JP4243392B2 - 写真測量用ターゲット - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、写真測量の撮影において基準尺として用いられる写真測量用ターゲットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、交通事故現場等で行われる写真測量において、被写体は例えばスチルカメラでもって2箇所から撮影される。この撮影により得られた画像から被写体の2次元座標が読取られ、これら2次元座標に基づいて被写体の3次元座標が求められる。この被写体の3次元座標から、交通事故現場の測量図が作成される。
【0003】
このような写真測量では、測量図を作成するための基準尺と基準平面とが必要である。従来、かかる基準尺および基準平面を得るために、例えば3つの円錐状マーカが撮影現場に設置される。3つの円錐状マーカの先端で決定される面が基準平面に規定され、またこの先端の間の距離が巻尺等で実測されてその距離が基準尺とされる。
【0004】
しかし、円錐状マーカを設置する路面が傾斜していたり、凹凸を有している場合、基準平面は水平面に平行とならず、円錐状マーカを移動する度に基準平面の傾斜度が変化するので、正確な水平面図を測量図として得ることができないという問題がある。さらに、コンピュータにより測量図を作成する際には測定されたデータを外部から入力しなければならず、煩雑な操作であるだけでなく、多数の画像を処理する場合には各画像との対応付けを間違える可能性がある。
【0005】
このような問題を解決するものとして、例えば特開平10−185563号公報に示すように、三角形の枠材の上に三角板を設けた写真測量用ターゲットを3つの円錐状マーカの替りに撮影現場に設置し、枠材の3個の頂点に設けられた点光源間の距離を基準尺とし、3個の点光源で決定される平面を基準平面とする写真測量が開示されている。基準平面の水平面に対する傾斜角および写真測量用ターゲットの現在位置を示す方位は、三角板の裏側に設けられたセンサにより測定された後送信され、カメラにより受信されて撮影時に画像と共に記録される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、三角板の裏側にセンサおよび送信部等の電子部品を設ける構成では、センサおよび送信部が路面に対して露出し、道路面上に突起物があったり路面が濡れている場合、あるいは運搬等により破損や故障が生じる可能性がある。
【0007】
本発明はこの様な点に鑑みてなされたものであり、浸水や衝撃からセンサ等の電子部品を保護すると共に、センサにより得られたデータを確実に送信できる写真測量用ターゲットを得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明による写真測量用ターゲットは、中空に形成され、水平方向に沿って延びる上面および底面を有し、少なくとも3個の視認用指標部材を同一平面上おいて所定の相対位置関係に定める柱状部材と、柱状部材の内部に実質的に水平に設けられ、写真測量に用いるデータを無線により送信する送信部を備えた制御回路基板と、制御回路基板を挿入するために柱状部材の上面に形成された開口を密閉するカバーと、柱状部材の底面に対向するカバーの裏面に設けられるアンテナと、制御回路基板とカバーとの間に設けられ、制御回路基板とアンテナとを接続するコネクタと、一端が制御回路基板に他端がカバーに密着する支持部材とを備え、コネクタおよび支持部材が実質的に同じ垂直方向長さを有し、コネクタおよび支持部材によって、制御回路基板がカバーに対して所定の距離だけ離れた位置に保持されることを特徴としている。これにより、制御回路基板が安定すると共に、雨などの気象条件の悪い場合にでも制御回路基板およびアンテナが柱状部材により保護され、確実にデータを送信できる。
【0009】
写真測量用ターゲットにおいて、好ましくはアンテナが所定のパターンに基づいて形成され、これにより効率良く送信が行える。またアンテナは具体的にはエッチング、メッキ、および印刷等の手法によって形成され得る。
【0010】
写真測量用ターゲットが送信する写真測量に用いるデータには、好ましくは、視認用指標部材の相対位置関係を示す相対座標データと、視認用指標部材によって定められた基準平面上に設定され互いに直交する2軸周りの水平面に対する傾斜角データと、方位データとが含まれる。これにより、例えば写真測量用カメラに受信装置を設けて、相対座標データ、傾斜角データおよび方位データを画像と共に記録すれば、測量図作成時にこれらデータの入力の手間が省ける。
【0011】
写真測量用ターゲットにおいて、好ましくは柱状部材が、第1柱状部材と、この第1柱状部材の一端部に回転自在に連結された端部を有し第1柱状部材に対して垂直に固定可能な第2柱状部材とを備え、さらに視認用指標部材が第1および第2柱状部材の上面において、第1および第2柱状部材の長手方向に平行な線に沿って固定されることが好ましい。これにより、基準平面の直交する2軸を実質的に第1および第2柱状部材の長手方向にそれぞれ平行に設定できる。
【0012】
写真測量用ターゲットにおいて、さらに好ましくは第1および第2柱状部材の内部にそれぞれ第1および第2傾斜角センサが設けられ、これら2つの傾斜角センサによって各柱状部材の長手方向周りの水平面に対する傾斜角がそれぞれ検出され、検出された2つの傾斜角に基づいて傾斜角データが求められる。これにより、第1および第2柱状部材の長手方向周りの水平面に対する傾斜角を測定し、適宜補正することにより、傾斜角データを容易に得ることができる。
【0013】
写真測量用ターゲットにおいて、制御回路基板を柱状部材の底面に対して所定距離だけ離れた位置において支持する支持部材が設けられる。これにより、制御回路基板の両面に回路が形成されていても、柱状部材の底面に干渉することなく制御回路基板が所定位置に固定される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による写真測量用ターゲットの実施形態について添付図面を参照して説明するが、まず写真測量用ターゲットを用いる写真測量の一例について説明する。
【0015】
図1は、立方体102に代表される被写体と、写真測量用ターゲット10と、カメラ100との位置関係を模式的に示す斜視図である。
立方体102およびターゲット10は、1台のカメラ100によって2箇所から撮影される。撮影時のカメラ100の位置は図示しない撮影レンズの後側主点位置により定義され、第1カメラ位置M1 および第2カメラ位置M2 として、図中、点で示される。第1カメラ位置M1 におけるカメラ100は実線で示され、第2カメラ位置M2 におけるカメラ100は破線で示される。
