JP2002060542A - ポリエステル廃棄物からの有効成分回収方法 - Google Patents

ポリエステル廃棄物からの有効成分回収方法

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JP2002060542A JP2000247236A JP2000247236A JP2002060542A JP 2002060542 A JP2002060542 A JP 2002060542A JP 2000247236 A JP2000247236 A JP 2000247236A JP 2000247236 A JP2000247236 A JP 2000247236A JP 2002060542 A JP2002060542 A JP 2002060542A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 天然繊維を含むポリエステル廃棄物から、有
効成分としてのEGとDMTとを効率よく回収する手法
を確立すること。 【解決手段】 天然繊維を含有する廃棄されたポリエス
テルを、天然繊維が実質的に溶融及び/又は熱分解しな
い条件下で、ポリアルキレンテレフタレートはEGで解
重合し、天然繊維は固形物として固液分離で除去し、該
固形分離の液側から抜き出したポリアルキレンテレフタ
レートが含まれるEG溶液は、MeOHで処理して、D
MTとEGとを回収する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステル廃棄
物から有効成分を回収する方法に関し、更に詳しくは、
ポリアルキレンテレフタレートと天然繊維とから実質的
になるポリエステル廃棄物から、有効成分としてのテレ
フタル酸ジメチルとエチレングリコールとを効率よく分
離・回収する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアルキレンテレフタレートは、その
化学的安定性が優れていることから、繊維、フイルム、
樹脂などの生活関連資材、飲料水、炭酸飲料用ボトル等
の食品分野等に大量に生産・使用されている。
【0003】しかしながら、生産量、使用量の増大に伴
って大量に発生する、繊維、フィルム、樹脂製品の廃棄
物、規格外品のポリアルキレンテレフタレート(以下、
単にポリエステル廃棄物と略記することもある。)の処
理費用は製品コストにも係わってくるのみならず、これ
らの処理は現在大きな社会問題となっており、そのリサ
イクル方法につき各種の提案がなされている。
【0004】しかしながら、ポリエステル廃棄物を溶融
成形により品質グレードの低いものに転化するマテリア
ルリサイクルは、いわゆる“使い捨て”の状況を大いに
改善してはいるが、得られたリサイクル製品は再度リサ
イクルすると更に品質が低下するために、その用途が限
られ、最終的にポリアルキレンテレフタレートの廃棄を
回避することは困難である。
【0005】また、ポリエステル廃棄物を燃料として用
いる、サーマルリサイクルも行われている。この方法
は、ポリエステル廃棄物の燃焼熱の再利用という利点は
有するが、ポリエステル廃棄物を焼失させることに他な
らないため、ポリアルキレンテレフタレート原料の損失
及び二酸化炭素の発生という問題が有り、省資源及び地
球環境保全の面からは好ましくない。
【0006】他方、上記二種類のリサイクル方法に対し
て、ポリエステル廃棄物をその構成成分へ変換・回収
し、再度重合反応によってポリアルキレンテレフタレー
トを製造し再利用する、ケミカルリサイクルも検討され
ている。
【0007】即ち、回収したポリエステル廃棄物をメタ
ノール(以下、MeOHと略記することがある。)と反
応させ、テレフタル酸ジメチル(以下、DMTと略記す
ることがある。)とアルキレングリコールとして回収す
るケミカルリサイクルは、基本的にロス無く化合物を循
環再使用するので、本来目的とする資源再利用が可能と
なる。
【0008】しかしながら、流通業や家庭から排出され
るポリエステル廃棄物には、樹脂やフィルムの他に、繊
