JPH09287622A - 多板摩擦係合装置 - Google Patents

多板摩擦係合装置

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JPH09287622A
JPH09287622A JP8098687A JP9868796A JPH09287622A JP H09287622 A JPH09287622 A JP H09287622A JP 8098687 A JP8098687 A JP 8098687A JP 9868796 A JP9868796 A JP 9868796A JP H09287622 A JPH09287622 A JP H09287622A
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JP
Japan
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plate
plates
driven
drive
thermal conductivity
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Application number
JP8098687A
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English (en)
Inventor
Kazutaka Amakata
一貴 天方
Sumio Kiriki
純夫 桐木
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Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Priority to JP8098687A priority Critical patent/JPH09287622A/ja
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  • Mechanical Operated Clutches (AREA)
  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 プレート間の温度を略均一化してヒートスポ
ット及び変速ショックの発生を防止すること 【解決手段】 ドリブンプレート1a,1b,…は、そ
の厚さ寸法がピストン173に近い方から順番に、段階
的に減少するように形成されている。これにより、ピス
トン173に近い高温側のプレートの放熱面積が増大
し、低温側のプレートの放熱面積が減少するため、プレ
ート間の温度差が少なくなってヒートスポット等を防止
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動変速機
等に用いられる多板摩擦係合装置に関し、特に交互に配
設された複数枚のドライブプレート及びドリブンプレー
トの摩擦係合力を利用する多板摩擦係合装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来技術による自動変速機では、例えば
油圧多板クラッチ、フォワードクラッチ、リバースクラ
ッチ、ハイクラッチ、ローアンドリーバスブレーキ等の
複数のドライブプレート及びドリブンプレートを交互に
配設してなる種々の多板摩擦係合装置を利用して変速を
行っている。
【0003】そこで、図15乃至図17によって従来の
多板摩擦係合装置を説明する。
【0004】図15は特開平3−135841号公報に
開示される縦置きトランスアクスル型の駆動系を示し、
この駆動系はトルクコンバータケース100、ディファ
レンシャルケース102の後部にトランスミッションケ
ース104を接合している。また、トランスミッション
ケース104の後部にはトランスファーケース106が
接合されており、トランスミッションケース104の下
部にはオイルパン108が取り付けられている。
【0005】トルクコンバータケース100内に設けら
れたトルクコンバータ110は、ロックアップクラッチ
112を備えており、エンジンのクランク軸(図示せ
ず)に連結されている。そして、このトルクコンバータ
110からの回転力は、入力軸114を介してトランス
ミッションケース104内の自動変速機116に伝達さ
れる。この自動変速機116からの出力軸118は、入
力軸114と同軸上に回転力を出力するもので、この出
力軸118はトランスファーケース106内のセンター
ディファレンシャル装置120に同軸上に連結されてい
る。
【0006】また、トランスミッションケース104の
内部では、フロントドライブ軸122が入力軸114及
び出力軸118に対して平行に配置されている。このフ
ロントドライブ軸122の後端は一対のリダクションギ
ヤ124,126を介してセンターディファレンシャル
装置120に連結されており、フロントドライブ軸12
2の前端はディファレンシャルケース102内のフロン
トディファレンシャル装置128を介して前輪に連結さ
れている。一方、センターディファレンシャル装置12
0からはリヤドライブ軸130に回転力が出力され、こ
のリヤドライブ軸130はプロペラ軸及びリヤディファ
レンシャル装置等を介して後輪に連結されている。
【0007】上記自動変速機116は、フロントプラネ
タリギヤ132,リヤプラネタリギヤ134を有してい
る。これらフロントプラネタリギヤ132,リヤプラネ
