JP2002048550A - 写真測量用ターゲット - Google Patents

写真測量用ターゲット

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JP2002048550A
JP2002048550A JP2001156761A JP2001156761A JP2002048550A JP 2002048550 A JP2002048550 A JP 2002048550A JP 2001156761 A JP2001156761 A JP 2001156761A JP 2001156761 A JP2001156761 A JP 2001156761A JP 2002048550 A JP2002048550 A JP 2002048550A
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loop antenna
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JP2001156761A
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Teruo Sakai
照男 坂井
Atsumi Kaneko
敦美 金子
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Pentax Corp
Original Assignee
Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 写真測量システムにおいて、指標部材を遮蔽
することなくカメラへのデータの送信を良好に行うアン
テナを得る。 【解決手段】 基準点部材44からアンテナ収容部21
までの平面SPに沿った距離に対する、平面SPに対し
て垂直な方向に沿った平面SPからアンテナ収容部21
の上端面までの距離の比が、tan8°より小さくなる
よう、制御部筐体の上面においてアンテナ収容部21を
配設する。アンテナ収容部21に収容されるループアン
テナを周波数が310MHz(メガヘルツ)の発振器2
21に接続する。ループアンテナの全長は約0.48m
(メートル)であり、制御部筐体の上面からの高さが約
9.5mm(ミリメートル)、その内径が約25mmと
なるよう設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、写真測量に用いら
れるターゲットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、交通事故調査等の写真測量システ
ムにおいては、カメラの撮影位置を算出するために3つ
の基準点部材(指標部材)を備えるターゲットが測量現
場に設置される。基準点部材はカメラにより撮影された
画像内での識別が容易な指標となるよう、高輝度の材料
で構成される。このようなターゲットと共に測量現場を
異なるカメラ位置及び角度で撮影し、コンピュータのメ
モリにデジタル画像として格納する。これら複数のデジ
タル画像の中から、適宜一対のデジタル画像を選出して
コンピュータに接続されたモニタ上に表示する。それぞ
れの画像内において対応する任意の測量点がマウス等に
より指定されると、上述の基準点部材の位置情報に基づ
いて所定の演算処理が実行され、測量現場の測量図が作
成されモニタに表示される。
【0003】このような写真測量システムに用いられる
ターゲットは、傾斜角センサや方位センサ等の、ターゲ
ットの設置状況に関する情報を検知する各種のセンサを
備える。測量図を作成するための演算処理では、ターゲ
ットの基準点部材の位置情報と共に、このターゲット自
体の設置状態に関する情報が必要とされるからである。
ターゲットの設置状況に関する情報は、ターゲットに設
けられたアンテナから、撮影中のカメラに送信され、カ
メラに内蔵されたプロセッサのメモリ内に撮影画像と共
に格納される。
【0004】通常、ターゲットが設置された測量現場の
撮影は所定の距離をおいて撮影される。また、ターゲッ
トは測量現場の道路面に設置されるのに対し、カメラの
撮影位置は道路面から所定の高さを有している。従っ
て、ターゲットのアンテナからカメラへ送信を良好なも
のとするために、棒状アンテナを用いることが考えられ
る。
【0005】しかしながら、棒状アンテナはターゲット
を構成する他の部材から突出するため、持ち運びの際に
ぶつけられたり、設置された状態で誤って蹴飛ばされる
ことが多く、破損しやすいという問題がある。また、基
準点部材と棒状アンテナとカメラの撮影位置との相対的
な位置関係によっては、撮影画像内において基準点部材
が棒状アンテナにけられ、写し込まれないという現象が
発生する。その結果、基準点部材の正確な位置情報が得
られず、測量図を作成するための演算に支障をきたすと
いう問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】本発明は、以上の問題を解決するものであ
り、写真測量システムにおいて、撮影画像内においてタ
ーゲットの指標部材を遮蔽することなく、カメラへのデ
ータの送信を良好に行うアンテナを備えたターゲットを
提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる写真測量
システムは、それぞれの端部において連結された第1の
柱状部材と第2の柱状部材と、カメラによる撮影画像内
において識別可能であり、同一平面を形成するよう第1
の柱状部材と第2の柱状部材のそれぞれに設けられる指
標部材と、カメラの撮影位置の算出に用いられる情報を
取得するためのセンサが収納され、第1の柱状部材と第
2の柱状部材の連結部分の近傍において第1の柱状部材
若しくは第2の柱状部材のいずれか一方に設けられる筐
体と、センサの検知結果を外部機器へ送信するためのル
ープアンテナと、筐体において、第1及び第2の柱状部
材の指標部材が設けられる面と同一方向を向く上面に配
設され、ループアンテナが収納される突出部とを備え、
指標部材のうち連結部分近傍に位置する第1の指標部材
から突出部までの同一平面に沿った距離と、同一平面に
対して垂直な方向に沿った同一平面から前記突出部の端
面までの距離が、以下の関係を満たすことを特徴とす
る。
