JP2002057384A - 有機電子デバイスとその製造方法とその動作方法、及びそれを用いた表示装置とその製造方法 - Google Patents

有機電子デバイスとその製造方法とその動作方法、及びそれを用いた表示装置とその製造方法

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JP2002057384A
JP2002057384A JP2000243056A JP2000243056A JP2002057384A JP 2002057384 A JP2002057384 A JP 2002057384A JP 2000243056 A JP2000243056 A JP 2000243056A JP 2000243056 A JP2000243056 A JP 2000243056A JP 2002057384 A JP2002057384 A JP 2002057384A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】0.1μm以下の微細加工がなされても結晶性
に左右されない有機物を用いたデバイスを作製すること
で、高集積化されたデバイスを提供する。また、プラス
チック基板等に形成できフレキシビリティーに優れたデ
バイスを提供する。また高速な応答を要求する電子機器
に適用できる、高速なスイッチ素子を提供する。 【解決手段】電子デバイスのチャネル部に導電性を有す
る有機薄膜を使用するとプラスチック基板等も使用でき
る。光応答性の官能基を有する有機分子から成る有機薄
膜の場合、有機薄膜の導電性は光照射で制御できる。ま
た、有極性の官能基を有する有機分子から成る有機薄膜
の場合、有機薄膜の導電性は印加電界で極めて高速に制
御できる。これにより表示装置等の電子機器に適用しう
るスイッチ素子が提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チャネル部に有機
材料を用いた2端子及び3端子電子デバイス(以下、有
機電子デバイス)とその製造方法及びその動作方法に関
するものである。さらに詳しくは、導電性を有する単分
子膜または単分子累積膜あるいは薄膜の導電性変化を利
用した有機電子デバイスとその製造方法およびその動作
方法に関するものである。また、それを用いた表示装置
とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子デバイスには、シリコン
結晶に代表されるように無機系の半導体材料が用いられ
ている。有機系の電子デバイス(以下、有機電子デバイ
ス)としては、例えば日本国特許第2034197号及
び第2507153号等に開示されている。これら各公
報に記載されている有機電子デバイスは、印加された電
界に応答し端子間に流れる電流をスイッチングする有機
電子デバイスである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来より用いられてき
た無機結晶では、微細化が進展するに伴い結晶欠陥が問
題となり、デバイス性能が結晶に大きく左右される欠点
があった。また、フレキシビリティーが悪いという欠点
があった。また、従来例の有機電子デバイスは、電流の
スイッチ素子を提供するという所期の目的は達するにし
ても、高速な応答を要求する電子機器への適用は実現さ
れていない。
【0004】本発明では上記に鑑みなされたものであ
り、その目的は、デバイスの高密化が進展し0.1μm
以下の微細加工がなされても、結晶性に左右されない有
機物質を用いたデバイスを作製することにより高集積化
されたデバイスを提供することにある。また、プラスチ
ック基板等に形成することにより、フレキシビリティに
優れた有機電子デバイスを提供することにある。
【0005】また、電界効果型のスイッチ素子にあって
は、高速な応答を要求される電子機器、例えば表示装
置、に対しても適用できる、高速な応答性を有するデバ
イスを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決する為
に、請求項1に記載の発明は、基板上に形成された、第
1の電極と、前記第1の電極と離隔した第2の電極と、
前記第1と第2の電極を電気的に接続する有機薄膜と、
を備えた2端子有機電子デバイスであって、前記有機薄
膜は、光応答性の官能基を有する有機分子群からなり、
前記有機分子群を構成する分子相互が共役結合した導電
ネットワークを有することを特徴とする。
【0007】上記構成によれば、前記第1と第2の電極
間を電気的に接続するチャネル部が有機薄膜で形成さ
れ、前記有機薄膜の導電性が光の照射により変化する有
機電子デバイスが提供できる。さらに、前記有機分子が
光応答性の官能基を含むことにより光に対する感度が上
がり応答速度が高速になる、したがって前記有機薄膜の
導電性を高速に変化できる。光を照射された際の有機薄
膜の導電性の変化は、光応答性の官能基の応答による影
響が前記導電ネットワークの構造に波及されたため生じ
たと考えられる。
【0008】前記有機薄膜は前記第1と第2の電極間を
電気的に接続する導電性の薄膜であり、前記有機薄膜の
一部または全部が単分子膜または単分子膜が積層した単
分子累積膜であってもよい。
【0009】光応答性は光照射により可逆的に分子の状
態を変化する特性であり、光応答には分子を構成する原
子相互の結合の順序(配列)は同じで空間的な配置を変
化するシス−トランス異性化他の光異性化等をも含む。
したがって、有機薄膜の導電性の変化は、波長の異なる
光の照射の組合せ等で所定の状態に戻すことができる可
逆的なものである。
【0010】また、導電ネットワークは前記第1と第2
の電極間の電気伝導に関与する伝導路を形成する分子の
集合体である。さらに、ドーピングにより導電ネットワ
ークにドーパント物質の組み込めば導電率を向上でき
る。
【0011】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の2端子有機電子デバイスに於いて、前記有機薄膜が有
機分子が基板上に固定された単分子膜または単分子累積
膜であることを特徴とする。
【0012】上記の構成によれば、各単分子層を構成す
る分子の集合群はある程度配向した状態にあり、各分子
の重合性基はほぼ平面内に存在するため容易に共役結合
させることができ、多数の分子が共役結合で連結された
高い導電性の導電ネットワークを形成することが可能に
なる。さらに、導電ネットワークが平面上に展開されて
いる為、1次元性の鎖状共役系高分子を形成する分子を
有機薄膜の材料物質として使用しても2次元的な電気伝
導が可能と考えられる。したがって膜厚が薄くても良好
な導電性を有する。
【0013】また、膜厚が極めて薄くできるため応答速
度を向上することができる。また、基板に結合固定され
ているため耐剥離性等の耐久性に優れ、長期間の使用に
対して安定な動作が可能である。したがって、膜厚が薄
くとも良好且つ均質な導電性と高速で安定な応答性を有
する2端子有機電子デバイスを提供できる。
【0014】また、ドーピングを行う際には、ドーパン
ト物質を効果的に導電ネットワークに組み込むことが可
能となる。任意の膜厚の有機薄膜を形成する、またはド
ーピングを行う等により有機薄膜の導電性を容易に調整
することができる。
【0015】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2に記載の2端子有機電子デバイスに於いて、前記導電
ネットワークの導電率は前記有機薄膜に照射される光の
光量により変化することを特徴とする。
【0016】上記構成によれば、有機薄膜に吸収される
光のエネルギーを、光の照射強度や照射時間等により調
整すれば、導電ネットワークの導電率を変化することが
可能である。また、導電率が変化する特性により可変抵
抗等の有機電子デバイスを提供できる。
【0017】一般的に吸収スペクトルにおいて、光応答
性の官能基はそれぞれ固有の吸収特性を有しているの
で、吸収率の優れた波長の光を用いると効率良くまた高
速に導電性を変化させることが可能となる。
【0018】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の2端子有機電子デバイスに於いて、前記導電ネットワ
ークの導電率は、有機薄膜に照射される波長の異なる第
1の光または第2の光によりそれぞれ第1の導電率また
は第2の導電率に移行し且つ遮光後もそれぞれ前記第1
または第2の導電率が維持されることを特徴とする。
【0019】上記の構成によれば、第1と第2の電極間
に電圧印加した状態で第1または第2の光を照射し、第
1または第2の導電率を有する安定状態間を移行させる
ことにより、導電ネットワークの導電率をスイッチング
することが可能となる。さらに、安定状態が遮光後も維
持されるためメモリ機能を有する。したがって、可変抵
抗、スイッチ素子、メモリ素子、または光センサー等の
有機電子デバイスを提供できる。
【0020】また、第1または第2の導電率は、光を照
射する前の状態及び照射される第1または第2の光の光
量に依存する為、光強度や照射時間等を調整することに
よりそれぞれの安定状態の導電率を可変制御できる。
【0021】請求項5に記載の発明は、請求項1及至4
のいずれかに記載の2端子有機電子デバイスに於いて、
前記光応答性の官能基が光異性化する官能基であること
を特徴とする
【0022】上記の構成によれば、異性化に伴い前記第
1と第2の導電率を有する安定状態をとることが可能と
なる。また、導電ネットワークの導電率の極めて高速な
制御が可能となる。
【0023】ここで、安定状態とは、あくまで導電ネッ
トワークが安定且つ所定の導電率を有する状態であれば
よい。例えば、第1の異性体と第2の異性体とがある比
率で存在する場合に導電ネットワークが有する導電率が
第1の導電率とし、その状態が第1の導電率を有する安
定状態である。
【0024】請求項6に記載の発明は、請求項5に記載
の2端子有機電子デバイスに於いて、前記光異性化する
官能基がアゾ基であることを特徴とする。
【0025】上記の構成によれば、可視光の照射でトラ
ンス型の第1の異性体に、また紫外線の照射でシス型の
第2の異性体に異性化され、導電ネットワークの導電率
は変化する。
【0026】請求項7に記載の発明は、請求項1及至6
のいずれかに記載の2端子有機電子デバイスに於いて、
前記導電ネットワークはポリアセチレン型、ポリジアセ
チレン型、ポリピロール型、ポリチェニレン型、ポリア
セン型の共役系よりなる群から選択される1つ以上の共
役系を含むことを特徴とする。
【0027】上記の構成によれば、高い導電率の導電ネ
ットワークを有する2端子有機電子デバイスを提供でき
る。ここに、ポリアセチレンの高分子主鎖の結合構造を
ポリアセチレン型とする。(以下、ポリアセチレン型。
他の高分子についても同様とする)
【0028】請求項8に記載の発明は、基板上に形成さ
れた、第1の電極と、前記第1の電極と離隔した第2の
電極と、前記第1と第2の電極を電気的に接続する有機
薄膜と、前記基板と前記有機薄膜の間に挟まれ、それぞ
れと絶縁された第3の電極と、を備えた3端子有機電子
デバイスであって、前記第3の電極は、前記第1の電極
または前記第2の電極との電極間に電圧を印加すること
により前記有機薄膜に作用させる電界を制御する電極で
あり、前記有機薄膜は、有極性の官能基を有する有機分
子群からなり、前記有機分子群を構成する分子相互が共
役結合した導電ネットワークを有することを特徴とする
【0029】上記の構成によれば、前記第3の電極に印
加した電圧により前記有機薄膜の導電性が変化する。さ
らに、有極性の官能基を含むことにより印加された電界
に対する感度が高くなり、応答速度が高速になる。した
がって前記有機薄膜の導電性の変化が高速になる。前記
有機薄膜に電界が印加された際の前記有機薄膜の導電性
の変化は、有極性の官能基の電界応答による影響が前記
導電ネットワークの構造に波及された為、生じたと考え
られる。
【0030】前記有機薄膜は前記第1と第2の電極間を
電気的に接続する導電性の薄膜であり、前記有機薄膜の
一部または全部が単分子膜または単分子膜が積層した単
分子累積膜であってもよい。
【0031】請求項9に記載の発明は、請求項8に記載
の3端子有機電子デバイスに於いて、前記有機薄膜が基
板上に固定された単分子膜または単分子累積膜であるこ
とを特徴とする。
【0032】上記の構成によれば、各単分子層を構成す
る分子の集合群はある程度配向した状態にあり、各分子
の重合性基はほぼ平面内に存在するため容易に共役結合
させることができ、多数の分子が共役結合で連結された
高い導電性の導電ネットワークを形成することが可能に
なる。さらに、導電ネットワークが平面上に展開される
ため、1次元性の鎖状共役系高分子を形成する分子を単
分子膜または単分子累積膜の材料物質として使用しても
