JP2002060928A - 回転軸への成膜方法 - Google Patents

回転軸への成膜方法

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JP2002060928A
JP2002060928A JP2000248037A JP2000248037A JP2002060928A JP 2002060928 A JP2002060928 A JP 2002060928A JP 2000248037 A JP2000248037 A JP 2000248037A JP 2000248037 A JP2000248037 A JP 2000248037A JP 2002060928 A JP2002060928 A JP 2002060928A
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rotating shaft
circumferential surface
film
face
forming
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JP2000248037A
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Takeshi Hatayama
健 畑山
Osamu Yamada
修 山田
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 すべり軸受において、回転軸の軸受と、摺接
する回転軸の端面と円周面に硬質炭素膜を良好に形成す
る成膜方法を提供する。 【解決手段】 蒸発源15を備えた真空槽13内におい
て、回転軸10の端面10aが蒸発源15と対向するよ
うに配置する。回転軸10はバイアス電圧電源16に接
続する。そして、回転軸10の円周面10bの周囲に、
距離をおいて接地電位と接続された補助電極14を設置
する。ガス導入口11からアルゴンガスと炭素を含むガ
スを混合し導入し、その後、回転軸10にバイアス電圧
を印加し、蒸発源15にはスパッタ電源17を印可し、
真空槽内13にプラズマを発生させる。また補助電極1
4と円周面10bとの間にプラズマを発生させることに
より、回転軸10の端面10aと円周面10bとに硬質
炭素膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスク記録
装置や光ディスク記録装置に用いられるスピンドルモー
タの軸受け等の摺動部品における耐摩耗性を向上させる
ための、炭素硬質膜の成膜技術に関する。
【0002】
【従来の技術】硬質炭素膜(DLC)は非常に硬度が高
いため摩耗に強く、また、自己潤滑性に優れて、表面粗
さも非常に少ないため、摩擦係数が非常に少ない。さら
に、物質的に安定であり、化学的な耐久性も高い。その
ため、磁気ディスク記録装置の記録面及び記録ヘッド表
面やスピンドルモータの軸受け摺動部に保護膜として用
いることが有望視されている。
【0003】成膜対象としての回転軸への従来の成膜方
法としては、特開平11−132224号公報に記載さ
れたものが知られている。図11及び図12は従来の回
転軸への成膜方法を行う成膜装置の構造を概略的に示し
ている。図11において、13は成膜作業を行う真空槽
で、この真空槽13は、ガス導入口11及び排気口12
を有するとともに、内部に、スパッタ直流電源17に接
続された蒸発源15と、成膜対象としての回転軸10が
取付けられるワークホルダ23とを備えている。
【0004】回転軸10への成膜作業は以下のようにし
て行う。図12(a)に示すように、回転軸10の円周
面にマスキング21を施し、回転軸10の端面10aが
蒸発源15と対向するようにワークホルダ23に配置
し、その後、真空槽13内を所定の圧力以下に排気す
る。その後、ガス導入口11からアルゴンガスを導入す
る。さらにその後、蒸発源15にスパッタ直流電源17
からスパッタ電圧を印加してスパッタを行う。また、回
転軸10の円周面10bに対しては、図12(b)に示
すように、回転軸10の円周面10bを蒸発源15と対
向するように配置し、膜質が均一になるように回転軸1
0の円周方向に回転を与え、前記成膜方法と同様に成膜
を行う。以上のように回転軸10の場合、端面10aと
円周面10bとは方向が異なるため、2工程に分割し、
回転軸10の端面10aと円周面10bとに硬質炭素膜
の成膜を行っている。
【0005】また、上述した第1の成膜方法とは異なる
第2の成膜方法としては、蒸発源15と回転軸10の端
面10aとの間にプラズマを発生させ、そのプラズマの
円周面10b付近への回り込みを利用して、回転軸10
の端面10aと円周面10bとに同時に成膜を行う方法
がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記第
1の成膜方法は、回転軸10の端面10aと円周面10
bとを2工程に分割して成膜を行うため、工程が2回必
要となり、成膜コスト等面で問題がある。このように成
膜コストが高価となる回転軸10を、低価格の量産品で
ある磁気ディスク記録装置等のスピンドルモータの軸受
部品等に用いることは現実的ではない。
【0007】また、回転軸10の端面10aを蒸発源1
5と対向するように設置し、回転軸10の端面10aと
円周面10bとに同時に成膜を行う上記第2の成膜方法
を採用した場合には、回転軸10の円周面10bは、蒸
発源15に対して遠ざかるように配置されているので、
プラズマの入射エネルギーが弱くなって、炭素硬質膜が
良好には成膜されない。また、この第2の成膜方法を用
いて、図13に示すように、多数の回転軸10を並べて
成膜する場合、回転軸10の端面10aにおいては良好
に成膜されるものの、回転軸10の円周面10bにおい
ては、各回転軸10の円周面10b同士の間隔が狭くな
り、等電位同士が対向している空間となるため、回転軸
10の円周面10b付近にはプラズマが発生せず、硬質
炭素膜が形成されにくくなり、回転軸10の端面10a
と円周面10bとの膜厚比は約3:1となり、膜厚が均
一にならない問題がある。そして、硬質炭素膜の密着性
及び硬度が、回転軸10の端面10aよりも、円周面1
0bの成膜品質が低下することとなる。
【0008】本発明は上記問題や課題を解決するもの
で、回転軸の円周面と端面とに同時に均一な膜厚で高い
密着性を有する硬質炭素膜を成膜することができ、且
つ、回転軸の量産性を向上できて安価に成膜できる回転
軸への成膜方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記問題や課題を解決す
るために本発明は、軸受により回転自在に支持される回
転軸の、軸受と摺接する端面及び円周面に、スパッタリ
ング装置により硬質炭素膜を形成する回転軸への成膜方
法であって、回転軸の前記端面がスパッタリング装置の
蒸発源と対向するように配置し、回転軸の円周面の周囲
に間隔をおいて補助電極を配置する第1の工程と、真空
槽内を真空にした後、炭素を含むガス、及び不活性ガス
を真空槽内に導入して混合状態とする第2の工程と、前
記真空槽内にプラズマを発生させると同時に、前記回転
軸の円周面と前記補助電極との間にプラズマを発生させ
ることにより、回転軸の前記端面と円周面とに硬質炭素
膜を同時に形成する第3の工程とを有することを特徴と
し、これにより、蒸発源から放出された成膜粒子がイオ
ン化されて回転軸の端面と円周面とに成膜する。
【0010】また、複数の回転軸の円周面への成膜方法
は、各円周面の周囲に所定の間隔をあけて、接地電位と
接続された補助電極を設置することにより、回転軸同士
の間隔が狭くなった場合においても、等電位の部位同士
が対向している空間がなくなるのえ、回転軸の円周面と
補助電極との間にプラズマを発生させると、蒸発源から
放出された成膜粒子が回転軸の円周面と補助電極との間
のプラズマで良好にイオン化されて円周面にも成膜す
る。以上のように、回転軸の端面と円周面を同時に成膜
ができる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、軸受により回転自在に支持される回転軸の、軸受と
摺接する端面及び円周面に、スパッタリング装置により
硬質炭素膜を形成する回転軸への成膜方法であって、回
転軸の前記端面がスパッタリング装置の蒸発源と対向す
るように配置し、回転軸の円周面の周囲に間隔をおいて
補助電極を配置する第1の工程と、真空槽内を真空にし
た後、炭素を含むガス、及び不活性ガスを真空槽内に導
入して混合状態とする第2の工程と、前記真空槽内にプ
ラズマを発生させると同時に、前記回転軸の円周面と前
記補助電極との間にプラズマを発生させることにより、
