JP2002057148A - イオンプレーティングによる成膜方法 - Google Patents

イオンプレーティングによる成膜方法

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JP2002057148A
JP2002057148A JP2000246336A JP2000246336A JP2002057148A JP 2002057148 A JP2002057148 A JP 2002057148A JP 2000246336 A JP2000246336 A JP 2000246336A JP 2000246336 A JP2000246336 A JP 2000246336A JP 2002057148 A JP2002057148 A JP 2002057148A
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hearth
ion plating
plasma beam
substrate
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JP2000246336A
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English (en)
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Ryoji Chikugo
了治 筑後
Masaru Tanaka
勝 田中
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速で平滑な絶縁膜、特にSiO2 薄膜を成
膜できる成膜方法を提供すること。 【解決手段】 プラズマビーム発生器13と、真空容器
11内に配置されプラズマビームの入射面を持つ主ハー
ス30とを含み、主ハースの近傍に該主ハースの中心軸
に対して同心的に配置された環状永久磁石により定常磁
界を形成し、主ハースの中心軸に対して同心的に配置さ
れた電磁コイルにより調整磁界を定常磁界に重畳して主
ハースの近傍の磁場を変化させ、プラズマビーム発生器
からのプラズマビームを主ハースに収容された絶縁膜成
膜用の蒸発物質32に導いて基板41上に絶縁膜を成膜
するイオンプレーティング装置を用い、蒸発物質として
棒状に成形されたものを用い、平均表面粗さ(Ra)1
nm以下の絶縁膜を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は絶縁膜の成膜方法及
び絶縁膜とITO膜からなる複合膜の成膜方法に関し、
特に改善された表面粗さを持つ成膜方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電気光学部品や表示素子、例えば有機E
Lディスプレイの電極に用いられる透明電極膜に要求さ
れる特性には、比抵抗が小さいこと、膜表面が平坦であ
ること、可視光透過率が高いこと等があげられる。
【0003】この種の透明電極膜には様々な種類がある
が、最近ではITO膜が注目を集めている。ITO膜
を、有機ELディスプレイ用の透明電極膜として用いる
場合、ITO膜の表面形態を平坦にすることで局部的な
電界集中による異常放電を予防し、ブラックアウトの発
生を抑制することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、有機ELデ
ィスプレイや液晶ディスプレイのようなガラス基板上に
ITO膜を成膜する場合には、これらの間にバリア膜を
介在させる必要がある。これは、ガラス基板は通常ソー
ダガラスであり、アルカリ溶出が起こってITO膜に悪
影響を及ぼすことを防ぐためである。バリア膜の一例と
して、SiO2 膜は、有機ELディスプレイや液晶ディ
スプレイのガラス基板からのアルカリ溶出防止に広く利
用されている透明な絶縁膜である。
【0005】一方、プラスチック基板の場合にも水分の
溶出が起こる場合があるので、SiO2 膜のようなバリ
ア膜を形成することが要求される場合がある。
【0006】いずれにしても、SiO2 膜の一般的な成
膜方法としては、スパッタリング法が用いられている
が、絶縁材料のため非常に成膜レートが低い。成膜レー
トの高い成膜方法としては、Siを蒸発材料として、酸
素ガスと反応させて成膜を行う反応性スパッタリング法
が知られているが、基板加熱が必要で、安定な膜質を得
ることが困難である。また、膜の平滑度も悪く、アルカ
リ溶出防止効果も小さい。このように、これまでのスパ
