JP3257210B2 - 鋼製連壁用形鋼の製造方法 - Google Patents

鋼製連壁用形鋼の製造方法

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JP3257210B2 JP32821293A JP32821293A JP3257210B2 JP 3257210 B2 JP3257210 B2 JP 3257210B2 JP 32821293 A JP32821293 A JP 32821293A JP 32821293 A JP32821293 A JP 32821293A JP 3257210 B2 JP3257210 B2 JP 3257210B2
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    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B1/00Metal-rolling methods or mills for making semi-finished products of solid or profiled cross-section; Sequence of operations in milling trains; Layout of rolling-mill plant, e.g. grouping of stands; Succession of passes or of sectional pass alternations
    • B21B1/08Metal-rolling methods or mills for making semi-finished products of solid or profiled cross-section; Sequence of operations in milling trains; Layout of rolling-mill plant, e.g. grouping of stands; Succession of passes or of sectional pass alternations for rolling structural sections, i.e. work of special cross-section, e.g. angle steel
    • B21B1/082Piling sections having lateral edges specially adapted for interlocking with each other in order to build a wall

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  • Control Of Metal Rolling (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、大深度用の土留壁等の
部材として用いられる鋼製連壁用形鋼の製造方法に関
し、特に左右非対称な円形継手を有する鋼製連壁用形鋼
の圧延による製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼製連壁とは、工場で作成された鋼製地
中連壁用部材を地中に建込み地中連続壁としたものであ
り、従来の鉄筋コンクリート地中壁より薄肉化・施工現
場スペース削減・省力化が可能である。また、通常のH
形鋼の建込みに比べて建込み精度が良好で止水性がある
などの優れた特徴を有するものである。鋼製連壁用形鋼
としては、両端に継手を有する直線状形鋼が一般に用い
られている。そして、このような継手を有する直線状形
鋼の製造方法としては、図5に示すいわゆるカリバー圧
延方法が一般的に広く用いられている。
【0003】図5において、粗工程の孔型Bをパスした
粗形鋼片は順次第1パスKal.10〜第10パスKa
l.1の各工程を経て製品となる。このような圧延方法
では、圧延ロールの孔型の深さが大きく、特に閉式孔型
では孔型の摩耗のためにロール改削量が大きくなり、ロ
ール原単位が高くなるほか、ロール冷却水や圧延油が各
