JP3254869B2 - 鋼製連壁用形鋼の製造方法 - Google Patents

鋼製連壁用形鋼の製造方法

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    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B1/00Metal-rolling methods or mills for making semi-finished products of solid or profiled cross-section; Sequence of operations in milling trains; Layout of rolling-mill plant, e.g. grouping of stands; Succession of passes or of sectional pass alternations
    • B21B1/08Metal-rolling methods or mills for making semi-finished products of solid or profiled cross-section; Sequence of operations in milling trains; Layout of rolling-mill plant, e.g. grouping of stands; Succession of passes or of sectional pass alternations for rolling structural sections, i.e. work of special cross-section, e.g. angle steel
    • B21B1/082Piling sections having lateral edges specially adapted for interlocking with each other in order to build a wall

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  • Metal Rolling (AREA)
  • Control Of Metal Rolling (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、大深度用の土留壁等の
部材として用いられる鋼製連壁用形鋼の製造方法に係
り、特に、左右に円形継手部を有する部材を、従来のH
形鋼等の圧延設備をできうる限り利用して製造する鋼製
連壁用形鋼の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鋼製連壁とは、工場で製作された鋼製地
中連壁用部材を地中に建込んで地中連続壁としたもの
で、従来の鉄筋コンクリート地中壁より薄肉化、施工現
場スペースの削減及び省力化を実現することができる。
また、通常のH形鋼の建込みに比べて建込み精度が良好
で、止水性があるなどの優れた特長を有するものであ
る。従来、このような鋼製連壁用形鋼としては、一般に
継手を有する直線状形鋼が用いられていた。
【0003】継手を有する直線状形鋼の製造方法として
は、一般に図10に示すいわゆるカリバー圧延方法が広
く用いられている(特公昭55−11921号公報)。
図10において、粗工程の孔型Bをパスした粗形鋼片は
順次第1パスKal.10〜第10パスKal.1の各
工程を経て製品となる。このような圧延方式では、圧延
ロールの孔型の深さが大きく、特に閉式孔型では孔型の
摩耗のためにロール改削量が大きくなり、ロール原単位
が高くなるほか、ロール冷却水や圧延油が各部に充分行
きわたりにくいため、ロール肌荒れ、ヒートクラック、
孔型局部摩耗、製品両縁部の嵌合継手部の割れが発生し
やすく、製品形状が不安定になり、多量生産ができず、
さらに上記した鋼矢板両縁部の継手部の成形が比較的困
難であるという欠点がある。また、孔型数が多数必要と
なるため、大形の形鋼を圧延しよとしても、ロール胴長
