JP2002051491A - モールドモータ - Google Patents

モールドモータ

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JP2002051491A
JP2002051491A JP2000230927A JP2000230927A JP2002051491A JP 2002051491 A JP2002051491 A JP 2002051491A JP 2000230927 A JP2000230927 A JP 2000230927A JP 2000230927 A JP2000230927 A JP 2000230927A JP 2002051491 A JP2002051491 A JP 2002051491A
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JP
Japan
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insulator
coil wire
stator core
molding
molded
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JP2000230927A
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English (en)
Inventor
Masahiro Narita
雅浩 成田
Wataru Kuwayama
弥 桑山
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Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
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  • Windings For Motors And Generators (AREA)
  • Insulation, Fastening Of Motor, Generator Windings (AREA)
  • Manufacture Of Motors, Generators (AREA)
  • Iron Core Of Rotating Electric Machines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コイル線で発熱した熱をインシュレータを介
し効率よくステータコアに伝え、さらにはハウジングを
介して外部への放熱性を向上させた高性能なモールドモ
ータを低コストで提供する。 【解決手段】 スロット11を備えたステータコア2
と、前記スロット11の内周面に沿うように挿入された
インシュレータ12と、前記スロット11間に設けられ
たティース10に前記インシュレータ12を介して巻装
されたコイル線3と、該コイル線3と前記ステータコア
2を覆うように封止材を成形固化したモールド部5とが
設けられ、前記インシュレータ12が前記モールド部5
成形時の応力、熱の少なくとも一方により変形する材料
で形成されていることを特徴とするモールドモータ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はモールドモータに関
する。
【0002】
【従来の技術】モールドモータにおいて、ステータコア
とコイルの絶縁を確実にするために、あるいはコイル線
巻き付け時およびモールド部の成形時にステータコアの
角部との接触によりコイル先が傷が付くのを防止するた
めにインシュレータが用いられている。
【0003】従来技術1として、一般的に剛性を高めた
樹脂で形成されたインシュレータをステータコアのスロ
ットに嵌合したのち、コイルを巻き、モールド部を成形
してモールドモータを製造していた。
【0004】従来技術2として、粉体塗装によりステー
タコアを被覆したのち、コイル線を巻き、モールド部を
成形してモールドモータを製造する方法が報告されてい
る。
【0005】従来技術3として、特開平09−1727
48公報には、ステータコアを金型内にインサートし、
あらかじめステータコア表面を被覆するように樹脂をア
ンダーモールドして被覆したのち、コイル線を巻き、モ
ールド部を成形してモールドモータを製造する方法が開
示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術1は、インシュレータとステータコア間の隙間をなく
すことができず、またモールド部成形によってもインシ
ュレータとステータコア間の隙間にモールド部の樹脂が
充分に充填されずにエアが残り、放熱性を損なう恐れが
ある。放熱性が悪いと、コイルで発生した熱が逃げず、
コイルの温度が高くなってコイルの抵抗値が高くなるの
で、通電効率が低下し、高負荷時のモータの性能・信頼
性が低下する。
【0007】また、従来技術2は、粉体塗装工程が必要
となるため、塗装費、塗装から焼き付けの工程費がかか
るので、コストアップする問題点がある。また角部に塗