部に充分行きわたりにくいため、ロール肌荒れ、ヒート
クラック、孔型局部摩耗、製品両縁の嵌合継手部の割れ
等が発生しやすく、製品形状が不安定になり大量生産が
できず、さらに直線状形鋼の両縁継手部の成形が比較的
困難であるという問題点があった。また、上記の方法で
は孔型数が多数必要となるため、大形の形鋼を圧延しと
ようとしても、ロール胴長やミル数の制約により充分な
孔型数が準備できないという問題もあった。
【0004】上記の孔型によるカリバー圧延方法におけ
る継手部の成形上の問題点を解決したものとして、ユニ
バーサル圧延による鋼矢板の圧延方法が特公昭47−4
7784号公報に示されている。このユニバーサル圧延
の代表例を図6に示す。この方法は中間圧延工程にユニ
バーサル圧延法を導入して継手部を形成する素材に直接
圧下を加えるというものである。しかしながらこの方法
においても圧延する鋼矢板の断面形状が鋼矢板の長さ方
向の軸に対して上下非対称であるため、ユニバーサル圧
延ではあってもその上下水平ロールには比較的深い複雑
な形状の孔型を用いており、上記の諸問題を完全には解
決することができなかった。
【0005】そこで、製品形状をユニバーサル圧延法に
適した形状にし、ユニバーサル圧延での孔型深さを小さ
くして直線形鋼矢板を製造する方法として、図7に示し
た特開昭55−1913号公報に開示された技術があ
る。しかし、同公報のものはユニバーサル圧延用ロール
の形状が円弧状となっているため、ウェブや継手の厚み
の造り分けが狭い範囲に限定されていた。また、粗圧延
工程以降の全工程で専用ロールを準備する必要があるた
め、ロール原単位を十分向上することができなかった。
【0006】これに対して、従来のH形鋼製造のユニバ
ーサル圧延とロールの共用を可能にした技術として、例
えば特開平2−200302号公報に開示された方法が
ある。この方法は図8に示すように中間圧延工程のユニ
バーサルミルにH形鋼の圧延に使用される水平ロールと
同様のロールを用い、ロールを共用することによってロ
ール原単位の向上を図っている。しかし、堅ロールはテ
ーパのないフラットロールを用いており、H形鋼圧延ロ
ールとの完全な共用化は達成されていない。また、フラ
ンジを外側に曲げ成形する方法として、形鋼圧延設備と
しては一般に用いられていない斜行ロールミルを用いて
いるため新たな設備を導入する必要性があり、製造コス
トの増加となる。
【0007】そこで、斜行ロールミルの代わりに予備成
形ミル等を用いたものとして、例えば特開平4−757
02号公報に代表される一連の直線型形鋼の製造方法が
ある。同公報のものは、斜行ロールミルを使用する場合
のように大きな設備投資は必要としないが、図9に示す
ように中間圧延工程にフラット堅ロールを使用している
点では上記の特開平2−200302号公報と同様であ
り、H形鋼圧延ロールとの完全な共用化は達成されてい
ない。なお、特開平4−75702号公報の方法は図9
からわかるように上下左右対称な特定形状の形鋼を圧延
するための技術である。
【0008】左右非対称な直線型形鋼の圧延方法とし
て、例えば特開平4−330113号公報に開示された
技術がある。同公報に開示された圧延方法は図10に示
すように、形鋼の一端側を雌形状に、他端側を雄形状に
形成したものであり、継手の嵌合態様が1種類に限られ
るため、鋼製連壁を構成するときに施工上の自由度が限
定されるという欠点がある。
【0009】以上述べた種々の問題点を解決したものと
して、本出願人の出願に係る特公昭55−11921号
公報に開示された非対称直線形鋼矢板の製造方法があ
る。同公報に開示された方法は、圧延工程において各々
ユニバーサルミルの上下水平ロールと一対の竪ロール及
びエッジャーミルの上下ロールによる一次および二次中
間圧延工程を含むものであり、後述する各中間圧延工程
中においてウェブの形成は各ユニバーサルミルの上下水
平ロールで行い、両嵌合部の成形は各ユニバーサルミル
の竪ロールにより直接圧下を加えて行うというものであ
る。そして、雌嵌合部の形成のために一次中間圧延工程
ではそのユニバーサルミルの雌嵌合部側の竪ロールの角
度を圧延プロフィルにおいて垂直方向より外方に5〜2
