御システムの作動
は、図1で述べた場合と同様であり、異なるところは入
側板厚変動ΔHより直接ロールギャップ変更量CFを求
めるのではなく、入出側の速度VS1、VS 2より、入側板
厚変動ΔHによって引き起こされるロールギャップ直後
の出側板厚変動Δhを求め、それからロールギャップ変
更量CFを演算する点である。
【0019】ここで、先に図12、図13で示したよう
に、ロール偏心の影響を除去するために、図1、図2に
示す実施例では油圧圧下装置に圧延荷重を一定にする制
御を実施しているので、圧延機のバネ常数であるミル常
数は零となり、ロール偏心による出側板厚変動の圧下は
抑制される。反面、圧延荷重を一定にする制御を実施す
ると、入側板厚外乱の出側板厚変動へ与える影響が大き
くなる。図1に示す本発明の実施例では、圧延機32入
側に設けた厚み計22で入側板厚変動を測定し、且つ圧
延材30の速度を速度計50で測定し、ロールギャップ
変更量演算器51で入側板厚変動が圧延機32の上下ワ
ークロール3、4間を通過するタイミングを求め、それ
に合わせてロールギャップを時々刻々変更させているの
で、入側板厚外乱ΔHが除去され、その結果、出側板厚
変動も小さくすることができる。
【0020】図3、図4は本発明の別の実施例で、ロー
ルギャップ変更信号を張力制御装置33へ出力する例で
ある。問題としている入側板厚外乱の変動周波数では、
入側のリールモータによる張力制御の応答が間に合わな
いので、直接張力制御装置33を操作して張力変動によ
り板厚を変えることができる。圧下制御装置60と張力
制御装置66は問題となる外乱(入側板厚外乱等とロー
ル偏心等)に対応してモード選択制御装置65により切
り換えて使用することができる。なお、図3、図4にお
いて、61は油圧シリンダ、62はサーボ弁、63はロ
ードセル、64は変位計である。図3は、図1の構成に
対応し、入側板厚外乱ΔHから直接張力変更量T
ref(図9参照)を求める場合で、図4は図2と同様
に、入出側の圧延材の速度VS1、VS2から一度出側板厚
変動Δhを求め、それから張力変更量Tre fを求める例
である。図5は本発明の実施例の効果を示すため行った
計算機シミュレーションの結果であり、外乱として入側
板厚変動及びロール偏心が同時に加わった場合の例であ
る。条件は上述した図8から図11の場合と同じであ
る。この図から明らかなように、本発明の張力制御装置
33を起動した上で、圧延機を圧延荷重を一定とする制
御を行い、かつ図1で説明した入側板厚変動ΔHを抑制
する制御を実施しているので、±1.3μm程度まで出
側板厚変動が減少しており、入側板厚変動及びロール偏
心に対する本発明の優れた効果が示されている。
【0021】尚、上記実施例では、本発明をシングルス
タンドの冷間可逆式圧延機に適用した場合についてのみ
述べたが、一方向に圧延する非可逆式の圧延機等、前記
従来技術で述べた問題が生ずる全ての圧延機に本発明を
適用できること、又、張力検出は、押えロール、デフレ
クタロール以外に圧延材の走行経路中に配されたロール
その他の部材にかかる圧延材からの反力により検出する
ことができること等、その他本発明の要旨を逸脱しない
範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の圧延機の
板厚制御装置によれば、圧延機の入側に張力制御装置を
設けたので、板厚を制御するために圧延機の圧下位置を
変更した結果生ずる圧延機入側の張力変動を速やかに抑
制することができ、更に、入側板厚外乱を圧延機入側の
厚み計で測定して除去すると共にロール偏心等の影響を
圧延機を圧延荷重一定制御にして抑制するので、板厚制
御の応答を速めて、精度の良い製品板厚を得ることがで
きるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のシステム構成を示すブロック
図である。
【図2】本発明の別の実施例のシステム構成を示すブロ
ック図である。
【図3】本発明の更に別の実施例のシステム構成を示す
ブロック図である。
【図4】本発明の更に別の実施例のシステム構成を示す
ブロック図である。
【図5】図1の実施例における計算機シミュレーション
の例である。
【図6】従来例のシステム構成を示すブロック図であ
る。
【図7】図6の装置における計算機シミュレーション結
果を示す線図である。
【図8】現在提案されている張力制御装置を備えた圧延
機のシステム構成を示すブロック図である。
【図9】図8の装置の張力制御装置の具体例を示すブロ
ック図である。
【図10】図6の装置における入側板厚変動に対する出
側板厚変動並びに入側張力変動の計算機シミュレーショ
ン結果を示す線図である。
