JP2002059475A - ポリビニルアルコール系フィルムの製造方法 - Google Patents
ポリビニルアルコール系フィルムの製造方法Info
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Abstract
系フィルムの製造方法を提供すること。 【解決手段】 ポリビニルアルコール系樹脂水溶液をT
型スリットダイを通過させてドラム型ロールに流延して
製膜するにあたり、下記(1)式及び(2)式を満足す
る条件で製膜するポリビニルアルコール系フィルムの製
造方法。 (R−2.8)/3<△T<30 ・・・(1) R>5 ・・・(2) R :ドラム型ロールの回転速度(m/min) △T:T型スリットダイ出口の樹脂温度(t)−ドラム
型ロールの表面温度(d)
Description
好なポリビニルアルコール系フィルムの製造方法に関
し、更に詳しくは光学フィルム、特には偏光膜に適した
ポリビニルアルコール系フィルムの製造方法に関するも
のである。
ムは、ポリビニルアルコール系樹脂を溶媒に溶解し、混
練、脱泡して原液を調製した後、溶液流延法(キャステ
ィング法)により製膜して製造される。ポリビニルアル
コール系樹脂を溶媒に溶解し、溶液流延法により製膜す
る方法として、ドラム型ロールを用いた方法やエンドレ
スベルトを用いた方法があり、例えば、特開平5−30
5642号公報では、2軸押出機を用いてポリビニルア
ルコール系樹脂粉末を溶媒で溶解するとともに混練・脱
泡した後、1軸押出機を通過してダイよりベルト上に流
延し、乾燥する方法が提案されている。
による流延製膜法では設備コストが高くなる等の問題点
もあり、ドラム型ロールによる製膜方法が求められる
が、かかるドラム型ロールでは製膜速度を上げるとエア
ーの巻き込みが生じてしまい、生産性の点で不充分であ
った。尚、上記特開平5−305642号公報の比較例
として、ドラム型ロールを用いた流延法の記載はあるも
のの、ドラムの回転速度は5m/分と生産性に劣るもの
であった。
いて、ドラム型ロールを用いた流延法において、生産性
を向上すべく製膜速度を上げてもエアーの巻き込みのな
いフィルム外観の良好なポリビニルアルコール系フィル
ムの製造方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ポリビニ
ルアルコール系樹脂水溶液をT型スリットダイを通過さ
せてドラム型ロールに流延して製膜するにあたり、下記
(1)式及び(2)式を満足する条件で製膜するポリビ
ニルアルコール系フィルムの製造方法が上記目的に合致
することを見出し、本発明を完成した。 (R−2.8)/3<△T<30 ・・・(1) R>5 ・・・(2) R :ドラム型ロールの回転速度(m/min) △T:T型スリットダイ出口の樹脂温度(t)−ドラム
型ロールの表面温度(d)
水溶液が、上下循環流発生型撹拌翼を備えた溶解缶中で
水蒸気を吹き込んで含水ポリビニルアルコール系樹脂の
ウェットケーキを溶解してなるポリビニルアルコール系
樹脂水溶液であることが均一な溶解ができる点で好まし
く、更に、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液が、ベン
トを有した多軸押出機(A)を用いて、ベント部での樹
脂温度が105〜180℃で、かつ押出機先端圧力が2
〜100kg/cm2の範囲で脱泡処理されたポリビニ
ルアルコール系樹脂水溶液であることが好ましい。
明する。本発明で用いられるポリビニルアルコール系樹
脂としては、通常、酢酸ビニルを重合したポリ酢酸ビニ
ルをケン化して製造されるが、本発明では必ずしもこれ
に限定されるものではなく、少量の不飽和カルボン酸
(塩、エステル、アミド、ニトリル等を含む)、炭素数
2〜30のオレフィン類(エチレン、プロピレン、n−
ブテン、イソブテン等)、ビニルエーテル類、不飽和ス