料がのりにくく、ステータコアの角部が露出しコイルを
傷つける恐れがある。
【0008】従来技術3は、ステータコアを金型内にセ
ットする成形が2度(被覆成形とコイル巻き後のモール
ド成形)必要となるためコストアップする問題点があ
る。
【0009】本発明は上記課題を解決したもので、コイ
ル線で発熱した熱をインシュレータを介し効率よくステ
ータコアに伝え、さらにはハウジングを介して外部への
放熱性を向上させた高性能かつ高信頼性のモールドモー
タを低コストで提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記技術的課題を解決す
るために、本発明の請求項1において講じた技術的手段
(以下、第1の技術的手段と称する。)は、スロットを
備えたステータコアと、前記スロットの内周面に沿うよ
うに挿入されたインシュレータと、前記スロット間に設
けられたティース部に前記インシュレータを介して巻装
されたコイル線と、該コイル線と前記ステータコアを覆
うように封止材を成形固化したモールド部とが設けら
れ、前記インシュレータが前記モールド部成形時の応
力、熱の少なくとも一方により変形する材料で形成され
ていることを特徴とするモールドモータである。
【0011】上記第1の技術的手段による効果は、以下
のようである。
【0012】すなわち、インシュレータがモールド部成
形時の応力、熱の少なくとも一方により変形してインシ
ュレータとステータコア間の隙間をなくすことができる
ので、コイル線で発熱した熱をインシュレータを介し効
率よくステータコアに伝え、さらにはハウジングを介し
て外部への放熱性を向上させた高性能かつ高信頼性のモ
ールドモータができる。またコイル線の一部がモールド
部成形時の応力、熱の少なくとも一方により変形するイ
ンシュレータに嵌入し、インシュレータとコイル線間の
隙間をなくすことができるので、コイル線で発熱した熱
をインシュレータを介し効率よくステータコアに伝え、
さらにはハウジングを介して外部への放熱性を向上させ
た高性能かつ高信頼性のモールドモータができる。イン
シュレータの材質を変えるだけで従来と同じ工程で製造
できるので、コストアップせずに高性能かつ高信頼性の
モールドモータができる。
【0013】上記技術的課題を解決するために、本発明
の請求項2において講じた技術的手段(以下、第2の技
術的手段と称する。)は、前記インシュレータの内部に
補強材が設けられていることを特徴とする請求項1記載
のモールドモータである。
【0014】上記第2の技術的手段による効果は、以下
のようである。
【0015】すなわち、補強材により必要な剛性を有す
ることができ、かつインシュレータ自身はモールド部成
形時の応力、熱の少なくとも一方により変形できるの
で、コイル線を巻くときの作業性が確保できるととも
に、インシュレータとステータコア間、インシュレータ
とコイル線間の隙間をなくすことができる。
【0016】上記技術的課題を解決するために、本発明
の請求項3において講じた技術的手段(以下、第3の技
術的手段と称する。)は、前記モールド部が射出成形で
成形されることを特徴とする請求項1または2記載のモ
ールドモータである。
【0017】上記第3の技術的手段による効果は、以下
のようである。
【0018】すなわち、モールド部を形成する工程が簡
単であるとともに、射出成形の圧力と熱をインシュレー
タの変形に有効に活用することができるので、高性能か
つ高信頼性の低コストなモールドモータができる。
【0019】上記技術的課題を解決するために、本発明
の請求項4において講じた技術的手段(以下、第4の技
術的手段と称する。)は、前記インシュレータがゴム弾
性材料で形成されていることを特徴とする請求項1〜3
のいずれかに記載のモールドモータである。
【0020】上記第4の技術的手段による効果は、以下
のようである。
【0021】すなわち、モールド部を形成するときの圧
力によりインシュレータがゴム弾性変形するので、イン
シュレータとステータコア間、インシュレータとコイル
線間の隙間をなくすことができる。
【0022】上記技術的課題を解決するために、本発明
の請求項5において講じた技術的手段(以下、第5の技
術的手段と称する。)は、前記インシュレータが前記モ
ールド部の成形時の熱により軟化変形する材料で形成さ
れていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
載のモールドモータである。
【0023】上記第5の技術的手段による効果は、以下
のようである。
【0024】すなわち、モールド部の成形時の熱により
インシュレータが軟化変形するので、インシュレータと
ステータコア間、インシュレータとコイル線間の隙間を
なくすことができる。
【0025】上記技術的課題を解決するために、本発明
の請求項6において講じた技術的手段(以下、第6の技
術的手段と称する。)は、前記インシュレータの熱変形
温度が50〜100℃であることを特徴とする請求項5
記載のモールドモータである。
【0026】上記第6の技術的手段による効果は、以下
のようである。
【0027】すなわち、インシュレータの熱変形温度が
モールド部の成形時の温度より低いので、モールド部の
