JP2002059211A - 差厚鋼板の製造方法 - Google Patents

差厚鋼板の製造方法

Info

Publication number
JP2002059211A
JP2002059211A JP2000240130A JP2000240130A JP2002059211A JP 2002059211 A JP2002059211 A JP 2002059211A JP 2000240130 A JP2000240130 A JP 2000240130A JP 2000240130 A JP2000240130 A JP 2000240130A JP 2002059211 A JP2002059211 A JP 2002059211A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thickness
rolling
steel plate
passes
pass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000240130A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3463658B2 (ja
Inventor
Hiroyuki Furukawa
裕之 古川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP2000240130A priority Critical patent/JP3463658B2/ja
Publication of JP2002059211A publication Critical patent/JP2002059211A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3463658B2 publication Critical patent/JP3463658B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Metal Rolling (AREA)
  • Control Of Metal Rolling (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 板厚変化量が比較的大きなテーパ鋼板におい
ても、最小板厚部での平坦度を良好に保ちながら、テー
パ鋼板を確実に製造する。 【解決手段】 圧延素材に圧延を行ってテーパ鋼板6d
を製造するに際し、テーパ鋼板6dの最小板厚部8aに
対する圧下量を、この圧延素材からテーパ鋼板6dの最
小板厚部8aと同じ板厚を有する平板を圧延により製造
する際における複数パスの各パス毎に設定される圧下量
と略同じ圧下量として、複数パスの各パス毎にそれぞれ
決定し、最小板厚部8a以外の残余部7a、7b、8
b、8cに対する圧下量を、最小板厚部8aについて複
数パスの各パス毎にそれぞれ決定した圧下量に基づい
て、複数パスの各パス毎にそれぞれ決定し、複数パスの
各パス毎に、最小板厚部8aについてそれぞれ決定した
圧下量と、残余部7a、7b、8b、8cについてそれ
ぞれ決定した圧下量とに基づいてテーパ鋼板6dの圧延
スケジュールを決定して、圧延素材に複数パスの圧延を
行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、差厚鋼板の製造方
法に関する。より具体的には、本発明は、長手方向の全
部または一部について板厚がテーパ状に変化する差厚鋼
板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば構造部材として用いられる鋼板に
対して要求される強度が、部分毎に異なり一定でないこ
とがある。このような鋼板としては、従来より、差厚鋼
板(以下、本明細書では「テーパ鋼板」という)が用い
られてきた。このテーパ鋼板は、長手方向の全部または
一部について板厚がテーパ状に変化する鋼板であって、
図6(a)〜図6(d)に示す各種の鋼板が知られてい
る。具体的には、図6(a)に示すテーパ鋼板6aは、
長手方向(図6における左右方向)の一端より他端に向
かって板厚が連続的かつ一様に変化するテーパ部7を有
するものであり、図6(b)に示すテーパ鋼板6bは、
テーパ部7の両側に平行部8a、8bを有するものであ
り、図6(c)に示すテーパ鋼板6cは、平行部8の両
