JP2002061091A - 紙料の洗浄脱水方法および洗浄脱水機 - Google Patents

紙料の洗浄脱水方法および洗浄脱水機

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JP2002061091A
JP2002061091A JP2000248511A JP2000248511A JP2002061091A JP 2002061091 A JP2002061091 A JP 2002061091A JP 2000248511 A JP2000248511 A JP 2000248511A JP 2000248511 A JP2000248511 A JP 2000248511A JP 2002061091 A JP2002061091 A JP 2002061091A
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dewatering
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JP2000248511A
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Yoshiharu Takayanagi
義晴 高柳
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KUROSAKI ATSUKIMI
Original Assignee
KUROSAKI ATSUKIMI
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 希釈して低濃度となった紙料の脱墨処理に好
適な洗浄脱水機を提供を目的とする。 【解決手段】 周壁に網目を備えたドラムを多層に重
ね、内側のドラムほど網目サイズを大きくした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、古紙パルプの脱墨
処理に適した洗浄脱水機に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、地球環境の問題のなかでも特に森
林資源保護の問題は大きくとりだたされ、再生紙の重要
性は益々高まるいっぽうである。しかし、単に再生紙と
いえども、漂白剤を含有した再生紙からダイオキシンが
発生してしまうため、古紙を再生精製する際に重要とな
るのは、古紙に含まれているインクの脱墨処理である。
【0003】このような背景をもとに近年、フローテー
タ脱墨と呼ばれる脱墨処理方法が注目されている。この
フローテータ脱墨処理は、まず、水で0.3%〜0.5
%程度に希釈した紙料を水槽に入れ、水槽の底から気泡
を発生させる。すると、気泡と一緒に紙料中の墨成分が
一緒に浮上するので、このように浮いた墨泡を取り除い
て脱墨するというものである。そして、このフローテー
タ脱墨処理を施した紙料を、さらに、周壁に網目を有す
る回転ドラムを用いた洗浄脱水機(パイプレスフィルタ
ー、エキストラクター、シリンダープレスなど)にかけ
ることで、古紙を再生精製する。このような方法で古紙
の脱墨を行うと、使用する漂白剤の量を大幅に減らすこ
とができるため、環境に優しい漂白剤含有率の低い再生
紙を製造できるとともに、漂白剤の削減量分だけ再生紙
のコスト低下も見込める。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、フローテータ
脱墨処理を施された紙料を、周壁に網目を有する回転ド
ラムを用いた洗浄脱水機にかけると、紙料が低濃度であ
るがゆえに、短繊維の殆どが網目を通り抜けて流失して
しまうという欠点があった。これに対処するため仮に網
目サイズを小さくすると、紙繊維の流失を防ぐことはで
きるが今度は小サイズの網目に繊維が目詰まりしてしま
うため、脱水がスムーズに行かずに脱水効率が大幅に低
下してしまう。
【0005】また、再生紙には品質保持のために長繊維
が必須であるが、従来の洗浄脱水機では、長繊維と短繊
維とを効率的に分別回収することはできず長繊維パルプ
の殆どを輸入に依存するのが現状であった。
【0006】本発明はこのような従来技術をもとに為さ
れたもので、低濃度な紙料の洗浄脱水に好適な洗浄脱水
機と洗浄脱水方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本出願の発明者
は洗浄脱水機について鋭意研究を続け、以下に述べる新