【0016】
それぞれのカメラ位置M1 、M2 におけるカメラ100の向きは撮影レンズの光軸の傾きにより定義され、第1光軸O1 および第2光軸O2 として、図中、二点鎖線で示される。
【0017】
第1カメラ位置M1 における撮影によって得られた第1画像IM1 (図2参照)、および第2カメラ位置M2 における撮影によって得られた第2画像IM2 (図3参照)は、例えばカメラ100内に設けられた撮像素子によってデジタルの画素データに変換され、所定のフォーマットに基づいてメモリカード等の記録媒体に格納される。
【0018】
ターゲット10は2本の柱状部材が連結されたL字型を呈し、それら柱状部材の上面に6個の視認用指標部材を備えている。ここでは説明を簡単にするために、頂点に位置する3個の視認用指標部材、即ち基準点部材31、34および36のみが説明に用いられる。基準点部材31および34間の距離と、基準点部材31および36間の距離とは、共に等しく、長さLで示される。また基準点部材31および34を結ぶ直線と、基準点部材31および36を結ぶ直線とが成す角は90度である。
【0019】
これら3つの基準点部材31、34および36によって決定される平面が基準平面として定義され、基準点部材31および34間の距離Lが基準尺として定義される。ターゲット10には、長さL等を含む固有データが所定の内蔵メモリ例えばROM内に格納される。
【0020】
基準平面の水平面に対する傾斜角データと、ターゲット10の向きを示す方位データとは、後述するセンサの測定値に基づいて所定時間毎に求められ、カメラ100が撮影を行う際に、そのときの傾斜角データおよび方位データが固有データと共にカメラ100に送信される。カメラ100では、これら3つのデータを受信し、写真測量に必要な他のデータ、例えば焦点距離を含む撮影条件や撮影日時、画像番号等と併せて写真測量用データとし、画像と共に記録媒体に格納する。
【0021】
図2には第1カメラ位置M1 で撮影された第1画像IM1 の概念図が示され、図3には第2カメラ位置M2 で撮影された第2画像IM2 の概念図が示される。記録媒体に格納された第1画像IM1 および第2画像IM2 のデジタル画素データは、ビデオデータとしてコンピュータに取り込まれ、第1画像IM1 が得られたときの写真測量用データ、および第2画像IM2 が得られたときの写真測量用データも同時に読み込まれる。このときこのコンピュータに接続されたモニタ装置の表示画面上には、第1画像IM1 および第2画像IM2 が表示される。
【0022】
第1画像IM1 には第1の2次元直交座標系(x1 , 1 )が定義され、第1画像IM1 の撮像中心c1 が座標原点に定義される。図2から明らかなように、基準点部材31、34および36の第1画像IM1 における像点は、それぞれ図中p11、p12およびp13で示され、これら像点p11、p12およびp13の2次元座標はp11(px11, py11)、p12(px12, py12)、p13(px13, py13)で示される。
【0023】
第2画像IM2 には第2の2次元直交座標系(x2 , 2 )が設定され、その座標原点は第2画像IM2 の撮像中心c2 に一致する。図3から明らかなように、基準点部材31、34および36の第2画像IM2 における像点は、それぞれp21(px21, py21)、p22(px22, py22)、p23(px23, py23)で示される。
【0024】
第1画像IM1 および第2画像IM2 上での基準点部材31、34および36のそれぞれの2次元座標については、pij(pxij,pyij)として表すことができる。ここで、変数iは画像の枚数を示し、i=1は図2の第1画像IM1 に対応し、i=2は図3の第2画像IM2 に対応する。また、変数jは基準点部材の数に一致し、本実施形態ではj=1,2,3である。
【0025】
図4には、第1画像IM1 および第2画像IM2 と、ターゲット10の3つの基準点部材31、34、36との相対的な位置関係が示される。このとき、基準点部材31および34間の距離は相対的な長さL’として示され、また基準点部材31、34および36により規定される基準平面は、図中ハッチング領域で示される。
【0026】
ここで、第1画像IM1 および第2画像IM2 に基づいて立方体102の3次元位置を特定するために、3次元直交座標系(X,Y,Z)が適宜設定される。図4においては、この3次元直交座標系(X,Y,Z)は右手系であり、その座標原点は第1カメラ位置M1 に一致しており、またそのZ軸は第1光軸O1 に一致する。
【0027】
このとき、3次元直交座標系(X,Y,Z)における第2カメラ位置M2 の3次元座標は(Xo,Yo,Zo)で表される。この3次元座標(Xo,Yo,Zo)は第1カメラ位置M1 に対する第2カメラ位置M2 の変位量を示す。また、第2光軸O2 の傾きが3次元角度座標(α,β,γ)で表され、この3次元角度座標(α,β,γ)は第1光軸O1 に対する第2光軸O2 の回転角度を表す。即ち、αは3次元直交座標系のX軸と成す角度を示し、βは3次元直交座標系のY軸と成す角度を示し、γは3次元直交座標系のZ軸と成す角度を示す。
【0028】
また、図4では3次元直交座標系(X,Y,Z)における3個の基準点部材31、34および36の3次元座標のそれぞれについては、P1 (PX1 ,PY1 ,PZ1 )、P2 (PX2 ,PY2 ,PZ2 )およびP3 (PX3 ,PY3 ,PZ3 )で示され、これら3次元座標についてはPj (PXj ,PYj ,PZj )(j=1,2,3)として表すことができる。
【0029】
図4から明らかなように、基準点部材31、34および36と、その第1画像上の像点p1j(または第2画像上の像点p2j)と、第1カメラ位置M1 (または第2カメラ位置M2 )とは一直線上にある。従って、基準点部材の3次元座標Pj (PXj ,PYj ,PZj )については、以下の(1)式に示す共線方程式を用いて求めることができる。
【0030】
【数1】
Figure 0004243392
【0031】
なお、上記(1)式中のCは、カメラ100の撮影レンズの主点距離(焦点距離)であり、第1画像IM1 および第2画像IM2 において同じ値である。即ち、主点距離Cは第1カメラ位置M1 と撮像中心c1 との距離、あるいは第2カメラ位置M2 と撮像中心c2 との距離に一致する。
【0032】
図5のフローチャートを参照して、第1画像IM1 および第2画像IM2 に基づいて測量図を作成するための測量図作成ルーチンについて説明する。この測量図作成ルーチンは、第1画像IM1 (図2)および第2画像IM2 (図3)をビデオデータとして取り込んだコンピュータによって実行される。