成形時の圧力によりインシュレータが変形され、インシ
ュレータとステータコア間、インシュレータとコイル線
間の隙間をなくすことができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について、
図面に基づいて説明する。
【0029】(実施例1)図1は本発明の実施例1のモ
ールドモータ構成部品である固定子アセンブリ部の断面
図である。モールドモータは、この固定子アセンブリ部
とその内部に軸受で保持されたシャフトに固定された回
転子で構成されている。図2は実施例1のステータ鋼板
の平面図である。
【0030】ステータ鋼板1は珪素鋼板を打ち抜いて作
製する。外周部8から内径側に8つのティース部6が突
出している。ティース部6間の空間によりスロット部7
を形成している。ステータ鋼板1を複数枚積層してカシ
メてステータコア2を製造する。このときティース部6
がステータ鋼板1間で互いに一致するように積層され、
ティース部6はティース10を形成し、スロット部7は
連通してステータコア2のスロット11を形成する。な
お、本実施例ではティース10、スロット11はそれぞ
れ8つ設けられているが、その数や形状には特に限定さ
れず、設計により任意に設定できる。また本実施例では
ステータコア2は複数枚のステータ鋼板1を積層して形
成されているが、鋼材から加工したり、燒結金属で製造
するなど一体で形成されたものでもよい。
【0031】スロット11にインシュレータ12を嵌合
し、スロット11にコイル線3を通してインシュレータ
12を介してティース10にコイル線3を巻装する。こ
のコイル線3の端はターミナル4を介して端子40に結
合されている。端子40はコイル線3に通電するため外
部の電源と連通するために設けられている。ステータコ
ア2、コイル線3、ターミナル4、インシュレータ12
が絶縁性の封止材によりモールドされる。5が封止材モ
ールド部である。
【0032】インシュレータ12の材質として天然ゴム
やEPDM(エチレン・プロピレンゴム)などや、オレ
フィン系、ポリエステル系などのエラストマー、さらに
は可塑材等の添加により軟質化した塩化ビニルなどの応
力、熱の少なくとも一方により変形する変形性を有する
材料から構成されているものであり、少なくともインシ
ュレータ形状の内でステータコアとコイル線の間に位置
する部分がこれらの材質で構成されているものである。
【0033】材料構成として、好ましくは変形性を損な
わない程度に熱伝導性を向上させるために無機フィラー
(アルミナ、炭化珪素、窒化珪素など)や金属フィラー
などが添加されたものである。
【0034】図3は封止材モールド前の実施例1のコイ
ルアセンブリ部AA断面図である。ステータコア2のス
ロット11にインシュレータ12を嵌合させる。インシ
ュレータ12は、あらかじめ非強化のポリプロピレン
(以後PPと称する)樹脂(出光石油化学社製TI30
00)を射出成形して製造したものである。PP樹脂の
融点は165℃、熱変形温度は55℃(1.82MPa
時)、硬度はロックウェルRで87である。
【0035】次に所定の被覆銅線(φ1.2)を用い
て、インシュレータ12を介してティース10に必要回
数コイル線3を巻装し、コイルアッセンブリ13を作製
する。
【0036】インシュレータ12の外周面とスロット1
1の内面の形状を完全に一致させることはできないの
で、インシュレータ12とスロット11の内面の間には
隙間14ができる。隙間14は、特にスロット11のコ
ーナー部とインシュレータ12のコーナー部の間にが生
ずる。コイル線の巻数を多くするためにコーナー部が一
般的に鋭角になっているため、これらのコーナー部に隙
間14がさらに生じやすくなっている。またコイル線3
とインシュレータ12の間にも隙間15ができている。
【0037】続いて、コイルアッセンブリ13を金型内
にセッティングし、絶縁性の熱可塑性樹脂であるポリフ
ェニレンサルファイド(以後PPSと称する)樹脂(ポ
リプラスチックス社製フォートロンF210C)により
射出成形を行い、封止材モールド部5を形成して固定子
アセンブリ部を製造する。PPS樹脂の熱変形温度は2
70℃(1.82MPa時)である。射出成形条件は樹
脂温度330℃、金型温度140℃、射出圧力120M
Pa、射出速度150cm/secで行った。コイルア
ッセンブリ13は金型内にセッティングされているの
で、金型温度と同じ140℃になっている。固定子アセ
ンブリ部に回転子を取り付けて自動車用のモールドモー
タを製造した。
【0038】評価は、固定子アセンブリ部を製造した段
階で、図2のAA断面でカットし、その断面を観察し
た。またコイル線3に20Aの電流を流す通電試験を実
施し、固定子アセンブリ部の封止材モールド部5外部B
点の温度を測定し、B点の温度が上昇後飽和する飽和温
度を測定した。
【0039】(実施例2)インシュレータ12の材質と
してエチレン・エチレンプロピレン(以後EPDMと称
する)ゴムを使用した以外実施例1と同様にモールドモ
ータを製造した。EPDMゴムはNOK社製E946を
使用した。EPDMゴムはゴム弾性材料で、その硬度は