2次元的な電気伝導が可能と考えられる。したがって有
機薄膜の導電性は膜厚が薄くても良好である。
【0033】また、膜厚が極めて薄くできるため応答速
度を向上することができる。また、基板に結合固定され
ているため耐剥離性等の耐久性に優れ、長期間の使用に
対して安定な動作が可能である。したがって、膜厚が薄
くとも良好且つ均質な導電性を有し、且つ高速で安定な
応答性を有する3端子有機電子デバイスの製造が可能と
なる。
【0034】また、ドーピングを行う際には、ドーパン
ト物質を効果的に導電ネットワークに組み込むことが可
能となる。任意の膜厚の有機薄膜を形成する、またはド
ーピングを行う等により有機薄膜の導電性を容易に調整
することができる。
【0035】請求項10に記載の発明は、請求項8また
は9に記載の3端子有機電子デバイスに於いて、前記導
電ネットワークの導電性は前記有機薄膜に印加される電
界により変化することを特徴とする
【0036】上記の構成によれば、有機薄膜に印加され
る電界は前記第3の電極に印加した電圧で制御できる
為、印加する電圧により前記導電ネットワークの導電率
の制御が可能となる。
【0037】請求項11に記載の発明は、請求項8及至
10のいずれかに記載の3端子有機電子デバイスに於い
て、前記有極性の官能基が電界印加により分極する分極
性の官能基であることを特徴とする。
【0038】上記の構成によれば、有極性の官能基が電
界印加により分極が大きくなる官能基(以下、分極性の
官能基)であると、印加電界に対する感度が極めて高く
なる為、応答速度も極めて高速になる。
【0039】請求項12に記載の発明は、請求項11に
記載の3端子有機電子デバイスに於いて、前記分極性の
官能基がカルボニル基、オキシカルボニル基であること
を特徴とする。
【0040】応答速度を向上する官能基としてカルボニ
ル基またはオキシカルボニル基が適している。
【0041】請求項13に記載の発明は、請求項9及至
12のいずれかに記載の3端子有機電子デバイスに於い
て、前記導電ネットワークがポリアセチレン型、ポリジ
アセチレン型、ポリチェニレン型、ポリピロール型、ポ
リアセン型の共役系よりなる群から選択される1つ以上
の共役系を含むことを特徴とする。
【0042】上記の構成によれば、高い導電率の導電ネ
ットワークを有する有機薄膜を備えた3端子有機電子デ
バイスを提供できる。
【0043】請求項14に記載の発明は、絶縁性の基板
上、または任意の基板表面に絶縁膜が形成された絶縁膜
付き基板上に、光応答性の官能基及び共役結合で結合す
る重合性基を有する有機分子群から成る有機薄膜を形成
する成膜工程と、前記有機薄膜を構成する分子相互を共
役結合させ導電ネットワークを形成する導電ネットワー
ク形成工程と、前記導電ネットワークに接触するよう
に、互いに離隔する第1の電極と第2の電極とを形成す
る対電極形成工程と、を含むことを特徴とする。
【0044】上記の構成によれば、前記第1と第2の電
極を繋ぐチャネル部が導電性の有機材料で形成され、光
照射により第1と第2の電極間の導電性を変化する2端
子有機電子デバイスを製造できる。ガラス基板やプラス
チック基板等の絶縁性の基板を用いる場合、第1の絶縁
膜はなくてもよく、基板上に直接に有機薄膜を形成する
ことができる。
【0045】請求項15に記載の発明は、請求項14に
記載の2端子有機電子デバイスの製造方法に於いて、前
記光応答性の官能基が光異性化する官能基であることを
特徴とする。
【0046】上記の構成によれば、導電ネットワークの
導電率が、波長の異なる第1または第2の光の照射によ
りそれぞれ第1または第2の導電率に移行し、且つ遮光
後もそれぞれ第1または第2の導電率を維持する2端子
有機電子デバイスを製造できる。この有機電子デバイス
は可変抵抗、スイッチ素子、光センサー素子、またはメ
モリー素子等として利用できる。
【0047】請求項16に記載の発明は、絶縁性の基板
上、または任意の基板表面に第1の絶縁膜が形成された
絶縁膜付き基板上に、第3の電極を形成する工程と、直
接または第2の絶縁膜を介して前記第3の電極を覆うよ
うに、有極性の官能基及び共役結合で結合する重合性基
を有する有機分子から成る有機薄膜を形成する成膜工程
と、前記有機薄膜を構成する分子相互を共役結合させ導
電ネットワークを形成する導電ネットワーク形成工程
と、前記導電ネットワークに接触するように、互いに離
隔し且つ第3の電極とも離隔した第1の電極と第2の電
極とを形成する対電極形成工程とを含むことを特徴とす
る。
【0048】上記の構成によれば、第1と第2の電極を
電気的に接続するチャネル部が導電性の有機材料で形成
され、第1または第2の電極と第3の電極との電極間の
印加電圧により第1と第2の電極間の導電性を変化する
3端子有機電子デバイスを製造できる。また、有極性の
官能基を含むことにより、電界に対する応答が高速にな
る。
【0049】ガラス基板やプラスチック基板等の絶縁性
の基板を用いる場合、第1の絶縁膜はなくてもよく、基
板上に直接第3の電極を形成することができる。また第
3の電極がシリコン電極等の絶縁性の電極である場合、
第2の絶縁膜はなくてもよく、第3の電極を被うように
直接有機薄膜を形成することができる。
【0050】請求項17に記載の発明は、請求項16に
記載の3端子有機電子デバイスの製造方法に於いて、前
記有極性の官能基が電界印加により分極する分極性の官
能基であることを特徴とする。
【0051】上記の構成によれば、分極性の官能基は有
極性の官能基よりも電界に対する感度が高い為、応答速
度が極めて高速な3端子有機電子デバイスを製造でき
る。
【0052】請求項18に記載の発明は、請求項14及
至17のいずれかに記載の有機電子デバイスの製造方法
に於いて、前記有機薄膜は有機分子が単分子層状に配列
した単分子膜または単分子膜が複数積層した単分子累積
膜であることを特徴とする。
【0053】上記の構成によれば、各単分子層を構成す
る分子の集合群はある程度配向した状態にあり、各分子
の重合性基は平面内に存在するため容易に共役結合させ
ることができ、多数の分子が共役結合で連結された導電
性の高い導電ネットワークを形成することが可能にな
る。さらに、導電ネットワークが平面上に展開されてい
る為、1次元性の鎖状共役系高分子を形成する分子を膜
材料物質として使用しても2次元的な電気伝導が可能と
考えられる。したがって膜厚が薄くても良好な導電性を
有する3端子有機電子デバイスの製造が可能となる。
【0054】また、膜厚が極めて薄くできるため応答速
度を向上することができる。また、基板に結合固定され
ているため耐剥離性等の耐久性に優れ、長期間の使用に
対して安定な動作が可能である。したがって、膜厚が薄
くとも良好且つ均質な導電性を有し、且つ高速で安定な
応答性を有する有機電子デバイスの製造が可能となる。
【0055】また、ドーピングを行う際には、ドーパン
ト物質を効率よく導電ネットワークに組み込むことが可
能となる。任意の膜厚の有機薄膜を形成する、またはド
ーピングを行う等により導電性を簡便に調整することが
できる。
【0056】請求項19に記載の発明は、請求項18に
記載の有機電子デバイスの製造方法に於いて、前記成膜
工程で化学吸着法またはラングミュア−ブロジェット法
を適用することを特徴とする。
【0057】上記の構成によれば、基板上に結合固定し
た単分子膜または単分子累積膜を作製できる。また、任
意の膜厚の単分子累積膜を簡便に作製できる。
【0058】請求項20に記載の発明は、請求項19に
記載の有機電子デバイス製造方法に於いて、前記化学吸
着法を適用した成膜工程でシラン系界面活性剤を用いる
ことを特徴とする。
【0059】上記の構成の如く、シラン系界面活性剤を
用いると効率良く成膜できる。
【0060】請求項21に記載の発明は、請求項14及
至18のいずれかに記載の有機電子デバイスの製造方法
に於いて、前記導電ネットワーク形成工程で、前記有機
薄膜を構成する分子相互を重合により、または重合及び
該重合後の架橋により共役結合させ導電ネットワークを
形成することを特徴とする。
【0061】上記の構成によれば、分子の前記重合性基
を共役結合で連結させ電気伝導を可能にする導電ネット
ワークを形成できる。重合の種類としては電解重合、触
媒重合、エネルギービームの照射による重合等が利用で
きる。
【0062】また、前記有機薄膜を形成する分子が共役
結合で結合する重合性基を複数有する場合、一方の重合
性基の重合で形成された高分子に対して、さらに架橋反
応を行い他方の重合性基を共役結合させることにより、
重合後の構造と異なる構造を有する導電ネットワークを
形成できる。この際、重合により形成された高分子の側
鎖にある前記他方の重合性基が架橋される結合基であ
る。
【0063】例えば、ジアセチレン基を有する分子の集
合群からなる単分子膜を形成し、触媒重合を行いさらに
エネルギービーム照射により架橋を行うと、極めて高い
導電率ポリアセン型の共役系を含む導電ネットワークを
形成することができる。
【0064】請求項22に記載の発明は、請求項21に
記載の有機電子デバイスの製造方法に於いて、前記架橋
を行う工程が触媒作用による架橋工程、電解作用による
架橋工程、エネルギービーム照射作用による架橋工程よ
りなる群から選択される1つ以上の架橋工程であること
を特徴とする。
【0065】上記の構成によれば、重合後の高分子が異
なる架橋性の結合基を複数有する場合であっても複数回
の架橋工程を行い導電ネットワークを形成することがで
きる。また、架橋に触媒作用、電解作用、エネルギービ
ーム作用による架橋反応が利用できる。
【0066】複数回の架橋工程とは、異なる作用による
架橋工程の組合せのみではなく、同じ作用であるが反応
条件が異なる工程の組合せをも含む。例えば、触媒作用
による架橋工程後に第1の種類のエネルギービーム照射
による架橋工程を行い、さらに第2の種類のエネルギー
ビーム照射による架橋工程を行う等により導電ネットワ
ークを形成する。
【0067】請求項23に記載の発明は、請求項21に
記載の有機電子デバイスの製造方法に於いて、前記対電
極形成工程を前記導電ネットワーク形成工程前に行うこ
とを特徴とする。
【0068】上記の構成によれば、対電極形成工程で形
成された前記第1と第2の電極を利用して、電解重合を
行うことが可能となる。
【0069】請求項24に記載の発明は、請求項23に
記載の有機電子デバイスの製造方法に於いて、前記有機
薄膜を構成する分子の前記重合性基が電解重合性を有す
る電解重合性基である場合に、前記第1と第2の電極間
に電圧を印加し電解重合を行うことを特徴とする。
【0070】上記の構成によれば、電解重合性の重合性
基(以下、電界重合性基)を有する有機薄膜を構成する
分子相互を電解重合して導電ネットワークを形成するこ
とが可能である。
【0071】また、第1と第2の電極を導電ネットワー
ク形成工程で使用でき、第1と第2の電極間に電圧を印
加して重合を行うことで、導電ネットワークが自己成長
的に第1と第2の電極間に形成される。したがって、電
極間の導電性が簡便に確保でき、且つ均質な導電率を有
する導電ネットワークを形成できる。
【0072】請求項25に記載の発明は、請求項24に
記載の有機電子デバイスの製造方法に於いて、前記電解
重合性基がピロール基またはチェニレン基であることを
特徴とする。
【0073】上記の構成の如く、電解重合性基としてピ
ロール基やチェニレン基が使用できる。電界重合性基と
してピロール基またはチェニレン基を有する有機薄膜の
分子相互を電解重合して、高い導電性の導電ネットワー
クを有する有機電子デバイスを製造できる。
【0074】請求項26に記載の発明は、請求項24に
記載の有機電子デバイスの製造方法に於いて、前記電解
重合性基がピロール基またはチェニレン基であり、前記
有機薄膜が単分子膜である場合、前記対電極形成工程後
にピロール基又はチェニレン基を含む物質を溶かした有
機溶媒中に浸漬し、且つ前記第1と第2の電極間、及び
前記第1または第2の電極と前記有機溶媒に接触し前記
有機薄膜の上方に配置された外部電極との電極間にそれ
ぞれ電圧を印加して、前記単分子膜の表面に更にピロー
ル基またはチェニレン基を有する分子から成る被膜を形
成し且つ前記単分子膜と前記被膜にそれぞれ導電ネット
ワークを形成することを特徴とする。
【0075】上記の構成によれば、被膜を形成し且つ単
分子膜と被膜にそれぞれ導電ネットワークを形成でき
る。この場合、有機電子デバイスの構成要素である有機
薄膜は、それぞれ導電ネットワークを有する単分子膜と
ポリマー状の被膜からなる。被膜の厚さは電圧を印加し
ている時間に依存するため、時間を調整すれば所定の厚
さの被膜を形成できる。また、有機薄膜全体としての前
記導電ネットワークの導電率は形成される前記被膜の厚
さに依存する。したがって、電圧印加時間を調整するこ
とにより所定の導電特性を有する有機電子デバイスを簡