【0033】
まず、ステップS101では、上述した共線方程式(1)における未知変量、即ち第1カメラ位置M1 に対する第2カメラ位置M2 の変位量(Xo,Yo,Zo)並びに光軸O1 に対する光軸O2 の回転角(α,β,γ)に対して、0を除く適当な値が初期値としてコンピュータに入力される。コンピュータへの入力は例えばキーボードの操作により行われる。
【0034】
ステップS102では、モニタ装置に表示された第1画像IM1 および第2画像IM2 上における基準点部材31、34および36の像点の互いに対応した2次元座標p1j(px1j,py1j)およびp2j(px2j,py2j)が順次コンピュータに入力される。なお、2次元座標pij(pxij,pyij)(i=1,2)の入力については、例えばマウスを操作して、モニタ装置の第i画像IMi 上のそれぞれの基準点部材31、34および36の像点をカーソルで指定してクリックすることにより行われる。
【0035】
ステップS103では、カウンタkに初期値として1が与えられる。次にステップS104では、被写体である立方体102上の任意の物点104(図1)が選択され、モニタ装置に表示された第1画像IM1 および第2画像IM2 上における物点104の像点の互いに対応した2次元座標q1k(qx1k,qy1k)(図2)およびq2k(qx2k,qy2k)(図3)が順次コンピュータに入力される。なお、2次元座標qik(qxik,qyik)(i=1,2)の入力についても、マウスを操作して、モニタ装置の第i画像IMi 上におけるそれぞれの物点104の像点を、カーソルで指定してクリックすることにより行われる。
【0036】
物点104と、第i画像IMi (i=1,2)上における物点104の像点と、第iカメラ位置Mi との間の位置関係は、図4に示す各基準点部材31、34および36と、その第i画像IMi 上の像点と、第iカメラ位置Mi との位置関係と同様であり、物点104とその像点と第iカメラ位置Mi とは一直線上にある。従って、物点104の3次元座標Qk=1 (QX1 ,QY1 ,QZ1 )は、(1)式を用いて求めることができる。
【0037】
ステップS105では、2次元座標pij(pxij,pyij)およびqik(qxik,qyik)(i=1,2)の入力データに基づいて、上述した共線方程式(1)が逐次近似解法により解かれる。これにより、各基準点部材31、34および36の3次元座標Pj (PXj ,PYj ,PZj )(j=1,2,3)と、物点104の3次元座標Qk=1 (QX1 ,QY1 ,QZ1 )と、未知変量(Xo,Yo,Zo)および(α,β,γ)とが近似的に求められる。
【0038】
逐次近似解法とは、前述の共線方程式において未知変量(Xo,Yo,Zo)および(α,β,γ)に初期値を与え、この初期値の周りにテーラー展開して線形化し、最小二乗法により未知変量の補正量を求める手法である。このような近似演算を繰り返すことにより、未知変量の一層誤差の少ない近似値が求められる。
【0039】
要するに基準点部材31、34および36の3次元座標Pj (PXj ,PYj ,PZj )(j=1,2,3)を、第1画像IM1 における基準点部材Pj の2次元座標p1j(px1j,py1j)と、第2画像IM2 における基準点部材Pj の2次元座標p2j(px2j,py2j)とに基づいて求め、かつ物点104の3次元座標Qk=1 (QX1 ,QY1 ,QZ1 )を、第1画像IM1 における物点104の2次元座標q1k(qx1k,qy1k)と、第2画像IM2 における物点104の2次元座標q2k(qx2k,qy2k)とに基づいて求めることにより、第2カメラ位置M2 の変位量(Xo,Yo,Zo)および光軸O2 の回転角(α,β,γ)についての近似値が求められる。
【0040】
ステップS106では、座標値による相対的な距離を実際の距離に補正するための補正倍率mが求められる。この演算には既知の長さ、例えば基準点部材31および34間の距離が用いられる。基準点部材31と基準点部材34との間の実際の距離はL(図1)であることから、3次元直交座標系(X,Y,Z)における基準点部材31と基準点部材34との距離L’(図4)と実際の距離Lとの間には次の関係式が成り立つ。
【0041】
L=L’×m (m:補正倍率)
【0042】
ステップS107では、上述の補正倍率を用いてスケーリングが行われ、これにより基準点部材31、34および36の3次元座標Pj (PXj ,PYj ,PZj )および物点104の3次元座標Qk=1 (QX1 ,QY1 ,QZ1 )間で、実測値に基づく配置関係が得られることになる。
【0043】
ステップS108では、3次元直交座標系(X,Y,Z)が、図6に示すような3次元直交座標系(X’,Y’,Z’)に座標変換される。同図から明らかなように、3次元直交座標系(X’,Y’,Z’)の座標原点は基準点部材31に一致させられ、そのX’軸は基準点部材31および34を結ぶ直線に一致させられ、さらにX’−Z’平面が基準平面(図中、ハッチング領域として示される)を含む平面Psに一致させられる。なお、3次元直交座標系(X’,Y’,Z’)の座標原点として基準点部材31が選ばれたが、平面Ps上の任意の点であれば、3次元直交座標系(X’,Y’,Z’)の座標原点とし得る。
【0044】
ステップS109では、図7に示すようなX’−Z’平面が測量図としてモニタ装置に表示され、このときX’−Z’平面図には、基準点部材31、34および36と共に物点104の投影点が表示される。なお図7には、立方体102およびターゲット10を補助的に破線で示している。また、この時点では後述する物点106の投影点は表示されない。
【0045】
ターゲット10が道路上に載置された際に基準平面は水平面に略一致し、これによりX’−Z’平面図は道路を鉛直上方から見た水平面図に略一致する。基準平面はターゲット10により測定された傾斜角データによって適宜補正され、厳密に水平面に一致せしめられる。従って、X’−Z’平面が水平面Psに一致するような3次元直交座標系(X’,Y’,Z’)を設定することにより、水平面図が測量図として容易に得られる。
【0046】
なお、測量図はX’−Z’平面図に限定されることはなく、X’−Y’平面図あるいはY’−Z’平面図とすることもできるし、さらには3次元直交座標系(X’,Y’,Z’)に基づく立体斜視図とすることもできる。
【0047】
