JP2002048607A - 薄膜触覚センサ - Google Patents

薄膜触覚センサ

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JP2002048607A
JP2002048607A JP2000233902A JP2000233902A JP2002048607A JP 2002048607 A JP2002048607 A JP 2002048607A JP 2000233902 A JP2000233902 A JP 2000233902A JP 2000233902 A JP2000233902 A JP 2000233902A JP 2002048607 A JP2002048607 A JP 2002048607A
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Hideo Kaneko
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】従来、歪と同時に温度を正しく検知可能とする
工夫がなされている触覚センサは提案されていない。
又、従来の歪及び温度を同時に検知するセンサは、感度
が悪い、誤差が大きい、補償回路を必要とするの問題が
あった。本発明は、高感度で誤差が少なく、補償回路を
必要とせずに、歪及び温度を同時に検知可能とする薄膜
触覚センサを、義手・義足、ロボット、マニピュレー
タ、体内挿入型医療器具及び人口皮膚等に提供する。 【解決手段】温度感度が大きく歪感度(又は圧力感度)
が小さい温度検知用薄膜、及び歪感度(又は圧力感度)
が大きく温度感度が小さい歪検知用薄膜という、大きく
異なる特徴を持つ二つの薄膜抵抗体を、並列構造あるい
は積層構造をなして構成することにより、補償回路を用
いずに温度及び歪(又は圧力)を同時に提供することが
可能な薄膜触覚センサを提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、手や足の機能を失うか
又は制限されている人を補助するために用いられる義手
・義足において、又は医療、介護、福祉、産業機械、検
査・探査、研究、趣味・娯楽及び遊具・玩具等に用いる
ロボット・マニピュレータにおいて、又はカテーテル及
び内視鏡等の体内挿入型医療器具において、又は欠損し
た生物の皮膚等に代替して用いる人工皮膚において、人
間の手足及び皮膚と同様、温度及び接触圧力を同時に精
度良く検出可能なセンサに関する。
【0002】さらに詳しくは、本発明は、導電性基板上
に絶縁性膜を形成し、さらに当該絶縁性膜上に又は絶縁
性基板上に、原子量比にて鉄(Fe)10〜70%及び残部パ
ラジウム(Pd)と少量の不純物からなる薄膜温度検知材
料と、原子量比にて窒素(N)0〜40%及び残部クロム(C
r)と少量の不純物からなり、その結晶構造がbcc構造の
みからなるか又はbcc構造とA15型構造の両者からなる薄
膜歪検知材料とを並べて成膜してなる複合素子からなる
か、又は、それらのうちいずれか一方を成膜した表面に
絶縁性膜を形成した後、さらにその上に他の一方を重ね
て成膜してなる複合素子からなる温度及び接触圧力を同
時に検知することを特徴とする薄膜触覚センサを上記用
途に提供することに関する。
【0003】
【従来の技術】触覚センサは、近接覚や力覚を含む場合
などもあるが、主に対象物体との接触によって生じる接
触面上の力学情報を取得するものとして定義されてき
た。実際、過去凡そ10年間で出願された特許は100件前
後もあるが、そのほとんどが温度検知を含まないもので
あった。
【0004】人間の指先は物に触れた時、そこからの圧
力とその温度を感じ取ることができる。そこで義手、義
足及び人工皮膚等に健常時(又は健常者)と同等の感覚
を再現(又は実現)させるためには、接触圧力と温度を
同時に検知できるセンサが必要となる。また、人間の体
内における最も基本的であり、かつ重要な情報として体
温と血圧があげられる。即ち、健康状態を把握するため
の重要なパラメーターとして、ここでも圧力と温度の検
知が要求される。さらに、体内の患部付近に限定された
微小領域におけるそれらを測定する場合には、非常に小
型の圧力及び温度を検知できるセンサが必要になる。
【0005】このように、生体が外界から受ける情報及
び内部から発する情報として、圧力と温度は非常に重要
な役割を持ち、これらを確実に検知することが可能にな
れば、身体障害者の機能改善並びに医療技術の向上等、
福祉・医療の分野に大きく貢献できる。従って、圧力と
温度を同時に感度良く検知できる超小型のセンサが強く
望まれている。
【0006】上で述べた過去の先願中、温度検知機能を
含めているものは僅か3件に過ぎなかった。それらを以
下に簡単に示す。その一つとして、複合化、小型化及び
集積化に好適であり、信号処理機能を有し、圧電体膜か
らなるとともに温度センサを備えていることを特徴とす
る触覚センサが提案されている(特開平9−20367
1)。しかし、接触圧等を検知する圧力センサにおける
温度感度及び温度センサにおける圧力感度についての対
策が全く考慮されておらず、特にセラミックスは温度及
び圧力感度がともに高いにもかかわらず、温度補償及び
圧力補償なども考慮されていない点は問題である。
【0007】また、力学作用検知及び熱伝達検知にそれ
ぞれ歪ゲージ及びサーミスタを用いて、多方向成分の機
械的力学作用及び接触対象との間の熱伝達を検知する触
覚センサ装置が提案されている(特開平10−2640
77)。しかし、このセンサ装置は通常の歪ゲージを斜
めに埋め込む構造をしているため小型化が難しく、又サ
ーミスタが、変形の影響を受けない周縁部に置かれてい
るため、同じ地点の歪・温度検知にならない。しかも上
記先願(特開平9−203671)と同様、歪(圧力)
ゲージの温度補償が考慮されていないことも問題であ