ルホン酸塩等、酢酸ビニルと共重合可能な成分を含有し
ていても良い。又、ポリビニルアルコール系樹脂にシリ
ル基を含有させたものでも良く、シリル化剤を用いて後
変性させたり、シリル基含有オレフィン性不飽和単量体
と共重合しケン化させたり、等の方法が挙げられる。シ
リル基含有オレフィン性不飽和単量体としてはビニルシ
ラン、(メタ)アクリルアミド−アルキルシラン等が挙
げられる。
度は特に限定されないが、中でも1000〜7000が
好ましく、特には1200〜6000が好ましく、更に
は1400〜5000が好ましい。かかる重合度が10
00未満では光学フィルムとする場合に充分な光学性能
が得られず、7000を越えると偏光膜とする場合に延
伸が困難となり工業的な生産が難しくなり好ましくな
い。
化度は80モル%以上であることが好ましく、特には8
5〜100モル%、更には98〜100モル%が好まし
い。かかるケン化度が80モル%未満では光学フィルム
とする場合に充分な光学性能が得られず好ましくない。
要に応じて、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリ
ン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ポ
リエチレングリコール等、一般的に使用される可塑剤を
ポリビニルアルコール系樹脂に対して30重量%以下、
好ましくは3〜25重量%、更に好ましくは5〜20重
量%含有される。該可塑剤が30重量%を越えるとフィ
ルム強度が劣り好ましくない。
ン性、カチオン性の界面活性剤、中でも特に好ましくは
ポリオキシエチレンアルキルアミノエーテル等の剥離剤
をポリビニルアルコール系樹脂に対して5重量%以下、
好ましくは0.001〜3重量%、更に好ましくは0.
001〜2重量%含有される。該剥離剤が5重量%を越
えるとフィルム表面外観が不良となり好ましくない。
ニルアルコール系樹脂を用いて、ポリビニルアルコール
系樹脂水溶液を調製し、該水溶液をT型スリットダイを
通過させてドラム型ロールに流延して製膜することでポ
リビニルアルコール系フィルムを製造するわけである
が、以下にその製造方法を説明する。
は、酢酸ナトリウムを除去するためその粉末を洗浄す
る。洗浄に当たっては、メタノールあるいは水で洗浄さ
れるが、メタノールで洗浄する方法では溶剤回収などが
必要になるため、水で洗浄する方法がより好ましい。
系樹脂ウェットケーキを溶解し、ポリビニルアルコール
系樹脂水溶液を調製するが、かかる含水ポリビニルアル
コール系樹脂ウェットケーキをそのまま水に溶解すると
所望する高濃度の水溶液が得られないため、一旦脱水を
行うことが好ましい。脱水方法は特に限定されないが遠
心力を利用した方法が一般的である。
量%以下、好ましくは30〜45重量%の含水ポリビニ
ルアルコール系樹脂ウェットケーキとすることが好まし
い。該含水率が50重量%を越えると所望する水溶液濃
度にすることが難しくなり好ましくない。
ル系樹脂ウェットケーキを水に溶解し、ポリビニルアル
コール系樹脂水溶液となる。かかるポリビニルアルコー
ル系樹脂水溶液は、溶解缶を用いて脱水後のポリビニル
アルコール系樹脂ウェットケーキ、必要に応じて水、可
塑剤、添加剤を仕込み、加温、撹拌し溶解したり、多軸
押出機を用いて脱水後のポリビニルアルコール系樹脂ウ
ェットケーキあるいはそれを乾燥したポリビニルアルコ
ール系樹脂を仕込み、サイドフィードにより、必要に応
じて水、可塑剤、添加剤を仕込み加温、剪断をかけなが
ら溶解したりして得られた水溶液でもよいが、本発明で
は特に、上下循環流発生型撹拌翼を備えた溶解缶中で水
蒸気を吹き込んで含水ポリビニルアルコール系樹脂ウェ
ットケーキを溶解して得られる水溶液であることが好ま
しい。
て大型翼を備えた撹拌翼が好ましく、特には住友重機械
工業(株)社製のマックスブレンド型翼、神鋼パンテッ
ク(株)社製のフルゾーン型翼等が好適に用いられる。