ステップS110では、立方体102に対して他の物点が選択されるか否かが判定され、他の物点が更に選択される場合には、ステップS111に進み、そこでカウンタkのカウンタ値が“1”だけカウントアップされる。その後ステップS104に進み、そこでモニタ装置に表示された第1および第2画像IM1 、IM2 上における他の物点106(図1)の像点の互いに対応した2次元座標q1k(qx1k,qy1k)(図2)およびq2k(qx2k,qy2k)(図3)がコンピュータに入力される。
【0048】
ステップS105では2次元座標pij(pxij,pyij)(i=1,2;j=1,2,3)と、2次元座標qik(qxik,qyik)(k=1,2)との入力データに基づいて、上述した共線方程式(1)が逐次近似解法により解かれる。これにより、各基準点部材31、34および36の3次元座標Pj (PXj ,PYj ,PZj )(j=1,2,3)と、物点104および106の3次元座標Qk (QXk ,QYk ,QZk )(k=1,2)と、未知変量(Xo,Yo,Zo)および(α,β,γ)とが近似的に求められる。このとき得られる未知変量(Xo,Yo,Zo)および(α,β,γ)の近似値は、前回より一層近似されたものとなる。
【0049】
要するに、物点の数を増やせば増やすほど、未知変量(Xo,Yo,Zo)および(α,β,γ)の近似値は実際の値に近づくこととなる。ある程度の近似値を得るためには基準点部材31、34および36を含めて少なくとも5点必要である。
【0050】
ステップS105の後、ステップS106〜ステップS109が実行され、図7に示す測量図は更新表示される。即ち、基準点物点材31、34および36と物点104の投影点に加え、物点106の投影点が測量図に表示される。ステップS110において新たに他の物点が選択されないと判定されると、この測量図作成ルーチンは終了する。
【0051】
このように、ターゲット10は立方体102と共に2枚の画像IM1 およびIM2 に写しこまれ、このとき基準点部材31、34および36によって定められる基準平面は水平面に略一致する。これにより、基準点部材31、34および36と物点104および106の画像上の2次元座標に基づいて、立方体102の3次元座標が求められ、基準平面を含む平面図が測量図として得られる。従って、ターゲット10は水平面図が容易に得られるような正確な基準平面を常に設定し得る構成を備えている。以下、ターゲット10の構成について説明する。
【0052】
図8はターゲット10を一部破断して示す平面図であり、図9はその側面図である。
ターゲット10は互いに端部で連結された2本の柱状部材12、14を備える。第1柱状部材12および第2柱状部材14は金属等の剛性材料から形成され、内部が中空の四角柱形状を呈しており、それらの全外周面には無反射シートが貼付される。第1柱状部材12および第2柱状部材14の幅は概略同じ長さLw であり、またそれぞれの厚みは共に同じ長さLH である。
【0053】
ターゲット10の大きさ、即ち第1および第2柱状部材12、14の長手方向長さは特に限定されないが、画像上で基準点物点材31、34および36がある程度の距離をもって認識し得る程度の大きさであって、かつ容易に運搬できる大きさであればよい。第1および第2柱状部材12、14の内部は中空でなくてもよいが、運搬することを考慮すれば軽量化のために中空であることが好ましい。また、材料は特に金属材料に限定されることはないが、常に高精度の基準尺および基準平面を設定するためには熱や衝撃に対して変形し難く、かつある一定以上の剛性が必要とされる。
【0054】
無反射シートは第1および第2柱状部材12、14に密着する面には接着剤が塗布され、反対側の面は黒色であり、表面に細かい凹凸が形成される。この凹凸面において入射光が吸収拡散されることにより、反射光量が極めて減少させられる。なお、無反射シートの代わりに、例えばつや消しの黒色塗料等の無反射塗料を第1および第2柱状部材12、14の全表面に塗布してもよい。これにより画像上ではターゲット10は輝度の極めて低い領域となり、判別しやすくなる。
【0055】
第1柱状部材12の一方の端部12aには、直方体の制御部筐体20が一体的に固定される。制御部筐体20は金属材料から形成され、その全外周面には無反射シートが貼付される。制御部筐体20において、その厚みは第1柱状部材12の厚みと同じ長さLH であり、またその幅は第1柱状部材12の幅Lw の約2倍である。制御部筐体20はその側面20bが第1柱状部材12の側面12bと同一平面上に位置するように設けられており、制御部筐体20の側面20cは第1柱状部材12の側面12cから突出している。
【0056】
制御部筐体20の側面20cには、第2柱状部材14の一方の端部14aがヒンジ15により回動可能に取付けられる。第2柱状部材14の側面14bは、制御部筐体20の第1柱状部材12が設けられる面の反対側の端面20dと同一平面上に位置する。
【0057】
第2柱状部材14の側面14cと制御部筐体20の側面20cとが成す角δ、即ち第1柱状部材12の軸心AX1 と第2柱状部材14の軸心AX2 (図中、二点鎖線で示す)とが成す鋭角側には、固定部材であるステー16が連結され、これにより2本の柱状部材12および14は互いに固定される。ステー16はその幅および厚みは第1および第2柱状部材12、14の幅Lw および厚みLH より小さい。またステー16の長手方向長さは第1柱状部材12の長手方向長さより短い。
【0058】
ステー16は第1および第2柱状部材12、14に対してそれぞれ傾斜して設けられ、ステー用ヒンジ92により第1柱状部材12に回動可能に固定されるとともに、ロックヒンジ94により第2柱状部材14に対して着脱自在である。図8に示すようにステー16がロックヒンジ94により第2柱状部材14に固定された状態においては、第2柱状部材14の第1柱状部材12に対して成す角度δは90度である。
【0059】
ターゲット10の上面、即ち2本の柱状部材12、14および制御部筐体20の上面には6個の基準点部材31、32、33、34、35および36が同一平面上に設けられる。基準点部材31は制御部筐体20の上面20eに設けられ、基準点部材32、33および34は第1柱状部材12の上面12eに設けられ、基準点部材35および36は第2柱状部材14の上面14eに設けられる。
【0060】
各基準点部材31〜36は円板状を呈しており、それらの直径は全て同じであり、かつ柱状部材12、14の幅Lw より小さい。なお、基準点部材31〜36は画像上において容易に識別できる大きさを有しておればよく、形状および大きさについては適宜設計変更される。
【0061】