る。
【0008】さらに、弾力性のある人工皮膚部材中に、
非接触で外部より電力を供給し、変形及び温度を電気信
号に変換し、これを外部に非接触で伝達するセンサ素子
を多数埋設した触覚センサ及び触感検知システムが提案
されている(特開平11−245190)。センサ素子
には変形や温度変化に応じて発振周波数が変化すること
を利用したLC発振器を用い、電源として整流回路を伴っ
た高周波電力受信コイル(ループアンテナ)が使用され
る。そこへの信号伝達には人工皮膚部材の外に置かれた
高周波コイルが用いられる。この素子及びシステムは、
変形及び温度変化の検出に同じ一種類の素子を用い、し
かも変形及び温度変化ともに発振周波数という同じ一種
類の物理量の変化でしか検知できないので、変形と温度
変化との区別がつかず問題であり、また、これも同様に
温度補償及び圧力(変形、歪)補償が考慮されていない
ことが問題である。
【0009】以上のように、先願における温度検知は実
際に使用される時の状況を全く考慮していないため、温
度を正しく、かつ同時に検知可能とする触覚センサは提
供されるに至っていない。一方、触覚センサとしてでは
ないが、歪と温度を検知するための歪・温度センサが種
々提案されており、該センサでは温度補償及び歪補償等
についても考慮がなされてきた。
【0010】例えば、歪ゲージの抵抗値は外力(圧力)
による変形(歪)量に比例して変化するだけでなく、周
囲温度の変化によっても変化する。そこで一般に、外力
が印加される物体表面に4枚の歪ゲージを貼り、これら
からなるホイートストンブリッジ回路を構成することに
より温度補償を行う方策がとられている。
【0011】歪の検知に加えて、温度も同時に測定可能
とする歪・温度センサとして、歪検出用ホイートストン
ブリッジ回路の他に温度検出用感温抵抗素子を用いるも
の(特開昭58-134394号)およびホイートストンブリッ
ジ回路を構成する歪ゲージの中で、歪検出を行うもの以
外の歪ゲージの一つを温度検出用として用いるもの(特
開平1-206113号)がある。
【0012】前者は、電源を2つ必要とすること、並び
に従来の、例えば熱電対や抵抗測温体のような形状のし
っかりしたものを付属させる場合には、それらの存在に
よって、印加された外力による表面歪の発生が阻害され
てしまうことなどの問題がある。また後者は、本来歪ゲ
ージは温度による変動を抑えるために、温度感度の小さ
なものが用いられているため、それを温度センサとして
用いるには温度感度が悪いという欠点がある。さらに両
者に共通の問題として、温度検出素子が歪測定の場合の
ように、ホイートストンブリッジ回路を構成していない
ため、歪やその他雑音等の影響を受けやすいこと、並び
に個別の歪ゲージをまとめて狭い場所に貼ることができ
ないことなどがあげられる。
【0013】これらの問題を克服するために、薄膜抵抗
体を用いた歪・温度センサが提案されている(特開平5-3
4182号)。これは、一つの絶縁基板上に、同一の薄膜抵
抗を用いた歪検出用と温度検出用2つのホイートストン
ブリッジ回路を形成して、補償することにより、高精度
に歪と温度の検出を行おうとするものである。
【発明が解決しようとする課題】
【0014】しかしながら、上記の薄膜抵抗体を用いた
歪・温度センサは、歪検出および温度検出の両方に同一
の薄膜抵抗体を用いており、このため、この薄膜抵抗体
は、歪感度と温度感度がいずれも大きくなければならな
い。すなわち、このことは歪測定における温度による変
動並びに温度測定における歪による変動が大きいことを
意味する。従って、ホイートストンブリッジ回路及び歪
センサ以外の薄膜抵抗体を歪印加方向と直交させて配置
することが必要不可欠となる。
【0015】また、先願(特開平5-34182号)の薄膜抵
抗体を用いた歪・温度センサにおいては、検出精度を上
げるため、二つのホイートストンブリッジ回路を組み込
む構造になるので、小型化が制限されるという問題があ
る。すなわち、もし当該ブリッジ回路を組み込む必要が
なければ配線も単純化できるので、センサ素子の面積を
著しく小さくすることが可能となる。さらに、歪測定用
以外の抵抗体については、歪を受けないようにするため
に歪印加方向に直交させて配置しているが、ねじれなど
に起因する横歪が生じた場合、それらをむしろ高感度に
受けてしまい、検出精度を損なうという問題がある。こ
の横歪をキャンセルするためには、さらに補償回路が必
要となり、結果的にはセンサ素子の面積及び作業工程を
増やすことになるなどの致命的な欠陥を有する。
【0016】従ってこれまでの技術では、これら歪・温
度センサを用いても、正しく温度を同時に検知可能とす
ることが可能となる触覚センサを提供することはできな
い。
【課題を解決するための手段】
【0017】先願(特開平5-34182号)の歪・温度センサ
において、補償回路としてホイートストンブリッジ回路
が必要であるのは、歪検出用及び温度検出用として歪感
度及び温度感度がともに高い薄膜抵抗体を用いたことに
起因している。
【0018】本発明は、歪検出には歪感度が高く温度感
度が小さい薄膜抵抗体を用い、温度検出には温度感度が
高く歪感度が小さい薄膜抵抗体を用いるというように、
大きく異なる特徴を持つ二つの薄膜抵抗体をそれぞれに
用いることにより、上記課題を解決しようとするもので
ある。すなわち、本発明の薄膜触覚センサは、従来補償
しなければならなかった物理量による影響を受けないた
め、十分に高い歪感度及び温度感度を高精度に得ること
ができ、先願の歪・温度センサのように、センサ素子内
でホイートストンブリッジ回路による補償をする必要が
なく、構造が単純であるため小型化も十分達成できる。
【0019】図1に、主要な温度センサ及び歪センサ材
料の特性を示す。SiやGeなどの半導体は、圧電体等と同
様、ピエゾ効果を利用するため温度感度及び歪感度が共