便に製造できる。
【0076】また、単分子膜と同種の有機分子からなる
被膜を形成する場合、単分子膜中にさらに分子が入り込
める隙間があればこの隙間へ分子が充填され稠密度が上
がる。したがって、より確実且つ良好な導電性を確保で
きる。
【0077】請求項27に記載の発明は、請求項21に
記載の有機電子デバイスの製造方法に於いて、導電ネッ
トワーク形成工程で、前記重合性基として触媒重合性の
触媒重合性基を有する前記有機薄膜を構成する分子相互
を触媒重合することを特徴とする。
【0078】上記の構成によれば、触媒重合性の重合性
基(以下、触媒重合性基)を有する分子群を重合して導
電ネットワークを形成することが可能となる。
【0079】請求項28に記載の発明は、請求項27に
記載の有機電子デバイス製造方法に於いて、前記触媒重
合性基がピロール基、チェニレン基、アセチレン基、ま
たはジアセチレン基であることを特徴とする。
【0080】上記の構成によれば、触媒重合性基として
ピロール基、チェニレン基、アセチレン基、またはジア
セチレン基を有する有機分子群を触媒重合して、高い導
電率の導電ネットワークを有する有機電子デバイスを製
造できる。
【0081】請求項29に記載の発明は、請求項21に
記載の有機電子デバイスの製造方法に於いて、前記導電
ネットワーク形成工程で、前記重合性基としてエネルギ
ービーム照射により重合するビーム照射重合性基を有す
る前記有機薄膜を構成する分子相互をエネルギービーム
照射により重合することを特徴とする。
【0082】上記の構成によれば、エネルギービーム照
射により重合が進行する特性(以下、ビーム照射重合
性)を有する重合性基(以下、ビーム照射重合性基)を
有する分子群を重合し導電ネットワークを形成すること
が可能である。エネルギービームには、赤外線、可視光
線、紫外線等の光線、X線等の放射線、または電子線等
の粒子線をも含む。
【0083】請求項30に記載の発明は、請求項29記
載の有機電子デバイスの製造方法に於いて、前記エネル
ギービーム重合性基がアセチレン基またはジアセチレン
基であることを特徴とする。
【0084】上記の構成によれば、ビーム照射重合性基
としてアセチレン基、またはジアセチレン基を有する有
機薄膜の分子相互を重合して、高い導電性の導電ネット
ワークを有する有機電子デバイスを製造できる。
【0085】請求項31に記載の発明は、請求項29ま
たは30に記載の有機電子デバイスの製造方法に於い
て、前記導電ネットワーク形成工程で前記エネルギービ
ームとして紫外線、遠紫外線、X線、または電子線を用
いることを特徴とする
【0086】上記の構成によれば、多くのビーム照射重
合性基がこれらのビームの少なくとも1つに対し吸収特
性を有する為、様々な種類のビーム照射重合性基を有す
る分子群に適用できる。ビーム照射重合性基によりそれ
ぞれ吸収特性は異なるので、吸収効率の良いエネルギー
ビームの種類及びエネルギーを選択すれば反応効率を向
上できる。
【0087】請求項32に記載の発明は、基板上に形成
された、第1の電極と、前記第1の電極と離隔した第2
の電極と、前記第1と第2の電極を電気的に接続する有
機薄膜とを備え、前記有機薄膜は光応答性の官能基を有
する有機分子群から成り、前記有機薄膜を構成する分子
相互が共役結合した導電ネットワークを有する2端子有
機電子デバイスの動作方法であって、前記第1と第2の
電極間に電圧を印加した状態で前記有機薄膜に光を照射
することにより、前記導電ネットワークの導電率を変化
させ前記第1と第2の電極間に流れる電流をスイッチン
グすることを特徴とする。
【0088】上記の構成によれば、照射された光は光応
答性の官能基に吸収され、その応答による影響で導電ネ
ットワークの導電率が変化する。したがって、前記第1
と第2の電極間に電圧を印加した状態で、前記有機薄膜
に光を照射することにより前記第1と第2の電極間に流
れる電流をスイッチングすることができる。
【0089】一般的に吸収スペクトルにおいて、光応答
性の官能基はそれぞれ固有の吸収特性を有しているの
で、吸収率の優れた波長の光を用いると効率よくまた高
速に導電率を変化させることが可能となる。
【0090】請求項33に記載の発明は、前記光応答性
の官能基が光異性化する官能基であり、前記有機薄膜に
照射される波長の異なる第1の光または第2の光の照射
により前記導電ネットワークの導電率を変化させること
を特徴とする2端子有機電子デバイスの動作方法。
【0091】上記の構成によれば、有機薄膜に照射され
る波長の異なる第1の光または第2の光による有機薄膜
を構成する分子の異性化により、導電ネットワークの導
電率はそれぞれ第1の導電率または第2の導電率に移行
し且つ遮光後もそれぞれ第1または第2の導電率が維持
される為、前記第1と第2の電極間に電圧を印加した状
態で、前記有機薄膜に第1または第2の光を照射するこ
とにより前記第1と第2の電極間に流れる電流をスイッ
チングすることが可能となる。
【0092】また、光応答性の官能基が光異性化する官
能基であるので、導電ネットワークの導電率を極めて高
速に変化できる。また、異性化の進行は照射された光の
光量に依存するため、照射する光の強度または照射時間
等を調整することで第1または第2の導電率を可変制御
できる。したがって、スイッチング動作する導電率の変
化範囲を照射する光の強度または照射時間等で調整でき
る。
【0093】ただし、第1または第2の光の一方が照射
されると遮光後も安定状態が維持されるメモリ機能を有
する為、スイッチング動作をさせるためには続いて第1
または第2の光の他方を照射しなくてはならない。
【0094】請求項34に記載の発明は、請求項33に
記載の2端子有機電子デバイスの動作方法に於いて、前
記光異性化する官能基がアゾ基であることを特徴とす
る。
【0095】上記の構成によれば、可視光の照射でトラ
ンス型の第1の異性体に、また紫外線の照射でシス型の
第2の異性体に異性化され、導電ネットワークの導電率
はそれぞれ第1の導電率または第2の導電率に移行し且
つ遮光後もそれぞれ第1または第2の導電率が維持され
る為、前記第1と第2の電極間に電圧を印加した状態
で、前記有機薄膜に可視光線の照射後に紫外線を照射す
る、または紫外線を照射後に可視光線を照射することに
より前記第1と第2の電極間に流れる電流をスイッチン
グすることが可能となる。
【0096】請求項35に記載の発明は、請求項33ま
たは34に記載の2端子有機電子デバイスの動作方法に
於いて、前記有機薄膜に照射される前記第1または第2
の光としてそれぞれ紫外線または可視光線を用いること
を特徴とする。
【0097】上記の構成によれば、光異性化する官能基
の多くは、紫外線または可視光線の照射により、それぞ
れ第1の異性体または第2の異性体へ異性化する為、様
々な光異性化する官能基に対して適している。
【0098】さらに、一般的に吸収スペクトルにおい
て、光異性化の官能基はそれぞれ固有の吸収特性を有し
ているので、吸収効率の優れた波長の光を用いると効率
が良く、これにより高速に導電率を変化させることが可
能となる。
【0099】請求項36に記載の発明は、基板上に形成
された、第1の電極と、前記第1の電極と離隔した第2
の電極と、前記第1と第2の電極を電気的に接続する有
機薄膜と、前記基板と前記有機薄膜の間に挟まれ、それ
ぞれと絶縁された第3の電極とを備え、前記第3の電極
は前記第1または第2の電極との間に印加された電圧に
より前記有機薄膜に作用させる電界を制御する電極であ
り、前記有機薄膜は有極性の官能基を有する有機分子群
からなり、且つ前記有機分子群を構成する分子相互が共
役結合した導電ネットワークを有する3端子有機電子デ
バイスであって、前記第1と第2の電極の電極間に電圧
を印加した状態で、前記第1の電極と前記第3の電極間
の印加電圧で前記導電ネットワークの導電率を変化させ
前記第1と第2の電極間に流れる電流をスイッチングす
ることを特徴とする。
【0100】上記の構成によれば、印加された電界に感
度良く応答する有極性の官能基を有する為、高速な電流
のスイッチング動作が可能になる。
【0101】請求項37に記載の発明は、請求項36に
記載の3端子有機電子デバイスの動作方法に於いて、前
記有極性の官能基が分極性の官能基であることを特徴と
する。
【0102】上記の構成によれば、分極性の官能基は印
加電界に対する感度が極めて高く、したがって極めて高
速なスイッチング動作が可能になる。
【0103】請求項38に記載の発明は、請求項32及
至37のいずれかに記載の有機電子デバイスの動作方法
に於いて、前記有機薄膜が基板上で結合固定された単分
子膜または単分子累積膜であることを特徴とする。
【0104】上記の構成によれば、各層を構成する分子
群は全体として配向している為、重合により形成される
導電ネットワークが平面上に形成することが可能にな
り、膜厚が薄くとも、良好且つ均質な導電性を有する。
さらに、膜厚が非常に薄いため、非常に高速なスイッチ
ング動作が可能である。また、最下層は基板に結合固定
され、耐剥離性等の耐久性に優れている。したがって、
安定性、高速性、且つ耐久性に優れたスイッチング動作
が可能になる。
【0105】請求項39に記載の発明は、第1の電極
と、前記第1の電極と離隔した第2の電極と、前記第1
と第2の電極を電気的に接続する有機薄膜と、前記基板
と前記有機薄膜の間に挟まれ且つそれぞれと絶縁された
第3の電極とを備え、前記第1または第2の電極と前記
第3の電極間の印加電圧により前記有機薄膜に作用され
る電界を制御できる電極であり、前記有機薄膜は有極性
の官能基を有する有機分子群からなり、前記有機分子群
を構成する分子相互が共役結合した導電ネットワークを
有することを特徴とする3端子有機電子デバイスをスイ
ッチ素子として用いた液晶表示装置であって、複数の前
記スイッチ素子が第1の基板上にマトリックス状に配列
配置され且つその表面に第1の配向膜が形成されたアレ
イ基板と、第2の基板上にマトリックス状に色要素が配
列配置され且つその表面に第2の配向膜が形成されたカ
ラーフィルター基板と、前記第1の配向膜と前記第2の
配向膜を内側にし対向された前記アレイ基板と前記カラ
ーフィルター基板との間に封止された液晶と、を有する
ことを特徴とする。
【0106】上記の構成によれば、既存の無機系の薄膜
トランジスター(以下、TFT)に代わり、有機系のT
FTを用いた液晶表示装置を提供できる。また、有機系
のTFTを用いるため高温で処理する工程がなく、プラ
スチィク基板等の従来使用できなかった基板も使用でき
ることになる。これにより基板選択の幅が広がり、適切
な基板の選択で小型化や軽量化等が可能となる。
【0107】請求項40に記載の発明は、第1の電極
と、前記第1の電極と離隔した第2の電極と、前記第1
と第2の電極を電気的に接続する有機薄膜と、前記基板
と前記有機薄膜の間に挟まれ且つそれぞれと絶縁された
第3の電極とを備え、前記第3の電極が前記第1または
第2の電極との間に印加する電圧により前記有機薄膜に
作用させる電界を制御する電極であり、前記有機薄膜は
有極性の官能基を有する有機分子群からなり、且つ前記
有機分子群の分子相互が共役結合して導電ネットワーク
を形成していることを特徴とする3端子有機電子デバイ
スをスイッチ素子として用いたエレクトロルミネッセン
ス型表示装置であって、複数の前記スイッチ素子が基板
上にマトリックス状に配列配置されたアレイ基板と、前
記アレイ基板と対向する共通電極と、前記アレイ基板と
前記共通電極との間に形成された、電界の印加により発
光する蛍光物質から成る発光層と、を有することを特徴
とする
【0108】上記の構成によれば、既存の無機系の薄膜
トランジスター(以下、TFT)に代わり、有機系のT
FTを用いたエレクトロクミネッセンス型表示装置を提
供できる。また、有機系のTFTを用いるため高温で処
理する工程がなく、プラスチィク基板等の従来使用でき
なかった基板も使用できることになる。これにより基板
選択の幅が広がり、適切な基板の選択で小型化や軽量化
等が可能となる。
【0109】請求項41に記載の発明は、請求項40に
記載のエレクトロルミネッセンス型表示装置に於いて、
赤色、青色、または緑色の光を発光する3種類の前記蛍
光物質が配列配置されカラー表示することを特徴とす
る。
【0110】上記の構成によれば、有機系のTFTを用
いたエレクトロクミネッセンス型カラー表示装置を提供
できる。
【0111】請求項42に記載の発明は、請求項39及
至41のいずれかに記載の表示装置に於いて、前記有機
薄膜が基板上に固定された単分子膜または単分子累積膜
であることを特徴とする。
【0112】上記の構成によれば、表示速度が極めて高
速で且つ動作安定性の高いエレクトロクミネッセンス型
表示装置、エレクトロクミネッセンス型カラー表示装
置、または液晶表示装置を提供できる。
【0113】請求項43に記載の発明は、第1の電極
と、前記第1の電極と離隔した第2の電極と、前記第1