タリギヤ134に対して、ハイクラッチ136、リバー
スクラッチ138、ブレーキバンド140、フォワード
クラッチ142、オーバランニングクラッチ144、ロ
ーアンドリバースブレーキ146、各ワンウエイクラッ
チ148,150が設けられている。そして、これらの
各摩擦係合装置を選択的に係合することにより、前進4
段後進1段の変速段を得るようになっている。
【0008】また、自動変速機116の前方には、オイ
ルポンプ152がトルクコンバータ110のインペラス
リーブ110a及びドライブ軸154を連結して常に駆
動するように設けられている。一方、電子油圧制御装置
156は、オイルパン108内に収容されたコントロー
ルバルブボディ等から構成されており、このコントロー
ルバルブボディを介して前記各摩擦係合装置に油圧を給
排することにより、選択的な係合を実現するようになっ
ている。
【0009】センターディファレンシャル装置120
は、出力軸118に接続された第1サンギヤ160と、
リヤドライブ軸130に接続された第2サンギヤ162
と、第1サンギヤ160に噛合する第1ピニオン164
と、第2サンギヤ162に噛合する第2ピニオン166
と、キャリア168とを備えている。そして、このキャ
リア168と第2サンギヤ162との間には、差動制限
を行うための油圧多板クラッチ(LSD)170がセン
ターディファレンシャル装置120に対して並列に配置
されている。この油圧多板クラッチ170によってトル
ク配分制御、差動制限制御が行われるようになってい
る。
【0010】例えば油圧多板クラッチ170、フォワー
ドクラッチ142、リバースクラッチ138、ハイクラ
ッチ136、ローアンドリーバスブレーキ146等の多
板摩擦係合装置は、例えば図16に示す摩擦回転板、即
ち、ドリブンプレート181,182,…、ドライブプ
レート191,192,…を有している。
【0011】ドリブンプレート181,182,…の外
周側には、例えばクラッチドラム等の入力軸に接続され
る部材に形成された溝(図示せず)にスプライン嵌合す
るための突起が複数個設けられている。また、ドライブ
プレート191,192,…の内周側には、例えばクラ
ッチハブ等の出力軸に接続される部材に形成された溝
(図示せず)にスプライン結合するための突起が複数個
設けられている。また、ドライブプレート191,19
2,…の両側面には、フェーシング部材(ライニング)
200が設けられている。
【0012】次に、図17により、多板摩擦係合装置の
一例として、ハイクラッチ136の構造を説明する。
【0013】入力軸114に接続されるクラチッチドラ
ム171の内周側には軸方向に延びる複数のスプライン
溝171aが刻設されており、これらスプライン溝17
1aを介して複数のドリブンプレート181,182,
…がクラッチドラム171にスプライン嵌合されてい
る。一方、フロントプラネタリギヤ132に接続される
クラッチハブ172の外周側にも、複数のスプライン溝
172aが軸方向に刻設されており、これら溝172a
を介して複数のドライブプレート191,192,…が
クラッチハブ172にスプライン嵌合されている。ここ
で、ドリブンプレート181,182,…とドライブプ
レート191,192,…とは、同軸上に1枚ずつ交互
に配設され、それぞれ軸方向に移動可能となっている。
【0014】クラッチドラム171の一端側には、ピス
トン173が軸方向に移動可能に設けられている。ま
た、ピストン173と、クラッチドラム171に固定さ
れたスプリングリテーナ174との間には、周方向に離
間して複数のスプリング175が配設されており、これ
らスプリング175のばね力によってピストン173は
クラッチ開放方向に付勢されている。そして、ピストン
173の背面とクラッチドラム171との間に形成され
た油圧室176内に作動油が供給されると、ピストン1
73はばね力に抗して前進し、プレッシャプレート17
7を介して各ドリブンプレート181,182,…及び
ドライブプレート191,192,…を押圧するように
なっている。
【0015】なお、178は最終段のドリブンプレート
185側に設けられ、スラスト荷重を受承するリテーニ
ングプレート、179はスナップリングである。
【0016】多板クラッチ装置は上述の如き構成を有す
るもので、クラッチドラム171とクラッチハブ172
との間で駆動力の伝達を行う場合には、油圧室176に
作動油を供給する。これにより、ピストン173は他端
側に向けて前進し、プレッシャプレート177を介して
ドリブンプレート181を軸方向に押圧する。そして、
ドリブンプレート181、ドライブプレート191、ド
リブンプレート182、ドライブプレート192、ドリ
ブンプレート183、ドライブプレート193、ドリブ
ンプレート184、ドライブプレート194、ドリブン
プレート185、ドライブプレート195の順に圧接す
ることにより、駆動力の伝達が行われる。
【0017】上記のような従来技術による多板クラッチ
装置では、クラッチを接続するときに、一部のプレート
の温度が他のプレートよりも上昇してしまい、これによ
り、ヒートスポットと称するプレートの焼けを生じるお
それがある。
【0018】要因としては、まず、交互に配設されるド
リブンプレート181,182,…とドライブプレート
191,192,…との間のクリアランス、例えば湿式
クラッチの場合は油膜厚さは、配設場所によってそれぞ
れ異なり、不均一であることが挙げられる。また、ピス
