JP2002058480A - アシルCoA:N−アシル転移酵素の測定方法、そのためのプローブ及びキット - Google Patents

アシルCoA:N−アシル転移酵素の測定方法、そのためのプローブ及びキット

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JP2002058480A
JP2002058480A JP2000245948A JP2000245948A JP2002058480A JP 2002058480 A JP2002058480 A JP 2002058480A JP 2000245948 A JP2000245948 A JP 2000245948A JP 2000245948 A JP2000245948 A JP 2000245948A JP 2002058480 A JP2002058480 A JP 2002058480A
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amino acid
acyl
coa
baat
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Masuhiro Nishimura
益浩 西村
Hiroshi Yaguchi
寛 矢口
Shinsaku Naito
真策 内藤
Isao Hiraoka
功 平岡
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Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
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Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
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  • Investigating Or Analysing Materials By The Use Of Chemical Reactions (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒトにおけるアミノ酸抱合に関与するアシルC
oA:N-アシル転移酵素を分別して定量する新しい測定技
術及びそのためのプローブ及びキットを提供する。 【解決手段】ヒトにおけるアミノ酸抱合に関与する胆汁
酸CoA:アミノ酸N−アシル転移酵素(BAAT)の
測定に用いられるプローブであって、BAAT遺伝子の
66〜93の領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオ
チドからなるプローブ;該プローブ、及び前記BAAT
遺伝子の44-63領域及び117-96領域にハイブリダイズす
るオリゴヌクレオチドからなるフォワードプライマーと
リバースプライマーとのプライマー対の組合せからな
る、アシルCoA:N-アシル転移酵素の測定キット;並び
に該測定キットを用いる、アシルCoA:N-アシル転移酵
素の測定方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒトにおける第II
相反応の一種であるアミノ酸抱合に関与するアシルCo
A:N-アシル転移酵素の測定方法及びそのためのプロー
ブ及びキットに関する。
【0002】
【従来の技術】ヒトにおける第II相反応に関与する酵素
には種々のものが知られている。このうち、アシルCo
A:アミノ酸N−アシル転移酵素、特に胆汁酸CoA:
アミノ酸N−アシル転移酵素(bile acid Coenzyme A:
amino acid N-acyltransferase、以下、BAATとい
う)はアミノ酸抱合に関与する酵素である。
【0003】ところで、新薬を開発する上で、該新薬を
投与した際の第II相反応に関与する酵素の動き(発現量
の増減)を把握することは重要である。何故なら、第II
相反応に関与する酵素の変動が判らないと、該新薬と併
用される併用薬剤の効力や副作用の増減或いは併用薬剤
や他の摂取物による新薬の効力や副作用の増減が予測で
きず、該新薬の安全性を確認することができないからで
ある。
【0004】そこで、上記新薬開発等の分野において
は、ヒトにおける第II相反応に関与する酵素に関する情
報、殊に之等各分子種を区別して測定できる測定技術の
開発が要望されている。かかる技術が開発できれば、例
えば、新薬の他剤との相互作用や特殊病態時における影
響等が容易に把握でき、該新薬の副作用に関する有用な
情報を得ることができ、新薬の安全性を確保することが
できる。一方、ポリメラーゼチェインリアクション(P
