JPH07178403A - 鋼製連壁用形鋼の製造方法 - Google Patents

鋼製連壁用形鋼の製造方法

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JPH07178403A
JPH07178403A JP5328208A JP32820893A JPH07178403A JP H07178403 A JPH07178403 A JP H07178403A JP 5328208 A JP5328208 A JP 5328208A JP 32820893 A JP32820893 A JP 32820893A JP H07178403 A JPH07178403 A JP H07178403A
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Japan
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rolling
steel
flange
mill
shape
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Application number
JP5328208A
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English (en)
Inventor
Yukio Takashima
由紀雄 高嶋
Takashi Ariizumi
孝 有泉
Tatsuro Udagawa
辰郎 宇田川
Etsuo Azuma
悦男 東
Jun Furukawa
遵 古川
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B1/00Metal-rolling methods or mills for making semi-finished products of solid or profiled cross-section; Sequence of operations in milling trains; Layout of rolling-mill plant, e.g. grouping of stands; Succession of passes or of sectional pass alternations
    • B21B1/08Metal-rolling methods or mills for making semi-finished products of solid or profiled cross-section; Sequence of operations in milling trains; Layout of rolling-mill plant, e.g. grouping of stands; Succession of passes or of sectional pass alternations for rolling structural sections, i.e. work of special cross-section, e.g. angle steel
    • B21B1/082Piling sections having lateral edges specially adapted for interlocking with each other in order to build a wall

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metal Rolling (AREA)
  • Control Of Metal Rolling (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】左右非対称な円形継手を有する鋼製連壁用形鋼
を安価に製造する。 【構成】ブレイクダウンミルBDでスラブを粗造形材に
圧延する粗圧延工程と、H形鋼製造と同様のユニバーサ
ルミルU1,U2とエッジャE1,E2とによって左右
非対称な略H形鋼に成形する中間圧延工程と、仕上げミ
ルFによってフランジ部を円弧状に曲げ加工する円形曲