やミル数の制約により充分な孔型数が準備できないとい
う問題が生じる。
【0004】上記の孔型によるカリバー圧延方式に対し
て、継手部を形成する素材部分に直接圧下を加えること
により、その成形上の欠点を除去したユニバーサル圧延
による鋼矢板の圧延方法が特公昭47−47784号公
報に示されている。このユニバーサル圧延の代表例を図
11に示す。この圧延方法は、中間圧延工程にユニバー
サル圧延法を導入して継手部に直接圧下を加えている。
しかしながら、この方法においても、圧延する鋼矢板の
断面形状が鋼矢板の長さ方向の軸に対して上下非対称で
あるため、ユニバーサル圧延ではあってもその上下の水
平ロールには比較的深い複雑な形状の孔型を設けてお
り、上記の諸問題を解決することができなかった。
【0005】製品形状をユニバーサル圧延法に適した形
状とし、ユニバーサル圧延での孔型深さを小さくして直
線形鋼矢板を製造する方法として、図12に示した特開
昭55−1913号公報記載の技術があるが、ユニバー
サル圧延用ロールの形状が円弧状となっているため、ウ
ェブ圧や継手部厚の造り分けが狭い範囲に限定されてい
た。また、BD圧延以降の全工程で専用ロールを準備す
る必要があるため、ロール原単位の向上が不十分であっ
た。
【0006】これに対して、従来のH形鋼製造のユニバ
ーサル圧延とロールの共用が可能な技術として、特開平
2−200302号公報に開示された方法がある。これ
は図13に示すように、中間圧延工程のユニバーサルミ
ルにH形鋼の圧延に使用される水平ロールと同様のロー
ルを用い、ロールを共用することによってロール原単位
の向上を図っている。しかし、竪ロールはテーパのない
フラットロールを用いており、H形鋼圧延ロールとの完
全な共用化は達成されていない。また、フランジを外側
に曲げ成形する方法として、形鋼圧延設備として一般に
用いられていない斜行ロールミルを用いており、新たな
設備を導入する必要性があるため製造コストの増加とな
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】これらに対して、特開
平4−75702号公報に記載の技術に代表される一連
の直線型形鋼の製造方法では、図14に示すように、製
品形状を限りなくユニバーサル圧延法に適した形状、す
なわち上下左右対称な円形継手部を有する形鋼を圧延す
るための技術に限定し、中間圧延工程のユニバーサルミ
ルにH形鋼の圧延に使用される水平ロールと同様のロー
ルを用い、ロールを共用することによってロール原単位
の向上を図っている。しかし、ユニバーサルミルの竪ロ
ールには、テーパのないフラットロールを使用している
ため、H形鋼圧延ロールとの完全なロール共用化は達成
されていない。また、上記のテーパのないフラットロー
ルを使用するため、円形継手部を形成するフランジ部の
厚さは足先に向かって細くなり、円形継手部のための仕
上げ成形加工時に形状不良(縁波)が発生しやすいとい
う問題がある。
【0008】このように、従来は上記の形状の部材を製
造するにあたってユニバーサル法を用いていながら、H
形鋼とのロール共用化が不十分で専用ロールを必要とす
るため、コスト高になっていた。また、造形上不合理な
形状を追求したため、円形継手部の最も重要な成形加工
の条件を難しく煩雑なものとしていた。
【0009】この発明は上記の諸課題を解決するために
なされたもので、H形鋼圧延の製造プロセスをできうる
限り利用し、ユニバーサルミルで使用するロールも従来
のH形鋼との共用化を図ることにより、圧延形状及び品
質が良好で左右対称の円形継手部を有する鋼製連壁用形
鋼を安価に製造することを目的としたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段及び作用】この発明に係る
鋼製連壁用形鋼は、従来のH形鋼圧延設備を用いて、以
下の工程により製造する。 スラブ等の連鋳鋼片を圧延用素材として、対称の孔型
を有する上下一対の水平ロールを持つブレイクダウンミ
ルで、左右対称のドッグボーン状の粗造形材を製造する