回転軸の前記端面と円周面とに硬質炭素膜を同時に形成
する第3の工程とを有することを特徴とする。
【0012】この成膜方法により、回転軸の端面への硬
質炭素膜の成膜については、真空槽内にプラズマを発生
させ、蒸発源からスパッタされた成膜粒子をイオン化さ
せて成膜することができ、回転軸の円周面への硬質炭素
膜の成膜については、回転軸の円周面と補助電極との間
にプラズマを発生させ、蒸発源からスパッタされた成膜
粒子を回転軸の円周面と補助電極との間のプラズマ内で
イオン化させて成膜することができる。よって、回転軸
の端面だけでなく円周面にも、膜厚が均一で硬度や密着
性の高い硬質炭素膜を良好に形成できる。
【0013】本発明の請求項2に記載の発明は、軸受に
より回転自在に支持される回転軸の、軸受と摺接する端
面及び円周面に、イオンプレーティング装置により硬質
炭素膜を形成する回転軸への成膜方法であって、回転軸
の前記端面がイオンプレーティング装置の陽極と対向す
るように配置し、回転軸の円周面の周囲に間隔をおいて
補助電極を配置する第1の工程と、真空槽内を真空にし
た後、炭素を含むガス、及び不活性ガスを真空槽内に導
入して混合状態とする第2の工程と、前記真空槽内にプ
ラズマを発生させると同時に、前記回転軸の円周面と前
記補助電極との間にプラズマを発生させることにより、
回転軸の前記端面と円周面とに硬質炭素膜を同時に形成
する第3の工程とを有することを特徴とする。
【0014】この成膜方法により、回転軸の端面への硬
質炭素膜の成膜については、陽極と回転軸の端面との間
でプラズマを発生させることで成膜粒子をイオン化させ
て成膜することができ、また、回転軸の円周面への硬質
炭素膜の成膜については、回転軸の円周面と補助電極と
の間にプラズマを発生させ、成膜粒子を補助電極と回転
軸の円周面との間のプラズマ内でイオン化させて成膜す
ることができる。よって、回転軸の端面だけでなく円周
面にも膜厚が均一で硬度や密着性の高い硬質炭素膜を良
好に形成できる。
【0015】本発明の請求項3に記載の発明は、請求項
1記載の回転軸への成膜方法における第1工程におい
て、複数の回転軸をその端面が蒸発源と対向するように
配置し、各回転軸の円周面の周囲に間隔をおいて補助電
極をそれぞれ配置したことを特徴とする。
【0016】この成膜方法により、複数の回転軸の端面
への硬質炭素膜の成膜については、真空槽内にプラズマ
を発生させ蒸発源からスパッタされた成膜粒子をイオン
化させて成膜することができ、また、複数の回転軸の円
周面への硬質炭素膜の成膜については、各回転軸に対応
させて補助電極を設けることにより、等電位の部位同士
が対向する空間をなくし、各回転軸の円周面と各補助電
極との間にプラズマを発生させ、蒸発源からスパッタさ
れた成膜粒子を各回転軸の円周面と各補助電極との間の
プラズマ内でイオン化させて成膜することができる。よ
って、複数の回転軸の端面だけでなく円周面にも膜厚が
均一で硬度や密着性の高い硬質炭素膜を良好に形成でき
る。
【0017】本発明の請求項4に記載の発明は、請求項
2記載の回転軸への成膜方法における第1工程におい
て、複数の回転軸をその端面がイオンプレーティング装
置の陽極と対向するように配置し、各回転軸の円周面の
周囲に間隔をおいて補助電極をそれぞれ配置したことを
特徴とする。
【0018】この成膜方法により、複数の回転軸の端面
への硬質炭素膜の成膜については、陽極と複数の回転軸
の端面との間にプラズマを発生させ、成膜粒子をイオン
化させて成膜することができ、また、複数の回転軸の円
周面への硬質炭素膜の成膜については、補助電極を設け
ることにより、等電位の部位同士が対向する空間をなく
し、各回転軸の円周面と各補助電極との間にプラズマを
発生させ、蒸発源からスパッタされた成膜粒子を各回転
軸の円周面と各補助電極との間のプラズマ内でイオン化
させ成膜することができる。よって、複数の回転軸の端
面だけでなく円周面にも膜厚が均一で硬度や密着性の高
い硬質炭素膜を良好に形成できる。
【0019】本発明の請求項5に記載の発明は、軸受に
より回転自在に支持される回転軸の、軸受と摺接する端
面及び円周面に、スパッタリング装置により硬質炭素膜
を形成する回転軸への成膜方法であって、回転軸の円周
面がスパッタリング装置の蒸発源と対向し、回転軸がほ
ぼその軸心を中心に回転自在となるように配置し、回転
軸の前記端面から間隔をおいて補助電極を配置する第1
の工程と、真空槽内を真空にした後、炭素を含むガス、
及び不活性ガスを真空槽内に導入して混合状態とする第
2の工程と、回転軸を回転させながら、前記真空槽内に
プラズマを発生させると同時に、前記回転軸の端面と前
記補助電極との間にプラズマを発生させることにより、
回転軸の前記端面と円周面とに硬質炭素膜を同時に形成
する第3の工程とを有することを特徴とする。
【0020】この成膜方法により、回転軸の円周面への
硬質炭素膜の成膜については、真空槽内にプラズマを発
生させ、蒸発源からスパッタされた成膜粒子をイオン化
させて成膜することができ、また、回転軸の端面への硬
質炭素膜の成膜については、回転軸の端面と補助電極と
の間にプラズマを発生させ、蒸発源からスパッタされた
成膜粒子を補助電極と回転軸の端面との間のプラズマ内
でイオン化させて成膜することができる。よって、回転
軸の円周面だけでなく端面にも膜厚が均一で硬度や密着
性の高い硬質炭素膜を良好に形成できる。
【0021】本発明の請求項6に記載の発明は、軸受に
より回転自在に支持される回転軸の、軸受と摺接する端
面及び円周面に、イオンプレーティング装置により硬質
炭素膜を形成する回転軸への成膜方法であって、回転軸
の円周面がイオンプレーティング装置の陽極と対向し、
回転軸がほぼその軸心を中心に回転自在となるように配
置し、回転軸の前記端面から間隔をおいて補助電極を配
置する第1の工程と、真空槽内を真空にした後、炭素を
含むガス、及び不活性ガスを真空槽内に導入して混合状
態とする第2の工程と、回転軸を回転させながら、前記
真空槽内にプラズマを発生させると同時に、前記回転軸
の端面と前記補助電極との間にプラズマを発生させるこ
とにより、回転軸の前記端面と円周面とに硬質炭素膜を
同時に形成する第3の工程とを有することを特徴とす
る。
【0022】この成膜方法により、回転軸の円周面への
硬質炭素膜の成膜については、陽極と回転軸の円周面と
の間にプラズマを発生させ成膜粒子をイオン化させて成
膜することができ、また、回転軸の端面への硬質炭素膜
の成膜については、回転軸の端面と補助電極との間にプ
ラズマを発生させ、成膜粒子を補助電極と回転軸の端面
との間のプラズマ内でイオン化させて成膜することがで
きる。よって、回転軸の円周面だけでなく端面にも膜厚
が均一で硬度や密着性の高い硬質炭素膜を良好に形成で
きる。
【0023】本発明の請求項7に記載の発明は、請求項
5記載の回転軸への成膜方法における第1工程におい
て、複数の回転軸を、その円周面が蒸発源と対向し、各
回転軸がほぼその軸心を中心に回転自在となるように配
置し、各回転軸の前記端面から間隔をおいて補助電極を
それぞれ配置したことを特徴とする。
【0024】この成膜方法により、複数の回転軸の円周
面への硬質炭素膜の成膜については、真空槽内にプラズ
マを発生させ蒸発源からスパッタされた成膜粒子をイオ
ン化させて成膜することができ、また、複数の回転軸の
端面への硬質炭素膜の成膜については、各回転軸に対応
させて補助電極を設けることにより、等電位の部位同士
が対向する空間をなくし、各回転軸の端面と各補助電極
との間にプラズマを発生させ、蒸発源からスパッタされ
た成膜粒子を各補助電極と回転軸の端面との間のプラズ
マ内でイオン化させて成膜することができる。よって、
複数の回転軸の円周面だけでなく端面にも膜厚が均一で
硬度や密着性の高い硬質炭素膜を良好に形成できる。
【0025】本発明の請求項8に記載の発明は、請求項
6記載の回転軸への成膜方法における第1工程におい
て、複数の回転軸をその円周面がイオンプレーティング
装置の電極と対向し、各回転軸がほぼその軸心を中心に
回転自在となるように配置し、各回転軸の前記端面から
間隔をおいて補助電極をそれぞれ配置したことを特徴と
する。
【0026】この成膜方法により、複数の回転軸の円周
面への硬質炭素膜の成膜については、陽極と複数の回転
軸の円周面との間にプラズマを発生させることで成膜粒
子をイオン化させて成膜することができ、また、複数の
回転軸の端面への硬質炭素膜の成膜については、補助電
極を設けることにより、等電位の部位同士が対向する空
間をなくし、各回転軸の端面と各補助電極との間にプラ
ズマを発生させ、成膜粒子を補助電極と回転軸の端面と
の間のプラズマ内でイオン化させて成膜することができ
る。よって、複数の回転軸の円周面だけでなく端面にも
膜厚が均一で硬度や密着性の高い硬質炭素膜を良好に形
