JP2002050091A - 光磁気記録媒体 - Google Patents

光磁気記録媒体

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JP2002050091A
JP2002050091A JP2000229605A JP2000229605A JP2002050091A JP 2002050091 A JP2002050091 A JP 2002050091A JP 2000229605 A JP2000229605 A JP 2000229605A JP 2000229605 A JP2000229605 A JP 2000229605A JP 2002050091 A JP2002050091 A JP 2002050091A
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magneto
thickness
dielectric layer
optical recording
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JP2000229605A
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Norio Adachi
則夫 安達
Takeshi Koizumi
剛 小泉
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁界変調オーバーライトが可能な光磁気記録
媒体において、パワーマージンを広範にし、繰り返し信
号記録後の劣化の低減を図る。 【解決手段】 光透過性基板2上に、少なくとも第1の
誘電体層3、光磁気記録層4、第2の誘電体層6、反射
層7とが順次積層形成されて成る光磁気記録媒体1にお
いて、第1の誘電体層3の膜厚をd1 とし、反射層7の
膜厚をd2 としたとき、0.55≦(d2 /d1 )≦
0.9の関係が成立し、かつ反射層7は、Al、Au、
およびTiにより構成され、Auが20〜40〔重量
%〕、Tiが0.5〜2.0〔重量%〕含有されて成る
ものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光磁気記録媒体に
係わる。
【0002】
【従来の技術】近年、情報記録媒体開発の分野において
は、光記録方式に関する研究が各所で進められている。
この光記録方式は、レーザー光を照射することにより情
報の記録再生を行うものであり、この方式を利用した光
学記録媒体として、再生専用型のディジタルオーディオ
ディスク(いわゆるコンパクトディスク)や、光学方式
ビデオディスク(いわゆるレーザーディスク(登録商
標))等が広く普及している。
【0003】一方、ユーザーが、繰り返して情報の記
録、および消去を行うことができる、書き込み可能型の
光学記録媒体として、光磁気記録媒体の開発が進められ
ており、商品化されている。このような光磁気記録媒体
として、ミニディスク(Mini Disc)が広く普
及している。
【0004】このような光磁気記録媒体は、一般的に、
例えばポリカーボネート製の透明基板上に、この基板面
上に成膜面と垂直方向に磁化容易軸を有し、かつ磁気光
学効果の大きな磁性薄膜よりなる磁気記録層と、誘電体
層と、金属反射層と、誘電体層とが順次積層された構成
を有するものである。そして、上記磁気記録層と誘電体
層と、金属反射層からなる積層構成の記録部上に、例え
ば紫外線硬化性樹脂よりなる保護層が積層形成された構
成を有するものである。
【0005】例えば、ミニディスクのような光磁気記録
媒体においては、民生用録音機器として手軽に音楽等を
記録できるが、この情報信号の録音時間に関しては、当
初60〔分〕であったものが74〔分〕となり、さらに
近年においては80〔分〕と長時間化が実現されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、記録時
間の長時間化に伴い、ディスク型の光磁気記録媒体の線
速度が、60〔分〕記録の場合には1.2〔m/s〕で
あったものが、1.4〔m/s〕になり、情報信号のト
ラックピッチに関しても、1.6〔μm〕から1.5
〔μm〕になり、情報信号の高密度化が進んでおり、こ
