JP2002054653A - 湿式クラッチおよび湿式クラッチ用のクラッチプレート - Google Patents

湿式クラッチおよび湿式クラッチ用のクラッチプレート

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JP2002054653A
JP2002054653A JP2000243849A JP2000243849A JP2002054653A JP 2002054653 A JP2002054653 A JP 2002054653A JP 2000243849 A JP2000243849 A JP 2000243849A JP 2000243849 A JP2000243849 A JP 2000243849A JP 2002054653 A JP2002054653 A JP 2002054653A
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friction
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plate
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Masanori Iritani
昌徳 入谷
Shinkatsu Kuroishi
真且 黒石
Hisashi Watanabe
久志 渡辺
Masataka Osawa
正敬 大沢
Masahiro Kojima
昌洋 小嶋
Hiroaki Takeuchi
博明 武内
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Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
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Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D69/00Friction linings; Attachment thereof; Selection of coacting friction substances or surfaces
    • F16D2069/004Profiled friction surfaces, e.g. grooves, dimples

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  • Mechanical Operated Clutches (AREA)
  • Braking Arrangements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 クラッチプレートの摩擦による発熱を効率的
に冷却する湿式クラッチおよび湿式クラッチ用のクラッ
チプレートを提供する。 【解決手段】 油溝19A,19Bを、熱伝導率が摩擦
材26よりも高いクラッチプレート組立体16側に設け
る。フリクションプレート22のコアプレート24より
も高温となるクラッチプレート組立体の熱は、効率良く
潤滑油へ伝達する。即ち、クラッチプレート組立体にお
けるフリクションプレートに対向する摩擦面18B,2
1Bの温度を有効かつ適切に冷却するので、摩擦面の温
度上昇を抑制できる。また、油溝を従来のように摩擦材
のクラッチプレートに対向する面に形成することなくク
ラッチプレート組立体内に油溝を形成したので、クラッ
チプレート組立体に対する摩擦材の摩擦熱負荷を大きく
でき、摩擦面がフリクションプレートに対して圧接する
際の伝達トルクが向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の自動変速
機などに使用される湿式クラッチおよび湿式クラッチ用
のクラッチプレートに関し、クラッチプレートを流体で
潤滑・冷却させる湿式クラッチおよび湿式クラッチ用の
クラッチプレートに関する。
【0002】
【従来の技術】図6に示すように、自動車の自動変速機
などに使用される湿式多板のクラッチ50では、複数の
クラッチプレート52と,複数のフリクションプレート
54とが交互に配置されている。フリクションプレート
54は、コアプレート56と,コアプレート56を挟む
一対の摩擦材58とのサンドイッチ構造となっている。
なお、クラッチプレート52とフリクションプレート5
4は、出力部材60のスプライン61及び入力部材62