成できる。
【0027】本発明の請求項9に記載の発明は、軸受に
より回転自在に支持される回転軸の、軸受と摺接する端
面及び円周面に、スパッタリング装置により中間層を介
して硬質炭素膜を形成する回転軸への成膜方法であっ
て、スパッタリング装置の蒸発源として炭素を含む材
料、及び中間層材料を配設し、回転軸の前記端面がスパ
ッタリング装置の前記中間層材料の蒸発源と対向するよ
うに配置し、回転軸の円周面の周囲に間隔をおいて補助
電極を配置する第1の工程と、真空槽内を真空にした
後、不活性ガスを真空槽内に導入する第2の工程と、前
記真空槽内にプラズマを発生させると同時に、前記回転
軸の円周面と前記補助電極との間にプラズマを発生させ
ることにより、回転軸の前記端面と円周面とに中間層を
同時に形成する第3の工程と、その後、真空状態を保持
し、回転軸の前記端面がスパッタリング装置の前記炭素
を含む材料の蒸発源と対向するように再配置する第4の
工程と、その後、炭素を含むガス、及び不活性ガスを真
空槽内に導入して混合状態とする第5の工程と、前記真
空槽内にプラズマを発生させると同時に、前記回転軸の
円周面と前記補助電極との間にプラズマを発生させるこ
とにより、回転軸の前記端面と円周面とに硬質炭素膜を
同時に形成する第6の工程とを有することを特徴とす
る。
【0028】この成膜方法により、回転軸の端面への中
間層の成膜については、真空槽内にプラズマを発生させ
て中間層蒸発源からスパッタされた成膜粒子をイオン化
させて成膜することができ、また、回転軸の円周面への
中間層の成膜については、回転軸の円周面と補助電極と
の間にプラズマを発生させてイオン化させ、中間層材質
で形成された補助電極をスパッタすることで中間層材質
の成膜粒子が放出され、前記成膜粒子をイオン化させて
成膜することができる。よって、回転軸の端面だけでな
く円周面にも膜厚が均一で密着性の良い中間層膜を形成
することができ、この後、硬質炭素膜を同様に形成する
ことで、硬質炭素膜の密着性を向上させることができ
る。
【0029】本発明の請求項10に記載の発明は、軸受
により回転自在に支持される回転軸の、軸受と摺接する
端面及び円周面に、イオンプレーティング装置により中
間層を介して硬質炭素膜を形成する回転軸への成膜方法
であって、イオンプレーティング装置の蒸発源としても
機能する陽極に炭素を含む材料、及び中間層材料を配設
し、回転軸の前記端面がイオンプレーティング装置の前
記中間層材料の陽極と対向するように配置し、回転軸の
円周面の周囲に間隔をおいて補助電極を配置する第1の
工程と、真空槽内を真空にした後、不活性ガスを真空槽
内に導入する第2の工程と、前記真空槽内にプラズマを
発生させると同時に、前記回転軸の円周面と前記補助電
極との間にプラズマを発生させることにより、回転軸の
前記端面と円周面とに中間層を同時に形成する第3の工
程と、その後、真空状態を保持し、回転軸の前記端面が
イオンプレーティング装置の前記炭素を含む材料の陽極
と対向するように再配置する第4の工程と、その後、炭
素を含むガス、及び不活性ガスを真空槽内に導入して混
合状態とする第5の工程と、前記真空槽内にプラズマを
発生させると同時に、前記回転軸の円周面と前記補助電
極との間にプラズマを発生させることにより、回転軸の
前記端面と円周面とに硬質炭素膜を同時に形成する第6
の工程とを有することを特徴とする。
【0030】この成膜方法により、回転軸の端面への中
間層の成膜においては、真空槽内にプラズマを発生させ
て中間層蒸発源からスパッタされた成膜粒子をイオン化
させて成膜することができ、また、回転軸の円周面への
中間層の成膜については、回転軸の円周面と補助電極と
の間にプラズマを発生させ、中間層材質で形成された補
助電極をスパッタすることで中間層材質の成膜粒子が放
出され、前記成膜粒子をイオン化させて成膜することが
できる。よって、回転軸の端面だけでなく円周面にも膜
厚が均一で密着性の良い中間層膜を形成することがで
き、この後、硬質炭素膜を同様に形成することで、硬質
炭素膜の密着性を向上させることができる。
【0031】本発明の請求項11に記載の発明は、軸受
により回転自在に支持される回転軸の、軸受と摺接する
端面及び円周面に、スパッタリング装置により中間層を
介して硬質炭素膜を形成する回転軸への成膜方法であっ
て、スパッタリング装置の蒸発源として炭素を含む材
料、及び中間層材料を配設し、回転軸の前記円周面がス
パッタリング装置の前記中間層材料の蒸発源と対向し、
回転軸がほぼその軸心を中心に回転自在となるように配
置し、回転軸の前記端面から間隔をおいて補助電極を配
置する第1の工程と、真空槽内を真空にした後、不活性
ガスを真空槽内に導入する第2の工程と、前記真空槽内
にプラズマを発生させると同時に、回転軸の前記端面と
前記補助電極との間にプラズマを発生させることによ
り、回転軸の前記端面と円周面とに中間層を同時に形成
する第3の工程と、その後、真空状態を保持し、回転軸
の前記円周面がスパッタリング装置の前記炭素を含む材
料の蒸発源と対向するように再配置する第4の工程と、
その後、炭素を含むガス、及び不活性ガスを真空槽内に
導入して混合状態とする第5の工程と、前記真空槽内に
プラズマを発生させると同時に、回転軸の前記端面と前
記補助電極との間にプラズマを発生させることにより、
回転軸の前記端面と円周面とに硬質炭素膜を同時に形成
する第6の工程とを有することを特徴とする。
【0032】この成膜方法により、回転軸の円周面への
中間層の成膜については、真空槽内にプラズマを発生さ
せて中間層蒸発源からスパッタされた成膜粒子をイオン
化させて成膜することができ、また、回転軸の端面への
中間層の成膜については、回転軸の端面と補助電極との
間にプラズマを発生させてイオン化させ、中間層材質で
形成された補助電極をスパッタすることで中間層材質の
成膜粒子が放出され、前記成膜粒子をイオン化させて成
膜することができる。よって、回転軸の円周面だけでな
く端面にも膜厚が均一で密着性の良い中間層膜を形成す
ることができ、この後、硬質炭素膜を同様に形成するこ
とで、硬質炭素膜の密着性を向上させることができる。
【0033】本発明の請求項12に記載の発明は、軸受
により回転自在に支持される回転軸の、軸受と摺接する
端面及び円周面に、イオンプレーティング装置により中
間層を介して硬質炭素膜を形成する回転軸への成膜方法
であって、イオンプレーティング装置の蒸発源としても
機能する陽極に炭素を含む材料、及び中間層材料を配設
し、回転軸の前記円周面がイオンプレーティング装置の
前記中間層材料の陽極と対向し、回転軸がほぼその軸心
を中心に回転自在となるように配置し、回転軸の前記端
面から間隔をおいて補助電極を配置する第1の工程と、
真空槽内を真空にした後、不活性ガスを真空槽内に導入
する第2の工程と、前記真空槽内にプラズマを発生させ
ると同時に、回転軸の前記端面と前記補助電極との間に
プラズマを発生させることにより、回転軸の前記端面と
円周面とに中間層を同時に形成する第3の工程と、その
後、真空状態を保持し、回転軸の前記円周面がイオンプ
レーティング装置の前記炭素を含む材料の陽極と対向す
るように再配置する第4の工程と、その後、炭素を含む
ガス、及び不活性ガスを真空槽内に導入して混合状態と
する第5の工程と、前記真空槽内にプラズマを発生させ
ると同時に、回転軸の前記端面と前記補助電極との間に
プラズマを発生させることにより、回転軸の前記端面と
円周面とに硬質炭素膜を同時に形成する第6の工程とを
有することを特徴とする。
【0034】この成膜方法により、回転軸の円周面への
中間層の成膜においては、真空槽内にプラズマを発生さ
せて中間層蒸発源からスパッタされた成膜粒子をイオン
化させて成膜することができ、また、回転軸の端面への
中間層の成膜については、回転軸の端面と補助電極との
間にプラズマを発生させ、中間層材質で形成された補助
電極をスパッタすることで中間層材質の成膜粒子が放出
され、前記成膜粒子をイオン化させて成膜することがで
きる。よって、回転軸の円周面だけでなく端面にも膜厚
が均一で密着性の良い中間層膜を形成することができ、
この後、硬質炭素膜を同様に形成することで、硬質炭素
膜の密着性を向上させることができる。
【0035】本発明の請求項13に記載の発明は、請求
項9〜12の何れかに記載の回転軸への成膜方法におけ
る第1工程において、補助電極として中間層材料を用い
ていることを特徴とする。
【0036】本発明の請求項14に記載の発明は、軸受
により回転自在に支持される回転軸の、軸受と摺接する
端面及び円周面に、スパッタリング装置により硬質炭素
膜を形成する回転軸への成膜方法であって、回転軸の前
記端面がスパッタリング装置の蒸発源と対向するように
配置し、回転軸の円周面の周囲に間隔をおいて補助電極