のため、光磁気記録媒体の特性の一つであるパワーマー
ジンを広範に確保することに対して不利になってきてい
る。パワーマージンが狭くなると、エラーレートの上昇
度合いが顕著になり、外乱によって安定した信号特性が
得られなくなってしまいがちである。場合によっては、
信号が読めなくなってしまうこともあり、C/N特性の
著しい劣化を招来した。
【0007】さらに、多数回繰り返して情報の記録およ
び再生を行うミニディスクのような光磁気記録媒体にお
いては、特性安定性、耐久性に関してさらなる向上を図
ることが望まれている。
【0008】従来においては、レーザー光が光磁気記録
媒体の信号記録層を正確にトレースするように、光磁気
記録媒体に形成されたグルーブ溝の特性を向上させた
り、また、記録層近傍に誘電体層を形成し、かつこの膜
厚を調整し、エンハンスト効果により、記録精度を向上
させたりしていたが、今後においては、さらに高いC/
N特性を有し、かつ耐久性に優れた光磁気記録媒体の実
現が望まれている。
【0009】そこで、本発明者等は、上述した点に鑑み
て、パワーマージンの拡大を図り、C/N特性を向上さ
せ、多数回繰り返し記録後においても、特性劣化が少な
く、安定した高いC/N特性を維持し得る磁界変調オー
バーライトが可能な光磁気記録媒体を提供することとし
た。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の光磁気記録媒体
は、光透過性基板上に、少なくとも第1の誘電体層、光
磁気記録層、第2の誘電体層、および反射層とが順次積
層形成されて成る光磁気記録媒体であるものとし、第1
の誘電体層の膜厚をd1 とし、反射層の膜厚をd2 とし
たときに、0.55≦(d2 /d1 )≦0.9の関係が
成立するものとし、かつ反射層は、Al、Au、および
Tiにより構成されて成り、反射層中に、Auが20〜
40〔重量%〕、Tiが0.5〜2.0〔重量%〕含有
されて成るものとする。
【0011】本発明によれば、磁界変調オーバーライト
が可能な光磁気記録媒体において、パワーマージンの拡
大が図られたことによりエラーレートの上昇が抑えら
れ、外乱の影響を受けにくくなされ、信号品質が向上
し、C/N特性の向上を図ることができ、信号品質の向
上が図られる。また、反射層中に、添加元素としてA
u,Tiを、所要量添加したことによって、多数回繰り
返し記録後においても、特性劣化が少なく高い安定性を
有してC/N特性を維持される。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の光磁気記録媒体は、光透
過性基板上に、第1の誘電体層、光磁気記録層、第2の
誘電体層、および反射層とが順次積層形成されて成る光
磁気記録媒体であるものとし、第1の誘電体層の膜厚を
1 とし、反射層の膜厚をd2 としたときに、0.55
≦(d2 /d1 )≦0.9の関係が成立するものとし、
かつ反射層は、Al、Au、およびTiにより構成さ
れ、Auが20〜40〔重量%〕、Tiが0.5〜2.
0〔重量%〕含有されて成るものとする。
【0013】以下、発明の光磁気記録媒体について、例
を挙げて説明するが、本発明の光磁気記録媒体は、以下
に示す例に限定されるものではない。
【0014】図1に、本発明の光磁気記録媒体1の一例
の概略断面図を示す。本発明の光磁気記録媒体1は、例
えば、ポリカーボネート樹脂からなる光透過性基板2上
に、第1の誘電体層3、光磁気記録層4、および第2の
誘電体層6が順次積層されて成る記録層10が形成され
ており、この記録層10上に、反射層7および保護層8
が形成された構成を有するものである。
【0015】図1に示す光磁気記録媒体1においては、
第1の誘電体層3の膜厚をd1 とし、反射層7の膜厚を
2 とするものとし、このとき、これらd1 とd2 との
間には、0.55≦(d2 /d1 )≦0.9の関係が成
立するものとする。
【0016】また、反射層7は、Alを主体として、A
u、およびTiが添加されて構成されたものとし、これ
らの構成比は、Auが20〜40〔重量%〕、Tiが
0.5〜2.0〔重量%〕であるものとし、Alはこれ
らの残部量、すなわちバランス量であるものとする。
【0017】図1に示す光磁気記録媒体1に対して信号