側にテーパ部7a、7bを有する山型形状のものであ
り、さらに、図6(d)に示すテーパ鋼板6dは、平行
部8cの両側にテーパ部7a,7bを有し、さらにその
外側に平行部8a、8bを有する山型形状のものであ
る。なお、図6(d)では、板厚t1 <板厚t2 であ
る。
【0003】圧延により製造される場合、これら各種の
テーパ鋼板6a〜6dは、いずれも、長手方向の厚みが
略一定である圧延素材に、可逆式圧延機を用いて圧延時
のロールギャップを適宜変更しながら複数パスのリバー
ス圧延を行うことによって製造される。しかし、このリ
バース圧延時のロールギャップを最適に設定してテーパ
鋼板6a〜6dに所望の板厚差を正確に設けることは、
容易ではない。このため、従来より、テーパ鋼板圧延時
の圧延スケジュールを作成する方法が提案されている。
【0004】例えば特開平9−253725号公報に
は、テーパ鋼板の最大板厚と最小板厚との中間板厚を目
標板厚とし、板厚変化付与パスの前段では平坦度維持可
能範囲で1パス当たりの圧下量を大とするとともに板厚
変化付与パスの後段では平坦度維持可能範囲で1パス当
たりの圧下量を小とし、最大板厚と最小板厚との差を、
板厚変化付与パスの圧下率で各パスに配分することによ
って、最大板厚部および最小板厚部のパススケジュール
を作成する発明が、提案されている。
【0005】図7は、この発明にかかるパススケジュー
ルの決定手順を示すフローチャートである。図7におけ
るステップ(以下、「S」と略記する)1では、圧延素
材である鋼板にテーパ(厚み変化)を付与するための総
パス数Psを仮にnとして決定し、S2では、製品であ
るテーパ鋼板の最大板厚と最小板厚と間の中間板厚を目
標板厚とし、圧延素材にテーパを付与する板厚変化付与
パスの前段では平坦度を維持し得る限界まで1パス当た
りの圧下量を大きく設定するとともに後段では平坦度を
維持し得る限界まで1パス当たりの圧下量を小さく設定
した中間厚のパススケジュールを作成する。
【0006】S3では、S2において作成したパススケ
ジュールに基づいて、各パス毎の板厚変化量Δhn(=
最大板厚−最小板厚)を下記(1)式により算出する。 Δhn=ΔHn/H×h ・・・・・(1) なお、(1)式では、ΔHnは板厚変化付与パスの中間
厚の圧下量を示し、Hは中間厚における板厚変化付与パ
スでの総圧下量であり、さらにhはテーパ鋼板の板厚変
化量である。
【0007】次に、S4およびS5において、各パスの
最大板厚部を下記(2)式により、各パスの最小板厚部
を下記(3)式により、それぞれ決定する。 hnmax =ΔHn+Δhn/2 ・・・・・(2) hnmin =ΔHn−Δhn/2 ・・・・・(3) そして、S6において、(2)式および(3)式により
それぞれ決定された各パスの最小板厚部、最大板厚部の
パススケジュールにしたがって圧延を行った場合に、得
られるテーパ鋼板の平坦度が維持され得るか否かを判定
する。この判定は、各パスの最小板厚部、最大板厚部で
の圧延荷重が、「塑性と加工」(16−168、(19
75)、10、美坂、横井ら)により開示された板クラ
ウン率一定圧延方法に基づいた下記(4)式を満足し得
るか否かにより、行う。なお、(4)式において、Pi
はiパス目の圧延荷重であり、Hiはiパス目の出側板
厚であり、αは板クラウンを定める係数であり、さらに
βは板クラウン比率一定圧延方法を実施する際に圧延荷
重を決定する式の係数である。
【0008】 Pi=α×Hi+β ・・・・・(4) 判定結果が否である場合は、S7において板厚変化付与
パスの総パス数を変更し、再度S1〜S6を繰り返し、
最終的に判定結果が良となった時点で、パススケジュー
ルの作成を完了する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この特開平9−253
725号公報により開示された発明では、中間板厚を目
標板厚として作成した圧延スケジュールのトータルパス
数(テーパを付与しない板厚変化不付与パス数も含む)
によって最小板厚部を圧延した場合も平坦度を維持でき
る圧延スケジュールを作成しなければならないという制
約がある。しかし、板厚変化量が比較的大きなテーパ鋼
板については、かかる制約を守ることができず、最小板
厚部の平坦度が悪化することがある。
【0010】例えば、最小板厚が20mmであって最大
板厚が60mmであり、板厚変化量が40mmと比較的
大きなテーパ鋼板を圧延する場合、中間板厚を40mm