トンの押圧力は専らプレートの片側からのみ作用する。
さらに、プレートの配置姿勢は軸方向に対し必ずしも垂
直でなく、多少の傾きや倒れがあるため、クラッチ接続
時にいわゆるドラッグと称する引きずりが部分的に発生
することがある。
【0019】これらの要因によって、同じプレート間で
あっても、その配設場所によってプレート温度が異な
り、最も高温になり易いピストン173側のプレート、
特にドライブプレート191のフェーシング材を劣化さ
せる可能性がある。
【0020】この温度不均一をプレートの摩擦係合順序
で説明する。まず、クラッチの接続が開始すると、最初
にドリブンプレート181とドライブプレート191と
が圧接し、次に、ドライブプレート191とドリブンプ
レート182、ドリブンプレート182とドライブプレ
ート192,…のように、ピストン173に近い側から
順に圧接していき、最後にドライブプレート195がリ
テーニングプレート178に当接する。従って、一番最
初に圧接したドリブンプレート181とドライブプレー
ト191とは、接触が完了するまで、互いの表面上を滑
らせる状態を続行することになる。つまり、一番最初に
圧接するドリブンプレート181とドライブプレート1
91とでは、初期段階における互いの回転速度差が大き
く、滑り続ける時間が長いため、摩擦による発熱量が大
きくなる。
【0021】従って、相対速度差が大きく発熱量が多い
ほど、プレートの温度は上昇するため、プレート配設位
置に応じてプレート温度はそれぞれ異なり、最も高温と
なるプレートではヒートスポットを生じる可能性があ
る。これにより、高温となるドライブプレート191の
フェーシング材200が熱劣化して、その耐久性が他の
フェーシング材200よりも低下するため、やがて経時
劣化による変速ショックまでも生じるおそれがある。ま
た、プレート間の温度不均一によって、フェーシング材
200間の温度も不均一となるため、フェーシング材2
00の摩擦係数が配設位置によりそれぞれ変化し、動力
伝達の効率も低下する。
【0022】この対策として放熱効率を向上させるた
め、例えば特開平3−140629号公報に記載の先行
技術がある。この先行技術は、熱伝導率の高い金属板の
両面に耐磨耗性及び強度の高い金属を接着してプレート
を製造することにより、放熱性を向上せんとしている。
【0023】さらに、他の先行技術として、例えば特開
平1−30934号公報に記載の技術では、交互に配設
された環状クラッチ板の並列方向中央部に厚い環状のセ
パレータプレートを介装することにより、クラッチハウ
ジング内の放熱を図るようにした技術が開示されてい
る。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記特開平3
−140629号公報に開示される先行技術では、プレ
ート全体としての放熱効率は改善されるが、全プレート
の放熱性を一律に高めるに過ぎないため、各プレート間
の温度不均一及び温度勾配の発生を防止することができ
ない。従って、フェーシング材の摩擦係数の相違を解消
することができず、動力伝達の点で不十分である。しか
も、熱伝導率の高い金属板に強度に優れた金属板を接着
する構造のため、プレートの製造効率も低下して製造コ
ストも増大する。
【0025】また、特開平1−30934号公報に開示
される先行技術では、クラッチパック中央部の放熱性を
改善することができるが、複数枚のプレート間の温度
差、温度勾配を解消することはできないため、フェーシ
ング材の摩擦係数の変化を防止することができない。ま
た、セパレートプレートを追加する分だけ、ピストンス
トロークも増大し、作動の応答性が低下する。一方、ピ
ストンストロークの増大を防止すべくクラッチクリアラ
ンスを少なくした場合には、ドラッグいわゆる引きずり
が発生して伝達効率が低下するおそれがある。
【0026】従って、本発明の目的は、プレート温度の
不均一を解消して信頼性等を向上できるようにした多板
摩擦係合装置を提供することにある。また、本発明の他
の目的は、比較的簡易な構成でプレートの温度分布を均
一にし、変速ショックを低減できるようにした多板摩擦
係合装置を提供することにある。本発明の更なる目的
は、好ましい熱伝導率及び強度の特性を備えたプレート
を容易に得ることができるようにした多板摩擦係合装置
を提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、本
発明に係る多板摩擦係合装置は、それぞれ軸方向に移動
可能に設けられたドライブプレートとドリブンプレート
とを交互に配設してなる多板クラッチ装置において、前
記各ドライブプレートとドリブンプレートのうち少なく
とも一方のプレートの厚さ寸法を、当該プレートが受け
る摩擦熱量が大きくなるに従って大きくなるように設定
したことを特徴とするものであり、この構成によりプレ
ートが受ける摩擦熱量に応じた放熱面積を得ることがで
き、摩擦熱を放熱してプレート同士の温度を略均一にす
ることができる。即ち、摩擦熱量が多いプレートの板厚
を厚くすることにより、放熱面積を大きくし、多くの熱
を発散させて温度を低下させることができ、摩擦熱量の
少ないプレートの板厚を薄くすることにより、過度の放
熱を抑制して必要以上の温度低下を防止することができ
る。従って、高温になり易いプレートの温度が低下する
と共に、低温となり易いプレートの温度が保持されるた
め、全体としてプレート間の温度差を少なくすることが
できる。
【0028】また、具体的には、各ドライブプレートと