但し、これらに限定されない。撹拌翼の形状は特に限定
されないが、翼の直径(d)/溶解缶の内径(D)が
0.5〜0.8程度のものが好ましい。又、必要に応じ
て、溶解缶の側壁面に、回転軸方向に沿う複数本の邪魔
板を間隔をおいて配設することが好ましい。
解缶中で上記含水ポリビニルアルコール系樹脂ウェット
ケーキを溶解するにあたり、水蒸気を吹き込むわけであ
るが、かかる水蒸気を吹き込むにあたり、所望する濃度
となるように水を加えることも好ましい。又、必要に応
じて可塑剤、添加剤を添加してもよい。
ニルアルコール系樹脂に対して0.5〜5倍量(重量換
算)が好ましく、吹き込み時間は0.5〜3時間が好ま
しい。吹き込み量が0.5倍量未満では溶解不充分とな
り、5倍量を越えるとドレン量が多くなりすぎて所望す
る濃度にならず好ましくない。又、水蒸気を吹き込む際
は、缶底より吹き込むことが好ましいがこれに限らず側
面等から吹き込んでも良い。
80℃、好ましくは45〜70℃となった時点で、撹拌
を開始することが均一溶解ができる点で好ましく、樹脂
温度が40℃未満ではモーターの負荷が大きくなり、8
0℃を越えるとポリビニルアルコール系樹脂の固まりが
できて均一な溶解ができなくなり好ましくない。
〜100℃、好ましくは95〜100℃となった時点
で、缶内を加圧することも均一溶解ができる点で好まし
く、樹脂温度が90℃未満では未溶解物ができ好ましく
ない。
ったところで、水蒸気の吹き込みを終了し、0.5〜3
時間撹拌を続け、溶解が行われる。溶解後は、所望する
濃度となるように濃度調整が行われる。かかる水溶液の
濃度調整に当たっては、缶の中の液を一部抜き出し、循
環させながらプロセス屈折率計(K−PATENTS社
製)を用いて濃度測定を行う。
樹脂水溶液の濃度は15〜60重量%であることが好ま
しく、特に好ましくは17〜55重量%、更に好ましく
は20〜50重量%である。かかる濃度が15重量%未
満では乾燥負荷が大きくなり生産能力が劣り、60重量
%を越えると粘度が高くなりすぎて均一な溶解ができず
好ましくない。
脂水溶液は、脱泡処理される。脱泡方法としては静置脱
泡や多軸押出機による脱泡等が挙げられるが、本発明で
は多軸押出機(A)を用いて脱泡する方法が好ましい。
多軸押出機(A)としては、ベントを有した多軸押出機
であれば特に限定されないが、通常はベントを有した2
軸押出機が用いられる。
リビニルアルコール系樹脂水溶液を該多軸押出機(A)
に供給し、ベント部の樹脂温度を105〜180℃、好
ましくは110〜160℃とし、かつ押出機先端圧力を
2〜100kg/cm2、好ましくは5〜70kg/c
m2の範囲の条件下で脱泡を行う。
では脱泡が不充分となり、180℃を越えると樹脂劣化
が起こることとなる。又、押出機先端圧力が2kg/c
m2未満では脱泡が不充分となり、100kg/cm2を
越えると配管での樹脂漏れ等が発生し、安定生産するこ
とができなくなる。
にギアポンプ(P1)及びギアポンプ(P2)を設け、
ギアポンプ(P1)によりポリビニルアルコール系樹脂
水溶液を多軸押出機(A)に供給し、ギアポンプ(P
2)によりポリビニルアルコール系樹脂水溶液を多軸押
出機(A)から排出するわけであるが、かかるギアポン
プ(P2)の入口圧力が2〜70kg/cm2の範囲、
好ましくは5〜70kg/cm2の範囲で一定値を示す
ようにギアポンプ(P1)を制御することがフィルム膜
厚の精度向上の点で好ましい。かかる入口圧力が2kg
/cm2未満では脱泡が不充分となり、70kg/cm2
を越えるとベント部分より樹脂が出てくることとなり好
ましくなく、又、上記範囲であっても一定値を示さなけ
ればフィルム膜厚の精度が不充分となり好ましくない。
尚、ここで言う一定値とは、指定値から±2%以内、好
ましくは±1.5%以内の範囲を許容するものである。
われ、多軸押出機(A)から排出されたポリビニルアル