ッタリング法によるSiO2 膜は、膜の平滑度が悪いた
めに有機ELディスプレイ用途の使用には問題が残る。
【0007】そこで、本発明の課題は、高速で平滑な絶
縁膜、特にSiO2 薄膜を成膜できる成膜方法を提供す
ることにある。
【0008】本発明の他の課題は、絶縁膜とITO膜か
らなる複合膜であって、改善された表面粗さを持つ複合
膜の成膜方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、プラズ
マビーム発生源と、真空容器内に配置されプラズマビー
ムの入射面を持つハースとを含み、前記ハースの近傍に
該ハースの中心軸に対して同心的に配置された環状永久
磁石により定常磁界を形成し、前記ハースの中心軸に対
して同心的に配置された電磁コイルにより調整磁界を前
記定常磁界に重畳して前記ハースの近傍の磁場を変化さ
せ、前記プラズマビーム発生源からのプラズマビームを
前記ハースに収容された絶縁膜成膜用の蒸発材料に導い
て基板上に絶縁膜を成膜するイオンプレーティング法に
より成膜され、前記蒸発材料として棒状に成形されたも
のを用い、平均表面粗さ(Ra)1nm以下を得ること
を特徴とするイオンプレーティングによる絶縁膜の成膜
方法が提供される。
【0010】本成膜方法においては、前記プラズマビー
ムにより前記蒸発材料が蒸発を始めるまでの間、前記ハ
ースから不活性ガスを前記蒸発材料の周囲に導入するよ
うにされる。
【0011】本成膜方法においてはまた、成膜速度が1
nm/sec以上とされる。
【0012】本成膜方法においては更に、前記基板がプ
ラスチック基板である場合、基板温度150℃以下で成
膜が行われる。
【0013】特に、前記蒸発材料としてSiO2 を用い
ることにより、SiO2 膜の成膜が行われる。
【0014】本発明によればまた、第1の成膜を行う第
1のイオンプレーティング装置と第2の成膜を行う第2
のイオンプレーティング装置との間を基板搬送経路で結
び、前記第1のイオンプレーティング装置では蒸発材料
として棒状に成形された絶縁材料を用いて、平均表面粗
さ(Ra)1nm以下の絶縁膜を基板上に成膜し、前記
第2のイオンプレーティング装置では蒸発材料として棒
状に成形されたITO材料を用いて、前記基板上に形成
された絶縁膜上に平均表面粗さ(Ra)1nm以下のI
TO膜を成膜し、前記基板搬送経路を通して前記第1の
イオンプレーティング装置から前記第2のイオンプレー
ティング装置への前記基板の移送を行うことにより、前
記第1のイオンプレーティング装置による成膜と前記第
2のイオンプレーティング装置による成膜とを連続して
行うことができるようにしたことを特徴とするイオンプ
レーティングによる成膜方法が提供される。
【0015】前記第1のイオンプレーティング装置は、
第1のプラズマビーム発生源と、第1の真空容器内に配
置されプラズマビームの入射面を持つ第1のハースとを
含み、前記第1のハースの近傍に該第1のハースの中心
軸に対して同心的に配置された第1の環状永久磁石によ
り定常磁界を形成し、前記第1のハースの中心軸に対し
て同心的に配置された第1の電磁コイルにより調整磁界
を前記定常磁界に重畳して前記第1のハースの近傍の磁
場を変化させ、前記第1のプラズマビーム発生源からの
プラズマビームを前記第1のハースに収容された前記絶
縁膜成膜用の蒸発材料に導いて前記基板上に絶縁膜を成
膜するものであり、前記第2のイオンプレーティング装
置は、第2のプラズマビーム発生源と、第2の真空容器
内に配置されプラズマビームの入射面を持つ第2のハー
スとを含み、前記第2のハースの近傍に該第2のハース
の中心軸に対して同心的に配置された第2の環状永久磁
石により定常磁界を形成し、前記第2のハースの中心軸
に対して同心的に配置された第2の電磁コイルにより調
整磁界を前記定常磁界に重畳して前記第2のハースの近
傍の磁場を変化させ、前記第2のプラズマビーム発生源
からのプラズマビームを前記第2のハースに収容された
ITO膜成膜用の蒸発材料に導いて前記基板上に成膜さ
れた絶縁膜にITO膜を成膜するものである。
【0016】前記第1のイオンプレーティング装置で
は、プラズマビームにより前記蒸発材料が蒸発を始める
までの間、前記第1のハースから不活性ガスが前記蒸発
材料の周囲に導入される。
【0017】また、前記第1、第2のイオンプレーティ
ング装置ではそれぞれ、成膜速度が1nm/sec以上
とされる。
【0018】本成膜方法においても、前記基板がプラス
チック基板である場合、基板温度150℃以下で成膜が
行われる。そして、前記第1のイオンプレーティング装