に設定してこの発明にしたがって圧延スケジュールを決
定すると、図8のグラフに○、●および△でプロットし
た圧延荷重および出側板厚の関係が得られる。ここで、
最終パス付近での強圧下、高圧延荷重を回避するために
圧延開始1パス目からテーパ付与を開始したとしても、
最小板厚部の圧延スケジュールは●で示す荷重パターン
となり、仕上パス付近で平坦度良好範囲を逸脱し、テー
パ鋼板の平坦度を良好に維持することができなくなる。
すなわち、良好な平坦度を維持して圧延する荷重パター
ンでは、△で示すように8パスが必要であったのに対
し、40mmを目標板厚とする圧延スケジュールである
7パスに一致させたため、仕上パス付近で荷重パターン
が強圧下となってしまい、平坦度良好範囲を逸脱したか
らである。
【0011】このように、従来の技術によっては、板厚
変化量が比較的大きなテーパ鋼板の場合、最小板厚部で
の平坦度を良好に維持することができなかった。本発明
は、このような従来の技術が有する課題に鑑みてなされ
たものであり、板厚変化量が比較的大きなテーパ鋼板に
おいても、最小板厚部での平坦度を良好に保ちながら、
テーパ鋼板を確実に製造することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、長手方向の厚
みが略一定である圧延素材に圧延を行って、長手方向の
全部または一部について板厚がテーパ状に変化する差厚
鋼板を製造するに際し、この差厚鋼板の最小板厚部に対
する圧下量を、圧延素材から差厚鋼板の最小板厚部と同
じ板厚を有する平板を圧延により製造する際における複
数パスの各パス毎に設定される圧下量と略同じ圧下量と
して、複数パスの各パス毎にそれぞれ決定し、最小板厚
部以外の残余部に対する圧下量を、最小板厚部について
複数パスの各パス毎にそれぞれ決定した圧下量に基づい
て、複数パスの各パス毎にそれぞれ決定し、複数パスの
各パス毎に、最小板厚部についてそれぞれ決定した圧下
量と、残余部についてそれぞれ決定した圧下量とに基づ
いて差厚鋼板の圧延スケジュールを決定し、決定した圧
延スケジュールに基づいて圧延素材に複数パスの圧延を
行うことを特徴とする差厚鋼板の製造方法である。
【0013】この本発明にかかる差厚鋼板の製造方法で
は、残余部に対する複数パスの各パス毎の圧下量が、複
数パスの各パス毎の圧下量と残余部に対する総圧下量と
の比が、最小板厚部に対して決定した複数パスの各パス
毎の圧下量とこの最小板厚部に対する総圧下量との比に
略等しくなるように、それぞれ決定されることが、例示
される。
【0014】これらの本発明にかかる差厚鋼板の製造方
法では、圧延スケジュールが、さらに、差厚鋼板のテー
パ部の目標長さとこのテーパ部以外の平行部の目標長さ
とを用いて、複数パスの各パス毎のテーパ部の長さおよ
び平行部の長さを算出することにより、決定されること
が、例示される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる差厚鋼板の
製造方法の実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細
に説明する。なお、以降の説明では、差厚鋼板が、前述
した図6(d)に示す、平行部8cの両側にテーパ部7
a,7bを有し、さらにその外側に平行部8a、8bを
有する山型形状のテーパ鋼板6dである場合を例にと
る。ただし、板厚t1 <板厚t2 である。
【0016】図1は、本実施の形態で用いた、本発明に
かかる製造方法を実施するのに好適な圧延設備20の構
成を、模式的に示す説明図である。この圧延設備20
は、圧延機10と、テーパ鋼板圧延パススケジュール設
定器16と、長手方向位置での目標板厚設定器17と、
目標ロールギャップ設定器18と、ロールギャップ位置
制御系19とを備える。以下、圧延設備20のこれらの
構成要素について順次説明する。
【0017】[圧延機10]圧延機10は、上下一対の
ワークロール10a、10a及びバックアップロール1
0b、10bを備える。上下一対のワークロール10
a、10aは、圧延素材である被圧延材Wに対して、正
逆方向に交互に複数回リバース圧延を行う。
【0018】このリバース圧延の各パスにおいて、油圧
シリンダを備えた圧下装置12が、後述するロールギャ
ップ位置制御系19からの制御信号により、その動作を
制御される。また、このリバース圧延時における圧下装
置12の制御位置が、圧下位置検出器13により検出さ