げ加工工程と、さらにフランジ部を製品形状である円形
継手に成形加工する仕上げ成形工程とからなり、前記中
間圧延工程における圧延前期は下式(1) の条件で圧延
し、圧延後期は下式(2) の条件で圧延する。 λf >λw かつ λf1/λf2≦1.5 (1) λf ≦λw かつ λf1/λf2 1 (2) 但し、λf :フランジ圧下率、λw :ウェブ圧下率、λ
f1:薄肉側フランジ圧下率、λf2:厚肉側フランジ圧下

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、大深度用の土留壁等の
部材として用いられる鋼製連壁用形鋼の製造方法に関
し、特に左右非対称な円形継手を有する鋼製連壁用形鋼
の圧延による製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼製連壁とは、工場で作成された鋼製地
中連壁用部材を地中に建込み地中連続壁としたものであ
り、従来の鉄筋コンクリート地中壁より薄肉化・施工現
場スペース削減・省力化が容易に可能である。また、通
常のH形鋼の建込みに比べて建込み精度が良好で止水性
があるなどの優れた特徴を有するものである。鋼製連壁
用形鋼としては、両端に継手を有する直線状形鋼が一般
に用いられている。そして、このような継手を有する直
線状形鋼の製造方法としては、図6に示すいわゆるカリ
バー圧延方法が一般的に広く用いられている。
【0003】図6において、粗工程の孔型Bをパスした
粗形鋼片は順次第1パスKal.10〜第10パスKa
l.1の各工程を経て製品となる。このような圧延方法
では、圧延ロールの孔型の深さが大きく、特に閉式孔型
では孔型の摩耗のためにロール改削量が大きくなり、ロ
ール原単位が高くなるほか、ロール冷却水や圧延油が各
部に充分行きわたりにくいため、ロール肌荒れ、ヒート
クラック、孔型局部摩耗、製品両縁の嵌合継手部の割れ
等が発生しやすく、製品形状が不安定になり大量生産が
できず、さらに直線状形鋼の両縁継手部の成形が比較的
困難であるという問題点があった。また、上記の方法で
は孔型数が多数必要となるため、大形の形鋼を圧延しと
ようとしても、ロール胴長やミル数の制約により充分な
孔型数が準備できないという問題もあった。
【0004】上記の孔型によるカリバー圧延方法におけ
る継手部の成形上の問題点を解決したものとして、ユニ
バーサル圧延による鋼矢板の圧延方法が特公昭47−4
7784号公報に示されている。このユニバーサル圧延
の代表例を図7に示す。この方法は中間圧延工程にユニ
バーサル圧延法を導入して継手部を形成する素材に直接
圧下を加えるというものである。しかしながらこの方法
においても圧延する鋼矢板の断面形状が鋼矢板の長さ方
向の軸に対して上下非対称であるため、ユニバーサル圧
延ではあってもその上下水平ロールには比較的深い複雑
な形状の孔型を用いており、上記の諸問題を完全には解
決することができなかった。
【0005】そこで、製品形状をユニバーサル圧延法に
適した形状にし、ユニバーサル圧延での孔型深さを小さ
くして直線形鋼矢板を製造する方法として、図8に示し
た特開昭55−1913号公報に開示された技術があ
る。しかし、同公報のものはユニバーサル圧延用ロール
の形状が円弧状となっているため、ウェブや継手の厚み
の造り分けが狭い範囲に限定されていた。また、粗圧延
工程以降の全工程で専用ロールを準備する必要があるた
め、ロール原単位を十分向上することができなかった。
【0006】これに対して、従来のH形鋼製造のユニバ
ーサル圧延とロールの共用を可能にした技術として、例
えば特開平2−200302号公報に開示された方法が
ある。この方法は図9に示すように中間圧延工程のユニ
バーサルミルにH形鋼の圧延に使用される水平ロールと
同様のロールを用い、ロールを共用することによってロ
ール原単位の向上を図っている。しかし、堅ロールはテ
ーパのないフラットロールを用いており、H形鋼圧延ロ
ールとの完全な共用化は達成されていない。また、フラ
ンジを外側に曲げ成形する方法として、形鋼圧延設備と
しては一般に用いられていない斜行ロールミルを用いて
いるため新たな設備を導入する必要性があり、製造コス
トの増加となる。
【0007】そこで、斜行ロールミルの代わりに予備成