ドリブンプレートのうち少なくとも一方のプレートの厚
さ寸法を、当該プレートの配設位置における温度が高く
なるに従って大きくなるように設定することにより、温
度に応じた放熱面積を得ることができる。
【0029】さらに、プレートの接続順序が早いほど相
対回転速度差が大きく、接触時間も長くなって摩擦熱の
発生量は多くなるから、プレートの厚さ寸法をプレート
接続順序に従って減少させることにより、各プレート間
の温度を略一様にすることができる。
【0030】一方、各ドライブプレートとドリブンプレ
ートのうち少なくとも一方のプレートの熱伝導率を、当
該プレートが受ける摩擦熱量が大きくなるに従って大き
くなるように設定することにより、各プレート同士の接
触、即ちフェーシング材と相手側プレートとの接触によ
る摩擦熱を、この摩擦熱の大きさに応じて摩擦接触領域
から排出し、摩擦接触領域の温度を低下させることがで
きる。つまり、摩擦熱の発生量が多いプレートの熱伝導
率を大きくすれば、この大量の摩擦熱を速やかに伝導さ
せて摩擦接触領域の温度を低下させることができ、摩擦
熱の発生量が少ないプレートの熱伝導率を小さくすれ
ば、比較的低温となるプレートを保温することができ
る。
【0031】具体的には、プレートの熱伝導率を、プレ
ート配設位置における温度またはプレート接続順序に従
って設定することにより、上記と同様に、プレート間の
温度差を少なくすることができる。
【0032】さらに、各ドライブプレートとドリブンプ
レートのうち少なくとも一方のプレートを銅を含浸して
なる鉄系焼結材から形成すれば、機械的強度を鉄系焼結
材で確保しつつ熱伝導性を銅の含浸量によって調節する
ことができ、特性の自由度を高めて好ましい強度及び熱
伝導率を得ることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、多板クラッチ装置を例に図
によって本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、
以下の各実施の形態では、上記従来技術と同一の構成部
に同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0034】まず、図1は、本発明の第1の実施の形態
に係る多板クラッチ装置の要部を拡大して示す断面図で
あって、このクラッチ装置は、図17と共に述べた従来
技術と同様に、クラッチドラム171、クラッチハブ1
72、ピストン173等を備えた摩擦式の多板クラッチ
として構成されている。
【0035】クラッチドラム171の内周側にスプライ
ン嵌合された複数枚のドリブンプレート1a,1b,…
は、ピストン173に近い方から順に、その厚さ寸法t
1a,t1b,…が段階的に減少するようにして形成さ
れている。そして、これら各ドリブンプレート1a,1
b,…のスラスト荷重を受けとめるリテーニングプレー
ト2の厚さ寸法は、最終段の最も薄いドリブンプレート
1eの厚さ寸法t1eと略等しくなっている。
【0036】一方、クラッチハブ172の外周側にスプ
ライン嵌合された複数枚のドライブプレート3a,3
b,…は、それぞれ両面側にフェーシング材4が張設さ
れており、各ドリブンプレート1a,1b,…及びリテ
ーニングプレート2の間にクリアランスを有して挿入さ
れている。
【0037】ここで、ドリブンプレート1a,1b,…
の厚さ寸法t1a,t1b、…についてより具体的に説
明する。まず、厚さ寸法t1a,t1b,…は、ピスト
ン173側に近く、発生する摩擦熱量が多くなるほど値
が大となるように、即ち、t1a>t1b>t1c>t
1d>t1eの関係をもって設定されている。また、ド
リブンプレート1a,1b,…の合計厚さ寸法Σt(1
a,1b,…)は、従来技術によるドリブンプレート1
81,182,…の合計厚さ寸法Σt(181,18
2,…)と等しくなるように設定されている。つまり、
例えばピストン173から遠く離れたドリブンプレート
1d,1eで減じた厚み分を、ピストン173に近いド
リブンプレート1a,1bに配分することにより、全体
の厚さ寸法を変化させることなく、徐々にプレート間で
厚さ寸法を減少せしめている。
【0038】なお、ここで、プレート接続順序とは、ド
リブンプレート1a,1b,…とドライブプレート3
a,3b,…とが接続されていく順序を意味し、具体的
には、図1中に示す如く、ドリブンプレート1aとドラ
イブプレート3a、ドライブプレート3aとドリブンプ
レート1b、ドリブンプレート1bとドライブプレート
3b,…の順序を示す。そして、このプレート接続順序
が早いほど、即ち初期段階におけるドリブンプレート1
aとドライブプレート3aのように、相対回転速度差が
大いほど、摩擦熱に変換される運動エネルギーが大きい
ため、そのプレート温度が高くなり易いのである。
【0039】このように構成される本実施の形態によれ
ば、ドリブンプレート1a,1b,…の厚さ寸法を、プ
レートが受ける摩擦熱量が大きくなるに従って大きくな
るように設定することから、摩擦熱の大きくなり易いプ
レート、例えば、特にドリブンプレート1a,1bの放
熱面積を増して温度上昇を抑制する一方、摩擦熱の少な
いプレート、例えば、特にドリブンプレート1d,1e
の放熱面積を小さくして過度の温度低下を防止できる。
より詳しくは、ドライブプレート3aの両面に接合され
たフェーシング材4とドリブンプレート1a,1bとが
摩擦接触する場合、プレート接続順位が早いため、多量