【0009】K2/K1<tan8° (ただし、K1:第1の指標部材から突出部までの同一
平面に沿った距離 K2:同一平面に対して垂直な方向に沿った同一平面か
ら突出部の端部までの距離)
【0010】好ましくは、ループアンテナの導体線の全
長は、ループアンテナから放射される電波の波長の約半
分であり、導体線の巻き回しの内径は約25mm(ミリ
メートル)から約50mmの範囲にあり、上述の同一平
面に対して垂直な方向に沿った同一平面からループアン
テナまでの距離は約8mm以上である。
【0011】好ましくは、突出部は、ループアンテナの
導体線の巻き回しの中心軸線と同軸的な略円柱形状を呈
し、中心軸線は、第1の指標部材と、第1の柱状部材若
しくは第2の柱状部材のうち筐体が設けられる柱状部材
において第1の指標部材と隣り合う位置に配設される第
2の指標部材との間の距離を二等分する直線上に位置す
る。
【0012】突起部は、例えば、筐体の前記上面に固定
され、ループアンテナを保持する保持部材と、ループア
ンテナを外部から保護するためのカバー部材とを備え
る。
【0013】突起部は、例えば、筐体の上面に固定され
る樹脂材料から成る部材であり、ループアンテナは突起
部にモールドされる。
【0014】好ましくは、筐体は、第1の柱状部材と第
2の柱状部材により規定される直角若しくは鋭角側の領
域に配設される。
【0015】以上のように、本発明によれば、各種セン
サの感知結果を外部機器へ送信するアンテナとしてルー
プアンテナを採用することにより、アンテナが収納され
る突起部が写真測量用ターゲットの他の部材から突出す
る寸法を小さくすることが可能である。さらに、指標部
材のうち連結部分近傍に位置する第1の指標部材から突
出部までの同一平面に沿った距離と、同一平面に対して
垂直な方向に沿った同一平面から前記突出部の端部まで
の距離が、上述の関係を満たすよう、突起部を筐体上に
配設することにより、撮影画像内において指標部材がア
ンテナにけられることがない。
【0016】また、アンテナが収納される突起部が写真
測量用ターゲットの他の部材から突出する寸法を小さく
することにより、写真測量用ターゲットの持ち運び時及
び使用時に、突起部を不用意にぶつけ破損させてしまう
ことが防止される。
【0017】ループアンテナの導体線の全長を、ループ
アンテナから放射される電波の波長の約半分とし、導体
線の巻き回しの内径の範囲を約25mmから約50mm
とし、上述の同一平面に対して垂直な方向に沿った同一
平面からループアンテナまでの距離の範囲を約8mm以
上とすることにより、所定の通信距離が確保される。従
って、測量現場において、ターゲットから例えばカメラ
等の外部機器への良好な通信状態が得られる。
【0018】樹脂から成るカバー部材を有する構成に
し、あるいは樹脂から成る部材にループアンテナがモー
ルドされる構成にすることにより、ループアンテナが外
部から保護され、耐久性が増す。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施形態が適
用される写真測量用ターゲットについて添付図面を参照
して説明するが、その前に写真測量用ターゲットを用い
た写真測量の一例について簡単に説明する。図1には、
本発明による写真測量用ターゲット(以下、ターゲット
と記載する)10と、被写体である立方体102と、カ
メラ100との位置関係が示される。立方体102及び
ターゲット10は、カメラ100によって第1のカメラ
位置M1及び第2のカメラ位置M2の双方の箇所で撮影さ
れる。第1のカメラ位置M1及び第2のカメラ位置M
2は、それぞれカメラ100の撮影レンズの後側主点位
置として定義される。第1のカメラ位置M1は実線で示
され、第2のカメラ位置M2は破線で示される。それぞ
れのカメラ位置M1、M2での光軸は二点鎖線O1及びO2
で示される。
【0020】ターゲット10は2本の柱状部材が連結さ
れたL字型を呈している。ターゲット10上には3個の
基準点部材と3個の補助点部材が設けられるが、図の複
雑化を避けるために頂点である3個の基準点部材のみが
説明に用いられる。これら3個の頂点は基準点部材
1、P2及びP3とされる。基準点部材P1、P2及びP3
によって決定される平面は基準平面とされ、基準点部材
1と基準点部材P2との間の距離が基準尺Lとして示さ
れる。なお、基準点部材P1及びP2間の距離と、基準点
部材P1及びP3間の距離とは等しく、辺P12と辺P1
3とがなす角は90度である。
【0021】図2(a)には第1のカメラ位置M1で撮
影された画像、即ち第1の画像が示され、図2(b)に
は第2のカメラ位置M2で撮影された画像、即ち第2の
画像が示される。第1の画像には第1の2次元直交座標
系(x1,y1)が設定され、その座標原点は第1の画像
の撮像中心c1とされる。図2(a)から明らかなよう
に、第1の画像では、基準点部材P1、P2及びP3の像
点はそれぞれ座標p11(px11,py11)、p12(px
12,py12)、p13(px13,py13)で示される。
【0022】第2の画像に対しても第2の2次元直交座
標系(x2,y2)が設定され、その座標原点も第2の画
像の撮像中心c2とされる。図2(b)から明らかなよ
うに、第2の画像では、基準点部材P1、P2及びP3
像点はそれぞれ座標p21(px21,py21)、p22(p
22,py22)、p23(px23,py23)で示される。
【0023】第1及び第2の画像上での基準点部材
1、P2及びP3のそれぞれの座標については、p
ij(pxij,pyij)として表すことができる。ここ
で、変数iは画像の枚数を示し、i=1は図2(a)の
第1の画像に対応し、i=2は図2(b)の第2の画像
に対応する。また、変数jは基準点部材Pjの数に一致
し、本実施形態ではj=1,2,3である。
【0024】図3には、カメラ100による撮影時の第
1及び第2の画像と、ターゲット10との間の位置関係
が相対的に示される。このとき、ターゲット10上の基
準点部材P1と基準点部材P2との間の距離も相対的な長
さとなっており、この長さはL’として示されている。
なお、基準点部材P1、P2及びP3により規定される基
準平面は、図中ハッチング領域で示される。
【0025】ここで、第1及び第2の画像に基づいて立
方体102の3次元位置を特定するために、3次元直交
座標系(X,Y,Z)が適宜設定される。図3において