れる。また、圧延荷重検出器14によってこのリバース
圧延時における圧延荷重が検出される。さらに、下ワー
クロール10aの回転軸に連結されたパルス発生器15
によって、被圧延材Wの長手方向の位置が検出される。
【0019】本実施形態の圧延機10は、このように構
成されることによって、上ワークロール10aの圧下位
置が、被圧延材Wの長手方向について適宜制御され、テ
ーパ鋼板6dを圧延により製造する。
【0020】本実施形態の圧延機10の構成は、周知慣
用のこの種の可逆圧延機と同じであるため、これ以上の
説明は省略する。[テーパ鋼板圧延パススケジュール設
定器16、目標板厚設定器17、目標ロールギャップ設
定器18、ロールギャップ位置制御系19]図1におけ
るテーパ鋼板圧延パススケジュール設定器16、目標板
厚設定器17、目標ロールギャップ設定器18およびロ
ールギャップ位置制御系19によって、被圧延材Wの全
長について、上下のワークロール10a、10aの間の
目標ロールギャップが、次のようにして決定される。
【0021】被圧延材Wに対して、本発明にしたがって
後述するようにして作成したテーパ鋼板圧延パススケジ
ュールPSを、テーパ鋼板圧延パススケジュール設定器
16に与える。
【0022】テーパ鋼板圧延パススケジュール設定器1
6は、与えられたパススケジュールPSに基づいて、各
パスにおける被圧延材Wの長手方向の位置における目標
板厚を、目標板厚設定器17へ出力する。
【0023】目標板厚設定器17は、被圧延材Wの長手
方向の位置における目標板厚を設定し、設定した長手方
向位置における目標板厚を、目標ロールギャップ設定器
18へ出力する。
【0024】そして、目標ロールギャップ設定器18
は、入力された長手方向位置における目標板厚に基づい
て、上下のワークロール10a、10aの間の目標ロー
ルギャップを設定し、設定した上下のワークロール10
a、10aの間の目標ロールギャップをロールギャップ
位置制御系19に出力する。
【0025】本実施形態の圧延設備20は、以上のよう
に構成される。次に、テーパ鋼板圧延パススケジュール
設定器16に入力されるテーパ鋼板圧延パススケジュー
ルPSの作成について説明する。
【0026】前述した図8に示すグラフから明らかなよ
うに、テーパ鋼板6dの製品厚が薄い程、平坦度良好範
囲は狭まる。そこで、本実施形態では、まずテーパ鋼板
6dの最小板厚部8aを基準としてこの最小板厚部8a
に対する圧延スケジュールを決定してから、この最小板
厚部8a以外の残余部7a、7b、8bおよび8cの圧
延スケジュールを決定し、最後にテーパ部7a、7bお
よび平行部8cそれぞれの長さを決めていくことによ
り、最終的に、テーパ鋼板6dのパススケジュールPS
を決定する。
【0027】図2は、この本実施形態によるテーパ鋼板
6dのパススケジュールPSの決定手順を示すフロー図
である。また、図3は、本実施形態における各パスの板
厚決定方法の説明図である。さらに、図4は、本実施形
態における各部の長さ決定方法の説明図である。以下、
図2に示すフロー図の各ステップSを、図3および図4
を参照しながら説明する。
【0028】S1では、テーパ鋼板6dの最小板厚部8
aに対する圧下量を、圧延素材からテーパ鋼板6dの最
小板厚部8aと同じ板厚を有する平板を圧延により製造
する際における複数パスの各パス毎に設定される圧下量
と略同じ圧下量として、複数パスの各パス毎にそれぞれ
決定する。
【0029】すなわち、テーパ鋼板6dの最小板厚部8
aの製品厚を、目標板厚として、長手方向への板厚が一
定である平板を圧延する際のパススケジュールを計算
し、圧延に必要な総パス数nと最小板厚部8aの各パス
における目標板厚を決定する。
【0030】本実施形態では、最小板厚部8aの圧延ス
ケジュールは、通常の平板の操業と同じように設定し、
最終パス付近で平坦度を良好に維持することができる圧
延スケジュールとする。このような圧延スケジュールを
設定するには、周知慣用のパススケジュール設定手段に
基づけばよく、例えば前述した(4)式を用いる設定手
段に基づくことが例示される。
【0031】次に、S2では、最小板厚部8a以外の残
余部7a、7b、8b、8cに対する圧下量を、S1に
おいて最小板厚部8aについて複数パスの各パス毎にそ
れぞれ決定した圧下量に基づいて、複数パスの各パス毎
にそれぞれ決定する。
【0032】通常、テーパ鋼板6dの圧延では、最初の
2〜3パスは長手方向への板厚が一定である通常の圧延
