JP2002063898A - アルカリ二次電池用正極活物質 - Google Patents

アルカリ二次電池用正極活物質

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JP2002063898A
JP2002063898A JP2001129346A JP2001129346A JP2002063898A JP 2002063898 A JP2002063898 A JP 2002063898A JP 2001129346 A JP2001129346 A JP 2001129346A JP 2001129346 A JP2001129346 A JP 2001129346A JP 2002063898 A JP2002063898 A JP 2002063898A
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nickel hydroxide
cobalt
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JP2001129346A
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Naomi Bando
直美 坂東
Kunihiko Miyamoto
邦彦 宮本
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Toshiba Battery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コバルト化合物で被覆された水酸化ニッケル
粉末よりなる活物質において、アルカリ二次電池に使用
した際の過放電後の容量低下を防止する。 【解決手段】 コバルト化合物で被覆された水酸化ニッ
ケル粉末における粒径2μm以下の粒子が全体に占める
割合を2%未満とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアルカリ二次電池用
正極活物質に関し、さらに詳しくは、正極に使用した際
に高容量および良好な過放電特性を有する電池を提供し
うる正極活物質に関する。
【0002】
【従来の技術】アルカリ二次電池の正極は、一般に焼結
式のものとペースト式のものとに大別されるが、高容量
化などの観点から水酸化ニッケルの粒状体を活物質とし
て含有するペースト式のものが多用されている。しか
し、このペースト式のものは、基材となる集電体の孔径
が大きいので、集電体の孔に充填されている活物質と集
電体の骨格との距離は大きくなり、正極それ自体として
の導電性が悪化して活物質の利用率低下が起こりやす
い。粒子状活物質と集電体との間の電気的接続が十分に
なされていることが利用率向上に必須であるが、このこ
とを実現するために、ペースト式の正極の場合は、ペー
スト中に導電助剤としてコバルト金属またはコバルト化
合物を添加することが一般的である。しかしながら、こ
のような活物質では過放電時にコバルトの還元が進行
し、容量低下を起こすという問題がある。
【0003】このような問題を解決するために、水酸化
ニッケル粉末粒子表面に水酸化コバルトを生成させ、こ
のような粒子をアルカリで加熱処理を行うことにより導
電性の高い高次コバルト酸化物を主体とする導電性マト
リックスを水酸化ニッケル表面に形成することが行われ
ている。例えば、特開平9−73900号公報には、表
面に水酸化コバルトが析出した水酸化ニッケルの粒状物
に熱風を流通しつつ、この粒状物にアルカリ水溶液を噴
霧し、この粒状物に付着したアルカリ水溶液と加熱空気
との作用によって粒子表面の水酸化コバルトを高次化す
る手法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た先行技術の場合、コバルト化合物を配した水酸化ニッ
ケル粒子とアルカリ水溶液との流動混合を加熱空気で行
っているので、アルカリ水溶液の濃度を35%以上に高
めたり、単位時間のアルカリ水溶液の噴霧量を増加して
酸化反応時間を一定に保つための処置を施すと、水酸化
ニッケル粒子の流動が起こらなくなって、その結果、ア
ルカリ水溶液との流動混合が進行しなくなる。
【0005】さらに、空気を伝熱媒体にしているため、
反応系における熱分布のばらつきが大きくなり、その結
果、コバルト化合物の酸化反応は不均一に進行すること
になる。また、熱伝導効率を高めるために加熱空気の流
通量を多くすると、アルカリ水溶液の蒸発が助長される