は、この3次元直交座標系は右手系であり、その座標原
点は第1のカメラ位置M1に一致させられ、またそのZ
軸は第1のカメラ位置M1における光軸O1に一致させら
れる。
【0026】このとき、第2のカメラ位置M2の3次元
座標は(Xo,Yo,Zo)で示され、この3次元座標
は第1のカメラ位置M1に対する第2のカメラ位置M2
変位量を示す。また、第2のカメラ位置M2での光軸O2
の3次元角度座標が(α,β,γ)で示され、この3次
元角度座標は光軸O1に対する光軸O2の回転角度を表
す。即ち、αは3次元直交座標系のX軸と成す角度を示
し、βは3次元直交座標系のY軸と成す角度を示し、γ
は3次元直交座標系のZ軸と成す角度を示す。
【0027】また、図3では3次元直交座標系(X,
Y,Z)における3個の基準点部材P 1、P2及びP3
3次元座標のそれぞれについては、P1(PX1,P
1,PZ1)、P2(PX2,PY2,PZ2)及びP
3(PX3,PY3,PZ3)で示され、これら3次元座標
についてはPj(PXj,PYj,PZj)(j=1,2,
3)として表すことができる。
【0028】図3から明らかなように、各基準点部材P
jと、その第1または第2の画像上の像点pijと、第1
及び第2のカメラ位置M1、M2とは一直線上にある。従
って、3次元座標Pj(PXj,PYj,PZj)について
は、以下の(1)式に示す共線方程式を用いて求めるこ
とができる。
【0029】
【数1】
【0030】なお、上記(1)式中のCは、カメラ10
0の撮影レンズの主点距離(焦点距離)であり、第1及
び第2の画像において同じである。即ち、主点距離Cは
第1のカメラ位置(後側主点位置)M1と撮像中心c1
の距離、あるいは第2のカメラ位置(後側主点位置)M
2と撮像中心c2との距離である。
【0031】図4のフローチャートを参照して、第1及
び第2の画像に基づいて測量図を作成するための測量図
作成ルーチンについて説明する。この測量図作成ルーチ
ンは、第1及び第2の画像をビデオデータとして取り込
んだコンピュータによって実行され、このときこのコン
ピュータに接続されたモニタ装置の表示画面上には第1
及び第2の画像(図2(a)及び図2(b))が表示さ
れる。
【0032】まず、ステップS101では、上述した共
線方程式(1)における未知変量、即ち第1のカメラ位
置M1に対する第2のカメラ位置M2の変位量(Xo,Y
o,Zo)並びに光軸O1に対する光軸O2の回転角
(α,β,γ)に対して、0を除く適当な値が初期値と
してコンピュータに入力される。コンピュータへの入力
は例えばキーボードの操作により行われる。
【0033】ステップS102では、モニタ装置に表示
された第1及び第2の画像上における基準点部材Pj
像点の互いに対応した2次元座標p1j(px1j,p
1j)及びp2j(px2j,py2j)が順次コンピュータ
に入力される。なお、2次元座標p1j(px1j,p
1j)及びp2j(px2j,py2j)の入力については、
例えばマウスを操作して、モニタ装置の第1及び第2の
画像上のそれぞれの基準点部材Pjの像点をカーソルで
指定してクリックすることにより行われる。
【0034】ステップS103では、カウンタkに初期
値として1が与えられる。次にステップS104では、
被写体である立方体102上の任意の物点Qk=1(図
1)が選択され、モニタ装置に表示された第1及び第2
の画像上における物点Qk=1の像点の互いに対応した2
次元座標q1k(qx1k,qy1k)及びq2k(qx2k,q
2k)が順次コンピュータに入力される。なお、2次元
座標q1k(qx1k,qy 1k)及びq2k(qx2k,q
2k)の入力についても、マウスを操作して、モニタ装
置の第1及び第2の画像上におけるそれぞれの物点Q
k=1の像点をカーソルで指定してクリックすることによ
り行われる。
【0035】物点Qk=1と、第1及び第2の画像上にお
ける物点Qjの像点と、第1及び第2のカメラ位置M1
2との間の位置関係は、図3に示す各基準点部材P
jと、その第1または第2の画像上の像点pijと、第1
及び第2のカメラ位置M1、M2との位置関係と同様であ
り、物点Qk=1と物点Qjの像点と、第1及び第2のカメ
ラ位置M1、M2とは一直線上にある。従って、物点Q
k=1の3次元座標Q1(QX1,QY1,QZ1)は、
(1)式を用いて求めることができる。
【0036】ステップS105では、2次元座標p
1j(px1j,py1j)及びp2j(px2j,py2j)と2
次元座標q1k(qx1k,qy1k)及びq2k(qx2k,q
2k)の入力データに基づいて、上述した共線方程式
(1)が逐次近似解法により解かれる。これにより、各
基準点部材Pj(j=1,2,3)の3次元座標Pj(P
j,PYj,PZj)と、物点Qk=1の3次元座標Q
1(QX1,QY1,QZ1)と、未知変量(Xo,Yo,
Zo)及び(α,β,γ)とが近似的に求められる。
【0037】逐次近似解法とは、前述の共線方程式にお
いて未知変量(Xo,Yo,Zo)及び(α,β,γ)
に初期値を与え、この初期値の周りにテーラー展開して
線形化し、最小二乗法により未知変量の補正量を求める
手法である。このような近似演算を繰り返すことによ
り、未知変量の一層誤差の少ない近似値が求められる。
【0038】要するに基準点部材Pj(j=1,2,
3)の3次元座標Pj(PXj,PYj,PZj)を、第1
の画像における基準点部材Pjの2次元座標p1j(px
1j,py 1j)と、第2の画像における基準点部材Pj
2次元座標p2j(px2j,py2j)とに基づいて求め、
かつ物点Qk=1の3次元座標Q1(QX1,QY1,Q
1)を、第1の画像における物点Qk=1の2次元座標q
1k(qx1k,qy1k)と、第2の画像における物点Q
k=1の2次元座標q2k(qx2k,qy2k)とに基づいて
求めることにより、第2のカメラ位置M2の変位量(X
o,Yo,Zo)及び光軸O2の回転角(α,β,γ)
についての近似値が求められる。
【0039】ステップS106では、座標値による相対
的な距離を実際の距離に補正するための補正倍率mが求
められる。この演算には既知の長さ、例えば基準点部材
1と基準点部材P2との間の距離が用いられる。基準点
部材P1と基準点部材P2との間の実際の距離はL(図1
参照)であることから、3次元直交座標系(X,Y,