形ミル等を用いたものとして、例えば特開平4−757
02号公報に代表される一連の直線型形鋼の製造方法が
ある。同公報のものは、斜行ロールミルを使用する場合
のように大きな設備投資は必要としないが、図10に示
すように中間圧延工程にフラット堅ロールを使用してい
る点では上記の特開平2−200302号公報と同様で
あり、H形鋼圧延ロールとの完全な共用化は達成されて
いない。なお、特開平4−75702号公報の方法は図
10からわかるように上下左右対称な特定形状の形鋼を
圧延するための技術である。
【0008】左右非対称な直線型形鋼の圧延方法とし
て、例えば特開平4−330113号公報に開示された
技術がある。同公報に開示された圧延方法は図11に示
すように、形鋼の一端側を雌形状に、他端側を雄形状に
形成したものであり、継手の嵌合態様が1種類に限られ
るため、鋼製連壁を構成するときに施工上の自由度が限
定されるという欠点がある。
【0009】以上述べた種々の問題点を解決したものと
して、本出願人の出願に係る特公昭55−11921号
公報に開示された非対称直線形鋼矢板の製造方法があ
る。同公報に開示された方法は、圧延工程において各々
ユニバーサルミルの上下水平ロールと一対の竪ロール及
びエッジャーミルの上下ロールによる一次および二次中
間圧延工程を含むものであり、後述する各中間圧延工程
中においてウェブの形成は各ユニバーサルミルの上下水
平ロールで行い、両嵌合部の成形は各ユニバーサルミル
の竪ロールにより直接圧下を加えて行うというものであ
る。そして、雌嵌合部の形成のために一次中間圧延工程
ではそのユニバーサルミルの雌嵌合部側の竪ロールの角
度を圧延プロフィルにおいて垂直方向より外方に5〜2
0度傾斜せしめ、二次中間圧延工程では同じく20〜4
0度傾斜せしめ、さらに引き続く仕上げ圧延工程にて上
下二段水平ロールスタンドにより雌嵌合部の仕上げ成形
加工を行うというものである。
【0010】上記の特公昭55−11921号公報に開
示された方法によれば、図12に示す左右非対称な円形
継手を有する鋼製連壁用形鋼を製造することが可能であ
る。そして、この形鋼は図13に示すように2枚の形鋼
のウェブにプレートを溶接してH形断面とした箱形鋼矢
板50,51として用いる。この左右非対称な円形継手
を有する形鋼は小径側の継手が雄雌共用であるため、図
14に示すように種々の連結態様が可能である。連結態
様52は左右の径が異なる継手を直接嵌合したものであ
り、連結態様53,54は継手部をH形鋼を介して連結
したものである。このように、図12に示す左右非対称
な円形継手を有する鋼製連壁用形鋼はH形鋼との組み合
わせにより連続壁の施工における壁面長の微調整を容易
にすることが可能であり、鋼製連壁の施工の自由度も高
いという優れた利点がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
の鋼製連壁用形鋼の製造方法は主として対称形や片側に
雄継手を有する非対称形状の形鋼を対象としており、上
記左右非対称な円形継手を有する鋼製連壁用形鋼の製造
方法を明確に開示している文献は少ない。また、左右非
対称な円形継手を有する鋼製連壁用形鋼の製造方法であ
る上記特開平2−200302号公報に開示された方法
では、H形鋼圧延ロールとの完全な共用化は達成されて
おらず、また、フランジを外側に曲げ成形する方法とし
て、形鋼圧延設備としては一般に用いられていない斜行
ロールミルを用いており、製造コストが高くなるという
問題点があった。
【0012】また、特公昭55−11921号公報の方
法によれば左右非対称な直線型形鋼を第1次中間ユニバ
ーサル圧延までは従来のH形鋼と同様のロールで圧延す
ることができるが、第2次中間ユニバーサル圧延では水
平ロール、竪ロールおよびエッジャロールの角度を圧延
プロフィルにおいて垂直方向より外方に20〜40度傾
斜せしめているため、専用のロールが必要となりコスト
が高くなる。また、仕上げ成形孔型が1対であるため、
大径で薄肉な継手の成形に際しては継手部に波打ち等の
成形不良が発生する可能性が高く、成形可能な継手の寸
法が限定されるという問題点もあった。
【0013】さらに、図12に示す左右非対称な円形継
