JP2002053856A - 退色防止剤及び該退色防止剤を含有する光情報記録媒体 - Google Patents

退色防止剤及び該退色防止剤を含有する光情報記録媒体

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JP2002053856A
JP2002053856A JP2000236831A JP2000236831A JP2002053856A JP 2002053856 A JP2002053856 A JP 2002053856A JP 2000236831 A JP2000236831 A JP 2000236831A JP 2000236831 A JP2000236831 A JP 2000236831A JP 2002053856 A JP2002053856 A JP 2002053856A
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靖之 北山
Masaaki Ikeda
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Abstract

(57)【要約】 【課題】退色防止能が優れた退色防止剤及び、記録再生
特性、保存安定性の向上が可能な光記録媒体の開発。 【解決手段】下記式(1) 【化1】 (式(1)において環A、B及びCは1から4個の置換
基を有してもよく、R1からR6は炭素数1から20の置
換基を表す。)で表される構造を有する退色防止剤及び
該退色防止剤を含有することを特徴とする光情報記録媒
体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は色素の退色防止剤及
び光情報記録媒体に関するものであって、特に繰り返し
再生における耐久性及び耐光性を向上させる化合物を含
有する書き込み可能な追記型の光情報記録媒体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、昇華転写、繊維、紙用等に広く用
いられる有機色素においては、その構造によって光や熱
などによって退色するという問題があった。そのような
問題に対して紫外線吸収剤や一重項酸素クエンチャーを
添加するという方法がとられている。特に有機色素を含
有する光記録媒体、特に1回のみ記録可能なCD−R、
DVD−R等光ディスク及び光カード等に利用する色素
として、シアニン系色素等の有機色素が種々提案されて
いるが、一般に、熱および光に対して、物質が変化しや
すい等の原因から記録再生特性および保存安定性が低下
するという問題があった。この様な問題の解決手段とし
て、すでに特公平6−26028、特開平1−9988
5等に記載の如く、アミニウム塩、ジイモニウム塩等を
添加することが知られているが、耐光性が十分でなく、
そのさらなる改善が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこの様な状況
に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、従来の
アミニウム塩、ジイモニウム塩等の赤外線吸収剤を添加
したものよりも優れた退色防止能を有する退色防止剤、
特に光記録媒体において耐光性、繰り返し耐久性があ
り、記録及び再生特性が向上した光記録媒体を提供する
ことにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記したよ
うな課題を解決すべく鋭意努力した結果、本発明を完成
した。すなわち本発明は、(1)下記式(1)
【0005】
【化2】
【0006】(式(1)において環A、B及びCは1か
ら4個の有機の置換基を有してもよく、R1からR6は炭
素数1から20の有機の置換基を表す。)で表される化
合物からなることを特徴とする退色防止剤、(2)基板
上に直接または下引き層を介して記録層を設けた光記録
媒体において、有機色素記録層に(1)記載の退色防止
剤を含有することを特徴とする光情報記録媒体、(3)
環A、B及びCの置換基がそれぞれ独立に、水素原子、
ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリールオ
キシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アルキル
置換アミノ基、アミド基、スルホンアミド基、シアノ
基、ニトロ基またはカルボキシル基である(2)に記載
の光情報記録媒体、(4)R1からR6がそれぞれ独立
に、置換もしくは未置換のアルキル基、シクロアルキル
基、アリル基、アリール基またはアラルキル基である
(2)または(3)のいずれか一項に記載の光情報記録
媒体、(5)R1からR6がそれぞれ独立に、無置換のア
ルキル基、シアノ置換アルキル基、アルコキシ置換アル
キル基、アリル基またはカルボキシル置換アルキル基で
ある(4)に記載の光情報記録媒体、(6)R1からR6
がシアノ置換アルキル基又はアルキル置換アルキル基で
ある(5)に記載の光情報記録媒体、(7)(1)記載
の化合物と該化合物の酸化体を同時に含有することを特
徴とする(2)ないし(6)のいずれか一項に記載の光
情報記録媒体、(8)有機色素記録層上に金属反射層お
よび保護層を有し、該金属反射層が金、銀およびアルミ
ニウムのうちのいずれかを主成分とし、該保護層が紫外
線硬化型樹脂からなることを特徴とする(2)ないし
(7)のいずれか一項に記載の光情報記録媒体、に関す
る。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の退色防止剤は一般式
(1)で表される化合物であることを特徴とする。特に
光情報記録媒体において有機色素記録層中に本発明の退
色防止剤を含有させることを特徴とする。退色防止を目
的として本発明の化合物を添加し、改良を行う有機色素
としては特に制限はなく、例えば写真用、インクジェッ
ト用及び昇華転写用等の画像形成用色素、繊維用染料及
び樹脂着色剤等に利用できる。
【0008】式(1)における環A、B及びCの置換基
において、ハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、
塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。環
A、B及びCの置換基においてアルコキシ基としては、
例えばメトキシ基、エトキシ基等が挙げられ、炭素数1
〜6が好ましい。アリールオキシ基は、置換基を有して
いてもよい。置換基の例にはハロゲン原子(例、F、C
l、Br)が挙げられる。アルコキシカルボニル基とし
ては、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニ
ル基が挙げられる。アルキル置換アミノ基としては、例
えばメチルアミノ基が挙げられる。アミド基としては、
例えばアセトアミド基が挙げられる。スルホンアミド基
としては、例えばメタンスルホンアミドが挙げられる。
【0009】R1〜R6における置換基は、それぞれ同じ
であっても異なっていても良い。このようなアルキル基
の炭素数は、1から20であることが好ましく、1から
12であることが更に好ましく、1から8であることが
更に好ましい。
【0010】環A、B及びCの置換基及びR1〜R6にお
けるアルキル基としては例えばメチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基、ペンチル基等が挙げられる。アル
キル部分は直鎖状でもあるいは分岐鎖状のいずれでもよ
い。また置換基を有していてもよい。有していてもよい
置換基としては、例えばハロゲン原子(例、F、Cl、
Br)、ヒドロキシ基、アルコキシ基(例、メトキシ
基、エトキシ基、イソブトキシ基など)、アルコキシア
ルコキシ基(例、メトキシエトキシ基など)、アリール
オキシ基(例、フェノキシ基など)、アシルオキシ基
(例、アセチルオキシ基、ブチリルオキシ基、ヘキシリ
ルオキシ基、ベンゾイルオキシ基など)、アルキル置換
アミノ基(例、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基な
ど)、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、スルホ基
が挙げられる。
【0011】シクロアルキル基としては、例えばシクロ
ペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。アリ
ール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基などが
挙げられる。アリール基は、置換基を有していてもよ
い。置換基の例には炭素数1から8のアルキル基(例、
メチル基、エチル基、ブチル基など)、炭素数1から6
のアルコキシ基(例、メトキシ基、エトキシ基など)、
アリールオキシ基(例、フェノキシ基、p−クロロフェ
ノキシ基など)、ハロゲン原子(例、F、Cl、B
r)、アルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニ
ル基、エトキシカルボニル基など)、アミノ基、アルキ
ル置換アミノ基(例、メチルアミノ基など)、アミド基
(例、アセトアミド基など)、スルホンアミド基(例、
メタンスルホンアミド基など)、シアノ基、ニトロ基、
カルボキシル基、スルホ基などが挙げられる。このよう
なアリール基の炭素数は6から12であることが好まし
い。
【0012】R1からR6の置換基で特に好ましいものは
無置換のアルキル基、シアノ置換アルキル基、アルコキ
シ置換アルキル基、アリル基またはカルボキシル置換ア
ルキル基であり、それぞれ同じであっても異なっていて
も良い。無置換のアルキル基としては、例えばメチル
基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−
ブチル基、sec−ブチル基、ter−ブチル基、ペン
チル基、ヘキシル基、ヘプチル基等の(C1〜C8)ア
ルキル基などが挙げられる。シアノ置換アルキル基とし
ては、例えばシアノメチル基、2−シアノエチル基、3
−シアノプロピル基、2−シアノプロピル基、4−シア
ノブチル基、3−シアノブチル基、2−シアノブチル
基、5−シアノペンチル基、4−シアノペンチル基、3
−シアノペンチル基、2−シアノペンチル基等のシアノ
置換(C1〜C6)アルキル基などが挙げられる。アル
コキシ置換アルキル基としては、例えばメトキシエチル
基、エトキシエチル基、3−メトキシプロピル基、3−
エトキシプロピル基、4−メトキシブチル基、4−エト
キシブチル基、5−エトキシペンチル基、5−メトキシ
ペンチル基等のアルコキシ置換(C1〜C6)アルキル
基などが挙げられる。カルボキシル置換アルキル基とし
ては、例えばカルボキシメチル基、2−カルボキシエチ
ル基、3−カルボキシプロピル基、2−カルボキシプロ
ピル基、4−カルボキシブチル基、5−カルボキシペン
チル基等のカルボキシ置換(C1〜C6)アルキル基な
どが挙げられる。
【0013】これら置換基の好ましい組み合わせとして
は例えば、環A、B及びCが無置換である場合、R1か
らR6が全て同一のアルキル基であるか、またはR1から
R6が全て同一のシアノ置換アルキル基であるか、R1か
らR6がアリル基である組み合わせが好ましい。環A、
B及びCがハロゲン原子で全て置換された場合、R1か
らR6が全て同一のアルキル基である組み合わせが好ま
しい
【0014】次に、本発明の一般式(1)で示される化
合物の具体例を表1〜3に示す。また、A、B及びCが
無置換の場合は「4H」と表す。表1〜3中、cy−C
6H12はシクロヘキシル環を表し、R1〜R6が全て
n−ブチル基である場合には「3(n−C4H9,n−C
4H9)」と、またR1〜R6のうち、例えば1つがn−
ブチル基で残りがメトキシエチル基である場合には「2
(CH2CH2OCH3,CH2CH2OCH3)(CH2C
H2OCH3,n−C4H9)」等と簡略して表記する。
【0015】 表1 NO. A B C (R1,R2)(R3,R4)(R5,R6) 1 4H 4H 4H 3(n-C4H9,n-C4H9) 2 4H 4H 4H 3(n-C3H7,n-C3H7) 3 4H 4H 4H 3(CH2CH2CH2CN,CH2CH2CH2CN) 4 4H 4H 4H 3(C2H40CH3,C2H4OCH3) 5 4H 4H 4H 3(CH2CH=CH2,CH2CH=CH2) 6 4H 4H 4H 3(n-C3H6COOH,n-C3H6COOH) 7 4H 4H 4H 3(CH2CH2CN,CH2CH2CN) 8 4H 4H 4H 3(CH2CH2CH2CH2CN,CH2CH2CH2CH2CN) 9 4H 4H 4H 3(n-C3H6NO2,n-C3H6NO2) 10 4H 4H 4H 3(n-CH2CF3,n-CH2CF3) 11 4H 4H 4H 3(n-C8H17,n-C8H17) 12 4H 4H 4H 3(cy-C6H12,cy-C6H12)
【0016】 表2 NO. A B C (R1,R2)(R3,R4)(R5,R6) 13 4H 4H 4H 3(iso-C3H7,iso-C3H7) 14 4H 4H 4H 2(C2H40CH3,C2H40CH3)(C2H40CH3,n-C4H9) 15 4H 4H 4H 2(n-C4H9,n-C4H9)(n-C4H9,C2H40CH3) 16 4H 4H 4H 2(n-C4H9,n-C4H9)(n-C4H9,CH2CH2CH2CN) 17 4H 4H 4H 2(CH2CH2CH2CN,CH2CH2CH2CN)(CH2CH2CH2CN,n-C4H9) 18 4H 4H 4H 2(n-C4H9,n-C4H9)(n-C4H9,CH2CH=CH2) 19 4H 4H 4H 2(n-C4H9,n-C4H9)(n-C4H9,CH2CH2CH2CH2CN) 20 4H 4H 4H 2(n-C3H7,n-C3H7)(n-C3H7,C2H40CH3) 21 Cl Cl Cl 3(n-C4H9, n-C4H9) 22 Cl Cl Cl 3(CH2CH2CH2CN,CH2CH2CH2CN) 23 Cl Cl Cl 3(C2H40CH3, C2H40CH3) 24 Cl Cl Cl 3(CH2CH=CH2, CH2CH=CH2)
【0017】 表3 NO. A B C (R1,R2)(R3,R4)(R5,R6) 25 Cl Cl Cl 3(n-C3H6COOH, n-C3H6COOH) 26 Cl Cl Cl 2(C2H40CH3, C2H40CH3)(C2H40CH3,n-C4H9) 27 Br Br Br 3(n-C4H9, n-C4H9) 28 Br Br Br 3(C2H40CH3, C2H40CH3) 29 CH3 CH3 CH3 3(n-C4H9,n-C4H9) 30 CH3 CH3 CH3 3(CH2CH2CH2CN,CH2CH2CH2CN) 31 CH3O CH3O CH3O 3(n-C4H9, n-C4H9) 32 CN CN CN 3(n-C4H9, n-C4H9) 33 CN CN CN 3(C2H40CH3, C2H40CH3) 34 CN CN CN 3(CH2CH2CH2CN,CH2CH2CH2CN) 35 4H 4H CN 3(C2H40CH3, C2H40CH3) 36 4H 4H CH3 3(CH2CH2CH2CN,CH2CH2CH2CN) 37 4H 4H OH 3(n-C4H9, n-C4H9) 38 OH OH OH 3(C2H40CH3, C2H40CH3) 39 CH3O CH3O CH3O 3(CH2CH2CH2CN,CH2CH2CH2CN)
【0018】本発明の一般式(1)で表される化合物
は、例えば次の様な方法で得ることができる。N,N,N
−トリス(ニトロフェニル)アミンを還元する方法(例
えば特開平6−256754号公報に記載された方法)
で得られる下記式(2)
【0019】
【化3】
【0020】で表されるアミノ体を、有機溶媒中、好ま
しくはDMF,DMI,NMP等の水溶性極性溶媒中、
30〜160℃、好ましくは50〜140℃で置換基に
対応するハロゲン化された試薬(例えば、R1がC4H9
のときはC4H9Cl)と反応させ全置換体を得ることが
できる。又全置換体以外の化合物を合成する場合(例え
ばNo.16の化合物)には、先に所定のモル数の試薬
(5モルのC4H9Cl)と反応させた後、ハロゲン化
された残りのモル数対応する試薬(1モルのClC3H
6CN)と反応させ一般式(1)の化合物を得る。
【0021】本発明の光記録媒体は、基板上に記録層を
有するもので、該記録層は上記の一般式(1)の化合物
を含有することを特徴とする。一般式(1)の化合物
を、有機色素により情報が記録される光記録媒体の記録
層に含有させることによって、該光記録媒体の耐光性を
向上させることができる。
【0022】一般式(1)の化合物からなる退色防止剤
を有機色素に対して単独で添加してもよいが、一般式
(1)の化合物の二酸化体である下記式(3)
【0023】
【化4】
【0024】(Xは陰イオンであり、環A、B及びC、
R1からR6は前記と同じ。)で表される化合物、又は一
酸化体である下記式(4)
【0025】
【化5】
【0026】(Xは陰イオンであり、環A、B及びC、
R1からR6は前記と同じ。)で表される化合物を同時
に、例えば式(1)の化合物1重両部に対し二酸化体及
び/又は一酸化体0.2〜3重量部を同時に存在させて
も良い。又、その時の一般式(1)の化合物と酸化体と
の置換基は同じであっても、異なっていても良い。同一
の置換基の場合は、対応する酸化体を製造する時に
(1)と酸化体との含有物として得、記録媒体に適応し
ても良い。この様な酸化体を含有することにより溶解性
の改良が出来、取り扱い易くなり応用範囲が広くなるこ
とが期待できる。
【0027】一般式(1)の化合物の二酸化体である上
記式(3)及び一酸化体である上記式(4)の化合物は
例えば次の様な方法で得ることができる。式(1)の化
合物を、有機溶媒中、好ましくはDMF、DMI、NM
P等の水溶性極性溶媒中、0〜100℃、好ましくは5
〜70℃で対応する銀塩を2モル等量分添加して、酸化
することにより、一般式(3)で表される二酸化体が得
られる。この時添加する銀化合物を1モル等量添加する
と一般式(4)で表される一酸化体を得る事ができる。
また、式(1)の化合物を硝酸銀、過塩素酸銀、塩化第
二銅等の酸化剤で酸化し、その反応液に、所望のアニオ
ンの酸もしくは塩を添加して塩交換を行う方法によって
も一般式(3)及び(4)で表される酸化体を合成する
ことが出来る。一般式(3)及び(4)におけるXは1
価の陰イオンである。陰イオンとしては、特に制限はな
いが例えば塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン等の
ハロゲンイオン、メタンスルホン酸イオン、トルエンス
ルホン酸イオン、クロロベンゼンスルホン酸イオン、ト
リフルオロメタンスルホン酸イオン等の有機スルホン酸
イオン、メチル硫酸イオン等の有機硫酸イオン、ヘキサ
フルオロアンチモン酸イオン、過塩素酸イオン、過ヨウ
素酸イオン、硝酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオ
ン、ヘキサフルオロリン酸イオン、、リン酸イオン、ホ
ウ酸イオン等があげられ、好ましいものとしては、例え
ば過塩素酸イオン、ヨウ素イオン、テトラフルオロホウ
酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、ヘキサフルオ
ロアンチモン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸
イオン、トルエンスルホン酸イオン等が挙げられる。
【0028】光記録媒体として、一般式(1)の化合物
(退色防止剤)は光記録媒体に通常用いられる有機色素
と併用することができる。このような有機色素として
は、一般的に知られている色素、例えばシアニン系色
素、スクワリリウム系色素、インドアニリン系色素、フ
タロシアニン系色素、アゾ系色素、メロシアニン系色
素、ポリメチン系色素、ナフトキノン系色素、ピリリウ
ム系色素等が挙げられる。
【0029】これら有機色素1モルに対して、一般式
(1)の化合物は、一般的に0.01〜10モル、好ま
しくは0.03〜3モル使用される。
【0030】本発明の光記録媒体は、基板上に一般式
(1)の化合物及び所望により色素を含有する記録層を
設けたもので、必要に応じ、反射層、保護層が設けられ
る。基板としては既知のものを任意に使用することが出
来る。例えば、ガラス板、金属板又はプラスチック板も
しくはフィルムがあげられ、これらを製造するためのプ
ラスチックとしてはアクリル樹脂、ポリカーボネート樹
脂、メタクリル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリイミド樹
脂、非晶質ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポ
リプロピレン樹脂等があげられる。基板の形状について
は、ディスク状、カード状、シート状、ロールフィルム
状等種々のものがあげられる。
【0031】ガラスまたはプラスチック基板上には記録
時のトラッキングを容易にするために案内溝を形成させ
てもよい。また、ガラスまたはプラスチック基板にはプ
ラスチックバインダーまたは無機酸化物、無機硫化物等
の下引き層を設けてもよく、下引層は基板より熱伝導率
の低いものが好ましい。
【0032】本発明における記録層は、例えば、一般式
(1)で表される化合物と他の有機色素を公知の有機溶
剤、例えばテトラフルオロプロパノール(TFP)、オ
クタフルオロペンタノール(OFP)、ダイアセトンア
ルコール、メタノール、エタノール、ブタノール、メチ
ルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジクロロエタン、イ
ソホロン、シクロヘキサノン等に溶解し、必要に応じ
て、適当なバインダーを加え、その溶液をスピンコータ
ー、バーコーター、ロールコーター等により基板上に塗
布することにより得ることが出来る。その他の方法とし
ては、真空蒸着法、スパッタリング法、ドクターブレー
ド法、キャスト法もしくは基板を溶液中に漬けるディッ
ピング法によっても得ることができる。
【0033】記録層の膜厚は、記録感度や反射率を考慮
すると、好ましくは0.01μm〜5μm、より好まし
くは0.02μm〜3μmである。
【0034】本発明の光情報記録媒体には、必要により
記録層の下に下引層を、また記録層上に保護層を設ける
ことが出来、さらに記録層と保護層の間に反射層を設け
ることが出来る。反射層を設ける場合、反射層は金、
銀、銅、アルミニウム等、好ましくは金、銀、もしくは
アルミニウムの金属で構成され、これらの金属は単独で
使用してもよく、2種以上の合金としてもよい。このも
のは真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティ
ング法等で成膜される。このような反射層の厚さは、
0.02〜2μmである。反射層の上に設けられること
のある保護層は、一般に、紫外線硬化樹脂をスピンコー
ト法により塗装した後、紫外線を照射し、塗膜を硬化さ
せて形成されるものである。その他、エポキシ樹脂、ア
クリル樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等も保護膜
の形成材料に用いられる。このような保護膜の厚さは、
通常、0.01〜100μmである。
【0035】本発明の光記録媒体における情報の記録、
あるいは画像の形成はレーザー、例えば、半導体レーザ
ー、ヘリウム−ネオンレーザー、He−Cdレーザー、
YAGレーザー、Arレーザー等の集光したスポット状
の高エネルギービームを基板を通して、もしくは基板と
反対側から記録層に照射することにより行われ、情報あ
るいは画像の読み出しは、低出力のレーザービームを照
射することにより、ピット部とピットが形成されていな
い部分の反射光量もしくは透過光量の差を検出すること
により行われる。
【0036】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明が、これらの実施例に限定されるもの
ではない。尚、実施例中、部は特に特定しない限り重量
部を表す。
【0037】合成例1 DMF5部中にN,N,N−トリス(アミノフェニル)
アミン0.6部、炭酸カリウム2.9部、4−ブロモブ
チロニトリル2.6部を加え、100℃で3時間、13
0℃で1時間反応する。冷却後、液濾過し、この反応液
にメタノール10部を加え、5℃以下で1時間撹拌す
る。生成した結晶を濾過し、メタノールで洗浄した後、
乾燥し薄茶色結晶のNo.3化合物0.5部を得た。融
点 97〜108℃(DSC)
【0038】その他の化合物例についても上記合成例1
と同様に対応する試薬とフェニレンジアミンを反応させ
ることにより、合成できる。
【0039】合成例2(酸化体含有物の合成) DMF5部中にNo.3の化合物0.3部を65℃で溶
解させ、DMF17部中に予め溶解させた六フッ化アン
チモン酸銀0.11部(No.3の化合物に対して0.
7等量)を加え、65〜70℃で30分反応させる。こ
の反応液を液濾過し、水15部を加え析出した結晶を濾
別した。水5部で洗浄後、乾燥し、No.3の化合物:
トリス{p−ジ(シアノプロピル)アミノフェニル}ア
ミニウムの六フッ化アンチモン酸塩=3:7で一酸化体
を含有する化合物0.3部を得た。 λmax:940nm(アセトン)
【0040】その他の酸化体含有物についても上記合成
例2と同様に対応するフェニレンジアミンに酸化体を合
成する為に必要な酸化剤を任意の割合で反応させること
により、任意の割合の含有物を合成できる。
【0041】実施例1(記録媒体例) 前記合成例1で得られたNo.1の化合物0.02部と
シアニン色素(OM−57、富士写真フィルム社製)
0.10部をテトラフルオロプロパノール10部に溶解
し、0.2μmのフィルターを通過させて塗布液を得
た。この溶液5mlをグルーブ付5インチポリカーボネ
ート樹脂基板上にピペットにて滴下し、スピンコーター
にて塗布、乾燥し、有機薄膜記録層を形成した。塗布膜
の最大吸収波長は719nmであった。得られた塗布膜
に金をスッパッタリング法で製膜し、反射層として、光
記録媒体を作製した。得られた光記録媒体をCD−R用
記録再生機で評価したところ、記録、再生が可能であっ
た。
【0042】実施例2(記録媒体例) 前記合成例2で得られた酸化含有物0.02部とシアニ
ン色素(OM−57、富士写真フィルム社製)0.10
部をテトラフルオロプロパノール10部に溶解し、0.
2μmのフィルターを通過させて塗布液を得た。この溶
液5mlをグルーブ付5インチポリカーボネート樹脂基
板上にピペットにて滴下し、スピンコーターにて塗布、
乾燥し、有機薄膜記録層を形成した。塗布膜の最大吸収
波長は720nmであった。得られた塗布膜に金をスッ
パッタリング法で製膜し、反射層として、光記録媒体を
作製した。得られた光記録媒体をCD−R用記録再生機
で評価したところ、記録、再生が可能であった。
【0043】実験例1(耐光安定性試験) テトラフルオロプロパノール100部にシアニン色素
(OM−57)3部を溶解し、その溶液に前記合成例で
得られたNo.1の化合物(試料1)0.4部を添加
し、塗液を作成した。得られた塗液をポリカーボネート
基板にでスピンコートし、色素膜を作成した。得られた
色素膜をスガ試験機製紫外線ロングライフカーボンアー
ク耐光試験機(ブラックパネル温度63℃)に入れ、基
板側から光を照射し、10時間、20時間、40時間で
耐光安定性試験を行った。その後、シアニン色素の残存
率を分光光度計にて測定した。結果を表4に示す。な
お、No.1化合物の代わりにトリス{p−ジ(シアノ
プロピル)アミノフェニル}イモニウムの六フッ化アン
チモン酸塩(比較試料1)を用いた以外は同様にして色
素膜を作成し、評価し、結果を表4に示した。
【0044】 表4(耐光安定性試験) シアニン色素の残存率(%) 初期 10h後 20h後 40h後 試料1 100 70 64 46 比較試料1 100 65 37 0 シアニン色素 100 0
【0045】
【発明の効果】本発明の退色防止剤は例えば写真用、イ
ンクジェット用及び昇華転写用等の画像形成用色素、繊
維用染料及び樹脂着色剤等に添加することによって、有
機色素の退色を防止することが出来る。特に該退色防止
剤を含有する光情報記録媒体は、従来のジイモニウム等
の赤外線吸収色素を用いた場合に比べて、有機色素の耐
光性を大幅に向上することができる。例えば光記録媒体
の記録層に当たる有機色素薄膜に特定の化合物を含有し
た本発明の光記録媒体は、繰り返し再生における耐久性
及び耐光安定性を著しく向上される。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(1) 【化1】 (式(1)において環A、B及びCは1から4個の有機
    の置換基を有してもよく、R1からR6は炭素数1から2
    0の有機の置換基を表す。)で表される化合物からなる
    ことを特徴とする退色防止剤。
  2. 【請求項2】基板上に直接または下引き層を介して有機
    色素記録層を設けた光記録媒体において、有機色素記録
    層に請求項1記載の退色防止剤を含有することを特徴と
    する光情報記録媒体。
  3. 【請求項3】環A、B及びCの置換基がそれぞれ独立
    に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ
    基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アミ
    ノ基、アルキル置換アミノ基、アミド基、スルホンアミ
    ド基、シアノ基、ニトロ基またはカルボキシル基である
    請求項2に記載の光情報記録媒体。
  4. 【請求項4】R1からR6がそれぞれ独立に、置換もしく
    は未置換の、アルキル基、シクロアルキル基、アリル
    基、アリール基またはアラルキル基である請求項2また
    は3のいずれか一項に記載の光情報記録媒体。
  5. 【請求項5】R1からR6がそれぞれ独立に、無置換のア
    ルキル基、シアノ置換アルキル基、アルコキシ置換アル
    キル基、アリル基、カルボキシル置換アルキル基である
    請求項4に記載の光情報記録媒体。
  6. 【請求項6】R1からR6がシアノ置換アルキル基又はア
    ルコキシ置換アルキル基である請求項5に記載の光情報
    記録媒体。
  7. 【請求項7】請求項1記載の化合物と該化合物の酸化体
    を同時に含有することを特徴とする請求項2ないし6の
    いずれか一項に記載の光情報記録媒体。
  8. 【請求項8】有機色素記録層上に金属反射層および保護
    層を有し、該金属反射層が金、銀およびアルミニウムの
    うちのいずれかを主成分とし、該保護層が紫外線硬化型
    樹脂からなることを特徴とする請求項2ないし7のいず
    れか一項に記載の光情報記録媒体。
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