に高く、本発明には適さない。これに対しFe-Pd合金薄
膜は標準抵抗測温体であるPtよりも温度感度が高く(特
開平11-195504号)、かつ歪感度はPtよりも小さい。ま
たCr-N合金薄膜は、市販の歪ゲージ材料として用いられ
ているCu-Ni合金より数倍も歪感度が大きい上に温度感
度は非常に小さい(特開平10-270201号)。故に、これ
らFe-Pd合金(又はFe-Pd基合金)及びCr-N合金(又はCr
-N基合金)薄膜をそれぞれ温度検出用抵抗体及び歪検出
用抵抗体として組み合わせて用いることにより、本発明
の薄膜触覚センサを成すことができ、補償回路なしに温
度及び歪の同時検知を可能とする。
【0020】すなわち、Cr-N合金の温度感度はほぼゼロ
であることから、ホイートストンブリッジ等による温度
補償を必要とせずに感度良く歪測定を行うことができ
る。また、Fe-Pd合金は非常に高い温度感度をもち、そ
れに比較して歪感度は小さいことから、歪は変動要因と
してあまり重大ではなく、また、互いに測定して得た情
報を用いて補正を加えることも可能で、その場合、さら
に正確で安定な温度及び歪の検知が可能となる。
【0021】本発明の特徴とするところは、下記の点に
ある。第1発明は、導電性基板上に形成された絶縁膜又
は絶縁性基板上に、原子量比にて鉄10〜70%及び残部パ
ラジウムと少量の不純物からなる温度検知材料薄膜と、
原子量比にて窒素0〜40%及び残部クロムと少量の不純物
からなり、その結晶構造がbcc構造のみからなるかもし
くはbcc構造とA15型構造の両者からなる歪検知材料薄膜
とを配列成膜するか、あるいは中間に絶縁膜を介して積
層成膜してなる複合素子を含んでなり、温度及び接触圧
力を同時に検知することを特徴とする薄膜触覚センサに
関する。
【0022】第2発明は第1発明の複合素子ならびに、
温度検知においては圧力センサが検知した圧力と温度セ
ンサの圧力感度から圧力による電気抵抗変化分を計算に
よって取り除くことで検知した温度を補正することがで
き、圧力検知においては温度センサが検知した温度と圧
力センサの温度感度から温度による電気抵抗変化分を計
算によって取り除くことで検知した圧力を補正すること
ができる信号処理回路もしくはコンピューターを含んで
なる温度及び接触圧力を同時に検知することを特徴とす
る薄膜触覚センサに関する。
【0023】第3発明は第1発明の複合素子を含んでな
り、温度及び接触圧力を同時に検出することを特徴とす
る義手・義足用薄膜触覚センサに関する。
【0024】第4発明は、第1発明の複合素子を二個以
上単一の基板上に形成してなり、一次元又は二次元の温
度分布及び接触圧力分布を同時に検出することを特徴と
する義手・義足用薄膜触覚センサに関する。
【0025】第5発明は、第1発明に記載の複合素子か
らなり、温度及び接触圧力を同時に検知することを特徴
とするロボット又はマニピュレータ用薄膜触覚センサに
関する。
【0026】第6発明は、第1発明に記載の複合素子を
二個以上単一の基板上に形成してなり、一次元又は二次
元の温度分布及び接触圧力分布を同時に検出することを
特徴とするロボット・マニピュレータ用薄膜触覚センサ
に関する。
【0027】第7発明は、第1発明に記載の複合素子を
含んでなり、温度及び接触圧力を同時に検知することを
特徴とする体内挿入型医療器具用薄膜触覚センサに関す
る。
【0028】第8発明は、第1発明に記載の複合素子を
二個以上単一の基板上に形成してなり、一次元又は二次
元の温度分布及び接触圧力分布を同時に検出することを
特徴とする体内挿入型医療器具用薄膜触覚センサに関す
る。
【0029】第9発明は、第1発明に記載の複合素子を
含んでなり、温度及び接触圧力を同時に検知することを
特徴とする人工皮膚用薄膜触覚センサに関する。
【0030】第10発明は、第1発明に記載の複合素子
を二個以上単一の基板上に形成してなり、一次元又は二
次元の温度分布及び接触圧力分布を同時に検出すること
を特徴とする人工皮膚用薄膜触覚センサに関する。
【0031】
【作用】半導体材料及びセラミクス材料は、ピエゾ効果
により大きな歪(圧力)感度を有するが、他方温度感度
も大きいことから、本発明の薄膜触覚センサに用いる材
料としては、不適当である。これに対し金属材料は、一
般に半導体と比較して強度が高いこと、使用可能な温度
範囲が広いこと、温度や歪に対する電気抵抗の変化が直
線的であることなどの特長を併せ持っている。また、一
般には歪感度の大きな金属材料は温度感度も大きいとい
う傾向があり、これらの感度が互いに反比例する材料は
数少ないのが実状である。このような金属材料として、
上記のFe-Pd及びCr-N合金薄膜があり、本発明の薄膜触
覚センサは、これらの金属材料の特長を有効に発揮して
達成されたものである。すなわち本発明では、Fe-Pd合
金のように大きな温度感度を有し、かつ小さな歪感度を
有する薄膜材料を温度センサに用い、またCr-N合金薄膜
のように大きな歪感度を有し、かつ小さな温度感度を有
する薄膜材料を歪センサに用いることにより、補償回路
が不要な薄膜触覚センサを実現することができたのであ
る。
【0032】図2に、そのような材料を用いた場合の温
度及び歪に対する抵抗値の変化を模式的に示す。図中、
Rは抵抗値を表す変数であり、抵抗の高い側に描かれて
いるのが温度センサの特性(変数の添え字をTで表
す)、並びに低い方に描かれているのが歪センサの特性
(変数の添え字をSで表す)を示す。273Kおよび373Kに
おいて、縦軸上に置かれた矢印により示されている変化
は、正及び負の500((の歪印加による抵抗値の変化を表
している。ここで、歪量は長さの変化分を元の長さで割
った無次元数であるが、歪量であることを明確にするた
めに (の記号を付記する。また、金属材料における歪量
はおよそ10-6の桁を基準として表すと都合が良く、した
がって本明細書では1×10-6の歪量を1((と表記すること