の摩擦熱が発生するが、この摩擦熱は放熱面積を増した
各ドリブンプレート1a,1bに伝導して、該各ドリブ
ンプレート1a,1bから放散されるため、プレートと
フェーシング材との摩擦接触部分の温度上昇を抑制する
ことができる。従って、接続されるべき各プレート間に
生じる温度勾配を少なくしてプレート温度の均一化を図
ることができ、いわゆるヒートスポットの発生を防止し
て、信頼性、耐久性、伝達効率の向上を達成することが
できる。
【0040】また、各ドリブンプレート1a,1b,…
の厚さ寸法を変化させることにより、プレート配置場所
に応じた放熱効果を得るという簡易な構成であるから、
既存のクラッチ装置のプレートを本発明のプレート1
a,1b,…に置き換えるだけで、温度不均一を防止す
ることができる。また、各プレート1a,1b,…の全
体の厚さ寸法Σtに変化はないため、プレートクリアラ
ンスが減少してドラッグを生じたり、あるいはピストン
ストロークの増大による応答性の低下を招くおそれもな
く、容易に本実施の形態のプレート1a,1b,…に交
換することができる。
【0041】実に、プレート温度の略均一化が得られ、
フェーシング材4の耐久性を向上でき、かつ実働状態に
おけるフェーシング材4の摩擦係数のばらつきを少なく
して、変速ショックが経時的に増大するのを防止するこ
とができる。
【0042】次に、図2により、本発明の第2の実施の
形態を説明する。
【0043】即ち、本クラッチ装置の各ドリブンプレー
ト11a,11b,…は、従来技術で述べたドリブンプ
レート181,182,…と同様に、全て外形寸法、厚
み寸法が等しく形成されており、リテーニングプレート
12によってスラスト荷重が受承される。
【0044】一方、ドライブプレート13a,13b,
…は、ピストン173側から順に、段階的にその厚さ寸
法t13a,t13b,…が減少するように形成されて
いる。また、各ドライブプレート13a,13b,…の
両面にはフェーシング材14が張設されている。ここ
で、各ドライブプレート13a,13b…の厚さ寸法t
13a,t13b,…は、t13a>t13b>t13
c>t13d>t13eの関係を有し、その合計厚さ寸
法Σtは、従来技術によるドライブプレート191,1
92,…の合計厚さ寸法Σtと等しくなっている。
【0045】このように構成される本実施例でも、相対
回転速度差が大きく、摩擦熱の発生量が多くなり易いプ
レートほど放熱性を高めることができるため、上述した
第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0046】次に、図3により本発明の第3の実施の形
態について説明する。
【0047】即ち、本クラッチ装置のドリブンプレート
21a,21b,…は、第1の実施の形態で述べたと同
様に、ピストン173に近い方から順に、その厚さ寸法
t21a,t21b,…が段階的に減少するようにして
形成されており、リテーニングプレート22によってス
ラスト荷重が受け止められる。
【0048】一方、ドライブプレート23a,23b,
…も、第2の実施の形態で述べたと同様に、ピストン1
73に近い方から順に、その厚さ寸法t23a,t23
b,…が段階的に減少するようにして形成されており、
その両面側にはフェーシング材24が設けられている。
【0049】このように構成される本実施例でも、高温
側のプレートの放熱を促進しつつ低温側のプレートを保
温できるため、前記各実施の形態と同様の効果を得るこ
とができる。これに加えて、本実施の形態では、ドリブ
ンプレート21a,21b,…のみならず、各ドライブ
プレート23a,23b,…も、その厚さ寸法を段階的
に小さくする構成であるから、より一層、高温側のプレ
ート即ちプレートとフェーシング材24との摩擦接触部
分の温度を低下させることができ、プレート間の温度差
を少なくすることができる。なお、本実施の形態でも、
各プレート21a,21b,…,23a,23b,…の
それぞれの合計厚さ寸法は、従来技術による合計厚さ寸
法と等しい。
【0050】次に、図4及び図5により本発明の第4の
実施の形態を説明する。本実施の形態の特徴は、高温に
なり易いピストン側に位置するプレートの熱伝導率を高
く設定されている。
【0051】即ち、本クラッチ装置のドリブンプレート
31a,31b,…は、外形寸法自体は等しいが、図5
の熱伝導率特性図に示す如く、ピストン173に近い方
のプレート31a,31bの熱伝導率が最も高く、最終
段のプレート31eの熱伝導率が最も低く、これらの中
間に位置するプレート31c,31dの熱伝導率が略中
間の値となるように設定されている。そして、各ドリブ
ンプレート31a,31b,…は、リテーニングプレー
ト32によってスラスト荷重が受承されるようになって
いる。このリテーニングプレート32の熱伝導率は、最
終段のドリブンプレート31eの熱伝導率と等しく設定
してもよい。
【0052】ここで、熱伝導率の高低はプレート材質の
選択によって行われる。例えば、熱伝導率の高い材料と
しては、アルミニウム系材料、銅系材料等があり、中間
の熱伝導率を有する材料としては、炭素鋼等の鉄鋼材料
等があり、熱伝導率の低い材料としては、ステンレス
鋼、ケイ素鋼材料及び樹脂材料等がある。摩擦板として
要求される基本的仕様即ち摩擦係数、強度及び耐熱性等
を考慮しつつ、これらの材料を単独であるいは複合して
用いることにより、所望の熱伝導率を有するプレートを
板金プレス成形または焼結等の種々の手段で製造するこ