の記録を行う場合には、光透過性基板2側から所定のパ
ワーのレーザ光を連続照射し光磁気記録層4をキュリー
温度以上まで昇温し、それと同時に保護層8側から、所
定の情報に応じて変調させた磁界をかけて情報の書き込
みを行う。また、信号の再生を行う場合には、光透過性
基板2側から、媒体が加熱されない程度のパワーのレー
ザー光、例えば780nmの波長のレーザー光を、対物
レンズにより集光し照射することによって行う。
【0018】光透過性基板2は、適用するレーザー光に
対して、透過性を有する材料により形成されるものと
し、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、エ
ポキシ樹脂、4−メチル−ペンテン樹脂、非晶質ポリオ
レフィン樹脂、スチレン系樹脂等の、従来公知の樹脂を
用いて、射出成形法により作製することができる。ま
た、光透過性基板2の材料として樹脂の他にガラスも適
用することができる。
【0019】光透過性基板2の面上には、ピットやグル
ーブを構成する所定の微細凹凸が形成されていてもよ
い。グルーブを形成した場合には、これを案内溝として
レーザー光をディスク上の任意の位置へ移動させること
ができ、ピットの場合には、これが情報信号となってレ
ーザー光の照射により記録情報を読み取ることができ
る。所定の微細凹凸は、射出成形や、フォトポリマリゼ
イション法(2P法)によって形成することができる。
【0020】第1の誘電体層3、および第2の誘電体層
6は、光磁気記録媒体1のC/N特性を向上させ、第1
の記録層4および第2の記録層5の腐食を防止するため
に形成されるものである。すなわち、透明基板2や、保
護層8中には、金属を腐食させる成分が含まれている場
合が多いので、第1の誘電体層3および第2の誘電体層
6を、中間に第1の記録層4および第2の記録層5を挟
み込むようにして形成することにより、金属を腐食させ
る成分に直接影響されることを回避することができるの
である。第1の誘電体層3は、厚さ70〜90〔nm〕
程度に形成し、第2の誘電体層6は、厚さ15〜50
〔nm〕程度に形成する。
【0021】なお、第1の誘電体層3および第2の誘電
体層6は、記録再生用のレーザー光の適用波長に対し
て、吸収能の低い材料により形成することが必要であ
る。例えば、ZnS−SiO2 混合体や、Al,Si,
Ta,Ti,Zr,Mg,B,Zn,Pd,La,Ge
等の金属および半金属の元素の窒化物、酸化物、炭化
物、フッ化物、窒酸化物、窒炭化物、酸炭化物、AlO
N、SIAlON等からなる層、およびこれらを主成分
とする材料を適用することができる。
【0022】光磁気記録層4としては、光熱磁気効果に
より記録および再生ができる性質を有するものを適用す
る。具体的には、成膜面に垂直方向に磁化容易軸を有
し、任意反転磁区を作ることにより、光磁気効果に基づ
いて情報の記録および再生が可能な磁性金属薄膜を形成
することが必要である。例えば、TbFe、TbFeC
o、GdTbFe、NdDyFeCo、NdDyTbF
eCo、NdFe、CeFe等の希土類元素と遷移金属
元素との非晶質合金膜、Co/Pt、Co/Pd等の人
工格子多層膜等を適用することができる。さらに、光磁
気記録層4は、単層構造に限らず、組成の異なる複数の
層を積層した多層構造とすることもできる。このような
多層構造として光磁気記録層4を形成する場合には、読
み出し性能の高い層と、記録性能の高い層とを積層する
ことにより、C/N特性に優れ、かつ記録感度の高い光
磁気記録媒体を得ることができる。
【0023】本発明の光磁気記録媒体1を構成する反射
層7は、Alを主体として、Au、およびTiが添加さ
れて構成されたものとし、これらの構成比は、Auが2
0〜40〔重量%〕、Tiが0.5〜2.0〔重量%〕
であるものとし、Alはこれらの残部量、すなわちバラ
ンス量であるものとする。
【0024】保護層8は、反射層7上に積層形成される
ものとし、これは、紫外線硬化性樹脂によって形成する
ことができる。保護層8は、例えば5〜20〔μm〕程
度の膜厚に形成する。
【0025】次に、本発明の光磁気記録媒体について、
具体的な〔実施例〕および〔比較例〕を挙げて説明する
が、本発明は、以下に示す例に限定されるものではな
い。