たな洗浄脱水機を創作するに到った。
【0008】請求項1記載の発明は、周壁に網目を有す
る回転ドラムを備え、その回転ドラム内に投入した紙料
を、網目を通じて脱水しつつかき混ぜ洗浄する紙料の洗
浄脱水機において、回転ドラムは、網目サイズの小さい
ドラムの内側に網目サイズの大きいドラムを設けた少な
くとも二重構造からなっていることを特徴とするもので
ある。なお、以上及び以下において「紙料」とは、古紙
を水に溶解してなる、紙繊維を含んだ溶液を言う。
【0009】請求項1記載の発明によれば、網目サイズ
の小さいドラムの内側に、網目サイズの大きいドラムを
設けてあるので、内側のドラム内に紙料を投入すると、
網目サイズの大きい内側ドラムによって長繊維を捕捉す
るとともに、網目サイズの小さい外側ドラムによって内
側ドラムからすり抜けた短繊維を根こそぎキャッチする
ことができる。そのため、たとえ低濃度の紙料を洗浄脱
水する場合であっても、多段的な脱水によって、スムー
ズな脱水が促進されるとともにサイズの小さい網目でも
目詰まりが無くなる。つまり、複数のドラムが互いに助
け合うことで、歩留まり(回収率)と脱水効率とを同時
に向上させることができる。さらに付け加えると、ドラ
ムの多重構造によって、一度に長繊維と短繊維の分別回
収も可能となる。
【0010】ここで回転ドラムが二重構造である場合に
限ると、内側ドラムは外側ドラムの「補助ドラム」と言
い換えることもできる。つまり、外側ドラムで目詰まり
が起こらないように、内側ドラムは外側ドラムの負担を
減らす役割を果たすからである。なお、本願発明はこの
ような二重構造に限るものではなく、ドラムを三重、四
重などに重ねた多重構造にしたものであってもよいもの
とする。また、請求項1記載の脱水洗浄機では、回転ド
ラムを配置する際の回転ドラムの傾きを限定するするも
のではなく、例えば、回転ドラムを垂直に立てる場合
も、回転ドラムを水平に横設する場合も含まれるが、以
下の請求項2〜請求項7においては、特に、回転ドラム
を略水平に横設した場合の洗浄脱水機に限定する。ここ
で、「略水平」とは、投入した紙料が洗浄脱水されずに
排出されてしまうような傾きを除く趣旨であり、例えば
回転ドラムを20°程度まで傾けた状態も含むものとし
て定義する。
【0011】請求項2記載の発明は、網目サイズが小さ
いドラムの内側に網目サイズの大きいドラムを設けた多
重構造の回転ドラムを略水平に配置し、紙料を内側ドラ
ムの一端側から供給し、他端側に排出する紙料の洗浄脱
水機であって、内側ドラムよりもより外側のドラムの他
端側を突出させたものである。
【0012】請求項2記載の発明によれば、より外側の
ドラムの他端側(紙料の排出側)を突出させたので、紙
料が排出側に流れていく過程で、それぞれのドラムでキ
ャッチした長さの異なる繊維を次々と合流させていくこ
とができる。
【0013】請求項3記載の発明は、外側ドラムよりも
より内側のドラムの他端側を突出させたものである。
【0014】請求項3記載の発明によれば、外側ドラム
よりもより内側のドラムの他端側(紙料排出側)を突出
させたので、請求項2記載の発明とは逆に、それぞれの
ドラムでキャッチした長繊維と短繊維とを、特別な手段
を設けるまでもなく、自然落下にまかせて分別回収でき
る。
【0015】以上の発明によれば、周壁と繊維との擦れ
合い、または、繊維同士の擦れ合い、によって紙料を洗
浄できるが、請求項4記載の発明のような工夫を施すと
さらに好適である。請求項4記載の発明は、少なくとも
最内側のドラム内には、周壁から剥離脱落した紙料を投
げ飛ばして、再度、周壁に叩き付けるための叩き付け手
段を、備えたものである。
【0016】請求項4記載の発明によれば、ドラムの回
転によって上方に運ばれ、重力(又はその他の手段)に
よってドラムの周壁から剥離脱落した紙料を、叩き付け
手段によって再びドラム周壁内面に勢いよく叩き付ける
ので、絡み合っている繊維を分解して、紙繊維内に浸透
したインクを効率よく除去することができる。そのた
め、少量の水及び少量の薬品(漂白剤)で迅速に洗浄す
ることが可能となる。言い換えれば、請求項4記載の発
明は省資源化及びランニングコストの低減をもたらすも
のである。
【0017】ここで「叩き付け手段」としては、例え
ば、ドラムとは独立回転するシャフトに複数の羽根を設
けたホイッパーを用いると、構成が簡易で好適である。
また、このホイッパーは「叩き付け」に加えて、ドラム
内で風圧を生み出すので、この風圧によって脱水効率を