とができる。
【0053】一方、各ドライブプレート33a,33
b,…は、従来技術と同様に、その外形寸法及び熱伝導
率が等しく設定されており、その両面にはフェーシング
材34が張設されている。
【0054】このように構成される本実施の形態でも、
高温側のプレート31a,31bの熱伝導率を大きく
し、低温側プレートの熱伝導率を小さくするため、高温
側プレートの温度上昇を抑制しつつ低温側プレートの過
度の温度低下を防止することができるため、プレート間
の温度を略均一化してヒートスポット等の発生を防止す
ることができ、前記各実施の形態と同様の効果を得るこ
とができる。
【0055】次に、図6により本発明の第5の実施の形
態を説明する。
【0056】本クラッチ装置のドリブンプレート41
a,41b,…は、従来技術と同様、その外形寸法及び
熱伝導率が等しく設定されており、リテーニングプレー
ト42によってスラスト荷重が受承されるようになって
いる。
【0057】一方、ドライブプレート43a,43b,
…は、前記第4の実施の形態におけるドリブンプレート
31a,31b,…と同様に、ピストン173に近い方
から順に、その熱伝導率が段階的に小さくなるように、
例えば図5に示す特性をもって設定されている。
【0058】このように構成される本実施の形態でも、
高温側のプレート温度を低下させつつ低温側のプレート
温度を保持できるため、第4の実施の形態と同様の効果
を得ることができる。
【0059】次に、図7により本発明の第6の実施の形
態を説明する。
【0060】本クラッチ装置のドリブンプレート51
a,51b,…は、前記第4の実施の形態で述べたドリ
ブンプレート31a,31b,…と同様に、ピストン1
73側から順に熱伝導率が小さくなるように設定され、
リテーニングプレート52によってスラスト荷重が受承
されるようになっている。
【0061】一方、ドライブプレート53a,53b,
…は、前記第5の実施の形態で述べたドライブプレート
43a,43b,…と同様に、ピストン173に近い方
から順に熱伝導率が小さくなるように設定されており、
その両面側にはフェーシング材54が設けられている。
【0062】このように構成される本実施例でも、高温
側のプレート温度を低下させつつ低温側のプレート温度
を保持できるため、前記各実施の形態と同様の効果を得
ることができる。特に、本実施の形態では、ドリブンプ
レート51a,51b,…、ドライブプレート53a,
53b,…の両方の熱伝導率を摩擦熱量に応じて設定し
ているため、より一層プレート間の温度差を少なくする
ことができる。
【0063】次に、図8により本発明の第7の実施の形
態を説明する。本実施の形態は、プレート厚さ寸法と熱
伝導率の両方を発生摩擦熱量に応じて設定した点にあ
る。
【0064】即ち、本クラッチ装置のドリブンプレート
61a,61b,…は、ピストン173に近い方から順
に、その厚さ寸法t61a,t61b,…が段階的に小
さくなっていると共に、その熱伝導率も例えば図5に示
す特性をもって段階的に低下するように設定されてい
る。各ドリブンプレート61a,61b,…のスラスト
荷重を受承するリテーニングプレート62の厚さ寸法及
び熱伝導率は最終段のドリブンプレート61eと等しく
設定してもよい。
【0065】一方、ドライブプレート63a,63b,
…は、従来技術と同様に、その外形寸法及び熱伝導率が
等しく設定されており、その両面側にはフェーシング材
64が張設されている。
【0066】このように構成される本実施の形態でも、
上述した各実施の形態と同様の効果を得ることができ
る。特に、本実施の形態では、ドリブンプレート61
a,61b,…について、厚さ寸法及び熱伝導率の両方
を段階的に小さくする構成のため、厚さ寸法または熱伝
導率のいずれか一方のみで温度差を解消する場合より
も、一層効果的に温度を均一化することができる。換言
すれば、厚さ寸法、熱伝導率のそれぞれの調整範囲を少
なくしても、相乗効果として温度差を均一化できるた
め、設計の自由度を高めることができる。
【0067】次に、図9,図10により本発明の第8の
実施の形態について説明する。本実施の形態は、焼結材
に含浸させる銅の量によって熱伝導率を調整することを
特徴としている。
【0068】即ち、本クラッチ装置のドリブンプレート
71a,71b,…は、例えば強度に優れた鉄系焼結材
に熱伝導性の良い銅を所望量だけ含浸させることにより
形成され、リテーニングプレート72によってスラスト
荷重が受け止められるようになっている。具体的には、
図10の拡大説明図に示す如く、各ドリブンプレート7
1a,71b,…は、鉄系の焼結材から等しい外形寸法
を有して形成された基板部75と、この基板部75の空
孔に含浸された銅からなる添加物76とから構成されて
いる。そして、ピストン173に近い方から順に銅の含
浸率が段階的に少なくなるように設定されており、これ
によって例えば図5に示す熱伝導率特性を実現してい
る。
【0069】一方、ドライブプレート73a,73b,
…は、従来技術と同様に、外形寸法及び熱伝導率が等し
く形成されており、その両面側にはフェーシング材74
が張設されている。
【0070】このように構成される本実施の形態でも、
高温側のプレート温度を低下させつつ低温側のプレート
温度を保持できるため、前記各実施の形態と同様に、プ
レート間の温度差を少なくしてヒートスポットの発生等
を防止できる。
【0071】これに加えて本実施の形態では、焼結材か