とする。各点(白丸)における温度センサ及び歪センサ
の示す抵抗値RT及びRSに添えられた括弧内の数字は、左
側が温度、右側が歪量を示す。例えばRT(373,500)は、3
73K、500((における温度センサが示す抵抗値を表してい
る。本発明に要する材料特性として、図2に示されるよ
うに、温度センサはRT(273,0)からRT(373,0)のように温
度変化に対して大きな抵抗変化を示し、かつ、RT(273,
0)からRT(273,500)のように歪に対する抵抗変化が小さ
く、一方、歪センサはRS(273,0)からRS(373,0)のように
温度変化に対してほとんど抵抗値が変化しないが、RS(2
73,0)からRS(273,500)のように歪による変化が大きいこ
とが望まれる。このような2つのセンサを用いて、温度
と歪量を測定するのである。
【0033】273Kの温度で、歪印加なしの状態における
抵抗値を初期状態とし、そこからある温度及び歪量が加
えられた状態における抵抗値を測定し、温度センサ及び
歪センサにおけるそれぞれの変化量から温度及び歪量を
見積もる。例えば、373Kの温度で500((の歪が印加され
た場合、温度センサ及び歪センサの抵抗値は、それぞれ
RT(273,0)及びRS(273,0)からRT(373,500)及びRS(373,50
0)へと変化する。従って温度センサにおいてはRT(373,5
00)とRT(273,0)から温度を、歪センサにおいてはRS(37
3,500)とRS(273,0)から歪量を算出する。しかし、温度
センサにおける温度と抵抗値の関係はRT(373,0)とRT(27
3,0)を結ぶ曲線の関係から導かれるものであり、歪セン
サにおける歪量は、RS(273,500)とRS(273,0)を結ぶ関係
から導かれる。従ってRT(373,500)とRT(373,0)との差が
大きい場合、すなわち温度センサが大きな歪感度を持つ
場合には、温度測定における誤差は大きくなり、RS(37
3,0)とRS(273,0)の差が大きい場合、すなわち歪センサ
が大きな温度感度を持つ場合には、歪量測定における誤
差は大きくなってしまう。故に、温度及び歪を同時に検
知するセンサにおいては、温度センサの歪感度及び歪セ
ンサの温度感度は共に小さいことが必要であると理解で
きる。
【0034】表1に、種々の材料を組み合わせて構築し
た薄膜触覚センサとして、本発明試料(No.1〜5)及び
参考試料(No.6〜11)において測定した個々のセンサ特
性を、また表2に該薄膜触覚センサに対して温度及び歪
を同時に印加した場合におけるそれらの実測結果を示
す。センサ材料欄の各々における上側が歪センサ材料
を、下側が温度センサ材料を示す。(0は273Kの温度で歪
印加なしの状態における比電気抵抗、TCRは273Kと373K
の間における温度感度(抵抗温度係数)、並びにGfは室
温(約293K)における歪感度(抵抗歪係数、いわゆるゲ
ージ率)を示す。また、右側の2つの欄に、273K及び無
歪の状態に対し温度及び圧力として1K及び500((を加え
た場合、並びに100Kおよび500((を加えた場合に測定さ
れた電気抵抗値から見積もった温度と歪量を示す。ただ
し、No.6のpoly-Siについての373K、500((における値は
他と比べて直線性が悪く、ここで説明しようとする内容
から外れるので、直線性が良いと仮定した場合に特性か
ら見込まれる数値を算出し、記載した。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】表から、これまで述べてきた通り、温度と
歪が同時に加わった場合、No.6に記したSiは両物理量の
影響を大きく受けてしまうため正確な測定ができないこ
とがわかる。また、No.7〜11に記した金属バルク及び薄
膜の場合には、温度センサ及び歪センサ共に歪感度が小
さく温度感度が大きいため、温度センサによって測定し
た温度は実際の温度と極端に異なることはないが、歪セ
ンサによって測定した歪量は温度変化による大きな抵抗
値の増分により全く異なる値となっていることがわか
る。これに対し、No.1〜5に示したCr-N基合金及びFe-Pd
基合金薄膜の組み合わせは、温度センサにおける温度感
度が大きく、かつ歪感度が小さく、歪センサにおいては
歪感度が大きく温度感度が小さいことから、温度及び歪
量共に、No.6〜11と比較してその誤差は非常に小さくな
り、歪による温度測定誤差が0.5K以内、かつ温度による
歪量測定誤差百分率が50%以内となることがわかる。以
上の実施結果は、本発明の有効性を明確に表している。
【0038】さらに、上記の結果にデータ処理による補
正を加えることも可能である。補正には種々の方法が考
えられるが、表3に最も単純な方法を用いて行った補正
結果を示す。その方法を以下に示す。ここで既知のデー
タは、表1に示した各センサの特性(273K、歪印加なし
の状態における比電気抵抗R(273,0)、273Kと373Kの間に
おけるTCR、並びに室温におけるGf)と表2に示した見
積もった温度及び歪量、並びにそれらの測定結果を見積
もる元となった生データ、すなわち、各センサの274K及
び500((並びに373Kおよび500((における抵抗値R(274,50
0)並びにR(373,500)である。まず、誤差が少なかったこ
とから、見積もった温度T'(274)及びT'(373)をとりあえ
ず正しい温度と仮定し、それらの温度における歪センサ
の無歪状態における抵抗値RS(T'(274),0)及びRS(T'(37
3),0)を算出した後、実測値RS(274,500)及びRS(373,50
0)とそのRS(T'(274),0)及びRS(T'(373),0)との差からそ
の温度(実際には274K及び373K)における歪量をそれぞ
れ計算し、これを「補正した歪量」として表に記載し