0度傾斜せしめ、二次中間圧延工程では同じく20〜4
0度傾斜せしめ、さらに引き続く仕上げ圧延工程にて上
下二段水平ロールスタンドにより雌嵌合部の仕上げ成形
加工とを行うというものである。
【0010】上記の特公昭55−11921号公報に開
示された方法によれば、図11に示す左右非対称な円形
継手を有する鋼製連壁用形鋼を製造することが可能であ
る。そして、この形鋼は図12に示すように2枚の形鋼
のウェブにプレートを溶接してH形断面とした箱形鋼矢
板50,51として用いる。この左右非対称な円形継手
を有する形鋼は小径側の継手が雄雌共用であるため、図
13に示すように種々の連結態様が可能である。連結態
様52は左右の径が異なる継手を直接嵌合したものであ
り、連結態様53,54は継手部をH形鋼を介して連結
したものである。このように、図11に示す左右非対称
な円形継手を有する鋼製連壁用形鋼はH形鋼との組み合
わせにより連続壁の施工における壁面長の微調整を容易
にすることが可能であり、鋼製連壁の施工の自由度も高
いという利点がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述したように図11
に示す左右非対称な円形継手を有する鋼製連壁用形鋼は
種々の優れた利点を有するが、上述した従来の鋼製連壁
用形鋼の製造方法は主として対称形や片側に雄継手を有
する非対称形状の形鋼を対象としており、上記左右非対
称な円形継手を有する鋼製連壁用形鋼の製造方法を明確
に開示している文献は少ない。また、左右非対称な円形
継手を有する鋼製連壁用形鋼の製造方法である上記特開
平2−200302号公報に開示された方法では、H形
鋼圧延ロールとの完全な共用化は達成されておらず、ま
た、フランジを外側に曲げ成形する方法として、形鋼圧
延設備としては一般に用いられていない斜行ロールミル
を用いており、製造コストが高くなるという問題点があ
った。
【0012】また、特公昭55−11921号公報の方
法によれば左右非対称な直線型形鋼を第1次中間ユニバ
ーサル圧延までは従来のH形鋼と同様のロールで圧延す
ることができるが、第2次中間ユニバーサル圧延では水
平ロール、竪ロールおよびエッジャロールの角度を圧延
プロフィルにおいて垂直方向より外方に20〜40度傾
斜せしめているため、専用のロールが必要となりコスト
が高くなる。また、仕上げ成形孔型が1対であるため、
大径で薄肉な継手の成形に際しては継手部に波打ち等の
成形不良が発生する可能性が高く、成形可能な継手の寸
法が限定されるという問題点もあった。
【0013】さらに、図11に示す左右非対称な円形継
手を有する直線型形鋼は、図13に示した連結態様で使
用されるが、この使用時における曲げ剛性はウェブの厚
みで決定されるため、フランジの部分はウェブより薄く
て足りる。また、フランジの厚みも継手部半径が左右で
異なるため、曲げに対して左右同じ強度を得るためには
継手部半径が大きい方のフランジは小さい方よりも薄く
て足りることになる。すなわち、経済性等を考慮すると
最も理想的な円形継手を有する直線型形鋼の形状は、図
11に示すようにウェブ厚がフランジ厚よりも厚く、継
手部半径が大きい方のフランジの厚みが小さい方のそれ
よりも薄いものである。
【0014】しかし、上記のような理想的な形状を成形
するには、曲げ加工前の中間圧延材である略H形鋼の状
態において、製品状態で大径側となるフランジの厚みを
小径側の厚みよりも薄くする必要がある。したがって、
中間圧延の終了時点においては熱容量の差からフランジ
厚の厚い短辺側の方が圧延材の仕上り温度が高い状態に
なっている。この状態の中間圧延材を次の仕上げ成形工
程で円形曲げ加工・仕上げ成形加工すると、加工ロール
による冷却が加わることによってさらに温度差が増し、
大径側と小径側とで仕上り温度が大きく異なってしま
う。そのため、成形後における冷却床での空冷中及び空
冷後に大径側と小径側の熱収縮量の差から、熱収縮量の
大きい小径側へ材料曲り(キャンバー)が発生する。し
かし、上記いずれの従来方法もこのような点を考慮して
いなかったので、図11に示す理想形状の左右非対称な
円形継手を有する直線型形鋼を歩留まりよく製造できな