と第2の電極を電気的に接続する有機薄膜と、前記基板
と前記有機薄膜の間に挟まれ且つそれぞれと絶縁された
第3の電極とを備え、前記第1または第2の電極と前記
第3の電極間の印加電圧により前記有機薄膜に作用され
る電界を制御できる電極であり、前記有機薄膜は有極性
の官能基を有する有機分子群からなり、前記有機分子群
を構成する分子相互が共役結合した導電ネットワークを
有することを特徴とする3端子有機電子デバイスをスイ
ッチ素子として用いた液晶表示装置の製造方法であっ
て、第1の基板上にマトリックス状に配列するように複
数個の前記スイッチ素子を形成して、その表面に配向膜
を形成するアレイ基板形成工程と、第2の基板表面にマ
トリックス状に色要素を配列配置しカラーフィルターを
作製して、その表面に配向膜を形成するカラーフィルタ
ー基板形成工程と、前記アレイ基板と前記カラーフィル
ター基板のそれぞれの配向膜を内側にしてそれぞれの基
板を所定の間隔で向かい合わせ、前記アレイ基板と前記
カラーフィルター基板との間に液晶を充填し前記液晶を
封止する工程と、を含むことを特徴とする。
【0114】上記の構成によれば、既存の無機系の薄膜
トランジスター(以下、TFT)に代わり、有機系のT
FTを用いた液晶表示装置を製造できる。また、有機系
のTFTを用いるため高温で処理する工程が必要でなく
なる。従来使用できなかったプラスチィク基板等も使用
することが可能になる。
【0115】請求項44に記載の発明は、第1の電極
と、前記第1の電極と離隔した第2の電極と、前記第1
と第2の電極を電気的に接続する有機薄膜と、前記基板
と前記有機薄膜の間に挟まれ且つそれぞれと絶縁された
第3の電極とを備え、前記第3の電極が前記第1または
第2の電極との間に印加する電圧により前記有機薄膜に
作用させる電界を制御する電極であり、前記有機薄膜は
有極性の官能基を有する有機分子群からなり、且つ前記
有機分子群の分子相互が共役結合して導電ネットワーク
を形成していることを特徴とする3端子有機電子デバイ
スをスイッチ素子として用い、電界を印加された蛍光体
が発光する現象を利用したエレクトロルミネッセンス型
表示装置であって、基板上にマトリックス状に配列する
ように複数個の前記スイッチ素子を形成するアレイ基板
形成工程と、前記アレイ基板上に、個々の前記スイッチ
素子の第1または第2の電極のいずれか一方に接続する
第4の電極を形成し、電圧の印加で発光する発光物質か
ら成る発光層を前記第4の電極上に形成し、前記発光層
を前記第4の電極とでは挟むように透明電極を形成する
エレクトロルミネッセンス素子形成工程と、を含むこと
を特徴とする。
【0116】上記の構成によれば、既存の無機系の薄膜
トランジスター(以下、TFT)に代わり、有機系のT
FTを用いたエレクトロルミネッセンス型表示装置を製
造できる。また、有機系のTFTを用いるため高温で処
理する工程がなく、プラスチィク基板等の従来使用でき
なかった基板も使用することが可能となる。
【0117】請求項45に記載の発明は、請求項44に
記載のエレクトロルミネッセンス型表示装置の製造方法
に於いて、前記発光層形成工程で赤、青、または緑色の
光を発光する3種類の前記発光物質を所定の位置に形成
し、カラー表示させることを特徴とする。
【0118】上記の構成によれば、有機系のTFTを用
いたエレクトロルミネッセンス型カラー表示装置を製造
できる。
【0119】請求項46に記載の発明は、請求項43及
至45のいずれかに記載の表示装置の製造方法に於い
て、前記有機薄膜は、有機分子が単分子層状に配列した
単分子膜または単分子膜が積層して成る単分子累積膜で
ある。
【0120】上記の構成によれば、表示速度が極めて高
速で且つ動作安定性の高いエレクトロクミネッセンス型
表示装置とエレクトロクミネッセンス型カラー表示装置
及び液晶表示装置を製造できる。
【0121】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態に於いては、
有機薄膜が単分子膜である例をもとにして図面を参照し
ながら詳述する。
【0122】(実施の形態1)図1(a)(b)は、2
端子有機電子デバイスの構造の例を模式的に説明した説
明図である。図1に基づいて2端子有機電子デバイスの
製造方法及び構造を説明する。
【0123】まず、絶縁性の基板上または任意の基板表
面に絶縁膜が形成された絶縁膜付き基板上に、光応答性
の官能基及び共役結合で結合する重合性基を有する有機
分子群から成る単分子膜4を形成し、単分子膜4を構成
する分子相互を共役結合させ導電ネットワーク5を形成
し、導電ネットワーク5に接触するように、互いに離隔
する第1の電極2と第2の電極3とを形成すれば2端子
有機電子デバイスが製造できる。
【0124】これにより、基板上に形成された、第1の
電極2と、前記第1の電極2と離隔した第2の電極3
と、第1の電極2と第2の電極3を電気的に接続する有
機薄膜とを備えた2端子有機電子デバイスであって、前
記単分子膜4は光応答性の官能基を有する有機分子群か
らなり、前記有機分子群を構成する分子相互が共役結合
した導電ネットワーク5を有する2端子有機電子デバイ
スが提供できる。
【0125】図1(a)は第1の電極2と第2の電極3
が基板1の表面と単分子膜4の側面に接した構造の2端
子有機電子デバイスであり、図1(b)は第1の電極2
と第2の電極3が単分子膜表面に形成された構造の2端
子有機電子デバイスである。第1の電極2と第2の電極
3の形成に於いて、それぞれの電極を形成する物質を蒸
着した後、フォトレジストでマスクパターンを形成し、
エッチングにより所定の第1の電極2と第2の電極3を
形成する場合、異なるマスクパターンを用いることによ
り図1(a)または(b)に示された構造の2端子有機
電子デバイスを製造できる。
【0126】図1(a)に示された構造であれば、分子
内の任意の位置に重合性基を含む有機分子が利用でき、
また分子に重合性基が複数存在する場合も第1の電極と
第2の電極との間を電気的に接続する複数の導電ネット
ワークを形成できる。また有機薄膜が単分子累積膜であ
れば各単分子層に導電ネットワークが形成できる。ま
た、この構造の2端子有機電子デバイスを製造する際、
前記成膜工程より前に前記対電極工程を行ってもよい。
【0127】図1(b)に示された構造であれば、導電
ネットワークが基板と反対側の単分子膜表面に存在して
いないと、導電ネットワークと電極との間の電気伝導が
悪くなる。したがって、材料物質としては分子の端末に
重合性基を有するものを用いた方がよい。このような分
子を用いた場合、単分子膜の導電ネットワークと電極と
の接触面積を大きくとれる為、接点抵抗を低減すること
が可能となり、単分子膜であっても良好な導電性を確保
できる利点がある。
【0128】さらに高い導電性が必要であれば、第1の
電極2と第2の電極3の電極間に導電ネットワークを有
する被膜を形成することができる。例えば、前記前記対
電極工程後に、電解重合性の官能基を含む物質を溶かし
た有機溶媒中に浸漬し、第1の電極2と第2の電極3の
電極間に第1の電圧を印加し且つ第1の電極2または第
2の電極3と前記有機溶媒に接触し前記有機薄膜の上方
に配置された外部電極との電極間に第2の電圧を印加す
れば、第1の構造の導電ネットワークを有する単分子膜
の表面にさらに被膜が形成され且つ被膜を構成する分子
相互は電解重合して第2の構造の導電ネットワークが形
成される。
【0129】また被膜を形成する際、電解重合性の官能
基を含む物質を塗布し、第1の電極12と第2の電極1
3との間に電圧を印加すれば、同様に導電ネットワーク
を有するポリマー膜状の被膜を形成できる。
【0130】有機薄膜を構成する有機分子が単分子層状
に配列した単分子膜を含まない有機薄膜であれば、図1
(a)、(b)のどちらの構造であっても上記のような
差はない。
【0131】2端子有機電子デバイスの光照射による導
電率の時間変化及びスイッチング動作を図2に基づいて
説明する。
【0132】図2(a)は、有機薄膜に一定強度の光を
照射した場合の照射時間による導電率の変化を定性的に
示した模式図である。照射された光の光量が照射光強度
と照射時間の積に比例すると考えると、横軸として有機
薄膜に照射された光量をとる、光の強度が一定の条件下
での時間をとる、または照射時間が一定の条件下での光
強度をとることは等価である。以下、光の強度が一定の
場合について記述する。また、導電性の変化は、第1と
第2の電極間に一定電圧を印加した状態での電流の変化
で記述する。
【0133】導電ネットワークの導電性は照射とともに
変化しある一定の値となる。図2(a)の場合とは異な
り、変化するために十分な時間、光が照射されたとき、
電流値が0Aに至るものであってもよい。さらに、図2
(a)は光照射により電流値が減少する場合を示してい
るが、増加するものであってもよい。これらは有機薄膜
の構成物質や構造または導電ネットワークの構造等に依
存する。
【0134】次に、図2(b)は、光官能性の官能基が
光異性化する官能基であり、第1または第2の光照射に
よる異性化に伴うそれぞれ第1と第2の導電率を有する
安定状態間の移行によるスイッチング動作の概念図であ
る。図2(b)のラインL1とラインL2はそれぞれ第
1と第2の光が照射中(P1ON、P2ON)または遮光中
(P1OFF、P2OFF)の照射状態を表す。図2(b)のラ
インL3はその応答を表し、第1の光が照射された際の
電流値がI1、第2の光が照射された際の電流値がI2
ある。
【0135】第1と第2の電極間に電圧を印加した状態
で、第1と第2の電極間に流れる電流のスイッチングを
表している。図2(b)のラインL3にから、第1の光
及び第2の光をトリガとした電流のスイッチングであ
り、リセット−セット型(R−S型)フリップフロップ
と同様の動作であることがわかる。
【0136】ただし、図2(b)では、異なる異性体の
一方のみを含む場合を第1の導電率を有する安定状態と
し、また他方のみを含む場合を第2の導電率を有する安
定状態とした。つまり、完全に異性化した2つの状態が
第1または第2の導電率を有する安定状態である。この
場合、第1の安定状態に第1の光をさらに照射しても導
電率を変化することはない。第2の安定状態についても
同様である。
【0137】(実施の形態2)上記実施の形態1におい
て、第1と第2の電極間の電流のスイッチ素子としての
動作を例示したが、光照射により有機薄膜の導電性が変
化するので、光制御の可変抵抗として利用できる。
【0138】光応答性の官能基として光異性化する官能
基を有する分子群から成る有機薄膜の場合、第1と第2
の電極間に一定電流を流した状態または一定電圧を印加
した状態で、第1または第2の光を照射し、第1と第2
の電極間の電圧変化または電流変化を読み出すことによ
り光センサーとして、あるいは照射時間と共にそれぞれ
電圧変化または電流変化を読み出せば照度計の受光素子
としての利用も可能である。ただしこの際、第1または
第2の光の一方を状態を初期化する光として用い、他方
の光の照射後に有機薄膜の導電性を初期化する必要があ
る。
【0139】また、異性化に伴う2つの異性体の状態間
を移行し、その異性体の状態が遮光後も維持されるので
メモリー素子としての利用も可能である。
【0140】(実施の形態3)図3(a)(b)は、3
端子有機電子デバイスの構造の例を模式的に説明した説
明図である。図3に基づいて3端子有機電子デバイスの
製造方法及び構造を説明する。
【0141】まず、絶縁性の基板上、または任意の基板
11表面に絶縁膜18が形成された絶縁膜付き基板上に
第3の電極17を形成する。次に、直接または絶縁膜1
9を介して前記第3の電極13を覆うように、有極性の
官能基及び共役結合で結合する重合性基を有する有機分
子群から成る有機薄膜14を形成する。次に、前記有機
薄膜14を構成する分子相互を共役結合させ導電ネット
ワーク15を形成する。次に、前記導電ネットワーク1
5に接触するように、互いに離隔し且つ第3の電極17
とも離隔した第1の電極12と第2の電極13とを形成
すれば3端子有機電子デバイスが製造できる。
【0142】これにより、基板上に形成された、第1の
電極12と、前記第1の電極12と離隔した第2の電極
13と、前記第1の電極12と第2の電極13を電気的
に接続する有機薄膜14と、前記基板11と前記有機薄
膜14の間に挟まれ、それぞれと絶縁された第3の電極
17と、を備えた3端子有機電子デバイスであって、前
記第3の電極17は、前記第1の電極または前記第2の
電極と前記第3の電極間の電圧印加により前記有機薄膜
に作用させる電界を制御できる電極であり、前記有機薄
膜14は、有極性の官能基を有する有機分子群からな
り、前記有機分子群を構成する分子相互が共役結合した
導電ネットワークを有する3端子有機電子デバイスが提
供できる。
【0143】図3(a)は第1の電極12と第2の電極