【0026】〔実施例1〕以下のようにして、図1に示
した構造の光磁気記録媒体を作製した。光透過性基板2
として、ポリカーボネート樹脂により、外径64〔m
m〕、厚さ1.2〔mm〕のディスク状基板を作製す
る。続いて、Ar/N2 ガス雰囲気中で、Siをターゲ
ットとして、スパッタ法により、光透過性基板2上に、
窒化ケイ素膜を厚さ850〔Å〕に成膜して第1の誘電
体層3を形成した。次に、Ar雰囲気中において、スパ
ッタ法により、TbFeCo合金膜を、厚さ320
〔Å〕に成膜し、光磁気記録層4を形成した。続いてA
r/N2 ガス雰囲気中で、Siをターゲットとして、ス
パッタ法により窒化ケイ素膜を成膜して第2の誘電体層
6を形成した。
【0027】次に、Ar雰囲気中で、Al68Au30Ti
2.0 合金をターゲットとして、スパッタ法により第2の
誘電体層6上に、金属層を成膜して反射層7を形成し
た。なお、金属元素の添字の68、30、2.0は、組
成比であり、元素の重量%を示すものとする。すなわち
反射層7は、Alが68〔重量%〕、Auが30〔重量
%〕、Tiが2.0〔重量%〕含有されてなるものとす
る。反射膜7は、膜厚468〔Å〕に形成し、上記第1
の誘電体層3の膜厚をd1とし、反射層7の膜厚をd2
としたとき、(d2 /d1 )の値が0.55になるよう
にした。
【0028】次に、反射層7上に、紫外線硬化性樹脂を
スピンコートし、紫外線を照射してこれを硬化すること
により、保護層8を形成し、最終的に目的とする光磁気
記録媒体7を作製した。
【0029】〔実施例2〕第1の誘電体層3の膜厚を8
50〔Å〕に成膜して、反射膜7は、膜厚553〔Å〕
に形成し、上記第1の誘電体層3の膜厚をd1 とし、反
射層7の膜厚をd 2 としたとき、(d2 /d1 )の値が
0.65になるようにした。また反射膜7の組成はAl
68Au30Ti2.0 、すなわちAlが68〔重量%〕、A
uが30〔重量%〕、Tiが2.0〔重量%〕含有され
てなるものとした。その他、光透過性基板2、第2の誘
電体層6、および保護層8については、上記〔実施例
1〕と同様にして成膜するものとし、各成膜順について
も〔実施例1〕と同様として光磁気記録媒体1を作製し
た。
【0030】〔実施例3〕第1の誘電体層3の膜厚を8
00〔Å〕に成膜して、反射膜7は、膜厚520〔Å〕
に形成し、上記第1の誘電体層3の膜厚をd1 とし、反
射層7の膜厚をd 2 としたとき、(d2 /d1 )の値が
0.65になるようにした。また反射膜7の組成はAl
78.5Au20Ti1.5 、すなわちAlが78.5〔重量
%〕、Auが20〔重量%〕、Tiが1.5〔重量%〕
含有されてなるものとした。その他、光透過性基板2、
第2の誘電体層6、および保護層8については、上記
〔実施例1〕と同様にして成膜するものとし、各成膜順
についても〔実施例1〕と同様として光磁気記録媒体1
を作製した。
【0031】〔実施例4〕第1の誘電体層3の膜厚を8
00〔Å〕に成膜して、反射膜7は、膜厚680〔Å〕
に形成し、上記第1の誘電体層3の膜厚をd1 とし、反
射層7の膜厚をd 2 としたとき、(d2 /d1 )の値が
0.85になるようにした。また反射膜7の組成はAl
59.5Au40Ti0.5 、すなわちAlが59.5〔重量
%〕、Auが40〔重量%〕、Tiが0.5〔重量%〕
含有されてなるものとした。その他、光透過性基板2、
第2の誘電体層6、および保護層8については、上記
〔実施例1〕と同様にして成膜するものとし、各成膜順
についても〔実施例1〕と同様として光磁気記録媒体1
を作製した。
【0032】〔実施例5〕第1の誘電体層3の膜厚を8
00〔Å〕に成膜して、反射膜7は、膜厚720〔Å〕
に形成し、上記第1の誘電体層3の膜厚をd1 とし、反
射層7の膜厚をd 2 としたとき、(d2 /d1 )の値が
0.9になるようにした。また反射膜7の組成はAl
64.5Au35Ti0.5 、すなわちAlが64.5〔重量
%〕、Auが35〔重量%〕、Tiが0.5〔重量%〕
含有されてなるものとした。その他、光透過性基板2、
第2の誘電体層6、および保護層8については、上記
〔実施例1〕と同様にして成膜するものとし、各成膜順
についても〔実施例1〕と同様として光磁気記録媒体1
を作製した。
【0033】〔比較例1〕第1の誘電体層3の膜厚を6