いという問題点があった。
【0015】本発明はかかる問題点を解決するためにな
されたもので、継手部半径が大きい方のフランジの厚み
が小さい方のそれよりも薄い形状となる左右非対称な円
形継手を有する鋼製連壁用形鋼を精度よく安価に製造す
る方法を提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明に係る鋼
製連壁用形鋼の製造方法は、スラブ等の連鋳鋼片を非対
称な孔型を有する上下一対の水平ロールを持つブレイク
ダウンミルで左右非対称なドッグボーン状の粗造形材に
圧延する粗圧延工程と、該工程で圧延された粗造形材を
H形鋼製造に使用するものと同様のユニバーサルミル及
びフランジ足先の圧下設定が左右非対称となるエッジャ
によって複数リバース圧延することにより、所定形状の
左右非対称な略H形鋼に成形する中間圧延工程と、該工
程で圧延された前記略H形鋼のフランジ部を左右非対称
な孔型を有する上下一対の水平ロールを持つ仕上げミル
によって円弧状に曲げ加工する円形曲げ加工工程と、該
工程で円弧状に曲げ加工されたフランジ部を目標とする
製品形状とほぼ等しい形状の孔型を有する上下一対の水
平ロールを持つ仕上げミルによって製品形状である円形
継手に成形加工する仕上げ成形工程とからなり、前記中
間圧延工程において、厚みの厚い方のフランジを冷却し
て両側フランジ間の温度差が下式(1) を満足するように
したものである。 Tf1−Tf2≦ΔT ……(1) 但し、Tf1:成形工程終了時における小径側継手部温度 Tf2:成形工程終了時における大径側継手部温度 ΔT:ウェブ厚、フランジ厚等の形鋼のサイズによって
決まる限界温度差
【0017】
【実施例】図1は本発明の一実施例の説明図であり、図
2は図1に示された方法を実施する場合の圧延機の配置
を説明する説明図である。図1および図2において、B
Dは薄肉のスラブを素材として粗圧延材に造形する粗圧
延工程で使用されるブレイクダウンミル、R1 ,R2 は
粗圧延工程で成形された粗圧延材を左右非対称な略H形
鋼に成形する中間圧延工程で使用される粗圧延機群であ
る。粗圧延機群R1,R2 はそれぞれ粗ユニバーサルミ
ルU1 とエッジャE1 、粗ユニバーサルミルU2 とエッ
ジャE2 とで構成されている。Fはフランジ部を円形の
継手形状に成形する成形工程で使用される成形ミルであ
る。まず、各工程で使用される装置について説明する。
【0018】粗圧延工程で用いられるブレイクダウンミ
ルBDの孔型は、素材を立ててエッジングし、非対称な
ドッグボーン形状に成形する複数の上下非対称孔型B1
〜B3と、エッジングによりドッグボーン形状になった
素材をユニバーサル圧延用素材である粗圧延材にまで圧
延する最低1つの左右非対称孔型Kal.0から構成され
ている。ここで、エッジング用の上下非対称孔型B1 〜
B3 は、下水平ロールの孔型B1L〜B3L(下側に配置さ
れるロールにはL を付して表し、上側に配置されるロー
ルにはにU を付して表すものとする。以下において同
じ。)の幅が上水平ロールの孔型B1U〜B3Uの幅よりも
大きくなるように配置する。これは、非対称なエッジン
グを行うと、幅の狭い方の孔型によって圧延される圧延
材の端部の延びが幅の広い方の孔型によって圧延される
圧延材の端部の延びより大きいため、圧延材に反りが発
生するが、上記のように上下非対称孔型B1 〜B3 を配
置することによって、圧延材の反りが下向きになり、圧
延材が搬送テーブルに押し付けられることによって反り
が矯正され、支障なく圧延を行うことができるからであ
る。
【0019】中間圧延工程で使用される圧延ミルは粗ユ
ニバーサルミルU1 ,U2 とエッジャE1 ,E2 であ
り、粗ユニバーサルミルU1 とエッジャE1 、ユニバー
サルミルU2 とエッジャE2 がそれぞれ対になって、図
2に示すように配置されている。ここで、粗ユニバーサ
ルミルU1 の水平ロール13Hは、圧延材のウェブを圧
延する面が平坦で、フランジの内側面を圧延するロール
側面が傾斜角θで外方に傾斜し、ロール外周ほど胴長が
短くなっている形状のものを用いる。粗ユニバーサルミ
ルU2 の水平ロール14Hも同様である。また、圧延材