CR)は、核酸の増幅法として広く知られており、例え
ばRT−PCR(Reverse Transcription-PCR)、コン
ペティティブRT−PCR等が微量のmRNAの検出、
定量に威力を発揮している。
【0005】近年、PCRを利用したリアルタイム定量
検出法が確立された(Taq Man PCR(Genome Res., 6(1
0), 986 (1996)), ABI PRISMTM Sequence Detection Sy
stem(Applied Biosystems社))。これは、特定の蛍光標
識プローブ(TaqMan prove)を用いて核酸を測定する方
法である。より詳しくは、例えば5’末端にリポーター
色素及び3’末端にクエンチャー色素を付加して蛍光標
識したプローブをターゲットDNAにアニールさせた状
態で、通常のPCR反応を行なわせると、伸長反応の進
行に伴って、DNAポリメラーゼの有する5′−3′エ
キソヌクレアーゼ活性により、上記プローブが5’末端
から加水分解される。その結果、5’末端のリポーター
色素が3’末端のクエンチャー色素から離れ、これによ
り、当初一定の空間的距離を保っていたことによるFR
ET(Fluoresence Resonance Energy Transfer, 両蛍
光色素の共鳴によるリポーター色素のエネルギー順位の
低下に基づく蛍光強度の低下現象)効果がなくなり、ク
エンチャー色素により制御されていたリポーター色素の
蛍光強度が増加する。従って、この蛍光強度の増加を測
定することによって、ターゲット核酸をリアルタイムに
選択的に定量検出できるのである。この方法によれば、
PCR反応後に増幅物を例えばアガロースゲル電気泳動
して、泳動パターンを解析する等の複雑な工程が不要と
なり、短時間で且つ同時に多種のサンプルを定量できる
利点がある。
【0006】一般に、臨床検査センター等で臨床検査を
行う場合には、非常に多数の検体について限られた時間
内に検査をする必要があるため、検査を効率良く行い得
る手法の開発が要望されている。上記リアルタイム検出
法は、このような要望に合致するものとして期待されて
いる。
【0007】本発明者らは、上記PCRによるリアルタ
イム検出法に着目し、これがヒト第II相反応、とくにア
ミノ酸抱合に関与する酵素の検出に利用できるのではな
いかとの着想から、鋭意研究を重ねた。
【0008】しかるに、現在知られている化学物質を代
謝するアミノ酸抱合に関与するBAATは、そのmRN
Aの配列は知られているものの、これをターゲット遺伝
子としたとき、該ターゲット遺伝子の特定位置にハイブ
リダイズし得る各プライマー対としてのオリゴヌクレオ
チドの検索自体困難であると考えられた。また、かかる
プライマー対に挟まれた特定領域に、同一PCR条件下
に之等のプライマーよりも早くハイブリダイズし得、し
かもBAATに対して特異的なプローブの構築もまた、
同様に困難であると考えられた。
【0009】特に、ヌクレオチド配列が既知の2つの核
酸のハイブリダイズのし易さは、融点(Tm)の計算に
よりある程度推定することはできるものの、この推定に
よって選択したプライマーとプローブとの組合せが、必
ずしもDNA測定において好結果をもたらすわけではな
いことが知られていることより、ヒトにおけるアミノ酸
抱合に関与するBAATについて、上記PCRによるリ
アルタイム検出用の各プライマー対とプローブとの組合
せの選択には、熟練者の試行錯誤による多大な実験等が
必要となると予想された。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ヒト
におけるアミノ酸抱合に関与するアシルCoA:N-アシル
転移酵素のPCRによる測定法、特にリアルタイム検出
法の確立と、そのためのプローブ及びプライマー対を提
供することにある。
【0011】本発明者らは、上記目的よりヒトにおける
アミノ酸抱合に関与するBAATについて、多大な実
験、研究を繰返し行った結果、当該酵素に対する目的の
プライマー対及びプローブの組合せを提供することに成
功し、ここに下記要旨の本発明を完成するに至った。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、ヒトに
おけるアミノ酸抱合に関与するBAATの測定に用いら
れるプローブであって、BAAT遺伝子の66〜93の
領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドからなる
ことを特徴とするプローブ;特にリポーター色素とクエ
ンチャー色素とが結合している該プローブ;塩基配列の
長さが20〜40である該プローブ;配列番号1に示さ
れる配列を含む該プローブ;並びに配列番号1に示され
る配列である該プローブが提供される。