手を有する直線型形鋼は、図14に示した連結態様で使
用されるが、この使用時における曲げ剛性はウェブの厚
みで決定されるため、フランジの部分はウェブより薄く
て足りる。また、フランジの厚みも継手部半径が左右で
異なるため、曲げに対して左右同じ強度を得るためには
継手部半径が大きい方のフランジは小さい方よりも薄く
て足りることになる。すなわち、経済性等を考慮すると
最も理想的な円形継手を有する直線型形鋼の形状は、図
12に示すようにウェブ厚がフランジ厚よりも厚く、継
手部半径が大きい方のフランジの厚みが小さい方のそれ
よりも薄いというものである。
【0014】しかし、上記のような理想的な形状を成形
するには、フランジの圧下をウェブに対して強圧下に
し、かつ、左右フランジの圧下率を異ならせるというパ
ススケジュールが必要となる。このようなパススケジュ
ールで問題となるのは、フランジの圧下をウェブに対し
て強圧下とすることに起因する図15に示すようなフラ
ンジ波が発生すること及び、左右フランジの圧下率が異
なることに起因する圧延材の曲りの発生である。なお、
図15において、55,56はユニバーサル圧延機の竪
ロール、57は上水平ロール、58は圧延材、59,6
0は圧延材58のフランジ部を示している。しかし、上
記いずれの従来方法もこのような点を考慮していなかっ
たので、図12に示す理想形状の左右非対称な円形継手
を有する直線型形鋼を歩留まりよく製造できないという
問題点があった。
【0015】本発明はかかる問題点を解決するためにな
されたもので、ウェブ厚がフランジ厚よりも厚く、か
つ、継手部半径が大きい方のフランジの厚みが小さい方
のそれよりも薄い形状となる左右非対称な円形継手を有
する鋼製連壁用形鋼を安価に製造する方法を提供するこ
とを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明に係る鋼
製連壁用形鋼の製造方法は、スラブ等の連鋳鋼片を非対
称な孔型を有する上下一対の水平ロールを持つブレイク
ダウンミルで左右非対称なドッグボーン状の粗造形材に
圧延する粗圧延工程と、該工程で圧延された粗造形材を
H形鋼製造に使用するものと同様のユニバーサルミル及
びフランジ足先の圧下設定が左右非対称となるエッジャ
によって複数リバース圧延することにより、所定形状の
左右非対称な略H形鋼に成形する中間圧延工程と、該工
程で圧延された前記略H形鋼のフランジ部を左右非対称
な孔型を有する上下一対の水平ロールを持つ仕上げミル
によって円弧状に曲げ加工する円形曲げ加工工程と、該
工程で円弧状に曲げ加工されたフランジ部を目標とする
製品形状とほぼ等しい形状の孔型を有する上下一対の水
平ロールを持つ仕上げミルによって製品形状である円形
継手に成形加工する仕上げ成形工程とからなり、前記中
間圧延工程における圧延前期のパススケジュールは下式
(1)の条件を満足し、圧延後期のパススケジュールは
下式(2)の条件を満足するように設定したものであ
る。 λf >λw かつ λf1/λf2≦1.5 ……(1) λf ≦λw かつ λf1/λf2 1 ……(2) 但し、λf :フランジ圧下率 λw :ウェブ圧下率 λf1:薄肉側フランジ圧下率 λf2:厚肉側フランジ圧下率
【0017】
【実施例】図1は本発明の一実施例の説明図であり、図
2は図1に示された方法を実施する場合の圧延機の配置
を説明する説明図である。図1および図2において、B
Dは薄肉のスラブを素材として粗圧延材に造形する粗圧
延工程で使用されるブレイクダウンミル、R1 ,R2 は
粗圧延工程で成形された粗圧延材を左右非対称な略H形
鋼に成形する中間圧延工程で使用される粗圧延機群であ
る。粗圧延機群R1,R2 はそれぞれ粗ユニバーサルミ
ルU1 とエッジャE1 、粗ユニバーサルミルU2 とエッ
ジャE2 とで構成されている。Fはフランジ部を円形の
継手形状に成形する成形工程で使用される成形ミルであ
る。まず、各工程で使用される装置について説明する。
【0018】粗圧延工程で用いられるブレイクダウンミ
ルBDの孔型は、素材を立ててエッジングし、非対称な
ドッグボーン形状に成形する複数の上下非対称孔型B1
〜B3と、エッジングによりドッグボーン形状になった
素材をユニバーサル圧延用素材である粗圧延材にまで圧