という問題を生じる。したがって、良好な導電マトリッ
クスを形成させるための条件設定は非常に困難である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく、コバルトの高次酸化物で被覆された水
酸化ニッケル活物質粉末の物性、とくに粒径に焦点を絞
り種々検討を重ねた結果、高容量、ならびに、過放電後
の容量低下の防止に著しく効果のある最適範囲を見出し
て本発明を解決するに到った。
【0007】すなわち、本発明のアルカリ二次電池用正
極活物質は、アルカリ含有コバルト化合物により被覆さ
れた水酸化ニッケル粉末であって、前記粉末における粒
径2μm以下の粒子の全体に占める割合が2%未満であ
ることを特徴とする。そして、前記粉末は、累積粒径1
0%(D10%)が4.5μm以上になっている粉末で
あるとさらに好適である。
【0008】また、前記活物質粉末の、粉末X線回折法
により測定したときの(101)面のピーク半価幅が
0.8°/2θ(Cu−Kα)以上であり、その粉末粒
子の比抵抗が300Ω・cm以下であることが好まし
い。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明のアルカリ二次電池
正極用活物質について説明する。本発明のアルカリ二次
電池用正極活物質は、アルカリ含有水酸化コバルトによ
り被覆された水酸化ニッケル粉末である。具体的には、
単一の水酸化ニッケル粒子、または亜鉛および/または
コバルトが金属ニッケルとともに共沈された水酸化ニッ
ケル粒子にアルカリ含有コバルト化合物が被覆されたも
のである。
【0010】なかでも、亜鉛または/およびコバルトが
共晶していて、しかもコバルトの共晶量が2質量%以下
である水酸化ニッケル粉末が好適である。その理由は以
下のとおりである。一般に、水酸化ニッケルに他の元素
を共晶させると、その結晶歪みは大きくなり、いわゆる
プロトンディフュージョンが起こりやすくなる。しか
し、亜鉛を共晶させると通常その歪みが少なくなって結
晶性が高まり、活物質の利用率は低下傾向を示す。つま
り、上記の好適な水酸化ニッケル粒子の場合、コバルト
の共晶によって結晶の歪みが確保され、亜鉛の共晶に起
因する利用率の低下傾向が相殺されることによりプロト
ンディフュージョンが起こりやすくなっている。さら
に、亜鉛が共晶されていることにより充放電に伴うニッ
ケル正極の膨潤が抑制され、結果として利用率の向上と
充放電サイクル特性の向上の両者を両立させることが可
能となる。水酸化ニッケルにおけるコバルトの共晶量が
2質量%を超えると、この水酸化ニッケルをコバルト化
合物とともにアルカリ共存下で熱処理する際に、共晶さ
れているコバルトが水酸化ニッケルの結晶性を高め、結
果として利用率の低下を招く場合がある。
【0011】本発明においては、上記の水酸化ニッケル
粉末のうち粒径が2μm以下の粒子の全体に占める割合
が2%未満になっていることを必須とする。この粒径2
μm以下の粒子の全体に占める割合が2%以上の場合に
は、過放電後の容量低下が発生するからである。この理
由については明らかではないが、おそらく2μm以下の
小さい粒子は活物質として集電体に充填されても、十分
に導電性が取れずに有効利用されていないことに起因す
るものと考えられる。この粒径2μm以下の粒子の全体
に占める割合は、1%未満であることがさらに好まし
い。
【0012】さらに、この効果を高めるためには、本発
明の水酸化ニッケル粉末は次に説明するD10%値が
4.5μm以上になっていることが好ましい。すなわ
ち、粉末を構成する各粒子の粒径を小から大へと分級
し、その粒径分布を測定し、その結果が図1で示したヒ
ストグラムを示したとすると、0μmからの累積が全体
の粒子数の10%に相当するところの粒径(図1の矢印
で示した部分)がD10%である。そして、本発明にお
いては、このD10%が4.5μm以上の値を示すよう
な粉末を用いることを好適とするものである。
【0013】このD10%を測定する方法としては、一
般に、レーザ粒度分布測定などの方法をあげることがで
きる。さらに、水酸化ニッケルの利用率は結晶内のプロ
トンディフュージョンで律速されるが、このプロトンデ
ィフュージョンの促進は、水酸化ニッケルの結晶を歪ま
せることにより実現できる。例えば、粉末X線結晶回折
法で測定したときに(101)面のピーク半価幅が広が
るような結晶の歪み状態にある水酸化ニッケル粉末はプ
ロトンディフュージョンが大きくなるので好ましい。具
体的には、(101)面のピーク半価幅が、0.8°/