より向上させることができる。ここで、ドラムの回転数
を15〜20rpmとし、ホイッパーの回転数を500
rpm前後とするのが好ましい。回転数が低すぎると脱
墨効果が弱まり、回転数が高すぎると繊維を傷めるため
である。
【0018】請求項5記載の発明は、周壁に張り付いた
紙料を叩き付け手段に向かって剥ぎ飛ばす水圧を与える
水噴射手段をさらに備えたものである。
【0019】請求項5記載の発明によれば、水噴射手段
により、網目を介してドラム内周面に張り付いた紙料
を、叩き付け手段に向かって確実に脱落させることがで
きる。また、この水噴射手段から噴射される水は、紙料
の墨分を洗い流すために供給する「補給水」としての役
割も同時に果たすことができる。ここで「水噴射手段」
としては、滴下した水を高速回転する羽根によって水噴
射させてもよいし、噴水器よって水噴射させてもよい。
【0020】請求項6記載の発明は、周壁に張り付いた
紙料の脱落を防止するため脱落防止爪を、少なくとも最
内側ドラムの周壁内面に備えるものである。
【0021】請求項6記載の発明によれば、脱落防止爪
がドラムの回転途中でズレ落ちてしまう紙料を受け止め
て脱落を防止するので、確実に叩き付け手段に紙料を供
給することができる。また、この脱落防止爪は、紙料の
張り付く面積を複数の小領域に区分することで、叩き付
け手段に供給する紙料を細切れにすることができる。な
お、この脱落防止爪は少なくとも最内側のドラムに設け
てあれば、それ以外のドラムには設けてなくてもよい。
ここで「脱落防止爪」としては、ドラムの回転軸に沿っ
て内周面に等間隔に複数設けたフラットバーが好まし
い。このようなフラットバーは形状が簡易であると共に
ドラムの骨格として共用できるからである。
【0022】請求項7記載の発明は、ドラムの壁材を2
枚のパンチングメタルの間にワイヤメッシュを挟み込ん
だサンドイッチ構造としたものである。
【0023】請求項7記載の発明によれば、ドラムの壁
材をサンドイッチ構造とすることで、ドラム周壁の強度
を向上させながらも網目サイズを比較的自由に設計する
ことができる。特に、このようなサンドイッチ構造の壁
材は、単なるワイヤメッシュに比べてかなり大きな衝撃
にも耐えることができるので、叩き付け手段によって、
ドラム周壁に大きな衝撃がかかる場合には特に好適であ
る。なお、パンチング孔の形状に特段の制限はないが、
3cm角程度の角穴をパンチング加工にて形成した厚さ
1.0〜1.5mmの角穴パンチングシートを用いるこ
とが取扱上から好ましい。
【0024】本願発明は、上述の紙料の洗浄脱水機に加
えて、以下のような紙料の洗浄脱水方法も提供するもの
である。請求項8記載の発明は、周壁に網目を有するド
ラム内に紙料を投入し、網目を通じて紙料を脱水しつ
つ、ドラムを回転させてドラム内の紙料をかき混ぜ洗浄
する紙料の洗浄脱水方法において、網目サイズが小さい
ドラムの内側に設けた網目サイズの大きいドラム内に紙
料を投入し、内側ドラムで長繊維を捕捉し、内側ドラム
をすり抜けた短繊維を外側ドラムで捕捉するものであ
る。
【0025】このような、紙料の洗浄脱水方法によれ
ば、網目サイズが大きい内側ドラムによって長繊維を捕
捉するとともに、網目サイズの小さい外側ドラムによっ
て内側ドラムからすり抜けた短繊維を根こそぎキャッチ
することができる。そのため、たとえ低濃度の紙料を洗
浄脱水する場合であっても、多段的な脱水によって、ス
ムーズな脱水が促進されるとともに網目の目詰まりが無
くなる。つまり、複数のドラムが互いに助け合うこと
で、歩留まり(回収率)と脱水効率とをともに向上させ
ることができる。さらに付け加えると、ドラムの多重構
造によって、一度に長繊維と短繊維の分別回収も可能と
なる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついて図面を基に説明する。
【0027】第1実施形態:以下、図1〜図7をもとに
第1実施形態について説明する。図1は本実施形態の洗
浄脱水機に用いるドラムである。ドラム1の骨格は、ド
ラム1の周壁内面に位置することとなるフラットバー2
と環状のリム3とにより形成されている。この骨格に2
つの半円状の壁材4を被せ、壁材4の端部に設けられた
突出部5同士をボルト6aとナット6bにより締結し
て、円筒状のドラム1を得る。このとき、突出部5同士
の間にはゴムシールパッキン7が挟込まれていて、ドラ
ム1内に水を流しても、その締結部分から水が漏れない