置における前記蒸発材料をSiO2 とすることで、Si
2 膜が成膜が行われる。
【0019】なお、厳密に言えば、SiとOの比率は完
全には1:2にはならず、SiOxと記すことも多い
が、ここではSiO2 と記すこととする。
【0020】
【発明の実施の形態】図3を参照して、本発明が適用さ
れるイオンプレーティング装置について説明する。図3
において、真空容器11の側壁に設けられた筒状部12
には圧力勾配型のプラズマビーム発生器13が装着され
ている。プラズマビーム発生器13は、陰極14により
一端が閉塞されたガラス管15を備えている。このガラ
ス管15内では、LaB6 による円盤16、タンタルT
aによるパイプ17を内蔵したモリブデンMoによる円
筒18が陰極14に固定されている。パイプ17は、ア
ルゴンAr、ヘリウムHe等の不活性ガスからなるキャ
リアガス10をプラズマビーム発生器13内に導入する
ためのものである。キャリアガス10に加えて、本形態
では酸素ガスが導入される。
【0021】ガラス管15の陰極14と反対側の端部と
筒状部12との間には、第1、第2の中間電極19、2
0が同心的に配置されている。第1の中間電極(第1の
グリッド)19内にはプラズマビームを収束するための
環状永久磁石21が内蔵されている。第2の中間電極2
0(第2のグリッド)内にもプラズマビームを収束する
ための電磁石コイル22が内蔵されている。この電磁石
コイル22は電源23から給電される。
【0022】プラズマビーム発生器13が装着された筒
状部12の周囲には、プラズマビームを真空容器11内
に導くステアリングコイル24が設けられている。この
ステアリングコイル24はステアリングコイル用の電源
25により励磁される。陰極14と第1、第2の中間電
極19、20との間にはそれぞれ、垂下抵抗器26、2
7を介して、可変電圧型の主電源28が接続されてい
る。
【0023】図4をも参照して、真空容器11の内側の
底部に、主ハース30とその周囲に配置された環状の補
助ハース(補助陽極)31が設置されている。主ハース
30は、筒状のハース本体33により構成され、プラズ
マビーム発生器13からのプラズマビームが入射する凹
部33aを有している。ハース本体33の貫通孔にはS
iO2 のような蒸発物質32を収納している。補助ハー
ス31は、環状の容器34によリ構成されている。容器
34内には環状の永久磁石、特にフェライト磁石35と
同心的に積層されたハースコイル36が収納されてい
る。主ハース30及び補助ハース31はいずれも熱伝導
率の良い導電性材料、例えば、銅が使用される。主ハー
ス30に対して補助ハース31は、絶縁物を介して取り
付けられている。また、主ハース30と補助ハース31
は、抵抗48を介して接続されている。主ハース30
は、主電源28の正側に接続されている。従って、主ハ
ース30は、プラズマビーム発生器13に対してそのプ
ラズマビームが吸引される陽極を構成している。
【0024】補助ハース31内のハースコイル36は電
磁石を構成し、導線37により、図3に示されたハース
コイル電源38から給電される。この場合、励磁された
ハースコイル36における中心側の磁界の向きは、フェ
ライト磁石35により発生する中心側の磁界と同じ向き
になるように構成される。ハースコイル電源38は可変
電源であり、電圧を変化させることにより、ハースコイ
ル36に供給する電流を変化できる。主ハース30及び
補助ハース31にはそれぞれ、図4に示されるように、
冷却水配管39、40により冷却水が流れるように供給
されている。なお、補助ハース31おいては冷却水を供
給する配管のみを示し、冷却水を排出する配管は図示を
省略している。
【0025】図3に戻って、真空容器11の内部にはま
た、主ハース30の上部に蒸発粒子が蒸着される基板4
1を保持するための基板ホルダ42が設けられている。
基板ホルダ42にはヒータ43や冷却部(図示せず)が
設けられている。ヒータ43はヒータ電源44から給電
されている。冷却部は、冷却源として冷却水を用い、冷
却水の循環経路を備えている。基板ホルダ42は、真空
容器11に対しては電気的に絶縁支持されている。真空
容器11と基板ホルダ42との間にはバイアス電源45
が接続されている。このことにより、基板ホルダ42は
ゼロ電位に接続された真空容器11に対して負電位にバ
イアスされている。補助ハース31はハース切り替えス
イッチ46を介して主電源28の正側に接続されてい
る。主電源28には、これと並列に垂下抵抗器29と補
助放電電源47とがスイッチS1を介して接続されてい
る。
【0026】このイオンプレーティング装置において