維廃棄物では通常天然繊維との混紡(主に、綿、麻との
混紡)繊維という形で廃棄されることも多い。
【0009】混入した天然繊維はポリエステル廃棄物の
加熱操作・反応操作等の過程で分解し機器類の損傷、悪
臭の発生、その他の問題を生じる恐れがある。さらに分
解物が、回収したDMTとアルキレングリコールの品質
を著しく低下させる恐れもある。このため、上記ケミカ
ルリサイクルにおいて、ポリエステル廃棄物を有効利用
するには、これに含まれる天然繊維を分離する事が必要
である。
【0010】従来、ポリエステル廃棄物の回収方法とし
ては、ポリアルキレンテレフタレートをエチレングリコ
ール(以下、EGと略記することがある。)で解重合
し、次いでMeOHでエステル交換反応させてDMTを
得るという方法がグリコリシス−エステル交換反応法と
して広く知られ、工業的にも実施されている。
【0011】しかしながら、天然繊維の熱分解温度は、
動物繊維が130℃程度、植物繊維が200℃程度と低
いため、通常200〜240℃で実施されている上記グ
リコリシス法では天然繊維の熱分解のために天然繊維を
含むポリアルキレンテレフタレートのケミカルリサイク
ルは、その適用が困難であった。このため、テレフタル
酸ジメチル、パラトルイル酸メチル、イソフタル酸ジメ
チル等の芳香族エステルにポリエステルを溶解分離する
方法(米国特許第5866622号)が提案されている
が、分離性能やコスト的に高くなる等の問題があり、実
質的には天然繊維を含むポリエステル廃棄物は、通常、
他のポリエステル廃棄物とは前処理で選別除去され、ケ
ミカルリサイクルは行われていないのが現状である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
技術が有していた問題点を解決し、天然繊維とポリアル
キレンテレフタレートとから実質的になるポリエステル
廃棄物から、DMTとEGとを効率よく回収する手法を
確立することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の従
来技術に鑑み鋭意検討を行った結果、触媒を使用し、天
然繊維の熱分解等の問題を惹起しない温度でポリエステ
ル廃棄物をEGで解重合すれば、混入している天然繊維
を固形物のまま残せ、簡単に分離回収できる事を見出
し、本発明を完成するに至った。
【0014】すなわち、本発明の目的は、天然繊維とポ
リアルキレンテレフタレートとから実質的に成るポリエ
ステル廃棄物から有効成分を分離回収する方法であっ
て、該廃棄物を下記(a)〜(c)の各工程に逐次的に通過
させて、有効成分としてのテレフタル酸ジメチルとアル
キレングリコールとを分離回収することを特徴とする、
ポリエステル廃棄物からの有効成分回収方法によって達
成することができる。 (a)110〜210℃の温度下、解重合触媒を含むエ
チレングリコール中に、ポリエステル廃棄物を投入する
工程。 (b)工程(a)通過後、天然繊維を固形物の状態で固
液分離して取り出す工程。 (c)工程(b)の残留物に、エステル交換反応触媒と
メタノールとを添加・投入してエステル交換反応を行
い、テレフタル酸ジメチルとエチレングリコールとを得
た後、両者を分離回収する工程。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明が対象としているポリエス
テル廃棄物とは、天然繊維とポリアルキレンテレフタレ
ートとから実質的になる混合物であって、ここで”実質
的に”とは、該天然繊維及びポリアルキレンテレフタレ
ートが、全ポリエステル廃棄物を基準として50wt%
未満であるような場合には、本発明の方法が対象として
いないことをいう。
【0016】本発明の回収方法においては、ポリエステ
ル廃棄物を上述の(a)〜(c)の各工程に逐次的に通
過させることが必要である。以下、各工程について説明
する。
【0017】工程(a)においては、ポリエステル廃棄
物を110〜210℃の温度下、解重合触媒を含むEG
中に投入する必要がある。ここで、該EGの温度が11
0℃未満であると、解重合時間が非常に長くなり効率的