コール系樹脂水溶液は、一定量ずつT型スリットダイに
導入され、ドラム型ロールに流延して製膜される。
(1)式及び(2)式を満足する条件で行うことを最大
の特徴とするものである。 (R−2.8)/3<△T<30 ・・・(1) R>5 ・・・(2) R :ドラム型ロールの回転速度(m/min) △T:T型スリットダイ出口の樹脂温度(t)−ドラム
型ロールの表面温度(d)
回転速度(R)が5m/min未満では生産性が劣り、
又、上記(1)式において、T型スリットダイ出口の樹
脂温度(t)−ドラム型ロールの表面温度(d)の差
(△T)が上記範囲から外れるとエアーの巻き込みや乾
燥不良を生じ本発明の効果を発揮しない。
い範囲は5〜30m/minであり、より好ましい範囲
は6〜20m/minである。又、T型スリットダイ出
口の樹脂温度(t)は80〜100℃であることが好ま
しく、より好ましくは85〜98℃、特に好ましくは9
0〜98℃であり、ドラム型ロールの表面温度(d)は
70〜99℃であることが好ましく、より好ましくは7
5〜97℃、特に好ましくは80〜95℃である。T型
スリットダイ出口の樹脂温度(t)が80℃未満では流
動不良となり、100℃を越えると発泡し好ましくな
く、ドラム型ロールの表面温度(d)が70℃未満では
乾燥不良となり、99℃を越えると発泡し好ましくな
い。
定されないが、例えばロールの直径は2000〜400
0mmが好ましく、より好ましくは2500〜3800
mmである。
後は、必要に応じて更に乾燥、熱処理、調湿が行われ、
ポリビニルアルコール系フィルムとなるのである。尚、
ドラム型ロールには、必要に応じて外部乾燥設備(熱風
吹き付け)を設けてもよい。
後、表面をハードクロムメッキ処理又は鏡面処理した、
直径0.2〜2mのロール(1〜30本)を温度60〜
100℃に調整して通過させる方法、一対のロール間
に保持されたベルト(長さ:20〜100m、表面:鏡
面処理)の途中に乾燥機を設け、該乾燥機を通過させる
方法等が挙げられる。これらを適宜組み合わせて行うこ
ともできる。
メッキ処理又は鏡面処理した、直径0.2〜2mのロー
ル(1〜30本)を温度60〜180℃に調整して通過
させる方法、フローティング型ドライヤー(長さ:2
〜10m、温度80〜180℃)にて行う方法等が挙げ
られる。
度65〜95%RHに調湿された室内を通過させる方
法、ヒラノテクシード(株)社製「フリューデック
ス」を用いた蒸気凝縮法による方法等が挙げられる。
フィルムは、上記の如くドラム型ロールを用いて特定条
件下で流延製膜するため、エアーを巻き込むことなくフ
ィルム外観の良好なポリビニルアルコール系フィルムと
なるものであり、光学フィルム、特には偏光膜用として
非常に有効である。以下、偏光膜の製造方法について説
明する。
ニルアルコール系フィルムを延伸してヨウ素あるいは二
色性染料の溶液に浸漬し染色するか、延伸と染色を同時
に行うか、ヨウ素あるいは二色性染料により染色して延
伸するかした後、ホウ素化合物処理する方法が挙げられ
る。又、染色した後ホウ素化合物の溶液中で延伸する方
法等もあり、適宜選択して用いることができる。
系フィルムの膜厚としては、30〜100μmが好まし
く、更には40〜90μmで、30μm以下では延伸が
難しく、100μm以上では膜厚精度が低下して好まし
くない。
(未延伸フィルム)は次に延伸及び染色、ホウ素化合物
処理が施される。延伸と染色更にホウ素化合物処理は別
々に行っても同時に行っても良いが、本発明では染色工
程、ホウ素化合物処理工程の少なくとも一方の工程中に
一軸延伸を実施することが望ましい。
3.5〜6倍延伸することが望ましい。この際、前記と
直角方向にも若干の延伸(幅方向の収縮を防止する程度
あるいはそれ以上の延伸)を行っても差し支えない。延
伸時の温度条件は40〜170℃から選ぶのが望まし
い。更に、かかる延伸倍率は最終的に上記の範囲に設定
