JP2002058482A - ロダネーゼの測定方法、そのためのプローブ及びキット - Google Patents

ロダネーゼの測定方法、そのためのプローブ及びキット

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JP2002058482A
JP2002058482A JP2000245950A JP2000245950A JP2002058482A JP 2002058482 A JP2002058482 A JP 2002058482A JP 2000245950 A JP2000245950 A JP 2000245950A JP 2000245950 A JP2000245950 A JP 2000245950A JP 2002058482 A JP2002058482 A JP 2002058482A
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Masuhiro Nishimura
益浩 西村
Hiroshi Yaguchi
寛 矢口
Shinsaku Naito
真策 内藤
Isao Hiraoka
功 平岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒトにおけるロダネーゼを分別して定量する
新しい測定技術及びそのためのプローブ及びキットを提
供する。 【解決手段】 ヒトにおけるロダネーゼ(TST)の測
定に用いられるプローブであって、TST遺伝子の675
〜698の領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチド
からなるプローブ;該プローブ、及び前記TST遺伝子
の608-628領域及び726-704領域にハイブリダイズするオ
リゴヌクレオチドからなるフォワードプライマーとリバ
ースプライマーとのプライマー対の組合せからなる、ヒ
トにおけるロダネーゼの測定キット;並びに該測定キッ
トを用いてポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を行い、用
いたプローブの加水分解の有無を測定する、ロダネーゼ
の測定方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒトにおけるロダ
ネーゼの測定方法及びそのためのプローブ及びキットに
関する。
【0002】
【従来の技術】ロダネーゼ(thiosulfate sulfurtransf
erase、別名rhodanese、以下、TSTという)はチオシ
アン合成に関与する酵素であると考えられており、また
シアン化合物や亜硫酸塩と反応することから、生体内に
おけるシアン化合物及び硫化物の解毒機構に関係してい
ると考えられている。
【0003】ところで、新薬を開発する上で、該新薬を
投与した際の本酵素の動き(発現量の増減)を把握する
ことは重要である。何故なら、本酵素の変動が判らない
と、該新薬と併用される併用薬剤の効力や副作用の増減
或いは併用薬剤や他の摂取物による新薬の効力や副作用
の増減が予測できず、該新薬の安全性を確認することが
できないからである。
【0004】そこで、上記新薬開発等の分野において
は、ヒトにおける本酵素に関する情報、殊に之等各分子
種を区別して測定できる測定技術の開発が要望されてい
る。かかる技術が開発できれば、例えば、新薬の他剤と
の相互作用や特殊病態時における影響等が容易に把握で
き、該新薬の副作用に関する有用な情報を得ることがで
き、新薬の安全性を確保することができる。一方、ポリ
メラーゼチェインリアクション(PCR)は、核酸の増
幅法として広く知られており、例えばRT−PCR(Re
verse Transcription-PCR)、コンペティティブRT−
PCR等が微量のmRNAの検出、定量に威力を発揮し
ている。
【0005】近年、PCRを利用したリアルタイム定量
検出法が確立された(Taq Man PCR(Genome Res., 6(1
0), 986 (1996)), ABI PRISMTM Sequence Detection Sy
stem(Applied Biosystems社))。これは、特定の蛍光標
識プローブ(TaqMan prove)を用いて核酸を測定する方
法である。より詳しくは、例えば5’末端にリポーター