Z)における基準点部材P1と基準点部材P2との距離
L’(図3参照)と実際の距離Lとの間には次の関係式
が成り立つ。
【0040】 L=L’×m (m:補正倍率)
【0041】ステップS107では、上述の補正倍率を
用いてスケーリングが行われ、これにより基準点部材P
jの3次元座標Pj(PXj,PYj,PZj)及び物
点Q k=1の3次元座標Q1(QX1,QY1,QZ1)間
で、実測値に基づく配置関係が得られることになる。
【0042】ステップS108では、3次元直交座標系
(X,Y,Z)が、図5に示すような3次元直交座標系
(X’,Y’,Z’)に座標変換される。同図から明ら
かなように、3次元直交座標系(X’,Y’,Z’)の
座標原点は基準点部材P1に一致させられ、そのX’軸
は基準点部材P1及びP2を結ぶ直線に一致させられ、さ
らにX’−Z’平面が基準平面(図中、ハッチング領域
として示される)を含む平面Psに一致させられる。な
お、3次元直交座標系(X’,Y’,Z’)の座標原点
として基準点部材P1が選ばれたが、平面Ps上の任意
の点であれば、3次元直交座標系(X’,Y’,Z’)
の座標原点とし得る。
【0043】ステップS109では、X’−Z’平面が
測量図としてモニタ装置に表示され、このときX’−
Z’平面即ち測量図には、基準点部材P1、P2及びP3
と共に物点Qk=1の投影点が表示される。なお、測量図
はX’−Z’平面に限定されることはなく、X’−Y’
平面あるいはY’−Z’平面とすることもできるし、さ
らには3次元直交座標系(X’,Y’,Z’)に基づく
立体斜視図とすることもできる。
【0044】ステップS110では、立方体102に対
して他の物点が選択されるか否かが判定され、他の物点
が更に選択される場合には、ステップS111に進み、
そこでカウンタkのカウンタ値が“1”だけカウントア
ップされる。その後ステップS104に進み、そこでモ
ニタ装置に表示された第1及び第2の画像上における物
点Qk=2(図示せず)の像点の互いに対応した2次元座
標q1k(qx1k,qy1 k)及びq2k(qx2k,qy2k
がコンピュータに入力される。
【0045】ステップS105では2次元座標p1j(p
1j,py1j)及びp2j(px2j,py2j)と、2次元
座標q1k(qx1k,qy1k)及びq2k(qx2k,q
2k)との入力データに基づいて、上述した共線方程式
(1)が逐次近似解法により解かれる。これにより、各
基準点部材Pj(j=1,2,3)の3次元座標Pj(P
j,PYj,PZj)と、物点Qk(k=1,2)の3次
元座標Qk(QXk,QYk,QZk)と、未知変量(X
o,Yo,Zo)及び(α,β,γ)とが近似的に求め
られる。このとき得られる未知変量(Xo,Yo,Z
o)及び(α,β,γ)の近似値は、前回より一層近似
されたものとなる。
【0046】要するに、物点Qkの数を増やせば増やす
ほど、未知変量(Xo,Yo,Zo)及び(α,β,
γ)の近似値は実際の値に近づくこととなる。ある程度
の近似値を得るためには基準点部材P1、P2及びP3
含めて少なくとも5点必要である。
【0047】図6は、本発明に係る第1実施形態が適用
される写真測量用ターゲットを測量現場で使用するため
組み立てられた状態で示す平面図であり、一部破断して
示される。ターゲット10は2本の柱状部材12、14
を備えており、図1から明らかなようにターゲット10
は組み立てられた状態においてL字型を呈している。第
1の柱状部材12及び第2の柱状部材14は金属材料か
ら形成され、内部が中空の四角柱形状を呈しており、そ
れらの全外周面には無反射シートが貼付される。第1の
柱状部材12及び第2の柱状部材14の幅は共に同じ長
さLWである。
【0048】略直方体の制御部筐体20は金属材料から
形成され、その全外周面には無反射シートが貼付され
る。制御部筐体20の側面20Rは、第1の柱状部材1
2の側面12Rに密着しており、制御部筐体20は第1
の柱状部材12に固定されている。ターゲット10が組
立状態にある時、制御部筐体20の側面20Rに連続し
かつ側面20Rに直交する側面20Sは、第2の柱状部
材14の一方の端部近傍において、第2の柱状部材14
の側面14Sに当接している。
【0049】制御部筐体20の側面20R及び20Sに
垂直な上面20Uの、側面20Rと平行な側面20Tと
側面20Sとが交差する角部近傍において、第2の柱状
部材14が取付機構30により上面20Uに直交する軸
心周りに回転自在に設けられている。取付機構30の回
転軸部材31は、その軸心が、第1の柱状部材12の上
面12U及び第2の柱状部材14の上面14Uに直交す
る方向に延びており、第2の柱状部材14の長手方向の
途中に位置するよう配設される。
【0050】制御部筐体20には、電源電池、傾斜角セ
ンサや方位センサ等の各種のセンサが収容される。ま
た、制御部筐体20の上面20Uにはアンテナ収容部2
1が配設され、内部には、上述のセンサの検知結果をカ
メラに送信するためのループアンテナが収容される。
尚、制御部筐体20及びアンテナ収容部21の詳細につ
いては後述する。
【0051】再び図6を参照すると、ターゲット10の
上面、即ち第1及び第2の柱状部材12、14のそれぞ
れの上面12U、14Uには3個の基準点部材41、4
4、46、及び3個の補助点部材42、43、45が設
けられる。基準点部材41、補助点部材42、43は第
1の柱状部材12の上面12Uに設けられ、基準点部材
44、46、補助点部材45、は第2の柱状部材14の
上面14Uに設けられる。基準点部材44は、上面14
Uにおいて、回転軸部材31の近傍と第1の柱状部材1
2の近い側の第2の柱状部材14の端部との間に位置す
る。各基準点部材41、44、46、及び各補助点部材
42、43、45は円板状を呈しており、それらの直径
は全て同じであり、かつ第1及び第2の柱状部材12、
14の幅LWより小さい。
【0052】基準点部材41、44、46および補助点
部材42、43、45には反射シートが貼付され、さら
に各基準点部材41、44、46および補助点部材4
2、43、45の周りには、黒色の円板部材である無反
射部材51、52、53、54、55、56がそれぞれ
設けられる。
【0053】ターゲット10が図6に示すように測量現
場で使用する状態に組み立てられた場合、基準点部材4