らなる基板部75に銅からなる添加物76を含浸させる
ことにより、熱伝導率を段階的に調整する構成であるた
め、銅の含浸率を調整するだけで必要な熱伝導率を容易
に得ることができ、製造効率を高めて製造コストを低減
することができる。
【0072】次に、図11により本発明の第9の実施の
形態を説明する。
【0073】本クラッチ装置のドリブンプレート81
a,81b,…は、前記第8の実施の形態同様、強度に
優れた鉄系焼結材に熱伝導性の良い銅を含浸させて構成
されている。ここで、各ドリブンプレート81a,81
b,…における銅の含浸率及び外形寸法は等しく設定さ
れている。また、各ドリブンプレート81a,81b,
…のスラスト荷重を受承するリテーニングプレート82
も各ドリブンプレート81a,81b,…と同様に形成
してもよい。
【0074】一方、ドライブプレート83a,83b,
…は、その外形寸法及び熱伝導率の双方が等しく設定さ
れており、その両面側にはフェーシング材84が張設さ
れている。
【0075】このように構成される本実施例では、強度
の高い鉄系焼結合金の空孔内に熱伝導率の高い銅を含浸
させてドリブンプレート81a,81b,…を形成する
構成のため、プレート間の温度差を解消する効果に乏し
いが、2種類の金属板を張り合わせる特開平3−140
629号公報に記載の先行技術に比較して、数種類の金
属板を単に張り合わせるのではなく、鉄系焼結材の空孔
に銅を含浸させることによりドリブンプレートを形成す
る構成のため、簡易な構造で高い強度と熱伝導率を容易
に得ることができる。
【0076】また、従来品のドリブンプレートと外形寸
法上の差異がないため、本実施の形態のドリブンプレー
ト81a,81b,…に交換するだけで、フェーシング
材84の表面における摩擦熱を速やかに放散させて耐久
性等を向上できる。
【0077】更に、銅の含浸量を調整するだけで熱伝導
率を可変に設定できるため、設計の自由度が高く、種々
の仕様に容易に対応することができる。
【0078】なお、上述した各実施の形態では、プレー
ト接続順序の初期側の2枚のプレートを高熱伝導率に、
接続終期のプレートを低熱伝導率に、中間の2枚のプレ
ートを中位の熱伝導率に、それぞれ設定する場合を例示
したが、本発明はこれに限らず、種々の変形が可能であ
る。
【0079】例えば、変形例として、図12に示す如
く、ピストン173側に近い最初のドリブンプレート8
1a、81bの1枚または2枚のみを高い熱伝導率に設
定し、残りのプレートを通常の熱伝導率に設定してもよ
い。この場合でも、プレート接続順序の早いプレートで
発生する多量の摩擦熱を放熱することにより、プレート
間の温度差を少なくすることができる。
【0080】また、他の変形例として、図13に示す如
く、ピストン173側から順にドリブンプレート81
a、81b‥‥に従って1枚ずつ熱伝導率を段階的、ス
テップ状に低下させる構成でもよい。
【0081】さらに、他の変形例として、図14に示す
如く、ピストン173側に近い順にドリブンプレート8
1a、81b‥‥に移行するに従って熱伝導率を略直線
的に低下させるようにしてもよい。例えば、熱伝導率が
少しずつ異なる多数の薄板を積層化してプレートを形成
してもよいし、プレートの一側面から他側面に向かうに
つれて銅の含浸率を傾斜させるようにしてもよい。
【0082】なお、前記各実施の形態では、多板摩擦係
合装置としてハイクラッチ136に適用する場合を例示
したが、これに限らず、例えばフォワードクラッチ、リ
バースクラッチ、油圧多板クラッチ、ローアンドリーバ
スブレーキ等の他の多板クラッチ装置及び多板ブレーキ
装置にも適用することができる。
【0083】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明に係る多板摩
擦係合装置によれば、摩擦熱量に応じてプレートの厚さ
寸法を設定するため、高温側のプレートの放熱を促進し
て温度を低下させることができ、低温側のプレート温度
を保持できる。この結果、プレート間の温度を略均一化
して、ヒートスポットの発生等を防止することができ
る。
【0084】また、摩擦熱量に応じてプレートの熱伝導
率を設定するため、外形寸法の変更を伴わずにプレート
間の温度差を少なくすることができる。更に、プレート
間温度の略均一化によりフェーシング材の実働状態での
摩擦係数のばらつきが抑えられるので、耐久性が向上し
て経時的に安定した変速特性を保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態が適用される多板ク
ラッチ装置の要部を拡大して示す断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態が適用される多板ク
ラッチ装置の要部を拡大して示す断面図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態が適用される多板ク
ラッチ装置の要部を拡大して示す断面図である。
【図4】本発明の第4の実施の形態が適用される多板ク
ラッチ装置の要部を拡大して示す断面図である。
【図5】プレート配設位置と熱伝導率との関係を示す特
性図である。
【図6】本発明の第5の実施の形態が適用される多板ク
ラッチ装置の要部を拡大して示す断面図である。
【図7】本発明の第6の実施の形態が適用される多板ク
ラッチ装置の要部を拡大して示す断面図である。
【図8】本発明の第7の実施の形態が適用される多板ク