色素及び3’末端にクエンチャー色素を付加して蛍光標
識したプローブをターゲットDNAにアニールさせた状
態で、通常のPCR反応を行なわせると、伸長反応の進
行に伴って、DNAポリメラーゼの有する5′−3′エ
キソヌクレアーゼ活性により、上記プローブが5’末端
から加水分解される。その結果、5’末端のリポーター
色素が3’末端のクエンチャー色素から離れ、これによ
り、当初一定の空間的距離を保っていたことによるFR
ET(Fluoresence Resonance Energy Transfer, 両蛍
光色素の共鳴によるリポーター色素のエネルギー順位の
低下に基づく蛍光強度の低下現象)効果がなくなり、ク
エンチャー色素により制御されていたリポーター色素の
蛍光強度が増加する。従って、この蛍光強度の増加を測
定することによって、ターゲット核酸をリアルタイムに
選択的に定量検出できるのである。この方法によれば、
PCR反応後に増幅物を例えばアガロースゲル電気泳動
して、泳動パターンを解析する等の複雑な工程が不要と
なり、短時間で且つ同時に多種のサンプルを定量できる
利点がある。
【0006】一般に、臨床検査センター等で臨床検査を
行う場合には、非常に多数の検体について限られた時間
内に検査をする必要があるため、検査を効率良く行い得
る手法の開発が要望されている。上記リアルタイム検出
法は、このような要望に合致するものとして期待されて
いる。
【0007】本発明者らは、上記PCRによるリアルタ
イム検出法に着目し、これがヒトTSTの検出に利用で
きるのではないかとの着想から、鋭意研究を重ねた。
【0008】しかるに、TSTは、そのmRNAの配列
は知られているものの、これをターゲット遺伝子とした
とき、該ターゲット遺伝子の特定位置にハイブリダイズ
し得る各プライマー対としてのオリゴヌクレオチドの検
索自体困難であると考えられた。また、かかるプライマ
ー対に挟まれた特定領域に、同一PCR条件下に之等の
プライマーよりも早くハイブリダイズし得、しかもTS
Tに対して特異的なプローブの構築もまた、同様に困難
であると考えられた。
【0009】特に、ヌクレオチド配列が既知の2つの核
酸のハイブリダイズのし易さは、融点(Tm)の計算に
よりある程度推定することはできるものの、この推定に
よって選択したプライマーとプローブとの組合せが、必
ずしもDNA測定において好結果をもたらすわけではな
いことが知られていることより、TSTについて、上記
PCRによるリアルタイム検出用の各プライマー対とプ
ローブとの組合せの選択には、熟練者の試行錯誤による
多大な実験等が必要となると予想された。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ヒト
におけるTSTのPCRによる測定法、特にリアルタイ
ム検出法の確立と、そのためのプローブ及びプライマー
対を提供することにある。
【0011】本発明者らは、上記目的よりTSTについ
て、多大な実験、研究を繰返し行った結果、当該酵素に
対する目的のプライマー対及びプローブの組合せを提供
することに成功し、ここに下記要旨の本発明を完成する
に至った。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、ヒトに
おけるTSTの測定に用いられるプローブであって、T
ST遺伝子の675〜698の領域にハイブリダイズす
るオリゴヌクレオチドからなることを特徴とするプロー
ブ;特にリポーター色素とクエンチャー色素とが結合し
ている該プローブ;塩基配列の長さが20〜40である
該プローブ;配列番号1に示される配列を含む該プロー
ブ;並びに配列番号1に示される配列である該プローブ
が提供される。
【0013】また、本発明によれば、ヒトにおけるTS
TをコードするTST遺伝子の44-63領域及び117-96領
域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドからなるフ
ォワードプライマーとリバースプライマーとのプライマ
ー対、及び上記両プライマーに挟まれた66-93領域にハ
イブリダイズするオリゴヌクレオチドからなるプローブ
の組合せからなる、TSTの測定キット;特にプローブ
が更にリポーター色素とクエンチャー色素とを結合させ
たものである上記測定キットが提供される。
【0014】上記キットを構成するプライマー対とプロ
ーブとの組合せ(セット)の好ましいものとしては、配