を行い、その後の複数の各パスにより、長手方向への板
厚を変化させるための圧延が行われる。なお、以降の説
明では、長手方向への板厚を変化させるための圧延の最
初のパスを、「テーパ付与開始パス」といい、この時の
板厚を「テーパ付与開始厚」という。
【0033】すなわち、図3において、1パス目からテ
ーパ付与開始パスの1パス前までは、下記(5)式にし
たがって、各板厚部7a、7b、8a〜8cの板厚を求
める。そして、テーパ付与開始パスから最終パスまでは
(6)〜(9)式に示すようにして最小板厚部8aの各
パスにおける圧下量から、最大板厚部8cおよび中厚部
8bの各パスの圧下量を求め、各パスにおける板厚を計
算する。
【0034】 hmin (i) =hmax (i) =hmid (i) ・・・・・(5) Δhmax (i) =Δhmin (i) ×Δhmax total /Δhmin total ・・(6) hmax (i) =hmax (i−1)−Δhmax (i) ・・・・・(7) Δhmid (i) =Δhmin (i) ×Δhmid total /Δhmin total ・・(8) hmid (i) =hmin (i−1)−Δhmid (i) ・・・・・(9) ここで、iはパスNo.を示し、hmin (i) はiパス目
の最小板厚部8aの板厚を示し、hmax (i) はiパス目
の最大板厚部8cの板厚を示し、hmid (i) はiパス目
の中厚部8bの板厚を示し、Δhmin (i) は最小板厚部
8aのiパス目圧下量を示し、Δhmax (i) は最大板厚
部8cのiパス目圧下量を示し、Δhmi d (i) は中厚部
8bのiパス目圧下量を示し、Δhmin total は最小板
厚部8aにおけるテーパ付与開始パスから最終パスまで
の総圧下量を示し、Δhmax total は最大板厚部8cに
おけるテーパ付与開始パスから最終パスまでの総圧下量
であり、Δhmid total は中厚部8bにおけるテーパ付
与開始パスから最終パスまでの総圧下量を示す。
【0035】このように、本実施形態では、残余部7
a、7b、8b、8cに対する複数パスの各パス毎の圧
下量を、これら複数パスの各パス毎の圧下量と残余部7
a、7b、8b、8cに対する総圧下量との比が、最小
板厚部8aに対して決定した複数パスの各パス毎の圧下
量と最小板厚部8aに対する総圧下量との比に略等しく
なるように、それぞれ決定する。
【0036】さらに、S3において、複数パスの各パス
毎に、S1において最小板厚部8aについてそれぞれ決
定した圧下量と、残余部7a、7b、8、8cについて
それぞれ決定した圧下量とに基づいてテーパ鋼板6dの
圧延スケジュールPSを決定する。
【0037】すなわち、図4において、テーパ鋼板6d
の各部7a、7b、8a〜8cの長さを、体積一定則に
基づいて、S2で求めた各部7a、7b、8a〜8cの
板厚から、下記(10)式〜(14)式により求める。
【0038】 L1(i) =hmin (n) ×L1(n) /hmin (i) ・・・・・(10) L2(i) =L2(n) ×(hmin (n) +hmax (n) ) /(hmin (i) +hmax (i) ) ・・・・・(11) L3(i) =hmax (n) ×L3(n) /hmax (i) ・・・・・(12) L4(i) =L4(n) ×(hmax (n) +hmid (n) ) /(hmax (i) +hmid (i) ) ・・・・・(13) L5(i) =hmid (n) ×L5(n) /hmid (i) ・・・・・(14) ここで、nは最終パスNo.を示し、L1(i) 〜L5
(i) はiパス目における各部7a、7b、8a〜8cの
長さを示し、hmin (n) 、hmax (n) 、hmid (n) は各
部7a、7b、8a〜8cの製品板厚であり、L1(n)
〜L5(n) は各部7a、7b、8a〜8cの製品長さを
示す。
【0039】このように、本実施形態では、テーパ鋼板
6dの圧延スケジュールPSは、S1において最小板厚
部8aについて複数パスの各パス毎にそれぞれ決定した
圧下量と、S2において最小板厚部8a以外の残余部7
a、7b、8b、8cについて複数パスの各パス毎にそ
れぞれ決定した圧下量とともに、テーパ鋼板6dのテー
パ部7a、7bの目標長さとテーパ部7a、7b以外の
平行部8a〜8cの目標長さとを用いて、複数パスの各
パス毎のテーパ部7a、7bの長さおよび平行部8a〜