【0013】また、本発明によれば、ヒトにおけるアミ
ノ酸抱合に関与するBAATをコードするBAAT遺伝
子の44-63領域及び117-96領域にハイブリダイズするオ
リゴヌクレオチドからなるフォワードプライマーとリバ
ースプライマーとのプライマー対、及び上記両プライマ
ーに挟まれた66-93領域にハイブリダイズするオリゴヌ
クレオチドからなるプローブの組合せからなる、アシル
CoA:N-アシル転移酵素の測定キット;特にプローブが
更にリポーター色素とクエンチャー色素とを結合させた
ものである上記測定キットが提供される。
【0014】上記キットを構成するプライマー対とプロ
ーブとの組合せ(セット)の好ましいものとしては、配
列番号2及び3で示される配列を含むオリゴヌクレオチ
ドからなるプライマー対と配列番号1で示される配列を
含むオリゴヌクレオチドからなるプローブとの組み合わ
せからなるもの、より好ましくは各配列番号で示される
配列のものを挙げることができる。
【0015】また、上記各セットはアミノ酸抱合に関与
するBAATの測定用であることができる。本発明によ
れば、更にヒトにおけるアミノ酸抱合に関与するBAA
Tの遺伝子を含む検体について、上記の測定キットを用
いてポリメラーゼ連鎖反応(PCR、RT−PCRを含
む)を行い、用いたプローブの加水分解の有無を測定す
ることを特徴とするヒトにおけるアミノ酸抱合に関与す
るアシルCoA:N-アシル転移酵素の測定方法、特に上記
加水分解の有無が、励起光照射による蛍光の発色の有無
によりなされる上記測定方法が提供される。
【0016】より詳しくは、フォーワードプライマー及
びリバースプライマーのプライマー対並びにレポーター
色素とクエンチャー色素を有し上記両プライマーに挟ま
れた領域内で鋳型核酸とハイブリダイズするプローブを
用いて、5′−3′エキソヌクレアーゼ活性を有するD
NAポリメラーゼによりポリメラーゼ連鎖反応(PC
R)を行うことによって、ヒトにおけるアミノ酸抱合に
関与するアシルCoA:N-アシル転移酵素の遺伝子を測定
するリアルタイム検出方法が提供される。
【0017】本発明に係わるアシルCoA:N-アシル転移
酵素のリアルタイム検出方法は、同一PCR乃至RT−
PCR反応条件下にリアルタイムで簡便且つ迅速に、当
該酵素を分別定量できるものであり、その確立は、臨床
分野、医薬品分野において非常に有益である。例えば、
本発明方法によって、医薬品開発における動態試験にお
いて重要な位置を占める薬物代謝のアミノ酸抱合に関与
するアシルCoA:N-アシル転移酵素のヒト試料中でのm
RNAの発現を容易に定量することができる。これによ
って、医薬品等の化学物質に曝露された場合の上記アシ
ルCoA:N-アシル転移酵素の変化を知ることができる。
【0018】また、手術で摘出した組織やバイオプシー
により摘出した組織中のアシルCoA:N-アシル転移酵素
のmRNA発現を見る上で、迅速且つ多種の試料を処理
でき、また、僅かな組織片から抽出した全RNAで検出
可能である。
【0019】更に、アシルCoA:N-アシル転移酵素にお
いては、肝臓、腎臓等での酵素誘導などによる発現量の
変化が血液中(血液に含まれる核を有する細胞)の値の
変化と相関する可能性が考えられるが、この血液中の発
現量は小さく、測定には多くの血液を必要とする。しか
し、本発明者の設計したプライマーとプローブを用いれ
ば少ないサンプルで測定が可能である機器での測定が可
能であり、血液中の発現量を測定することに有用であ
る。また、アシルCoA:N-アシル転移酵素は、肝臓、腎
臓等での酵素誘導などによる発現量の変化が唾液中など
分泌液中に含まれる核を有する細胞の値の変化と相関す
る可能性が考えられるが、この唾液中など分泌液中に含
まれる核を有する細胞中の発現量は小さく、測定には多
くの唾液などの分泌液を必要とする。しかし、本発明者
の設計したプライマーとプローブを用いれば少ないサン
プルで測定が可能である機器での測定が可能であり、唾
液中などの発現量を測定することに有用である。
【0020】以下、本発明方法に利用するプローブ及び
プライマー対につき詳述すれば、各プローブ及びプライ
マーは、上述した通り、BAATの遺伝子の特定領域に
ハイブリダイズするオリゴヌクレオチドから選択され
る。
【0021】ここで「ハイブリダイズする」とは、後述
するPCR(RT−PCR)の条件でハイブリダイズす
ることをいう。
【0022】本発明に係わるプローブ及びプライマーに
共通する要件としては、増幅生成物が50〜400塩基
対の長さであること、プライマーとプローブができる限
り近接していること、配列に含まれるG(グアニン)及
びC(シトシン)の割合がなるべく50%前後であるこ
と、G(グアニン)が4つ以上連続していないことを挙
げることができる。また、その他の本発明プローブにみ