フランジ部外側面を圧延する粗ユニバーサルミルU1 の
堅ロール13Vは、外周面の中央部が突出し、この中央
部からロールの上下端部にかけて傾斜し、この傾斜角が
上記水平ロールの側面傾斜角θと同じθに形成された形
状のものを用いる。これらのロールの傾斜角θは通常の
H形鋼圧延用ロールと同様に3〜10度とし、フランジ
部の厚さが幅方向で一定となるように圧延する。これに
より、ユニバーサル圧延用ロールは、通常のH形鋼圧延
ロールと共用することが可能となり、ロール費用を大き
く削減できるとともに、ロール保有数を減少することが
できる。また、エッジャE1,E2 に組み込む水平ロール
は、目標とする左右非対称な中間圧延材のフランジ幅が
得られるよう、フランジ足先の圧下設定が左右非対称と
なるような孔型を有している。
【0020】成形工程で使用する成形ミルFは、中間圧
延材のウェブの内幅にほぼ等しい幅の平坦部と、この平
坦部の両端に左右で径の異なる円弧状の継手成形部を有
する孔型を用いる。この孔型は、最終の仕上げ成形加工
用孔型17の継手成形部半径を、目標とする製品形状と
ほぼ等しくし、これに先立つフランジ部の円形曲げ加工
用孔型16の継手成形部半径はそれよりも大きいものを
用いる。これにより、孔型で中間圧延材のフランジを継
手に成形する際の1孔型当たりの曲げ加工量を調整し、
継手の波打ちなどの成形不良を防止することができる。
【0021】図2において、31は粗圧延機群R2 の入
側及び出側に設置された水冷式の冷却装置である。冷却
装置31は、図3に示すように、中間圧延工程で成形さ
れる略H形鋼の、短辺側のフランジを冷却することによ
って、両フランジの温度差を一定レベルに保つことによ
ってを仕上げ成形後における材料曲りの発生を防止する
ものである。ここで発明者は、短辺側のフランジをどの
程度冷却すれば材料曲りが発生しないか又は発生したと
しても許容範囲であるかを調べるために、両フランジの
温度差と材料曲りとの関係を理論解析および実験によっ
て求めた。図4はこの結果を示すグラフであり、縦軸は
圧延材の曲率(1/ρ)を、横軸は成形工程終了時にお
ける小径側継手部温度Tf1と大径側継手部温度Tf2との
温度差(Tf1−Tf2)をそれぞれ示している。なお、本
実験に使用した左右非対称な円形継手を有する鋼製連壁
用形鋼は、成形工程終了時において、ウェブ厚みtw =
20mm、小径側継手部厚みtf1=10mm、大径側継手部
厚みtf2=15mmである。
【0022】図4から温度差(Tf1−Tf2)が増すにし
たがって曲率(1/ρ)がほぼ比例的に大きくなること
がわかる。曲率(1/ρ)が一定値以上になると、鋼矢
板として使用出来ないので、温度差(Tf1−Tf2)を一
定値以下に制御する必要がある。本実験で使用した円形
継手を有する鋼製連壁用形鋼の曲率(1/ρ)限界値
(鋼矢板規格で定められている許容値)は0.0009であ
り、このときの温度差(Tf1−Tf2)は、図4から20
℃であることがわかる。したがって、温度差(Tf1−T
f2)を20℃以下に制御することで曲率(1/ρ)を規
格内に抑えることができる。これを一般的に表現する
と、ウェブ厚、フランジ厚等の形鋼のサイズによって決
まる限界温度差をΔT(℃)として、温度差(Tf1−T
f2)を下式(1)を満足するように制御すればよいことに
なる。 Tf1−Tf2≦ΔT ……(1)
【0023】次に、上記装置を用いて左右非対称な円形
継手を有する鋼製連壁用形鋼の製造方法を説明する。ま
ず、粗圧延工程では、スラブ等の連鋳鋼片を圧延用素材
として、非対称の孔型を有する上下一対の水平ロールを
持つブレイクダウンミルBDで、左右非対称なドッグボ
ーン状の粗造形材を製造する。すなわち、図1に示すよ
うに、孔型B1 で割込を形成し、孔型B2 で割込の拡大
を行い、さらに孔型B3 で割込部の平滑化を行う。この
工程では、上述したように圧延材の反りが下向きにな
り、搬送テーブルに当たることによって反りが矯正さ
れ、支障なく圧延を行うことができる。割込部の平滑化
が完了すると、素材を90度回転させ、左右非対称孔型
Kal.0でユニバーサル圧延用素材である粗圧延材21
にまで圧延する。