1、44、補助点部材42、43は、第1の柱状部材1
2の軸心方向に平行な基準点部材41と基準点部材44
を結ぶ直線上に位置し、基準点部材44、46及び補助
点部材45は、第2の柱状部材14の軸心方向に平行な
基準点部材44と基準点部材46を結ぶ直線上に位置す
る。即ち、基準点部材41と基準点部材44を結ぶ直線
上に2個の補助点部材42、43が設けられ、基準点部
材44と基準点部材46を結ぶ直線上に1個の補助点部
材45が設けられている。
【0054】基準点部材41と補助点部材42の間、補
助点部材42と補助点部材43の間、補助点部材43と
基準点部材44の間の距離はそれぞれ等しく、基準点部
材44と補助点部材45の間、補助点部材45と基準点
部材46の間の距離はそれぞれ等しい。
【0055】基準点部材41、44、46、及び補助点
部材42、43、45によって、写真測量の基準平面が
定められ、同時に基準点部材41、44、46を頂点と
する二等辺三角形の辺長さが基準尺として定められる。
即ち、基準点部材41から基準点部材44までの直線距
離、あるいは基準点部材44から基準点部材46までの
直線距離、あるいは基準点部材46から基準点部材41
までの直線距離が既知であり、これらが基準尺として写
真測量に用いられる。
【0056】図6の組立状態は組立ロック手段60によ
り固定される。また、第2の柱状部材14の側面14T
において基準点部材44と補助点部材45との間に、取
っ手機構70が配設されている。組立ロック手段60に
よるロック状態を解除し、第1の柱状部材12を図6
中、反時計周りに回転させ、第1の柱状部材12と第2
の柱状部材14を略平行な状態に固定した上で、取っ手
機構70を使用者が把持することにより、ターゲット1
0の持ち運びが簡易に行なえる。
【0057】図7は、図6のターゲット10の制御部筐
体20が配設される部分の近傍を第1の柱状部材12の
側面12Rと平行な側面の側から示す側面図であり、拡
大して示される。また、図8は、図6の制御部筐体20
近傍を拡大して示す平面図である。図7に示す平面SP
は、基準点部材44と、他の基準点部材41、46、及
び補助点部材42、43、45(図6参照)によって規
定される基準平面である。基準点部材44からアンテナ
収容部21までの平面SPに沿った距離をK1(図8参
照)とし、平面SPに対して垂直な方向に沿った平面S
Pからアンテナ収容21の上端面までの距離をK2(図
7参照)とすると、K1、K2が以下の(2)式を満た
すよう、アンテナ収容部21は設けられる。
【0058】 K2/K1<tan8° ・・・・・・・・(2)
【0059】尚、図8から明らかなように、距離K1
は、アンテナ収容部21の上端面と側面が交差する上端
面の外周縁部上において基準点部材44に最も近い点
と、基準点部材44の外周縁部上においてアンテナ収容
部21に最も近い点とを結ぶ直線を、基準平面に投影し
た距離である。
【0060】また、図8に示すように、基準点部材44
は、第2の柱状部材14において、第1の柱状部材12
と連結される部分近傍の端部に配設され、補助点部材4
3は第1の柱状部材12において、基準点部材44と隣
り合う位置に配設される。基準点部材44及び補助点部
材43は、第1の柱状部材12の長手方向における制御
部筐体20の両端部近傍にそれぞれ位置する。補助点部
材43と基準点部材44を接続する直線上にアンテナ収
容部21の中心軸C10を投影した点から基準点部材4
4までの距離W1と、同直線上に中心軸C10を投影し
た点から補助点部材43までの距離W2は等しい。即
ち、アンテナ収容部21の中心軸C10は、補助点部材
43から基準点部材44までの直線距離W3を二等分す
る直線SL上に位置する。さらに、中心軸C10は、直
線SL上において、第1の柱状部材12から遠い側面2
0Tの近くに位置する。
【0061】アンテナ収容部21を以上のように設ける
ことにより、例えば、カメラ位置をターゲット10が設
置される設置面から約1.4mの高さで、かつ基準点部
材44から設置面に沿って約10m離れた位置に設定し
た場合、基準点部材44がアンテナ収容部21により遮
蔽され撮影画像への写し込みに失敗することが防止され
る。通常、写真測量においては、設置面から1.4mよ
り低い位置での撮影や、ターゲット10から10m以上
離れた位置での撮影は行なわれない。従って、アンテナ
収容部21を、上述の(2)式を満たし、かつ中心軸C
10が補助点部材43から基準点部材44までの直線距
離W3を二等分する直線SL上に位置するよう制御部筐
体21上に設置することにより、殆どの撮影位置におい
て、基準点部材44がアンテナ収容部21に遮蔽される
という問題が回避される。
【0062】図9は図6の線I−I’により切断した一
部断面図であり、拡大して示される。制御部筐体20内
には、後述する制御基板や各種センサ等を適所に設ける
ためのフレーム201が配設される。フレーム201は
薄板状の金属板を所定の型に打ち抜き、適宜折り曲げて
成型される部材である。フレーム201の基部201A
は制御部筐体20の底面20Bの内壁面に当接する。
【0063】電池ホルダ202には、電池203、及び
電池203に対して紙面に直交する方向に配設された複
数本の電池が保持され、これらの電池から後述する各基
板や電子部品に電源が供給される。ホルダ保持面201
Bは、基部201Aから折り曲げられ、制御部筐体20
内において所定の高さに位置しており、図10に示すよ
うに、折り返し部211、212、213が形成されて
いる。電池ホルダ202は、ホルダ保持面201Bにビ
ス(図示せず)で固定されると共にこれらの折り返し部
211、212、213に挟持される。
【0064】制御部筐体20の底面20Bには、電池ホ
ルダ202に対応する部分に開口部214が形成されて
いる。電池蓋215は一方の端辺部が開口部214近傍
に設けられた電池蓋取付座216に係合しており、電池
蓋215は電池蓋取付座216との係合部分を支点とし
て回転自在である。電池蓋215の他方の端辺部には取
付ネジ217が設けられており、この取付ネジ217を
開口部214近傍に設けられた電池蓋取付座218に嵌
合させることにより、電池蓋215は開口部214を遮
蔽するよう固定される。
【0065】制御基板220には、各種制御回路部品が
搭載されると共に周波数310MHz(メガヘルツ)の