13が、基板11上の絶縁膜18の表面と単分子膜14
の側面に接した構造の3端子有機電子デバイスであり、
図3(b)は第1の電極12と第2の電極13が単分子
膜表面に形成された構造の3端子有機電子デバイスであ
る。第1の電極12と第2の電極13の形成に於いて、
電極を形成する物質を蒸着した後、フォトレジストでマ
スクパターンを形成し、エッチングにより所定の第1の
電極2と第2の電極3を形成する場合、異なるマスクパ
ターンを用いることにより図3(a)または(b)の構
造の3端子有機電子デバイスを製造できる。
【0144】図3(a)に示された構造であれば、任意
の位置に重合性基を含む有機分子が利用でき、また分子
に重合性基が複数存在する場合も第1と第2の電極間を
電気的に接続する複数層の導電ネットワークを形成でき
る。さらに単分子累積膜であれば、各単分子層に導電ネ
ットワークを形成できる。
【0145】図3(b)に示された構造であれば、導電
ネットワークが基板と反対側の単分子膜表面に存在して
いないと、導電ネットワークと電極との間の電気伝導が
悪くなる。したがって、材料物質としては分子の端末に
重合性基を有するものを用いた方がよい。
【0146】このような分子を用いた場合、単分子膜の
導電ネットワークと電極との接触面積を大きくとれる
為、接点抵抗を低減することが可能となり、単分子膜で
あっても良好な導電性を確保できる利点がある。
【0147】さらに高い導電性が必要であれば、第1の
電極12と第2の電極13の電極間に導電ネットワーク
を有する被膜を形成することができる。例えば、前記前
記対電極工程後に、電解重合性の官能基を含む物質を溶
かした有機溶媒中に浸漬し、前記第1の電極12と第2
の電極13の電極間に第1の電圧を印加し且つ前記第1
の電極12または第2の電極13と前記有機溶媒に接触
し前記有機薄膜の上方に配置された外部電極との電極間
に第2の電圧を印加すれば、第1の構造の導電ネットワ
ークを有する単分子膜または単分子累積膜の表面にさら
に被膜が形成され且つ前記被膜を構成する分子相互は電
解重合して第2の構造の導電ネットワークが形成され
る。
【0148】また、被膜を形成する際、電解重合性の官
能基を含む物質を塗布し、第1と第2の電極間に電圧を
印加すれば、同様に導電ネットワークを有するポリマー
膜状の被膜を形成できる。
【0149】有機薄膜を構成する有機分子が単分子層状
に配列した単分子膜を含まない有機薄膜であれば、図3
(a)、(b)のどちらの構造であっても上記のような
差はない。
【0150】次に、この3端子有機電子デバイスの電界
印加による導電率の時間変化及びスイッチング動作を図
4に基づいて説明する。図4(a)は、第3の電極17
に電圧を印加した場合の導電率の変化を定性的に示した
模式図である。第3の電極13に印加した電圧は有機薄
膜に作用された電界に比例すると考えると、横軸として
印加電界または第3の電極17の印加電圧をとることは
等価であるので以下、印加電圧を用いて記述する。また
導電ネットワークの導電率の変化は、第1の電極12と
第2の電極13との間に一定電圧を印加した状態での電
流の変化で記述する。
【0151】導電ネットワークの導電率は第3の電極1
7に印加された電圧により変化し、印加電圧の増加とと
もにある一定の値に収束していくことがわかる。つまり
第3の電極に電圧が印加されていないときの導電率と収
束した導電率との範囲内で、第3の電極の印加電圧で導
電率を制御できる。
【0152】図4に於いて、電圧印加中の電流が0Aの
場合を示しているが、電圧印加中のオン電流または電圧
印加されていないオフ電流のいずれか一方が0Vの場合
に限定されるものではない。また、電圧印加により電流
値が減少する場合を例示したが、電流が増加するもので
あっても良い。これらは有機薄膜の構成や導電ネットワ
ークの構造等に依存する。
【0153】電圧を印加していない第1の導電率を有す
る安定状態と所定の電圧を印加した第2の導電率を有す
る安定状態との状態間の移行により、導電ネットワーク
の導電率のスイッチングが可能となる。
【0154】図4(b)は3端子有機電子デバイスのス
イッチング動作の概念図であり、第1の電極12と第2
の電極13との電極間に電圧を印加した状態での、所定
の電圧印加状態(VON)のオン電流(IV=ON)と電圧を
印加していない状態(VOFF)のオフ電流(IV=OFF)が
スイッチング動作することを示している。したがって、
図4(b)から、第3の電極17に印加される所定の電
圧のオン・オフで、電流をスイッチングできることがわ
かる。
【0155】電圧のオン・オフによるスイッチングの場
合を示したが、第3の電極17に第1の電圧を印加した
場合の電流値と第2の電圧を印加した場合の電流値との
間のスイッチングも可能である。
【0156】上記において、第1と第2の電極間の電流
をスイッチングするスイッチ素子を例示したが、電界制
御の可変抵抗としても利用できる。
【0157】(実施の形態4)第1の電極と、前記第1
の電極と離隔した第2の電極と、前記第1と第2の電極
を電気的に接続する有機薄膜と、前記基板と前記有機薄
膜の間に挟まれ且つそれぞれと絶縁された第3の電極と
を備え、前記第1または第2の電極と前記第3の電極間
の印加電圧により前記有機薄膜に作用される電界を制御
できる電極であり、前記有機薄膜は有極性の官能基を有
する有機分子群からなり、前記有機分子群を構成する分
子相互が共役結合した導電ネットワークを有することを
特徴とする3端子有機電子デバイスをスイッチ素子と
し、第1の基板上にマトリックス状に配列するように複
数個の前記スイッチ素子を形成して、その表面に第1の
配向膜を形成するアレイ基板形成工程と、第2の基板表
面にマトリックス状に色要素を配列配置しカラーフィル
ターを作製して、その表面に第2の配向膜を形成するカ
ラーフィルター基板形成工程と、第1の配向膜と第2の
配向膜を内側にして前記アレイ基板と前記カラーフィル
ター基板を所定の間隔で向かい合わせ、前記アレイ基板
と前記カラーフィルター基板との間に液晶を充填し、前
記液晶を封止する工程により、液晶表示装置を製造でき
る。
【0158】これにより、第1の電極と、前記第1の電
極と離隔した第2の電極と、前記第1と第2の電極を電
気的に接続する有機薄膜と、前記基板と前記有機薄膜の
間に挟まれ且つそれぞれと絶縁された第3の電極とを備
え、前記第1または第2の電極と前記第3の電極間の印
加電圧により前記有機薄膜に作用される電界を制御でき
る電極であり、前記有機薄膜は有極性の官能基を有する
有機分子群からなり、前記有機分子群を構成する分子相
互が共役結合した導電ネットワークを有することを特徴
とする3端子有機電子デバイスをスイッチ素子として用
いた液晶表示装置であって、複数の前記スイッチ素子が
第1の基板上にマトリックス状に配列配置され且つその
表面に第1の配向膜が形成されたアレイ基板と、第2の
基板上にマトリックス状に色要素が配列配置され且つそ
の表面に第2の配向膜が形成されたカラーフィルター基
板と、前記第1の配向膜と前記第2の配向膜を内側にし
対向された前記アレイ基板と前記カラーフィルター基板
との間に封止された液晶と、を有する液晶表示装置を提
供する。 (実施の形態5)第1の電極と、前記第1の電極と離隔
した第2の電極と、前記第1と第2の電極を電気的に接
続する有機薄膜と、前記基板と前記有機薄膜の間に挟ま
れ且つそれぞれと絶縁された第3の電極とを備え、前記
第3の電極が前記第1または第2の電極との間に印加す
る電圧により前記有機薄膜に作用させる電界を制御るる
電極であり、前記有機薄膜は有極性の官能基を有する有
機分子群からなり、且つ前記有機分子群の分子相互が共
役結合して導電ネットワークを形成していることを特徴
とする3端子有機電子デバイスをスイッチ素子とし、基
板上にマトリックス状に配列するように複数個の前記ス
イッチ素子を形成するアレイ基板形成工程と、前記アレ
イ基板上に、電圧の印加で発光する蛍光物質から成る発
光層を形成する発光層形成工程と、前記発光層上に共通
電極膜を形成する共通電極形成工程と、によりエレクト
ロルミネッセンス型表示装置が製造できる。
【0159】これにより、第1の電極と、前記第1の電
極と離隔した第2の電極と、前記第1と第2の電極を電
気的に接続する有機薄膜と、前記基板と前記有機薄膜の
間に挟まれ且つそれぞれと絶縁された第3の電極とを備
え、前記第3の電極が前記第1または第2の電極との間
に印加する電圧により前記有機薄膜に作用させる電界を
制御する電極であり、前記有機薄膜は有極性の官能基を
有する有機分子群からなり、且つ前記有機分子群の分子
相互が共役結合して導電ネットワークを形成しているこ
とを特徴とする3端子有機電子デバイスをスイッチ素子
として用いたエレクトロルミネッセンス型表示装置であ
って、複数の前記スイッチ素子が基板上にマトリックス
状に配列配置されたアレイ基板と、前記アレイ基板と対
向する共通電極と、前記アレイ基板と前記共通電極との
間に形成された、電界の印加により発光する蛍光物質か
ら成る発光層と、を有するエレクトロルミネッセンス型
表示装置を提供する。
【0160】
【実施例】以下、実施例に基づいて、本発明の内容を具
体的に説明する。
【0161】(実施例1)まず、重合により共役結合し
て導電ネットワークを形成するアセチレン基(−C≡C
−)と、光異性化する官能基であるアゾ基(−N=N
−)と、基板表面の活性水素(例えば水酸基(−O
H))と反応するクロロシリル基(−SiCl)とを含
む化学式(1)の物質を用い、
【化1】 脱水したジメチルシリコーン系の有機溶媒で1%に薄め
て化学吸着液を調製した。
【0162】次に、単分子膜を形成する部分を残してフ
ォトレジストでマスクパターン形成した絶縁性の基板2
1(ガラス基板)を前記化学吸着液に浸漬して化学吸着
を行い、前記マスクパターン開口部に選択的に化学吸着
を行い、さらに表面に残った未反応の前記物質をクロロ
フォルムで洗浄除去し、続いて前記フォトレジストのマ
スクパターンを除去して、前記物質よりなる単分子膜2
4を選択的に形成した。化学吸着を行う際、マスクパタ
ーン開口部のガラス基板11表面には活性水素を含む水
酸基が多数存在するので、前記物質のクロロシリル基
(−SiCl)は水酸基と脱塩酸反応し、基板21表面
に共有結合した化学式(2)で構成される単分子膜24
が形成されている。(図5(a))
【化2】
【0163】その後、トルエン溶媒中でチグラーナッタ
触媒を用いて前記単分子膜内の前記アセチレン基を重合
してポリアセチレン型の導電ネットワーク25を形成し
た。(図5(b))
【0164】次に、全面にニッケル薄膜を蒸着形成し、
ホトリソグラフィ法を用いてギャップ間距離が10μm
で長さが30μmの第1の電極22及び第2の電極23
をエッチングして形成した。
【0165】これらにより、基板21上に形成された、
第1の電極22と、第2の電極23と、第1の電極22
と第2の電極23を電気的に接続する単分子膜とを備え
た2端子有機電子デバイスであって、単分子膜24はア
ゾ基を有する有機分子群からなり、前記有機分子群を構
成する分子相互がポリアセチレン型に共役結合した導電
ネットワーク25を有する2端子有機電子デバイスを製
造した。(図5(c))
【0166】このデバイスでは、第1の電極22と第2
の電極23との電極間はポリアセチレン型の導電ネット
ワーク25で接続されているので、前記第1の電極22
と第2の電極23との間に数ボルトの電圧を印加すると
数ナノアンペアの電流(1Vで2nA程度)が流れた。
ただし、測定前に単分子膜24には可視光線を照射して
いる。
【0167】次に、引き続き単分子膜24に紫外線を照
射すると、アゾ基がトランス型からシス型に転移して、
電流値がほぼ0Aとなった。また、その後、可視光線を
照射すると、アゾ基がシス型からトランス型に転移して
元の導電性が再現された。
【0168】なお、このような紫外線の照射による導電
性の低下は、アゾ基の光異性化(トランス型からシス型
への転移)により、単分子膜24内のポリアセチレン型
の共役結合が歪み導電ネットワーク25の導電率が低下
することにより生じるものと考えられる。
【0169】すなわち、光照射により、導電ネットワー
ク25の導電率を制御して第1の電極22と第2の電極
23との電極間に流れる電流をスイッチングできた。
【0170】なお、ポリアセチレン型の共役系を導電ネ
ットワーク25として用いる場合、重合度が低いと抵抗
が高くなる。すなわち、オン電流が低くなるが、その場
合には、電荷移動性の官能基を有するドーパント物質
(例えば、アクセプタ分子としてハロゲンガスやルイス
酸、ドナー分子としてアルカリ金属やアンモニウム塩)
を導電ネットワーク25に拡散する、すなわちドーピン
グすることで、オン電流を大きくできた。例えば、この
単分子膜24に沃素をドープした場合、第1の電極22
と第2の電極23との間に1Vの電圧を印加すると0.