を配置する第1の工程と、真空槽内を真空にした後、炭
素を含むガス、及び不活性ガスを真空槽内に導入して混
合状態とする第2の工程と、前記真空槽内にプラズマを
発生させると同時に、前記回転軸の円周面と前記補助電
極との間に電圧を印加させることにより、回転軸の前記
端面と円周面とに硬質炭素膜を同時に形成する第3の工
程とを有することを特徴とする。
【0037】この成膜方法により、回転軸の端面への硬
質炭素膜の成膜については、真空槽内にプラズマを発生
させ蒸発源からスパッタされた成膜粒子をイオン化させ
て成膜することができ、また、回転軸の円周面への硬質
炭素膜の成膜おいては、回転軸の円周面と補助電極との
間に電界を発生させ、蒸発源からスパッタされた成膜粒
子は、回転軸の円周面と補助電極との間を通過すると、
イオンの飛行軌道が回転軸の円周面方向に引き寄せられ
て成膜する。よって、回転軸の端面だけでなく円周面に
も膜厚が均一で硬度や密着性の高い硬質炭素膜を良好に
形成することができる。
【0038】本発明の請求項15に記載の発明は、軸受
により回転自在に支持される回転軸の、軸受と摺接する
端面及び円周面に、スパッタリング装置により硬質炭素
膜を形成する回転軸への成膜方法であって、回転軸の円
周面がスパッタリング装置の蒸発源と対向し、回転軸が
ほぼその軸心を中心に回転自在となるように配置し、回
転軸の前記端面から間隔をおいて補助電極を配置する第
1の工程と、真空槽内を真空にした後、炭素を含むガ
ス、及び不活性ガスを真空槽内に導入して混合状態とす
る第2の工程と、回転軸を回転させながら、前記真空槽
内にプラズマを発生させると同時に、前記回転軸の端面
と前記補助電極との間に電圧を印加させることにより、
回転軸の前記端面と円周面とに硬質炭素膜を同時に形成
する第3の工程とを有することを特徴とする。
【0039】この成膜方法により、回転軸の円周面への
硬質炭素膜の成膜については、真空槽内にプラズマを発
生させ蒸発源からスパッタされた成膜粒子を成膜するこ
とができ、また、回転軸の端面への硬質炭素膜の成膜に
ついては、回転軸の端面と補助電極との間に電界を発生
させることで、蒸発源からスパッタされた成膜粒子は、
回転軸の端面と補助電極との間を通過すると、イオンの
飛行軌道が回転軸の端面方向に引き寄せられ成膜する。
よって、回転軸の円周面だけでなく端面にも膜厚が均一
で硬度や密着性の高い硬質炭素膜を良好に形成すること
ができる。
【0040】以下、本発明の実施の形態を図面に基づき
説明する。なお、成膜対象物としての回転軸は、一方の
端面と円周面とが摺接した状態で軸受に回転自在に支持
されるものであり、これらの軸受と回転軸とによりすべ
り軸受を構成して使用される。また、従来の成膜方法に
用いた成膜装置の各構成要素とほぼ同機能のものには同
符号を付す。
【0041】まず、本発明の請求項1に対応する実施の
形態を説明する。図1は本発明の実施の形態にかかる回
転軸への成膜方法を実施するための成膜装置を概略的に
示すものである。
【0042】成膜装置は、内部を真空にするための排気
口12と内部にガスを導入するガス導入口11とを有す
る真空槽13と、真空槽13内に配設され、成膜粒子を
放出するスパッタリング装置の蒸発源15と、成膜対象
物としての回転軸10を端面(摺接する側の端面)10
aがスパッタリング装置の蒸発源15と対向するように
配置する回転軸支持手段としてのワークホルダ(図示せ
ず)と、回転軸10の円周面10bの周囲に所定間隔を
おいて配置されて、接地電位と接続され、回転軸10の
円周面10bとの間にプラズマを発生させる円筒形状の
補助電極14とを備えている。成膜時に回転軸10はバ
イアス電圧電源16に接続される。なお、蒸発源15と
してはカーボンが用いられる。また、17は蒸発源15
が接続されているスパッタ電源である。
【0043】図1に示すように、内部に蒸発源15を備
えた真空槽13内において、回転軸10を、その端面1
0aが蒸発源15と対向するように配置する。回転軸1
0はバイアス電圧電源16に接続し、回転軸10の円周
面10bの周囲に、所定の距離をおいて接地電位と接続
された補助電極14を設置する。
【0044】そして、真空槽13内を真空度が110-5
Torrになるように、排気口12から排気する。その
後、ガス導入口11からアルゴンガスと炭素を含むガス
とを所定の比率で混合して導入し、真空度を3.010
-3Torrになるように制御する。このとき、炭素を含
むガスとしてアセチレンガスやメタンガスやベンゼンガ
ス等を用いる。
【0045】その後、回転軸10にバイアス電圧電源1
6から、負電位にして約50〜2000Vを印加し、蒸
発源15にスパッタ電源17を印可し、回転軸10の端
面10aに対しては、真空槽13内に蒸発源15と回転
軸10の端面10aとの間にプラズマを発生させ、この
プラズマ内で蒸発源15からスパッタされた成膜粒子を
イオン化させて成膜する。また、回転軸10の円周面1
0bに対しては、回転軸10の円周面10bと補助電極
14との間にプラズマを発生させる。蒸発源15からス
パッタされた成膜粒子は、回転軸10の円周面10bと
補助電極14との間のプラズマ中に入るとイオン化さ
れ、円周面10bに成膜する。よって、円周面10bに
も端面10aと同様な硬質炭素膜の成膜が可能となり、
膜質、硬度、密着性、膜厚がそれぞれ均一化された硬質
炭素膜を良好に形成することができる。
【0046】次に、本発明の請求項2に対応する実施の
形態を説明する。図2は本発明の実施の形態にかかる回
転軸への成膜方法を実施するための成膜装置を概略的に
示すものである。
【0047】この実施の形態における成膜装置において
は、上記実施の形態におけるスパッタリング装置に代え
てイオンプレーティング装置が設けられている。そし
て、イオンプレーティング装置の陽極22に対して、回
転軸10の端面10aが対向するように回転軸10がワ
ークホルダ(図示せず)に配置されている。なお、1
8、19はイオンプレーティング装置のフィラメント及
びフィラメント電源である。
【0048】図2に示すように、内部に陽極22を備え
た真空槽13内において、回転軸10をその端面10a
が陽極22と対向するように配置する。回転軸10はバ
イアス電圧電源16に接続され、回転軸10の円周面1
0bの周囲に所定の距離をおいて接地電位と接続された
補助電極14を設置する。
【0049】そして、真空槽13内を真空度が110-5
Torrになるように、排気口12から排気する。その
後、ガス導入口11からアルゴンガスと炭素を含むガス
を所定の比率に混合して導入し、真空度を1×10-2
orr以下になるように制御する。このとき、炭素を含
むガスとしてアセチレンガスやメタンガスやベンゼンガ
ス等を用いる。
【0050】その後、回転軸10にバイアス電圧電源1
6から、負電位にして約2000〜5000Vを印加
し、陽極22に電圧を印可し、回転軸10の端面10a
に対しては、真空槽13内に陽極22と回転軸10の端
面10aとの間にプラズマを発生させ、このプラズマ内
で成膜粒子をイオン化させて成膜する。また、回転軸1
0の円周面10bに対しては、回転軸10の円周面10
bと補助電極14との間にプラズマを発生させ、成膜粒
子が回転軸10の円周面10bと補助電極14との間の
プラズマ中に入るとイオン化され、円周面10bに硬質
炭素膜が成膜される。これにより上記実施の形態と同等
の効果が得られる。
【0051】次に、本発明の請求項3、請求項4に対応
する実施の形態を説明する。図3、図4は本発明の実施
の形態にかかる複数の回転軸への成膜方法を実施するた
めの成膜装置を概略的に示すものである。
【0052】図3に示す成膜装置においては、複数の回
転軸10をその端面10aが蒸発源15と対向するよう
に配置し、各回転軸10の円周面10bの周囲に、間隔
をおいて補助電極14をそれぞれ配置している。
【0053】図3に示すように、複数の回転軸10に対
して同時に成膜する場合、回転軸10に負電圧を印加
し、各回転軸10の円周面10bの周囲に、接地電位と
接続された補助電極14を設置する。このように、各回
転軸10に対応してそれぞれ補助電極14を設置するこ
とで、従来の場合のような等電位同士が対向している空
間がなくなるため、各回転軸10の円周面10b付近に
プラズマが良好に発生し、各回転軸10の端面10a及
び円周面10bに良好に硬質炭素膜を形成できる。
【0054】図4に示す成膜装置においては、複数の回
転軸10をその端面10aがイオンプレーティング装置
の電極22と対向するように配置し、各回転軸10の円
周面10bの周囲に間隔をおいて補助電極14をそれぞ
れ配置している。
【0055】この場合においても、図4に示すように、
複数の回転軸10に対して同時に成膜する場合、回転軸
10に負電圧を印加し、各回転軸10の円周面10bの