8cの長さを算出することによって、最終的に決定され
る。
【0040】そして、本実施形態によってこのようにし
て最終的に決定された圧延スケジュールPSを、前述し
たテーパ鋼板圧延パススケジュール設定器16に入力
し、圧延素材に複数パスの圧延を行うことにより、テー
パ鋼板6dが製造される。
【0041】この本実施形態によれば、テーパ鋼板6d
の最小板厚部8aの製品厚を、目標板厚として、長手方
向への板厚が一定である平板を圧延する際のパススケジ
ュールを計算するため、最小板厚部8aの平坦度を良好
に維持することのできる圧延スケジュールを作成するこ
とができる。
【0042】また、本実施形態によれば、テーパ鋼板6
dの他の板厚部7a、7b、8b、8cについても、板
厚変化量が比較的大きな場合には目標とする製品板厚が
大きくなるため、仕上パス付近においても特に平坦度が
悪化することなく安定して圧延を行うことができる。
【0043】
【実施例】さらに、本発明を実施例を参照しながら詳細
に説明する。厚さ150mm、幅2000mm、長さ4
200mmの普通鋼スラブを圧延素材として、図5にお
けるhmin (n) =20mm、hmax (n) =60mm、h
mid(n) =40mm、L1(n) =500mm、L2(n)
=6000mm、L3(n) =1000mm、L4(n) =
6000mm、L5(n) =500mmの、図6(d)に
示すテーパ鋼板6dの圧延スケジュールPSを、前述し
た(4)式〜(14)式を用いて作成した。
【0044】そして、作成したこの圧延スケジュールP
Sを、図1に示す圧延設備20におけるテーパ鋼板圧延
パススケジュール設定器16に入力することにより、圧
延時のロールギャップを適宜変更しながら複数パスのリ
バース圧延を行うことによって、テーパ鋼板6dを作成
した。
【0045】そして、圧延時の各パスにおける、荷重と
出側板厚との関係を調べた。結果を、図5のグラフにま
とめて示す。図5のグラフから明らかなように、最小板
厚部8aはもちろんのこと、最大板厚部8cおよび中厚
部8bにおいても、良好な平坦度で最終パスまで圧延を
行うことができた。
【0046】(変形形態)前述した実施の形態および実
施例の説明では、差厚鋼板が、図6(d)に示すテーパ
鋼板6dである場合を例にとった。しかし、本発明はテ
ーパ鋼板6dに限定されるものではなく、長手方向の全
部または一部について板厚がテーパ状に変化する差厚鋼
板であれば、等しく適用される。例えば、図6(a)に
示す、長手方向の一端より他端に向かって板厚が連続的
かつ一様に変化するテーパ部7を有するテーパ鋼板6a
や、図6(b)に示す、テーパ部7の両側に平行部8
a、8bを有するテーパ鋼板6b、さらには、図6
(c)に示す、平行部8の両側にテーパ部7a、7bを
有する山型形状のテーパ鋼板6c等について、同様に適
用される。
【0047】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、板厚変化量が比較的大きなテーパ鋼板において
も、最小板厚部での平坦度を良好に保ちながら、テーパ
鋼板を確実に製造することができる。
【0048】かかる効果を有する本発明の意義は、極め
て著しい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態で用いた、本発明にかかる製造方法
を実施するのに好適な圧延設備の構成を、模式的に示す
説明図である。
【図2】実施の形態によるテーパ鋼板のパススケジュー
ルの決定手順を示すフロー図である。
【図3】実施の形態における各パスの板厚決定方法の説
明図である。
【図4】実施の形態における各部の長さ決定方法の説明
図である。
【図5】実施例の結果を示すグラフである。
【図6】図6(a)〜図6(d)は、各種のテーパ鋼板
を示す説明図である。
【図7】特開平9−253725号公報により開示され
た発明にかかるパススケジュールの決定手順を示すフロ
ーチャートである。
【図8】圧延荷重および出側板厚の関係を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
10 圧延機 10a 上下ワークロール 10b 上下バックアップロール 12 圧下装置 13 圧下位置検出器 14 圧延荷重検出器 15 パルス発生器 16 パススケジュール設定器 17 目標板厚設定器 18 目標ロールギャップ設定器 19 ロールギャップ位置制御系