延する最低1つの左右非対称孔型Kal.0から構成され
ている。ここで、エッジング用の上下非対称孔型B1 〜
B3 は、下水平ロールの孔型B1L〜B3L(下側に配置さ
れるロールにはL を付して表し、上側に配置されるロー
ルにはにU を付して表しすものとする。以下において同
じ。)の幅が上水平ロールの孔型B1U〜B3Uの幅よりも
大きくなるように配置する。これは、非対称なエッジン
グを行うと、幅の狭い方の孔型によって圧延される圧延
材の端部の延びが幅の広い方の孔型によって圧延される
圧延材の端部の延びより大きいため、圧延材に反りが発
生するが、上記のように上下非対称孔型B1 〜B3 を配
置することによって、圧延材の反りが下向きになり、圧
延材が搬送テーブルに押し付けられることによって反り
が矯正され、支障なく圧延を行うことができるからであ
る。
【0019】中間圧延工程で使用される圧延ミルは粗ユ
ニバーサルミルU1 ,U2 とエッジャE1 ,E2 であ
り、粗ユニバーサルミルU1 とエッジャE1 、ユニバー
サルミルU2 とエッジャE2 がそれぞれ対になって、図
2に示すように配置されている。ここで、粗ユニバーサ
ルミルU1 の水平ロール13Hは、圧延材のウェブを圧
延する面が平坦で、フランジの内側面を圧延するロール
側面が傾斜角θで外方に傾斜し、ロール外周ほど胴長が
短くなっている形状のものを用いる。粗ユニバーサルミ
ルU2 の水平ロール14Hも同様である。また、圧延材
フランジ部外側面を圧延する粗ユニバーサルミルU1 の
堅ロール13Vは、外周面の中央部が突出し、この中央
部からロールの上下端部にかけて傾斜し、この傾斜角が
上記水平ロールの側面傾斜角θと同じθに形成された形
状のものを用いる。これらのロールの傾斜角θは通常の
H形鋼圧延用ロールと同様に3〜10度とし、フランジ
部の厚さが幅方向で一定となるように圧延する。これに
より、ユニバーサル圧延用ロールは、通常のH形鋼圧延
ロールと共用することが可能となり、ロール費用を大き
く削減できるとともに、ロール保有数を減少することが
できる。また、エッジャE1,E2 に組み込む水平ロール
は、目標とする左右非対称な中間圧延材のフランジ幅が
得られるよう、フランジ足先の圧下設定が左右非対称と
なるような孔型を有している。
【0020】成形工程で使用する成形ミルFは、中間圧
延材のウェブの内幅にほぼ等しい幅の平坦部と、この平
坦部の両端に左右で径の異なる円弧状の継手成形部を有
する孔型を用いる。この孔型は、最終の仕上げ成形加工
用孔型17の継手成形部半径を、目標とする製品形状と
ほぼ等しくし、これに先立つフランジ部の円形曲げ加工
用孔型16の継手成形部半径はそれよりも大きいものを
用いる。これにより、孔型で中間圧延材のフランジを継
手に成形する際の1孔型当たりの曲げ加工量を調整し、
継手の波打ちなどの成形不良を防止することができる。
【0021】次に、上記装置を用いて左右非対称な円形
継手を有する鋼製連壁用形鋼の製造方法を説明する。ま
ず、粗圧延工程では、スラブ等の連鋳鋼片を圧延用素材
として、非対称の孔型を有する上下一対の水平ロールを
持つブレイクダウンミルBDで、左右非対称なドッグボ
ーン状の粗造形材を製造する。すなわち、図1に示すよ
うに、孔型B1 で割込を形成し、孔型B2 で割込の拡大
を行い、さらに孔型B3 で割込部の平滑化を行う。この
工程では、上述したように圧延材の反りが下向きにな
り、搬送テーブルに当たることによって反りが矯正さ
れ、支障なく圧延を行うことができる。割込部の平滑化
が完了すると、素材を90度回転させ、左右非対称孔型
Kal.0でユニバーサル圧延用素材である粗圧延材21
にまで圧延する。
【0022】次に、中間圧延工程では粗圧延材21を粗
ユニバーサルミルU1 とエッジャE1 で交互に複数リバ
ース圧延し、さらに、粗ユニバーサルミルU2 とエッジ
ャE2 で交互に複数リバース圧延する。ユニバーサルミ
ルと対になるように配列されたエッジャの孔型によりフ
ランジ先端が圧下され、所定のフランジ幅に成形され、
左右非対称な略H形鋼が成形される。このとき、必要に
応じて粗ユニバーサルミルU1 ,U2 の左右堅ロールの
圧下量を調節することによってフランジ厚も異なる左右