発振器221が搭載される。制御基板220は、フレー
ム201の基部201Aに設けられたカラー222及び
ホルダ保持面201Bに設けられたカラー223に、そ
れぞれ取付ビス224、225により固定されており、
所定の高さに位置する。発振器221にはアンテナ収容
部21に保持されるループアンテナ230が接続されて
いる。
【0066】方位センサ240はターゲット10の向き
を感知するためのセンサであり、センサ基板241に搭
載される。センサ基板241は、フレーム201の基部
201Aに設けられたカラー242、243に取付ビス
により固定されており、制御基板220の下側に位置す
る。
【0067】傾斜センサ250は、第1の柱状部材12
(図6参照)の長手方向に沿った軸線周りの傾斜角度を
検知するためのセンサであり、傾斜センサ260は、第
2の柱状部材14(図6参照)の長手方向に沿った軸線
周りの傾斜角度を検知するためのセンサである。傾斜セ
ンサ250、260は、それぞれセンサ基板251、2
61に搭載される。図11に示すように、センサ基板2
51は基部201Aに対して垂直に折り曲げられた折り
返し部201C、201Dにそれぞれビスにより固定さ
れる。また、センサ基板261は基部201Aに対して
垂直に折り曲げられた折り返し部201E、201Fに
それぞれビスにより固定される。
【0068】制御部筐体20は第2の柱状部材14側の
端部と補助点部材43(図6参照)側の端部はそれぞれ
開口している。第2の柱状部材14側の端部の開口は、
フレーム201において基部201Aに対して垂直に折
り返された遮蔽部201Gにより遮蔽される。同様に、
補助点部材43側の端部の開口は、基部201Aに対し
て垂直に折り返された遮蔽部201Hにより遮蔽され
る。遮蔽部201G、201Hには、それぞれOリング
271、272を介してシール板273、274が取り
付けられている。従って、制御部筐体20の両端部から
の埃や水分の浸入が防止される。
【0069】フレーム201において、ホルダ保持面2
01Bと遮蔽部201Gを接続する取付部201Jは、
取付リブ275、防水パッキン276を介して取付けビ
ス278により制御部筐体20に固定される。また、遮
蔽部201Gは制御部筐体20の内周面の底面側で制御
部筐体20の内方に向かって折り返された取付部201
Kを有し、取付部201Kは防水パッキン279を介し
て取付けビス280により固定される。
【0070】遮蔽部201Hは制御部筐体20の内周面
の上面側で制御部筐体20の内方に向かって折り返され
た取付部201Lを有する。取付部201Lは、制御部
筐体20の内周面の上面に当接し、取付リブ281、防
水パッキン282を介して取付けビス283により制御
部筐体20に固定される。また、基部201Aにおいて
取付部201Lに対応する部分は、防水パッキン284
を介して取付けビス285により固定される。
【0071】遮蔽部201Gには、制御部筐体20の内
方側に電源スイッチ290が設けられ、外方側にスイッ
チボタン291が設けられる。スイッチボタン291を
押すことにより電源スイッチ290がオンし、電池20
3を含む複数の電池から制御基板220、方位センサ2
40、傾斜センサ250、260等に電源が供給され
る。
【0072】図12は、アンテナ収容部21の近傍を拡
大して示す図である。アンテナ収容部21のアンテナホ
ルダ300は樹脂から成る部材であり、全体として略円
筒状を呈し、大径部301と、大径部301と同軸的に
一体化して形成される小径部302とを有する。大径部
301は制御部筐体20の上面20Uにビス303によ
り固定される。アンテナホルダ300の内方には、大径
部301と小径部302を貫く貫通孔300Aが形成さ
れている。大径部301において貫通孔300Aの開口
する部分には環状の突起部301Aが形成されている。
突起部301Aの外径は制御部筐体20の上面20Uに
設けられた開口部20Pの直径と一致している。
【0073】小径部302の上面において貫通孔300
Aの開口部近傍には、小径部302と同軸的に環状溝3
02Aが形成されており、環状溝302Aの内部に一本
の導体線がループ状に配設され、ループアンテナ230
を構成している。即ち、第1実施形態において、ループ
アンテナ230の巻き回しの中心軸C11は、開口部2
0P、アンテナホルダ300の軸心と一致している。換
言すれば、アンテナ収容部21の中心軸C10(図11
参照)とループアンテナ230の巻き回しの中心軸C1
1は一致している。
【0074】上述のように、ループアンテナ230は周
波数が310MHz(メガヘルツ)の発振器221に接
続されている。ループアンテナ230から発信される電
波の波長λは公式(3)に基づいて求められる。
【0075】λ=C/V ・・・・・(3) ただし、λ:波長(単位:m(メートル)) C:電波の速度(単位:m/s(メートル/秒)) V:周波数(単位:Hz(ヘルツ))
【0076】ここで、電波の速度は3×108 m/sで
ある。従って、ループアンテナ230から放射される電
波の波長λは、約0.96mとなる。波長λに共振する
よう、ループアンテナ230の導体線の全長は放射され
る電波の波長λの約1/2の約0.48mに設定され
る。
【0077】図13に示す表を用いてループアンテナの
性能評価に関する実験結果について説明する。図13の
表は、ループアンテナの導体線のループ径、全体長、浮
かし量の各値を適宜設定し、ループアンテナから外部機
器へのデータ送信の実験をし、その結果得られた通信距
離を示す表である。尚、浮かし量とは、制御部筐体20
の上面20Uから導体線までの、上面20Uに垂直な方
向に沿った距離である。
【0078】導体線の全体長を約0.48m(0.47
〜0.50m)に設定し、浮かし量を8.0〜9.5m
mの範囲に設定した場合、ループ径が大きくなるほど通
信距離は短くなる傾向にある(項番4、7、9、15、
18参照)。例えば、項番4に示すように、ループ径を
25mm、全体長を0.48m、浮かし量を9.5mm
に設定したループアンテナからは、8.5〜10.0m
の通信距離が得られる。一方、項番18に示すように、
ループ径を50mm、全体長を0.47m、浮かし量を
8.0mmに設定したループアンテナからは、5.0m
の通信距離が得られる。
【0079】また、ループ径を40mm、全体長を0.