基準点部材31〜34は軸心AX1 方向に平行な直線上に設けられ、隣り合う各基準点部材31、32、33および34間の距離はそれぞれ等しい。同様に、基準点部材31、35および36は軸心AX2 方向に平行な直線上に設けられ、隣り合う各基準点部材31、35および36間の距離はそれぞれ等しい。また、基準点部材31から基準点部材34までの距離と、基準点部材31から基準点部材36までの距離とは等しく、図1の長さLに一致する。
【0062】
前述したように、基準点部材31、34および36を頂点とする直角二等辺三角形が基準平面に定められ、基準点部材31および34間の距離Lが基準尺として定められる。なお、角度δは90度に限定されず、また基準点部材31および34間の距離と、基準点部材34および36間の距離とは、等しくなくてもよい。角度δと、基準点部材31および34間の距離と、基準点部材34および36間の距離とは、既知の数値であればよいが、計算処理の簡便さを考慮した場合、上述のように角度δが90度で、基準点部材31および34間の距離と、基準点部材34および36間の距離とが等しいことが好ましい。
【0063】
図8から明らかなように、直角二等辺三角形の長さの等しい2辺において基準点部材の数が異なっているため、ターゲット10の向きが容易に判別でき、被写体が同一の画像が多数ある場合に、そのカメラ位置が容易に想定できる。なお、基準点部材32、33および35は、ターゲット10の向きを用意に識別するためだけではなく、写真測量の精度を向上させるために前述の測量図作成ルーチン(図5)における基準点部材Pj として用いてもよい。
【0064】
また、前述した写真測量においては、基準点部材31、34および36に基づいて基準尺および基準平面を規定するので、一定以上の写真測量の精度を得るには基準点部材31、34および36により常に高精度な直角二等辺三角形が形成されることが必要である。本実施形態においては、ステー16により第1および第2柱状部材12、14の中間が互いに連結固定されるので、角度δが正確に規定され高精度の基準平面が得られる。これにより写真測量の精度が向上する。
【0065】
さらに、ヒンジ15の取付によって生じる制御部筐体20の側面20cと第2柱状部材14の端面14aとの間隙にはシート状の弾性部材19(図12参照)が設けられ、これにより第2柱状部材14のガタつきが防止される。弾性部材19はゴムやスポンジ等から形成され、第2柱状部材14の端面14aまたは側面20cに密着固定される。なお、シート状の弾性部材19の代わりにバネ部材を設けてもよく、制御部筐体20の側面20c側に密着固定してもよい。
【0066】
基準点部材31〜36にはそれぞれ反射シートが貼付される。反射シートの表面は滑らかに加工され、白色を呈している。これにより光の反射量が増加する。さらに各基準点部材31〜36のそれぞれ周囲には、無反射シートが貼付された環状部材である無反射部材41、42、43、44、45および46が設けられる。これにより、基準点部材31〜36は、画像上においては輝度の極めて高い領域であって、かつ輝度の低い領域に囲まれるので、容易に識別され、写真測量の精度を向上させることができる。
【0067】
ターゲット10は2つの傾斜角センサ52、54を備え、これらの傾斜角センサ52、54により直交する2本の軸心AX1 、AX2 に関する傾斜角がそれぞれ測定される。第1傾斜角センサ52は、第1柱状部材12の内部であってかつ基準点部材32および33間に設けられる。第1傾斜角センサ52によって、水平面に対する軸心AX1 周りの傾斜角が測定される。第2傾斜角センサ54は、第2柱状部材14の内部であってかつ基準点部材34および35間に設けられる。第2傾斜角センサ54によって、水平面に対する軸心AX2 周りの傾斜角が測定される。
【0068】
第1および第2傾斜角センサ52、54は、ケーブルによって制御部筐体20に接続される。図6には第2傾斜角センサ54と制御部筐体20とを接続するケーブル17のみを示す。第1および第2傾斜角センサ52、54によって測定された軸心AX1 およびAX2 周りの傾斜角データは、ケーブルを介して制御部筐体20に転送される。
【0069】
直交する2軸周りの傾斜角が測定されることにより、基準平面の水平面に対する傾斜角が得られる。従って、上述した写真測量において、ターゲット10が傾いて載置された場合、この傾斜角を用いて基準平面であるX’−Z’平面を補正して水平面に厳密に一致させることができる。なお、X’−Z’平面を水平面に一致させる補正には例えば公知の座標変換が用いられ、ここでは詳述しない。
【0070】
ターゲット10は、基準点部材31〜36が設けられる面の反対側の面に3本の脚18を備える。図9には2本の脚18のみを示す。脚18は基準点部材31、34および36に対応して設けられる。ターゲット10は道路面に対して脚18の長さ分だけ離れて載置され、これにより道路上の凹凸の影響を受けずに道路面に対して平行に設置される。
【0071】
図10および図11を参照して、基準点部材35および無反射部材45の構成について説明する。図10は、図8のX−X線断面におけるターゲット10の断面図である。図11は無反射部材45の第2柱状部材14側の面を示す平面図である。他の基準点部材31〜34、36および無反射部材41〜44、46は、基準点部材35および無反射部材45と同様の構成であるのでここでは説明を省略する。
【0072】
第2柱状部材14の上面14eには磁石保持部材62が設けられ、この磁石保持部材62の内部には環状の磁石64が収納される。磁石保持部材62の外径は第2柱状部材14の幅Lw と略同じ長さである。磁石64は磁石保持部材62とともに、ネジ部材66により第2柱状部材14に一体的に固定される。ネジ部材66の頭部67には反射シート68が貼付される。これら磁石保持部材62、磁石64、ネジ部材66および反射シート68により、基準点部材35が構成される。
【0073】
無反射部材45は、電波が透過できる材料、例えば樹脂あるいはゴムから形成された環状板72を備える。環状板72の材料がゴムの場合、無反射部材45の落下による破損が防止される。環状板72の一方の面、即ち第2柱状部材14に対向する面とは反対側の面には無反射シート74が貼付される。無反射部材45の直径はこの実施形態においては、基準点部材35、即ちネジ部材66の頭部67の直径の約7倍である。また、無反射部材45の厚みはネジ部材66の頭部67の厚みよりわずかに小さく、これにより何れの方向から頭部67を見ても無反射部材45によって頭部67、厳密には反射シート68が隠れることがない。
【0074】