非対称な略H形圧延材を製造することもできる。このと
き、上記課題の項で述べた問題点であるフランジ波と圧
延材の曲りの発生を防止するために下記のパススケジュ
ールによって圧延する方法を見出だした。すなわち、圧
延の前期では下式(1) の条件で圧延し、圧延の後期では
下式(2)の条件で圧延するというものである。 λf >λw かつ λf1/λf2≦1.5 ……(1) λf ≦λw かつ λf1/λf2 1 ……(2) 但し、λf :フランジ圧下率 λw :ウェブ圧下率 λf1:薄肉側フランジ圧下率 λf2:厚肉側フランジ圧下率
【0023】以下、本発明者が上記のパススケジュール
を見出すに至った経緯について説明する。図3は中間ユ
ニバーサル圧延工程において、薄肉側フランジ圧下率λ
f1を厚肉側フランジ圧下率λf2よりも大きくして圧延し
たときの、圧下率比λf1/λf2と圧延材に生じる曲りの
関係を示したグラフである。図3においては、横軸は圧
下率比λf1/λf2を、縦軸はキャンバCをそれぞれ示し
ている。なお、キャンバCは図4に示すように、圧延材
の所定長さs(s=2000mm)に対する圧延材の曲りの程
度を示すものであり、C=h/sで求められる。但し、
hは所定長さsでの最大曲り量である。図3からわかる
ように、圧下率比λf1/λf2が1.5を越えると、圧延
材のまがりにより圧延が不安定となり、ガイドへの負担
が増大して製品疵が多発した。一方、圧下率比λf1/λ
f2が1.5以下の場合には、圧延材の曲りは小さく、ガ
イドへの負荷も小さい。このことから、左右のフランジ
を圧延する際の圧下率の差の限界値は圧下率λf1/λf2
が1.5以下となる範囲であることがわかった。
【0024】図5は、中間ユニバーサル圧延工程におい
て、後述する所定の条件で圧延したときの薄肉側フラン
ジ厚tf1とウェブ厚tw の変化状態を示すグラフであ
る。なお、圧下率比λf1/λf2は1.5以下の範囲であ
る。条件1は粗圧延材のウェブ厚及びフランジ厚共に約
100mm の場合であり、図中実線で示してある。条件1下
における第1パススケジュールは、圧延初期にはフラン
ジ圧下率λf1がウェブ圧下率λw よりもかなり大きくな
る状態で圧延し(図中矢印A参照)、中期においてはフ
ランジ圧下率λf1がウェブ圧下率λw よりも大きいが、
初期状態よりもその差が小さい状態で圧延し(図中矢印
B参照)、さらに後期(フランジ厚が20mm以下)にはフ
ランジ圧下率λf1とウェブ圧下率λwをほぼ等しくした
状態で圧延した(図中矢印C参照)ものである。すなわ
ち、この第1パススケジュールは圧延前期・中期で圧延
材の板厚を製品の目標比率に近づけるというものであ
る。圧延の結果、フランジ波は発生せず健全な中間圧延
材が成形できた。なお、圧延後期においてλf1をλw
りも2%程度小さくして圧延した場合にも、フランジ波
は発生しなかった。
【0025】一方、圧延前期・中期は第1パススケジュ
ールと同様のパススケジュールで圧延し、圧延後期にお
いも圧延中期と同様にフランジ圧下率λf1λをウェブ圧
下率λw よりも大きくしたまま圧延した(図中矢印D参
照)第2パススケジュールの場合には、徐々にフランジ
波が発生するようになり、さらに圧延を続けたところフ
ランジが倒れる重大なトラブルが発生した。また、実験
より圧延後期において左右フランジの圧下率に差を設け
ると、薄肉側フランジの伸びが厚肉側よりも大きくなる
ため、やはりフランジ波が発生しやすいことがわかっ
た。したがって、圧延後期において左右フランジの圧下
率はほぼ等しくする必要があることもわかった。
【0026】条件2は粗圧延材のウェブ厚が約70mm, フ
ランジ厚が約90mmの場合であり、図中破線で示してあ
る。条件1の場合の第1パススケジュールとほぼ同様の
パススケジュールで圧延した結果、フランジ波は発生し
なかった。すなわち、圧延開始時においてフランジ厚が
ウェブ厚よりも大きい粗圧延材の場合でも、上記第1パ
ススケジュールがフランジ波発生防止に有効であること
がわかった。以上のような実験を重ねた結果、中間ユニ
バーサル圧延のパススケジュールとして上記(1),(2) 式
の条件を見出だしたのである。
【0027】また、本発明で見出したパススケジュール
によれば、粗圧延材の寸法から製造可能な製品寸法の範