のスプライン63に対応して配置されている。
【0003】摩擦材58には、その摩擦面側に放射状の
油溝59が形成されている(公開実用平成1−1460
18号参照)。そして、図示しないピストンがクラッチ
プレート52を押し付けることにより、クラッチプレー
ト52がフリクションプレート54に圧着し、エンジン
の駆動力がクラッチ50を介して車輪へ伝達される。ま
た、クラッチプレート52がフリクションプレート54
に圧着する際、入力軸回転数と出力軸回転数との違いに
よりクラッチプレート52とフリクションプレート54
は相対すべりを生じる。その時の摩擦によって、回転数
が等しくなり、相対的なすべりがなくなるまでクラッチ
プレート52と摩擦材58は発熱する。
【0004】一方、潤滑油は摩擦材58に形成された油
溝59の内周側から外周側へ向かって流れる(図6の矢
印参照)ので、クラッチプレート52とフリクションプ
レート54は冷却される。
【0005】ここで、摩擦材58の摩擦面に放射状の油
溝59を設けたのは、以下の理由である。湿式クラッチ
50においては、伝達トルクの増大および小型軽量化を
達成する必要があるが、そのために摩擦材58の単位摩
擦面積当たりの発熱量は増大し、摩擦面の温度が上昇す
る傾向にある。
【0006】温度上昇を抑制するため、一般的に、摩擦
材の表面あるいは内部に、油溝を設ける。そして、図6
に示す例では、摩擦材58の摩擦面に油溝59を形成
し、クラッチ50に対する冷却能力を高めている。
【0007】また、図7に示すように、特開平10−1
84721号公報に係るクラッチ70においては、複数
のクラッチプレート72と,複数のフリクションプレー
ト74とが交互に配置されている。フリクションプレー
ト74は、冷却リング76と,冷却リング76を挟む一
対のコアプレート78と,コアプレート78を挟む一対
の摩擦材80とのサンドイッチ構造となっている。
【0008】図8に示すように、冷却リング76には放
射状の油溝77が設けられており、潤滑油が油溝77を
通ることによって冷却リング76の内周側から外周側へ
向かって流れる(図7及び図8の矢印参照)。また、図
7に示すように、摩擦材80には、そのクラッチプレー
ト72に対向する摩擦面に放射状の油溝81が形成され
ている。
【0009】そして、クラッチ操作中に、潤滑油が油溝
77及び81内を流れることによってクラッチプレート
72とフリクションプレート74が冷却される。なお、
その他の構成は、図6の例と同様であるので、同一符号
を付すことによって説明を省略する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図6に示す
従来例では、摩擦材58の油溝59により冷却能力が向
上するが、例えば摩擦材の摩擦面がフラット状の場合
(即ち、上記油溝59を摩擦材58に形成しない場合)
よりも多量の潤滑油が摩擦面上を流れることになる(本
来摩擦面として使用可能な部分が、潤滑油によって摩擦
面として使用不可能な部分となる)。即ち、図6に示す
クラッチ50では、摩擦材58がクラッチプレート52
に対して滑り易くなるので、摩擦材58のクラッチプレ
ート52に対する摩擦特性が低下するという問題が生ず
る。従って、図6に示す従来例では、冷却能力の向上
と,摩擦特性の低下とのバランスを図ることが困難であ
るという問題が生ずる。
【0011】一方、図7に示す従来例では、フリクショ
ンプレート74の冷却リング76に油溝77が設けられ
ているので、摩擦面に発生する熱は摩擦材80を通過し
てコアプレート78へ伝わる。ところで、摩擦材80の
熱伝導率は、クラッチプレート,コアプレートなどに使
用されている鉄系の材料と比較すると、一般的に1/1
00〜1/1000の値よりも小さい。
【0012】即ち、摩擦面から摩擦材80を通過してコ
アプレート78へ伝わる熱は、摩擦面からクラッチプレ
ート72に伝わる熱に比べて非常に小さい。従って、図
7に示す従来例では、冷却リング76に油溝77を設け
ても、摩擦材80の熱伝導率が小さいので、コアプレー
ト78へ熱があまり伝わらずに、潤滑油による冷却効果
が非常に低く、コストの上昇分に対する冷却効果が低い
という問題があった。
【0013】また、図6に示す従来例と同様に、図7に
示す従来例においても、摩擦材80の摩擦面に油溝81
が形成されているので、冷却能力の向上と,摩擦特性の
低下とのバランスを図ることが困難であるという問題が
生ずる。
【0014】さらに、図6及び図7に示す従来例では、
油溝59,77(図8参照),及び81が放射状即ち内