(第1の工程)。
【0011】H形鋼製造と同様のロールを用いたユニ
バーサルミルとエッジャで、左右対称のH形圧延材を製
造する。この工程におい、目標とする寸法の中間圧延材
を製造するために、ユニバーサルミル水平ロールと竪ロ
ールのパススケジュールを次の範囲とする(第2の工
程)。 圧延前期 λf >λw 圧延後期 λf ≦λw 但し、λw :ウェブ圧下率 λf :フランジ圧下率
【0012】左右対称の孔型を有する仕上げミルによ
り継手部となるフランジ部の円形曲げ加工と仕上げ成形
加工を行う。この工程において、成形時の継手部縁波を
防止するため、円形曲げ加工および仕上げ成形加工にお
けるフランジ先端部の長手方向の圧縮応力が、フランジ
寸法から求まる縁波限界応力を超えないように円形曲げ
加工用孔型の数を決定し、次式によって円形曲げ加工用
孔型の曲げ加工部半径を決定する。 ri =n/i×rp 但し、ri :i番目の孔型の半径 n :全孔型数 rp :製品継手半径
【0013】
【実施例】図3はこの発明が対象とする左右対称の鋼製
連壁用形鋼の一例を示す上面図で、ウェブ2の両端部
に、スリットを有するパイプ状の継手部3a,3bを一
体成形したものである。上記のような鋼製連壁用形鋼1
(以下単に形鋼ということがある)は、図8に示すよう
に、2枚の形鋼1,1を平行に配置し、そのウェブ2,
2間にプレート4を溶接してH形断面とした箱形鋼矢板
5として用いられる。
【0014】このような箱形鋼矢板5は、用途に応じ
て、図9(a)に示すように、継手部3a,3bにそれ
ぞれH形鋼6を嵌合して連結し、あるいは、H形鋼7,
7のウェブにプレート4を溶接して箱形鋼矢板5とほぼ
同じ寸法の箱形鋼矢板8を構成し、そのフランジを継手
部3a,3bに嵌合して連結し、鋼製連壁を施工する。
このように、この発明に係る鋼製連壁用形鋼によれば、
H形鋼との組合せにより連続壁の施工における壁面長の
微調整が容易であり、鋼製連壁の施工の自由度が高いと
いう利点がある。
【0015】次に、上記のような鋼製連壁用形鋼の製造
方法を説明する。図1はこの発明の製造方法の実施例を
示す説明図であり、図2はその圧延装置列の概要図であ
る。また、図3はこの発明で製造される鋼製連壁用形鋼
の上面図である。図1、図2において、粗圧延工程は、
薄肉鋳鋼片を素材としてブレイクダウンミルBDの上下
の水平ロールにより粗造形材に造形する工程である。用
いられる孔型は、素材を立てて圧延し、上下対称のドッ
グボーン形状とする複数の上下対称孔型B1〜B3、圧
延によりドッグボーン形状になった素材を90度回転さ
せ、ユニバーサル圧延用素材まで圧延する最低1つの左
右対称の孔型Kal.0から構成される。
【0016】粗圧延工程により左右対称の形状に造形さ
れた粗造形材21は、続く中間圧延工程に送られる。中
間圧延工程で使用される圧延機は、粗ユニバーサルミル
1,U2 とエッジャE1 ,E2 により構成され、前記
の粗造形材21はこれらによって複数リバース圧延する
ことにより、左右対称のほぼH形断面の中間圧延材に圧
延される。ここで、ユニバーサルミルU1 ,U2 の水平
ロール13HU,13HD及び14HU,14HDは、
圧延材23,24のウェブを圧延する面が平坦で、フラ
ンジの内側面を圧延するロール側面が傾斜角θで外側に
傾斜し、ロール外周ほど胴長が短くなっているものを用
いる。また、ユニバーサルミルU1 ,U2 の竪ロール1
3VF,13VD及び14VF,14VDは、圧延材の
フランジ部外側面を圧延する外周面が同じく傾斜角θに
形成された凸形状のものを用いる。
【0017】これらのロールの傾斜角θは、通常のH形
鋼圧延用ロールと同様に3〜10度とし、フランジ部の
厚さが幅方向で一定となるように圧延する。これによ
り、ユニバーサル圧延用ロールは、通常のH形鋼圧延ロ
ールと共用することが可能であり、ロール費用を大きく
削減することができるとともに、ロール保有数を削減で
きる。
【0018】ところで、この発明で対象としている図3
の鋼製連壁用形鋼は、通常のH形鋼と逆に円形継手部3
a,3bとなる中間圧延材のフランジがウェブよりも薄