囲が特定できる。すなわち、波打ち限界を越えず、かつ
ウェブの素通し限界やミルの荷重限界などを越えない範
囲で圧延前期・中期にフランジをウェブより強圧下し、
圧延後期にフランジとウェブをほぼ同一圧下率で圧延す
れば、それが薄肉側フランジ厚tf1とウェブ厚tw との
比の値(tf1/tw )が最小となる圧延パススケジュー
ルとなる。したがって、tf1/tw が上記の比の値より
も大きい範囲であれば、同一の粗圧延材から作り込むこ
とが可能である。以上のように本発明によれば、圧延材
のフランジ波発生を防止することが可能となるととも
に、粗圧延材の板厚比率から製造可能な製品(フラン
ジ,ウェブ)厚の範囲を決定することができる。上記の
式(1),(2) の条件を満たすパススケジュールによる中間
圧延工程によって所定の厚みと形状を有する略H形鋼が
成形されると、成形工程に移る。成形工程では、まず円
形曲げ加工用孔型16によってフランジ部を目標とする
製品形状よりも径の大きな円弧状に曲げ加工し、最後に
仕上げ成形用孔型17によって目標とする製品形状に成
形する。
【0028】以上の工程によって図12に示した鋼製連
壁用形鋼が円滑に製造できる。この形鋼のウェブ厚tw
のサイズ造り分けはユニバーサルミル水平ロールの圧下
調整で行い、継手の厚tfはユニバーサルミル堅ロール
の圧下調整で行う。このように本発明の方法によれば、
ユニバーサルミルの特徴を生かして、種々の板厚の製品
をロール組替することなく製造することができる。
【0029】なお、本実施例では、中間圧延ミルを粗ユ
ニバーサルミルとエッジャ各1基を1組として、2組の
中間圧延ミルを配置して圧延した例を示したが、1組ま
たは3組以上のミルが設置してある圧延ラインにおいて
も、同様の方法で中間圧延材を製造することができる。
【0030】また、成形工程の孔型は円形曲げ加工用と
仕上げ成形用の2対とした例を示したが、必要に応じて
さらに多数の孔型を用いれば、より薄肉で径の大きな継
手が成形でき、製造可能な製品板厚の範囲を拡大するこ
とができる。なお、仕上げミルのほかに使用可能な上下
水平ロールを有するミルがあれば、孔型を2基以上のミ
ルに分けてもよい。また、複数対の孔型を1つの水平ロ
ールに並列あるいは重ね合わせて形成すれば、ミル数に
対して孔型数を増やすことも可能である。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように発明においては、中
間圧延工程ではH形鋼製造と同様のユニバーサルミルを
使用したので、H形鋼圧延の製造プロセスを利用するこ
とが可能になるとともに、ユニバーサルミルで使用する
ロールも従来のH形鋼との共用化を図ることができ、左
右非対称な円形継手を有する鋼製連壁用形鋼を安価に製
造することができる。
【0032】また、中間圧延工程において、圧延前期・
中期で左右フランジ圧下率及びウェブ圧下率に差を儲け
圧延材の板厚を製品の目標比率に近づけ、圧延後期に前
記圧下率をほぼ均等にするようにしたので、圧延材の曲
りやフランジ波を生せず健全な中間圧延材を成形するこ
とができる。
【0033】さらに、継手部を円形に成形する成形工程
を円形曲げ加工工程と仕上げ成形工程とに分けたので、
曲げ加工量が調整可能となり、継手の波打ちなどの成形
不良を防止することができ圧延形状及び品質良好な左右
非対称な円形継手を有する鋼製連壁用形鋼を製造するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の一実施例の説明図である。
【図2】図1に示された方法を実施する場合の圧延機の
配置を説明する説明図である。
【図3】圧下率比と圧延材に生じる曲りとの関係を示し
たグラフである。
【図4】キャンバーcを説明する説明図である。
【図5】本実施例における薄肉側フランジ厚とウェブ厚
の変化状態を示すグラフである。
【図6】従来のカリバー圧延法による継手を有する形鋼
の製造方法を説明する説明図である。
【図7】中間圧延工程にユニバーサル圧延法を導入した
従来技術の圧延工程図である。
【図8】従来のユニバーサル圧延による直線状形鋼の圧
延工程図である。
【図9】H形鋼のユニバーサル圧延とロール共用化を図
った従来の圧延方法の圧延工程図である。