ようになっている。ドラム1の壁材4としては、特に、
図2に示すような角穴パンチングシート4a/ワイヤメ
ッシュ4b/角穴パンチングシート4aの順に重ね合わ
せたサンドイッチ構造とするのが好ましく、本実施形態
ではこれを半円状に成形加工して用いている。
【0028】このような構成のドラム1を大径ドラム1
bと小径ドラム1sとして用意し、図3のように小径ド
ラム1sに大径ドラム1bを外挿した状態で、2つのド
ラムを連結部材8により連結して二重構造の「回転ドラ
ム」を得る。この小径ドラム1sは大径ドラム1bを補
助するものであり、本実施形態では大径ドラム1bの半
分のサイズとなっている。具体的には、小径ドラム1s
が口径0.5m×長さ0.6m、大径ドラム1bが口径
1m×長さ1.2mであり、また、網目サイズは小ドラ
ム1sに50メッシュのワイヤメッシュを用い、一方、
大径ドラム1bに100メッシュのワイヤメッシュを用
いた。
【0029】そして、「回転ドラム」としての大小ドラ
ム1b、1sを回転させるため、大径ドラム1bにはフ
ランジ9が周設されていて、一方、ドラム設置基台10
上にはモータ11によって回転可能なローラ12が設け
られている。このローラ12に大径ドラム1bのフラン
ジ9が載っていて、ローラー12が回転すると大ドラム
1bがころがり、大ドラム1b内部に連結されている小
ドラム1sも、大ドラム1bと同期回転する。
【0030】このように自転する大小のドラム1b、1
s内を貫通するように「叩き付け手段」としてのホイッ
パー13が納められている。ホイッパー13はドラム設
置基台10の軸受部14に軸支されていて、その構成は
シャフト15に4枚のブレード16を十字状に取り付け
たものである。ホイッパー13のシャフト15の一端に
はプーリ17が設けられていて、このプーリ17を介し
て図示せぬモータによってホイッパー13は回転可能で
ある。このようにしてホイッパー13の回転と「回転ド
ラム」の回転とは独立していて、ホイッパー13は「回
転ドラム」に比べてかなり高速するようになっている。
【0031】さて、実際の洗浄脱水処理は以下のように
行う。まず、紙料供給管18から小径ドラム1s内に紙
料を供給する。すると、紙料は小径ドラム1sの周壁
(網目)で濾される。このとき、小径ドラム1sの網目
サイズが比較的大きいので、長繊維は小径ドラム1sの
網目(ワイヤメッシュ4a)に引っ掛かり、一方、短繊
維は小径ドラム1sを素通りして大径ドラム1bに落ち
て行く。さらに小径ドラム1sを素通りしてきた短繊維
は、大径ドラム1bの網目(ワイヤメッシュ4a)で根
こそぎキャッチされる。このように大径ドラム1bでキ
ャッチされる紙料中には長繊維が少ないため、大径ドラ
ム1bの網目が塞がれたり覆われてしまうことがなく、
紙料をスムーズに脱水することができるようになってい
る。
【0032】脱水されてドラム周壁に張り付いた紙料
は、ドラム1b、1sが回転すると、ドラム周壁内面に
等間隔に設けられているフラットバー2によって、途中
で周壁から脱落せずに確実に上方まで運ばれる。このよ
うにフラットバー2は「脱落防止爪」としての役割を果
たす。そして、一定の高さまで運ばれた紙料は、大径ド
ラム1bの外部に設置した「水噴射手段」としての高圧
噴水器19によって、すすぎ洗いされながら、その水圧
でドラム内周面から剥離していく。このとき、高圧噴水
器19の水噴射方向がホイッパー13に向いていて、紙
料は確実にホイッパー19へと落ちるようになってい
る。なお「水噴射手段」としては、図6のような高速回
転する回転羽20に水を滴下して、高圧の水を噴射する
ものであってもよい。
【0033】ホイッパー13に落下した紙料は、高速回
転するホイッパー13によって投げ飛ばされて、再度、
ドラム1s、1bの周壁に叩き付けられる。叩き付けら
れた紙料は、繊維の固まりが分解し、紙繊維内に浸透し
たインクを効率よく除去される。また、周壁に叩き付け
られた紙料には、高速回転するホイッパー13の風圧が
かかり、水分が吹き飛ばされてさらに脱水が進むように
なっている。
【0034】上述のように、紙料供給管18から投入さ
れた紙料は、高圧噴水器19による「すすぎ」→ホイッ
パー13による「叩き付け脱墨」→網目と風圧による
「脱水」という一連の洗浄脱水処理を受けることにな
る。この一連の洗浄脱水処理の後、紙料は再びドラム1
b、1sの回転に伴って上方まで運ばれ、再処理され
る。このように「回転ドラム」自身が紙料の運搬係りと
なり、何度も紙料の洗浄脱水が繰り返される。