列番号2及び3で示される配列を含むオリゴヌクレオチ
ドからなるプライマー対と配列番号1で示される配列を
含むオリゴヌクレオチドからなるプローブとの組み合わ
せからなるもの、より好ましくは各配列番号で示される
配列のものを挙げることができる。
【0015】また、上記各セットはTSTの測定用であ
ることができる。本発明によれば、更にTSTの遺伝子
を含む検体について、上記の測定キットを用いてポリメ
ラーゼ連鎖反応(PCR、RT−PCRを含む)を行
い、用いたプローブの加水分解の有無を測定することを
特徴とするTSTの測定方法、特に上記加水分解の有無
が、励起光照射による蛍光の発色の有無によりなされる
上記測定方法が提供される。
【0016】より詳しくは、フォーワードプライマー及
びリバースプライマーのプライマー対並びにレポーター
色素とクエンチャー色素を有し上記両プライマーに挟ま
れた領域内で鋳型核酸とハイブリダイズするプローブを
用いて、5′−3′エキソヌクレアーゼ活性を有するD
NAポリメラーゼによりポリメラーゼ連鎖反応(PC
R)を行うことによって、TSTの遺伝子を測定するリ
アルタイム検出方法が提供される。
【0017】本発明に係わるTSTのリアルタイム検出
方法は、同一PCR乃至RT−PCR反応条件下にリア
ルタイムで簡便且つ迅速に、当該酵素を分別定量できる
ものであり、その確立は、臨床分野、医薬品分野におい
て非常に有益である。例えば、本発明方法によって、医
薬品開発における動態試験において重要な位置を占める
薬物代謝のTSTのヒト試料中でのmRNAの発現を容
易に定量することができる。これによって、医薬品等の
化学物質に曝露された場合のTSTの変化を知ることが
できる。
【0018】また、手術で摘出した組織やバイオプシー
により摘出した組織中のTSTのmRNA発現を見る上
で、迅速且つ多種の試料を処理でき、また、僅かな組織
片から抽出した全RNAで検出可能である。
【0019】更に、TSTは、肝臓、腎臓等での酵素誘
導などによる発現量の変化が血液中(血液に含まれる核
を有する細胞)の値の変化と相関する可能性が考えられ
るが、この血液中の発現量は小さく、測定には多くの血
液を必要とする。しかし、本発明者の設計したプライマ
ーとプローブを用いれば少ないサンプルで測定が可能で
ある機器での測定が可能であり、血液中の発現量を測定
することに有用である。また、TSTは、肝臓、腎臓等
での酵素誘導などによる発現量の変化が唾液中など分泌
液中に含まれる核を有する細胞の値の変化と相関する可
能性が考えられるが、この唾液中など分泌液中に含まれ
る核を有する細胞中の発現量は小さく、測定には多くの
唾液などの分泌液を必要とする。しかし、本発明者の設
計したプライマーとプローブを用いれば少ないサンプル
で測定が可能である機器での測定が可能であり、唾液中
などの発現量を測定することに有用である。
【0020】以下、本発明方法に利用するプローブ及び
プライマー対につき詳述すれば、各プローブ及びプライ
マーは、上述した通り、TSTの遺伝子の特定領域にハ
イブリダイズするオリゴヌクレオチドから選択される。
【0021】ここで「ハイブリダイズする」とは、後述
するPCR(RT−PCR)の条件でハイブリダイズす
ることをいう。
【0022】本発明に係わるプローブ及びプライマーに
共通する要件としては、増幅生成物が50〜400塩基
対の長さであること、プライマーとプローブができる限
り近接していること、配列に含まれるG(グアニン)及
びC(シトシン)の割合がなるべく50%前後であるこ
と、G(グアニン)が4つ以上連続していないことを挙
げることができる。また、その他の本発明プローブにみ
られる要件としてはTm値が70℃前後であることを挙
げることができ、同様にプライマーにはTm値が60℃
前後であることを挙げることができる。
【0023】TSTのmRNA配列は公知であり、ジー
ンバンク(GenBank)にTST遺伝子;NM_0033
12の登録番号で登録されている。
【0024】本明細書において、TSTの特定領域の表
示は、上記登録番号で登録された遺伝子の配列に従うも
のである。
【0025】前記プライマー及びプローブ用のオリゴヌ
クレオチドのヌクレオチド数は、少なくとも15個、通
常15〜50個、好ましくは20〜40個の範囲にある
のがよい。之等プライマー及びプローブのヌクレオチド
数が上記よりあまりに多くなりすぎると、1本鎖DNA