られる要件としてはTm値が70℃前後であることを挙
げることができ、同様にプライマーにはTm値が60℃
前後であることを挙げることができる。
【0023】BAATのmRNA配列は公知であり、ジ
ーンバンク(GenBank)にBAAT遺伝子;NM_00
1701の登録番号で登録されている。
【0024】本明細書において、BAATの特定領域の
表示は、上記登録番号で登録された遺伝子の配列に従う
ものである。
【0025】前記プライマー及びプローブ用のオリゴヌ
クレオチドのヌクレオチド数は、少なくとも15個、通
常15〜50個、好ましくは20〜40個の範囲にある
のがよい。之等プライマー及びプローブのヌクレオチド
数が上記よりあまりに多くなりすぎると、1本鎖DNA
にハイブリダイズしにくくなり、逆にあまりに小さすぎ
ると、ハイブリダイゼーションの特異性が低下する。
【0026】プライマー及びプローブの特定のヌクレオ
チド配列の好ましい具体的配列の例は、前述したとお
り、配列番号1(プローブの場合)並びに配列番号2お
よび3(プライマーの場合)に示されるとおりである。
【0027】尚、例えば20ヌクレオチドからなるプラ
イマー又はプローブは、鋳型鎖との間に少数のミスマッ
チが存在してもハイブリダイズし、PCRのプライマー
として又は検出用プローブとして機能し得ることが知ら
れている。従って本発明プライマー及びプローブもま
た、上記の特定のヌクレオチド配列を有するものに限定
されず、これをその一部として含むものや、この配列中
の例えば2個以下のヌクレオチドの置換、欠失及び/又
は付加による修飾のなされた配列を包含することができ
る。
【0028】上記本発明プローブ及びプライマーとして
の前記オリゴヌクレオチドは、常法に従い、自動合成
機、例えばDNAシンセサイザー(パーキンエルマー
社)等を用いて容易に合成することができ、得られるオ
リゴヌクレオチドは更に必要に応じて、市販の精製用カ
ートリッジ等を用いて精製することもできる。
【0029】本発明のリアルタイム検出用プローブは、
その一端、例えば5′−末端にレポーター色素を結合し
ており、そして他端、例えば3′−末端にクエンチャー
色素を結合している。レポーター色素は、例えば励起光
の照射によって蛍光を発する物質であり、クエンチャー
は、該レポーター色素に距離的に接近して存在する場合
レポーター色素に作用してその蛍光の発生を消去する作
用を有するものであることができる。該レポーター色素
の例としては、例えば6−カルボキシ−フルオレッセイ
ン(FAM)、テトラクロロ−6−カルボキシフルオレ
ッセイン(TET)、2,7−ジメトキシ−4,5−ジ
クロロ−6−カルボキシフルオレッセイン(JOE)、
ヘキソクロロ−6−カルボキシフルオレッセイン(HE
X)等が挙げられる。クエンチャー色素の例としては、
例えば6−カルボキシ−テトラメチル−ローダミン(T
AMRA)等が挙げられる。
【0030】本発明プローブは、前記特定配列のプロー
ブ用オリゴヌクレオチドにレポーター色素及びクエンチ
ャー色素を結合させることにより調製できる。例えばプ
ローブの5′側は、通常数個のメチレン鎖をリンカーと
し、末端のリン酸基にFAM分子をリン酸エステルの形
で結合させることができる。また、3′側には、下に示
す構造単位を介してアミド結合によりTAMRA分子を
結合させ得る。
【0031】
【化1】
【0032】以下、本発明プライマー対及びプローブを
利用したPCRによるリアルタイム検出法につき詳述す
る。
【0033】本発明方法は、前述した本発明プライマー
対及びプローブを利用することを必須として、他は公知
のPCR法(例えば、Science, 230, 1350 (1985)参
照)、RT−PCR(Genome Res., 6(10), 986 (1996)
参照)等、特にリアルタイム検出法(例えばTaqMan PC
R, ABI PRISMTM 7700 SEQUENCE DETECTION SYSTEM, App
lied Biosystems, Ver1, June 1996参照)に従い実施す
ることができる。
【0034】該方法は、特に本発明が対象とするBAA
Tの発現量の測定方法として、mRNAを測定する場合
に有用である。この場合、BAATを発現している生体
組織を採取し、常法に従って全RNAを抽出し、次にそ
れに対して相補性のcDNAを常法に従って合成した
後、本発明プライマー対とプローブとを用いて、PCR
を行えばよい。また、常法に従って全RNAを抽出後、
本発明プライマーとプローブとを用いて、直接RT−P
CRを行なうこともできる。
【0035】PCR反応、RT−PCR反応は、基本的
には公知の方法に従うことができる。それらの反応条件
も公知の方法に準じて適宜決定することができ、特に異