は、ブラズマビーム発生器13の陰極と真空容器11内
の主ハース30との間で放電が生じ、これによりプラズ
マビーム(図示せず)が形成される。このプラズマビー
ムはステアリングコイル24と補助ハース31内のフェ
ライト磁石35により決定される磁界に案内されて主ハ
ース30に到達する。主ハース30に収納された蒸発物
質32はプラズマビームにより加熱されて蒸発する。こ
の蒸発粒子はプラズマビームによりイオン化され、負電
圧が印加された基板41の表面に付着し、SiO2 膜が
形成される。
【0027】なお、フェライト磁石35と同心的に積層
されたハースコイル36に供給する電流を変化させるこ
とにより、基板41の表面上の膜厚分布と被膜形成の速
度を調整することができる。フェライト磁石35とハー
スコイル36との位置関係は図3に示される関係と上下
逆であっても良いし、フェライト磁石35の磁極の向き
も図3に示される向きと逆であっても良い。
【0028】図1を参照して、本発明の第1の実施の形
態を適用する成膜装置について説明する。この成膜装置
の基本構成は、図3で説明したイオンプレーティング装
置と同じであるので、図3と同じ部分には同じ参照番号
を付している。すなわち、本イオンプレーティング装置
も、プラズマビーム発生器13と、真空容器11内に配
置されプラズマビームの入射面を持つ主ハース30と補
助ハース31とを含む。補助ハース31では、主ハース
30の近傍にこの主ハース30の中心軸に対して同心的
に配置されたフェライト磁石により定常磁界を形成し、
主ハース30の中心軸に対して同心的に配置されたハー
スコイルにより調整磁界を定常磁界に重畳して主ハース
30の近傍の磁場を変化させる。これにより、プラズマ
ビーム発生器13からのプラズマビームを主ハース30
に収容された絶縁膜成膜用の蒸発物質32に導いて基板
41上に絶縁膜を成膜する。
【0029】図3に示されたイオンプレーティング装置
と異なる点は、主ハース30に収納される蒸発物質32
をロッド状としてこれを連続的に供給する機構を備えた
こと、及び主ハース30に、そこからArガスのような
不活性ガスを蒸発物質32の周囲に導入する機構を備え
た点にある。
【0030】なお、蒸発物質を連続的に供給する機構
は、例えば特開平11−43763に開示されている材
料突き上げ機構を利用することができ、主ハース30に
おいて不活性ガスを蒸発物質32の周囲に導入する機構
は、例えば特開2000−17428に開示されている
ものを利用することができる。また、主ハース30は、
その上部がカーボンで作られ、下部は銅で作られている
のが好ましい。
【0031】絶縁膜を高い成膜レートで成膜する装置と
しては、図3で説明したように、補助ハース(補助陽
極)を備えたイオンプレーティング装置がある。しか
し、これまで、SiO2 膜の成膜には蒸発物質として粒
状の材料が用いられている。しかし、粒状の蒸発材料を
用いると、非常に小さくなった粒が飛び出す、いわゆる
スプラッシュなどの影響で、膜の平滑性が十分に得られ
ない場合がある。
【0032】そこで、本形態では蒸発材料にSiO2
ロッド(丸棒)を使用し、これを前に述べた材料突き上
げ機構により連続成膜運転を可能にしている。また、イ
オンプレーティング装置の放電を容易にするために、蒸
発材料の着火時にはガスハースを使用する。これは、主
ハース30から不活性ガスを出すものであるが、この不
活性ガスは、SiO2 材料が着火、すなわち蒸発を開始
した後は必要無い。
【0033】このようなイオンプレーティング装置を用
いることで、高速で平滑(平均表面粗さRa:1nm以
下)なSiO2 膜の成膜がガラス基板上やプラスチック
基板上で可能となる。但し、プラスチック基板の場合
は、150℃以下の低温成膜とする必要がある。
【0034】(実施例)以下に実施例を説明する。
【0035】イオンプレーテイング装置:補助陽極を持
ち、蒸発材料の突き上げ機構、主ハースに不活性ガスの
導入機構を持つ。主ハース先端の材料にはカーボンを使
用する。
【0036】放電電流:150A 導入ガス:Ar40sccm(プラズマビーム発生器か
らの導入) 酸素100sccm(膜質調整用) 主ハースからのArは20sccm(放電安定後は導入
停止) 蒸発材料:純度99.9%のSiO2 丸棒(φ30×4
0mm) 成膜圧力:1×10-1Pa 基板温度:50℃ 以上の成膜条件により、ガラス基板上に成膜レート4n
m/secで130nm厚のSiO2 の成膜を行った。
その結果、表面平均粗さRa:0.15nm(但し、原
子間力顕微鏡AFMによる測定結果)が得られた。