周囲に、接地電位と接続された補助電極14を設置す
る。このように、各回転軸10に対応してそれぞれ補助
電極14を設置することで、従来の場合のような等電位
同士が対向している空間がなくなるため、各回転軸10
の円周面10b付近にプラズマが良好に発生し、各回転
軸10の端面10a及び円周面10bに良好に硬質炭素
膜を形成できる。
【0056】また、上記の実施の形態において、回転軸
10に硬質炭素膜を成膜する前に、イオンクリーニング
(ボンバード)を回転軸10や真空槽13内の洗浄とし
て用いると、回転軸10に対する硬質炭素膜の密着性を
向上させることができる。このように、回転軸10の端
面10aおよび円周面10bにイオンクリーニングを行
う場合を、図5を用いて説明する。
【0057】図5に示すように、スパッタリング装置を
有する成膜装置でイオンクリーニングを行う場合は、内
部に蒸発源15とフィラメント18を備えた真空槽13
内において、回転軸10の端面10aが蒸発源15と対
向するように配置する。回転軸10はバイアス電圧電源
16に接続する。また、回転軸10の円周面10bの周
囲に、所定の距離をおいて接地電位と接続された補助電
極14を設置する。そして、真空槽13内を真空度が1
10-5Torrになるように、排気口12から排気す
る。その後、ガス導入口11からアルゴンガスのみを導
入して真空度を3.010-3Torrになるように制御
する。
【0058】その後、回転軸10にはバイアス電圧電源
16から、負電位にして約50〜2000Vを印加し、
フィラメント電源19からフィラメント18に電圧を印
可し、回転軸10の端面10aに対しては、真空槽13
内にフィラメント18と回転軸10の端面10aとの間
にプラズマを発生させ、アルゴンガスをイオン化させて
イオンクリーニングを行う。また、回転軸10の円周面
10bに対しては、回転軸10の円周面10bと補助電
極14との間にプラズマを発生させ、アルゴンガスをイ
オン化させてイオンクリーニングを行う。
【0059】また、イオンプレーティング装置を有する
成膜装置でイオンクリーニングを行う場合においても、
ガス導入口11からアルゴンガスのみを導入することに
より、同様な作用効果が得られる。
【0060】なお、図1〜図5に示す各実施の形態にお
いて、補助電極14は回転軸10の円周面10bより離
れていればよいが、補助電極14と回転軸10の円周面
10bとの最も好ましい離間距離は、4〜10mm程度
である。また、この補助電極14はステンレス等の金属
材料で作成することが好ましい。
【0061】次に、本発明の請求項5に対応する実施の
形態を説明する。図6は本発明の他の実施の形態にかか
る回転軸への成膜方法を実施するための成膜装置を概略
的に示すものである。
【0062】成膜装置は、内部を真空にするための排気
口12と内部にガスを導入するガス導入口11とを有す
る真空槽13と、真空槽13内に配設され、成膜粒子を
放出するスパッタリング装置の蒸発源15と、成膜対象
物としての回転軸10を、その軸心を中心に回転自在に
支持し、円周面10bがスパッタリング装置の蒸発源1
5と対向するように配置する回転軸支持手段としてのワ
ークホルダ(図示せず)と、回転軸10の端面10aの
周囲に所定間隔をおいて配置されて、接地電位と接続さ
れ、回転軸10の端面10aとの間にプラズマを発生さ
せる円板形状の補助電極20とを備えている。成膜時に
回転軸10はバイアス電圧電源16に接続される。な
お、蒸発源15としてはカーボンが用いられる。また、
17は蒸発源15が接続されているスパッタ電源であ
る。
【0063】図6に示すように、内部に蒸発源15を備
えた真空槽13内において、回転軸10は、その円周面
10bが蒸発源15と対向するように配置されて回転さ
れる。回転軸10はバイアス電圧電源16に接続され、
回転軸10の端面から所定の距離をおいて、接地電位と
接続された補助電極14を設置する。
【0064】そして、真空槽13内を真空度が110-5
Torrになるように、排気口12から排気する。その
後、ガス導入口11からアルゴンガスと炭素を含むガス
を所定の比率に混合して導入し、真空度を3.010-3
Torrになるように制御する。このとき、炭素を含む
ガスとしてアセチレンガスやメタンガスやベンゼンガス
等を用いる。
【0065】その後、回転軸10にバイアス電圧電源1
6から、負電位にして約50〜2000Vを印加し、蒸
発源15にスパッタ電源17を印可し、回転軸10の円
周面10bに対しては、真空槽13内に蒸発源15と回
転軸10の円周面10bとの間にプラズマを発生させ、
蒸発源15からスパッタされた成膜粒子を蒸発源15と
回転軸10の円周面10bとの間のプラズマ内でイオン
化させて成膜する。また、回転軸10の端面10aに対
しては、回転軸10の端面10aと補助電極14との間
にプラズマを発生させる。蒸発源15からスパッタされ
た成膜粒子は、回転軸10の端面10aと補助電極14
との間のプラズマ中に入るとイオン化され、端面10a
に成膜する。よって、端面10aにも円周面10bと同
様な硬質炭素膜の成膜が可能となり、膜質、硬度、密着
性、膜厚がそれぞれ均一化された硬質炭素膜を良好に形
成することができる。
【0066】次に、本発明の請求項6に対応する実施の
形態を説明する。図7は本発明の実施の形態にかかる回
転軸への成膜方法を実施するための成膜装置を概略的に
示すものである。
【0067】この実施の形態における成膜装置において
は、上記図6に示した実施の形態におけるスパッタリン
グ装置に代えてイオンプレーティング装置が設けられて
いる。そして、イオンプレーティング装置の陽極22
に、回転軸10がその円周面10bが対向するように回
転自在に配置されている。なお、18、19はイオンプ
レーティング装置のフィラメント及びフィラメント電源
である。
【0068】図7に示すように、内部に陽極22を備え
た真空槽13内において、回転軸10をその円周面10
bが陽極22と対向するように配置する。回転軸10は
バイアス電圧電源16に接続され、回転軸10の端面1
0aから所定の距離をおいて、接地電位と接続された補
助電極20を設置する。
【0069】そして、真空槽13内を真空度が110-5
Torrになるように、排気口12から排気する。その
後、ガス導入口11からアルゴンガスと炭素を含むガス
を所定の比率で混合して導入し、真空度を1×10-2
orr以下になるように制御する。このとき、炭素を含
むガスとしてアセチレンガスやメタンガスやベンゼンガ
ス等を用いる。
【0070】その後、回転軸10をその軸心を中心に回
転させながら、回転軸10にバイアス電圧電源16か
ら、負電位にして約2000〜5000Vを印加し、陽
極22に電圧を印可し、回転軸10の円周面10bに対
しては、真空槽13内に陽極22と回転軸10の円周面
10bとの間にプラズマを発生させ、このプラズマ内で
成膜粒子をイオン化させて成膜する。また、回転軸10
の端面10aに対しては、回転軸10の端面10aと補
助電極14との間にプラズマを発生させ、成膜粒子は回
転軸10の端面10aと補助電極14との間のプラズマ
中に入るとイオン化され、端面10aに硬質炭素膜を成
膜することにより上記実施の形態と同等の効果が得られ
る。
【0071】次に、本発明の請求項7、請求項8に対応
する実施の形態を説明する。図8、図9は本発明の実施
の形態にかかる複数の回転軸への成膜方法を実施するた
めの成膜装置を概略的に示すものである。
【0072】図8に示す成膜装置においては、複数の回
転軸10をその円周面10bが蒸発源15と対向するよ
うに配置し、各回転軸10の端面10aから間隔をおい
て補助電極20をそれぞれ配置している。
【0073】図8に示すように、複数の回転軸10に対
して同時に成膜する場合、回転軸10をその軸心を中心
に回転させながら、回転軸10に負電圧を印加し、各回
転軸10の端面10aに対向させて、接地電位と接続さ
れた補助電極20を設置する。このように、各回転軸1
0に対応してそれぞれ補助電極20を設置することで、
従来の場合のような等電位同士が対向している空間がな
くなるため、各回転軸10の端面10a付近にプラズマ
が良好に発生し、各回転軸10の端面10a及び円周面
10bに良好に硬質炭素膜を形成できる。
【0074】図9に示す成膜装置においては、複数の回
転軸10をその円周面10bがイオンプレーティング装
置の電極22と対向するように配置し、各回転軸10の
端面10aから間隔をおいて補助電極20をそれぞれ配
置している。
【0075】この場合においても、図9に示すように、
複数の回転軸10に対して同時に成膜する場合、回転軸
10に負電圧を印加し、各回転軸10の端面10aに対
向させて、接地電位と接続された補助電極14を設置す