2θ(Cu−Kα)以上であるような結晶歪みのときに
利用率が向上する。
【0014】さらに、この粉末粒子の比抵抗を300Ω
・cm以下にすると、活物質の利用率および後述する短
絡後の容量回復率を向上させる上で有効である。つい
で、この正極活物質粉末は、たとえば次のような方法に
より製造することができる。まず、出発物質として、水
酸化ニッケルを主成分とする粉末と、金属コバルト、水
酸化コバルト、水酸化コバルト、四酸化三コバルト、一
酸化コバルトもしくはこれらの2種以上の混合物のよう
なコバルト化合物の粉末とからなる混合粉末を用意す
る。
【0015】この場合、上記の粉末における金属コバル
トまたはコバルト化合物の含有量が粉末全体の0.5〜
20質量%の範囲に設定することが好ましい。0.5質
量%より少ない場合は、得られた活物質粉末を担持する
正極を電池に組み込んだ際の導電マトリックスの形成が
不十分となり、活物質の利用率を向上させることが困難
となり、コバルト化合物の含有量が20質量%を超える
と、活物質中の水酸化ニッケル粒子の相対的な割合が減
少して、電池の放電容量を低下させるからである。
【0016】ついで、上記により得られた粉末を撹拌容
器内に投入して混合・撹拌系を構成し、投入した粉末を
撹拌しながら、ここにアルカリ水溶液を噴霧もしくは滴
下して両者を均一に混合する。そして、同時にこの混合
・撹拌系を酸素共存下で加熱する。アルカリ水溶液とし
ては、水酸化ナトリウム水溶液、または、水酸化ナトリ
ウム溶液に水酸化カリウム水溶液もしくは水酸化リチウ
ム水溶液を混合したものを用いることができる。
【0017】この粉末とアルカリ水溶液との混合、撹拌
過程で、粉末に含有されているコバルト化合物の一部が
アルカリ水溶液に錯イオンとなって溶解し、それが粉末
の表面を被覆する状態で粉末間に分布して、前述の導電
性マトリックスの前駆体を形成する。なお、その反応機
構は明確ではないが、この過程で用いたアルカリ水溶液
中のアルカリイオンが、生成する導電性マトリックスの
前駆体に取り囲まれた状態で粉末表面に分布しているも
のと推察される。
【0018】用いるアルカリ水溶液の濃度は、1〜14
mol/Lの範囲に設定することが好ましい。1mol/Lよ
り低濃度である場合には、粉末に含有されている金属コ
バルトやコバルト化合物に対する溶解能が低くなり、前
述の導電マトリックスの形成が十分に進まず、結果とし
て活物質の利用率を高められない場合がある。一方、1
4mol/Lよりも高濃度にすると、アルカリ水溶液の粘
度が過度に高くなって、粉末の内部にまで浸透せず、金
属コバルトやコバルト化合物を十分に溶解できなくなる
からである。
【0019】ついで、この混合・撹拌系を酸素存在下で
加熱することにより、粉末の表面を被覆してアルカリを
含有した状態にあるコバルトの高次酸化物からなる導電
層を有する複合水酸化ニッケル粉末が形成される。この
ときの加熱手段はとくに限定されるものではなく、例え
ば、混合・撹拌系に対する外部加熱、混合・撹拌系に直
接熱風を吹き当てる方法、さらには、マグネトロンから
混合・加熱系にマイクロウェーブを照射する方法などを
あげることができる。なかでも、マイクロウェーブ照射
による方法は活物質の利用率の向上という点で有利であ
る。
【0020】つまり、マイクロウェーブは、混合・撹拌
系において、前記粉末を取り込んで共存している水分子
を振動させ、もってこの粉末を均一に加熱することがで
きる。そのため、粉末の表面に形成されている導電性マ
トリックス前駆体も均一に加熱された状態で酸化される
ことになり、結果として、粉末の表面には導電層である
コバルトの導電性マトリックスが均一に形成されること
になる。また、このマイクロウェーブ照射は、投入され
たそのエネルギーにより水酸化ニッケル粉末の結晶構造
に欠陥を生じさせたり、あるいは、細孔の状態を変化さ
せたりして、処理後の水酸化ニッケル粉末の表面活性を
大きくするような働きをするものと考えられている。
【0021】このときの熱処理温度は35〜160℃の
範囲であることが好ましい。35℃より低い温度の場合
には、粉末に含有されている金属コバルトやコバルト化
合物のアルカリ水溶液への溶解量が少なくなって前記導
電性マトリックス前駆体の形成が不十分となるため、活
物質の利用率を向上させることは困難となる可能性があ
る。一方で、160℃よりも高い温度にすると、水酸化
ニッケル粉末それ自体に構造変化が起こり、活物質とし
ての性能が劣化する可能性がある。これらのことを勘案