い。このため、図1の粗造形材21から目標とする中間
圧延材の板厚比率にするためには、フランジがウェブに
対して強圧下となるユニバーサルミルの水平ロールと竪
ロールのパススケジュールとする必要がある。このよう
なパススケジュールで問題となるのは、フランジがウェ
ブよりも薄いためにユニバーサル圧延の後期に、図4に
示すようなフランジ波Fw が発生することである。
【0019】そこで、この発明の発明者らは種々試験研
究を重ねた結果、各部の圧下率を適切に設定することに
より、このような問題を防止する中間ユニバーサル圧延
のパススケジュールを見いだした。すなわち、 圧延の前期では λf >λw とし、 圧延の後期では λf ≦λw とするパススケジュールである。 但し、λw :ウェブ圧下率 λf :フランジ圧下率
【0020】以下、この点について、さらに詳細に説明
する。図5はこの発明の方法により粗圧延材21を圧延
したときの、フランジ厚tf のウェブ厚tw に対する変
化を示す。条件1は、粗圧延材21のウェブ厚tw が約
100mm、フランジ厚tf が約100mmの場合であ
り、ユニバーサル圧延の初期はλf −λw を5%程度と
し、圧延中期には2%程度として板厚を製品の目標比率
に近づけた。その後パススケジュールaではフランジ厚
が20mm以下となった圧延後期についてλf とλw
等しくした。その結果フランジ波Fw は発生せず、健全
な中間圧延材が圧延できた。またλf −λw を−2%程
度とした場合にもフランジFw は発生しなかった。これ
に対して、圧延後期においてもλf −λw を2%とした
ままの圧延パススケジュールbでは、徐々にフランジ波
w が発生するようになり、さらに圧延を続けたところ
フランジが倒れて水平ロールに咬み込んでしまった。
【0021】条件2は、粗圧延材のウェブ厚tw が約7
0mm、フランジ厚tf が約90mmの場合である。条
件1の場合と同様に圧延後期でλf とλw が等しくなる
ように圧延したところ、フランジ波Fw の発生を防止す
ることができた。
【0022】また、この発明のパススケジュールによれ
ば、粗造形材21の寸法から製造可能な製品の範囲が特
定できる。波打ち限界を超えず、かつウェブの素通し限
界や圧延機の荷重限界などを超えない範囲で、圧延の前
期・中期にフランジをウェブより強圧下し、後期にフラ
ンジとウェブをほぼ同一圧下率で圧延すれば、それがt
f /tw が最小となる圧延パススケジュールとなる。こ
れよりもtf /tw が大きい範囲であれば、同一の粗造
形材21から作り込むことが可能である。
【0023】以上のようにこの発明によれば、圧延材2
4のフランジ波Fw の発生を防止することが可能であ
り、同時に粗圧延材24の板厚比率から製造可能な製品
(フランジ、ウェブ)厚の範囲を決定することができ
る。
【0024】ユニバーサルミルU1 ,U2 で圧延された
中間圧延材は、ユニバーサルミルU1 ,U2 と対になる
ように配列されたエッジャE1 ,E2 の孔型によりフラ
ンジ先端部が圧下され、所定のフランジ幅に整形され
る。なお、本実施例では、中間圧延ミルを粗ユニバーサ
ルミルU1 ,U2 とエッジャE1 ,E2 各1基を1組と
して、2組の中間圧延ミルR1 ,R2 を配置して圧延し
た例を示したが、1組または3組以上の圧延機が配置し
てある圧延ラインにおいても、同様の方法で中間圧延材
が製造できる。
【0025】次に、中間圧延材25は仕上げミルFによ
りランンジ部を円形の継手部形状に成形される。この仕
上げ成形工程は、中間圧延材25のウェブ内法に対して
幅のほぼ等しい平坦部の両端に円弧状の継手成形部を有
する孔型16U,16L、17U,17Lを二対用い、
複数パスで継手部3a,3bを曲げ加工することによ
り、所定の継手部形状の製品27を製造する。ここで、
最終の仕上げ成形加工用孔型17U,17Lは、継手成
形部半径が目標とする製品外形形状とほぼ等しくするこ
とが必然的に決まる。しかし、それに先立つ円形曲げ加
工用孔型16U,16Lは、図1では一対となっている