されれば良く、延伸操作は一段階段のみならず、製造工
程の任意の範囲の段階に実施すれば良い。
は二色性染料を含有する液体を接触させることによって
行われる。通常は、ヨウ素−ヨウ化カリの水溶液が用い
られ、ヨウ素の濃度は0.1〜2g/l、ヨウ化カリの
濃度は10〜50g/l、ヨウ素/ヨウ化カリの重量比
は20〜100が適当である。染色時間は30〜500
秒程度が実用的である。処理浴の温度は5〜50℃が好
ましい。水溶媒以外に水と相溶性のある有機溶媒を少量
含有させても差し支えない。接触手段としては浸漬、塗
布、噴霧等の任意の手段が適用できる。
合物によって処理される。ホウ素化合物としてはホウ
酸、ホウ砂が実用的である。ホウ素化合物は水溶液又は
水−有機溶媒混合液の形で濃度0.5〜2モル/l程度
で用いられ、液中には少量のヨウ化カリを共存させるの
が実用上望ましい。処理法は浸漬法が望ましいが勿論塗
布法、噴霧法も実施可能である。処理時の温度は50〜
70℃程度、処理時間は5〜20分程度が好ましく、又
必要に応じて処理中に延伸操作を行っても良い。
面又は両面に光学的に等方性の高分子フィルム又はシー
トを保護膜として積層接着して用いることもできる。か
かる保護膜としては、例えば、セルローストリアセテー
ト、セルロースジアセテート、ポリカーボネート、ポリ
メチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリエーテルス
ルホン、ポリアリーレンエステル、ポリ−4−メチルペ
ンテン、ポリフェニレンオキサイド等のフィルム又はシ
ートが挙げられる。
て、上記保護膜の代わりに、その方面又は両面にウレタ
ン系樹脂、アクリル系樹脂、ウレア樹脂等の硬化性樹脂
を塗布し、積層させることもできる。
保護膜あるいは硬化性樹脂を積層したもの)は、その一
方の表面に必要に応じて、透明な感圧性接着剤層が通常
知られている方法で形成されて、実用に供される場合も
ある。該感圧性接着剤層としてはアクリル酸エステル、
例えばアクリル酸ブチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸メチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等とα−モノ
オレフィンカルボン酸、例えばアクリル酸、マレイン
酸、イタコン酸、メタクリル酸、クロトン酸等との共重
合物(アクリルニトリル、酢酸ビニル、スチロールの如
きビニル単量体を添加したものも含む。)を主体とする
ものが、偏光フィルムの偏光特性を阻害することがない
ので特に好ましいが、これに限定されることなく、透明
性を有する感圧性接着剤であれば使用可能で、例えばポ
リビニルエーテル系、ゴム系等でもよい。
計、ワープロ、パソコン、携帯情報端末機、自動車や機
械類の計器類等の液晶表示装置、サングラス、防目メガ
ネ、立体メガネ、表示素子(CRT、LCD等)用反射
低減層、医療機器、建築材料、玩具等に用いられる。
に説明する。尚、例中「部」、「%」とあるのは特に断
りのない限り重量基準である。
しながら、重合度1700、ケン化度99.7モル%の
ポリビニルアルコール系樹脂40kgを加え15分間撹
拌を続けた。その後一旦水を抜いた後、更に水200k
gを加え15分間撹拌した。得られたスラリーをスーパ
ーデカンタ(巴工業社製)により脱水し、含水率40
%、ナトリウム含有量1500ppmのポリビニルアル
コール系樹脂ウェットケーキを得た。
トケーキ70kgを、マックスブレンド型翼(住友重機
械社製)を備えた溶解缶に入れ、可塑剤としてグリセリ
ン4.2kg、剥離剤としてポリオキシエチレンアルキ
ルアミノエーテル42g、水10kgを加え、缶底から
水蒸気を吹き込み、内部樹脂温度が50℃になった時点
で撹拌(回転数:5rpm)を行い、内部樹脂温度が1
00℃になった時点で系内を加圧し、150℃まで昇温
した後、水蒸気の吹き込みを停止し(水蒸気の吹き込み