2mAの電流が流れた。
【0171】ここで、基板として金属等の導電性の基板
を用いる場合には、導電性の基板表面に絶縁性の薄膜を
介して単分子膜を形成しておけばよい。なお、このよう
な構造では、基板自体が帯電することがないので、有機
電子デバイスの動作安定性が向上した。
【0172】なお、より大きなオン電流を必要とする場
合には、第1の電極22と第2の電極23との電極間距
離を小さくするか、電極幅を広げればよい。さらに大き
なオン電流を必要とする場合には、単分子膜を累積す
る、または第1の電極22と第2の電極23との間に導
電ネットワークを有する被膜を形成しておけばよい。
【0173】上記実施例1では、導電ネットワークの形
成に触媒重合法を用いたが、電解重合法、または光や電
子線やX線等のエネルギービーム照射による重合法を用
いて、同様に導電ネットワークを形成できた。
【0174】また、導電ネットワークとしてポリアセチ
レン型の共役系以外に、ポリジアセチレン型、ポリアセ
ン型、ポリピロール型、ポリチェニレン型等の共役系が
利用できた。なお、触媒重合を行う際には、重合性基と
して前記アセチレン基以外にピロール基、チェニレン
基、ジアセチレン基等が適していた。
【0175】さらに、単分子膜または単分子累積膜の作
製には、化学吸着法以外に、ラングミュアーブロジェッ
ト法が適用できた。
【0176】また、前記有機薄膜を構成する分子相互を
重合する前記導電ネットワーク形成工程の前に、前記第
1と第2の電極を形成する前記対電極形成工程を行う
と、導電ネットワークの作製に際して、前記第1と第2
電極を電解重合に利用できた。すなわち、電解重合性の
官能基としてピロール基またはチェニレン基を有する有
機分子群から成る前記有機薄膜の前記第1と第2の電極
間に電圧を印加して、第1と第2の電極間の有機薄膜を
選択的に電解重合できた。
【0177】基板上にピロール基またはチェニレン基を
有する有機分子群から成る単分子膜と第1の電極と、第
2の電極とを形成した後に、ピロール基またはチェニレ
ン基を含む物質を溶かした有機溶媒中に浸漬し、且つ前
記第1の電極と第2の電極との間に第1の電圧を印加
し、さらに前記第1または第2の電極と前記有機溶媒に
接触し前記単分子膜の上方に配置された外部電極との電
極間に第2の電圧を印加して、前記単分子膜の表面にさ
らに被膜を形成すると同時に前記単分子膜と前記被膜に
それぞれ導電ネットワークを形成できた。この場合、有
機電子デバイスは、それぞれに導電ネットワークを有す
る単分子膜部とポリマー膜状の被膜部とからなる有機薄
膜を備えている。
【0178】また、基板上に、ピロール基またはチェニ
レン基を有する有機分子群から成る単分子膜と第1の電
極と第2の電極とを形成し、単分子膜に第1の構造の導
電ネットワークを形成した後に、ピロール基またはチェ
ニレン基を含む物質を溶かした有機溶媒中に浸漬し、第
1と第2の電極間に第1の電圧を印加し、且つ前記第1
または第2の電極と前記有機溶媒に接触し前記有機薄膜
の上方に配置された外部電極との電極間に第2の電圧を
印加して、ポリピロール型またはポリチェニレン型の導
電ネットワークが形成された単分子膜の表面にさらに被
膜を形成すると同時に前記被膜にもポリピロール型また
はポリチェニレン型の第2の構造の導電ネットワークを
形成できた。この場合、有機電子デバイスは、それぞれ
に導電ネットワークを有する単分子膜部とポリマー膜状
の被膜部とからなる有機薄膜を備えている。
【0179】また、重合性基としてエネルギービームに
より重合する官能基であるアセチレン基やジアセチレン
基等を有する有機分子群から成る単分子膜または単分子
累積膜に、紫外線、遠紫外線、電子線またはX線等のエ
ネルギービームを照射して、単分子膜または単分子累積
膜の分子相互を重合させ、導電ネットワークを形成でき
た。
【0180】なお、単分子膜の材料として使用できる物
質は、一般に化学式(3)で示される物質であり、本実
施例1と同様にして使用できる。
【化3】 ここで、Aは共役結合で結合して導電ネットワークを形
成する官能基、Bは光応答性の官能基、Dはハロゲン原
子、イソシアネート基、またはアルコキシル基等の基板
表面の活性水素と反応する原子または官能基、Eは水
素、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、ま
たは他のアルキル基、等の官能基である。また、m、n
は整数であり、m+nは2以上25以下、特に好ましく
は10以上20以下である。さらに、pは整数であり、
1、2、または3である。
【0181】さらに詳しくは、化学式(4)から(7)
で表される物質等が使用できた。
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】 ここで、m,nは整数であり、m+nは2以上25以下
である。
【0182】(実施例2)まず、電解重合により導電ネ
ットワークを形成するピロール基(C44N−)と、分
極性の官能基であるオキシカルボニル基(−OCO−)
と、基板表面の活性水素(例えば水酸基(−OH))と
反応するクロロシリル基(−SiCl)とを有する化学
式(8)の物質を用い、
【化8】 脱水したジメチルシリコーン系の有機溶媒で1%に薄め
て化学吸着液を調製した。
【0183】次に、絶縁性のポリイミド基板31(ある
いは導電性のメタル基板表面に第1の絶縁膜、例えばシ
リカ膜38を介してでも良い)表面にアルミニウム(A
l)を蒸着し、フォトリソグラフィ法を適用し長さが1
5μmで幅が40μmの第3の電極23をエッチング形
成した。さらに前記Al製の第3の電極37を電解酸化
して表面に絶縁性のアルミナ(Al23)膜39を形成
した。(図6(a))
【0184】次に、単分子膜を形成する部分を残してレ
ジストでマスクパターンを形成した後、前記吸着液に浸
漬して化学吸着を行い、前記マスクパターン開口部に選
択手的に化学吸着を行い、さらに表面に残った未反応の
前記物質をクロロホルムで洗浄除去し、続いて前記レジ
ストのマスクパターンを除去して、前記物質よりなる単
分子膜34を選択的に形成した。(図6(b))
【0185】このとき、開口部の基板31表面(シリカ
膜38およびAl23膜39表面)には活性水素を含む
水酸基が多数存在するので、前記物質のクロロシリル基
(−SiCl)が水酸基と脱塩酸反応を生じて基板31
表面に共有結合した化学式(9)で示される分子で構成
された単分子膜34が形成された。
【化9】
【0186】次に、全面にニッケル薄膜を蒸着形成した
後、ホトリソグラフィ法を適用しギャップ間距離が10
μm長さが30μmの第1の電極22及び第2電極23
を第3の電極37を挟むようにエッチングして形成し
た。(図2(c))次に、アセトニトリル溶液中に浸漬
し、第1及び第2電極間に5V/cm程度の電界を印加
し、電解重合により導電ネットワーク35を第1の電極
22及び第2の電極23の電極間を接続するように形成
した。このとき、電界の方向に沿って共役結合が自己組
織的に形成されて行くので、完全に重合が終われば、第
1の電極22と第2の電極23とは導電ネットワーク3
5で電気的に接続されていることになる。(図6
(c))最後に、第3の電極37を基板31側から取り
出して、3端子有機電子デバイスを製造できた。
【0187】この3端子有機電子デバイスでは、第1の
電極22と第2の電極23との間は、ポリピロール型の
導電ネットワーク35で接続されているので、BF−イ
オンをドープした後、第1の電極22と第2の電極23
との間に1Vの電圧を印加し、且つ第1の電極22と第
3の電極27との間の電圧を0Vにすると、0.5mA
程度の電流が流れた。
【0188】次に、第1の電極22と第2の電極23と
の間に1Vの電圧を印加した状態で、第1の電極22と
第3の電極37との間に5Vの電圧を印加すると、第1
の電極22と第2の電極23との電極間の電流値がほぼ
0Aとなった。その後、第1の電極22と第3の電極2
7との間の電圧を5Vから0Vにもどすと元の導電性が
再現された。
【0189】このような導電性の低下は、第3の電極3
7と第1の電極22との電極間に5Vの電圧を印加した
際、有極性の官能基であるオキシカルボニル基(−OC
O−)の分極が大きくなることにより、ポリピロール型
の共役系が歪み導電ネットワーク35の導電率が低下す
ることにより生じた考えられる。
【0190】すなわち、第1の電極22と第3の電極3
7との間に印加された電圧で、前記導電ネットワークの
導電率を制御して第1の電極22と第2の電極23との
間に流れる電流をスイッチングできた。ここで、有極性
の官能基が分極性のオキシカルボニル基であると、スイ
ッチングを極めて高速で行えた。オキシカルボニル基以
外に、カルボニル基等の官能基を有する分子を使用でき
た。
【0191】また、導電ネットワークとしてポリアセチ
レン型、ポリジアセチレン型、ポリアセン型、ポリピロ
ール型、ポリチェニレン型の共役系が使用でき、導電率
が高かった。また、導電ネットワークを形成する共役結
合で結合する重合性基として、電解重合性の官能基であ
るピロール基以外に、チェニレン基が利用できた。な
お、重合方法を変えれば、アセチレン基、ジアセチレン
基を有する物質も利用できた。
【0192】単分子膜または単分子累積膜の作製には、
化学吸着法以外に、ラングミュアーブロジェット法を使
用できた。
【0193】また、有機薄膜を重合する工程の前に、第
1の電極22と第2の電極23を形成する工程を行う
と、導電ネットワークの作製に際して、第1の電極22
と第2の電極23を電解重合に利用できた。すなわち、
電解重合性の官能基としてピロール基またはチェニレン
基を有する有機分子群から成る有機薄膜の第1の電極2
2と第2の電極23との電極間に電圧を印加し第1の電
極22と第2の電極23との電極間の有機薄膜を選択的
に電解重合できた。
【0194】基板上に第3の電極37とピロール基また
はチェニレン基を有する有機分子群から成る単分子膜3
4と、第1の電極と、第2の電極とを形成した後に、ピ
ロール基またはチェニレン基を含む物質を溶かした有機
溶媒中に浸漬して、第1の電極22と第2の電極23と
の間に第1の電圧を印加し、且つ第1の電極22または
第2の電極23と前記有機溶媒に接触し単分子膜34の
上方に配置された外部電極との電極間に第2の電圧を印
加して、単分子膜34の表面に被膜を形成すると同時に
単分子膜と被膜のそれぞれにポリピロール型またはポリ
チェニレン型の導電ネットワークを形成できた。この場
合、有機電子デバイスは、それぞれに導電ネットワーク
を有する単分子膜部とポリマー膜状の被膜部とからなる
有機薄膜を備えている。
【0195】また、基板上に第3の電極とピロール基ま
たはチェニレン基を有する有機分子群から成る単分子膜
と第1の電極と第2の電極とを形成し、単分子膜にポリ
ピロールまたはポリチェニレン型の第1の構造の導電ネ
ットワークを形成した後に、ピロール基またはチェニレ
ン基を含む物質を溶かした有機溶媒中に浸漬して、第1
の電極と第2の電極との間に第1の電圧を印加し、且つ
前記第1または第2の電極と前記有機溶媒に接触し前記
有機薄膜の上方に配置された外部電極との間に第2の電
圧を印加して、導電ネットワークが形成された単分子膜
の表面にさらに被膜を形成すると同時に被膜にポリピロ
ール型またはポリチェニレン型の第2の構造の導電ネッ
トワークを形成できた。この場合、有機電子デバイス
は、それぞれに導電ネットワークを有する単分子膜部と
ポリマー膜状の被膜部とから成る有機薄膜を備えてい
る。
【0196】導電ネットワークの形成において電解重合
以外では、重合性基として触媒重合性の官能基であるピ
ロール基、チェニレン基、アセチレン基、またはジアセ
チレン基等を有する単分子膜または単分子累積膜の分子
相互を触媒重合して、導電ネットワークを形成できた。
さらにまた、重合性基としてアセチレン基、ジアセチレ
ン基等のビーム照射重合性基を有する有機分子群から成
る単分子膜または単分子累積膜に、紫外線、遠紫外線、
電子線またはX線等のエネルギービームを照射して、有
機分子相互を重合し導電ネットワークを形成できた。
【0197】(実施例3)上記実施例2と同様の方法
で、複数の有機電子デバイスを液晶の動作スイッチとし
てアクリル基板表面に配列配置してTFTアレイ基板を
作製し、さらにその表面に配向膜を作製した。次に、ス
クリーン印刷法を用いてシール接着剤を封口部を除いて
パターン形成した後、プレキュアーしてカラーフィルタ
ー基板の配向膜面を向かい合わせにし、貼り合わせて圧
着し前記パターン形成された接着剤を硬化させ、液晶セ
ルを作製した。最後に、所定の液晶を真空注入して封止
すると、液晶表示装置を製造できた。
【0198】この方法では、TFTアレイの製造におい
て、基板加熱の必要がないので、アクリル基板のような
ガラス転移(Tg)点が低い基板を用いても十分高画質
なTFT型液晶表示装置を製造できた。
【0199】(実施例4)上記実施例2と同様の方法
で、複数の3端子有機電子デバイスを液晶の動作スイッ
チとしてアクリル基板表面に配列配置してTFTアレイ
基板を作製した。その後、公知の方法を用いて前記3端
子有機電子デバイスのに接続される画素電極を形成し、
TFTアレイ基板上に電界が印加されると発光する蛍光
物質から成る発光層を形成し、TFTアレイ基板に対向
する透明共通電極を発光層上に形成して、エレクトロル
ミネッセンス型カラー表示装置を製造できた。
