JP2002048879A - 時計用ステップモータの停止方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 １秒間に複数個の駆動パルスを発生させ、こ
の駆動パルスの数に応じた回数モータを駆動し、指針の
１秒分の移動を複数のステップで行う時計用ステップモ
ータの停止方法において、１秒分の複数の駆動パルスの
出力途中で電圧が最低動作電圧よりも低下した場合、又
は電池を取り出された場合、秒針が文字盤の正秒の目盛
と目盛の間で停止するのを防止すること。 【解決手段】 電源５の電圧が所定値以下になったと
き、１秒分の複数の駆動パルスが出力途中であれば、残
りの駆動パルスを出力終了した後に、駆動パルスの出力
を停止する。また、前記電源５からの電流により補助電
源７を充電しておき、前記残りの駆動パルスを出力する
電力に充てる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、１秒間に複数個の
駆動パルスを発生させ、この駆動パルスの数に応じた回
数モータを駆動し、指針の１秒分の移動を複数のステッ
プで行う時計用ステップモータの停止方法に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】本出願人は、先に実用新案登録公報第２
５６３８０４号により、この種電子時計の改良案を提案
した。すなわち、この電子時計は、時刻の一計時単位毎
に発生する計時信号と該計時信号よりも高い周波数を有
するパルス信号を出力する基準信号発生回路と、前記計
時信号に応答して前記パルス信号のパルスを複数個出力
するパルス出力回路と、該パルス出力回路からのパルス
に応答してその数に応じた回数駆動されるモータと、該
モータにより前記駆動パルスに応答して指針を一計時単
位分移動させる輪列と、から構成され、前記駆動パルス
は、前記計時信号に応答して出力され、且つ駆動パルス
の出力終了から次の計時信号が発生するまでに駆動パル
スが出力されない休止期間を有する電子時計である。

【０００３】上記技術によれば、複数ステップで一計時
単位分指針を移動させることにより、指針が１ステップ
で移動する距離を短くし、運針速度を遅くしている。従
って、指針の秒ブレを小さくすることができる。特に、
秒ブレを防ぐために、秒針押さえ等を用いる必要がなく
なり、指針駆動トルクの損失を防ぐことができる利点を
備える。

【０００４】また、輪列の減速比を大きくしているの
で、簡単な構成で、より指針駆動トルクの大きいステッ
プ運針時計を提供することができる。

【０００５】更に、１秒分の運針時間が従来より長くな
るので、新規な運針形態となり、趣味性や商品性を向上
させることができる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところが、いくつかの
改良すべき点も残している。すなわち、上記技術は複数
ステップで一計時単位分指針を移動させるので、１秒分
の複数の駆動パルスの出力途中で、電圧が最低動作電圧
よりも低下した場合、又は電池を取り出された場合、秒
針が正秒の目盛と目盛の間で停止してしまうことがあっ
た。

【０００７】秒針がこの位置に停止した状態で、電池を
交換する等して、電圧が正常化すると、秒針が運針を再
開したとき、秒針の動きが目盛とずれてしまうことがあ
った。

【０００８】このような指針のずれをマニュアル操作で
修正するため、上記技術は外部スイッチの操作に応答し
て１パルス出力する１パルス出力回路を設けている。し
かし、上記技術では、ズレの発生そのものを防止するこ
とは困難であった。

【０００９】そこで本発明は、１秒間に複数個の駆動パ
ルスを発生させ、この駆動パルスの数に応じた回数モー
タを駆動し、指針の１秒分の移動を複数のステップで行
う時計用ステップモータの停止方法において、１秒分の
複数の駆動パルスの出力途中で電圧が最低動作電圧より
も低下した場合、又は電池を取り出された場合、秒針が
文字盤の正秒の目盛と目盛の間で停止するのを防止する
ことを目的としている。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本願第１請求項に記載し
た発明は、１秒間に複数の駆動パルスを出力して駆動す
る時計用ステップモータの停止方法であって、電源の電
圧が所定値以下になったとき、１秒分の複数の駆動パル
スが出力途中であれば、残りの駆動パルスを出力終了し
た後に、駆動パルスの出力を停止する構成の時計用ステ
ップモータの停止方法である。