無反射部材45の中央には、ネジ部材66の頭部67と略同径の嵌合穴76が形成される。無反射部材45の第2柱状部材14に対向する面において、嵌合穴76の周囲には環状の鉄板78が埋込まれている。鉄板78の内径は嵌合穴76の直径と略等しく、その外径は磁石保持部材62の外径と略等しい。
【0075】
無反射部材45は基準点部材35に対して着脱自在である。ターゲット10の使用時には、ネジ部材66の頭部67と嵌合穴76とが嵌合させられ、このとき磁石64の磁力により鉄板78がネジ部材66の頭部67あるいは磁石保持部材62に密着固定される。図10から明らかなように、無反射部材45が基準点部材35に取付けられた状態において、反射シート68と無反射シート74とは略同一平面上にある。ターゲット10を運搬する場合等には、人手により無反射部材45が基準点部材35から取外される。
【0076】
このように、無反射部材45を基準点部材35に対して着脱自在にすることにより、ターゲット10の携帯性が向上する。さらに、反射シート68の周囲に無反射シート74が設けられることにより、基準点部材35の領域が明確になり、夜間や雨によって周囲が暗い現場での撮影、あるいは道路面が反射しやすい現場での撮影等の撮影条件が悪い場合でも、画像における基準点部材35の識別が容易になる。
【0077】
なお、基準点部材35と無反射部材45との直径の比率、即ち反射シート68および無反射シート74の領域の大きさは、特にこの実施形態に限定されず、ターゲット10の画像において反射シート68が十分認識できる大きさであればよい。また基準点部材35および無反射部材45の形状も円形に限定されない。
【0078】
図12は、制御部筐体20を部分的に拡大して示す平面図である。図13は図12のXIII−XIII線における断面図であり、制御部筐体20の構成を簡略化して示す図である。図14は制御部筐体20の内部の構成を示す分解斜視図である。
【0079】
制御部筐体20の端面20d側には電池収納室83が設けられる。電池収納室83には電源である電池87が収納され、ターゲット10に電力を供給している。電池収納室83は端面20d側に開口を有し、蓋部83aにより閉密される。制御部筐体20の端面20dにはスイッチ85が一体的に設けられ、このスイッチ85の手動操作により電源のオン、オフが切換えられる。
【0080】
制御部筐体20の上面20eは開口81を有しており、この開口81は平板状のカバー82により密閉される。開口81は図13の断面において階段状に形成され、上面20e側の側面81aがカバー82と実質的に同じ大きさを有し、底面20g側の側面81bは溝部81aより僅か内側に突出している。即ち、カバー82は開口81に嵌合すると共に、上面20eとほぼ同一平面上に支持される。
【0081】
カバー82は電波が透過可能な材料、例えば樹脂から形成され、その4隅はネジにより開口81に螺合固定される。カバー82の内側の裏面82aには無線用のアンテナ88が設けられる。アンテナ88はカバー82により定められるスペースを有効に利用するために所定のパターンに基づいて配されており、エッチング、メッキまたは印刷等の処理により適宜形成される。なお、本実施形態ではパターンは渦巻き状であるが、これに限定されない。
【0082】
制御部筐体20の内部には制御回路基板84が設けられる。制御回路基板84には方位を測定する方位センサ86を設けるための切欠き84aが形成され、これにより制御回路基板84はコの字状を呈している。制御回路基板84上には無線送信機75が一体的に設けられる。送信機75、方位センサ86および前述した第1および第2傾斜角センサ52、54は制御回路基板84に接続され、これらの動作は制御回路基板84により制御される。制御回路基板84の少なくとも片面には回路が形成されるが、両面に回路が形成されていてもよい。
【0083】
制御部筐体20はカバー82により密閉されるので、内部にある電子部品、即ち制御回路基板84、送信機75および方位センサ86やアンテナ88が保護され、破損が防止される。さらに、制御部筐体20の内部の防水性が向上し、制御回路基板84、送信機75および方位センサ86等の故障が防止される。
【0084】
制御部筐体20内において、制御回路基板84の4隅はスペーサ22によって支持されており、制御部筐体20の内側底面20gに対して所定の間隙を有している。これにより、制御回路基板84の内側底面20gに対向する面に形成された回路等の凹凸と、内側底面20gとの干渉が回避される。
【0085】
また、制御回路基板84とカバー82との間にはコネクタ24aおよび24bが設けられる。コネクタ24aはカバー82の裏面82aにおける対向する2つの短辺の両縁近傍に固定され、ぞれぞれほぼ幅方向全体に渡って延びている。一方、2つのコネクタ24bはコネクタ24aと同じ幅方向長さを有し、制御回路基板84の上面であってコネクタ24aに対向する位置に固定される。
【0086】
アンテナ88は少なくとも一方のコネクタ24aに接続され、送信機75はアンテナ88が接続されたコネクタ24aに対応するコネクタ24bに接続される。図13に示すようにコネクタ24aと24bとが接合されることにより、制御回路基板84とアンテナ88とが互いに電気的に接続される。これにより送信機75から出力された信号がアンテナ88を介して外部に発信される。
【0087】
スペーサ22、コネクタ24a、24bの高さと、制御回路基板84およびカバー82の厚みとを加算した値は、制御部筐体20の高さから底面の厚みを差し引いた長さに一致する。即ち、制御回路基板84は制御部筐体20の内側底面20gおよびカバー82の双方に対して所定距離を持って位置決めされ、これにより運搬等における制御部筐体20内での制御回路基板84のガタつきが防止され、制御回路基板84の破損等が防止される。
【0088】
また、コネクタ24aおよび24bの接続によって、カバー82が開口81に強固に固定され、運搬時等のカバー82が不用意に外れることが防止される。
【0089】
図12から明らかなように、方位センサ86は基準点部材31と基準点部材32との中間に設けられる。即ち基準点部材31および32間の距離をLA とすると、方位センサ86の中心から基準点部材32までの距離は、(LA /2)である。方位センサ86は通常、周囲の磁性材料、制御部筐体20および電池87や、特に基準点部材31、32等の磁力の影響を受ける。磁力の影響が大きいと方位センサ86の検出する方位が不正確になる恐れがある。従って、この磁力の影響を最小限にするために方位センサ86は基準点部材31と基準点部材32との中間に設けられる。
【0090】