【図10】従来の上下左右対称な直線型形鋼の圧延方法
の圧延工程図である。
【図11】従来技術の左右非対称な直線型形鋼の圧延方
法の圧延工程図である。
【図12】本発明の一実施例として製造された左右非対
称な円形継手を有する鋼製連壁用形鋼の外形図である。
【図13】本発明によって製造された鋼製連壁用形鋼を
組み立てて製造した箱形鋼矢板の例を説明する説明図で
ある。
【図14】図12の箱形鋼矢板を連結して連続壁とした
例を説明する説明図である。
【図15】従来の圧延方法でのフランジ波発生状態を説
明する説明図である。
【符号の説明】
BD ブレイクダウンミル R1 粗第1圧延機群 R2 粗第2圧延機群 U1,U2 粗ユニバーサルミル E1,E2 エッジャ F 成形ミル B1〜B3 ブレイクダウンミルのエッジング孔型 Kal.0〜Kal.10 孔型 12U,12L エッジャE1の水平ロール 13HU,13HL ユニバーサルミルU1の水平ロー
ル 13VU,13VL ユニバーサルミルU1の堅ロール 14HU,14HL ユニバーサルミルU2の水平ロー
ル 14VU,14VL ユニバーサルミルU2の堅ロール 15U,15L エッジャE2の水平ロール 16U,16L 円形曲げ加工用孔型 17U,17L 仕上げ成形加工用孔型 21 粗圧延材 22,23,24,25 中間圧延材 26 円形曲げ加工された圧延材 27 最終製品
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 東 悦男 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 古川 遵 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スラブ等の連鋳鋼片を非対称な孔型を有
    する上下一対の水平ロールを持つブレイクダウンミルで
    左右非対称なドッグボーン状の粗造形材に圧延する粗圧
    延工程と、 該工程で圧延された粗造形材をH形鋼製造に使用するも
    のと同様のユニバーサルミル及びフランジ足先の圧下設
    定が左右非対称となるエッジャによって複数リバース圧
    延することにより、所定形状の左右非対称な略H形鋼に
    成形する中間圧延工程と、 該工程で圧延された前記略H形鋼のフランジ部を左右非
    対称な孔型を有する上下一対の水平ロールを持つ仕上げ
    ミルによって円弧状に曲げ加工する円形曲げ加工工程
    と、 該工程で円弧状に曲げ加工されたフランジ部を目標とす
    る製品形状とほぼ等しい形状の孔型を有する上下一対の
    水平ロールを持つ仕上げミルによって製品形状である円
    形継手に成形加工する仕上げ成形工程とからなり、 前記中間圧延工程における圧延前期のパススケジュール
    は下式(1)の条件を満足し、圧延後期のパススケジュ
    ールは下式(2)の条件を満足するように設定したこと
    を特徴とする左右非対称な円形継手を有する鋼製連壁用
    形鋼の製造方法。 λf >λw かつ λf1/λf2≦1.5 ……(1) λf ≦λw かつ λf1/λf2 1 ……(2) 但し、λf :フランジ圧下率 λw :ウェブ圧下率 λf1:薄肉側フランジ圧下率 λf2:厚肉側フランジ圧下率
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003039107A (ja) * 2001-07-30 2003-02-12 Nippon Steel Corp 非対称形鋼圧延時の圧延ロールおよびガイドの最適位置設定・制御方法および装置
KR101400576B1 (ko) * 2011-06-29 2014-05-29 현대제철 주식회사 H형강 제조방법

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JP4705275B2 (ja) * 2001-07-30 2011-06-22 新日本製鐵株式会社 非対称形鋼圧延時の圧延ロールおよびガイドの最適位置設定・制御方法
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