JIS A85である。評価は実施例1と同じ方法で行
った。
【0040】(実施例3)インシュレータ12の材質と
してアクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体
(以後ABSと称する)樹脂を使用した以外実施例1と
同様にモールドモータを製造した。ABS樹脂は三菱レ
ーヨン社製GM−1Kを使用した。ABS樹脂の熱変形
温度は95℃(1.82MPa時)、硬度はロックウェ
ルRで45である。評価は実施例1と同じ方法で行っ
た。
【0041】(比較例)インシュレータ12の材質とし
て、従来技術1で一般的に使用されているポリアミド
(以後PA66と称する)樹脂を使用した以外実施例1
と同様にモールドモータを製造した。PA66樹脂は東
レ社製CM3001G15を使用した。PA66樹脂の
融点は265℃、熱変形温度は245℃(1.82MP
a時)、硬度はロックウェルMで30である。
【0042】(評価結果)表1に実施例1〜3および比
較例のインシュレータと封止材の材質、封止材の成形条
件および評価結果を示す。
【0043】
【表1】 図4は封止材モールド後の実施例1の固定子アセンブリ
部AA断面図である。封止材モールド前に存在していた
隙間14、15がなくなっている。隙間14がなくなっ
たのは、金型温度がインシュレータ12の熱変形温度よ
り高く、かつ金型温度と封止材の熱によりインシュレー
タ12の温度がその融点近くになるので、射出圧力によ
り直接あるいはコイル線3を介して、インシュレータ1
2が軟化変形されスロット11の内面に押し当てられス
ロット11の内面形状に沿うように変形されたためであ
る。封止材モールド後のインシュレータ12の外周面は
ステータ鋼板1の積層断面をきれいに転写していた。
【0044】一方、隙間15がなくなったのは、射出圧
力によりコイル線3がインシュレータ12の内面に押し
当てられ、金型温度と封止材の熱により熱変形温度より
高く、融点近くに加熱されたインシュレータ12にコイ
ル線3の一部が嵌入したためである。封止材モールド後
のインシュレータ12内周面はコイル線3により山形状
に変形させられていた。
【0045】実施例2、3も実施例1と同様に隙間1
4、15がなくなっていた。実施例2で隙間14がなく
なったのは、インシュレータ12にゴム弾性があるた
め、射出成形時の圧力によりインシュレータ12が押圧
され、スロット11の内面に押し当てられスロット11
の内面形状に沿うように変形されたためである。また実
施例2で隙間15がなくなったのは、射出成形時の圧力
によりコイル線3がインシュレータ12の内面に押し当
てられ、インシュレータ12にゴム弾性があるため、イ
ンシュレータ12にコイル線3の一部が嵌入したためで
ある。
【0046】実施例3で隙間14がなくなったのは、金
型温度がインシュレータ12の熱変形温度より高いの
で、射出圧力により直接あるいはコイル線3を介して、
インシュレータ12が軟化変形されスロット11の内面
に押し当てられスロット11の内面形状に沿うように変
形されたためである。実施例3で隙間15がなくなった
のは、射出圧力によりコイル線3がインシュレータ12
の内面に押し当てられ、金型温度と封止材の熱により軟
化したインシュレータ12にコイル線3の一部が嵌入し
たためである。
【0047】図5は封止材モールド後の比較例の固定子
アセンブリ部AA断面図である。
【0048】比較例ではインシュレータ12の変形がほ
とんどないために、隙間14、15をなくすことができ
ない。特にスロット11のコーナー部とインシュレータ
12のコーナー部に隙間14が生じていた。この対策す
るために封止材の成形圧力を最大限に高めたが隙間14
を解消することはできなかった。またインシュレータ1
2とコイル線3の間においては封止材樹脂の未充填から
生ずる隙間15が生じていた。特にコイル線3が密接し
た部分に隙間15が目立っていた。隙間14の場合と同
様、封止材の成形圧力を最大限に高めたが隙間15を解
消することはできなかった。また封止材の材質を流動性
の良い材料に変更しても充分な改善は得られなかった。
【0049】実施例1〜3の飽和温度は126〜128
℃で、比較例の飽和温度141℃よりかなり低くなって
いる。これは実施例1〜3では隙間14、15がなくな
ったため、コイル線3で発生した熱が効率よくステータ
コア2に伝達できるからである。これにより性能・信頼
性に優れたモールドモータを提供できる。
【0050】また、本発明のモールドモータは、放熱性
を向上できるだけでなく、成形時に変形しやすかったコ
イルもインシュレータの変形により吸収しているため、
従来ほど低圧で成形する必要もなくなるという効果も奏
する。
【0051】実施例1〜3のインシュレータ12では補
強材がない場合について示したが、インシュレータ12
の内部に補強材を入れても同じ効果を奏する。補強材が
設けられているインシュレータとしては、例えば、図6
のように芯材部20aとして剛性を有する材料を用い、
その芯材部20aを覆う表面部20bとしてモールド部
成形時の応力、熱の少なくとも一方により変形する材料
で構成されているインシュレータ20がある。モールド