すると、マイクロウェーブによる熱処理時間は、通常、
5〜30分間行えばよい。
【0022】本発明の要旨をなす活物質粉末の粒径の調
整は、前述したアルカリ水溶液の量、およびこのマイク
ロウェーブの照射時間を変化させることにより実施する
ことができるが、それに限定されるものではなく、たと
えば、反応場の雰囲気温度、投入時の温度など、他のパ
ラメータを変化させることによっても調整することが可
能である。
【0023】このようにして得られた活物質粉末は、水
酸化ニッケルを主成分とする粉末の表面がナトリウムを
含有するコバルトの高次酸化物からなる導電層で被覆さ
れている。その場合、上記の導電性マトリックスに含有
されるアルカリは、この導電性マトリックスの導電性の
向上に寄与する成分として機能する。さらに、このアル
カリの含有量は、調製された活物質粉末の重量に対して
0.05〜5質量%の範囲に設定することが好ましい。
0.05質量%より少ない場合は形成された導電層の導
電性の向上が十分とならないため、活物質粉末の利用率
は低くなり、一方、5質量%を超えると、導電層の導電
性の向上効果が飽和に達するのみならず、水と混練して
正極合剤ペーストを調整することが困難となる可能性が
ある。さらに、好適なアルカリ含有量は、0.2〜1質
量%である。
【0024】こうして得られた正極活物質粉末を用い
て、アルカリ二次電池を作製する。以下に、その構成要
素である正極、負極、セパレータおよび電解液について
述べる。 1)正極 上記により調製されたアルカリ含有コバルト化合物で被
覆された水酸化ニッケルよりなる正極活物質粉末に、結
着剤と、水とを添加、混練してペーストを調製し、この
ペーストを集電体に充填して、乾燥、加圧成形すること
により正極を製造することができる。
【0025】使用する結着剤としては、たとえば、ポリ
テトラフルオロエチレン、カルボキシメチルセルロー
ス、メチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、ポ
リビニルアルコールなどをあげることができる。また、
集電体としては、たとえば、ニッケル、ステンレスなど
の金属や、ニッケルめっきが施された樹脂などからなる
スポンジ状、繊維状、フェルト状の多孔質構造を有する
ものをあげることができる。
【0026】2)負極 負極は、負極活物質、導電剤、結着剤および水を混練し
てペーストを調製し、そのペーストを導電性基板に充填
し、乾燥したのち成形することにより製造される。負極
活物質としては、水素吸蔵合金粉末をあげることがで
き、とくに限定されるものではなく、アルカリ電解液中
で電気化学的に発生した水素を吸蔵できるものであれば
よい。たとえば、LaNi5、MmNi5、LmNi5
たはNiの一部をAl,Mn,Co,Ti,Cu,Z
n,Zr,Cr,Bなどで置換した他元素系のもの;T
iNi系、TiFe系、MgNi系またはそれらの混合
系;をあげることができる。
【0027】なかでも、式:LmNixAlyAz(式
中、AはAl,Coから選ばれる少なくとも1種であ
り、x,y,zは、4.8<x,y,z<5.4を満足
する原子比を表す)で示される水素吸蔵合金は、充放電
サイクル時における微粉化が抑制され、電池のサイクル
寿命特性を向上させることができるという点で好ましい
ものである。なお、電池内に組み込んだ際に溶解成分が
正極に及ぼす影響を回避するために、あらかじめアルカ
リ処理などの表面処理を施しておくことが好ましい。
【0028】導電剤としては、例えばカーボンブラッ
ク、黒鉛などをあげることができる。また、結着剤とし
ては、例えばポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル
酸カリウムなどのポリアクリル酸塩類、ポリテトラフル
オロエチレンなどのフッ素系樹脂、またはカルボキシメ
チルセルロースなどをあげることができる。さらに、導
電性基板としては、例えばパンチドメタル、エキスパン
デッドメタル、穿孔鋼板、ニッケルネットなどの2次元
基板や、フェルト状金属多孔質体や、スポンジ状金属多
孔体などの3次元基板をあげることができる。
【0029】3)セパレータ セパレータとしては、例えばポリアミド繊維製不織布、
ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン繊
維製不織布に親水性官能基を付与したものをあげること
ができる。 4)アルカリ電解液 アルカリ電解液としては、水酸化カリウム水溶液、水酸
化ナトリウムの水溶液、またはそれらの混合液に水酸化