る。このように、各回転軸10に対応してそれぞれ補助
電極20を設置することで、従来の場合のような等電位
同士が対向している空間がなくなるため、各回転軸10
の端面10a付近にプラズマが良好に発生し、各回転軸
10の端面10a及び円周面10bに良好に硬質炭素膜
を形成できる。
【0076】また、上記の図6〜図9に示す各実施の形
態においても、回転軸10に硬質炭素膜を成膜する前
に、イオンクリーニング(ボンバード)を回転軸10や
真空槽13内の洗浄として用いると、回転軸10に対す
る硬質炭素膜の密着性の向上を図ることができる。
【0077】図10に示すように、スパッタリング装置
を有する成膜装置で回転軸10の端面10aと円周面1
0bとにイオンクリーニングを行う場合には、内部に蒸
発源15とフィラメント18を備えた真空槽13内にお
いて、回転軸10の円周面10bが蒸発源15と対向す
るように配置する。回転軸10はバイアス電圧電源16
に接続する。また、回転軸10の端面10aから所定の
距離をおいて、接地電位と接続された補助電極20を設
置する。そして、真空槽13内を真空度が110-5To
rrになるように、排気口12から排気する。その後、
ガス導入口11からアルゴンガスのみを導入して真空度
を3.010-3Torrになるように制御する。
【0078】その後、回転軸10をその軸心を中心に回
転させながら、回転軸10にバイアス電圧電源16か
ら、負電位にして約50〜2000Vを印加し、フィラ
メント電源19からフィラメント18に電圧を印可し、
回転軸10の円周面10bに対しては、真空槽13内に
フィラメント18と回転軸10の円周面10bとの間に
プラズマを発生させ、アルゴンガスをイオン化させてイ
オンクリーニングを行う。また、回転軸10の端面10
aに対しては、回転軸10の端面10aと補助電極20
との間にプラズマを発生させ、アルゴンガスをイオン化
させてイオンクリーニングを行う。
【0079】また、イオンプレーティング装置を有する
成膜装置でイオンクリーニングを行う場合においても、
ガス導入口11からアルゴンガスのみを導入することに
より、同様な作用効果が得られる。
【0080】なお、図6〜図10に示す各実施の形態に
おいても、補助電極20は回転軸10の端面10aより
離れていればよいが、補助電極20と回転軸の端面10
aとの最も好ましい離間距離は、4〜10mm程度であ
る。また、この補助電極20はステンレス等の金属材料
で作成ことが好ましい。
【0081】次に、本発明の請求項9に対応する実施の
形態を説明する。この実施の形態では、図1に示した成
膜装置を使用して、回転軸10の端面10aと円周面1
0bとに、まず中間層を形成した後に、硬質炭素膜を形
成する。つまり、硬質炭素膜は金属材に対して、密着性
が悪く、特にすべり軸受の加工性の面から回転軸10と
してはアルミニウム、真鍮、ステンレス等を用いてお
り、これらの金属は硬質炭素膜との密着性の良好でない
ものが多いため、回転軸10への中間層膜の成膜方法を
用いて、回転軸10の材質と密着性の良い中間層を形成
し、その後、硬質炭素膜を成膜するものである。ここ
で、中間層としては、例えばチタン、クロム、タングス
テン、シリコンなどが適している。
【0082】以下にこの成膜方法の手順を説明する。図
1に示すように、まず、内部に蒸発源15を備えた真空
槽13内において、回転軸10を、その端面10aが蒸
発源15と対向するように配置し、蒸発源15として上
述した中間層材料を用いる。回転軸10はバイアス電圧
電源16に接続し、回転軸10の円周面10bの周囲
に、所定の距離をおいて接地電位と接続された補助電極
14を設置する。なお、中間層材料としてはチタン、ク
ロム、タングステン、シリコンの少なくとも一部を含む
材量を用いてもよく、また、補助電極14として中間層
材料を用いてもよい。
【0083】そして、真空槽13内を真空度が110-5
Torrになるように、排気口12から排気する。その
後、ガス導入口11からアルゴンガスのみを導入して真
空度を3.010-3Torrになるように制御する。
【0084】その後、回転軸10にバイアス電圧電源1
6から、負電位にして約50〜2000Vを印加し、中
間層材料の蒸発源15にスパッタ電源17を印可し、回
転軸10の端面10aに対しては、真空槽13内に蒸発
源15と回転軸10の端面10aとの間にプラズマを発
生させ、中間層材料の蒸発源15からスパッタされた成
膜粒子を蒸発源15と回転軸10の端面10aとの間の
プラズマ内でイオン化させて中間層を成膜する。また、
回転軸10の円周面10bに対しては、回転軸10の円
周面10bと補助電極14との間にプラズマを発生させ
る。蒸発源15からスパッタされた中間層材質の成膜粒
子は、回転軸10の円周面10bと補助電極14との間
のプラズマ中に入るとイオン化され、円周面10bに成
膜する。よって、円周面10bにも端面10aと同様な
中間層の成膜が可能となる。
【0085】この後、真空状態を保持したまま、蒸発源
15として中間層に代えてカーボンに置き換え、同様の
手順(但し、この際には真空槽13にアルゴンガスと炭
素を含むガスを所定の比率で導入して成膜する)で、端
面10a及び円周面10bに中間層が形成された回転軸
10に対して硬質炭素を成膜する。これによれば、回転
軸10の材質と密着性の良い中間層を介して硬質炭素膜
が成膜されるため、中間層を成膜しない場合に比べて密
着性が向上する。
【0086】また、図6に示すように、真空槽13内に
回転軸10をその軸心を中心に円周方向に回転する機構
を有するワークホルダー(図示せず)を設置し、回転軸
10の円周面10bが中間層材料の蒸発源15と対向す
るように配置し、回転軸10をバイアス電圧電源16に
接続し、回転軸10の端面10aから所定の距離をおい
て補助電極20を設置し、同様に回転軸10の端面10
a及び円周面10bに中間層を成膜し、その後、硬質炭
素膜を成膜しても同様の作用効果が得られる。
【0087】また、図2や図7に示すようなイオンプレ
ーティング装置を用いて、真空槽13内に陽極22とし
ても機能する中間層材量の蒸発源を設置し、前記蒸発源
に正電位を印可することにより、スパッタリング装置と
同様に中間層膜の成膜、及び硬質炭素膜を成膜を行うこ
とも可能である。
【0088】この場合の補助電極14、20は回転軸1
0の端面10aまたは円周面10bより離れていればよ
いが、補助電極14、20と回転軸10の端面10aま
たは円周面10bとの最も好ましい離間距離は、4〜1
0mm程度である。また、この補助電極14、20は、
中間層を成膜する際には中間層材料を用い、硬質炭素膜
を成膜する際にはステンレス等の金属材料を用いること
が好ましいが、中間層および硬質炭素膜との何れをも成
膜する際に同じステンレス等の金属材料を用いたり、同
じ中間層材料のものを用いたりしてもよく、この場合に
は補助電極14、20を交換する手間を省くことができ
て、作業性が向上する。
【0089】また、中間層や硬質炭素膜等を成膜する前
に、回転軸10や真空槽13内の洗浄としてイオンクリ
ーニングを用いることにより、密着性の向上を図っても
よい。
【0090】次に、本発明の請求項11、12に対応す
る実施の形態を説明する。この実施の形態では、図1や
図6に示した成膜装置を使用して、硬質炭素膜を形成す
る。図1に示すように、スパッタリング装置を用いて成
膜する場合には、内部に蒸発源15を備えた真空槽13
内において、回転軸10をその端面10aが蒸発源15
と対向するように配置する。回転軸10はバイアス電圧
電源16に接続し、回転軸10の円周面10bの周囲
に、所定の距離をおいて接地電位と接続された補助電極
14を設置する。
【0091】そして、真空槽13内を真空度が110-5
Torrになるように、排気口12から排気する。その
後、ガス導入口11からアルゴンガスと炭素を含むガス
を所定の比率に混合して導入し、真空度が3.010-3
Torrになるように制御する。このとき、炭素を含む
ガスとしてアセチレンガスやメタンガスやベンゼンガス
等を用いる。
【0092】その後、回転軸10にはバイアス電圧電源
16から、負電位にして約50〜2000Vを印加し、
蒸発源15にはスパッタ電源17を印可し、回転軸10
の端面10aに対しては、真空槽13内に蒸発源15と
回転軸10の端面10aとの間にプラズマを発生させ、
蒸発源15からスパッタされた成膜粒子を蒸発源15と
回転軸10の端面10aとの間のプラズマ内でイオン化
させて成膜する。また、回転軸10の円周面10bに対
しては、回転軸10の円周面10bと補助電極14との
間に電界を発生させる。蒸発源15からスパッタされた
成膜粒子は、回転軸10の円周面10bと補助電極14
との間の電界を通過すると、イオンの飛行軌道が回転軸