周側から外周側へ向かって一直線上に形成されているの
で、潤滑油が油溝59,77,及び81の内周側を通っ
て外周側へ流出する。そして、図9に示すように、流体
(潤滑油)における物体(摩擦材58,80など)から
流体への熱伝達率は油溝59,77,及び81の内周側
で最も大きく,その内周側から外周側へ流れるにしたが
って漸次的に減少する。一方、潤滑油の温度は潤滑油が
内周側から外周側へ向かって流れるに連れて物体からの
熱を受けて上昇して行く。
【0015】即ち、油溝59,77,及び81の外周側
では、その油溝59,77,及び81を形成する壁面
と,潤滑油との間の熱伝達率と温度差が共に小さくなる
ので、潤滑油への伝達熱量が少なくなる。従って、図6
及び図7に示す従来例では、油溝59,77,及び81
の外周側の摩擦温度が抑制されないという問題点があ
る。
【0016】そこで、本発明は、上記事情を考慮し、ク
ラッチプレートの摩擦による発熱を効率的に冷却する湿
式クラッチおよび湿式クラッチ用のクラッチプレートを
提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
フリクションプレートに対向する摩擦面を有する湿式ク
ラッチ用のクラッチプレート内に、流体が流通する流路
を設けることを特徴とする。また、請求項2に係る発明
は、湿式クラッチ用のクラッチプレートを、複数のプレ
ートを重ね合わせてクラッチプレート組立体として構成
し、前記プレート同士が対向する対向面のうち少なくと
も一面に流体が流通する流路を形成することを特徴とす
る。
【0018】クラッチプレートが発熱する際には、クラ
ッチプレート(以下、請求項2に係るクラッチプレート
組立体を含む)内の流路に供給される流体により、クラ
ッチプレートを効率良く冷却する。
【0019】即ち、請求項1または2に係る発明におい
ては、従来のように断熱的性能を有する摩擦材の内側に
流路を形成するのではなく、流路を熱伝導率が摩擦材よ
りも高いクラッチプレート側に設けたので、効率良く熱
を流体に伝えることができる。
【0020】従って、請求項1または2に係る発明によ
れば、コアプレートよりも高温となるクラッチプレート
の熱が効率良く流体へ伝達するので、クラッチプレート
におけるフリクションプレートに対向する摩擦面の温度
を有効かつ適切に冷却し、摩擦面の温度上昇を抑制でき
る。
【0021】また、請求項3に係る発明においては、前
記流路を、前記流体が前記クラッチプレートの放射方向
及び周方向に流通するように形成したことを特徴とす
る。
【0022】請求項3に係る発明においては、流体がク
ラッチプレートの放射方向及び周方向に流通し分流され
るので、流体の熱伝達率が再び上昇し、従って流体の温
度上昇によるクラッチプレートに対する温度差の低下分
を熱伝達率の向上によって補う。即ち、請求項3に係る
発明によれば、流体の熱伝達率の再上昇によって流体の
温度上昇によるクラッチプレートに対する温度差の低下
分が補われるので、クラッチプレートの内周側及び外周
側の温度上昇を抑制でき、クラッチプレートに対する冷
却能力が高められる。
【0023】なお、請求項1乃至請求項3のいずれか1
項に記載したクラッチプレートを、クラッチプレートと
フリクションプレートとを備えた湿式クラッチのクラッ
チプレートに適用できる。この場合には、フリクション
プレートの摩擦材全面を、クラッチプレートの摩擦面に
密着可能としても良い。
【0024】この場合においては、流路を従来のように
摩擦材のクラッチプレートに対向する面に形成すること
なくクラッチプレート内に流路を形成したので、多量の
流体が摩擦面上を流れることがない。即ち、クラッチプ
レートに対する摩擦材の滑りが防止されるので、摩擦材
のクラッチプレートに対する摩擦特性が向上する。従っ
て、クラッチプレートに対する摩擦材の摩擦熱負荷を大
きくできるので、摩擦面がフリクションプレートに対し
て圧接する際の伝達トルクが向上する。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図1乃至図3に基づいて、
本発明の一実施形態である湿式クラッチについて説明す
る。なお、図1は本実施形態に係る湿式クラッチを備え
た自動変速機の部分断面図、図2は図1の2−2線の断
面図、図3は図2に示す油溝に対する潤滑油における熱
伝達率の推移を示す図である。
【0026】本実施形態に係る自動変速機には、図1に
示すように、湿式クラッチ12が図示しない入力軸の径
方向外側に配置されている。入力シャフト(図示省略)
には入力部材14が固定されており、入力部材14の筒