方位センサ86によって方位が測定されることにより、上述した写真測量において、例えば基準平面であるX’−Z’平面のZ’軸を北の方向に定めることができる。従って、例えば交通事故現場が広範囲に渡る場合、複数の撮影現場に分割して写真測量が行われるが、各撮影現場毎に得られた複数の測量図のZ’軸をそれぞれ北の方向に定めておけば、各測量図を容易にかつ正確に連結させることができる。
【0091】
3つのセンサ86、52、54は、スイッチ85のオンにより電源が投入されると、制御回路基板84から出力される制御パルスに従って一定時間毎に方位あるいは傾斜角を測定するとともに、制御回路基板84に測定値を出力する。制御回路基板84では、方位センサ86、第1および第2傾斜角センサ52、54から出力された測定値に対して補正等の所定の処理を施し、それぞれ方位データおよび傾斜角データを生成する。その後、方位データおよび傾斜角データが例えば送信機75においてFM変調され、アンテナ88を介して例えばカメラ100に設けられた受信機(図示せず)に向かって無線で送信される。
【0092】
制御回路基板84にはROM等のメモリが設けられ、このメモリ内には基準尺である長さL、厳密には基準点部材31、34間の距離および基準点部材31、36間の距離の高精度な値、またはターゲット10の製造番号等のターゲット10の固有データが格納される。これら固有データは方位データおよび傾斜角データと共に送信される。
【0093】
アンテナ88はカバー82の内側に設けられているが、カバー82あるいは無反射部材41、42は電波が透過可能な材料から形成されているので、アンテナ88から発信された電波は、カバー82あるいは無反射部材41、42に遮断されることなく受信機に送信される。
【0094】
カメラ100が受信機を備えている場合、受信された方位データおよび傾斜角データを画像と共に記録媒体に格納し、この記録媒体を介してコンピュータに入力すれば、異なる媒体に記録したデータを新たに手入力する手間が省け、精密な測量図が容易にかつ迅速に得られる。
【0095】
図15はターゲット10を折り畳んだ状態を示す平面図である。図16は図8に示す組立状態から図13に示す折畳み状態へ移行する途中経過を示すターゲット10の平面図である。
【0096】
ターゲット10は、画像の撮影時には図8に示すようにL字型に組立てられて用いられるが、使用しない時、例えば運搬時等には図15に示すようにI字型に折り畳まれる。まず全ての無反射部材41〜46が取外され、次いでステー16が第2柱状部材14のロックヒンジ94から取外される。これにより、ステー16は第1柱状部材12のステー用ヒンジ92周りに回動自在となり、第2柱状部材14はヒンジ15周りに回動自在となる。
【0097】
さらに、ステー16および第2柱状部材14を時計周り、即ち図16の矢印Aで示す方向に回動させ、ステー16および第2柱状部材14を第1柱状部材12に対して略平行に近接させる。第2柱状部材14は制御部筐体20に取付けられるため、制御部筐体20が第1柱状部材12からターゲット10の内側(図15の左方)に突出していることにより、第1柱状部材12と第2柱状部材14との間には間隙Dが生じる。ステー16はこの間隙D内に収められており、これにより折畳み時に生じる間隙Dが有効に活用される。また、この折畳み時においてロックヒンジ94は、ステー用ヒンジ92より制御部筐体20側に位置し、ステー用ヒンジ92およびステー16に干渉しない。
【0098】
しかし、I字型に折り畳むだけでは運搬時にステー16や第2柱状部材14が第1柱状部材12に対して回動自在なために不用意に開くことがあり、故障や破損等を招く恐れがある。このため、ステー16および第2柱状部材14は、それぞれの端部において第1柱状部材12に係止される。
【0099】
第1柱状部材12の側面12cにおいて、基準点部材34の近傍には第1ボールプランジャ96が設けられる。一方、第2柱状部材14の側面14cにおいて、基準点部材36の近傍にはキーパー98が設けられる。この第1ボールプランジャ96とキーパー98とが係合することにより、第1柱状部材12に第2柱状部材14が固定される。同様に、第1柱状部材12の側面12cに設けられた第2ボールプランジャ101と、ステー16の先端に形成された収納用固定穴103とが係合することにより、第1柱状部材12にステー16が固定される。
【0100】
図17は第1ボールプランジャ96およびキーパー98の構成を詳細に示す図であり、図15のXVII−XVII線における断面図である。
【0101】
第1ボールプランジャ96はキーパー98側に開口する凹部104を備え、この凹部104にはキーパー98に形成された凸部106が挿入される。凸部106はその先端に図の上下方向に膨らんだ隆起部106aを備え、この隆起部106aの最も膨らんだ部分の厚みは、凹部104の対向する側面間の距離より僅かに小さい。凸部106の基端部106bの厚みは隆起部106aより小さい。
【0102】
第1ボールプランジャ96には、凹部104から図17の上下方向に延び、ボール108をそれぞれ収容する2つのボール収容部97が形成され、これらボール108はバネ110によってそれぞれ凹部104に向かって付勢される。ボール収容部97の凹部104における開口の大きさは、ボール108の直径を含む断面の大きさより小さく、これによりボール108は凹部104内に僅かに露出した状態で保持される。
【0103】
キーパー98の凸部106が凹部104に挿入されると、まず先端の隆起部106aが第1ボールプランジャ96のボール108に当接し、凸部106が徐々に進入するに従って、ボール108がバネ110の付勢力に抗して凹部104から離間する方向に相対移動する。さらに、凸部106が凹部104内へ進入すると、ボール108は隆起部106aの外表面に沿って滑り、基端部106bに当接する。このとき、基端部106bの厚みが隆起部106aの厚みより小さいため、ボール108はバネ110の付勢力により再び凹部104側へ相対移動し、基端部106bを挟持する。これにより、隆起部106aの凹部104開口側への移動がボール108によって規制され、キーパー98は第1ボールプランジャ96に係止される。
【0104】
このようにキーパー98が第1ボールプランジャ96に係止されることにより、第2柱状部材14が第1柱状部材12に固定される。なお、キーパー98を第1ボールプランジャ96から取外す場合には、上述と逆の操作、即ち第2柱状部材14を第1柱状部材12から離れる方向に引張ればよい。
【0105】
図18は第2ボールプランジャ101および収納用固定穴103の構成を詳細に示す図であり、図15のXVIII−XVIII線における断面図である。第2ボールプランジャ101の構成は、図17に示す第1ボールプランジャ96と略同じ構成を備えており、同じ構成については同符号を付す。
【0106】