00〔Å〕に成膜して、反射膜7は、膜厚360〔Å〕
に形成し、上記第1の誘電体層3の膜厚をd1 とし、反
射層7の膜厚をd 2 としたとき、(d2 /d1 )の値が
0.6になるようにした。また反射膜7の組成はAl54
Au45Ti1 、すなわちAlが54〔重量%〕、Auが
45〔重量%〕、Tiが1〔重量%〕含有されてなるも
のとした。その他、光透過性基板2、第2の誘電体層
6、および保護層8については、上記〔実施例1〕と同
様にして成膜するものとし、各成膜順についても〔実施
例1〕と同様として光磁気記録媒体1を作製した。
【0034】〔比較例2〕第1の誘電体層3の膜厚を1
050〔Å〕に成膜して、反射膜7は、膜厚788
〔Å〕に形成し、上記第1の誘電体層3の膜厚をd1
し、反射層7の膜厚をd2 としたとき、(d2 /d1
の値が0.75になるようにした。また反射膜7の組成
はAl64.7Au35Ti0.3 、すなわちAlが64.7
〔重量%〕、Auが35〔重量%〕、Tiが0.3〔重
量%〕含有されてなるものとした。その他、光透過性基
板2、第2の誘電体層6、および保護層8については、
上記〔実施例1〕と同様にして成膜するものとし、各成
膜順についても〔実施例1〕と同様として光磁気記録媒
体1を作製した。
【0035】〔比較例3〕第1の誘電体層3の膜厚を7
50〔Å〕に成膜して、反射膜7は、膜厚300〔Å〕
に形成し、上記第1の誘電体層3の膜厚をd1 とし、反
射層7の膜厚をd 2 としたとき、(d2 /d1 )の値が
0.4になるようにした。また反射膜7の組成はAl69
Au30Ti1 、すなわちAlが69〔重量%〕、Auが
30〔重量%〕、Tiが1〔重量%〕含有されてなるも
のとした。その他、光透過性基板2、第2の誘電体層
6、および保護層8については、上記〔実施例1〕と同
様にして成膜するものとし、各成膜順についても〔実施
例1〕と同様として光磁気記録媒体1を作製した。
【0036】〔比較例4〕第1の誘電体層3の膜厚を8
00〔Å〕に成膜して、反射膜7は、膜厚880〔Å〕
に形成し、上記第1の誘電体層3の膜厚をd1 とし、反
射層7の膜厚をd 2 としたとき、(d2 /d1 )の値が
1.1になるようにした。また反射膜7の組成はAl69
Au30Ti1 、すなわちAlが69〔重量%〕、Auが
30〔重量%〕、Tiが1〔重量%〕含有されてなるも
のとした。その他、光透過性基板2、第2の誘電体層
6、および保護層8については、上記〔実施例1〕と同
様にして成膜するものとし、各成膜順についても〔実施
例1〕と同様として光磁気記録媒体1を作製した。
【0037】〔比較例5〕第1の誘電体層3の膜厚を8
50〔Å〕に成膜して、反射膜7は、膜厚468〔Å〕
に形成し、上記第1の誘電体層3の膜厚をd1 とし、反
射層7の膜厚をd 2 としたとき、(d2 /d1 )の値が
0.55になるようにした。また反射膜7の組成はAl
98Ti2 、すなわちAlが98〔重量%〕、Tiが2
〔重量%〕含有されてなるものとした。その他、光透過
性基板2、第2の誘電体層6、および保護層8について
は、上記〔実施例1〕と同様にして成膜するものとし、
各成膜順についても〔実施例1〕と同様として光磁気記
録媒体1を作製した。
【0038】〔比較例6〕第1の誘電体層3の膜厚を8
50〔Å〕に成膜して、反射膜7は、膜厚468〔Å〕
に形成し、上記第1の誘電体層3の膜厚をd1 とし、反
射層7の膜厚をd 2 としたとき、(d2 /d1 )の値が
0.55になるようにした。また反射膜7の組成はAu
100 、すなわち全て金により成るものとした。その他、
光透過性基板2、第2の誘電体層6、および保護層8に
ついては、上記〔実施例1〕と同様にして成膜するもの
とし、各成膜順についても〔実施例1〕と同様として光
磁気記録媒体1を作製した。
【0039】〔比較例7〕第1の誘電体層3の膜厚を8
50〔Å〕に成膜して、反射膜7は、膜厚468〔Å〕
に形成し、上記第1の誘電体層3の膜厚をd1 とし、反
射層7の膜厚をd 2 としたとき、(d2 /d1 )の値が
0.55になるようにした。また反射膜7の組成はAl
89Au10Ti1 、すなわちAlが89〔重量%〕、Au
が10〔重量%〕、Tiが1〔重量%〕含有されてなる