ではなくなる。一方、210℃を越えると天然繊維の熱
分解が顕著になり、回収品の品質を低下させることとな
る。該温度の好ましい範囲は、天然繊維として植物性繊
維を含む場合は140〜190℃、天然繊維として動物
性繊維を含む場合は110〜140℃である。なお、触
媒の添加量については、あまりに多いと経済的でなくな
るので、ポリエステル廃棄物を基準として0.1〜10
重量%程度とすればよく、これらの条件下で、1〜10
時間加熱保持する。
【0018】更に、該工程(a)に供給するEGとポリ
アルキレンテレフタレートとの重量比は0.5〜20程
度に設定することが好ましく、比率がこの範囲にある時
には、ポリエステル廃棄物の形状によらずに解重合時間
が大幅に変わることもなく、最終的に再使用するEGの
精製コストを抑えることも可能である。該重量比は1〜
5とすることが好ましい。
【0019】なお、ポリエステル廃棄物とEGとの接触
及びポリエステル廃棄物の昇温には、溶融槽内の撹拌、
外部ポンプによる槽内液の循環等の操作を併用すること
によって、溶融時間を短縮出来る等の効果を得ることも
できるが、過度の撹拌等は動力の無駄になるので槽内の
液が流動している程度であれば十分である。
【0020】次に、工程(b)においては、工程(a)
を通過させたポリエステル廃棄物を固液分離する必要が
ある。該ポリエステル廃棄物はスラリー状態を形成して
おり、このスラリーを固液分離するにあたっては各種の
固液分離装置が使用可能であって、天然繊維の混入が少
ない場合には異物除去を目的とするフィルターを用いて
もよい。
【0021】工程(b)の操作により得られるポリエス
テル廃棄物は、EGとポリエステル廃棄物との重量比率
が原料仕込比基準で0.5〜2.0になるまでこのオリ
ゴマーを含んだ液を濃縮することが好ましい。
【0022】オリゴマー含有のEG液を濃縮する手段と
しては、蒸留操作によって簡便に行うことが出来、該蒸
留操作は減圧下で実施する必要があり、使用するEGの
沸点、天然繊維の熱分解温度が140℃以上で顕著にな
る事、固液分離操作で微少粒子となった天然繊維が洩れ
込んでくる事等を考慮し1.33〜100kpa、好ま
しくは1.33〜6.7kpaでの減圧蒸留操作を行う
ことが好ましい。
【0023】最後に、工程(c)においては、工程
(b)の分離液に、好ましくは上述した比率までオリゴ
マーを濃縮した溶液に、エステル交換反応触媒とMeO
Hとを添加・投入してエステル交換反応を行い、DMT
とEGとを得た後、両者を分離回収する。
【0024】該エステル交換反応はポリエステル廃棄物
を基準として、MeOHを200〜400重量%投入
し、同時にエステル交換反応触媒を、ポリエステル廃棄
物を基準として1〜10重量%投入する。エステル交換
反応槽内の圧力は大気圧下近傍で、エステル交換反応温
度は65〜85℃で反応を進行させればよい。
【0025】該エステル交換反応は0.5〜5時間で完
了し、固形状態のDMT、MeOH、EGのスラリーと
なる。該スラリーからDMTを回収するにあたっては、
常套手段として固液分離装置が適用出来るが、いずれの
方法を採用してもよい。
【0026】なお、MeOH、EG中にはDMTが少量
溶解してスラリー状態を形成しており、該スラリーは冷
却した後、固液分離装置に供給する。該固液分離操作に
よって得られたDMTのケークは、母液としてのMeO
HとEGとを含んでいるので、該ケークは新しいMeO
Hの中に投入、撹拌し、再度スラリー化して、DMTを
洗浄する。得られたスラリーは再度固液分離装置に供給
し、DMTのケークと母液のMeOHとに分離する。
【0027】この洗浄操作の繰り返し回数は、回収する
DMTの要求品質によって一義的に定まるが、通常2〜
4回の操作を行えばよい。また、常套手段として各洗浄
段階での母液MeOHは、循環させることもできる。さ
らに、該洗浄操作は連続式で行っても回分式で行っても
よい。
【0028】なお、DMTから固液分離したEGとMe
OHとの混合液は、溶解したDMT、解重合触媒及びエ
ステル交換反応触媒を含有しており、EG、MeOHは