47mに設定した場合、浮かし量が大きいほど通信距離
は長くなる傾向がある(項番14〜16参照)。例え
ば、項番14に示すように、ループ径を40mm、全体
長を0.47m、浮かし量を4.0mmに設定したルー
プアンテナからは2.5〜3.5mの通信距離しか得ら
れないが、項番16に示すように、同一のループ径、全
体長のもとで、浮かし量を10.0mmに設定したルー
プアンテナからは5.0〜6.0mの通信距離が得られ
る。
【0080】以上のように、ループ径は小さいほど、浮
かし量は大きいほど、通信距離は長くなる傾向にある。
写真測量において、設置されたターゲットから約5〜1
0mの範囲で撮影が行なわれた画像が、測量演算に用い
る画像として適していることが経験的に知られている。
従って、上述の実験結果から、ループ径は約25〜50
mmの範囲、浮かし量は約8.0〜9.5mmの範囲に
設定すれば、測量現場での写真撮影時のデータ送信に十
分対応できるループアンテナが得られる。
【0081】上述の実験結果に基づき、ループアンテナ
230の制御部筐体20の上面20Uからの高さH1及
び内径D1(図12参照)がそれぞれ約9.5mm、約
25mmとなるよう、環状溝302Aは形成される。
尚、上述の波長λが約0.96mであることから、約2
5mmである導体線の巻き回しの内径D1は、波長λの
約40分の1程度となる。
【0082】図12に示すように、アンテナカバー30
4は樹脂から成る皿状の部材であり、開口している側が
アンテナホルダ300に向かうよう配設される。アンテ
ナカバー304において開口している側の端面は、制御
部筐体20の上面20Uに当接しており、上面20Uと
の間に防水パッキン305が設けらる。アンテナカバー
304において開口している側と反対の底部の外面には
凹部304Aが形成される。アンテナカバー304は、
凹部304Aにおいて防水パッキン306を介してビス
307によりアンテナホルダ300に固定される。
【0083】アンテナカバー304の内部は、アンテナ
ホルダ300の大径部301及び小径部302に嵌合す
るよう、段部308が形成されている。段部308にお
いてビス303に対応する部分には凹部308Aが形成
されている。アンテナカバー304の底部により、アン
テナホルダ300の貫通孔300Aの小径部302側の
開口及び環状溝302Aが遮蔽される。従って、ループ
アンテナ230が外部より保護されると共に制御部筐体
20内部への雨等の浸入が防止される。
【0084】図14は、本発明の第2実施形態が適用さ
れるアンテナ収容部400の近傍を拡大して示す図であ
る。尚、第2の実施形態においてアンテナ収容部400
以外の構成は第1実施形態のターゲット10と同様であ
る。基準点部材44(図7参照)からアンテナ収容部4
00までの基準平面に沿った距離と、基準平面に対して
垂直な方向に沿った基準平面からアンテナ収容400の
端部までの距離が、上述の(2)式を満たすよう、アン
テナ収容部400は設けられる。また、アンテナ収容部
400の中心軸は、基準点部材44と補助点部材43と
の間の距離を二等分する直線SL上において、第1の柱
状部材12から遠い制御部筐体20の側面20Tに近い
側に位置している。
【0085】アンテナ収容部400のアンテナホルダ4
01は、ゴム材料から成る円筒状の部材であり、制御部
筐体20の上面20Uに配設される。その内部の貫通孔
401Aの径は、上面20Uに形成された開口部20Q
の径と一致する。アンテナホルダ401の上端面には、
その円弧にそって一本の導体線がループ状に巻き回され
るよう載置され、ループアンテナ402を構成する。
【0086】アンテナカバー403は、樹脂から成る皿
状の部材である。アンテナカバー403の内側にはアン
テナホルダ401と嵌合する嵌合穴404が形成されて
いる。アンテナカバー403の下側の端面は制御部筐体
20の上面20Uに当接しており、上面20Uとの間に
は防水パッキン405が配設される。嵌合穴404の底
面には、環状溝404Aが形成されており、上述のルー
プアンテナ402が収容されている。また、アンテナカ
バー403の上面には、凹部403A、403Bが形成
されている。アンテナカバー403は、凹部403Aに
おいて防水パッキン406を介してビス407により制
御部筐体20に固定され、凹部403Bにおいて防水パ
ッキン408を介してビス409により制御部筐体20
に固定されている。
【0087】ループアンテナ402の導体線の巻き回し
の中心軸はC12はアンテナホルダ401の中心軸と一
致する。第1実施形態と同様、ループアンテナ402は
周波数が310MHzの発振器221に接続され、それ
に応じてループアンテナ402の導体線の全長は、放射
される電波の波長の約1/2の長さとなるよう約0.4
8mとなっている。また、ループアンテナ402の制御
部筐体20の上面20Uからの高さH2が約9.5mm
となるようアンテナホルダ401は設けられ、ループア
ンテナ402の内径D2が約25mmとなるよう環状溝
404Aは形成される。
【0088】図15は、本発明の第3実施形態が適用さ
れるアンテナ収容部500の近傍を拡大して示す図であ
る。アンテナ収容部500以外の構成は第1実施形態と
同様である。アンテナ収容部500は樹脂から成る略円
板状の部材であり、その縦断面形状は台形を呈する。ア
ンテナ収容部500の下面501は制御部筐体20の上
面20Uに当接しており、上面20Uとの間にはOリン
グ502が配設される。また、上面503には凹部50
3A、503Bが形成されている。凹部503Aの底面
に防水パッキン504を介して配設されるビス505、
及び凹部503Bの底面に防水パッキン506を介して
配設されるビス507により、アンテナ収容部500は
制御部筐体20に固定される。
【0089】基準点部材44(図7参照)からアンテナ
収容部500までの基準平面に沿った距離と、基準平面
に対して垂直な方向に沿った基準平面からアンテナ収容
500の端部までの距離が、上述の(2)式を満たすよ
う、アンテナ収容部500は設けられる。また、第1及
び第2実施形態と同様、アンテナ収容部500の中心軸
は、基準点部材44と補助点部材43との間の距離を二
等分する直線SL上において、第1の柱状部材12から
遠い制御部筐体20の側面20Tに近い側に位置する。
【0090】アンテナ収容部500の上面503の近傍
には、ループアンテナ508がモールドされている。ル
ープアンテナ508は、一本の導体線を軸心C13を巻
き回しの中心としてループ状に巻き回したものであり、
制御部筐体20に形成された開口部20Wを介して発振
器221に接続されている。ループアンテナ508の軸
心C13は、アンテナ収容部500の軸心と一致する。