ものとした。その他、光透過性基板2、第2の誘電体層
6、および保護層8については、上記〔実施例1〕と同
様にして成膜するものとし、各成膜順についても〔実施
例1〕と同様として光磁気記録媒体1を作製した。
【0040】〔比較例8〕第1の誘電体層3の膜厚を8
50〔Å〕に成膜して、反射膜7は、膜厚468〔Å〕
に形成し、上記第1の誘電体層3の膜厚をd1 とし、反
射層7の膜厚をd 2 としたとき、(d2 /d1 )の値が
0.55になるようにした。また反射膜7の組成はAl
80Au20、すなわちAlが80〔重量%〕、Auが20
〔重量%〕含有されてなるものとした。その他、光透過
性基板2、第2の誘電体層6、および保護層8について
は、上記〔実施例1〕と同様にして成膜するものとし、
各成膜順についても〔実施例1〕と同様として光磁気記
録媒体1を作製した。
【0041】〔比較例9〕第1の誘電体層3の膜厚を8
50〔Å〕に成膜して、反射膜7は、膜厚468〔Å〕
に形成し、上記第1の誘電体層3の膜厚をd1 とし、反
射層7の膜厚をd 2 としたとき、(d2 /d1 )の値が
0.55になるようにした。また反射膜7の組成はAl
77.5Au20Ti2.5 、すなわちAlが77.5〔重量
%〕、Auが20〔重量%〕、Tiが2.5〔重量%〕
含有されてなるものとした。その他、光透過性基板2、
第2の誘電体層6、および保護層8については、上記
〔実施例1〕と同様にして成膜するものとし、各成膜順
についても〔実施例1〕と同様として光磁気記録媒体1
を作製した。
【0042】上述のようにして作製した〔実施例1〕〜
〔実施例5〕および〔比較例1〕〜〔比較例9〕の各光
磁気記録媒体を、光磁気ディスク標準評価装置を用い
て、それぞれのパワーマージン特性の評価を行った。パ
ワーマージン特性の評価については、初期のパワーマー
ジン、および106回繰り返し記録を行った後のパワー
マージンの測定を行った。測定条件を以下に示す。初期
のパワーマージンとしては、70〔%〕以上を確保する
ことを実用上の目的値とし、繰り返し記録後の劣化のレ
ベルは、パワーマージンの劣化が1〔%〕未満に抑えら
れているものを、実用上、良好なレベルとして設定し
た。測定条件は、以下の通りとする。 レーザー波長:780〔nm〕 開口率NA :0.45 記録時レーザーパワー:2.5〜8.0〔mW〕 再生レーザーパワー:0.6〔mW〕 バイアス磁界:100〜300〔Oe〕 各光磁気記録媒体の作製条件および特性評価の評価結果
について、下記〔表1〕に示す。
【0043】
【表1】
【0044】〔表1〕に示すように、第1の誘電体層の
膜厚をd1 とし、反射層の膜厚をd 2 としたときに、
0.55≦(d2 /d1 )≦0.9の関係が成立し、か
つ反射層は、Al、Au、およびTiにより構成され、
Auが20〜40〔重量%〕、Tiが0.5〜2.0
〔重量%〕含有されて成るものとした本発明の例である
〔実施例1〕〜〔実施例5〕の光磁気ディスクにおいて
は、初期のパワーマージンが、いずれも70〔%〕以上
の値を確保することができ、さらに、繰り返し記録後の
パワーマージンの劣化についても、いずれも1〔%〕未
満に抑えられており、実用上、良好なレベルであること
がわかった。
【0045】〔比較例1〕の光磁気ディスクは、反射層
7中のAuの含有量を45〔重量%〕としたものである
が、この例においては、初期のパワーマージンについて
70〔%〕以上の値を確保することができなかった。
【0046】〔比較例2〕の光磁気ディスクは、反射層
7中のTiの含有量を0.3〔重量%〕としたものであ
るが、この例においては、繰り返し記録後のパワーマー
ジンの劣化量が1〔%〕を越えた。
【0047】〔比較例3〕の光磁気ディスクは、第1の
誘電体層の膜厚をd1 とし、反射層の膜厚をd2 とした
ときに、(d2 /d1 )=0.4としたものであるが、
この例においては、初期のパワーマージンについて70
〔%〕以上の値を確保することができなかった。
【0048】〔比較例4〕の光磁気ディスクは、第1の
誘電体層の膜厚をd1 とし、反射層の膜厚をd2 とした
ときに、(d2 /d1 )=1.1としたものであるが、
この例においては、初期のパワーマージンについて70
〔%〕以上の値を確保することができず、また、繰り返