量は合計75kg)、30分間撹拌(回転数:20rp
m)を行い均一に溶解した後、濃度調整により45%濃
度のポリビニルアルコール系樹脂水溶液(可塑剤、剥離
剤も固形分として含む)を得た。
(液温147℃)を、ギアポンプ(P1)より2軸押出
機(東芝機械社製)に供給し、脱泡した後、ギアポンプ
(P2)より排出した。ギアポンプ(P1)、2軸押出
機(A)、ギアポンプ(P2)での条件は以下の通りで
ある。
35/105/105/105
ル系樹脂水溶液には気泡等は見られなかった。
ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を、T型スリットダ
イ(幅450mmのストレートマニホールドダイ)より
ドラム型ロールに流延して製膜した。かかる流延製膜の
条件は下記の通りであり、(1)式の左辺は1.73、
△Tは5で上記(1)式を満足するものであった。 ドラム型ロール 直径:2800mm、幅:1000mm 回転速度(R):8m/min 表面温度(d):90℃ T型スリットダイ出口の樹脂温度(t):95℃
m、内温90℃)、乾燥ロール(直径0.3m、内温7
0℃、本数10本))、熱処理(条件:フローティング
ドライヤー(140℃、長さ6m))、調湿(条件:フ
リューデックス)を行いポリビニルアルコール系フィル
ム(幅400mm、厚み75μm)を得た。得られたポ
リビニルアルコール系フィルムについて、フィルム外観
を下記の如く評価した。
サイズのフィルムをサンプリングし、目視観察し、下記
の通り評価した。 ○・・・外観不良なく、美麗であった ×・・・エアーの巻き込みによる外観不良が見られた
しながら、重合度2600、ケン化度99.7モル%の
ポリビニルアルコール系樹脂36kgを加え15分間撹
拌を続けた。その後一旦水を抜いた後、更に水180k
gを加え15分間撹拌した。得られたスラリーをスーパ
ーデカンタ(巴工業社製)により脱水し、含水率40
%、ナトリウム含有量1500ppmのポリビニルアル
コール系樹脂ウェットケーキを得た。
トケーキ60kgを、マックスブレンド型翼(住友重機
械社製)を備えた溶解缶に入れ、可塑剤としてグリセリ
ン3.6kg、剥離剤としてポリオキシエチレンアルキ
ルアミノエーテル36g、水20kgを加え、缶底から
水蒸気を吹き込み、内部樹脂温度が50℃になった時点
で撹拌(回転数:5rpm)を行い、内部樹脂温度が1
00℃になった時点で系内を加圧し、150℃まで昇温
した後、水蒸気の吹き込みを停止し(水蒸気の吹き込み
量は合計75kg)、30分間撹拌(回転数:20rp
m)を行い均一に溶解した後、濃度調整により35%濃
度のポリビニルアルコール系樹脂水溶液(可塑剤、剥離
剤も固形分として含む)を得た。
(液温147℃)を、ギアポンプ(P1)より2軸押出
機(東芝機械社製)に供給し、脱泡した後、ギアポンプ
(P2)より排出した。ギアポンプ(P1)、2軸押出
機(A)、ギアポンプ(P2)での条件は以下の通りで
ある。
30/110/105/105
ル系樹脂水溶液には気泡等は見られなかった。
ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を、T型スリットダ
イ(幅450mmのストレートマニホールドダイ)より
ドラム型ロールに流延して製膜した。かかる流延製膜の
条件は下記の通りであり、(1)式の左辺は1.07、
△Tは8で上記(1)式を満足するものであった。 ドラム型ロール 直径:2800mm、幅:1000mm 回転速度(R):6m/min 表面温度(d):90℃ T型スリットダイ出口の樹脂温度(t):98℃
調湿を行いポリビニルアルコール系フィルム(幅400
mm、厚み75μm)を得た。得られたポリビニルアル
コール系フィルムについて、実施例1と同様に評価し
た。
樹脂水溶液(濃度45%)(液温147℃)を、ギアポ