なるものではない。具体的には、後記実施例に示す条件
を好ましく採用できる。
【0036】検出も、基本的には常法に従って、例え
ば、アルゴンレーザ光をPCR反応液に照射し、放射さ
れる蛍光をCCDカメラを用いて検出することにより行
なうことができる。
【0037】かくして、本発明方法の実施によって、所
期のアミノ酸抱合に関与するBAATを容易且つ迅速に
検出することができる。
【0038】本発明は更に、上記方法の実施のためのキ
ットをも提供する。このキットは上記プライマー対及び
プローブを含んでなる。本発明キットには、対照として
使用することのできる既知の核酸や、該核酸を測定する
ためのプライマー対及びプローブを更に含んでいてもよ
い。
【0039】本発明方法によれば、BAATの遺伝子を
測定、検出できるため、これによってBAATの定量を
迅速に精度よく行なうことができる。かくして、新薬の
他剤との相互作用や配合禁忌等に関連する基礎データー
を効率よく得ることができる。
【0040】
【実施例】以下、試験例を挙げて本発明をより詳細に説
明する。
【0041】
【試験例1】リアルタイム検出法による検量線の作成 本試験で採用したリアルタイムワンステップRT−PC
R法は、96ウエルを用いて、最大96の異なった反応
を同時に実施して、一度に最大96の検体を測定できる
ものである。また、1チューブ内でRT反応とPCR反
応とを行なうことができる。
【0042】本定量の原理は、隣接した2種類の蛍光色
素を用いて、一方の色素(リポーター色素)の蛍光波長
と他方の色素(クエンチャー色素)の励起光波長との間
で、波長領域が重なる場合に生じるFRETを利用した
ものである。FRETを生じる2種の蛍光色素を両末端
に結合させたプローブ(TaqMan probe)がPCRで増幅
したBAAT由来のcDNAにハイブリダイゼーション
し、この状態でPCRの伸長反応が始まり、Taq D
NAポリメラーゼの有する5’−3’エンドヌクレアー
ゼ活性によってTaqManプローブが加水分解され、
リポーター色素が脱離し、クエンチャー色素との間の物
理的距離が生じ、FRETによって抑制されていたリポ
ーター色素の蛍光強度が増加し、この蛍光強度の増加は
PCRの増幅産物の増加量に比例するため、これをPC
R反応毎に測定することによって、所望の定量が可能と
なる。
【0043】本試験では、プローブの5’末端側にはリ
ポーター色素としてFAMを、3’末端側にはクエンチ
ャー色素としてTAMRAを使用した。之等各色素の結
合及びこれによるTaqManプローブの作成は、文献
記載の方法(Genome Res., 6(10), 986 (1996))に従っ
て行なった。
【0044】また、各プライマー及びプローブとしての
オリゴヌクレオチドは、自動シンセサイザーとしてAB
I社製のDNA/RNA合成機を利用して、基質(dN
TP)及び規定の試薬を用いて合成した。
【0045】検体RNAとしては、成人の脳、成人の腎
臓、成人の肺、成人の小腸、胎児の肝臓、成人の肝臓プ
ールより精製された全RNAを用いた。尚、之等の全R
NAはいずれもクローンテック社(Clontech Laborator
ies, Inc.)より購入した。
【0046】成人の脳、成人の腎臓、成人の肺、成人の
小腸、胎児の肝臓、成人の肝臓プールより精製された全
RNAは、RNaseフリーの水で希釈し、20μg/
mLとした。その後、これら6種類を等量ずつ混合し、
検量線作成用とした。以後は、50μg/mLのイース
トtRNA(Yeast tRNA, GIBCO社製)を用いて、5倍
公比で希釈した。測定には5μLを使用した。
【0047】RT−PCR反応は、300nMフォーワ
ードプライマー、900nMリバースプライマー及び2
00nM TaqManプローブを含むTaqMan One-Step RT-PC
R Master Mix Reagents Kit (PE Applied Biosystems)
を用いて、50μL/チューブの系で、ABI PRI
SMTM7700 Sequence Detection System(PE Appl
ied Biosystems)にて行なった。
【0048】温度条件は、48℃で30分間、95℃で
10分間で保温した後、95℃で15秒間、60℃で1
分間のサイクルを50回行い、各サイクルごとに蛍光強
度を測定した。
【0049】BAATに対して配列番号2及び3に示さ
れる配列のプライマー対及び配列番号1に示される配列
のプローブを用いて上記試験を行なった。その結果、得
られた検量線は、傾き−3.28、切片39.07であ
り、相関係数1.00、定量限界6.4pg全RNA/50
μL反応液量であった。
【0050】このことから、100000pg全RNA
/50μL反応液量から5倍公比で希釈された検量線を