部成形時の応力、熱の少なくとも一方により表面部20
bが変形できるので、インシュレータとステータコア
間、インシュレータとコイル線間の隙間をなくすことが
できる。しかも補強材により必要な剛性が確保できるの
で、コイル線を巻くときの作業性も確保できる。芯材部
20aの材料としてガラス繊維入りのポリアミド樹脂な
どがある。
【0052】なお、本発明に用いることができる封止材
としては、熱伝導性が高い樹脂や液状樹脂、ゴムなどを
挙げることができる。例えば、不飽和ポリエステル樹
脂、エポキシ樹脂、イミド樹脂、シリコーン樹脂、フェ
ノール樹脂などが挙げられ、好ましくは配合時、成形時
の樹脂粘度が低いものである。さらに、ポリプロピレン
樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネ
イト樹脂など、種々の一般的な熱可塑性樹脂を選定する
ことができる。好ましくは低分子量で溶融時粘度が低い
ものがよい。また、封止材中には、内部離型剤、分散
剤、難燃剤、硬化触媒、着色剤など一般的に樹脂に配合
される成分を本発明を損なわない範囲で添加することが
できる。
【0053】
【発明の効果】以上のように、本発明は、スロットを備
えたステータコアと、前記スロットの内周面に沿うよう
に挿入されたインシュレータと、前記スロット間に設け
られたティース部に前記インシュレータを介して巻装さ
れたコイル線と、該コイル線と前記ステータコアを覆う
ように封止材を成形固化したモールド部とが設けられ、
前記インシュレータが前記モールド部成形時の応力、熱
の少なくとも一方により変形する材料で形成されている
ことを特徴とするモールドモータであるので、コイル線
で発熱した熱をインシュレータを介し効率よくステータ
コアに伝え、さらにはハウジングを介して外部への放熱
性を向上させた高性能なモールドモータを低コストで提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1のモールドモータ構成部品で
ある固定子アセンブリ部の断面図
【図2】実施例1のステータ鋼板の平面図
【図3】封止材モールド前の実施例1のコイルアセンブ
リ部AA断面図
【図4】封止材モールド後の実施例1の固定子アセンブ
リ部AA断面図
【図5】封止材モールド後の比較例の固定子アセンブリ
部AA断面図
【図6】補強材を設けたインシュレータの断面図
【符号の説明】
2…ステータコア 3…コイル線 5…封止材モールド部(モールド部) 10…ティース 11…スロット 12、20…インシュレータ 20a…芯材部(補強材)
フロントページの続き Fターム(参考) 5H002 AA10 AB01 5H603 AA03 AA04 AA09 AA11 BB01 BB09 BB12 CA01 CA05 CB02 CB26 CC11 CC17 CD01 CD04 CD14 CD21 CE01 EE10 EE11 EE12 EE13 FA02 FA16 FA24 FA26 FA29 FA30 5H604 AA03 BB01 BB10 BB14 CC01 CC05 CC16 DA14 DA15 DA16 DA18 DA19 DA25 DB02 DB26 PB03 5H615 AA01 BB01 BB07 BB14 BB16 PP01 PP13 QQ02 QQ09 RR02 RR07 SS44 TT26 TT31 TT32 TT34 TT36 TT39

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スロットを備えたステータコアと、前記
    スロットの内周面に沿うように挿入されたインシュレー
    タと、前記スロット間に設けられたティース部に前記イ
    ンシュレータを介して巻装されたコイル線と、該コイル
    線と前記ステータコアを覆うように封止材を成形固化し
    たモールド部とが設けられ、前記インシュレータが前記
    モールド部成形時の応力、熱の少なくとも一方により変
    形する材料で形成されていることを特徴とするモールド
    モータ。
  2. 【請求項2】 前記インシュレータの内部に補強材が設
    けられていることを特徴とする請求項1記載のモールド
    モータ。
  3. 【請求項3】 前記モールド部が射出成形で成形される
    ことを特徴とする請求項1または2記載のモールドモー
    タ。
  4. 【請求項4】 前記インシュレータがゴム弾性を有する
    材料で形成されていることを特徴とする請求項1〜3の
    いずれかに記載のモールドモータ。
  5. 【請求項5】 前記インシュレータが前記モールド部の
    成形時の熱により軟化変形する材料で形成されているこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のモール
    ドモータ。
  6. 【請求項6】 前記インシュレータの熱変形温度が50
    〜100℃であることを特徴とする請求項5記載のモー
    ルドモータ。
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