【0091】ループアンテナ508が接続される発振器
221は、上述のように310MHzであり、それに応
じてループアンテナ508の導体線の全長は放射される
電波の波長の約1/2の長さとなるよう約0.48mと
なっている。また、アンテナ収容部500を制御部筐体
20の上面20Uに固定したとき、ループアンテナ50
8の上面Uからの高さH3が約9.5mmとなり、その
内径D3は約25mmとなるよう、ループアンテナ50
8はアンテナ収容部500にモールドされる。
【0092】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、写真測
量システムにおいて、撮影画像内において指標部材を遮
蔽せず、かつカメラへのデータの送信が良好に行なわれ
るターゲットが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態である写真測量用ターゲット
と、被写体と、カメラとの位置関係を示す斜視図であ
る。
【図2】図1のカメラで撮影した画像を模式的に示す図
であって、図2(a)は図1のカメラにより第1のカメ
ラ位置で撮影したときの第1の画像であり、図2(b)
は図1のカメラにより第2のカメラ位置で撮影したとき
の第2の画像である。
【図3】基準点部材と、その像点と、カメラの撮影レン
ズの後側主点位置との位置関係を3次元座標で示す図で
ある。
【図4】図2の2枚の画像から被写体の測量図を作成す
るためのルーチンを示すフローチャートである。
【図5】基準形状を含む平面に基づく3次元座標を示す
図である。
【図6】本発明の第1実施形態が適用される写真測量用
ターゲットの平面図である。
【図7】写真測量用ターゲットを第1の柱状部材の側か
ら示す側面図である。
【図8】制御部筐体近傍を拡大して示す図である。
【図9】ターゲットの制御部筐体を長手方向に沿って切
断した一部断面図である。
【図10】制御部筐体の内部に配設されるフレームにお
いて電池ホルダが配設される部分近傍の斜視図である。
【図11】制御部筐体の内部に配設されるフレームにお
いて傾斜センサが配設される部分近傍の斜視図である。
【図12】第1実施形態の写真測量用ターゲットのアン
テナ収容部近傍の一部断面図である。
【図13】ループアンテナの導体線の巻き回しのループ
径、全体長、浮かし量と、ループアンテナの通信距離に
関する実験結果を示す表である。
【図14】本発明に係る第2実施形態が適用される写真
測量用ターゲットのアンテナ収容部近傍の一部断面図で
ある。
【図15】本発明に係る第3実施形態が適用される写真
測量用ターゲットのアンテナ収容部近傍の一部断面図で
ある。
【符号の説明】
10 ターゲット 12 第1の柱状部材 14 第2の柱状部材 41、44、46 基準点部材 42、43、45 補助点部材 21、400、500 アンテナ収容部 221 発振器 230、402、508 ループアンテナ 240 方位センサ 250、260 傾斜センサ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれの端部において連結された第1
    の柱状部材と第2の柱状部材と、 カメラによる撮影画像内において識別可能であり、同一
    平面を形成するよう前記第1の柱状部材と前記第2の柱
    状部材のそれぞれに設けられる指標部材と、 前記カメラの撮影位置の算出に用いられる情報を取得す
    るためのセンサが収納され、前記第1の柱状部材と前記
    第2の柱状部材の連結部分の近傍において前記第1の柱
    状部材若しくは前記第2の柱状部材のいずれか一方に設
    けられる筐体と、 前記センサの検知結果を外部機器へ送信するためのルー
    プアンテナと、 前記筐体において、前記第1及び第2の柱状部材の前記
    指標部材が設けられる面と同一方向を向く上面に配設さ
    れ、前記ループアンテナが収納される突出部とを備え、 前記指標部材のうち前記連結部分近傍に位置する第1の
    指標部材から前記突出部までの前記同一平面に沿った距
    離と、前記同一平面に対して垂直な方向に沿った前記同
    一平面から前記突出部の端面までの距離が、以下の関係
    を満たすことを特徴とする写真測量用ターゲット。 K2/K1<tan8° (ただし、K1:前記第1の指標部材から前記突出部ま
    での前記同一平面に沿った距離 K2:前記同一平面に対して垂直な方向に沿った前記同
    一平面から前記突出部の端面までの距離)
  2. 【請求項2】 前記ループアンテナの導体線の全長は、
    前記ループアンテナから放射される電波の波長の約半分
    であり、前記導体線の巻き回しの内径は約25mm(ミ
    リメートル)から約50mmの範囲にあり、前記同一平
    面に対して垂直な方向に沿った前記同一平面から前記ル
    ープアンテナまでの距離は約8mm以上であることを特
    徴とする請求項1に記載の写真測量用ターゲット。
  3. 【請求項3】 前記突出部は、前記ループアンテナの前
    記導体線の巻き回しの中心軸線と同軸的な略円柱形状を
    呈し、前記中心軸線は、前記第1の指標部材と、前記第
    1の柱状部材若しくは前記第2の柱状部材のうち前記筐
    体が設けられる柱状部材において前記第1の指標部材と
    隣り合う位置に配設される第2の指標部材との間の距離
    を二等分する直線上に位置することを特徴とする請求項
    2に記載の写真測量用ターゲット。
  4. 【請求項4】 前記突起部は、前記筐体の前記上面に固
    定され、前記ループアンテナを保持する保持部材と、前
    記ループアンテナを外部から保護するためのカバー部材
    とを備えることを特徴とする請求項1に記載の写真測量
    用ターゲット。
  5. 【請求項5】 前記突起部は、前記筐体の前記上面に固
    定される樹脂材料から成る部材であり、前記ループアン
    テナは前記突起部にモールドされることを特徴とする請
    求項1に記載の写真測量用ターゲット。
  6. 【請求項6】 前記筐体は、前記第1の柱状部材と前記
    第2の柱状部材により規定される直角若しくは鋭角側の
    領域に配設されることを特徴とする請求項1に記載の写
    真測量用ターゲット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105222757A (zh) * 2015-09-18 2016-01-06 北京林业大学 一种CCD配合iPad摄影获取公安案件几何信息的量测方法

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