が、縁波防止のため円形曲げ加工用孔型の数およびその
継手成形部半径をどのような大きさにするかについて
は、明確な指針が必要である。以下に、これについて説
明する。
【0026】縁波発生の状況を図6に示す。継手部成形
においてフランジ部先端は、前半で引張が働き、加工後
半で圧縮が働く。このとき、継手部先端の圧縮応力が座
屈限界応力よりも大きければ、波打ちが発生する。した
がって、継手部の波打ちを防止するためには、1パス当
たりの曲げ加工量を小さくして、継手部先端の圧縮応力
を小さくすればよいことになる。それには、円形曲げ加
工時の継手部先端の軌跡から圧縮応力の値を求め、その
値が縁波限界応力よりも大きい場合には円形曲げ加工用
孔型の数を増やす必要がある。さらに、孔型の半径を適
切な値に決定し、各パスで縁波限界を超えない曲げ加工
を行うことが必要である。
【0027】この発明の発明者らは、円形曲げ加工用孔
型の半径を決定する方法を種々検討した結果、1孔型当
たりの曲げ加工量がほぼ均等になるようにすることが最
も重要であるとの考えに至った。そこで、この発明で
は、継手部厚や継手部直径によって一対の円形曲げ加工
用孔型だけでは成形不可能な場合があることを考慮し、
円形曲げ加工用孔型が単数の場合だけでなく、複数設け
た場合においても適切な曲げ加工部の孔型半径を決定で
きる方法を案出した。
【0028】以下に、図7を用いてその方法を説明す
る。図7は円形曲げ加工用孔型を二対、仕上げ成形孔型
を一対を用いる場合を示す。ここで、仕上げ加工用孔型
の半径r3 は、製品継手部外半径rp にほぼ等しく、円
形曲げ加工用孔型の半径r1 ,r2 は未知である。各孔
型で曲げ加工された場合に、継手部片側の円弧がなす中
心角をθとする。1孔型当たりの曲げ加工量をほぼ均等
にするためには、このθに着目し、各パスでθの増分Δ
θが均等になるようにすればよいことがわかった。仕上
げ成形孔型のθ3 は、ほぼ180°であるから、三対の
孔型で曲げ加工する場合にはΔθ180÷3=60°と
なる。継手部成形前の中間圧延材では角度θがほぼ0で
あることから、θ1 =60°、θ2 =120°である。
このとき継手部片側の長さが一定であるとすれば、r1
=3rp 、r2 =1.5rp の関係が求められ、円形曲
げ加工用孔型の半径が決定される。
【0029】さらに、この関係を一般化し、円形曲げ加
工用孔型と仕上げ成形孔型の合計数がn対の場合を考え
る。このとき、Δθ=180÷nであり、i番目の孔型
の半径ri は、ri =n/i×rp と決定される。図1
に示す円形曲げ加工用孔型16U,16Lが一対の場合
には、孔型半径がri =2rp である。この方法によれ
ば、孔型で中間圧延材のフランジを継手部に成形する際
に、孔型数が多数必要であっても、1孔型当たりの曲げ
加工量を均等にすることができるため、継手部の波打ち
などの成形不良を効果的に防止することができる。
【0030】なお、本実施例では孔型は二対ないしは三
対としたが、必要に応じてさらに多数の孔型を用いれ
ば、より薄肉で径の大きな継手部が成形でき、製造可能
な製品板厚の範囲を拡大することができる。孔型は仕上
げミルFのほかに使用可能な上下水平ロールを有する圧
延機があれば、2基以上の圧延機に分けてもよい。ま
た、複数対の孔型を1つの水平ロールに並列あるいは重
ね合わせて形成すれば、圧延機数に対して孔型数を増や
すことが可能である。さらにこの考えを応用拡大する
と、円形曲げ加工用孔型の刻設が限定される場合には、
ロールギャップを開いたパスを加えてri 半径に相当す
る曲げひずみを制御することにより、縁波を防止するこ
とができる。
【0031】以上の工程によって図3に示す鋼製連壁用
形鋼を円滑に製造するこができた。この形鋼のウェブ厚
w のサイズ造り分けはユニバーサルミル水平ロールの
圧下調整で行い、継手の厚tf はユニバーサルミル竪ロ
ールの圧下調整で行う。このような工程によれば、ユニ
バーサルミルの特徴を生かして、種々の板厚の製品をロ
ール組替することなく製造することができる。
【0032】
【発明の効果】この発明の方法によれば、既存のH形鋼