【００１１】本発明によれば、電源の電圧が最低動作電
圧よりも低下して自然にモータが停止する前に、余裕を
残して駆動パルスの出力を停止するので、１秒分の複数
の駆動パルスを出力終了してからモータを停止させるこ
とができ、秒針が文字盤の正秒の目盛と目盛の間で停止
するのを防止することができる。

【００１２】本願第２請求項に記載した発明は、前記第
１請求項に記載の発明において、前記電源からの電流に
より補助電源を充電しておき、前記残りの駆動パルスを
出力する電力に充てる構成の時計用ステップモータの停
止方法である。

【００１３】本発明によれば、少なくとも１秒分の複数
の駆動パルスを出力するのに必要な電力を補助電源に充
電しておき、電源の電圧が最低動作電圧よりも低下した
時点で、補助電源に切り替えることにより、電池が消耗
した場合だけでなく、まだ消耗していない電池を取り出
された場合においても、秒針が文字盤の正秒の目盛と目
盛の間で停止するのを防止することができる。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る具体例を、
図面に基づいて説明する。

【００１５】図１は本具体例に係る電子時計の構成を示
すブロック図、図２は時計用ステップモータを示す説明
図、図３は駆動パルス及び電圧検出信号を示す電流波形
図、図４は電子時計の処理の流れを示すフローチャート
である。

【００１６】１はステップモータであり、コイル１ａ、
コイル１ａにより励磁されるステータ１ｂ、及びその磁
力により回転するロータ１ｃで構成されている。本具体
例におけるロータ１ｃは、時計に広く使用されている２
極のロータであり、１駆動につき１８０度回転するもの
である。

【００１７】２は輪列であり、本具体例においては、ロ
ータカナ１ｄに噛合する五番車２ａ、更に順次噛合する
四番車２ｂ、三番車２ｃ、二番車２ｄ、日ノ裏車２ｅ、
筒車２ｆで構成されている。なお、輪列２に使用されて
いる歯車の数は、時計の仕様等により増減されることが
ある。

【００１８】３は指針であり、秒針３ａ、分針３ｂ、及
び時針３ｃからなり、それぞれ四番車２ｂ、二番車２
ｄ、及び筒車２ｆに取り付けられている。

【００１９】４は駆動回路であり、高周波数信号を出力
する発振器、その高周波数信号を分周する分周回路、及
びその出力信号に応答して駆動パルスが発生する駆動信
号を出力する駆動信号出力回路で構成されている。

【００２０】５は電源、６は電源５の電圧を検出する電
圧検出回路、７は電源５からの電流により充電される補
助電源である。

【００２１】本具体例の場合、電源５は電池であり、補
助電源７はコンデンサである。

【００２２】駆動回路４から駆動パルスが出力される
と、ステップモータ１のロータ１ｃは１８０度回転す
る。このようなロータ１ｃの回転は、ロータカナ１ｄか
ら五番車２ａを介して四番車２ｂに伝わり、秒針３ａを
駆動する。

【００２３】駆動回路４は、図３に示すように１秒間に
正負各３個、合計６個の駆動パルスを交互にモータ１に
出力し、６個目の駆動パルスを出力終了すると駆動パル
スの出力を休止する。

【００２４】６個の駆動パルスが供給されたモータ１
は、６回駆動される。このモータ１により駆動される輪
列２は、モータ１の回転を減速して、秒針３ａを６ステ
ップで１秒分移動させる。

【００２５】本具体例においては、各駆動パルスのパル
ス幅は２０〜３０ｍｓである。

【００２６】電圧検出回路６は電源５の電圧を所定値
（本具体例の場合は最低動作電圧）と比較し（ステップ
Ｓ１）、電圧が所定値以下に低下すると、電圧低下検出
信号を出力する。

【００２７】電圧低下検出信号が出力されると、電源５
から補助電源７に切り替えられる（ステップＳ２）。

【００２８】電圧低下検出信号が出力されたとき、例え
ば図３に示すように、１秒分の複数の駆動パルスが出力
途中であれば、残りの駆動パルスを出力終了した後に、
駆動パルスの出力を停止し、運針を停止する。

【００２９】駆動回路４により出力される駆動パルス
は、図示を省略した６進カウンタによりカウントされ、
１秒分の６個の駆動パルスが出力されたときカウント数
が０になるようになっている（ステップＳ３）。