にハイブリダイズしにくくなり、逆にあまりに小さすぎ
ると、ハイブリダイゼーションの特異性が低下する。
【0026】プライマー及びプローブの特定のヌクレオ
チド配列の好ましい具体的配列の例は、前述したとお
り、配列番号1(プローブの場合)並びに配列番号2お
よび3(プライマーの場合)に示されるとおりである。
【0027】尚、例えば20ヌクレオチドからなるプラ
イマー又はプローブは、鋳型鎖との間に少数のミスマッ
チが存在してもハイブリダイズし、PCRのプライマー
として又は検出用プローブとして機能し得ることが知ら
れている。従って本発明プライマー及びプローブもま
た、上記の特定のヌクレオチド配列を有するものに限定
されず、これをその一部として含むものや、この配列中
の例えば2個以下のヌクレオチドの置換、欠失及び/又
は付加による修飾のなされた配列を包含することができ
る。
【0028】上記本発明プローブ及びプライマーとして
の前記オリゴヌクレオチドは、常法に従い、自動合成
機、例えばDNAシンセサイザー(パーキンエルマー
社)等を用いて容易に合成することができ、得られるオ
リゴヌクレオチドは更に必要に応じて、市販の精製用カ
ートリッジ等を用いて精製することもできる。
【0029】本発明のリアルタイム検出用プローブは、
その一端、例えば5′−末端にレポーター色素を結合し
ており、そして他端、例えば3′−末端にクエンチャー
色素を結合している。レポーター色素は、例えば励起光
の照射によって蛍光を発する物質であり、クエンチャー
は、該レポーター色素に距離的に接近して存在する場合
レポーター色素に作用してその蛍光の発生を消去する作
用を有するものであることができる。該レポーター色素
の例としては、例えば6−カルボキシ−フルオレッセイ
ン(FAM)、テトラクロロ−6−カルボキシフルオレ
ッセイン(TET)、2,7−ジメトキシ−4,5−ジ
クロロ−6−カルボキシフルオレッセイン(JOE)、
ヘキソクロロ−6−カルボキシフルオレッセイン(HE
X)等が挙げられる。クエンチャー色素の例としては、
例えば6−カルボキシ−テトラメチル−ローダミン(T
AMRA)等が挙げられる。
【0030】本発明プローブは、前記特定配列のプロー
ブ用オリゴヌクレオチドにレポーター色素及びクエンチ
ャー色素を結合させることにより調製できる。例えばプ
ローブの5′側は、通常数個のメチレン鎖をリンカーと
し、末端のリン酸基にFAM分子をリン酸エステルの形
で結合させることができる。また、3′側には、下に示
す構造単位を介してアミド結合によりTAMRA分子を
結合させ得る。
【0031】
【化1】
【0032】以下、本発明プライマー対及びプローブを
利用したPCRによるリアルタイム検出法につき詳述す
る。
【0033】本発明方法は、前述した本発明プライマー
対及びプローブを利用することを必須として、他は公知
のPCR法(例えば、Science, 230, 1350 (1985)参
照)、RT−PCR(Genome Res., 6(10), 986 (1996)
参照)等、特にリアルタイム検出法(例えばTaqMan PC
R, ABI PRISMTM 7700 SEQUENCE DETECTION SYSTEM, App
lied Biosystems, Ver1, June 1996参照)に従い実施す
ることができる。
【0034】該方法は、特に本発明が対象とするTST
の発現量の測定方法として、mRNAを測定する場合に
有用である。この場合、TSTを発現している生体組織
を採取し、常法に従って全RNAを抽出し、次にそれに
対して相補性のcDNAを常法に従って合成した後、本
発明プライマー対とプローブとを用いて、PCRを行え
ばよい。また、常法に従って全RNAを抽出後、本発明
プライマーとプローブとを用いて、直接RT−PCRを
行なうこともできる。
【0035】PCR反応、RT−PCR反応は、基本的
には公知の方法に従うことができる。それらの反応条件
も公知の方法に準じて適宜決定することができ、特に異
なるものではない。具体的には、後記実施例に示す条件
を好ましく採用できる。
【0036】検出も、基本的には常法に従って、例え
ば、アルゴンレーザ光をPCR反応液に照射し、放射さ
れる蛍光をCCDカメラを用いて検出することにより行
なうことができる。
【0037】かくして、本発明方法の実施によって、所
期のTSTを容易且つ迅速に検出することができる。