部15にはスプライン15Aが径方向内側に形成されて
いる。そして、スプライン15Aの径方向内側には、複
数のクラッチプレート組立体16と,複数のフリクショ
ンプレート22とが交互に配置されている。なお、クラ
ッチプレート組立体16及びフリクションプレート22
は、ドーナッツ形状となっている。
【0027】クラッチプレート組立体16は、第1クラ
ッチプレート18及び第2クラッチプレート20を一組
として構成されている。図2に示すように、第1クラッ
チプレート18には、フリクションプレート22に対向
する摩擦面18Bがフラット状に形成されていると共
に、その第2クラッチプレート20に対向する対向面1
8Aに、放射状の油溝19Aが複数本形成されていると
共に、周方向に沿う油溝19Bが1本形成されている。
【0028】油溝19Aは、第1クラッチプレート18
の内周側端縁ら外周側端縁へ抜けるように形成されてい
る。即ち、流体である潤滑油は、第1クラッチプレート
18の内周側から外周側へ通り抜ける(図1及び図2の
矢印参照)。また、油溝19Bは、対向面18Aの全周
に亘って形成されており、そのため油溝19Aの途中を
分断するように油溝19Aに対して交差している。その
ため、対向面18Aには、油溝19A及び19B同士が
交差する分岐・合流部19Cが形成されている。
【0029】一方、第2クラッチプレート20には、そ
の第1クラッチプレート18に対向する対向面21A及
びフリクションプレート22に対向する摩擦面21Bが
フラット状に形成されている。即ち、第2クラッチプレ
ート20の対向面21A及び摩擦面21Bには、図2に
示すような溝が形成されていない。
【0030】ここで、クラッチプレートを2枚一組とす
るクラッチプレート組立体16にしたのは、摩擦熱によ
る温度がフリクションプレート22(コアプレート2
4)側より高温となるクラッチプレート側に油溝19A
及び19Bを設けるためである。なお、クラッチプレー
ト組立体16の外周側即ち第1クラッチプレート18及
び第2クラッチプレート20の外周部には係合爪16A
が複数形成されており、係合爪16Aは筒部15のスプ
ライン15Aに係合する。また、図2に示すように、第
1クラッチプレート18側の係合爪16Aには、油溝1
9Aが形成されている。
【0031】本実施形態では第1クラッチプレート18
側に油溝19A及び19Bを設ける例であるが、油溝1
9A及び19Bは一対のクラッチプレート18及び20
の内、少なくとも一方に形成されていれば良い。即ち、
第2クラッチプレート20の対向面21Aに油溝19A
及び19Bを形成しても良く、さらに第1クラッチプー
ト18及び第2クラッチプレート20の両方に油溝19
A及び19Bを形成しても良い。
【0032】また、本実施形態の第1クラッチプレート
18には周方向に沿う油溝19Bを形成した例である
が、請求項1または2に係る発明では放射状の油溝19
Aのみが形成されている湿式クラッチをも含むものであ
る。さらに、請求項3に係る発明では、油溝19Bの本
数が複数本(例えば、2本以上)であっても良い。
【0033】フリクションプレート22は、コアプレー
ト24と,コアプレート24を挟む一対の摩擦材26と
のサンドイッチ構造となっている。なお、図1に示すよ
うに、コアプレート24には、その内周部に平面形状が
図2に示すような係合爪24Aが複数形成されており、
係合爪24Aは出力部材28のスプライン29に係合す
る。即ち、複数のクラッチプレート組立体16及び複数
のフリクションプレート22は、筒部15のスプライン
15A及び出力部材28のスプライン29に対応するよ
うに配置されている。
【0034】なお、出力部材28は、図示しない出力シ
ャフトに連結されている。そして、出力シャフト(図示
省略)と図示しない入力シャフトとは、同軸上に位置し
ている。また、本実施形態には、潤滑油をクラッチプレ
ート組立体16及びフリクションプレート22の内周側
に供給する従来周知の潤滑油供給手段(ピストン,油路
などを含む)が配置されている。そして、潤滑油供給手
段によって供給される潤滑油は、クラッチプレート組立
体16及びフリクションプレート22の内周側から外周
側へ通り抜ける。さらに、本発明は、本実施形態におけ
る入力側と出力側の構造が逆のもの、すなわち出力部材
28が入力部材となり、入力部材14が出力部材となる
構造の湿式クラッチにも適用される。
【0035】引続き、本実施形態の作用について説明す
る。まず、クラッチプレート組立体16とフリクション
プレート22とが圧接すると、第1クラッチプレート1