ユニバーサル圧延装置列を用い、継手部の嵌合の自由度
が高い鋼製連壁用形鋼を安価に製造することができる。
ユニバーサル法を用い、従来のH形鋼圧延ユニバーサル
ロールを使用することにより、種々のウェブ厚、継手部
厚(フランジ厚)の圧延材をフランジ波、縁波が発生す
ることなく同一のロールで製造でき、圧延ロールや付属
品の必要数が激減するとともにロール原単位が向上す
る。また、ロール組替回数が減少するため稼働率が向上
し、生産上のメノットも大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る鋼製連壁用形鋼の製造方法の実施
例の説明図である。
【図2】図1に対応した圧延装置列の概要説明図であ
る。
【図3】本発明によって製造された鋼製連壁用形鋼の上
面図である。
【図4】中間ユニバーサル圧延工程で発生するフランジ
波の説明図である。
【図5】中間ユニバーサル圧延工程におけるフランジと
ウェブの板厚変化を示す線図である。
【図6】仕上げミル工程による縁波の発生状態を示す説
明図である。
【図7】仕上げミル工程における孔型半決の決定方法の
説明図である。
【図8】本発明によって製造された鋼製連壁用形鋼の使
用状態を示す説明図である。
【図9】(a),(b)は図8によって組立てられた箱
状矢板の施工例を示す説明図である。
【図10】従来のカリバー圧延法による継手を有する形
鋼の製造方法の説明図である。
【図11】中間圧延工程にユニバーサル圧延法を導入し
た従来技術の圧延工程図である。
【図12】ユニバーサル圧延に適する製品形状として孔
型深さを小さくした従来技術製造方法の圧延工程図であ
る。
【図13】従来のH形鋼のユニバーサル圧延とロール共
用化を図った従来技術の圧延工程図である。
【図14】従来技術による上下左右対称な直線型形鋼の
圧延工程図である。
【符号の説明】
BD ブレイクダウンミル R1 粗第1圧延機群 R2 粗第2圧延機群 U1 ,U2 粗ユニバーサルミル E1 ,E2 エッジャ F 仕上げユニバーサルミル Fw フランジ波 Ew 縁波 1 鋼製連壁用形鋼 2 ウェブ 3a,3b 継手部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 東 悦男 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−148504(JP,A) 特開 平4−84602(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 1/00 - 1/46 E02D 5/04 B21B 37/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレイクダウンミルにより圧延用素材を
    左右対称の粗造形材に圧延する第1の工程と、 ユニバーサルミルとエッジャにより前記粗造形材のウェ
    ブ部を所定の厚さに圧延すると共に、所定の厚さ及び幅
    のフランジ部を中間造形する第2の工程と、 仕上げミルにより前記中間造形された圧延材のフランジ
    部の円形曲げ加工と仕上げ成形加工を行なう第3の工程
    とからなり、 前記第2の工程においては、前記ユニバーサルミルの水
    平ロールと竪ロールのパススケジュールを 圧延前期には λf >λw 圧延後期には λf ≦λw 但し、λf :フランジ圧下率 λw :ウェブ圧下率 とし、 前記第3の工程においては、前記フランジ部の円形曲げ
    加工及び仕上げ成形加工におけるフランジ先端部の長手
    方向の圧縮応力がフランジ寸法から求まる縁波限界応力
    を超えないように円形曲げ加工用孔型の数を決定すると
    共に、次式により円形曲げ加工用孔型の加工部半径を決
    定する ri =n/i×rp 但し、ri :i番目の孔型の半径 n :全孔型数 rp :製品継手部の半径 ことを特徴とする鋼製連壁用形鋼の製造方法。
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