【0200】発光層を形成する際、赤、青、緑色の光を
発光する3種類の素子をそれぞれ所定の位置に形成する
ことにより、エレクトロルミネッセンス型カラー表示装
置が製造できた。
【0201】
【発明の効果】以上で説明したように、本発明では第1
に、基板上に形成された、第1の電極と、前記第1の電
極と離隔した第2の電極と、前記第1と第2の電極を電
気的に接続する有機薄膜と、を備えた2端子有機電子デ
バイスであって、前記有機薄膜は、光応答性の官能基を
有する有機分子群からなり、前記有機分子群を構成する
分子相互が共役結合した導電ネットワークを有する2端
子有機電子デバイスを提供できる効果がある。
【0202】第2に、基板上に形成された、第1の電極
と、前記第1の電極と離隔した第2の電極と、前記第1
と第2の電極を電気的に接続する有機薄膜と、前記基板
と前記有機薄膜の間に挟まれ、それぞれと絶縁された第
3の電極とを備えた3端子有機電子デバイスであって、
前記第3の電極は前記第1の電極または前記第2の電極
と前記第3の電極間の電圧印加により前記有機薄膜に作
用させる電界を制御できる電極であり、前記有機薄膜は
有極性の官能基を有する有機分子群からなり、前記有機
分子群を構成する分子相互が共役結合した導電ネットワ
ークを有する3端子有機電子デバイスを提供できる効果
がある。
【0203】第3に、有極性の官能基を有する材料物質
を使用する3端子有機電子デバイスにより、従来例に比
べ極めて高速なスイッチングを行う有機系TFTを提供
できる効果がある。したがって、3端子有機電子デバイ
スを表示素子の動作スイッチとして用いた液晶表示装置
やエレクトロルミネッセンス型表示装置等を提供できる
効果がある。
【0204】第4に、本発明の3端子有機電子デバイス
動作スイッチを基板表面に配列配置してアレイ基板を形
成する際、高温で処理する工程が含まれない為、フレキ
シビリティーに優れたプラスチック基板等を使用した表
示装置を提供できる効果がある。
【0205】
【図面の簡単な説明】
【図1】2端子有機電子デバイスの構造を分子レベルま
で拡大した断面概念図であり、(a)は第1と第2の電
極が基板に直接形成された構造の断面概念図、(b)は
第1と第2の電極が有機薄膜上に形成された構造の断面
概念図である。
【図2】光照射に対する2端子有機電子デバイスの導電
性の変化を説明する概念図であり、(a)は光照射に対
する有機薄膜の導電性の変化を説明する概念図、(b)
は光異性化に伴うスイッチング動作を説明する概念図で
ある。
【図3】3端子有機電子デバイスの構造を分子レベルま
で拡大した断面概念図であり、(a)は第1と第2の電
極が基板に直接形成された構造の断面概念図、(b)は
第1と第2の電極が有機薄膜上に形成された構造の断面
概念図である。
【図4】印加電界に対する3端子有機電子デバイスの導
電性の変化を説明する概念図であり、(a)は導電ネッ
トワークの導電率と第3の電極に印加された電圧との依
存性を説明する概念図、(b)は第3の電極への電圧印
加の有無によるスイッチング動作を説明する概念図であ
る。
【図5】実施例1における2端子有機電子デバイスの製
造プロセスを説明するための工程断面概念図であり、
(a)は単分子膜を形成した状態を分子レベルまで拡大
した断面概念図、(b)は重合により導電ネットワーク
を形成した状態を分子レベルまで拡大した断面概念図で
ある。
【図6】実施例3における3端子有機電子デバイスの製
造プロセスを説明するための工程断面概念図であり、
(a)は第3の電極を形成した状態を拡大した断面概念
図、(b)は単分子膜を形成した状態を分子レベルまで
拡大した断面概念図、(c)は重合により導電ネットワ
ークを形成した状態を分子レベルまで拡大した断面概念
図である。
【符号の説明】
1 基板 2 第1の電極 3 第2の電極 4 光応答性の官能基を有する単分子膜 5 導電ネットワーク 6 集光された照射光 11 基板 12 第1の電極 13 第2の電極 14 有極性の官能基を有する単分子膜 15 導電ネットワーク 17 第3の電極 18 第1の絶縁膜 19 第2の絶縁膜 21 ガラス基板 22 ニッケル製の第1の電極 23 ニッケル製の第2の電極 24 アセチレン基とアゾ基を含む分子から成る化学吸
着単分子膜 25 ポリアセチレン型の導電ネットワーク 31 ポリイミド基板 34 ピロール基とオキシカルボニル基を含む分子から
成る単分子膜 35 ポリピロール型の導電ネットワーク 37 アルミ製の第3の電極 38 シリカ膜 39 アルミナ膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G09F 9/30 338 H05B 33/10 5F038 365 33/14 A 5F110 H01L 27/04 33/26 A 5G435 21/822 H01L 29/28 29/786 G02F 1/136 500 H05B 33/10 H01L 27/04 P 33/14 V 33/26 29/78 618B Fターム(参考) 2H090 LA15 2H091 FA02Y FA44Z GA13 LA30 2H092 JA01 JA21 JA24 KA09 MA09 NA25 3K007 AB18 BA06 BA07 CA01 CA05 CB01 DA00 DB03 EB00 FA01 FA03 5C094 AA43 AA53 BA03 BA27 BA43 CA19 DA06 ED02 HA08 5F038 AR07 AV01 AZ07 EZ06 5F110 AA01 AA04 BB01 CC07 DD01 GG05 5G435 AA17 BB05 BB12 EE25 GG12 GG25 KK05 KK10 LL00

Claims (46)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成された、第1の電極と、
    前記第1の電極と離隔した第2の電極と、前記第1と第
    2の電極を電気的に接続する有機薄膜と、を備えた2端
    子有機電子デバイスであって、 前記有機薄膜は、光応答性の官能基を有する有機分子群
    からなり、前記有機分子群を構成する分子相互が共役結
    合した導電ネットワークを有することを特徴とする2端
    子有機電子デバイス。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の2端子有機電子デバ
    イスに於いて、 前記有機薄膜が有機分子が基板上に固定された単分子膜
    または単分子累積膜であることを特徴とする2端子有機
    電子デバイス。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の2端子有機
    電子デバイスに於いて、 前記導電ネットワークの導電率は、前記有機薄膜に照射
    される光の光量により変化することを特徴とする2端子
    有機電子デバイス。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の2端子有機電子デバ
    イスに於いて、 前記導電ネットワークの導電率は、有機薄膜に照射され
    る波長の異なる第1の光または第2の光によりそれぞれ
    第1の導電率または第2の導電率に移行し且つ遮光後も
    それぞれ前記第1または第2の導電率が維持されること
    を特徴とする2端子有機電子デバイス。
  5. 【請求項5】 請求項1及至4のいずれかに記載の2
    端子有機電子デバイスに於いて、 前記光応答性の官能基が光異性化する官能基であること
    を特徴とする2端子有機電子デバイス。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の2端子有機電子デバ
    イスに於いて、 前記光異性化する官能基がアゾ基であることを特徴とす
    る2端子有機電子デバイス。
  7. 【請求項7】 請求項1及至6のいずれかに記載の2
    端子有機電子デバイスに於いて、 前記導電ネットワークはポリアセチレン型、ポリジアセ
    チレン型、ポリピロール型、ポリチェニレン型、ポリア
    セン型の共役系よりなる群から選択される1つ以上の共
    役系を含むことを特徴とする2端子有機電子デバイス。
  8. 【請求項8】 基板上に形成された、第1の電極と、
    前記第1の電極と離隔した第2の電極と、前記第1と第
    2の電極を電気的に接続する有機薄膜と、前記基板と前
    記有機薄膜の間に挟まれ、それぞれと絶縁された第3の
    電極と、を備えた3端子有機電子デバイスであって、 前記第3の電極は、前記第1の電極または前記第2の電
    極との電極間に電圧を印加することにより前記有機薄膜
    に作用させる電界を制御する電極であり、前記有機薄膜
    は、有極性の官能基を有する有機分子群からなり、前記
    有機分子群を構成する分子相互が共役結合した導電ネッ
    トワークを有することを特徴とする3端子有機電子デバ
    イス。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の3端子有機電子デバ
    イスに於いて、 前記有機薄膜が基板上に固定された単分子膜または単分
    子累積膜であることを特徴とする3端子有機電子デバイ
    ス。
  10. 【請求項10】 請求項8または9に記載の3端子有
    機電子デバイスに於いて、 前記導電ネットワークの導電性は前記有機薄膜に印加さ
    れる電界により変化することを特徴とする3端子有機電
    子デバイス。
  11. 【請求項11】 請求項8及至10のいずれかに記載
    の3端子有機電子デバイスに於いて、 前記有極性の官能基が電界印加により分極する分極性の
    官能基であることを特徴とする3端子有機電子デバイ
    ス。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の3端子有機電子
    デバイスに於いて、 前記分極性の官能基がカルボニル基、オキシカルボニル
    基であることを特徴とする3端子有機電子デバイス。
  13. 【請求項13】 請求項9及至12のいずれかに記載
    の3端子有機電子デバイスに於いて、 前記導電ネットワークがポリアセチレン型、ポリジアセ
    チレン型、ポリチェニレン型、ポリピロール型、ポリア
    セン型の共役系よりなる群から選択される1つ以上の共
    役系を含むことを特徴とする3端子有機電子デバイス。
  14. 【請求項14】 絶縁性の基板上、または任意の基板
    表面に絶縁膜が形成された絶縁膜付き基板上に、 光応答性の官能基及び共役結合で結合する重合性基を有
    する有機分子群から成る有機薄膜を形成する成膜工程
    と、 前記有機薄膜を構成する分子相互を共役結合させ導電ネ
    ットワークを形成する導電ネットワーク形成工程と、 前記導電ネットワークに接触するように、互いに離隔す
    る第1の電極と第2の電極とを形成する対電極形成工程
    と、を含むことを特徴とする2端子有機電子デバイスの
    製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の2端子有機電子
    デバイスの製造方法に於いて、 前記光応答性の官能基が光異性化する官能基であること
    を特徴とする2端子有機電子デバイス。
  16. 【請求項16】 絶縁性の基板上、または任意の基板
    表面に第1の絶縁膜が形成された絶縁膜付き基板上に、 第3の電極を形成する工程と、 直接または第2の絶縁膜を介して前記第3の電極を覆う
    ように、有極性の官能基及び共役結合で結合する重合性
    基を有する有機分子から成る有機薄膜を形成する成膜工
    程と、 前記有機薄膜を構成する分子相互を共役結合させ導電ネ
    ットワークを形成する導電ネットワーク形成工程と、 前記導電ネットワークに接触するように、互いに離隔し
    且つ第3の電極とも離隔した第1の電極と第2の電極と
    を形成する対電極形成工程と、を含むことを特徴とする
    3端子有機電子デバイスの製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項16に記載の3端子有機電子
    デバイスの製造方法に於いて、 前記有極性の官能基が電界印加により分極する分極性の
    官能基であることを特徴とする3端子有機電子デバイス
    の製造方法。
  18. 【請求項18】 請求項14及至17のいずれかに記
    載の有機電子デバイスの製造方法に於いて、 前記有機薄膜は有機分子が単分子層状に配列した単分子
    膜または単分子膜が複数積層した単分子累積膜であるこ
    とを特徴とする有機電子デバイスの製造方法。
  19. 【請求項19】 請求項18に記載の有機電子デバイ
    スの製造方法に於いて、 前記成膜工程で化学吸着法またはラングミュア−ブロジ
    ェット法を適用することを特徴とする有機電子デバイス
    の製造方法。
  20. 【請求項20】 請求項19に記載の有機電子デバイ
    スの製造方法に於いて、 前記化学吸着法を適用した成膜工程でシラン系界面活性
    剤を用いることを特徴とする有機電子デバイスの製造方
    法。
  21. 【請求項21】 請求項14及至18のいずれかに記