8及び第2クラッチプレート20並びに摩擦材26が発
熱する。即ち、クラッチプレート組立体16は、フリク
ションプレート22に対する摩擦によって発熱する。な
お、クラッチプレート18及び20の熱伝導率は、摩擦
材26の熱伝導率よりも大きい。
【0036】一方、本実施形態では、図示しない潤滑油
供給手段によって供給される潤滑油が、第1クラッチプ
レート18の油溝19A及び19Bを介してクラッチプ
レート組立体16の内周側から外周側へ通り抜ける。即
ち、本実施形態においては、従来のように断熱的性能を
有する摩擦材の内側に油溝を形成するのではなく、油溝
19A及び19Bを熱伝導率が摩擦材26よりも高いク
ラッチプレート組立体16側に設けたので、効率良く熱
を潤滑油に伝えることができる。
【0037】従って、本実施形態によれば、コアプレー
ト24よりも高温となるクラッチプレート組立体16の
熱が効率良く潤滑油へ伝達するので、クラッチプレート
組立体16におけるフリクションプレート22に対向す
る摩擦面18B,21Bの温度を有効かつ適切に冷却
し、摩擦面18B,21Bの温度上昇を抑制できる。
【0038】ところで、放射状の油溝19Aのみを形成
した第1クラッチプレート18では熱伝達率が油溝19
Aの内周側から外周側へ流れるにしたがって漸次的に減
少する(図9参照)が、本実施形態では油溝19Aに対
して交差する油溝19Bを形成したので、潤滑油が油溝
19Bを流れることによってクラッチプレート組立体1
6から潤滑油への熱伝達が良好となる。
【0039】即ち、図3に示すように、クラッチプレー
ト組立体16には油溝19Aと油溝19Bとが交差する
分岐・合流部19Cが形成され潤滑油が分岐・合流部1
9Cで分流されるので、ここで潤滑油の流れが乱され潤
滑油の熱伝達率が再び上昇し、従って潤滑油の温度上昇
によるクラッチプレート組立体16に対する温度差の低
下分を熱伝達率の向上によって補う。従って、本実施形
態においては、分岐・合流部19Cでの潤滑油の分流に
よって熱伝達率が大きくなる(流体が物体から熱を奪う
量が多くなる)ので、分岐・合流部19Cから油溝19
Aの外周側へ向かう際の熱をさらに奪うことができる。
【0040】本実施形態によれば、潤滑油の熱伝達率の
再上昇によって潤滑油の温度上昇によるクラッチプレー
ト組立体16に対する温度差の低下分が補われるので、
クラッチプレート組立体16の内周側及び外周側の温度
上昇を抑制でき、クラッチプレート組立体16に対する
冷却能力が高められる。
【0041】また、本実施形態によれば、油溝を従来の
ように摩擦材のクラッチプレートに対向する面に形成す
ることなくクラッチプレート組立体16内に油溝19A
及び19Bを形成したので、多量の潤滑油が摩擦面上を
流れることがない。即ち、本実施形態によれば、クラッ
チプレート組立体16に対する摩擦材26の滑りが防止
されるので、摩擦材26のクラッチプレート組立体16
に対する摩擦特性が向上する。従って、本実施形態によ
れば、クラッチプレート組立体16に対する摩擦材26
の摩擦熱負荷を大きくできるので、摩擦面18B,21
Bがフリクションプレート22に対して圧接する際の伝
達トルクが向上する。
【0042】図4及び図5は図2に示す油溝の変形例で
あり、図4及び図5は所望の角範囲毎に分断するフィン
30を形成した例である。そして、図5の例は、フィン
30の径方向の長さを、図4の例よりも短くしたもので
あると共に、径方向におけるフィン30の間隔を変更し
たものである。即ち、図4では径方向におけるフィン3
0の個数が2個であると共にフィン30の間隔が図5の
場合よりも長いのに対し、図5では径方向におけるフィ
ン30の個数が3個であると共にフィン30の間隔が図
4の場合よりも短いものである。
【0043】なお、図4及び図5において、図2に対応
する部分には同一符号を付してその詳細説明は省略す
る。また、図4及び図5においては、潤滑油の流れを、
矢印で示す。さらに、図4及び図5の例においても、図
1に示す実施形態と同様の作用効果を発揮する。
【0044】なお、本発明における油路は上記各実施形
態に限定されるものではなく、油路の形状,寸法などは
任意に変更できる。また、本実施形態のクラッチプレー
ト組立体16に係るクラッチプレート(18及び20)
を2枚一組とする例であるが、本発明のクラッチプレー
ト組立体に係るクラッチプレートを複数枚例えば3枚以
上としても良い。さらに、請求項1に係る発明は、単体