10の円周面10b方向に引き寄せられて成膜する。よ
って、円周面10bにも端面10aと同様な硬質炭素膜
の成膜が可能となり、膜質、硬度、密着性、膜厚がそれ
ぞれ均一化されて良好に成膜することができる。
【0093】また、図6に示すように、真空槽13内に
回転軸10をその軸心を中心に円周方向に回転する機構
を有するワークホルダー(図示せず)を設置し、回転軸
10の円周面10bが中間層材量の蒸発源15と対向す
るように配置し、回転軸10をバイアス電圧電源16に
接続し、回転軸10の端面10aから所定の距離をおい
て補助電極14を設置して、回転軸10の円周面10b
と補助電極14との間に電界を発生させて硬質炭素膜を
成膜しても同様の作用効果が得られる。
【0094】また、硬質炭素膜等を成膜する前に、回転
軸10や真空槽13内の洗浄としてイオンクリーニング
を用いることにより、密着性の向上を図ってもよい。ま
た、上記各実施の形態においては、補助電極に接地電位
を接続する場合を述べたが、これに限るものではない。
【0095】
【発明の効果】従来の技術で述べたように、回転軸の端
面と円周面とは方向が異なるため、従来、2面同時に成
膜を行った場合には、密着性・硬度・膜厚が均一になら
ず、これを避けようとして、回転軸の片面ずつの成膜を
行うことで、量産性の高い、低コストな成膜はできなか
った。
【0096】しかしながら、以上のように本発明によれ
ば、蒸発源と対向している回転軸の面への硬質炭素膜の
成膜は真空槽内にプラズマを発生させて蒸発源から放出
された成膜粒子をイオン化させ成膜を行い、また、補助
電極を設けることにより、蒸発源と対向していない回転
軸の面と補助電極との間にプラズマを発生させて、蒸発
減から放出された成膜粒子を蒸発源と対向していない回
転軸の面と補助電極との間のプラズマ内でイオン化させ
る。これにより、蒸発源と対向している回転軸の面だけ
でなく蒸発源と対向していない回転軸の面にも膜厚が均
一で密着性の高い薄膜が得られる。
【0097】また、複数の回転軸を配置した場合でも、
補助電極を設けることにより、等電位の部位同士の対向
する空間がなくなるため、蒸発源と対向している回転軸
の面だけでなく蒸発源と対向していない回転軸の面にも
膜厚が均一で密着性の高い薄膜が得られるという有利な
効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における回転軸への成膜方法
を行う成膜装置を示す図である。
【図2】本発明の実施形態における回転軸への成膜方法
を行う成膜装置を示す図である。
【図3】本発明の実施形態における回転軸への成膜方法
を行う成膜装置を示す図である。
【図4】本発明の実施形態における回転軸への成膜方法
を行う成膜装置を示す図である。
【図5】本発明の実施形態における回転軸への成膜方法
を行う成膜装置を示す図である。
【図6】本発明の実施形態における回転軸への成膜方法
を行う成膜装置を示す図である。
【図7】本発明の実施形態における回転軸への成膜方法
を行う成膜装置を示す図である。
【図8】本発明の実施形態における回転軸への成膜方法
を行う成膜装置を示す図である。
【図9】本発明の実施形態における回転軸への成膜方法
を行う成膜装置を示す図である。
【図10】本発明の実施形態における回転軸への成膜方
法を行う成膜装置を示す図である。
【図11】従来技術における回転軸への成膜方法を行う
成膜装置を示す断面図である。
【図12】(a)および(b)はそれぞれ従来技術にお
ける回転軸への成膜方法を行う成膜装置の要部を示す断
面図である。
【図13】従来技術における回転軸への成膜方法を行う
成膜装置を示す断面図である。
【符号の説明】
10 回転軸 10a 端面 10b 円周面 13 真空槽 14、20 補助電極 15 蒸発源 16 バイアス電圧電源 17 スパッタ直流電源 18 フィラメント 19 フィラメント電源 22 陽極

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸受により回転自在に支持される回転軸
    の、軸受と摺接する端面及び円周面に、スパッタリング
    装置により硬質炭素膜を形成する回転軸への成膜方法で
    あって、回転軸の前記端面がスパッタリング装置の蒸発
    源と対向するように配置し、回転軸の円周面の周囲に間
    隔をおいて補助電極を配置する第1の工程と、真空槽内
    を真空にした後、炭素を含むガス、及び不活性ガスを真
    空槽内に導入して混合状態とする第2の工程と、前記真
    空槽内にプラズマを発生させると同時に、前記回転軸の
    円周面と前記補助電極との間にプラズマを発生させるこ
    とにより、回転軸の前記端面と円周面とに硬質炭素膜を
    同時に形成する第3の工程とを有することを特徴とする
    回転軸への成膜方法。
  2. 【請求項2】 軸受により回転自在に支持される回転軸
    の、軸受と摺接する端面及び円周面に、イオンプレーテ
    ィング装置により硬質炭素膜を形成する回転軸への成膜
    方法であって、回転軸の前記端面がイオンプレーティン
    グ装置の陽極と対向するように配置し、回転軸の円周面
    の周囲に間隔をおいて補助電極を配置する第1の工程
    と、真空槽内を真空にした後、炭素を含むガス、及び不
    活性ガスを真空槽内に導入して混合状態とする第2の工
    程と、前記真空槽内にプラズマを発生させると同時に、
    前記回転軸の円周面と前記補助電極との間にプラズマを
    発生させることにより、回転軸の前記端面と円周面とに
    硬質炭素膜を同時に形成する第3の工程とを有すること
    を特徴とする回転軸への成膜方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の回転軸への成膜方法にお
    ける第1工程において、複数の回転軸をその端面が蒸発
    源と対向するように配置し、各回転軸の円周面の周囲に
    間隔をおいて補助電極をそれぞれ配置したことを特徴と
    する回転軸への成膜方法。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の回転軸への成膜方法にお
    ける第1工程において、複数の回転軸をその端面がイオ
    ンプレーティング装置の陽極と対向するように配置し、
    各回転軸の円周面の周囲に間隔をおいて補助電極をそれ
    ぞれ配置したことを特徴とする回転軸への成膜方法。
  5. 【請求項5】 軸受により回転自在に支持される回転軸
    の、軸受と摺接する端面及び円周面に、スパッタリング
    装置により硬質炭素膜を形成する回転軸への成膜方法で
    あって、回転軸の円周面がスパッタリング装置の蒸発源
    と対向し、回転軸がほぼその軸心を中心に回転自在とな
    るように配置し、回転軸の前記端面から間隔をおいて補
    助電極を配置する第1の工程と、真空槽内を真空にした
    後、炭素を含むガス、及び不活性ガスを真空槽内に導入
    して混合状態とする第2の工程と、回転軸を回転させな
    がら、前記真空槽内にプラズマを発生させると同時に、
    前記回転軸の端面と前記補助電極との間にプラズマを発
    生させることにより、回転軸の前記端面と円周面とに硬
    質炭素膜を同時に形成する第3の工程とを有することを
    特徴とする回転軸への成膜方法。
  6. 【請求項6】 軸受により回転自在に支持される回転軸
    の、軸受と摺接する端面及び円周面に、イオンプレーテ
    ィング装置により硬質炭素膜を形成する回転軸への成膜
    方法であって、回転軸の円周面がイオンプレーティング
    装置の陽極と対向し、回転軸がほぼその軸心を中心に回
    転自在となるように配置し、回転軸の前記端面から間隔
    をおいて補助電極を配置する第1の工程と、真空槽内を
    真空にした後、炭素を含むガス、及び不活性ガスを真空
    槽内に導入して混合状態とする第2の工程と、回転軸を
    回転させながら、前記真空槽内にプラズマを発生させる
    と同時に、前記回転軸の端面と前記補助電極との間にプ
    ラズマを発生させることにより、回転軸の前記端面と円
    周面とに硬質炭素膜を同時に形成する第3の工程とを有
    することを特徴とする回転軸への成膜方法。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の回転軸への成膜方法にお
    ける第1工程において、複数の回転軸を、その円周面が
    蒸発源と対向し、各回転軸がほぼその軸心を中心に回転
    自在となるように配置し、各回転軸の前記端面から間隔
    をおいて補助電極をそれぞれ配置したことを特徴とする