【0038】本発明は更に、上記方法の実施のためのキ
ットをも提供する。このキットは上記プライマー対及び
プローブを含んでなる。本発明キットには、対照として
使用することのできる既知の核酸や、該核酸を測定する
ためのプライマー対及びプローブを更に含んでいてもよ
い。
【0039】本発明方法によれば、TSTの遺伝子を測
定、検出できるため、これによってTSTの定量を迅速
に精度よく行なうことができる。かくして、新薬の他剤
との相互作用や配合禁忌等に関連する基礎データーを効
率よく得ることができる。
【0040】
【実施例】以下、試験例を挙げて本発明をより詳細に説
明する。
【0041】
【試験例1】リアルタイム検出法による検量線の作成 本試験で採用したリアルタイムワンステップRT−PC
R法は、96ウエルを用いて、最大96の異なった反応
を同時に実施して、一度に最大96の検体を測定できる
ものである。また、1チューブ内でRT反応とPCR反
応とを行なうことができる。
【0042】本定量の原理は、隣接した2種類の蛍光色
素を用いて、一方の色素(リポーター色素)の蛍光波長
と他方の色素(クエンチャー色素)の励起光波長との間
で、波長領域が重なる場合に生じるFRETを利用した
ものである。FRETを生じる2種の蛍光色素を両末端
に結合させたプローブ(TaqMan probe)がPCRで増幅
した特定のTST由来のcDNAにハイブリダイゼーシ
ョンし、この状態でPCRの伸長反応が始まり、Taq
DNAポリメラーゼの有する5’−3’エンドヌクレ
アーゼ活性によってTaqManプローブが加水分解さ
れ、リポーター色素が脱離し、クエンチャー色素との間
の物理的距離が生じ、FRETによって抑制されていた
リポーター色素の蛍光強度が増加し、この蛍光強度の増
加はPCRの増幅産物の増加量に比例するため、これを
PCR反応毎に測定することによって、所望の定量が可
能となる。
【0043】本試験では、プローブの5’末端側にはリ
ポーター色素としてFAMを、3’末端側にはクエンチ
ャー色素としてTAMRAを使用した。之等各色素の結
合及びこれによるTaqManプローブの作成は、文献
記載の方法(Genome Res., 6(10), 986 (1996))に従っ
て行なった。
【0044】また、各プライマー及びプローブとしての
オリゴヌクレオチドは、自動シンセサイザーとしてAB
I社製のDNA/RNA合成機を利用して、基質(dN
TP)及び規定の試薬を用いて合成した。
【0045】検体RNAとしては、成人の脳、成人の腎
臓、成人の肺、成人の小腸、胎児の肝臓、成人の肝臓プ
ールより精製された全RNAを用いた。尚、之等の全R
NAはいずれもクローンテック社(Clontech Laborator
ies, Inc.)より購入した。
【0046】成人の脳、成人の腎臓、成人の肺、成人の
小腸、胎児の肝臓、成人の肝臓プールより精製された全
RNAは、RNaseフリーの水で希釈し、20μg/
mLとした。その後、これら6種類を等量ずつ混合し、
検量線作成用とした。以後は、50μg/mLのイース
トtRNA(Yeast tRNA, GIBCO社製)を用いて、5倍
公比で希釈した。測定には5μLを使用した。
【0047】RT−PCR反応は、300nMフォーワ
ードプライマー、900nMリバースプライマー及び2
00nM TaqManプローブを含むTaqMan One-Step RT-PC
R Master Mix Reagents Kit (PE Applied Biosystems)
を用いて、50μL/チューブの系で、ABI PRI
SMTM7700 Sequence Detection System(PE Appl
ied Biosystems)にて行なった。
【0048】温度条件は、48℃で30分間、95℃で
10分間で保温した後、95℃で15秒間、60℃で1
分間のサイクルを50回行い、各サイクルごとに蛍光強
度を測定した。
【0049】TSTに対して配列番号2及び3に示され
る配列のプライマー対及び配列番号1に示される配列の
プローブを用いて上記試験を行なった。その結果、得ら
れた検量線は、傾き−3.48、切片38.72であ
り、相関係数1.00、定量限界6.4pg全RNA/50
μL反応液量であった。
【0050】このことから、100000pg全RNA
/50μL反応液量から5倍公比で希釈された検量線を