ラッチ装置の要部を拡大して示す断面図である。
【図9】本発明の第8の実施の形態が適用される多板ク
ラッチ装置の要部を拡大して示す断面図である。
【図10】図9中の要部を拡大して示す説明図である。
【図11】本発明の第9の実施の形態が適用される多板
クラッチ装置の要部を拡大して示す断面図である。
【図12】本発明の第1の変形例にかかるプレート配設
位置と熱伝導率との関係を示す特性図である。
【図13】本発明の第2の変形例にかかるプレート配設
位置と熱伝導率との関係を示す特性図である。
【図14】本発明の第3の変形例にかかるプレート配設
位置と熱伝導率との関係を示す特性図である。
【図15】従来技術による多板クラッチ装置が適用され
る縦置き配置の自動変速機のスケルトン図である。
【図16】ドリブンプレート及びドライブプレートの外
観図である。
【図17】従来技術による多板クラッチ装置の要部を拡
大して示す断面図である。
【符号の説明】
1a,1b,… ドリブンプレート 3a,3b,… ドライブプレート 11a,11b,… ドリブンプレート 13a,13b,… ドライブプレート 21a,21b,… ドリブンプレート 23a,23b,… ドライブプレート 31a,31b,… ドリブンプレート 33a,33b,… ドライブプレート 41a,41b,… ドリブンプレート 43a,43b,… ドライブプレート 51a,51b,… ドリブンプレート 53a,53b,… ドライブプレート 61a,61b,… ドリブンプレート 63a,63b,… ドライブプレート 71a,71b,… ドリブンプレート 73a,73b,… ドライブプレート 81a,81b,… ドリブンプレート 83a,83b,… ドライブプレート 171 クラッチドラム 172 クラッチハブ 173 ピストン

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ軸方向に移動可能に設けられた
    ドライブプレートとドリブンプレートとを交互に配設し
    てなる多板摩擦係合装置において、 前記各ドライブプレートとドリブンプレートのうち少な
    くとも一方のプレートの厚さ寸法を、当該プレートが受
    ける摩擦熱量が大きくなるに従って大きくなるように設
    定したことを特徴とする多板摩擦係合装置。
  2. 【請求項2】 それぞれ軸方向に移動可能に設けられた
    ドライブプレートとドリブンプレートとを交互に配設し
    てなる多板摩擦係合装置において、 前記各ドライブプレートとドリブンプレートのうち少な
    くとも一方のプレートの厚さ寸法を、当該プレートの配
    設位置における温度が高くなるに従って大きくなるよう
    に設定したことを特徴とする多板摩擦係合装置。
  3. 【請求項3】 それぞれ軸方向に移動可能に設けられた
    ドライブプレートとドリブンプレートとを交互に配設し
    てなる多板摩擦係合装置において、 前記各ドライブプレートとドリブンプレートのうち少な
    くとも一方のプレートの厚さ寸法を、プレート接続順序
    に従って減少させたことを特徴とする多板摩擦係合装
    置。
  4. 【請求項4】 それぞれ軸方向に移動可能に設けられた
    ドライブプレートとドリブンプレートとを交互に配設し
    てなる多板摩擦係合装置において、 前記各ドライブプレートとドリブンプレートのうち少な
    くとも一方のプレートの熱伝導率を、当該プレートが受
    ける摩擦熱量が大きくなるに従って大きくなるように設
    定したことを特徴とする多板摩擦係合装置。
  5. 【請求項5】 それぞれ軸方向に移動可能に設けられた
    ドライブプレートとドリブンプレートとを交互に配設し
    てなる多板摩擦係合装置において、 前記各ドライブプレートとドリブンプレートのうち少な
    くとも一方のプレートの熱伝導率を、当該プレートの配
    設位置における温度が高くなるに従って大きくなるよう
    に設定したことを特徴とする多板摩擦係合装置。
  6. 【請求項6】 それぞれ軸方向に移動可能に設けられた
    ドライブプレートとドリブンプレートとを交互に配設し
    てなる多板摩擦係合装置において、 前記各ドライブプレートとドリブンプレートのうち少な
    くとも一方のプレートの熱伝導率を、プレート接続順序
    に従って減少させたことを特徴とする多板摩擦係合装
    置。
  7. 【請求項7】 前記少なくとも一方のプレートが銅を含
    浸してなる焼結材により形成し、銅の含浸率を調整する
    ことにより前記熱伝導率を設定する請求項4〜6のいず
    れか1つに記載の多板摩擦係合装置。
  8. 【請求項8】 それぞれ軸方向に移動可能に設けられた
    ドライブプレートとドリブンプレートとを交互に配設し
    てなる多板摩擦係合装置において、 前記各ドライブプレートとドリブンプレートのうち少な
    くとも一方のプレートが、銅を含浸してなる鉄系焼結材
    により形成したことを特徴とする多板摩擦係合装置。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030095028A (ko) * 2002-06-11 2003-12-18 현대자동차주식회사 자동변속기차량용 클러치의 디스크셋
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