    載の有機電子デバイスの製造方法に於いて、 前記導電ネットワーク形成工程で、前記有機薄膜を構成
    する分子相互を重合により、または重合及び該重合後の
    架橋により共役結合させ導電ネットワークを形成するこ
    とを特徴とする有機電子デバイスの製造方法。
  22. 【請求項22】 請求項21に記載の有機電子デバイ
    スの製造方法に於いて、 前記架橋を行う工程が触媒作用による架橋工程、電解作
    用による架橋工程、エネルギービーム照射作用による架
    橋工程よりなる群から選択される1つ以上の架橋工程で
    あることを特徴とする有機電子デバイスの製造方法。
  23. 【請求項23】 請求項21に記載の有機電子デバイ
    スの製造方法に於いて、 前記対電極形成工程を前記導電ネットワーク形成工程前
    に行うことを特徴とする有機電子デバイスの製造方法。
  24. 【請求項24】 請求項23に記載の有機電子デバイ
    スの製造方法に於いて、 前記有機薄膜を構成する分子の前記重合性基が電解重合
    性を有する電解重合性基である場合に、前記第1と第2
    の電極間に電圧を印加し電解重合を行うことを特徴とす
    る有機電子デバイスの製造方法。
  25. 【請求項25】 請求項24に記載の有機電子デバイ
    スの製造方法に於いて、 前記電解重合性基がピロール基またはチェニレン基であ
    ることを特徴とする有機電子デバイスの製造方法
  26. 【請求項26】 請求項24に記載の有機電子デバイ
    スの製造方法に於いて、 前記電解重合性基がピロール基またはチェニレン基であ
    り、前記有機薄膜が単分子膜である場合、 前記対電極形成工程後にピロール基又はチェニレン基を
    含む物質を溶かした有機溶媒中に浸漬し、且つ前記第1
    と第2の電極間、及び前記第1または第2の電極と前記
    有機溶媒に接触し前記有機薄膜の上方に配置された外部
    電極との電極間にそれぞれ電圧を印加して、前記単分子
    膜の表面に更にピロール基またはチェニレン基を有する
    分子から成る被膜を形成し且つ前記単分子膜と前記被膜
    にそれぞれ導電ネットワークを形成することを特徴とす
    る有機電子デバイスの製造方法。
  27. 【請求項27】 請求項21に記載の有機電子デバイ
    スの製造方法に於いて、 前記導電ネットワーク形成工程で、前記重合性基として
    触媒重合性の触媒重合性基を有する前記有機薄膜を構成
    する分子相互を触媒重合することを特徴とする有機電子
    デバイスの製造方法。
  28. 【請求項28】 請求項27に記載の有機電子デバイ
    スの製造方法に於いて、 前記触媒重合性基がピロール基、チェニレン基、アセチ
    レン基、またはジアセチレン基であることを特徴とする
    有機電子デバイスの製造方法。
  29. 【請求項29】 請求項21に記載の有機電子デバイ
    スの製造方法に於いて、 導電ネットワーク形成工程で、前記重合性基としてエネ
    ルギービームの照射で重合するビーム照射重合性基を有
    する前記有機薄膜を構成する分子相互をエネルギービー
    ムの照射により重合することを特徴とする有機電子デバ
    イスの製造方法。
  30. 【請求項30】 請求項29に記載の有機電子デバイ
    スの製造方法に於いて、 前記ビーム照射重合性基がアセチレン基またはジアセチ
    レン基であることを特徴とする有機電子デバイスの製造
    方法。
  31. 【請求項31】 請求項29または30に記載の有機
    電子デバイスの製造方法に於いて、 前記導電ネットワーク形成工程で、前記エネルギービー
    ムとして紫外線、遠紫外線、X線、または電子線を用い
    ることを特徴とする有機電子デバイスの製造方法。
  32. 【請求項32】 基板上に形成された、第1の電極
    と、前記第1の電極と離隔した第2の電極と、前記第1
    と第2の電極を電気的に接続する有機薄膜とを備え、 前記有機薄膜は光応答性の官能基を有する有機分子群か
    ら成り、前記有機薄膜を構成する分子相互が共役結合し
    た導電ネットワークを有する2端子有機電子デバイスの
    動作方法であって、 前記第1と第2の電極間に電圧を印加した状態で前記有
    機薄膜に光を照射することにより、前記導電ネットワー
    クの導電率を変化させ前記第1と第2の電極間に流れる
    電流をスイッチングすることを特徴とする2端子有機電
    子デバイスの動作方法。
  33. 【請求項33】 請求項32に記載の2端子有機電子
    デバイスの動作方法に於いて、 前記光応答性の官能基が光異性化する官能基であり、前
    記有機薄膜に照射される波長の異なる第1の光または第
    2の光の照射により前記導電ネットワークの導電率を変
    化させることを特徴とする2端子有機電子デバイスの動
    作方法。
  34. 【請求項34】 請求項33に記載の2端子有機電子
    デバイスの動作方法に於いて、 前記光異性化する官能基がアゾ基であることを特徴とす
    る2端子有機電子デバイスの動作方法。
  35. 【請求項35】 請求項33または34に記載の2端
    子有機電子デバイスの動作方法に於いて、 前記有機薄膜に照射される前記第1または第2の光とし
    てそれぞれ紫外線または可視光線を用いることを特徴と
    する2端子有機電子デバイスの動作方法。
  36. 【請求項36】 基板上に形成された、第1の電極
    と、前記第1の電極と離隔した第2の電極と、前記第1
    と第2の電極を電気的に接続する有機薄膜と、前記基板
    と前記有機薄膜の間に挟まれ、それぞれと絶縁された第
    3の電極とを備え、前記第3の電極は前記第1または第
    2の電極との間に印加された電圧により前記有機薄膜に
    作用させる電界を制御する電極であり、前記有機薄膜は
    有極性の官能基を有する有機分子群からなり、且つ前記
    有機分子群を構成する分子相互が共役結合した導電ネッ
    トワークを有する3端子有機電子デバイスの動作方法で
    あって、 前記第1と第2の電極間に電圧を印加した状態で、前記
    第1または第2の電極と前記第3の電極との間に印加さ
    れた電圧で前記導電ネットワークの導電率を変化させ前
    記第1と第2の電極間に流れる電流をスイッチングする
    ことを特徴とする3端子有機電子デバイスの動作方法。
  37. 【請求項37】 請求項36に記載の3端子有機電子
    デバイスの動作方法に於いて、 前記有極性の官能基が分極性の官能基であることを特徴
    とする3端子有機電子デバイスの動作方法。
  38. 【請求項38】 請求項32及至37のいずれかに記
    載の有機電子デバイスの動作方法に於いて、 前記有機薄膜が基板上で結合固定された単分子膜または
    単分子累積膜であることを特徴とする有機電子デバイス
    の動作方法。
  39. 【請求項39】 第1の電極と、前記第1の電極と離
    隔した第2の電極と、前記第1と第2の電極を電気的に
    接続する有機薄膜と、前記基板と前記有機薄膜の間に挟
    まれ且つそれぞれと絶縁された第3の電極とを備え、前
    記第3の電極は前記第1または第2の電極との間に印加
    された電圧により前記有機薄膜に作用させる電界を制御
    する電極であり、前記有機薄膜は有極性の官能基を有す
    る有機分子群から成り、且つ前記有機分子群の分子相互
    が共役結合して導電ネットワークを形成していることを
    特徴とする3端子有機電子デバイスをスイッチ素子とし
    て用いた液晶表示装置であって、 複数の前記スイッチ素子が第1の基板上にマトリックス
    状に配列配置され且つその表面に第1の配向膜が形成さ
    れたアレイ基板と、 第2の基板上にマトリックス状に色要素が配列配置され
    且つその表面に第2の配向膜が形成されたカラーフィル
    ター基板と、 前記第1の配向膜と前記第2の配向膜を内側にし対向さ
    れた前記アレイ基板と前記カラーフィルター基板との間
    に封止された液晶と、を有することを特徴とする液晶表
    示装置。
  40. 【請求項40】第1の電極と、前記第1の電極と離隔し
    た第2の電極と、前記第1と第2の電極を電気的に接続
    する有機薄膜と、前記基板と前記有機薄膜の間に挟まれ
    且つそれぞれと絶縁された第3の電極とを備え、前記第
    3の電極が前記第1または第2の電極との間に印加する
    電圧により前記有機薄膜に作用させる電界を制御する電
    極であり、前記有機薄膜は有極性の官能基を有する有機
    分子群からなり、且つ前記有機分子群の分子相互が共役
    結合して導電ネットワークを形成していることを特徴と
    する3端子有機電子デバイスをスイッチ素子として用い
    たエレクトロルミネッセンス型表示装置であって、 複数の前記スイッチ素子が基板上にマトリックス状に配
    列配置されたアレイ基板と、 前記アレイ基板と対向する共通電極と、 前記アレイ基板と前記共通電極との間に形成された、電
    界の印加により発光する蛍光物質から成る発光層と、を
    有することを特徴とするエレクトロルミネッセンス型表
    示装置。
  41. 【請求項41】 請求項40に記載のエレクトロルミ
    ネッセンス型表示装置に於いて、 赤色、青色、または緑色の光を発光する3種類の前記蛍
    光物質が配列配置されカラー表示することを特徴とする
    エレクトロルミネッセンス型表示装置。
  42. 【請求項42】 請求項39及至41のいずれかに記
    載の表示装置に於いて、 前記有機薄膜が基板上に固定された単分子膜または単分
    子累積膜であることを特徴とする表示装置。
  43. 【請求項43】 第1の電極と、前記第1の電極と離
    隔した第2の電極と、前記第1と第2の電極を電気的に
    接続する有機薄膜と、前記基板と前記有機薄膜の間に挟
    まれ且つそれぞれと絶縁された第3の電極とを備え、前
    記第3の電極が前記第1または第2の電極との間に印加
    する電圧により前記有機薄膜に作用させる電界を制御る
    る電極であり、前記有機薄膜は有極性の官能基を有する
    有機分子群からなり、且つ前記有機分子群の分子相互が
    共役結合して導電ネットワークを形成していることを特
    徴とする3端子有機電子デバイスをスイッチ素子として
    用いた液晶表示装置の製造方法であって、 第1の基板上にマトリックス状に配列するように複数個
    の前記スイッチ素子を形成して、その表面に第1の配向
    膜を形成するアレイ基板形成工程と、 第2の基板表面にマトリックス状に色要素を配列配置し
    カラーフィルターを作製して、その表面に第2の配向膜
    を形成するカラーフィルター基板形成工程と、 第1の配向膜と第2の配向膜を内側にして前記アレイ基
    板と前記カラーフィルター基板を所定の間隔で向かい合
    わせ、前記アレイ基板と前記カラーフィルター基板との
    間に液晶を充填し、前記液晶を封止する工程と、を含む
    ことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
  44. 【請求項44】 第1の電極と、前記第1の電極と離
    隔した第2の電極と、前記第1と第2の電極を電気的に
    接続する有機薄膜と、前記基板と前記有機薄膜の間に挟
    まれ且つそれぞれと絶縁された第3の電極とを備え、前
    記第3の電極が前記第1または第2の電極との間に印加
    する電圧により前記有機薄膜に作用させる電界を制御す
    る電極であり、前記有機薄膜は有極性の官能基を有する
    有機分子群からなり、且つ前記有機分子群の分子相互が
    共役結合して導電ネットワークを形成していることを特
    徴とする3端子有機電子デバイスをスイッチ素子として
    用いたエレクトロルミネッセンス型表示装置の製造方法
    であって、 基板上にマトリックス状に配列するように複数個の前記
    スイッチ素子を形成するアレイ基板形成工程と、 前記アレイ基板上に、電圧の印加で発光する蛍光物質か
    ら成る発光層を形成する発光層形成工程と、 前記発光層上に共通電極膜を形成する共通電極形成工程
    と、を含むことを特徴とするエレクトロルミネッセンス
    型表示装置の製造方法。
  45. 【請求項45】 請求項44に記載のエレクトロルミ
    ネッセンス型表示装置の製造方法に於いて、 前記発光層形成工程で赤、青、または緑色の光を発光す
    る3種類の前記発光物質を所定の位置に形成し、カラー
    表示させることを特徴とするエレクトロルミネッセンス
    型表示装置の製造方法。
  46. 【請求項46】 請求項43及至45のいずれかに記
    載の表示装置の製造方法に於いて、 前記有機薄膜は、有機分子が単分子層状に配列した単分
    子膜または単分子膜が積層して成る単分子累積膜である
    ことを特徴とする表示装置の製造方法。
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