リチウムが含有されたものなどを用いることができる。
【0030】
【実施例】以下に、本発明の正極用活物質粉末を用いて
アルカリ二次電池を作製した場合について説明する。 1.正極用活物質粉末の調製 硫酸ニッケルと硫酸コバルトと硫酸亜鉛を希硫酸に溶解
し、得られた溶液を水酸化カリウム水溶液とアンモニア
水溶液でpH調整することにより、コバルトと亜鉛を含
有する水酸化ニッケル沈殿物を得た。この沈殿物を濾取
したのち、乾燥して平均粒径10μmの水酸化ニッケル
粉末を調製した。一定量の水酸化ニッケル粒子に対し
て、平均粒径1μmの水酸化コバルトを10質量%混合
して活物質粉末の素材である混合粉末を調製した。
【0031】しかるのち、マイクロウェーブ照射機能を
備えた混合撹拌装置(内容量10L相当)に上記の粉粒
体を投入して撹拌しながら、ここに8mol/L水酸化ナ
トリウム水溶液を粉末全体の11質量%噴霧して両者を
混合し、撹拌,混合を続けながら、マグネトロンを1k
Wで作動してマイクロウェーブを照射し、約100℃で
約20分間の熱処理を施して活物質粉末aを調製した。
この活物質は、水洗した後、脱水、乾燥処理を行った。
【0032】さらに、上記の工程において、水酸化ナト
リウム水溶液の噴霧量と、マイクロウェーブの照射時間
を種々に変えて、活物質粉末b〜gを調製した。これら
の各活物質について、2μm以下の粒子の割合、および
D10%の平均粒径をそれぞれ測定し、結果を表1に示
した。なお、粒度分布測定については、SEISHIN
社のレーザー粒度分布計(SK LASAR MICR
ON SIZER PRO−7000S)を用いて、試
料を超音波分散槽に一定濃度で投入し、30秒間超音波
をかけて粒度分布を測定した。この操作を3回行って平
均値を求めた。
【0033】
【表1】
【0034】さらに、上記の工程において、マグネトロ
ン出力と雰囲気温度を種々に変化させることにより、2
μm以下の粒子の割合が0.5%で、D10%の平均粒
径が6.0μm以上で、比抵抗が異なる活物質粉末h〜
lを得た。なお、コバルト化合物による表面処理を行っ
ていない水酸化ニッケル粉末そのものを活物質mとし
た。
【0035】これらの活物質について比抵抗を測定し、
結果を表2に示した。比抵抗の測定は以下のようにして
行った。すなわち、非導電性のセルに試料5gを入れ、
50kg/cm2の圧力で圧縮し、この圧力下における
直流抵抗計での電気抵抗を測定し、充填高さ、および断
面積から比抵抗を算出した。この操作を3回行って平均
値を求めた。
【0036】
【表2】
【0037】2.アルカリ二次電池の作製 上記により得られた水酸化ニッケル活物質粉末a〜l各
100質量部に対して、結着剤としてカルボキシメチル
セルロース0.25質量部、ポリアクリル酸ナトリウム
0.25質量部、ポリテトラフルオロエチレン3質量
部、適宜の水を加え、混練してペーストを調製し、ニッ
ケル繊維基板に充填後、乾燥、成形して、各活物質粉末
a〜lに対応するニッケル正極a〜lを作製した。
【0038】なお、活物質粉末mについては、その10
0質量部に対して、平均粒径1μmの一酸化コバルト粉
末10質量部、カルボキシメチルセルロース0.25質
量部、ポリアクリル酸ナトリウム0.25質量部、ポリ
テトラフルオロエチレン3質量部、適宜の水を混練して
ペーストを調製し、ニッケル繊維基板に充填後、乾燥、
成形してニッケル正極mとした。
【0039】続いて、負極を以下のようにして製造し
た。すなわち、ランタン富化したミッシュメタルと、N
i、Co、Mn,Alを用い、高周波炉によって、Lm
Ni4. 0Co0.4Al0.3の組成を有する水素吸蔵合金を
機械粉砕し、得られた合金粉末100質量部に対して、
ポリアクリル酸ナトリウム0.5質量部、カルボキシメ
チルセルロース0.125質量部、ポリテトラフルオロ
エチレンのディスパージョンを固形分換算で1.5質量
部、および導電剤としてカーボン粉末1質量部を水50
質量部と混合することによりペーストを調製した。この
ペーストを導電性基板としてのパンチドメタルに塗布、
乾燥した後、加圧成形することによってペースト式負極
を作製した。
【0040】得られたニッケル正極a〜mと負極との間
に親水化処理を施したポリプロピレン不織布からなるセ
パレータを配置し、この電極群を金属容器内に収容した
のち、アルカリ電解液を注液し、金属蓋体などの構成部
材を用いて4/5Aサイズの円筒型ニッケル・水素二次
電池を製造した。 3.電池の評価試験 各電池を0.5Cで150%充電した後、0.5Cで1