【0035】そして、このように繰り返し洗浄される紙
料を、回収通路21の方向へ順次送り出すため、ドラム
周壁内面には送出板22が設けられている(図4)。送
出板22はドラム1s、1bの回転方向に対して一定の
傾斜角で周壁内面に固定されている。この送出板22の
傾斜によって、紙料は、遠心力により周壁に押しつけら
れる際に一方向(紙料の排出方向)へ送り出されること
となる。なお、この送出板22の傾斜角を変えれば、紙
料の排出速度を調整することができ、紙料のインク含有
度に応じて洗浄時間を設定することも可能である。ここ
で、図4以外の図面では説明の便宜上、送出板22は省
略してあり、また、図4中ではホイッパー13のブレー
ド16を省略してある。
【0036】そして、小径ドラム1sで洗浄脱水されな
がら排出方向(図3中方向)に進んでいく紙料は、大径
ドラム1bの中程で、小径ドラム1sの他端から大径ド
ラム1dに合流する。このとき、大径ドラム1bへ合流
していく紙料は、長繊維ばかりであるが、かなり脱水が
進んですでに繊維状の塊となっていため、大径ドラム1
bの網目を覆いって、目詰まりを起こしてしまうような
心配は無くなっている。
【0037】また、本実施形態の洗浄脱水機には図7に
示すごとく工夫も施されている。それは、シャフト15
の軸受部14を図7中に矢印C方向に可動として、ホイ
ッパー13の位置を微調整できるようにしたことであ
る。このようにホイッパー13の位置を微調整可能とし
てあると、例えば、紙料の濃度に合わせてドラム1s、
1bの回転速度、水噴射手段(高圧噴水器19)による
水圧などを変えた際に、紙料の落下位置が変化しても、
紙料を確実に叩き付け手段(ホイッパー13)でキャッ
チすることができる。つまり、ホイッパー13が空振り
するようなことは無くなる。以上のように構成した洗浄
脱水機は最終的に本体ケース23に納めて完成品とな
る。なお、図3及び図4においては本体ケース23は省
略して記載している。
【0038】本実施形態では紙料を送り出すために送出
板22を設けているが、例えば、フラットバー2自体を
多少傾けることで、紙料を送り出してもよいし、また、
ドラム1s、1bの遠心力を利用して紙料を送り出せる
ように、供給側から排出側に向かってドラム1s、1b
の口径を大きくしたテーパ状としてもよし、さらには、
紙料の供給側を高く排出側を低くするように、ドラム1
s、1bの回転軸を傾けることで、紙料を重力にしたが
って送り出してもよいものとする。
【0039】以上要するに、この実施形態の洗浄脱水機
によれば、それぞれ網目サイズを調整した大径ドラム1
bおよび小径ドラム1sが二重構造となっているので、
紙料の回収率および脱水効率を改善することができる。
言い換えれば、それぞれドラム1b、1sが互いに助け
合う「W脱水方式」によって、効率のよい洗浄脱水が実
現する。
【0040】第2実施形態:次に本発明の第2実施形態
について図8を参照し説明する。なお、第1実施形態と
同様の構成については同一の符号を付して説明を省略す
る。この第2実施形態は、小径ドラム1sの長さサイズ
を、大径ドラム1bの長さサイズより大きくし、さらに
大径ドラム1b用の回収通路21とは別途、小径ドラム
1s用に回収通路24を備えたのもである。この実施形
態の洗浄脱水機によれば、このような単純な構造で、大
径ドラム1bが短繊維、小径ドラム1sが長繊維を、別
々に回収することができる。
【0041】なお、いずれの実施形態でもドラム1の断
面形状は円形であったが、それ以外の多角形であっても
よいものとする。また、「回転ドラム」としての大径ド
ラム1bと小径ドラム1sは必ずしも同期回転する必要
はなく、回転速度が異なっていてもよいし、逆回転して
もよいものとする。また、本発明の洗浄脱水機は、特
に、1%以下に希釈された低濃度な紙料に適用するのが
好適であるが、無論、1%以上の紙料に適用できること
は言うまでもない。
【0042】
【発明の効果】本発明に係る紙料の洗浄脱水機を用いる
と、洗浄対象の紙料が低濃度であっても、紙料の回収率
の低下を防止しつつ、しかも、短時間で効率的に洗浄脱
水することができる。また、本発明に係る紙料の洗浄脱
水機によれば、紙料の洗浄を行いながら、極めて効率的
に長繊維/短繊維を分別回収することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態によるドラムの分解組立図。
【図2】図1に示すドラムの壁材構造を示す図。