【0037】図2を参照して、本発明の第2の実施の形
態について説明する。本形態は、SiO2 膜上にITO
膜を形成する複合膜の成膜方法である。本成膜方法のた
めの成膜装置は、SiO2 膜による第1の成膜を行う第
1のイオンプレーティング装置50とITO膜による第
2の成膜を行う第2のイオンプレーティング装置60と
の間を基板搬送経路70で結んでいる。
【0038】第1、第2のイオンプレーティング装置5
0、60はそれぞれ、図1で説明したイオンプレーティ
ング装置と同じ構成で良いが、特にここでは真空容器内
を排気するための排気系51、61をも図示している。
排気系51は、排気ポンプ51−1、ゲートバルブ51
−2を持つ。排気系61も同様である。また、第1、第
2のイオンプレーティング装置50、60に共通に、A
rガス供給系80、酸素ガス供給系90を備えている。
Arガス供給系80は、プラズマビーム発生器13−
1、13−2への供給ラインと、主ハース30−1、3
0−2への供給ラインとを持つ。
【0039】第1のイオンプレーティング装置50では
蒸発材料として棒状に成形された絶縁材料を用いて、平
均表面粗さ(Ra)1nm以下の絶縁膜を基板上に成膜
する。続いて、第2のイオンプレーティング装置60で
は蒸発材料として棒状に成形されたITO材料を用い
て、前記基板上に形成された絶縁膜上に平均表面粗さ
(Ra)1nm以下のITO膜を成膜する。
【0040】本成膜装置では、基板搬送経路70を通し
て第1のイオンプレーティング装置50から第2のイオ
ンプレーティング装置60への基板の移送を行うことに
より、第1のイオンプレーティング装置50による成膜
と第2のイオンプレーティング装置60による成膜とを
連続して行うことができるようにしている。
【0041】第1のイオンプレーティング装置50につ
いて言えば、プラズマビーム発生器13−1と、真空容
器11−1内に配置されプラズマビームの入射面を持つ
主ハース30−1と補助ハース31−1とを含む。補助
ハース31−1では、主ハース30−1の近傍にこの主
ハース30−1の中心軸に対して同心的に配置されたフ
ェライト磁石35−1により定常磁界を形成し、主ハー
ス30−1の中心軸に対して同心的に配置されたハース
コイル36−1により調整磁界を定常磁界に重畳して主
ハース30−1の近傍の磁場を変化させる。これによ
り、プラズマビーム発生器13−1からのプラズマビー
ムを主ハース30−1に収容されたSiO 2 膜成膜用の
蒸発物質32−1に導いて基板41上にSiO2 膜を成
膜する。
【0042】第2のイオンプレーティング装置60につ
いても、プラズマビーム発生器13−2と、真空容器1
1−2内に配置されプラズマビームの入射面を持つ主ハ
ース30−2と補助ハース31−2とを含む。補助ハー
ス31−2では、主ハース30−2の近傍にこの主ハー
ス30−2の中心軸に対して同心的に配置されたフェラ
イト磁石35−2により定常磁界を形成し、主ハース3
0−2の中心軸に対して同心的に配置されたハースコイ
ル36−2により調整磁界を定常磁界に重畳して主ハー
ス30−2の近傍の磁場を変化させる。これにより、プ
ラズマビーム発生器13−2からのプラズマビームを主
ハース30−2に収容されたITO膜成膜用の蒸発物質
32−2に導いて基板41上にITO膜を成膜する。
【0043】勿論、第1、第2のイオンプレーテイング
装置50、60はそれぞれ、上記の補助陽極の他に、蒸
発物質の突き上げ機構55−1、65−1を有するとと
もに、蒸発物質が蒸発を始めるまでの間だけ主ハースに
不活性ガス、すなわちArガス供給部80からのArガ
スを導入するための導入機構を持つ。また、それぞれの
主ハース先端の材料にはカーボンを使用している。
【0044】一方、基板搬送経路70は、真空容器11
−1と11−2の上部を結ぶように形成され、内部には
基板41を搬送するための手段としてローラコンベヤ等
による基板搬送系71が設けられている。図2には図示
されていないが、基板搬送経路70における第1のイオ
ンプレーティング装置50の入り口側、第1のイオンプ
レーティング装置50と第2のイオンプレーティング装
置60との間、第2のイオンプレーティング装置60の
出口側にはそれぞれ、ゲートバルブが設けられる。
【0045】成膜に際しての動作は、蒸発物質が異なる
だけであり、図1の装置と同じであるので詳しい説明は
省略する。なお、本成膜装置でも、基板がプラスチック
基板である場合には、基板温度は150℃以下にされる
のが好ましい。
【0046】以上、本発明を2つの実施の形態について
説明したが、絶縁膜としては、SiO2 の他に、アルミ