た。次に、274K及び373Kについての補正した歪量をE'(2
74,500)及びE'(373,500)とし、これらの値から基準とな
る273Kにおけるこれらの歪量に相当する温度センサの抵
抗変化分R(273,E'(274,500))及びR(273,E'(373,500))を
算出した後、実測値RT(274,500)及びRT(373,500)とその
R(273,E'(274,500))及びR(273,E'(373,500))との差から
その歪量(実際には500(()における温度をそれぞれ計
算し、これを「補正した温度」とした。
【0039】
【表3】
【0040】表3には、上記の補正した温度及び補正し
た歪量、ならびに実際の条件である274K、500((と373
K、500((からの誤差を示した。表2と表3との比較か
ら、この簡単な補正が有効に作用し、誤差を小さくして
いることがわかる。表3からわかるように、本発明試料
であるNo.1〜5においては誤差がほとんどなく、高精度
の測定が可能であることを示している。一方、参考試料
であるNo.6〜11においては誤差が大きいことがわかる。
特に、温度センサおよび歪センサの特性値があまり異な
っていない場合には、補正の効果はむしろマイナスに作
用する場合があり、No.8のpoly-Siにおいてはそれが顕
著に表れている。以上の結果から、本発明にかかるセン
サであるNo.1〜5は優れた検知能力を有することが明ら
かになり、本発明の有効性を実証することができた。
【0041】本発明の薄膜触覚センサは、薄膜材料を用
いていることから、超小型化を図る上で有利であり、そ
のため構造的に温度感度及び歪(接触圧)感度を阻害す
ることのないのも特長である。例えば、棒状の抵抗測温
体を起歪体に固定すると歪が印加されにくくなり、測定
ができなくなってしまう。それ故、歪検出においては温
度検出素子が歪の印加やその量の変化を妨げたり乱した
りしないことが必要であるが、薄膜であれば歪の媒体、
すなわち膜を支えている基板が膜よりも大きいため、温
度検出用の膜が悪影響を及ぼすことはない。また、温度
測定において、歪検出用素子が大きいと熱容量が増大
し、正確さや応答性に影響を与えるが、薄膜は体積も小
さいため、基板を考慮した場合ほとんど無視することが
でき、その影響もない。したがって、複合化においては
薄膜を用いることによって互いの特性を損なうことがな
く、それぞれの特性を十分発揮することができる。
【0042】温度検出素子と歪検出素子を並べて形成す
る並列型の複合素子だけでなく、一方の素子の上に絶縁
体膜を介して他方の素子を重ねた構造を持つ積層型の複
合素子をなすことが可能であり、その場合、さらに必要
面積を小さくすることができる。そのような積層型の場
合、下部(基板側)に歪素子、上部に温度素子を配置す
ることによって、それぞれ基板からの歪情報および接触
する相手からの温度情報を、より確実に得ることが可能
となる。このように、複合の構造を用途に応じて種々適
した形に選択することができる。
【0043】さらに、これらの素子を平面上に多数並べ
ることにより、二次元の(又は一次元の)温度と歪の分
布を測定することが可能である。この場合には、素子の
大きさがそのまま距離分解能となるので、その分解能を
高めるためには素子の超小型化が必要であり、さらに、
より単純化された配線構造が要求される。これに対し本
発明は、これまで述べてきたように素子の超小型化が可
能であり、かつ薄膜パターン形成技術を用いて簡素化し
たセンサパターンが形成可能であるので、非常に有効で
ある。このような二次元センサは、微小又は複雑な形状
を認識したり、そのような物体表面の温度むら等を検知
することを可能とする。
【0044】例えば、ロボットやマニピュレータの指先
にこの2次元センサをとりつけた場合、触れたものが尖
っているのか丸いのか、ごつごつしているのか滑らかな
のか、触れたものの大きさ、さらにはその温度分布まで
知ることができるようになる。そのような機能は人間の
指先のそれと同じで、まさに触覚となり得るものであ
り、これこそが触覚センサの到達すべき姿と考えられ
る。
【0045】この接触センサはその他、各種機械・装置
または構造物における機械的負荷のもたらす圧力・温度
検知器、ガス燃焼時のガス圧・温度検知器、高温ガス等
の温度・流量計、温度差が大きくなる環境下における各
部位の温度と(熱膨張などによる)歪の検知装置、特殊
環境下(宇宙空間、深海、原子力施設など)用計測器お
よび地殻歪・地熱計測器など、広範で様々な分野・用途
に利用することもできる。また超小型薄膜センサである
ことから、非常に小さな物体や領域に対しても使用可能
であり、さらに上で述べたように2次元計測も可能であ
る。したがって、触覚センサの開発により産業界および
医療・福祉の分野などにおける機械・装置ならびに技術
の高度化が期待できるとともに、さらに危険予知のため
の防災センサとしても活用可能であると考えられること
から、大きな波及効果が期待できる。
【0046】つぎに、本発明における数値の限定理由に
ついて以下に説明する。該センサにおける温度センサ材
料の主成分およびその組成を、原子量比にて鉄10〜70%
及び残部パラジウムと限定した理由は、この組成範囲外
においては、例えば2000ppm/K以上の大きな温度感度お
よび5以下という小さな歪感度のように、正確な測定を
可能とする特性が得られず、本発明の目的から外れてし
まうからである。同様に、該センサにおける歪センサ材
料の主成分およびその組成を、原子量比にて窒素0〜40%
及び残部クロムと限定するとともに、その材料がbcc構
造か又はA15構造、もしくは両者の混在する結晶構造を
有すると限定した理由は、この組成範囲外、又はこれら
の結晶構造を有する材料以外においては、例えば2以上
という大きな歪感度及び±2000ppm/K以内の小さな温度
感度のように、正確な測定を可能とする特性が得られ