【図11】図8の装置における入側板厚変動に対する出
側板厚変動並びに入側張力変動の計算機シミュレーショ
ン結果を示す線図である。
【図12】図6の装置におけるロール偏心に対する出側
板厚変動並びに入側張力変動の計算機シミュレーション
結果を示す線図である。
【図13】図8の装置におけるロール偏心に対する出側
板厚変動並びに入側張力変動の計算機シミュレーション
結果を示す線図である。
【符号の説明】
1 ロードセル 2 上バックアップロール 3 上ワークロール 4 下ワークロール 5 下バックアップロール 6 油圧シリンダ 7 配管 8、42 サーボ弁 9 変位計 10、43 サーボアンプ 11、44 係数器 12、17、31、45 加減算器 13 加算器 14 係数器 15 積分制御器 18、29 リールモータ張力制御装置 19、28 モータ 20 巻戻し用リール 21、26 デフレクタロール 22、25 厚み計 23 ワークロール駆動用モータ 24 速度制御装置 27 巻取り用リール 30 圧延材 32 圧延機 33、34 張力制御装置 35 押えロール 36 アーム 37 荷重検出器 38 レバー 39 回転主軸 40 液圧シリンダ 41 ピストンロッド 46 張力演算器 50、50b 速度計 51 ロールギャップ変更量演算器 52 ミル常数演算器 53 補正ゲイン設定器 54 ミル常数制御装置 60 圧下制御装置 61 油圧シリンダ 62 サーボ弁 63 ロードセル 64 変位計 65 モード選択制御装置 66 油圧圧下装置 67 張力制御演算装置 Pref 基準圧延荷重 P 信号(圧延荷重) R 指令信号 t 信号(入側板厚) Vs 信号(送り速度) CF ロールギャップ変更量信号 h 信号(出側板厚) KB ミル常数信号 c 補正ゲイン信号 e 偏差信号 S' 位置 Ch 位置S'を修正する信号 Km ミル常数 KG' 制御ゲイン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今井 功 神奈川県横浜市磯子区新中原町1番地 石 川島播磨重工業株式会社横浜エンジニアリ ングセンター内 (72)発明者 三国 栄祐 栃木県真岡市鬼怒ケ丘15番地 株式会社神 戸製鋼所真岡製造所内 (72)発明者 内田 収 栃木県真岡市鬼怒ケ丘15番地 株式会社神 戸製鋼所真岡製造所内 Fターム(参考) 4E024 AA07 BB03 BB06 CC10 FF01 FF03 GG01 GG03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下ワークロール間のロールギャップを
    設定する油圧圧下装置と、圧延荷重を検出するロードセ
    ルとを備えた圧延機の板厚制御装置において、 前記圧延機の入側の圧延材の張力を調節する張力制御装
    置と、圧延機の入側の圧延材の板厚を検出する厚み計
    と、圧延機の入側の圧延材の走行速度を検出する速度計
    とを備え、 更に、速度計の信号よりロールギャップを変更するタイ
    ミングを演算してロールギャップの変更量を前記油圧圧
    下装置へ出力するロールギャップ変更量演算器を備え、
    該ロールギャップの変更量に圧延機のミル常数と補正量
    をかけて圧延荷重相当信号に変更し、その信号と前記ロ
    ードセルより測定した圧延荷重を比較演算し、その差を
    零とする圧延荷重一定制御を行う、ことを特徴とするシ
    ングルスタンド圧延機の板厚制御装置。
  2. 【請求項2】 更に、圧延機の出側に圧延材の走行速度
    を検出する速度計を備え、前記圧延機の出側の板厚変動
    量は前記厚み計の信号と圧延機の入出側の速度計の信号
    とから求められる、ことを特徴とする請求項1に記載の
    シングルスタンド圧延機の板厚制御装置。
  3. 【請求項3】 前記張力制御装置は、荷重検出器と油圧
    シリンダとブライドル・ロールとからなり、サーボ弁で
    制御される、ことを特徴とする請求項1に記載のシング
    ルスタンド圧延機の板厚制御装置。
  4. 【請求項4】 ロールギャップ変更量を張力制御装置に
    出力することを特徴とする請求項1および2に記載のシ
    ングルスタンド圧延機の板厚制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006198661A (ja) * 2005-01-21 2006-08-03 Nippon Steel Corp 冷間タンデム圧延機および冷間タンデム圧延方法

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