ナAl2 3 、窒化アルミAlN、Si3 4 等の薄膜
の成膜への適用も可能である。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、スパッタリング法では
不可能であった絶縁膜、特にSiO2薄膜の高速成膜が
可能となった。得られたSiO2 膜は緻密でバリア性に
優れ、また非常に平滑でELディスプレイ用に適する。
更には、絶縁膜とITO膜からなる複合膜を、改善され
た表面粗さで提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を適用するイオンプ
レーテイング装置の概略構成を示した図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態による、複合膜成膜
用のイオンプレーテイング装置の概略構成を示した図で
ある。
【図3】本発明が適用されるイオンプレーテイング装置
の構成を示した図である。
【図4】図3に示された主ハースとその周囲に配置され
る補助ハースの内部構造を示した図である。
【符号の説明】
11、11−1、11−2 真空容器 13、13−1、13−2 プラズマビーム発生器 14 陰極 15 ガラス管 18 キャリアガス 19 第1の中間電極 20 第2の中間電極 24 ステアリングコイル 28 主電源 30、30−1、30−2 主ハース 31 補助ハース 35、35−1、35−2 フェライト磁石 36、36−1、36−2 ハースコイル 41 基板 50 第1のイオンプレーティング装置 51、61 排気系 70 基板搬送経路 71 基板搬送系 80 Arガス供給系 90 酸素ガス供給系
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/203 H01L 21/203 Z H05H 1/24 H05H 1/24 Fターム(参考) 2H090 HB03X HC03 JB02 JB03 JD10 4K029 AA09 BA03 BA35 BA44 BA46 BA50 BA58 BB02 BC05 BC09 CA03 DB08 DD02 5F045 AA18 AB32 AB33 AB37 AB40 AD04 AD05 AF07 BB09 CA09 DP05 EH13 5F103 AA02 BB14 BB23 DD27 LL01 RR02

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラズマビーム発生源と、真空容器内に
    配置されプラズマビームの入射面を持つハースとを含
    み、前記ハースの近傍に該ハースの中心軸に対して同心
    的に配置された環状永久磁石により定常磁界を形成し、
    前記ハースの中心軸に対して同心的に配置された電磁コ
    イルにより調整磁界を前記定常磁界に重畳して前記ハー
    スの近傍の磁場を変化させ、前記プラズマビーム発生源
    からのプラズマビームを前記ハースに収容された絶縁膜
    成膜用の蒸発材料に導いて基板上に絶縁膜を成膜するイ
    オンプレーティング法により成膜され、前記蒸発材料と
    して棒状に成形されたものを用い、平均表面粗さ(R
    a)1nm以下を得ることを特徴とするイオンプレーテ
    ィングによる絶縁膜の成膜方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の成膜方法において、前記
    プラズマビームにより前記蒸発材料が蒸発を始めるまで
    の間、前記ハースから不活性ガスを前記蒸発材料の周囲
    に導入するようにしたことを特徴とするイオンプレーテ
    ィングによる絶縁膜の成膜方法。
  3. 【請求項3】 請求項1あるいは2記載の成膜方法にお
    いて、成膜速度を1nm/sec以上とすることを特徴
    とするイオンプレーティングによる絶縁膜の成膜方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の成膜方
    法において、前記基板はプラスチック基板であり、基板
    温度150℃以下で成膜を行うことを特徴とするイオン
    プレーティングによる絶縁膜の成膜方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の成膜方
    法において、前記蒸発材料はSiO2 であり、SiO2
    膜の成膜を行うことを特徴とするイオンプレーティング
    による絶縁膜の成膜方法。