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長手方向の厚みが略一定である圧延素材
    に圧延を行って、長手方向の全部または一部について板
    厚がテーパ状に変化する差厚鋼板を製造するに際し、 該差厚鋼板の最小板厚部に対する圧下量を、前記圧延素
    材から前記差厚鋼板の最小板厚部と同じ板厚を有する平
    板を圧延により製造する際における複数パスの各パス毎
    に設定される圧下量と略同じ圧下量として、前記複数パ
    スの各パス毎にそれぞれ決定し、 前記最小板厚部以外の残余部に対する圧下量を、前記最
    小板厚部について前記複数パスの各パス毎にそれぞれ決
    定した前記圧下量に基づいて、前記複数パスの各パス毎
    にそれぞれ決定し、 前記複数パスの各パス毎に、前記最小板厚部についてそ
    れぞれ決定した前記圧下量と、前記残余部についてそれ
    ぞれ決定した前記圧下量とに基づいて前記差厚鋼板の圧
    延スケジュールを決定し、 決定した該圧延スケジュールに基づいて前記圧延素材に
    前記複数パスの圧延を行うことを特徴とする差厚鋼板の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 前記残余部に対する前記複数パスの各パ
    ス毎の圧下量は、該複数パスの各パス毎の圧下量と該残
    余部に対する総圧下量との比が、前記最小板厚部に対し
    て決定した前記複数パスの各パス毎の圧下量と該最小板
    厚部に対する総圧下量との比に略等しくなるように、そ
    れぞれ決定される請求項1に記載された差厚鋼板の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 前記圧延スケジュールは、さらに、前記
    差厚鋼板のテーパ部の目標長さと該テーパ部以外の平行
    部の目標長さとを用いて、前記複数パスの各パス毎のテ
    ーパ部の長さおよび平行部の長さを算出することによ
    り、決定される請求項1または請求項2に記載された差
    厚鋼板の製造方法。
JP2000240130A 2000-08-08 2000-08-08 差厚鋼板の製造方法 Expired - Fee Related JP3463658B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000240130A JP3463658B2 (ja) 2000-08-08 2000-08-08 差厚鋼板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000240130A JP3463658B2 (ja) 2000-08-08 2000-08-08 差厚鋼板の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002059211A true JP2002059211A (ja) 2002-02-26
JP3463658B2 JP3463658B2 (ja) 2003-11-05