【0024】次に、中間圧延工程では粗圧延材21を粗
ユニバーサルミルU1 とエッジャE1 で交互に複数リバ
ース圧延し、さらに、粗ユニバーサルミルU2 とエッジ
ャE2 で交互に複数リバース圧延する。ユニバーサルミ
ルと対になるように配列されたエッジャの孔型によりフ
ランジ先端が圧下され、所定のフランジ幅に成形され、
左右非対称な略H形鋼が成形される。このとき、必要に
応じて粗ユニバーサルミルU1 ,U2 の左右堅ロールの
圧下量を調節することによって左右でフランジ厚の異な
る左右非対称な略H形圧延材を製造することができる。
そして、粗圧延機群R2 の入側及び出側では冷却装置3
1によって短辺側のフランジを冷却し、成形工程終了時
における小径側継手部温度Tf1と大径側継手部温度Tf2
との温度差(Tf1−Tf2)が限界温度差をΔT(℃)以
下になるように制御する。
【0025】中間圧延工程によって所定の厚みと形状を
有する略H形鋼が成形されると、成形工程に移る。成形
工程では、まず円形曲げ加工用孔型16によってフラン
ジ部を目標とする製品形状よりも径の大きな円弧状に曲
げ加工し、最後に仕上げ成形用孔型17によって目標と
する製品形状に成形する。
【0026】以上の工程によって図11に示した鋼製連
壁用形鋼が円滑に製造できる。この形鋼のウェブ厚tw
のサイズ造り分けはユニバーサルミル水平ロールの圧下
調整で行い、継手の厚tfはユニバーサルミル堅ロール
の圧下調整で行う。このように本発明の方法によれば、
ユニバーサルミルの特徴を生かして、種々の板厚の製品
をロール組替することなく製造することができる。
【0027】なお、本実施例では、中間圧延ミルを粗ユ
ニバーサルミルとエッジャ各1基を1組として、2組の
中間圧延ミルを配置して圧延した例を示したが、1組ま
たは3組以上のミルが設置してある圧延ラインにおいて
も、同様の方法で中間圧延材を製造することができる。
【0028】また、冷却装置31を粗圧延機群R2 の入
側及び出側に設置した例を示したが、粗圧延機群R1 及
び粗圧延機群R2 の入側及び出側またはいずれか片側に
設置してもよく、あるいは粗圧延機群R2 の出側にのみ
設置するようにしてもよい。なお、冷却装置31は既存
のミルの入出側サイドガイドに取り付ける構造でも、新
たに別に設置する構造でもよい。
【0029】さらに、成形工程の孔型は円形曲げ加工用
と仕上げ成形用の2対とした例を示したが、必要に応じ
てさらに多数の孔型を用いれば、より薄肉で径の大きな
継手が成形でき、製造可能な製品板厚の範囲を拡大する
ことができる。なお、仕上げミルのほかに使用可能な上
下水平ロールを有するミルがあれば、孔型を2基以上の
ミルに分けてもよい。また、複数対の孔型を1つの水平
ロールに並列あるいは重ね合わせて形成すれば、ミル数
に対して孔型数を増やすことも可能である。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように発明においては、中
間圧延工程ではH形鋼製造と同様のユニバーサルミルを
使用したので、H形鋼圧延の製造プロセスを利用するこ
とが可能になるとともに、ユニバーサルミルで使用する
ロールも従来のH形鋼との共用化を図ることができ、左
右非対称な円形継手を有する鋼製連壁用形鋼を安価に製
造することができる。
【0031】また、中間圧延工程において、短辺側のフ
ランジを冷却し、成形工程終了時における小径側継手部
温度Tf1と大径側継手部温度Tf2との温度差(Tf1−T
f2)が限界温度差をΔT(℃)以下になるように制御し
たので、仕上げ成形工程後に材料曲り(キャンバー)が
発生するにを防止することができる。
【0032】さらに、継手部を円形に成形する成形工程
を円形曲げ加工工程と仕上げ成形工程とに分けたので、
曲げ加工量が調整可能となり、継手の波打ちなどの成形
不良を防止することができ圧延形状及び品質良好な左右
非対称な円形継手を有する鋼製連壁用形鋼を製造するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の説明図である。
【図2】図1に示された方法を実施する場合の圧延機の
配置を説明する説明図である。