ず、本発明の目的から外れてしまうからである。
【0047】
【実施例】本発明の実施例について説明する。 実施例1 試料番号1の薄膜触覚センサの製造と評価 センサ材料 温度センサ : Fe-60at%Pd薄膜 歪センサ : Cr-10at%N薄膜 幅15mm、長さ50mmのガラス基板(Corning社製#0211)上
にFe-60at%Pd合金ターゲットを用いた高周波スパッタリ
ング法により同成分、同組成の温度検出用抵抗薄膜を作
製後、773Kで熱処理を施した後、同一基板上に該温度検
出用抵抗薄膜と並べてCrターゲットを使用すると同時に
窒素ガスを導入して行う反応性スパッタリング法により
Cr-10%Nの組成を持つ歪検出用抵抗薄膜を作製後、623K
で熱処理を施し、さらに4端子法による抵抗測定を可能
とする銅(Cu)電極を、Cuターゲットを用いた高周波マ
グネトロンスパッタリング法により作製し、薄膜触覚セ
ンサを作製した。
【0048】図3に、作製した薄膜センサのパターンを
示す。電圧測定電極間距離を100(m、センサ薄膜の幅を1
0(m、並びに膜厚を約0.5(mとした。基板の長手方向に対
して両薄膜センサの長手方向が平行になるように薄膜を
形成した。パターン形成にはフォトレジストを使用して
行うリフトオフ法を用いた。
【0049】複合センサが形成された基板の一端を万力
に挟んで固定し、他端に力を加えることによって基板に
片持ち梁の要領で歪を印加できるようにした。印加され
る歪の量はセンサ薄膜と並べて貼った市販の歪ゲージに
より測定した。この装置を温度制御可能な恒温槽内に設
置し、所望の温度の下で歪を印加できるようにした。
【0050】半田を用いてCu電極にリード線を溶接し、
それに直流電源を接続して定電流を流すとともに、デジ
タルマルチメーターを用いてセンサからの出力電圧値を
読み取った。0.1mAの電流を流し、種々異なる温度にお
いて歪印加を行い、その時測定される電圧値から抵抗の
変化を見積もった。図4に歪センサ薄膜および温度セン
サ薄膜各々についての273Kから373Kまでの異なる温度及
び無歪の状態で測定した相対抵抗値(273Kの抵抗値で規
格化した値)を示す。この結果は、両者の抵抗温度係数
がそれぞれ−60ppm/K及び4400ppm/Kであることを示し
た。また、図5に、両センサ薄膜各々について273K及び
373Kの温度のもとで測定した-500((から+500((の歪印加
に対する抵抗値の変化分(歪が0のときの抵抗値との差
分)を示す。この結果は、273K及び373Kにおける両者の
歪感度が、歪センサにおいてそれぞれ約6.2及び5.9であ
り、温度センサにおいてそれぞれ1.9及び2.1であること
を示している。
【0051】これらの結果から、Cr-N歪センサにおける
歪感度は約6と大きく、かつ温度感度は約−60ppm/Kと小
さいことがわかった。また、Fe-Pd温度センサにおける
温度感度は約4400ppm/Kと大きく、歪感度は2.0と小さい
こともわかった。これらの値はいずれも表1から判断さ
れるような、正確な測定を可能とする特性の範囲内に含
まれると共に、複合化をした後においても、各薄膜個々
の場合の特性とほとんど変化がないことから、複合化に
よる特性の劣化がなく、薄膜触覚センサとして使用可能
であることを示した。
【0052】100Kの温度及び500((の歪を印加した状態
における温度センサの抵抗値RT(273,500)は1.15315×10
-6(・mであった。該センサの使用に際して実際に得られ
るデータは、このような温度と歪が同時に加わったとき
の抵抗値のみである。この値から、基準となる抵抗値、
例えば273Kで無歪の状態における抵抗値RT(273,0)及び
温度センサの温度感度(抵抗温度係数)を用いて見積も
った温度は373.3Kであり、誤差を含むもののほぼ実際の
条件通りの温度を示した。同様に、同条件における歪セ
ンサの抵抗値RS(373,500) =1.29646×10-6(・mからRS(27
3,0)及び歪感度(ゲージ率)を用いて見積もった歪量は
412((と、やや大きな誤差を含むものの、こちらもほぼ
実際の条件に近い歪量を示した。
【0053】誤差を補正するために、簡単な計算を行っ
た。誤差が小さかった測定温度を正しい温度と仮定し
て、歪センサにおける温度による抵抗値の変化分を計算
し、RS(373.3,0)を求める。この値を用いて、実際に測
定して得られたRS(373,500)を補正して求めた歪量は503
((と、ほぼ実際の条件と一致した。次に、この補正した
歪量を正しい値と仮定して、温度センサにおける歪によ
る抵抗値の変化分を計算し、実測値であるRT(373,500)
から差し引くことによって、373Kにおける無歪状態の抵
抗値RT(373,0)を求めた。この値を用いて見積もった補
正温度は373.0Kと、実際の条件と誤差なく一致した。以
上の結果から、本試料が歪と温度を同時に検知するのに
有効であることがわかった。
【0054】 実施例2 試料番号2の薄膜触覚センサの製造と評価 センサ材料 温度センサ : Fe-50at%Pd薄膜 歪センサ : Cr-15at%N薄膜 幅15mm、長さ50mmの合成石英基板上にFe-50at%Pd合金タ
ーゲットを用いた高周波マグネトロンスパッタリング法
により同成分、同組成の温度検出用抵抗薄膜を作製後、
973Kで熱処理を施した後、同一基板上に該温度検出用抵
抗薄膜と並べて99.9%純度のCrを蒸発源として使用する
と同時に窒素ガスを導入して行う反応性の真空蒸着法に
よりCr-10%Nの組成を持つ歪検出用抵抗薄膜を作製後、6
53Kで熱処理を施し、さらに4端子法による抵抗測定を可
能とする電極を、Cuターゲットを用いた高周波スパッタ
リング法により作製し、薄膜触覚センサを作製した。
【0055】作製した薄膜センサのパターンは実施例1
と同様、図3に示したパターンを用い、電圧測定用電極