    回転軸への成膜方法。
  8. 【請求項8】 請求項6記載の回転軸への成膜方法にお
    ける第1工程において、複数の回転軸をその円周面がイ
    オンプレーティング装置の陽極と対向し、各回転軸がほ
    ぼその軸心を中心に回転自在となるように配置し、各回
    転軸の前記端面から間隔をおいて補助電極をそれぞれ配
    置したことを特徴とする回転軸への成膜方法。
  9. 【請求項9】 軸受により回転自在に支持される回転軸
    の、軸受と摺接する端面及び円周面に、スパッタリング
    装置により中間層を介して硬質炭素膜を形成する回転軸
    への成膜方法であって、スパッタリング装置の蒸発源と
    して炭素を含む材料、及び中間層材料を配設し、回転軸
    の前記端面がスパッタリング装置の前記中間層材料の蒸
    発源と対向するように配置し、回転軸の円周面の周囲に
    間隔をおいて補助電極を配置する第1の工程と、真空槽
    内を真空にした後、不活性ガスを真空槽内に導入する第
    2の工程と、前記真空槽内にプラズマを発生させると同
    時に、前記回転軸の円周面と前記補助電極との間にプラ
    ズマを発生させることにより、回転軸の前記端面と円周
    面とに中間層を同時に形成する第3の工程と、その後、
    真空状態を保持し、回転軸の前記端面がスパッタリング
    装置の前記炭素を含む材料の蒸発源と対向するように再
    配置する第4の工程と、その後、炭素を含むガス、及び
    不活性ガスを真空槽内に導入して混合状態とする第5の
    工程と、前記真空槽内にプラズマを発生させると同時
    に、前記回転軸の円周面と前記補助電極との間にプラズ
    マを発生させることにより、回転軸の前記端面と円周面
    とに硬質炭素膜を同時に形成する第6の工程とを有する
    ことを特徴とする回転軸への成膜方法。
  10. 【請求項10】 軸受により回転自在に支持される回転
    軸の、軸受と摺接する端面及び円周面に、イオンプレー
    ティング装置により中間層を介して硬質炭素膜を形成す
    る回転軸への成膜方法であって、イオンプレーティング
    装置の蒸発源としても機能する陽極に炭素を含む材料、
    及び中間層材料を配設し、回転軸の前記端面がイオンプ
    レーティング装置の前記中間層材料の陽極と対向するよ
    うに配置し、回転軸の円周面の周囲に間隔をおいて補助
    電極を配置する第1の工程と、真空槽内を真空にした
    後、不活性ガスを真空槽内に導入する第2の工程と、前
    記真空槽内にプラズマを発生させると同時に、前記回転
    軸の円周面と前記補助電極との間にプラズマを発生させ
    ることにより、回転軸の前記端面と円周面とに中間層を
    同時に形成する第3の工程と、その後、真空状態を保持
    し、回転軸の前記端面がイオンプレーティング装置の前
    記炭素を含む材料の陽極と対向するように再配置する第
    4の工程と、その後、炭素を含むガス、及び不活性ガス
    を真空槽内に導入して混合状態とする第5の工程と、前
    記真空槽内にプラズマを発生させると同時に、前記回転
    軸の円周面と前記補助電極との間にプラズマを発生させ
    ることにより、回転軸の前記端面と円周面とに硬質炭素
    膜を同時に形成する第6の工程とを有することを特徴と
    する回転軸への成膜方法。
  11. 【請求項11】 軸受により回転自在に支持される回転
    軸の、軸受と摺接する端面及び円周面に、スパッタリン
    グ装置により中間層を介して硬質炭素膜を形成する回転
    軸への成膜方法であって、スパッタリング装置の蒸発源
    として炭素を含む材料、及び中間層材料を配設し、回転
    軸の前記円周面がスパッタリング装置の前記中間層材料
    の蒸発源と対向し、回転軸がほぼその軸心を中心に回転
    自在となるように配置し、回転軸の前記端面から間隔を
    おいて補助電極を配置する第1の工程と、真空槽内を真
    空にした後、不活性ガスを真空槽内に導入する第2の工
    程と、前記真空槽内にプラズマを発生させると同時に、
    回転軸の前記端面と前記補助電極との間にプラズマを発
    生させることにより、回転軸の前記端面と円周面とに中
    間層を同時に形成する第3の工程と、その後、真空状態
    を保持し、回転軸の前記円周面がスパッタリング装置の
    前記炭素を含む材料の蒸発源と対向するように再配置す
    る第4の工程と、その後、炭素を含むガス、及び不活性
    ガスを真空槽内に導入して混合状態とする第5の工程
    と、前記真空槽内にプラズマを発生させると同時に、回
    転軸の前記端面と前記補助電極との間にプラズマを発生
    させることにより、回転軸の前記端面と円周面とに硬質
    炭素膜を同時に形成する第6の工程とを有することを特
    徴とする回転軸への成膜方法。
  12. 【請求項12】 軸受により回転自在に支持される回転
    軸の、軸受と摺接する端面及び円周面に、イオンプレー
    ティング装置により中間層を介して硬質炭素膜を形成す
    る回転軸への成膜方法であって、イオンプレーティング
    装置の蒸発源としても機能する陽極に炭素を含む材料、
    及び中間層材料を配設し、回転軸の前記円周面がイオン
    プレーティング装置の前記中間層材料の陽極と対向し、
    回転軸がほぼその軸心を中心に回転自在となるように配
    置し、回転軸の前記端面から間隔をおいて補助電極を配
    置する第1の工程と、真空槽内を真空にした後、不活性
    ガスを真空槽内に導入する第2の工程と、前記真空槽内
    にプラズマを発生させると同時に、回転軸の前記端面と
    前記補助電極との間にプラズマを発生させることによ
    り、回転軸の前記端面と円周面とに中間層を同時に形成
    する第3の工程と、その後、真空状態を保持し、回転軸
    の前記円周面がイオンプレーティング装置の前記炭素を
    含む材料の陽極と対向するように再配置する第4の工程
    と、その後、炭素を含むガス、及び不活性ガスを真空槽
    内に導入して混合状態とする第5の工程と、前記真空槽
    内にプラズマを発生させると同時に、回転軸の前記端面
    と前記補助電極との間にプラズマを発生させることによ
    り、回転軸の前記端面と円周面とに硬質炭素膜を同時に
    形成する第6の工程とを有することを特徴とする回転軸
    への成膜方法。
  13. 【請求項13】 請求項9〜12の何れかに記載の回転
    軸への成膜方法における第1工程において、補助電極と
    して中間層材料を用いていることを特徴とする回転軸へ
    の成膜方法。
  14. 【請求項14】 軸受により回転自在に支持される回転
    軸の、軸受と摺接する端面及び円周面に、スパッタリン
    グ装置により硬質炭素膜を形成する回転軸への成膜方法
    であって、回転軸の前記端面がスパッタリング装置の蒸
    発源と対向するように配置し、回転軸の円周面の周囲に
    間隔をおいて補助電極を配置する第1の工程と、真空槽
    内を真空にした後、炭素を含むガス、及び不活性ガスを
    真空槽内に導入して混合状態とする第2の工程と、前記
    真空槽内にプラズマを発生させると同時に、前記回転軸
    の円周面と前記補助電極との間に電圧を印加させること
    により、回転軸の前記端面と円周面とに硬質炭素膜を同
    時に形成する第3の工程とを有することを特徴とする回
    転軸への成膜方法。
  15. 【請求項15】 軸受により回転自在に支持される回転
    軸の、軸受と摺接する端面及び円周面に、スパッタリン
    グ装置により硬質炭素膜を形成する回転軸への成膜方法
    であって、回転軸の円周面がスパッタリング装置の蒸発
    源と対向し、回転軸がほぼその軸心を中心に回転自在と
    なるように配置し、回転軸の前記端面から間隔をおいて
    補助電極を配置する第1の工程と、真空槽内を真空にし
    た後、炭素を含むガス、及び不活性ガスを真空槽内に導
    入して混合状態とする第2の工程と、回転軸を回転させ
    ながら、前記真空槽内にプラズマを発生させると同時
    に、前記回転軸の端面と前記補助電極との間に電圧を印
    加させることにより、回転軸の前記端面と円周面とに硬
    質炭素膜を同時に形成する第3の工程とを有することを
    特徴とする回転軸への成膜方法。
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