【図3】本実施例におけるフランジ片側水冷状態を説明
する説明図である。
【図4】両フランジの温度差と材料曲りとの関係を示す
グラフである。
【図5】従来のカリバー圧延法による継手を有する形鋼
の製造方法を説明する説明図である。
【図6】中間圧延工程にユニバーサル圧延法を導入した
従来技術の圧延工程図である。
【図7】従来のユニバーサル圧延による直線状形鋼の圧
延工程図である。
【図8】H形鋼のユニバーサル圧延とロール共用化を図
った従来の圧延方法の圧延工程図である。
【図9】従来の上下左右対称な直線型形鋼の圧延方法の
圧延工程図である。
【図10】従来技術の左右非対称な直線型形鋼の圧延方
法の圧延工程図である。
【図11】本発明の一実施例として製造された左右非対
称な円形継手を有する鋼製連壁用形鋼の外形図である。
【図12】本発明によって製造された鋼製連壁用形鋼を
組み立てて製造した箱形鋼矢板の例を説明する説明図で
ある。
【図13】図12の箱形鋼矢板を連結して連続壁とした
例を説明する説明図である。
【符号の説明】
BD ブレイクダウンミル R1 粗第1圧延機群 R2 粗第2圧延機群 U1,U2 粗ユニバーサルミル E1,E2 エッジャ F 成形ミル B1〜B3 ブレイクダウンミルのエッジング孔型 Kal.0〜Kal.10 孔型 12U,12L エッジャE1の水平ロール 13HU,13HL ユニバーサルミルU1の水平ロー
ル 13VU,13VL ユニバーサルミルU1の堅ロール 14HU,14HL ユニバーサルミルU2の水平ロー
ル 14VU,14VL ユニバーサルミルU2の堅ロール 15U,15L エッジャE2の水平ロール 16U,16L 円形曲げ加工用孔型 17U,17L 仕上げ成形加工用孔型 21 粗圧延材 22,23,24,25 中間圧延材 26 円形曲げ加工された圧延材 27 最終製品 31 冷却装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 東 悦男 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−330113(JP,A) 特開 平4−84601(JP,A) 特開 平2−200302(JP,A) 特開 昭49−30253(JP,A) 特開 昭49−16664(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 1/00 - 1/46 B21B 37/00 - 37/78

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スラブ等の連鋳鋼片を非対称な孔型を有
    する上下一対の水平ロールを持つブレイクダウンミルで
    左右非対称なドッグボーン状の粗造形材に圧延する粗圧
    延工程と、 該工程で圧延された粗造形材をH形鋼製造に使用するも
    のと同様のユニバーサルミル及びフランジ足先の圧下設
    定が左右非対称となるエッジャによって複数リバース圧
    延することにより、所定形状の左右非対称な略H形鋼に
    成形する中間圧延工程と、 該工程で圧延された前記略H形鋼のフランジ部を左右非
    対称な孔型を有する上下一対の水平ロールを持つ仕上げ
    ミルによって円弧状に曲げ加工する円形曲げ加工工程
    と、 該工程で円弧状に曲げ加工されたフランジ部を目標とす
    る製品形状とほぼ等しい形状の孔型を有する上下一対の
    水平ロールを持つ仕上げミルによって製品形状である円
    形継手に成形加工する仕上げ成形工程とからなり、 前記中間圧延工程において、厚みの厚い方のフランジを
    冷却して両側フランジ間の温度差が下式(1) を満足する
    ようにしたことを特徴とする鋼製連壁用形鋼の製造方
    法。 Tf1−Tf2≦ΔT ……(1) 但し、Tf1:成形工程終了時における小径側継手部温度 Tf2:成形工程終了時における大径側継手部温度 ΔT:ウェブ厚、フランジ厚等の形鋼のサイズによって
    決まる限界温度差
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