間距離を100(m、薄膜の幅を10(m、並びに膜厚を約0.5(m
とした。基板の長手方向に対して両薄膜センサの長手方
向が平行になるように薄膜を形成した。パターン形成に
はフォトレジスト及びプラズマエッチング装置を使用し
て行うドライエッチング法を用いた。
【0056】温度及び歪量に対する抵抗値の変化を、実
施例1と同様の方法で測定した。歪センサ薄膜および温
度センサ薄膜各々についての273Kから373Kまでの異なる
温度で測定した相対抵抗値の変化は、両者の抵抗温度係
数がそれぞれ5ppm/K及び6050ppm/Kであることを示し
た。また、両センサ薄膜各々について273K及び373Kの温
度のもとで測定した-500((から+500((の歪印加に対する
相対抵抗値の変化は、273K及び373Kにおける両者の歪感
度が、歪センサにおいてそれぞれ約6.2及び6.0であり、
温度センサにおいてそれぞれ1.9及び2.0であることを示
した。
【0057】これらの結果から、Cr-15%N歪センサにお
ける歪感度は約6と大きく、かつ温度感度は約5ppm/Kと
小さいことがわかった。また、Fe-50%Pd温度センサにお
ける温度感度は約6050ppm/Kと大きく、歪感度は約2と小
さいこともわかった。これらの値はいずれも正確な測定
を可能とする特性の範囲内に含まれると共に、複合化を
した後においても、各薄膜個々の場合の特性とほとんど
変化がないことから、複合化による特性の劣化がなく、
薄膜触覚センサとして使用可能であることを示した。
【0058】100Kの温度及び500((の歪を印加した状態
における温度センサの抵抗値RT(373,500)は1.44587×10
-6(・mであった。この値から見積もった温度は373.3℃で
あり、誤差を含むもののほぼ実際の条件通りの温度を示
した。同様に、同条件における歪センサの抵抗値RS(37
3,500)=1.50540×10-6(・mから見積もった歪量は581
((と、やや大きな誤差を含むものの、こちらもほぼ実際
の条件に近い歪量を示した。
【0059】誤差の補正も実施例1と同様の方法で行っ
た。その結果、補正した歪量は500((と、実際の条件と
一致し、この補正した歪量から見積もった補正温度は37
3.0Kと、実際の条件と誤差なく一致した。以上の結果か
ら、本試料が歪と温度を同時に検知するのに有効である
ことがわかった。
【0060】 実施例3 試料番号5の薄膜触覚センサの製造と評価 センサ材料 温度センサ : Fe-60%Pd-3%Ni薄膜 歪センサ : Cr-10%N-3%Al薄膜 幅15mm、長さ50mmのステンレス(SUS304)基板上にSiO2
ターゲットを使用すると同時に酸素ガスを導入して行う
反応性スパッタリング法によりSiO2絶縁層を形成後、該
絶縁層の上にFe-60at%Pd-3%Ni合金を蒸発源として用い
た真空蒸着法により同成分、同組成の温度検出用抵抗薄
膜を作製し、これを973Kで熱処理を施した後、さらに同
一基板上のSiO2絶縁層の上に、該温度検出用抵抗薄膜と
並べてCr-4%Al合金ターゲットを備えたイオンビームス
パッタリング装置を使用すると同時にスパッタリングガ
スであるArとともに微量の窒素ガスを導入して行う反応
性スパッタリング法によりCr-10%N-3%Alの組成を持つ歪
検出用抵抗薄膜を作製後、633Kで熱処理を施し、さらに
4端子法による抵抗測定を可能とする電極を、Cuターゲ
ットを用いた高周波マグネトロンスパッタリング法によ
り作製し、薄膜触覚センサを作製した。
【0061】作製した薄膜センサのパターンは図3と同
様の形式のパターンを用い、電圧測定用電極間距離を20
0(m、薄膜の幅を20(m、並びに膜厚を約0.5(mとした。基
板の長手方向に対して両薄膜センサの長手方向が平行に
なるように薄膜を形成した。パターン形成には放電加工
及び化学エッチングにより作製した金属マスクを使用し
て行うマスク法を用いた。
【0062】温度及び歪量に対する抵抗値の変化は、実
施例1と同様の方法によって測定した。歪センサ薄膜お
よび温度センサ薄膜各々についての273Kから373Kまでの
異なる温度で測定した相対抵抗値の変化は、両者の抵抗
温度係数がそれぞれ7ppm/K及び6300ppm/Kであることを
示した。また、両センサ薄膜各々について273K及び373K
の温度のもとで測定した-500((から+500((の歪印加に対
する相対抵抗値の変化は、273K及び373Kにおける両者の
歪感度が、歪センサにおいてそれぞれ約7.2及び7.0であ
り、温度センサにおいてそれぞれ2.0及び1.9であること
を示した。
【0063】これらの結果から、Cr-10%N-3%Al合金薄膜
歪センサにおける歪感度は約7と大きく、かつ温度感度
は約7ppm/Kと小さいことがわかった。また、Fe-60%Pd-3
%Ni合金薄膜温度センサにおける温度感度は約6300ppm/K
と大きく、歪感度は約2と小さいこともわかった。これ
らの値はいずれも正確な測定を可能とする特性の範囲内
に含まれると共に、複合化をした後においても、各薄膜
個々の場合の特性とほとんど変化がないことから、複合
化による特性の劣化がなく、感温感歪センサとして使用
可能であることを示した。
【0064】100Kの温度及び500((の歪を印加した状態
における温度センサの抵抗値RT(373,500)は1.65718×10
-6(・mであった。この値から見積もった温度は373.3Kで
あり、誤差を含むもののほぼ実際の条件通りの温度を示
した。同様に、同条件における歪センサの抵抗値RS(37
3,500)=2.15375×10-6(・mから見積もった歪量は596
((と、やや大きな誤差を含むものの、こちらもほぼ実際
の条件に近い歪量を示した。
【0065】誤差の補正も実施例1と同様の方法で行っ
た。その結果、補正した歪量は500((と、実際の条件と
よく一致し、この補正した歪量から見積もった補正温度