Vまで放電し、このサイクルを3回繰り返した。
【0041】その後、これらの電池を0.1Cで充電
し、0.2Cで1Vまで放電したときの放電容量を測定
し、理論容量から活物質の初期利用率を求めた。また、
このように初期容量を測定したセルに対して、過放電後
の回復を推察できる評価方法として、2Ωの抵抗で短絡
させ、25℃で1ヶ月貯蔵した後、25℃の温度雰囲気
下において0.1Cで15時間かけて150%充電して
から,0.2Cで1Vまで放電を行った。しかるのち、
1Cで1.5時間充電、1Cで1Vまで放電するサイク
ルを3回繰り返し、この放電容量を回復容量とし、得ら
れた回復容量から回復率{(回復容量/初期容量)×1
00(%)}を算出した。得られた結果を表3に示し
た。
【0042】
【表3】
【0043】表3の結果からも明らかなように、実施例
1〜5と比較例1,2を比較すると、2μm以下の粒子
の割合が2%未満である活物質粉末を使用した場合のほ
うが高い利用率が実現できることが確認された。また、
2μm以下の粒子の割合が同じ2%未満の活物質粉末を
使用した場合、例えば実施例2と3とで比較すると、D
10%の平均粒径が4.5μm以上のもののほうが容量
回復率が向上していることが分かった。
【0044】すなわち、粒径が2μm以下であるような
小さい粒子は、基板に充填されても十分に導電性がとれ
ず有効利用ができないことが一般的であるが、その全体
に占める割合を規制することにより、活物質の利用率が
向上したものと考えられる。さらに、D10%の平均粒
径を規制することは、容量回復率を向上させる上で有効
である。
【0045】さらに、実施例6〜10についてみると、
2μm以下の粒子の割合およびD10%が同一であって
も、比抵抗が300Ω・cm以下のもの(実施例6〜
8)は、300Ω・cmを超えたもの(実施例9,1
0)に比べて、活物質利用率および容量回復率がさらに
向上することが確認された。なお、上記実施例に使用し
た活物質のタップ密度の平均値は2.3g/ml以上で
あり、比較例に使用した活物質のタップ密度の平均値よ
りも1%程度高くなっていた。これは、粒子サイズを規
制することにより、タップ密度を最大にできる粒子の分
布を形成することができたためと考えられる。今日、高
容量化が進む中では、活物質の利用率の増加やタップ密
度の向上による充填密度の増加は、セルの設計上極めて
有効に寄与する。
【0046】さらに、上記実施例において、水酸化ニッ
ケルの表面被覆処理を行っていない活物質mを使用した
比較例3は、回復率がかなり低くなっている。したがっ
て、まず、活物質の処理を行い、アルカリ含有コバルト
化合物で被覆された水酸化ニッケルを使用することが重
要であることが分かった。
【0047】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、電池に組み込んだ際に活物質利用率が高く、
短絡後や過放電後も高容量を維持することが可能なアル
カリ二次電池用正極活物質粉末を提供することができ、
その工業的価値は極めて高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水酸化ニッケル粉末の粒度分布におけ
るD10%を説明するためのグラフである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ含有コバルト化合物により被覆
    された水酸化ニッケル粉末であって、前記粉末における
    粒径2μm以下の粒子の全体に占める割合が2%未満で
    あることを特徴とするアルカリ二次電池用正極活物質。
  2. 【請求項2】 前記粉末は、累積粒径10%(D10
    %)が4.5μm以上になっている粉末である請求項1
    に記載のアルカリ二次電池用正極活物質。
  3. 【請求項3】 前記粉末の、粉末X線回折法により測定
    したときの(101)面のピーク半価幅が0.8°/2
    θ(Cu−Kα)以上であり、その粉末粒子の比抵抗が
    300Ω・cm以下である請求項1または2に記載のア
    ルカリ二次電池用正極活物質。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007265670A (ja) * 2006-03-27 2007-10-11 Panasonic Ev Energy Co Ltd 電池

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