  6. 【請求項6】 第1の成膜を行う第1のイオンプレーテ
    ィング装置と第2の成膜を行う第2のイオンプレーティ
    ング装置との間を基板搬送経路で結び、前記第1のイオ
    ンプレーティング装置では蒸発材料として棒状に成形さ
    れた絶縁材料を用いて、平均表面粗さ(Ra)1nm以
    下の絶縁膜を基板上に成膜し、前記第2のイオンプレー
    ティング装置では蒸発材料として棒状に成形されたIT
    O材料を用いて、前記基板上に形成された絶縁膜上に平
    均表面粗さ(Ra)1nm以下のITO膜を成膜し、前
    記基板搬送経路を通して前記第1のイオンプレーティン
    グ装置から前記第2のイオンプレーティング装置への前
    記基板の移送を行うことにより、前記第1のイオンプレ
    ーティング装置による成膜と前記第2のイオンプレーテ
    ィング装置による成膜とを連続して行うことができるよ
    うにしたことを特徴とするイオンプレーティングによる
    成膜方法。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の成膜方法において、 前記第1のイオンプレーティング装置は、第1のプラズ
    マビーム発生源と、第1の真空容器内に配置されプラズ
    マビームの入射面を持つ第1のハースとを含み、前記第
    1のハースの近傍に該第1のハースの中心軸に対して同
    心的に配置された第1の環状永久磁石により定常磁界を
    形成し、前記第1のハースの中心軸に対して同心的に配
    置された第1の電磁コイルにより調整磁界を前記定常磁
    界に重畳して前記第1のハースの近傍の磁場を変化さ
    せ、前記第1のプラズマビーム発生源からのプラズマビ
    ームを前記第1のハースに収容された前記絶縁膜成膜用
    の蒸発材料に導いて前記基板上に絶縁膜を成膜するもの
    であり、 前記第2のイオンプレーティング装置は、第2のプラズ
    マビーム発生源と、第2の真空容器内に配置されプラズ
    マビームの入射面を持つ第2のハースとを含み、前記第
    2のハースの近傍に該第2のハースの中心軸に対して同
    心的に配置された第2の環状永久磁石により定常磁界を
    形成し、前記第2のハースの中心軸に対して同心的に配
    置された第2の電磁コイルにより調整磁界を前記定常磁
    界に重畳して前記第2のハースの近傍の磁場を変化さ
    せ、前記第2のプラズマビーム発生源からのプラズマビ
    ームを前記第2のハースに収容されたITO膜成膜用の
    蒸発材料に導いて前記基板上に成膜された絶縁膜にIT
    O膜を成膜するものであることを特徴とするイオンプレ
    ーティングによる成膜方法。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の成膜方法において、前記
    第1のイオンプレーティング装置では、プラズマビーム
    により前記蒸発材料が蒸発を始めるまでの間、前記第1
    のハースから不活性ガスを前記蒸発材料の周囲に導入す
    るようにしたことを特徴とするイオンプレーティングに
    よる成膜方法。
  9. 【請求項9】 請求項7あるいは8記載の成膜方法にお
    いて、前記第1、第2のイオンプレーティング装置では
    それぞれ、成膜速度を1nm/sec以上とすることを
    特徴とするイオンプレーティングによる成膜方法。
  10. 【請求項10】 請求項7〜9のいずれかに記載の成膜
    方法において、前記基板はプラスチック基板であり、基
    板温度150℃以下で成膜を行うことを特徴とするイオ
    ンプレーティングによる成膜方法。
  11. 【請求項11】 請求項7〜10のいずれかに記載の成
    膜方法において、前記第1のイオンプレーティング装置
    における前記蒸発材料はSiO2 であり、SiO2 膜の
    成膜を行うことを特徴とするイオンプレーティングによ
    る成膜方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005148582A (ja) * 2003-11-19 2005-06-09 Hoya Corp 液晶表示パネル用防塵基板及び液晶表示パネル
KR100744767B1 (ko) * 2005-06-18 2007-08-01 삼성전자주식회사 가전제품의 도어개폐장치

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