【図3】本発明の第1実施形態による洗浄脱水機を示す
縦断面図。
【図4】図3に示す洗浄脱水機の横断面図。
【図5】図3中の矢示A方向からみた洗浄脱水機の正面
図。
【図6】図5中の水噴射手段として回転羽を用いた形態
を示す図。
【図7】図3中の矢示A方向からみた洗浄脱水機の外観
図。
【図8】本発明の第2実施形態による洗浄脱水機を示す
縦断面図。
【符号の説明】
1 ドラム 2 フラットバー(脱落防止爪) 3 リム 4 壁材 4a パンチングシート 4b ワイヤメッシュ 5 突出部 6a ボルト 6b ナット 7 ゴムシールパッキン 8 連結部材 9 フランジ 10 ドラム設置基台 11 モータ 12 ローラ 13 ホイッパー(叩き付け手段) 14 軸受部 15 シャフト 16 ブレード 17 プーリ 18 紙料供給管 19 高圧噴水器(水噴射手段) 20 回転羽(水噴射手段) 21 回収通路 22 送出板 23 本体ケース 24 回収通路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D057 AA09 AB01 AC02 AC06 AD03 AE03 AF01 BA18 BA19 BA36 BC15 4L055 BB04 CB02 CB32 EA15 FA02 FA07

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周壁に網目を有する回転ドラムを備え、
    その回転ドラム内に投入した紙料を、網目を通じて脱水
    しつつかき混ぜ洗浄する紙料の洗浄脱水機において、 回転ドラムは、網目サイズが小さいドラムの内側に網目
    サイズが大きいドラムを設けた少なくとも二重構造から
    なっていることを特徴とする紙料の洗浄脱水洗浄機。
  2. 【請求項2】 周壁に網目を有する回転ドラムの回転軸
    を略水平に配置し、その回転ドラムの一端側から投入す
    る紙料を、網目を通じて脱水しつつかき混ぜ洗浄して、
    他端側に排出する紙料の洗浄脱水機において、 回転ドラムは、網目サイズが小さいドラムの内側に網目
    サイズの大きいドラムを設けた少なくとも二重構造から
    なっているとともに、内側のドラムがより外側ドラムよ
    り他端側が突出していること特徴とする紙料の洗浄脱水
    洗浄機。
  3. 【請求項3】 周壁に網目を有する回転ドラムの回転軸
    を略水平に配置し、その回転ドラムの一端側から投入す
    る紙料を、網目を通じて脱水しつつかき混ぜ洗浄して、
    他端側に排出する紙料の洗浄脱水機において、 回転ドラムは、網目サイズが小さいドラムの内側に網目
    サイズの大きいドラムを設けた少なくとも二重構造から
    なっているとともに、外側のドラムがより内側ドラムよ
    り他端側が突出していること特徴とする紙料の洗浄脱水
    洗浄機。
  4. 【請求項4】 少なくとも最内側のドラム内には、周壁
    から剥離脱落した紙料を投げ飛ばして周壁に叩き付ける
    ための叩き付け手段を、備える請求項2または請求項3
    に記載の紙料の洗浄脱水機。
  5. 【請求項5】 周壁に張り付いた紙料を叩き付け手段に
    向かって剥ぎ飛ばす水圧を与える水噴射手段をさらに備
    える請求項4に記載の紙料の洗浄脱水機。
  6. 【請求項6】 周壁に張り付いた紙料の脱落を防止する
    ため脱落防止爪を、少なくとも最内側ドラムの周壁内面
    に備える請求項2〜5いずれか1項記載の紙料の洗浄脱
    水機。
  7. 【請求項7】 ドラムの周壁を2枚のパンチングメタル
    の間にワイヤメッシュを挟み込んで形成した請求項1〜
    6のいずれか1項記載の紙料の洗浄脱水機。
  8. 【請求項8】 周壁に網目を有するドラム内に紙料を投
    入し、網目を通じて紙料を脱水しつつ、ドラムを回転さ
    せてドラム内の紙料をかき混ぜ洗浄する紙料の洗浄脱水
    方法において、 網目サイズが小さいドラムの内側に設けた網目サイズの
    大きいドラム内に紙料を投入し、内側ドラムで長繊維を
    捕捉し、内側ドラムをすり抜けた短繊維を外側ドラムで
    捕捉することを特徴とする紙料の洗浄脱水方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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