Family

ID=18731551

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000240130A Expired - Fee Related JP3463658B2 (ja) 2000-08-08 2000-08-08 差厚鋼板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3463658B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NL1033685C2 (nl) * 2007-04-13 2008-10-14 Weweler Nv In breedte varierende draagarm.
JP2017144450A (ja) * 2016-02-16 2017-08-24 Jfeスチール株式会社 可逆式圧延機のパススケジュール設定方法および設定装置、ならびに鋼帯の製造方法
JP2018192504A (ja) * 2017-05-18 2018-12-06 株式会社日立製作所 圧延制御装置、圧延制御方法およびプログラム

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NL1033685C2 (nl) * 2007-04-13 2008-10-14 Weweler Nv In breedte varierende draagarm.
EP1980425A1 (en) * 2007-04-13 2008-10-15 Weweler Nederland N.V. Width-varying suspension arm
JP2017144450A (ja) * 2016-02-16 2017-08-24 Jfeスチール株式会社 可逆式圧延機のパススケジュール設定方法および設定装置、ならびに鋼帯の製造方法
JP2018192504A (ja) * 2017-05-18 2018-12-06 株式会社日立製作所 圧延制御装置、圧延制御方法およびプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP3463658B2 (ja) 2003-11-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100241167B1 (ko) 연속열간압연에 있어서의 강편접합부의 압연방법
JP3254067B2 (ja) エンドレス圧延における板クラウンの制御方法
JPH02147112A (ja) H形鋼のウエブ高さ制御圧延方法と装置
JP2002059211A (ja) 差厚鋼板の製造方法
JP2003170212A (ja) タンデム圧延機の形状制御方法および装置
JPS63140701A (ja) スラブの幅圧下方法
KR100805900B1 (ko) 평탄도 제어를 수행하는 피드백 제어 장치 및 방법
JP3045070B2 (ja) テーパプレートの製造方法
JPS63144815A (ja) リバ−ス圧延機による圧延方法
JP2768638B2 (ja) 鋼片の連続熱間圧延方法
JPH04351213A (ja) 走間ロールクロス角・ロールベンド力変更方法
JPH03165910A (ja) クラスター圧延機における形状制御方法
JP2004090079A (ja) 圧延機のエッジドロップ制御装置
JP2996338B2 (ja) ゼンジミア圧延機によるステンレス鋼板の圧延方法
JPH08300005A (ja) テーパプレートの圧延方法
JPH08117825A (ja) リバース圧延機における異厚圧延パススケジュールの決定方法
JP3327212B2 (ja) エッジドロップを抑制した冷間圧延法
JP3254869B2 (ja) 鋼製連壁用形鋼の製造方法
JP2000051914A (ja) 板材圧延における板幅制御方法
JP3456082B2 (ja) 冷間圧延におけるエッジドロップ制御方法
JP2000102806A (ja) 圧延機
JPH03294005A (ja) 熱間仕上圧延機及び熱間仕上圧延機列と熱間仕上圧延方法
JPH0618651B2 (ja) 薄鋼板の長手方向にわたる、幅方向板厚差制御方法と制御装置
JP2021164926A (ja) 厚鋼板の圧延方法および製造方法
JPH01218711A (ja) 圧延方法

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20030722

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3463658

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070822

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080822

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080822

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090822

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090822

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100822

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110822

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110822

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120822

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120822

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130822

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130822

Year of fee payment: 10

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130822

Year of fee payment: 10

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees