JP2002053638A - 新規ポリウレタンおよびその製造方法 - Google Patents

新規ポリウレタンおよびその製造方法

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JP2002053638A
JP2002053638A JP2000240234A JP2000240234A JP2002053638A JP 2002053638 A JP2002053638 A JP 2002053638A JP 2000240234 A JP2000240234 A JP 2000240234A JP 2000240234 A JP2000240234 A JP 2000240234A JP 2002053638 A JP2002053638 A JP 2002053638A
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polyol
repeating unit
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JP2000240234A
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Takashi Sato
孝志 佐藤
Hirotaka Takoshi
宏孝 田越
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】機械的強度が強く、熱安定性の高い環構造を繰
り返し単位を主鎖に有し、両末端に水酸基が導入された
ポリオール化合物をジオール残基として導入された新規
なポリウレタン化合物を提供すること。 【解決手段】特定の環構造を繰り返し単位として有する
次式で例示されるポリオール化合物とポリイソシアネー
ト化合物とを重付加反応することで得られるポリウレタ
ン化合物。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規なポリウレタン
に関するものであり、更に詳しくはジオール残基として
特定の環構造を繰り返し単位として有するポリオールと
ポリイソシアネートから製造される耐熱性、機械的強度
に優れた新規なポリウレタンおよび、その製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリウレタンは一般にポリオール化合物
とポリイソシアネート化合物との重付加反応によって製
造される。ここで得られるポリウレタン化合物は、硬
質、または軟質ウレタンフォーム、RIM(反応射出成
形法)材料、エラストマー、塗料、コーティング剤、バ
インダー、接着剤などに使用されている。
【0003】この様なポリウレタン化合物用のポリオー
ル化合物の一つとしてポリマーポリオールがあり、ポリ
エチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどの
ポリエーテルポリオール、ポリエチレンアジペートなど
のポリエステルポリオール、ポリヘキサメチレンカーボ
ネートなどのポリカーボネートポリオール、ポリブタジ
エンポリオール水添物などが知られていた。しかし、ポ
リエーテルポリオールは吸水性が高く、機械的強度が低
い、ポリエステルポリオールやポリカーボネートポリオ
ールは加水分解性が高い、ポリブタジエンポリオール水
添物は合成上の制約から90%程度しか両末端に官能基
が付いていない、機械的強度もまだ不十分など従来のポ
リマーポリオールには種々の問題点があった。そこで、
両末端に確実に水酸基が導入され、耐水性、熱安定性が
高く、機械的強度の強いポリマーポリオールを用いたポ
リウレタンが求められていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は機械的強度が
強く、熱安定性の高い環構造を繰り返し単位として主鎖
に有し、両末端に水酸基が導入されたポリオール化合物
をジオール残基として導入された新規なポリウレタンを
提供すること、およびそのポリウレタンの製造方法を提
供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題に
ついて鋭意検討した結果、ジオール残基として特定の脂
環構造または複素環構造を有するポリオールとポリイソ
シアネート化合物とを重付加反応することで得られるポ
リウレタンが上記の課題を解決することを見出し、本発
明に至った。即ち、本発明は以下の(1)〜(28)に
示されるポリウレタン化合物およびその製造方法に関す
る。
【0006】(1)両末端にそれぞれ独立に一般式
(I) −CH2−(CH2m−OH、−CH2−(CH2n−OH (I) 〔m、nは独立に0〜5の整数を表す〕で示される構造
を有し、その間を構成する繰り返し単位の少なくとも一
種類が一般式(II)
【化5】 (II) 〔式中、R1〜R8は独立にハロゲン原子、水素原子、置
換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基
(R1〜R8のうち2つ以上が連結し環を形成してもよ
い。)、シアノ基、水酸基、アルコキシル基、アルコキ
シカルボニル基、アシル基、ホルミル基、カルボキシル
基(2個のカルボキシル基から酸無水物を形成してもよ
い。)またはシリル基を表す。〕で示される環構造であ
るポリオール(a)を少なくとも1種含むポリオール化
合物とポリイソシアネート化合物との重付加反応により
得られるポリウレタン。
【0007】(2)ポリオール(a)の少なくとも1種
が両末端にそれぞれ独立に一般式(I)で示される構造
を有し、その間が一般式(II)で示される環構造の繰
り返し単位と炭素数4〜12のアルキレン基の繰り返し
単位から成る化合物であることを特徴とする(1)に記
載のポリウレタン。
【0008】(3)ポリオール化合物の内、ポリオール
(a)の割合が5〜100モル%である(1)または
(2)に記載のポリウレタン。
【0009】(4)一般式(II)で示される繰り返し
単位のR1〜R8がそれぞれ独立に水素原子または炭素数
1〜20の炭化水素基(R1〜R8のうち2つ以上が連結
し環を形成してもよい。)である(1)〜(3)のいず
れかに記載のポリウレタン。
【0010】(5)一般式(II)で示される繰り返し
単位のR1〜R8が水素原子である(1)〜(3)のいず
れかに記載のポリウレタン。
【0011】(6)一般式(II)で示される繰り返し
単位のR1〜R4、R6〜R8が水素原子であり、R5がエ
チル基である(1)〜(3)のいずれかに記載のポリウ
レタン。
【0012】(7)両末端にそれぞれ独立に一般式(I
II) =CH−(CH2m−OH、=CH−(CH2n−OH (III) 〔m、nは独立に0〜5の整数を表す〕で示される構造
を有し、その間を構成する繰り返し単位の少なくとも一
種類が一般式(IV)
【化6】 (IV) 〔式中、R9〜R16は独立にハロゲン原子、水素原子、
置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基
(R11とR12、R13とR14はそれぞれの組で独立に、合
わせてアルキリデン基でもよく、R9〜R16のうち2つ
以上が連結し環を形成してもよい。)、シアノ基、水酸
基、アルコキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル
基、ホルミル基、カルボキシル基(2個のカルボキシル
基から酸無水物を形成してもよい。)またはシリル基を
表す。〕で示される環構造であるポリオール(b)を少
なくとも1種含むポリオール化合物とポリイソシアネー
ト化合物との重付加反応により得られるポリウレタン。
【0013】(8)ポリオール(b)の少なくとも1種
が両末端にそれぞれ独立に一般式(III)で示される
構造を有し、その間が一般式(IV)で示される環構造
の繰り返し単位と炭素数4〜12の炭化水素の繰り返し
単位から成る化合物であることを特徴とする(7)に記
載のポリウレタン。
【0014】(9)ポリオール化合物の内、ポリオール
(b)の割合が5〜100モル%である(7)または
(8)に記載のポリウレタン。
【0015】(10)一般式(IV)で示される繰り返
し単位のR9〜R16がそれぞれ独立に水素原子または炭
素数1〜20の炭化水素基(R11とR12、R13とR14
それぞれの組で独立に、合わせてアルキリデン基でもよ
く、R9〜R16のうち2つ以上が連結し環を形成しても
よい。)である(7)〜(9)のいずれかに記載のポリ
ウレタン。
【0016】(11)一般式(IV)で示される繰り返
し単位のR9〜R16が水素原子である(7)〜(9)の
いずれかに記載のポリウレタン。
【0017】(12)一般式(IV)で示される繰り返
し単位のR9〜R12、R15〜R16が水素原子であり、R
13とR14が両方を併せてエチリデン基である(7)〜
(9)のいずれかに記載のポリウレタン。
【0018】(13)両末端にそれぞれ独立に一般式
(I) −CH2−(CH2m−OH、−CH2−(CH2n−OH (I) 〔m、nは独立に0〜5の整数を表す〕で示される構造
を有し、その間を構成する繰り返し単位の少なくとも一
種類が一般式(II)
【化7】 (II) 〔式中、R1〜R8は独立にハロゲン原子、水素原子、置
換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基
(R1〜R8のうち2つ以上が連結し環を形成してもよ
い。)、シアノ基、水酸基、アルコキシル基、アルコキ
シカルボニル基、アシル基、ホルミル基、カルボキシル
基(2個のカルボキシル基から酸無水物を形成してもよ
い。)またはシリル基を表す。〕で示される環構造であ
るポリオール(a)を少なくとも1種含むポリオール化
合物とポリイソシアネート化合物とを重付加反応させる
ことを特徴とするポリウレタンの製造方法。
【0019】(14)ポリオール(a)の少なくとも1
種が両末端にそれぞれ独立に一般式(I)で示される構
造を有し、その間が一般式(II)で示される環構造の
繰り返し単位と炭素数4〜12のアルキレン基の繰り返
し単位から成る化合物であることを特徴とする(13)
に記載のポリウレタンの製造方法。
【0020】(15)ポリオール化合物の内、ポリオー
ル(a)の割合が5〜100モル%である(13)また
は(14)に記載のポリウレタンの製造方法。
【0021】(16)一般式(II)で示される繰り返
し単位のR1〜R8がそれぞれ独立に水素原子または炭素
数1〜20の炭化水素基(R1〜R8のうち2つ以上が連
結し環を形成してもよい。)である(13)〜(15)
のいずれかに記載のポリウレタンの製造方法。
【0022】(17)一般式(II)で示される繰り返
し単位のR1〜R8が水素原子である(13)〜(15)
のいずれかに記載のポリウレタンの製造方法。
【0023】(18)一般式(II)で示される繰り返
し単位のR1〜R4、R6〜R8が水素原子であり、R5
エチル基である(13)〜(15)のいずれかに記載の
ポリウレタンの製造方法。
【0024】(19)両末端にそれぞれ独立に一般式
(III) =CH−(CH2m−OH、=CH−(CH2n−OH (III) 〔m、nは独立に0〜5の整数を表す〕で示される構造
を有し、その間を構成する繰り返し単位の少なくとも一
種類が一般式(IV)
【化8】 (IV) 〔式中、R9〜R16は独立にハロゲン原子、水素原子、
置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基
(R11とR12、R13とR14はそれぞれの組で独立に、合
わせてアルキリデン基でもよく、R9〜R16のうち2つ
以上が連結し環を形成してもよい。)、シアノ基、水酸
基、アルコキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル
基、ホルミル基、カルボキシル基(2個のカルボキシル
基から酸無水物を形成してもよい。)またはシリル基を
表す。〕で示される環構造であるポリオール(b)を少
なくとも1種含むポリオール化合物とポリイソシアネー
ト化合物とを重付加させることを特徴とするポリウレタ
ンの製造方法。
【0025】(20)ポリオール(b)の少なくとも1
種が両末端にそれぞれ独立に一般式(III)で示され
る構造を有し、その間が一般式(IV)で示される環構
造の繰り返し単位と炭素数4〜12の炭化水素の繰り返
し単位から成る化合物であることを特徴とする(19)
に記載のポリウレタンの製造方法。
【0026】(21)ポリオール化合物の内、ポリオー
ル(b)の割合が5〜100モル%である(19)また
は(20)に記載のポリウレタンの製造方法。
【0027】(22)一般式(IV)で示される繰り返
し単位のR9〜R16がそれぞれ独立に水素原子または炭
素数1〜20の炭化水素基(R11とR12、R13とR14
それぞれの組で独立に、合わせてアルキリデン基でもよ
く、R9〜R16のうち2つ以上が連結し環を形成しても
よい。)である(19)〜(21)のいずれかに記載の
ポリウレタンの製造方法。
【0028】(23)一般式(IV)で示される繰り返
し単位のR9〜R16が水素原子である(19)〜(2
1)のいずれかに記載のポリウレタンの製造方法。
【0029】(24)一般式(IV)で示される繰り返
し単位のR9〜R12、R15〜R16が水素原子であり、R
13とR14が両方を併せてエチリデン基である(19)〜
(21)のいずれかに記載のポリウレタンの製造方法。
【0030】(25)(1)〜(6)のいずれかに記載
のポリオール(a)とポリイソシアネート化合物を必須
成分とするポリウレタン製造用組成物。
【0031】(26)(7)〜(12)のいずれかに記
載のポリオール(b)とポリイソシアネート化合物を必
須成分とするポリウレタン製造用組成物。
【0032】(27)(1)〜(6)のいずれかに記載
のポリオール(a)、(7)〜(12)のいずれかに記
載のポリオール(b)およびポリイソシアネート化合物
を必須成分とするポリウレタン製造用組成物。
【0033】(28)(25)〜(27)のいずれかに
記載のポリウレタン製造用組成物を重付加反応して得ら
れるポリウレタン。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に詳しく説明す
る。本発明のポリウレタンは、特定の構造を有する脂環
式または複素環式骨格を有する繰り返し単位からなるポ
リオールから誘導されるジオール残基を繰り返し単位中
に有するポリウレタンである。
【0035】本発明で使用される特定の環構造を有する
繰り返し単位からなるポリオールは、前記一般式(I
I)または一般式(IV)で示される環構造の繰り返し
単位を少なくとも一種類、有するポリオールである。こ
こで、一般式(II)で示される繰り返し単位を含む請
求項1に記載のポリオール(a)は一般式(IV)で示
される繰り返し単位を含む請求項7に記載のポリオール
(b)の炭素−炭素二重結合を水添したものである。
【0036】具体的に一般式(II)におけるR1〜R8
を以下に例示して説明する。下記一般式(V)は請求項
1に記載のポリオール(a)の一例であり、一般式
(I)の両末端と一般式(II)の繰り返し単位のみか
ら成る場合である。
【化9】 (V) 〔式中、R1〜R8は独立にハロゲン原子、水素原子、置
換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基
(R1〜R8のうち2つ以上が連結し環を形成してもよ
い。)、シアノ基、水酸基、アルコキシル基、アルコキ
シカルボニル基、アシル基、ホルミル基、カルボキシル
基(2個のカルボキシル基から酸無水物を形成してもよ
い。)またはシリル基を表す。m、nは独立に0から5
の整数を表し、kは任意の自然数。〕
【0037】ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素
原子、臭素原子等が挙げられる。置換基を有していても
よい炭素数1〜20の炭化水素基としては、例えばメチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ
チル、tert−ブチル、アミル、ヘキシル、オクチ
ル、デシル、ドデシル、オクタデシル等のアルキル基、
シクロペンチル、シクロヘキシル等のシクロアルキル
基、フェニル、トリル、メシチル、ナフチル等のアリー
ル基、R1〜R8の2つ以上が連結した環としては、共通
するひとつの炭素原子に結合する置換基、すなわちR1
とR2、R3とR4またはR5とR6が連結した3〜6員環
のスピロ環、一般式(V)中のα、βで示される炭素原
子を共有した5〜8員環の縮合環、ヒドロキシメチル、
ヒドロキシエチル、クロロメチル、メトキシメチル、ア
セトキシメチル等の置換アルキル基等が挙げられる。
【0038】さらに、シアノ基;メトキシ、エトキシ、
プロポキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ等のア
ルコキシル基;アセトキシ、プロピオニルオキシ等のア
シル基;ホルミル基;カルボキシル基またはそのメチ
ル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル等のエステル
類(アルコキシカルボニル基)もしくは2個のカルボキ
シル基から形成される酸無水物;トリメチルシリル等の
シリル基等が挙げられる。
【0039】これらR1〜R8のうち、好ましくは水素原
子、炭素数1〜6の炭化水素基であり、さらに好ましく
は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基である。ま
た、一般式(II)におけるAは置換基R1、R2を有す
る炭化水素基または酸素原子であるが炭化水素基である
ことが好ましく、メチレン基であることがより好まし
い。
【0040】次に、一般式(IV)におけるR9〜R16
を以下に具体的に例示して説明する。下記一般式(V
I)は請求項7に記載のポリオール(b)の一例であ
り、一般式(III)の両末端と一般式(IV)の繰り
返し単位のみから成る場合である。
【化10】 (VI) 〔式中、R9〜R16は独立にハロゲン原子、水素原子、
置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基
(R11とR12、R13とR14はそれぞれの組で独立に、合
わせてアルキリデン基でもよく、R9〜R16のうち2つ
以上が連結し環を形成してもよい。)、シアノ基、水酸
基、アルコキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル
基、ホルミル基、カルボキシル基(2個のカルボキシル
基から酸無水物を形成してもよい。)またはシリル基を
表す。m、nは独立に0から5の整数を表し、kは任意
の自然数を表す。〕
【0041】ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素
原子、臭素原子等が挙げられる。置換基を有していても
よい炭素数1〜20の炭化水素基としては、メチル、エ
チル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、
tert−ブチル、アミル、ヘキシル、オクチル、デシ
ル、ドデシル、オクタデシル等のアルキル基、シクロペ
ンチル、シクロヘキシル等のシクロアルキル基、フェニ
ル、トリル、メシチル、ナフチル等のアリール基、R11
とR12、R13とR14のそれぞれの組から独立に形成され
るアルキリデン基としては、メチレン(=CH2)、エ
チリデン、プロピリデン、イソプロピリデン等のアルキ
リデン基、R9〜R16の2つ以上が連結した環として
は、共通するひとつの炭素原子に結合する置換基、すな
わちR9とR10、R11とR12またはR13とR14が連結し
た3〜6員環のスピロ環、一般式(VI)中のα、βで
示される炭素原子を共有した5〜8員環の縮合環、ヒド
ロキシメチル、ヒドロキシエチル、クロロメチル、メト
キシメチル、アセトキシメチル等の置換アルキル基等が
挙げられる。
【0042】さらに、シアノ基;メトキシ、エトキシ、
プロポキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ等のア
ルコキシル基;アセトキシ、プロピオニルオキシ等のア
シル基;ホルミル基;カルボキシル基またはそのメチ
ル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル等のエステル
類(アルコキシカルボニル基)もしくは2個のカルボキ
シル基から形成される酸無水物;トリメチルシリル等の
シリル基等が挙げられる。これらR9〜R16のうち、好
ましくは水素原子、炭素数1〜6の炭化水素基であり、
さらに好ましくは水素原子または炭素数1〜6のアルキ
ル基またはアルキリデン基である。また、一般式(I
V)におけるAは置換基R9、R10を有する炭化水素基
または酸素原子であるが炭化水素基であることが好まし
く、メチレン基であることがより好ましい。
【0043】本発明の請求項7に記載のポリオール
(b)(例として一般式(VI))は、一般式(VI
I)で表される化合物を1種以上含む環状不飽和化合物
(a)と、両末端に官能基(水酸基、アシルオキシ基
等)を有する鎖状不飽和化合物(b)とから触媒を使用
し開環重合を行い、必要があれば官能基を水酸基に変換
する操作を行って製造される。
【0044】環状不飽和化合物(a)のうち少なくとも
1種類は一般式(VII):
【化11】 (VII) 〔式中、R9〜R16は独立にハロゲン原子、水素原子、
置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基
(R11とR12、R13とR14はそれぞれの組で独立に、あ
わせてアルキリデン基でもよく、R9〜R16のうち2つ
以上が連結し環を形成してもよい。)、シアノ基、水酸
基、アルコキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル
基、ホルミル基、カルボキシル基(2個のカルボキシル
基から酸無水物を形成してもよい。)またはシリル基を
表す。〕で表されるノルボルネン系化合物である。これ
らのノルボルネン系化合物は、1種単独でまたは2種以
上を組合せて用いることができる。
【0045】より具体的に一般式(VII)で表される
繰り返し単位を形成する単量体化合物としては、ノルボ
ルネン、2,5−ノルボルナジエン、5−エチリデン−
2−ノルボルネン、2−メチル−5−ノルボルネン、2
−ヘキシル−5−ノルボルネン、2−シクロヘキシル−
5−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、ベンゾノル
ボルナジエン等の炭化水素のみから形成されるノルボル
ネン類、5−ノルボルネン−2−カルボニトリル、5−
ノルボルネン−2−カルバルデヒド、5−ノルボルネン
−2,3−ジカルボン酸無水物、2−トリメチルシリル
−5−ノルボルネン、2−クロロ−5−ノルボルネン、
2−メトキシカルボニル−5−ノルボルネン、2−メチ
ル−5−ノルボルネン−3−カルバルデヒド、2−メチ
ル−5−ノルボルネン−3−メタノール等の炭化水素基
以外の置換基を有するノルボルネン類、8−エチリデン
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ド
デセン、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシ
クロ[4.4.0.12 5.17,10]−3−ドデセン等
の縮合環を有するノルボルネン類等のノルボルネン系化
合物が挙げられる。
【0046】また、複素環式化合物としてはベンゾオキ
サノルボルナジエン、2,3−ビス(メトキシメチル)
−7−オキサ−5−ノルボルネン、2,3−トリフルオ
ロメチル−7−オキサ−5−ノルボルネン等のオキサノ
ルボルネン類などが挙げられる。
【0047】これらのノルボルネン系化合物は、1種単
独でまたは2種以上を組合せて用いても構わない。これ
らノルボルネン系化合物のうち、好ましくは炭化水素の
みで形成されるノルボルネン類であり、より好ましくは
ノルボルネン及び5−エチリデン−2−ノルボルネンで
ある。
【0048】環状不飽和化合物(a)としては、一般式
(VII)で示されるノルボルネン系化合物が必須であ
るが、これ以外の環状不飽和化合物も組みあわせる事が
出来る。但し、その環状不飽和化合物は上記ノルボルネ
ン系化合物の開環重合を阻害するものであってはならな
い。例として、シクロブテン、シクロペンテン、シクロ
ヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロノ
ネン、シクロデセン等のシクロアルケン類、4−メチル
−1−シクロヘキセン等の置換シクロアルケン類、シク
ロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン、1,5−
シクロオクタジエン等のシクロアルカジエン類、3−シ
クロヘキセン−1−メタノール、3−シクロヘキセン−
1,1−ジメタノール、6−メチル−3−シクロヘキセ
ン−1,1−ジメタノール等の水酸基を有するシクロア
ルケン類、3−ブロモシクロヘキセン等のハロゲン化シ
クロアルケン類等の環状不飽和化合物が挙げられる。
【0049】これらの環状不飽和化合物は、1種単独で
または2種以上を組合せて用いても構わない。これら環
状不飽和化合物のうち好ましくはシクロアルカジエン、
シクロアルケン類である。
【0050】両末端に官能基を有する鎖状不飽和化合物
(b)は一般式(VIII):
【化12】 (VIII) 〔式中、m、nは独立に0〜5の整数、X1、X2は独立
に水酸基またはOCOR(Rは水素原子または炭素数1
〜10の炭化水素基を表す。)である。〕で表され、請
求項7に記載のポリオールの分子量調節剤であるととも
に両末端に官能基を入れるための化合物である。
【0051】具体的な官能基X1、X2としてはアセトキ
シ、プロピオニルオキシ等のアシルオキシ基;ベンゾイ
ルオキシ、トルオイルオキシ等のアロイルオキシ基、水
酸基が挙げられる。
【0052】一般式(VIII)で表される鎖状不飽和
化合物(b)としては、1,4−ジヒドロキシ−2−ブ
テン、1,6−ジヒドロキシ−3−ヘキセン、1,8−
ジヒドロキシ−4−オクテン等の両末端ジオール化合
物、1,4−ジアセトキシ−2−ブテン、1,6−ジア
セトキシ−3−ヘキセン、1,8−ジアセトキシ−4−
オクテン等の両末端ジオールのカルボン酸エステル化合
物などが挙げられる。好ましくは1,4−ジヒドロキシ
−2−ブテン及び1,4−ジアセトキシ−2−ブテンが
用いられる。
【0053】一般式(VII)で表される化合物を含む
環状不飽和化合物(a)と、両末端に水酸基、アシルオ
キシ基等を有する鎖状不飽和化合物(b)との開環重合
はメタセシス触媒を使用することにより実施される。具
体的な製造方法としては、鎖状不飽和化合物(b)と開
環重合触媒(メタセシス触媒)との混合物に、環状不飽
和化合物(a)の一部または全量を少しづつ添加し、重
合させる方法があげられる。より詳細には、鎖状不飽和
化合物(b)及び溶媒、あるいは場合によっては一部の
環状不飽和化合物をも含有する混合物に触媒を加えるこ
とにより反応を開始させた後、環状不飽和化合物(a)
を、該混合物に添加して反応させる製造方法である。両
末端の官能基がアシルオキシ基の場合には反応終了後、
加水分解、けん化あるいはエステル交換などの方法によ
り水酸基に変換することによりジオール化合物とする事
ができる。
【0054】上記の開環重合触媒は、いわゆるメタセシ
ス反応を進行させることができる触媒であって、チタ
ン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、
タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、レニウ
ム、ルテニウム、オスミウム、ロジウム、イリジウムな
どの金属触媒である。触媒は担体に担持したものまたは
錯体触媒が使用できるが、好ましくは錯体触媒である。
【0055】具体的な例を以下にあげる。(C55)T
i(CH32または(C55N)2TiCl4にC25
lCl2やCH3AlCl2を混合したチタン系触媒、C
3Ta=CHSi(CH33などのタンタル系触媒、
(n−C494Snや(C253Alを混合したタン
グステン系触媒、((CH33CCH2O)2(O、P-
(iso−C37263)−N=Mo=CH(te
r−C49)、MoCl5にC25AlCl2を混合し
たようなモリブデン系触媒、ReCl5にn−C49
4Snや(C253Alを混合したレニウム系触媒、ル
テニウムおよびオスミウム系触媒としては、RuC
3、OsCl3にアルコールを添加した系や以下のカル
ベン錯体、(各式中、Meはルテニウム原子またはオス
ミウム原子を表す。)、Cl2[P(iso−C
3732Me=CH−C65、BrCl[P(iso
−C3732Me=CH−C65、Cl2[P(is
o−C373 2Me=CH−[C64(CH3)]、
Cl2[P(iso−C3732Me=CH−[C6
4(ter−C49)]、BrCl[P(iso−C3
732Me=CH−CH265、Cl2[P(sec
−C4932Me=CH−C65等のリン原子にアル
キル基が結合した配位子を有するカルベン錯体、Cl2
[P(C5932Me=CH2、Cl2[P(C59
32Me=CH−CH3、Br2[P(C5932Me
=CH−iso−C37、Cl2[P(C5932
e=CH−n−C49、Cl2[P(C5932Me
=CH−C59、Cl2[P(C5932Me=CH
−C611、F2[P(C5932Me=CH−C
65、Cl2[P(C5932Me=CH−C65
Br2[P(C5932Me=CH−C65、Br
2[P(C5932Me=CH−(C64−OC
25)、Cl2[P(C5932Me=CH−(C6
4−Br)、Cl2[P(C5932Me=CH−[C
63−(CH32]、F2[P(C5932Me=C
H−[C63−(CH32]、Br2[P(C593
2Me=CH−CH265等のリン原子にシクロペンチ
ル基が結合した配位子を有するカルベン錯体、Cl
2[P(C6112−CH2CH2−P(C6112]M
e=CH−C65、Cl2[P(C61132Me=C
2、Cl2[P(C61132Me=CH−CH3、C
2[P(C61132Me=CH−n−C49、Cl
2[P(C61132Me=CH−ter−C49、C
2[P(C61132Me=CH−C109、F2[P
(C61132Me=CH−C65、Cl2[P(C6
1132Me=CH−C65、Br2[P(C611
32Me=CH−C65、Cl2[P(C61132
e=CH(C64−CH3)、Cl2[P(C61 13
2Me=CH−C64−CH(CH32、Cl2[P(C
61132Me=CH−[C64(ter−C
49)]、Br2[P(C61132Me=CH−C6
2−(CH33、Cl2[P(C61132Me=C
H−C64−OCH 3、Br2[P(C61132Me
=CH−(C64−NO2)、Cl2[P(C6113
2Me=CH−(C64−Cl)、BrCl[P(C6
1132Me=CH−CH265、BrCl[P(C6
1132Me=CH−CH265、Cl2[P(C6
112(C(CH2CH22N(CH32Cl)]2
e=CH−C65、Cl2[P(C6112(CH2CH
2SO3Na)]2Me=CH−C65、Cl2[P(C6
112(CH2CH2N(CH33Cl)]2Me=CH
−C65等のリン原子にシクロヘキシル基が結合した配
位子を有するカルベン錯体、Cl2[P(C6532
Me=CH−C65、Cl2[P(C64−CH332
Me=CH−C65、Br2[P(C63−(C
3232Me=CH−C65、Cl2[P(C62
−(CH3332Me=CH−C65等のリン原子に
芳香族基が結合した配位子を有するカルベン錯体、WO
98/21214に記載のルテニウム、オスミウムの
カルベン錯体、Thomas WeskampらのAngew.Chem. Int.
Ed., Vol.37, 2490(1998)に記載のルテニウムに1,3
−ジアルキル−イミダゾリン−2−イリデンが配位した
カルベン錯体等やCl2[P(C6 1132Ru=C=
CH(ter−C49)などのビニリデン錯体などであ
る。
【0056】これらの触媒は1種単独でまたは2種以上
を組合せて用いることができる。これらのうち、好まし
くはタングステン原子、モリブデン原子、ルテニウム原
子、オスミウム原子を有する錯体であり、より好ましく
はルテニウム原子を有する錯体であって、リン系または
窒素系化合物の配位子を有するカルベン錯体が用いられ
る。
【0057】一般式(II)を繰り返し単位として有す
る請求項1〜6のいずれかに記載のポリオール(a)は
一般式(IV)を繰り返し単位として主鎖に有する請求
項7〜12のいずれかに記載のポリオール化合物(b)
を水添する事で得ることができる。また、請求項7〜1
2のいずれかに記載のポリオール(b)への開環重合の
際、原料である鎖状不飽和化合物(b)(一般式(VI
II))の両末端の官能基がアシルオキシ基、アロイル
オキシ基である場合には開環重合物を水添した後、加水
分解、けん化またはエステル交換してポリオール(b)
として得ることもできる。
【0058】水添方法としては、基本的に、炭素−炭素
二重結合を水添しうる全ての方法があげられる。例え
ば、金属水素化物、金属水素錯化合物、ボランやヒドラ
ジン類などの試薬を用いた量論的な方法や水素による触
媒的な方法が用いられる。これらの方法から一つを選択
することは難しいが、水素と触媒を用いた水添反応が経
済性、量産性の面から望ましい。但し、アルデヒドやニ
トリル基などの置換基を水添させずにそのまま残す必要
がある場合には、水素による水添法ではなく、炭素−炭
素二重結合のみを選択的に水添する方法をとる必要があ
る。
【0059】本発明の両末端官能型化合物を製造する方
法における水素ガスによる水添の触媒としては、パラジ
ウム、白金、ルテニウム、ロジウムなどを活性炭、アル
ミナ、シリカなどに担持した触媒、ニッケル、ルテニウ
ムなどのラネー金属触媒、酸化パラジウム、酸化白金な
どの金属酸化物触媒やNi(CH3COCHCOCH3
2/(C253Al、(C552TiCl2/(C
252AlCl、[(C653P]3RhCl、
[(C653P]3RuCl2、[(C653P]3
uH2、[(C653P]3(CO)RuCl2、[(C
653P]3(CO)RuHClのや開環重合で用いた
ルテニウム、オスミウムのメタセシス触媒などの均一系
触媒を使用することができる。
【0060】本発明に示されるポリウレタン中のポリオ
ール残基は、請求項1〜12で示された特定の環構造を
繰り返し単位にもつポリオール(a)および/またはポ
リオール(b)から誘導される残基以外に、他のジオー
ル化合物から誘導されるジオール残基を含んでいてもよ
い。例えばアルキレン基、シクロアルキレン基、アリー
レン基、アリールアルキレン基であり、一般のポリウレ
タン製造に使用するポリイソシアネート化合物と反応で
きるポリオール化合物に基づくポリオール残基であれば
特に制限はない。具体的にはエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−
ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペン
チルグリコール等の直鎖脂肪族ジオール、1,4−シク
ロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA、トリ
シクロデカンジメタノール等の脂環式構造の繰り返し単
位を持つジオール、ビスフェノールA、キシリレンジオ
ール等の芳香族ジオール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテ
トラメチレングリコール等の(ポリ)エーテルグリコー
ル、ポリエチレンアジペート、ポリテトラメチレンアジ
ペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリネオペン
チレンアジペート、ポリカプロラクタム等のポリエステ
ルポリオール、ポリカーボネートジオール等のジオール
残基が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。特定の環構造の繰り返し単位を持つポリオー
ル残基とその他のジオール残基の割合は任意に調節可能
であるが、本発明の効果を発揮させるためには特定の環
構造の繰り返し単位を持つポリオール(a)および/ま
たは(b)を通常5〜100モル%、好ましくは、10
〜100モル%の割合、より好ましくは20〜100モ
ル%の割合で含有する。1モル%未満では耐熱性が十分
ではなくなる傾向にある。
【0061】本発明に示されるポリウレタン化合物に使
用されるポリイソシアネート化合物は、通常のポリウレ
タン合成に使用できるものであれば特に制限はない。具
体的には、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート
(MDI)、ポリメリックMDI、トリレンジイソシア
ネート(TDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネー
ト(NDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HD
I)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、4,
4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HM
DI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、テ
トラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)
等のジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシ
アネートなどのトリイソシアネートやイソシアヌレート
などのイソシアネート縮合体があげられる。また、イソ
シアネート基に保護基がついているブロックイソシアネ
ート化合物も使用することができる。
【0062】本発明に示されるポリウレタン化合物は、
請求項1〜12に記載された特定の環構造の繰り返し単
位を持つポリオールとポリイソシアネート化合物との重
付加反応によって得られる。また他のジオール化合物を
含むポリウレタンは、上記のポリオール、ポリイソシア
ネート化合物及び他のジオール化合物の重付加反応によ
って得られる。
【0063】本発明におけるポリウレタン合成反応の実
施形態としては、一般的なポリウレタンの製造方法をそ
のまま適用することが可能である。即ち、ポリイソシア
ネート化合物とポリオール化合物を触媒の存在下、また
は無触媒下で反応させる方法である。
【0064】触媒としては、一般的なポリウレタン合成
における重付加反応で通常用いられるものが使用可能で
あり、有機アミン化合物、有機スズ化合物等を使用する
ことが出来る。
【0065】また、場合によっては鎖延長剤、架橋剤と
してのポリオール化合物、ポリアミン化合物等を添加
し、ポリマーの重合度を変化させることも可能である。
この場合、ポリウレタンの合成はこれらの鎖延長剤、架
橋剤と請求項1〜12に記載された特定の環構造の繰り
返し単位を持つポリオールとポリイソシアネート化合物
とを同時に反応させ、一段でポリウレタンを合成するこ
とも可能であるし、先に上記特定の環構造を有するポリ
オールとポリイソシアネート化合物を反応させて末端ポ
リイソシアネートオリゴマーを調整しておき、その後
で、このオリゴマーと鎖延長剤、架橋剤とを反応させる
2段でのポリウレタン合成も可能である。
【0066】鎖延長剤、架橋剤として本発明のポリウレ
タン合成に使用できるポリオール化合物、ポリアミン化
合物は、一般的にポリウレタンに使用できるものであれ
ば特に制限はない。そのようなポリオール化合物の例と
しては、エチレングリコール、プロピレングリコール、
トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等
の直鎖脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタ
ノール、水添ビスフェノールA、トリシクロデカンジメ
タノール等の脂環式ジオール、ビスフェノールA、キシ
リレンジオール、ハイドキノンジエチロールエーテル等
の芳香族ジオール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の(ポ
リ)エーテルグリコール、トリメチロールプロパン、ト
リメチロールエタン、グリセリン、ヘキサントリオー
ル、ペンタエリスリトール、ソルビトール等のポリオー
ル、ポリエチレンアジペート、ポリテトラメチレンアジ
ペート等のポリエステルポリオール、ポリカプロラクト
ンポリオール、ポリカーボネートポリオールポリブタジ
エンポリオールポリオール等が挙げられる。また、ポリ
アミン化合物の具体例としては3,3’−ジクロロ−
4,4’−ジアミノジフェニルメタン(MOCA)等の
脂肪族ポリアミン化合物、モノエタノールアミン、ジエ
タノールアミン等の水酸基含有アミン等が挙げられる。
【0067】重付加反応は溶媒中、または無溶媒で行う
ことができる。溶媒は本発明におけるポリオール化合
物、ポリイソシアネート化合物を溶解し、重付加反応を
阻害しないものであれば特に制限はなく、トルエン、キ
シレン等の芳香族炭化水素類が例示される。ただし、水
分はイソシアネート基と反応し、ポリオール化合物との
重付加反応を阻害するので、溶媒は脱水(乾燥)してか
ら用いることが望ましい。
【0068】ポリオール化合物(特定の環構造を繰り返
し単位を含むポリオール、その他のポリールを含む)と
ポリイソシアネート化合物の比率は特に制限はないが、
通常ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基の数
とこれと反応させる官能基(水酸基、アミノ基)の数が
の比が最終的に1に近い値となるように調整する。即
ち、ポリイソシアネート化合物のNCO基の総モル当量
とポリオール化合物の水酸基、および鎖延長剤、架橋剤
の水酸基、あるいはアミノ基の総モル当量との比NCO
/(OH+NH)が好ましくは0.7〜1.5、更に好
ましくは0.9〜1.2の範囲となるようにそれぞれの
原料の配合比を決定する。イソシアネート基、水酸基の
どちらかの官能基が極端に多い配合だと、過剰の官能基
を有するほうの化合物が未反応で残留することになる。
また、生成したポリウレタンの分子量が十分に大きくな
らず、機械的強度が劣ったものになる事が多い。
【0069】本発明のポリウレタンには必要に応じて酸
化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤などの各種添加剤を
配合することもできる。
【0070】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はこれら実施例にのみ制限されるもの
ではない。
【0071】合成例、実施例に用いた試薬及び溶媒は特
に断らない限り脱水等の精製を行うことなく購入したま
ま使用した。但し、合成例では使用前に不活性ガス置換
による脱気を実施した。
【0072】実施例中の「室温」とは特に断らない限り
10〜25℃の温度範囲を示す。
【0073】得られた化合物の分析は以下の条件で行っ
た。
【0074】・ゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ー(GPC) テトラヒドロフランまたはキシレンを溶離液として、ポ
リスチレン換算の数平均分子量(Mn)及び分子量分布
(Mw/Mn)を測定した。
【0075】・プロトン核磁気共鳴スペクトル(1H−
NMR) 合成例1は重クロロホルム中、合成例2、3はトリクク
ロベンゼン/重ベンゼン中においてプロトンNMRによ
り構造及び両末端官能基の確認、定量を行った。
【0076】・蒸気圧浸透圧測定(VPO) クロロホルム中で、数平均分子量(Mn)を測定した。
【0077】・IRスペクトル(赤外吸収スペクトル)
測定 日本分光(株)製FT/IR7300赤外分光装置を用
いて、反射法で測定した。
【0078】・TG/DTA測定(熱重量/示差熱分
析) セイコーインスツルメント社製TG/DTA320型T
G/DTA分析装置を用いて測定した。 測定条件:空気中100℃で20分間保持後、10℃/
分の速度で500℃まで昇温
【0079】(合成例1)冷却管、滴下ロートを備えた
50ml三口フラスコを窒素置換し、1,4−ジアセト
キシ−2−ブテン5.16g(30mmol)、トルエ
ン10mlを加えた。これに、触媒(Cl2[P(C6
1132Ru=CH−C65)0.06g(0.07m
mol)を溶解してメカニカルスターラーで撹拌した。
フラスコをオイルバスにつけ、バス温を40℃に上げ、
別途に調整したエチリデンノルボルネン9.0g(75
mmol)をトルエン10mlに溶解した溶液を滴下ロ
ートから1時間かけて滴下した。滴下終了後40℃で2
時間反応した。反応終了した溶液は室温まで冷却した。
この反応溶液と触媒(HClRu(CO)[P(C
6533)0.03gを100mlステンレス製オー
トクレーブに入れ、撹拌しながら水素圧6MPa、温度
155℃で4時間水添反応を行った。反応終了後、冷却
し、この反応液をメタノール200ml中に滴下し固形
分を析出させた。この固形分を20mlトルエンに溶解
メタノール200ml中に析出させることを3回繰り返
し精製した。精製した固形分は真空乾燥した。やや黄色
みを帯びた透明な粘性固体であった。
【0080】この固形物のGPCを測定したところ、ポ
リスチレン換算のMnは4800であり、Mw/Mnは
2.3であった。
【0081】プロトンNMR測定の各ピークの積分比か
ら99%の水添率であった。プロトンNMRの結果から
計算した分子量Mnは3800であった。
【0082】また、VPOで測定した分子量Mnは36
00であり、プロトンNMRで測定した分子量と良い一
致を示した。この結果から本発明の方法により製造され
た化合物は確実に両末端にアセトキシル基が導入されて
いることが分かった。次に、両末端のエステル部分をエ
ステル交換でジオールに変換した。上記粘性固体(分析
に用いた以外の全量)をトルエン30mlに溶解させ、
28%ナトリウムメトキサイド/メタノール溶液1gと
メタノール10mlを加え、5時間還流した。反応終了
した溶液をメタノール100ml中にあけ、デカンテー
ションした。さらに、シクロヘキサンに溶解、メタノー
ルを添加して析出させる操作を3回繰り返し精製した。
固形物は75℃で2日間真空乾燥した。柔らかい固形物
が得られた。
【0083】プロトンNMRの結果から、アセトキシル
基はエステル交換され、100%ヒドロキシル化されて
いることが確認された。尚、プロトンNMRから計算し
た分子量は3700であった。
【0084】この物質を化合物(A)とする。
【化13】 化合物(A)
【0085】(合成例2)冷却管、滴下ロートを備えた
300ml三口フラスコをアルゴン置換し、1,4−ジ
アセトキシ−2−ブテン20.64g(120mmo
l)、トルエン70mlを加えた。これに、触媒(Cl
2[P(C61132Ru=CH−C65)0.3g
(0.35mmol)を溶解してメカニカルスターラー
で撹拌した。フラスコをオイルバスにつけ、バス温を5
5℃に上げ、別途に調整したノルボルネン28.2g
(300mmol)をトルエン70mlに溶解した溶液
を滴下ロートから5時間かけて滴下した。滴下終了後5
5℃で2時間反応した。反応終了後、反応液100ml
を150mlステンレス製オートクレーブに入れ、撹拌
しながら水素圧0.7MPa、温度130℃で7時間水
添反応を行った。水添反応終了後、反応液をメタノール
300mlに落とし、固形分を完全に析出させた。この
固形分をろ過、メタノール洗浄し、真空乾燥した。固形
物は白色粉末であった。
【0086】次に両末端のエステル部分をエステル交換
によりジオールに変換した。冷却管付き200mlなす
型フラスコに該固形分と100mlテトラヒドロフラン
を入れ、90℃で撹拌し、溶解させた。この溶液に、ナ
トリウムエトキサイド2gを含むエタノール溶液20m
lを加え、5時間反応させた。反応終了後冷却して、メ
タノール300mlに滴下し、固形分を完全に析出させ
た。この固形分をろ過、メタノール洗浄し、真空乾燥し
た。固形物は白色粉末であった。
【0087】プロトンNMRの結果から、二重結合は9
9%以上水添され、アセトキシル基は100%ヒドロキ
シル化されていることが確認された。尚、プロトンNM
Rから計算した分子量は3700であった。
【0088】この物質を化合物(B)とする。
【化14】 化合物(B)
【0089】(合成例3)環状不飽和化合物として、
1,5−シクロオクタジエンとノルボルネンを使用し
た。
【0090】冷却管、滴下ロートを備えた300ml三
口フラスコをアルゴン置換し、1,4−ジアセトキシ−
2−ブテン4.13g(24mmol)、トルエン30
ml及び1,5−シクロオクタジエン25.92g(2
40mmol)を加えた。これに、触媒(Cl2[P
(C61132Ru=CH−C65)0.12g
(0.14mmol)を溶解してマグネティックスター
ラーで撹拌した。フラスコをオイルバスにつけ、バス温
を55℃に上げ、別途に調整したノルボルネン11.2
8g(120mmol)をトルエン45mlに溶解した
溶液を滴下ロートから5時間かけて滴下した。滴下終了
後55℃で2時間反応した。
【0091】反応終了した溶液は室温まで冷却した。こ
の反応溶液100mlをとり、150mlステンレス製
オートクレーブに入れ、撹拌しながら水素圧0.7MP
a、温度130℃で7時間水添反応を行った。水添反応
終了後、反応液をメタノール300mlに滴下し、固形
分を完全に析出させた。この固形分をろ過、メタノール
洗浄し、真空乾燥した。固形物は白色粉末であった。次
に両末端のエステル部分のエステル交換を行い、ジオー
ルに変換した。冷却管付き200mlなす型フラスコに
固形分と100mlテトラヒドロフランを入れ、90℃
で撹拌し、溶解させた。この溶液に、ナトリウムエトキ
サイド2gを含むエタノール溶液20mlを加え、5時
間反応させた。反応終了後冷却して、メタノール300
mlに滴下し、固形分を完全に析出させた。この固形分
をろ過、メタノール洗浄し、真空乾燥した。固形物は白
色粉末であった。
【0092】プロトンNMRの結果から、二重結合は9
9%以上水添され、アセトキシル基は100%ヒドロキ
シル化されていることが確認された。尚、プロトンNM
Rの各ピークから計算したノルボルネンとシクロオクタ
ジエンの共重合割合は、0.67:0.33であり、分
子量Mnは3600であった。この物質を化合物(C)
とする。
【化15】 化合物(C)
【0093】(実施例1〜3)20mlサンプル瓶中、
ジオール化合物(化合物A、B、Cのいずれか1種)の
1.5g、および、その1.0倍当量のヘキサメチレン
ジイソシアネート(HDI)を乾燥トルエン10mlに
80℃で溶解した。この溶液にジブチルスズジラウレー
ト0.1gを50mlトルエンに溶解した溶液1mlを
加えて80℃で5時間放置した。反応後、溶液を50m
lメタノール中に少量ずつ滴下し、ポリマーを沈殿させ
た。得られたポリマーは、メタノールで洗浄後真空乾燥
した。得られたポリマーのIRスペクトルを測定した。
組成とIRピーク位置は表1に、実施例1における化合
物(A)および化合物(A)とHDIの反応物のIRス
ペクトルは図1および図2に示した。
【0094】図2のIRスペクトルには新規にウレタン
結合の発現(3330、1700、1540、126
0、1145cm-1の吸収ピーク)が観測され、得られ
た化合物はウレタン結合を持ちヘキサメチレンジイソシ
アネートとジオール化合物のポリウレタンであることが
確認された。化合物(B)または化合物(C)とHDI
との反応物についても同様にウレタン結合が確認され
た。
【0095】
【表1】
【0096】(比較例1)ジオール化合物としてポリブ
タジエンポリオール水添物(三菱化学社製 ポリテール
H)を用いた以外は実施例1と同様に1:1のモル比で
HDIと反応しポリウレタンを得た。このポリウレタン
と実施例1で得られたポリウレタンの空気中でのTG/
DTAを測定した。全体重量の10%が減少する温度を
求めた結果を表2に示した。この結果から実施例3で得
られたポリウレタンはポリブタジエンポリオールから得
られたポリウレタンと比較して、重量10%減少温度が
40℃以上高く、熱安定性に優れていることが分かっ
た。
【0097】(実施例4〜6)20mlサンプル瓶中、
ジオール化合物(化合物A、B、Cのいずれか1種)の
1.5gと1.1倍当量のヘキサメチレンジイソシアネ
ートを150℃に昇温し、混合した。150℃で1時間
放置したところ、150℃でも溶融しない反応物が得ら
れた。溶剤非存在下でも容易に硬化することが分かっ
た。
【0098】
【表2】
【0099】(実施例7〜9)20mlサンプル瓶中、
ジオール化合物(化合物A、B、Cのいずれか1種)の
1.5g、1.1倍当量の3官能イソシアネート(スミ
ジュール N3300住友化学社製)を乾燥トルエン1
0mlに80℃で溶解した。この溶液にジブチルスズジ
ラウレート1滴を加えた。溶液は速やかにゲル化し、不
溶化した。3官能イソシアネートで架橋ウレタンが生成
したために不溶化したものと考えられる。
【0100】
【発明の効果】本発明のポリウレタンは特定の環構造を
繰り返し単位として有するポリオールとポリイソシアネ
ートから製造されたものであり、主鎖に環構造を有して
いる為、従来のポリウレタン樹脂に比べて機械強度、熱
安定性に優れている。
【0101】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のジオール化合物(A)のIRスペク
トル。
【図2】実施例1における化合物(A)とヘキサメチレ
ンジイソシアネート(HDI)との反応物のIRスペク
トル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J034 BA08 CA04 CC03 CC08 CC12 CC23 CC26 CC45 CC62 CC67 DA01 DF12 DF16 DF20 DG03 DG06 DN03 HA07 HA08 HC03 HC12 HC13 HC17 HC22 HC46 HC64 HC67 HC71 HC73 HD01 QD02 RA07 RA08

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】両末端にそれぞれ独立に一般式(I) −CH2−(CH2m−OH、−CH2−(CH2n−OH (I) 〔m、nは独立に0〜5の整数を表す〕で示される構造
    を有し、その間を構成する繰り返し単位の少なくとも一
    種類が一般式(II) 【化1】 (II) 〔式中、R1〜R8は独立にハロゲン原子、水素原子、置
    換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基
    (R1〜R8のうち2つ以上が連結し環を形成してもよ
    い。)、シアノ基、水酸基、アルコキシル基、アルコキ
    シカルボニル基、アシル基、ホルミル基、カルボキシル
    基(2個のカルボキシル基から酸無水物を形成してもよ
    い。)またはシリル基を表す。〕で示される環構造であ
    るポリオール(a)を少なくとも1種含むポリオール化
    合物とポリイソシアネート化合物との重付加反応により
    得られるポリウレタン。
  2. 【請求項2】ポリオール(a)の少なくとも1種が両末
    端にそれぞれ独立に一般式(I)で示される構造を有
    し、その間が一般式(II)で示される環構造の繰り返
    し単位と炭素数4〜12のアルキレン基の繰り返し単位
    から成る化合物であることを特徴とする請求項1に記載
    のポリウレタン。
  3. 【請求項3】ポリオール化合物の内、ポリオール(a)
    の割合が5〜100モル%である請求項1または2に記
    載のポリウレタン。
  4. 【請求項4】一般式(II)で示される繰り返し単位の
    1〜R8がそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜2
    0の炭化水素基(R1〜R8のうち2つ以上が連結し環を
    形成してもよい。)である請求項1〜3のいずれかに記
    載のポリウレタン。
  5. 【請求項5】一般式(II)で示される繰り返し単位の
    1〜R8が水素原子である請求項1〜3のいずれかに記
    載のポリウレタン。
  6. 【請求項6】一般式(II)で示される繰り返し単位の
    1〜R4、R6〜R8が水素原子であり、R5がエチル基
    である請求項1〜3のいずれかに記載のポリウレタン。
  7. 【請求項7】両末端にそれぞれ独立に一般式(III) =CH−(CH2m−OH、=CH−(CH2n−OH (III) 〔m、nは独立に0〜5の整数を表す〕で示される構造
    を有し、その間を構成する繰り返し単位の少なくとも一
    種類が一般式(IV) 【化2】 (IV) 〔式中、R9〜R16は独立にハロゲン原子、水素原子、
    置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基
    (R11とR12、R13とR14はそれぞれの組で独立に、合
    わせてアルキリデン基でもよく、R9〜R16のうち2つ
    以上が連結し環を形成してもよい。)、シアノ基、水酸
    基、アルコキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル
    基、ホルミル基、カルボキシル基(2個のカルボキシル
    基から酸無水物を形成してもよい。)またはシリル基を
    表す。〕で示される環構造であるポリオール(b)を少
    なくとも1種含むポリオール化合物とポリイソシアネー
    ト化合物との重付加反応により得られるポリウレタン。
  8. 【請求項8】ポリオール(b)の少なくとも1種が両末
    端にそれぞれ独立に一般式(III)で示される構造を
    有し、その間が一般式(IV)で示される環構造の繰り
    返し単位と炭素数4〜12の炭化水素の繰り返し単位か
    ら成る化合物であることを特徴とする請求項7に記載の
    ポリウレタン。
  9. 【請求項9】ポリオール化合物の内、ポリオール(b)
    の割合が5〜100モル%である請求項7または8に記
    載のポリウレタン。
  10. 【請求項10】一般式(IV)で示される繰り返し単位
    のR9〜R16がそれぞれ独立に水素原子または炭素数1
    〜20の炭化水素基(R11とR12、R13とR14はそれぞ
    れの組で独立に、合わせてアルキリデン基でもよく、R
    9〜R16のうち2つ以上が連結し環を形成してもよ
    い。)である請求項7〜9のいずれかに記載のポリウレ
    タン。
  11. 【請求項11】一般式(IV)で示される繰り返し単位
    のR9〜R16が水素原子である請求項7〜9のいずれか
    に記載のポリウレタン。
  12. 【請求項12】一般式(IV)で示される繰り返し単位
    のR9〜R12、R15〜R1 6が水素原子であり、R13とR
    14が両方を併せてエチリデン基である請求項7〜9のい
    ずれかに記載のポリウレタン。
  13. 【請求項13】両末端にそれぞれ独立に一般式(I) −CH2−(CH2m−OH、−CH2−(CH2n−OH (I) 〔m、nは独立に0〜5の整数を表す〕で示される構造
    を有し、その間を構成する繰り返し単位の少なくとも一
    種類が一般式(II) 【化3】 (II) 〔式中、R1〜R8は独立にハロゲン原子、水素原子、置
    換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基
    (R1〜R8のうち2つ以上が連結し環を形成してもよ
    い。)、シアノ基、水酸基、アルコキシル基、アルコキ
    シカルボニル基、アシル基、ホルミル基、カルボキシル
    基(2個のカルボキシル基から酸無水物を形成してもよ
    い。)またはシリル基を表す。〕で示される環構造であ
    るポリオール(a)を少なくとも1種含むポリオール化
    合物とポリイソシアネート化合物とを重付加反応させる
    ことを特徴とするポリウレタンの製造方法。
  14. 【請求項14】ポリオール(a)の少なくとも1種が両
    末端にそれぞれ独立に一般式(I)で示される構造を有
    し、その間が一般式(II)で示される環構造の繰り返
    し単位と炭素数4〜12のアルキレン基の繰り返し単位
    から成る化合物であることを特徴とする請求項13に記
    載のポリウレタンの製造方法。
  15. 【請求項15】ポリオール化合物の内、ポリオール
    (a)の割合が5〜100モル%である請求項13また
    は14に記載のポリウレタンの製造方法。
  16. 【請求項16】一般式(II)で示される繰り返し単位
    のR1〜R8がそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜
    20の炭化水素基(R1〜R8のうち2つ以上が連結し環
    を形成してもよい。)である請求項13〜15のいずれ
    かに記載のポリウレタンの製造方法。
  17. 【請求項17】一般式(II)で示される繰り返し単位
    のR1〜R8が水素原子である請求項13〜15のいずれ
    かに記載のポリウレタンの製造方法。
  18. 【請求項18】一般式(II)で示される繰り返し単位
    のR1〜R4、R6〜R8が水素原子であり、R5がエチル
    基である請求項13〜15のいずれかに記載のポリウレ
    タンの製造方法。
  19. 【請求項19】両末端にそれぞれ独立に一般式(II
    I) =CH−(CH2m−OH、=CH−(CH2n−OH (III) 〔m、nは独立に0〜5の整数を表す〕で示される構造
    を有し、その間を構成する繰り返し単位の少なくとも一
    種類が一般式(IV) 【化4】 (IV) 〔式中、R9〜R16は独立にハロゲン原子、水素原子、
    置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基
    (R11とR12、R13とR14はそれぞれの組で独立に、合
    わせてアルキリデン基でもよく、R9〜R16のうち2つ
    以上が連結し環を形成してもよい。)、シアノ基、水酸
    基、アルコキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル
    基、ホルミル基、カルボキシル基(2個のカルボキシル
    基から酸無水物を形成してもよい。)またはシリル基を
    表す。〕で示される環構造であるポリオール(b)を少
    なくとも1種含むポリオール化合物とポリイソシアネー
    ト化合物とを重付加させることを特徴とするポリウレタ
    ンの製造方法。
  20. 【請求項20】ポリオール(b)の少なくとも1種が両
    末端にそれぞれ独立に一般式(III)で示される構造
    を有し、その間が一般式(IV)で示される環構造の繰
    り返し単位と炭素数4〜12の炭化水素の繰り返し単位
    から成る化合物であることを特徴とする請求項19に記
    載のポリウレタンの製造方法。
  21. 【請求項21】ポリオール化合物の内、ポリオール
    (b)の割合が5〜100モル%である請求項19また
    は20に記載のポリウレタンの製造方法。
  22. 【請求項22】一般式(IV)で示される繰り返し単位
    のR9〜R16がそれぞれ独立に水素原子または炭素数1
    〜20の炭化水素基(R11とR12、R13とR14はそれぞ
    れの組で独立に、合わせてアルキリデン基でもよく、R
    9〜R16のうち2つ以上が連結し環を形成してもよ
    い。)である請求項19〜21のいずれかに記載のポリ
    ウレタンの製造方法。
  23. 【請求項23】一般式(IV)で示される繰り返し単位
    のR9〜R16が水素原子である請求項19〜21のいず
    れかに記載のポリウレタンの製造方法。
  24. 【請求項24】一般式(IV)で示される繰り返し単位
    のR9〜R12、R15〜R1 6が水素原子であり、R13とR
    14が両方を併せてエチリデン基である請求項19〜21
    のいずれかに記載のポリウレタンの製造方法。
  25. 【請求項25】請求項1〜6のいずれかに記載のポリオ
    ール(a)とポリイソシアネート化合物を必須成分とす
    るポリウレタン製造用組成物。
  26. 【請求項26】請求項7〜12のいずれかに記載のポリ
    オール(b)とポリイソシアネート化合物を必須成分と
    するポリウレタン製造用組成物。
  27. 【請求項27】請求項1〜6のいずれかに記載のポリオ
    ール(a)、請求項7〜12のいずれかに記載のポリオ
    ール(b)およびポリイソシアネート化合物を必須成分
    とするポリウレタン製造用組成物。
  28. 【請求項28】請求項25〜27のいずれかに記載のポ
    リウレタン製造用組成物を重付加反応して得られるポリ
    ウレタン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009510235A (ja) * 2005-10-04 2009-03-12 バイエル・マテリアルサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト ポリウレアコーティングの製造のための組成物
WO2020013076A1 (ja) * 2018-07-13 2020-01-16 日本ゼオン株式会社 開環共重合体組成物
US11291357B2 (en) 2011-12-13 2022-04-05 Endochoice, Inc. Removable tip endoscope

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