し記録後のパワーマージンの劣化量が1〔%〕となっ
た。
【0049】〔比較例5〕の光磁気ディスクは、反射層
7中にAuを含有しないものとした場合であるが、この
例においては、繰り返し記録後のパワーマージンの劣化
量が1〔%〕を越えた。
【0050】〔比較例6〕の光磁気ディスクは、反射層
7をAuのみを用いて作製した場合であるが、この例に
おいては、初期のパワーマージンについて70〔%〕以
上の値を確保することができず、また、繰り返し記録後
のパワーマージンの劣化量が1〔%〕を越えた。
【0051】〔比較例7〕の光磁気ディスクは、反射層
7中のAuの含有量を10〔重量%〕としたものである
が、この例においては、初期のパワーマージンについて
70〔%〕以上の値を確保することができず、また、繰
り返し記録後のパワーマージンの劣化量が1〔%〕を越
えた。
【0052】〔比較例8〕の光磁気ディスクは、反射層
7中にTiを含有しないものとした場合であるが、この
例においては、繰り返し記録後のパワーマージンの劣化
量が1〔%〕を越えた。
【0053】〔比較例9〕の光磁気ディスクは、反射層
7中のTiの含有量を2.5〔重量%〕としたものであ
るが、この例においては、初期のパワーマージンについ
て70〔%〕以上の値を確保することができなかった。
【0054】上述したように、光透過性基板上に、第1
の誘電体層、光磁気記録層、第2の誘電体層、および反
射層とが順次積層形成されて成り、第1の誘電体層の膜
厚をd1 とし、反射層の膜厚をd2 としたときに、0.
55≦(d2 /d1 )≦0.9の関係が成立するものと
し、かつ反射層は、Al、Au、およびTiにより構成
され、Auが20〜40〔重量%〕、Tiが0.5〜
2.0〔重量%〕含有されて成るものとした本発明の光
磁気記録媒体においては、初期のパワーマージンについ
て、いずれも70〔%〕以上の値を確保でき、パワーマ
ージンを広範にさせることができた。また、エラーレー
トの上昇を抑えられ、外乱の影響を受けにくくでき、再
生信号の品質の向上を図ることができた。さらに、反射
層の構成を、Alを主成分とし添加元素としてAu、T
iを用いることにより、耐久性の向上を図ることがで
き、多数回繰り返し記録後においても、パワーマージン
の劣化量が少なく高い安定性を有し、高いC/N特性が
維持された。
【0055】
【発明の効果】本発明の光磁気記録媒体によれば、第1
の誘電体層3と反射層7との膜厚比を第1の誘電体層の
膜厚をd1 とし、反射層の膜厚をd2 としたときに、
0.55≦(d2 /d1 )≦0.9の関係が成立するも
のとし、反射層7を、Al、Au、およびTiにより構
成され、Auが20〜40〔重量%〕、Tiが0.5〜
2.0〔重量%〕含有されて成るものとしたことによ
り、パワーマージンの拡大を図ることができ、エラーレ
ートの上昇を抑え、外乱の影響を受けにくくし、再生信
号の品質を向上させることができた。
【0056】また、反射層中に、添加元素としてAu,
Tiを、所要量添加したことによって、耐久性の向上を
図ることができ、多数回繰り返し記録後においても、特
性劣化が少なく高い安定性を有してC/N特性を維持す
ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光磁気記録媒体の一例の概略断面図を
示す。
【符号の説明】
1 光磁気記録媒体、2 光透過性基板、3 第1の誘
電体層、4 光磁気記録層、6 第2の誘電体層、7
反射層、8 保護層、10 記録層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光透過性基板上に、少なくとも第1の誘
    電体層、光磁気記録層、第2の誘電体層、反射層とが順
    次積層形成されて成る光磁気記録媒体であって、 上記第1の誘電体層の膜厚をd1 とし、上記反射層の膜
    厚をd2 としたとき、 0.55≦(d2 /d1 )≦0.9であり、 上記反射層は、Al、Au、およびTiにより構成さ
    れ、上記反射層中には、Auが20〜40〔重量%〕、
    Tiが0.5〜2.0〔重量%〕含有されて成ることを
    特徴とする光磁気記録媒体。
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