は373.0Kと、これも実際の条件と誤差なく一致した。以
上の結果から、本試料が歪と温度を同時に検知するのに
有効であることがわかった。
【0066】
【発明の効果】本発明の薄膜触覚センサは、従来の技術
では補償回路なしには実現できなかった高感度・高安定
な温度及び歪の同時検出を、補償回路なしで可能とする
効果がある。このため該センサは小型化が可能であり、
また高分解能2次元温度・歪分布測定も可能であること
から、手や足の機能を失うか又は制限されている人を補
助するために用いられる義手・義足において、又は医
療、介護、福祉、産業機械、検査・探査、研究、趣味・
娯楽及び遊具・玩具等に用いるロボット・マニピュレー
タにおいて、又はカテーテル及び内視鏡等の体内挿入型
医療器具において、又は欠損した生物の皮膚等に代替し
て用いる人工皮膚において、人間の手足及び皮膚と同
様、温度及び接触圧力を同時に精度良く検出可能なセン
サとして期待でき、該センサ及び該センサを用いた上記
応用機器の適用分野の拡大並びにこれらを用いることに
よる諸産業の発展と社会生活の向上が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、主要な温度センサ及び歪センサ材料に
おける温度感度と歪感度を示す図である。
【図2】図2は、温度センサ及び歪センサにおける温度
及び歪に対する電気抵抗値の変化を説明するための概念
図である。
【図3】図3は、作製したセンサパターンを示す図であ
る。
【図4】図4は、Fe-60at%Pd合金薄膜及びCr-10at%N合金
薄膜について無歪状態で測定した、273Kから373Kまでの
温度と電気抵抗値との関係を示した特性図である。
【図5】図5は、Fe-60at%Pd合金薄膜及びCr-10at%N合
金薄膜について273K及び373Kにおいて測定した、歪量と
電気抵抗値との関係を示した特性図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 29/84 G01D 3/04 D (72)発明者 金子 秀夫 東京都世田谷区若林2丁目35番7号 (72)発明者 増本 剛 宮城県仙台市太白区八木山南1丁目1番27 号 Fターム(参考) 2F075 AA03 2F076 BB01 BD01 BD07 BD10 BD11 BE09 4M112 AA01 BA01 EA11

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性基板に形成された絶縁膜又は絶縁性
    基板上に、原子量比にて鉄10〜70%及び残部パラジウム
    と少量の不純物からなる温度検知材料薄膜と、窒素0〜4
    0%及び残部クロムと少量の不純物からなり、その結晶構
    造がbcc構造のみからなるかもしくはbcc構造とA15型構
    造の両者からなる歪検知材料薄膜とを配列成膜するか、
    あるいは中間に絶縁膜を介して積層成膜してなる複合素
    子を含んでなり、温度及び接触圧力を同時に検知するこ
    とを特徴とする薄膜触覚センサ。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の複合素子ならびに、温度
    検知においては圧力センサが検知した圧力と温度センサ
    の圧力感度から圧力による電気抵抗変化分を計算によっ
    て取り除くことで検知した温度を補正することができ、
    圧力検知においては温度センサが検知した温度と圧力セ
    ンサの温度感度から温度による電気抵抗変化分を計算に
    よって取り除くことで検知した圧力を補正することがで
    きる信号処理回路もしくはコンピューターを含んでなる
    温度及び接触圧力を同時に検知することを特徴とする薄
    膜触覚センサ。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の複合素子を含んでなり、
    温度及び接触圧力を同時に検出することを特徴とする義
    手・義足用薄膜触覚センサ。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の複合素子を二個以上単一
    の基板上に形成してなり、一次元又は二次元の温度分布
    及び接触圧力分布を同時に検出することを特徴とする義
    手・義足用薄膜触覚センサ。
  5. 【請求項5】請求項1に記載の複合素子を含んでなり、
    温度及び接触圧力を同時に検知することを特徴とするロ
    ボット・マニピュレータ用薄膜触覚センサ。
  6. 【請求項6】請求項1に記載の複合素子を二個以上単一
    の基板上に形成してなり、一次元又は二次元の温度分布
    及び接触圧力分布を同時に検出することを特徴とするロ
    ボット・マニピュレータ用薄膜触覚センサ。
  7. 【請求項7】請求項1に記載の複合素子を含んでなり、
    温度及び接触圧力を同時に検知することを特徴とする体
    内挿入型医療器具用薄膜触覚センサ。
  8. 【請求項8】請求項1に記載の複合素子を二個以上単一
    の基板上に形成してなり、一次元又は二次元の温度分布
    及び接触圧力分布を同時に検出することを特徴とする体
    内挿入型医療器具用薄膜触覚センサ。
  9. 【請求項9】請求項1に記載の複合素子を含んでなり、
    温度及び接触圧力を同時に検知することを特徴とする人
    工皮膚用薄膜触覚センサ。
  10. 【請求項10】請求項1に記載の複合素子を二個以上単
    一の基板上に形成してなり、一次元又は二次元の温度分
    布及び接触圧力分布を同時に検出することを特徴とする
    人工皮膚用薄膜触覚センサ。
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