作成したところ、BAATについては、6.4pg全R
NA/50μL反応液量まで定量性を有していることが
わかる。
【0051】
【配列表】SEQUENCE LISTING <110> Ostuka Pharmaceutical Factory Inc. <120> アシルCoA:N-アシル転移酵素の測定方法、その
ためのプローブ及びキット <130> 00P1069 <160> 3 <210> 1 <211> 28 <212> DNA <213> human BAAT gene <400> 1 aggcctgatt ccctttcaga tggtgagt 28 <210> 2 <211> 20 <212> DNA <213> human BAAT gene <400> 2 agccagtgca tatccgagct 20 <210> 3 <211> 22 <212> DNA <213> human BAAT gene <400> 3 ttcatcttcc agtgatgcct ga 22
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/566 C12N 15/00 ZNAA Fターム(参考) 2G043 AA06 BA16 DA02 EA01 2G054 CA22 CA28 EA03 GA04 4B024 AA11 AA20 CA09 HA11 4B063 QA01 QA13 QA18 QQ02 QQ42 QQ53 QR08 QR32 QR55 QR62 QR66 QS02 QS25 QS34 QX02

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒトにおけるアミノ酸抱合に関与する胆
    汁酸CoA:アミノ酸N−アシル転移酵素(BAAT)
    の測定に用いられるプローブであって、BAAT遺伝子
    の66〜93の領域にハイブリダイズするオリゴヌクレ
    オチドからなるプローブ。
  2. 【請求項2】リポーター色素とクエンチャー色素とが結
    合している請求項1記載のプローブ。
  3. 【請求項3】 塩基配列の長さが20〜40である請求
    項1記載のプローブ。
  4. 【請求項4】 配列番号1に示される配列を含むものであ
    る請求項1〜3のいずれかに記載のプローブ。
  5. 【請求項5】 配列番号1に示される配列である請求項
    1〜3のいずれかに記載のプローブ。
  6. 【請求項6】ヒトにおけるアミノ酸抱合に関与する胆汁
    酸CoA:アミノ酸N−アシル転移酵素(BAAT)を
    コードするBAAT遺伝子の44-63領域及び117-96領域
    にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドからなるフォ
    ワードプライマーとリバースプライマーとのプライマー
    対、及び上記両プライマーに挟まれた66-93領域にハイ
    ブリダイズするオリゴヌクレオチドからなるプローブの
    組合せからなる、アシルCoA:N-アシル転移酵素の測定
    キット。
  7. 【請求項7】 プローブが、更にリポーター色素とクエ
    ンチャー色素とを結合させたものである請求項6記載の
    測定キット。
  8. 【請求項8】配列番号2及び3で示される配列を含むオ
    リゴヌクレオチドからなるプライマー対と配列番号1で
    示される配列を含むオリゴヌクレオチドからなるプロー
    ブとの組み合わせからなる請求項7記載の測定キット。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の測定キットであって、
    前記セットがBAATの測定用である測定キット。
  10. 【請求項10】 請求項8に記載の配列番号で示される
    配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマー対
    とプローブとの組合せからなる請求項9記載の測定キッ
    ト。
  11. 【請求項11】 ヒトにおけるアミノ酸抱合に関与する
    胆汁酸CoA:アミノ酸N−アシル転移酵素(BAA
    T)を含む検体について、請求項6〜10のいずれかに
    記載の測定キットを用いてポリメラーゼ連鎖反応(PC
    R)を行い、用いたプローブの加水分解の有無を測定す
    ることを特徴とする、アシルCoA:N-アシル転移酵素の
    測定方法。
  12. 【請求項12】加水分解の有無が、励起光照射による蛍
    光の発色の有無によりなされる請求項11記載の測定方
    法。
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