再度プロセスで使用するため各々に分離精製される。こ
の精製操作は、蒸留により行うことが好ましいが、蒸留
操作に限定する必要はない。なお、蒸留により行う場合
には、沸点の低いMeOHを最初に留去し、塔底に残る
液を次の蒸留塔に供給し、EGを留去する。このとき、
塔底にはEGに溶解したDMT、触媒及び繰り返し単位
数1〜3のオリゴマーが存在しているので、触媒使用量
の削減と有効成分の回収率向上とを目的として、塔底液
の一部を解重合槽に戻してもよい。
【0029】なお、上述の固液分離操作で回収したDM
Tには、ポリエステル廃棄物中に含まれた埃、砂など微
量の固形物が混入する可能性もあるので、DMTの要求
品質の程度に応じて、必要であれば減圧蒸留で精製して
もよく、該精製操作における塔底液の一部を解重合槽に
戻してもよい。
【0030】以下、本発明の回収方法の一態様を示した
フロー図(図1)を用いて、本発明の回収方法をさらに
具体的に説明する。
【0031】まず、粉砕したポリアルキレンテレフタレ
ート、解重合触媒、EGを解重合槽(図中1)に同時に
仕込み、ポリエステル廃棄物を解重合する。
【0032】該解重合槽(図中1)でEGに溶解しない
天然繊維は固液分離装置(図中2)で分離でき、固形物
として系外に取り除く。なお、該固形物は、更に洗浄槽
(図中3)でEGによって洗浄を行って、固形物表面の
付着物は、解重合槽(図中1)に循環させ、固形物は天
然繊維として分離することができる。ここで、解重合槽
の滞留時間は1〜10時間、内温は110〜190℃と
すればよい。
【0033】次いで、解重合反応が終了したアルキレン
テレフタレートを、仕込み重量比でEGとポリエステル
廃棄物とが0.5〜2となるように蒸留・濃縮槽(図中
4)でEGを蒸留・留去し、留去したEGは解重合槽
(図中1)へ循環供給することができる。
【0034】次いで、濃縮したポリエステル廃棄物解重
合液をエステル交換反応槽(図中5)に供給し、更に、
エステル交換反応触媒とMeOHとを供給することによ
って、ポリエステル廃棄物解重合液をDMTとEGとに
転換する。この時、エステル交換反応槽内温は65〜8
5℃、常圧で滞留時間0.5〜5時間の容量を持たせる
のが好ましい。
【0035】生成したDMTとEGとは過剰のMeOH
と共に冷却し、ついで固液分離装置(図中6)に供給
し、DMTのケークとEG、MeOH液とに分離する。
ここで、DMTのケークは母液としてのMeOHを含液
しているので、再度MeOHでスラリー化し(図示せ
ず)再度固液分離する。
【0036】さらに、2回洗浄したDMTのケークをD
MT蒸留塔(図中7)に供給し、精製したDMTを回収
する。該蒸留塔(図中7)塔底の釜残は一部解重合槽
(図中1)に戻し、残りを系外に廃棄する。
【0037】一方、固液分離装置(図中6)で分離した
EGとMeOHとの混合液をMeOH蒸留塔(図中8)
に供給しMeOHを留去する。この留去MeOHはエス
テル交換反応槽(図中5)に供給するMeOHの一部と
して使用することができる。
【0038】さらに、MeOH蒸留塔(図中8)塔底の
釜残は、EG蒸留塔(図中9)に供給し、EGを留去す
る。留去したEGの一部は解重合槽(図中1)に供給す
るEGとして使用し、残ったEGは回収して系外に取出
す。
【0039】なお、該蒸留塔(図中9)の釜残の一部は
解重合槽(図中1)に戻し、残りは廃棄物として系外に
抜出す。
【0040】以上の操作を行うことによって、天然繊維
とポリアルキレンテレフタレートとから実質的になるポ
リエステル廃棄物から、有効成分としてのDMTとEG
とを容易に回収する事が可能となる。
【0041】
【実施例】以下、実施例により本発明の内容を更に具体
的に説明するが、本発明はこれにより何ら限定を受ける
ものではない。尚、実施例中の各数値は以下の方法によ
り求めた。また、実施例中において特に断らない限り
「部」は「重量部」を示す。
【0042】(1)テレフタル酸ジメチル、モノヒドロ
キシエチルテレフタレート、ビスヒドロキシエチルテレ
フタレート含有量(%):解重合を行った後に含有され
ているDMT、蒸留前後の液に含有されているDMT、