ンプ(P1)より2軸押出機(東芝機械社製)に供給
し、脱泡した後、ギアポンプ(P2)より排出した。ギ
アポンプ(P1)、2軸押出機(A)、ギアポンプ(P
2)での条件は以下の通りである。
30/110/105/105
ル系樹脂水溶液には気泡等は見られなかった。
ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を、T型スリットダ
イ(幅450mmのストレートマニホールドダイ)より
ドラム型ロールに流延して製膜した。かかる流延製膜の
条件は下記の通りであり、(1)式の左辺は4.4、△
Tは10で上記(1)式を満足するものであった。 ドラム型ロール 直径:2800mm、幅:1000mm 回転速度(R):16m/min 表面温度(d):85℃ T型スリットダイ出口の樹脂温度(t):95℃
調湿を行いポリビニルアルコール系フィルム(幅400
mm、厚み75μm)を得た。得られたポリビニルアル
コール系フィルムについて、実施例1と同様に評価し
た。
した以外は同様に行い、ポリビニルアルコール系フィル
ム(幅400mm、厚み75μm)を得た。 ドラム型ロール 直径:2800mm、幅:1000mm 回転速度(R):8m/min 表面温度(d):94℃ T型スリットダイ出口の樹脂温度(t):95℃ (1)式の左辺は1.73、△Tは1で上記(1)式を
満足しないものであった。得られたポリビニルアルコー
ル系フィルムについて、実施例1と同様に評価した。
した以外は同様に行い、ポリビニルアルコール系フィル
ム(幅400mm、厚み75μm)を得た。 ドラム型ロール 直径:2800mm、幅:1000mm 回転速度(R):8m/min 表面温度(d):60℃ T型スリットダイ出口の樹脂温度(t):95℃ (1)式の左辺は1.73、△Tは35で上記(1)式
を満足しないものであった。得られたポリビニルアルコ
ール系フィルムについて、実施例1と同様に評価した。
実施例、比較例の結果を表1に示す。
ムの製造方法では、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液
をT型スリットダイを通過させてドラム型ロールに流延
して製膜するにあたり、上記(1)式及び(2)式を満
足する条件で製膜するため、生産性を向上すべく製膜速
度を上げてもエアーの巻き込みのないフィルム外観の良
好なポリビニルアルコール系フィルムが得られる。得ら
れたポリビニルアルコール系フィルムは、光学フィル
ム、特に偏光膜や位相差膜等のポリビニルアルコール系
フィルムとして有用である。
Claims (3)
- 【請求項1】 ポリビニルアルコール系樹脂水溶液をT
型スリットダイを通過させてドラム型ロールに流延して
製膜するにあたり、下記(1)式及び(2)式を満足す
る条件で製膜することを特徴とするポリビニルアルコー
ル系フィルムの製造方法。 (R−2.8)/3<△T<30 ・・・(1) R>5 ・・・(2) R :ドラム型ロールの回転速度(m/min) △T:T型スリットダイ出口の樹脂温度(t)−ドラム
型ロールの表面温度(d) - 【請求項2】 ポリビニルアルコール系樹脂水溶液が、
上下循環流発生型撹拌翼を備えた溶解缶中で水蒸気を吹
き込んで含水ポリビニルアルコール系樹脂のウェットケ
ーキを溶解してなるポリビニルアルコール系樹脂水溶液
であることを特徴とする請求項1記載のポリビニルアル
コール系フィルムの製造方法。 - 【請求項3】 ポリビニルアルコール系樹脂水溶液が、
ベントを有した多軸押出機(A)を用いて、ベント部で
の樹脂温度が105〜180℃で、かつ押出機先端圧力
が2〜100kg/cm2の範囲で脱泡処理されたポリ
ビニルアルコール系樹脂水溶液であることを特徴とする
請求項1又は2記載のポリビニルアルコール系フィルム
の製造方法。
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