作成したところ、TSTについては、6.4pg全RN
A/50μL反応液量まで定量性を有していることがわ
かる。
【0051】
【配列表】SEQUENCE LISTING <110> Ostuka Pharmaceutical Factory Inc. <120> ロダネーゼの測定方法、そのためのプローブ及び
キット <130> 00P1071 <160> 3 <210> 1 <211> 24 <212> DNA <213> human TST gene <400> 1 tgaggagatc cgccatctgt tcca 24 <210> 2 <211> 21 <212> DNA <213> human TST gene <400> 2 acatcccagg taccgtgaac a 21 <210> 3 <211> 23 <212> DNA <213> human TST gene <400> 3 tggcttagac aggtccactt tct 23
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B024 AA11 CA01 CA09 CA12 CA20 HA12 HA13 4B063 QA01 QA05 QQ02 QQ03 QQ26 QQ42 QQ53 QR32 QR35 QR41 QR56 QR62 QS25 QS34 QX02

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒトにおけるロダネーゼ(TST)の測
    定に用いられるプローブであって、TST遺伝子の67
    5〜698の領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオ
    チドからなるプローブ。
  2. 【請求項2】リポーター色素とクエンチャー色素とが結
    合している請求項1記載のプローブ。
  3. 【請求項3】 塩基配列の長さが20〜40である請求
    項1記載のプローブ。
  4. 【請求項4】 配列番号1に示される配列を含むものであ
    る請求項1〜3のいずれかに記載のプローブ。
  5. 【請求項5】 配列番号1に示される配列である請求項
    1〜3のいずれかに記載のプローブ。
  6. 【請求項6】ヒトにおけるロダネーゼ(TST)をコー
    ドするTST遺伝子の608-628領域及び726-704領域にハ
    イブリダイズするオリゴヌクレオチドからなるフォワー
    ドプライマーとリバースプライマーとのプライマー対、
    及び上記両プライマーに挟まれた675-698領域にハイブ
    リダイズするオリゴヌクレオチドからなるプローブの組
    合せからなる、ロダネーゼの測定キット。
  7. 【請求項7】 プローブが、更にリポーター色素とクエ
    ンチャー色素とを結合させたものである請求項6記載の
    測定キット。
  8. 【請求項8】配列番号2及び3で示される配列を含むオ
    リゴヌクレオチドからなるプライマー対と配列番号1で
    示される配列を含むオリゴヌクレオチドからなるプロー
    ブとの組み合わせからなる請求項7記載の測定キット。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の測定キットであって、
    前記セットがロダネーゼの測定用である測定キット。
  10. 【請求項10】 請求項8に記載の配列番号で示される
    配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマー対
    とプローブとの組合せからなる請求項9記載の測定キッ
    ト。
  11. 【請求項11】 ヒトにおけるロダネーゼを含む検体に
    ついて、請求項6〜10のいずれかに記載の測定キット
    を用いてポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を行い、用い
    たプローブの加水分解の有無を測定することを特徴とす
    る、ロダネーゼの測定方法。
  12. 【請求項12】加水分解の有無が、励起光照射による蛍
    光の発色の有無によりなされる請求項11記載の測定方
    法。
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