蒸留釜残液に含まれているモノヒドロキシエチルテレフ
タレート(以下、MHETと略記することがある。)、
及びビスヒドロキシエチルテレフタレート(以下、BH
ETと略記することがある)をガスクロマトグラフィー
(ヒューレット パッカード社製 HP−5890、キ
ャピラリーカラム:ジーエルサイエンス社製TC−17
01使用)によって定量した。
【0043】(2)EG含有量(%):解重合を行った
後に含有されているEG量、及び蒸留前後の液に含有さ
れているEGをガスクロマトグラフィー(島津製作所社
製 GC−7A、充填式カラム充填剤:ジーエルサイエ
ンス社製 ポリエチレングリコール6000使用)によ
って定量した。
【0044】(3)オリゴマー重量平均分子量:一部解
重合し、溶融状態にあるポリアルキレンテレフタレート
を試料とし、液クロマトグラフィー(日立製作所社製
L−4000)にて移動相としてテトラヒドロフランを
用い、試料の溶媒としてヘキサフルオロ2−プロパノー
ルとクロロホルムとの混合溶媒を用いて、標準ポリスチ
レンを用いて作成した検量線によって分子量を求めた。
【0045】[実施例1]EG399.7部をセパラブ
ルフラスコに投入し、更に繊維状混紡生地((ポリエス
テル65%、綿35%の市販品)を切断したもの48.
2部、炭酸ソーダ1.5部を投入し、撹拌下185℃で
4時間保持した。
【0046】周囲を170℃に加熱している100メッ
シュ金網を濾材にした濾過装置に、上記EG液を投入し
熱時濾過を実施した。フィルター上に残留している天然
繊維を170℃に加熱したEG90部で洗浄し、洗浄液
は別の受器に受けた。
【0047】熱時濾過で得られたEG液を6.7kpa
の減圧蒸留で濃縮し、留分としてEGを309部回収し
た。
【0048】この濃縮液にエステル交換反応触媒として
炭酸ソーダを5.55部とMeOH136.2部を投入
した。常圧で液温を75℃、撹拌下1時間保持し、エス
テル交換反応を実施した。
【0049】得られたDMT、EGおよびMeOHの混
合物を40℃まで冷却し、ガラス製3G−4のフィルタ
ーで濾過した。フィルター上に回収できたDMTを18
0部のMeOH中に投入し、40℃で撹拌洗浄し、再度
ガラス製のフィルターで濾過した。この操作を2回繰り
返した。
【0050】フィルター上に捕捉できたDMTを蒸留装
置に仕込み、圧力6.7kpaの減圧蒸留で留分として
DMTを留出させ17.1部回収できた。投入したポリ
エステルを基準にするとDMTは54.5重量%回収で
きた。又、蒸留DMTの品質に問題はなかった。
【0051】[比較例1]解重合の温度を230℃とす
る以外は実施例1と同様な操作を行ったところ、得られ
たDMTは着色がみられ、明らかに品質的に問題が認め
られた。
【0052】
【発明の効果】本発明の方法によれば、天然繊維とポリ
アルキレンテレフタレートとから実質的になるポリエス
テル廃棄物から、DMTとEGとを簡便に回収する事が
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一態様を模式的に示したフロ
ー図である。
【符号の説明】
1 解重合槽 2 固液分離装置 3 洗浄槽 4 蒸留・濃縮槽 5 エステル交換反応槽 6 固液分離装置 7 DMT蒸留塔 8 MeOH蒸留塔 9 EG蒸留塔 10 粉砕したポリエステル廃棄物 11 解重合触媒 12 MeOH 13 エステル交換反応触媒 14 回収DMT 15 回収EG 16 天然繊維固形物 17 廃棄物 18 廃棄物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 69/82 C07C 69/82 A C08J 11/16 C08J 11/16 // C08L 67:00 C08L 67:00 (72)発明者 中島 実 愛媛県松山市北吉田町77番地 帝人株式会 社松山事業所内 (72)発明者 佐藤 和広 愛媛県松山市北吉田町77番地 帝人株式会 社松山事業所内 Fターム(参考) 4F301 AA25 AB03 CA09 CA23 CA32 CA33 CA41 CA61 CA64 CA65 CA68 CA71 CA72 CA73 4G069 AA02 AA08 BB04A BB16A BB16B BC01A BC02B BE08A CB35 DA05 EA01Y 4H006 AA02 AC48 AC91 AD11 AD17 BA02 BA06 BS30 FE12 FG24