のクラッチプレート内に流路を形成するものである。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
流路を熱伝導率が摩擦材よりも高いクラッチプレート側
に設けたので、コアプレートよりも高温となるクラッチ
プレートの熱が効率良く流体へ伝達する。即ち、本発明
によれば、クラッチプレートにおけるフリクションプレ
ートに対向する摩擦面の温度を有効かつ適切に冷却する
ので、摩擦面の温度上昇を抑制できる。
【0046】また、本発明によれば、流路を従来のよう
に摩擦材のクラッチプレートに対向する面に形成するこ
となくクラッチプレート内に流路を形成したので、クラ
ッチプレートに対する摩擦材の摩擦熱負荷を大きくで
き、摩擦面がフリクションプレートに対して圧接する際
の伝達トルクが向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る湿式クラッチを備え
た自動変速機の部分断面図である。
【図2】図1の2−2線の断面図である。
【図3】図2に示す油溝に対する潤滑油における熱伝導
率の推移を示す図である。
【図4】図2に示す油路の他の実施形態を示す図であ
る。
【図5】図2に示す油路のさらに他の実施形態を示す図
である。
【図6】従来技術に係る湿式クラッチを備えた自動変速
機の部分断面図である。
【図7】他の従来技術に係る湿式クラッチを備えた自動
変速機の部分断面図である。
【図8】図7の8−8線の断面図である。
【図9】図8に示す油溝に対する潤滑油における熱伝導
率の推移を示す図である。
【符号の説明】
12 湿式クラッチ 16 クラッチプレート組立体 18 第1クラッチ 18B 摩擦面 19A 放射状の油溝 19B 周方向に沿う油溝 19C 分岐・合流部 20 第2クラッチプレート 21B 摩擦面 22 フリクションプレート 24 コアプレート 26 摩擦材 30 フィン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒石 真且 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 渡辺 久志 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 大沢 正敬 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 小嶋 昌洋 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 武内 博明 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3J056 AA60 BA02 BC03 BE13 BE23 CA04 CA07 CA09 GA05 GA12 3J058 AA44 AA53 AA59 AA70 AA77 AA87 BA31 CB23 CB27 CB29 FA29

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フリクションプレートに対向する摩擦面
    を有する湿式クラッチ用のクラッチプレート内に、流体
    が流通する流路を設けることを特徴とする湿式クラッチ
    用のクラッチプレート。
  2. 【請求項2】 湿式クラッチ用のクラッチプレートを、
    複数のプレートを重ね合わせてクラッチプレート組立体
    として構成し、 前記プレート同士が対向する対向面のうち少なくとも一
    面に流体が流通する流路を形成することを特徴とする湿
    式クラッチ用のクラッチプレート。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記流路
    を、前記流体が前記クラッチプレートの放射方向及び周
    方向に流通するように形成したことを特徴とする湿式ク
    ラッチ用のクラッチプレート。
  4. 【請求項4】 クラッチプレートとフリクションプレー
    トとを備えた湿式クラッチにおいて、 前記クラッチプレートを、請求項1乃至請求項3のいず
    れか1項に記載したクラッチプレートとすることを特徴
    とする湿式クラッチ。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記フリクションプ
    レートの摩擦材全面が、前記クラッチプレートの摩擦面
    に密着可能であることを特徴とする湿式クラッチ。
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