【００３０】電圧低下検出信号が出力されたとき、カウ
ント数が０でなければ、駆動パルスが１個出力され（ス
テップＳ４）、カウント数が１つアップし（ステップＳ
５）、これらがカウント数が０になるまで繰り返され
る。

【００３１】カウント数が０になったら、駆動パルスの
出力を停止する（ステップＳ６）。

【００３２】その後、電池を交換する等して、電源５の
電圧が所定値以上になると補助電源７から電源５に切り
替えられ、駆動パルスの出力が再開される。

【００３３】このように、本具体例では補助電源７を設
けたので、電池が消耗した場合だけでなく、まだ消耗し
ていない電池を取り出された場合においても、１秒分の
複数の駆動パルスを出力終了してからモータを停止させ
ることができ、秒針が文字盤の正秒の目盛と目盛の間で
停止するのを防止することができる。

【００３４】上記具体例においては、６個の駆動パルス
で指針を６ステップさせることにより１秒分移動させて
いるが、駆動パルスの数はこれに限定されるものではな
く、また、その数も偶数・奇数何れであっても良いもの
である。

【００３５】なお、１秒間の駆動パルスがｎ個の場合、
カウンタもｎ進カウンタとなる。

【００３６】

【発明の効果】以上説明したように、本願第１請求項に
記載した発明は、１秒間に複数の駆動パルスを出力して
駆動する時計用ステップモータの停止方法であって、電
源の電圧が所定値以下になったとき、１秒分の複数の駆
動パルスが出力途中であれば、残りの駆動パルスを出力
終了した後に、駆動パルスの出力を停止する構成の時計
用ステップモータの停止方法である。

【００３７】本発明によれば、電源の電圧が最低動作電
圧よりも低下して自然にモータが停止する前に、余裕を
残して駆動パルスの出力を停止するので、１秒分の複数
の駆動パルスを出力終了してからモータを停止させるこ
とができ、秒針が文字盤の正秒の目盛と目盛の間で停止
するのを防止することができる。

【００３８】本願第２請求項に記載した発明は、前記第
１請求項に記載の発明において、前記電源からの電流に
より補助電源を充電しておき、前記残りの駆動パルスを
出力する電力に充てる構成の時計用ステップモータの停
止方法である。

【００３９】本発明によれば、少なくとも１秒分の複数
の駆動パルスを出力するのに必要な電力を補助電源に充
電しておき、電源の電圧が最低動作電圧よりも低下した
時点で、補助電源に切り替えることにより、電池が消耗
した場合だけでなく、まだ消耗していない電池を取り出
された場合においても、秒針が文字盤の正秒の目盛と目
盛の間で停止するのを防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の具体例に係り、電子時計の構成を示
すブロック図である。

【図２】 本発明の具体例に係り、時計用ステップモー
タを示す説明図である。

【図３】 本発明の具体例に係り、駆動パルス及び電圧
検出信号を示す電流波形図である。

【図４】 本発明の具体例に係り、電子時計の処理の流
れを示すフローチャートである。

【符号の説明】

１ ステップモータ １ａ コイル １ｂ ステータ １ｃ ロータ １ｄ ロータカナ ２ 輪列 ２ａ 五番車 ２ｂ 四番車 ２ｃ 三番車 ２ｄ 二番車 ２ｅ 日ノ裏車 ２ｆ 筒車 ３ 指針 ３ａ 秒針 ３ｂ 分針 ３ｃ 時針 ４ 駆動回路 ５ 電源 ６ 電圧検出回路 ７ 補助電源

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 １秒間に複数の駆動パルスを出力して駆
   動する時計用ステップモータの停止方法であって、 電源の電圧が所定値以下になったとき、１秒分の複数の
   駆動パルスが出力途中であれば、残りの駆動パルスを出
   力終了した後に、駆動パルスの出力を停止することを特
   徴とする時計用ステップモータの停止方法。
2. 【請求項２】 前記電源からの電流により補助電源を充
   電しておき、前記残りの駆動パルスを出力する電力に充
   てることを特徴とする請求項１記載の時計用ステップモ
   ータの停止方法。