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然繊維とポリアルキレンテレフタレー
    トとから実質的に成るポリエステル廃棄物から有効成分
    を分離回収する方法であって、該廃棄物を下記(a)〜
    (c)の各工程に逐次的に通過させて、有効成分としての
    テレフタル酸ジメチルとアルキレングリコールとを分離
    回収することを特徴とする、ポリエステル廃棄物からの
    有効成分回収方法。 (a)110〜210℃の温度下、解重合触媒を含むエ
    チレングリコール中に、ポリエステル廃棄物を投入する
    工程。 (b)工程(a)通過後、天然繊維を固形物の状態で固
    液分離して取り出す工程。 (c)工程(b)の残留物に、エステル交換反応触媒と
    メタノールとを添加・投入してエステル交換反応を行
    い、テレフタル酸ジメチルとエチレングリコールとを得
    た後、両者を分離回収する工程。
  2. 【請求項2】 工程(c)における分離回収を蒸留又は
    固液分離操作によって行う、請求項1記載の分離回収方
    法。
  3. 【請求項3】 工程(a)で用いる解重合触媒として、ア
    ルカリ金属の炭酸塩、酸化物、アルカリ土類金属の炭酸
    塩、酸化物、酢酸マンガン、酢酸亜鉛からなる群から選
    ばれた少なくとも1種の化合物を用い、且つその添加量
    をポリエステル廃棄物の重量を基準として0.1〜10
    %とする、請求項1記載の分離回収方法。
  4. 【請求項4】 工程(a)で用いるエチレングリコール量
    を、ポリアルキレンテレフタレートを基準として0.5
    〜20重量倍とする、請求項1記載の分離回収方法。
  5. 【請求項5】 工程(b)で分離した固形物を、更にエチ
    レングリコールで洗浄し、天然繊維に付着している有効
    成分を分離除去する、請求項1記載の分離回収方法。
  6. 【請求項6】 工程(b)で固形物を取り出した後の残留
    物を蒸留・濃縮し、留出したエチレングリコールは工程
    (a)で循環再使用し、留残物は次工程へ送液する請求
    項1記載の分離回収方法。
  7. 【請求項7】 蒸留・濃縮操作を、解重合槽に仕込んだ
    ポリエステル廃棄物中から工程(b)で分離した天然繊
    維を差し引いた重量と、エチレングリコールとの重量比
    が0.5〜2の範囲となるように行う、請求項6記載の
    回収方法。
  8. 【請求項8】 蒸留・濃縮操作を1.33〜100kp
    aの圧力下で行う、請求項6記載の分離回収方法。
  9. 【請求項9】 ポリアルキレンテレフタレートがポリエ
    チレンテレフタレートである、請求項1記載の分離回収
    方法。
  10. 【請求項10】 天然繊維が綿である、請求項1記載の
    分離回収方法。
  11. 【請求項11】 天然繊維が麻である、請求項1記載の
    分離回収方法。
  12. 【請求項12】 請求項1記載の回収テレフタル酸ジメ
    チルを、テレフタル酸製造原料として用いる、有効成分
    の再利用方法。
  13. 【請求項13】請求項1記載の回収テレフタル酸ジメチ
    ルを、ビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレート製
    造原料として用いる、有効成分の再利用方法。
  14. 【請求項14】請求項1記載の回収テレフタル酸ジメチ
    ルを、ポリエステル製造の原料として用いる、有効成分
    の再利用方法。
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