第1柱状部材12の側面12cにおいて、第2ボールプランジャ101は第1ボールプランジャ96より制御部筐体20側に設けられ、第2ボールプランジャ101に形成された凹部104にステー16が挿入される。ステー16の厚みは一定であり、かつ凹部104の対向する側面間の距離より僅かに小さい。ステー16の自由端部16bには収納用固定穴103が形成され、収納用固定穴103はステー16の厚み方向に貫通している。
【0107】
ステー16は凹部104に挿入されるとまず2つのボール108に当接し、ボール108はバネ110の付勢力に抗して凹部104から離間する方向に相対移動する。ステー16がさらに進入すると収納用固定穴103の両端に各ボール108の一部がそれぞれ収容され、バネ110の付勢力によりステー16は2つのボール108に挟持される。これによりステー16が第1柱状部材12に固定される。なお逆の操作、即ちステー16を図の左方に引張れば、第1柱状部材12から取外すことができる。
【0108】
以上のように、ターゲット10の折畳み時には第2柱状部材14およびステー16が第1柱状部材12に固定されるので、運搬時に第2柱状部材14およびステー16が不用意に開くことが防止され、故障および破損が防止される。
【0109】
図15に示す折畳み状態から図8に示す組立状態へ移行するには、第1ボールプランジャ96とキーパー98との係合、および第2ボールプランジャ101とステー16との係合を解除する。次に第2柱状部材14をヒンジ15を中心に約90度図16の矢印B方向に回動させ、端面14aに設けられた弾性部材19を制御部筐体20の側面20cに当接させる(図12参照)。次いで、ステー16をステー用ヒンジ92を中心に図16の矢印B方向に回動させ、自由端部16bをロックヒンジ94に係合させて第1および第2柱状部材12、14をL字型に固定する。
【0110】
図19はステー用ヒンジ92近傍の構成を一部破断して示す平面図であり、図20は図19のXX−XX線における断面図である。
【0111】
ステー用ヒンジ92は、第1柱状部材12の長手方向において基準点部材33と第1傾斜角センサ52との間に設けられ(図8参照)、ネジ120により第1柱状部材12の側面12cに固定される。ステー用ヒンジ92にはステー収容溝部122が形成され、このステー収容溝部122内にステー16の端部16aが嵌合している。ステー収容溝部122の厚みはステー16の厚みよりわずかに大きく、ステー16がステー収容溝部122内で移動可能となる。
【0112】
ステー用ヒンジ92およびステー16には、それぞれ支点ピン124を通すための支点穴126、128が形成される。支点ピン124はステー用ヒンジ92の支点穴126に対して圧入固定され、ステー16の支点穴128に対して貫通している。これによりステー16は支店ピン124周りに回動自在となる。
【0113】
図21はロックヒンジ94近傍の構成を一部破断して示す平面図であり、ロックヒンジ94にステー16を係合させた状態を示している。図22は図18のXX−XX線断面図である。図23はロックヒンジ94にステー16を係合させる前の状態を示す断面図であり、図22に対応している。
【0114】
ロックヒンジ94は、第2柱状部材14の長手方向において基準点部材35と第2傾斜角センサ54との間に設けられ(図8参照)、ネジ130により第2柱状部材14の側面14cに固定される。ロックヒンジ94にはステー収容溝部132が形成され、このステー収容溝部132の厚みはステー16の厚みよりわずかに大きい。組み立て時にはステー16はB方向に回動されてその自由端部16bがステー収容溝部132に収容され、折畳み時にはステー16がA方向に回動させられることにより自由端部16bがステー収容溝部132から外れる。
【0115】
ロックヒンジ94は鉛直方向に沿って相対移動可能なロックピン136を備え、このロックピン136がステー16の自由端部16bに形成されたロック穴150に挿入されることにより、自由端部16bはステー収容溝部132内に係止される。
【0116】
図22においてステー収容溝部132の下方にはロックピン136が貫通するための嵌合穴138が形成される。ステー収容溝部132の上方にはロックピン136を収容するためのピン収容部137が形成され、ピン収容部137内には嵌合穴138と略同径、かつ同軸を有する嵌合穴140が形成される。ピン収容部137の上壁137aには嵌合穴140より直径の小さい開口141が形成される。
【0117】
ロックピン136は頭部142と、嵌合穴138および140と略同径を有する係合部144と、頭部142および係合部144の間に設けられ、開口141と略同径の中間部146とを備える。嵌合穴140内において中間部146の周囲にはバネ148が設けられる。バネ148は一端がピン収容部137の上壁137aに当接し、その他端が係合部144の上面144aに当接する。バネ148は係合部144、即ちロックピン136を鉛直下方に向かって付勢する。
【0118】
ロックピン136は鉛直方向に沿って相対移動可能であり、人手により頭部142を持ち上げると、上面144aの上昇に伴ってバネ148が圧縮し、図23に示す位置にまで移動する。このとき係合部144の下端はステー収容溝部132の上方に位置し、ステー16をステー収容溝部132へ挿入できる。
【0119】
ステー16の端部16bには係合部144の直径よりわずかに大きい直径を有するロック穴150が形成される。自由端部16bの傾斜面16cは、ステー収容溝部132内にステー16を挿入する際に、ガイド部材134を押圧しながらガイド部材134に対して摺動する。
【0120】
ロックピン136を図23に示す位置に持ち上げた状態で、ステー16をステー収容溝部132内で摺動させて、ロック穴150の位置を嵌合穴138および140に一致させる。一致後、持ち上げていた頭部142を離すと、図22に示すようにロックピン136はバネ148の付勢力によりロック穴150を貫通して嵌合穴138に係合する。このとき頭部142はピン収容部137の上壁137aにより係止され、ロックピン136の下方への抜落ちが防止される。
【0121】
このように、ロックピン136とロック穴150とを嵌合させて、ステー16を第2柱状部材14に固定させることにより、第1および第2柱状部材12、14をステー16により一体的に連結させることができる。
【0122】
ステー収容溝部132は、第2柱状部材14の側面14cに平行な側面132aを有し、この側面132aにはシート状のゴムあるいはスポンジ等の弾性体であるガイド部材134が密着固定される。自由端部16bの角部には長手方向の側面に対して傾斜している傾斜面16cが形成され、ステー収容溝部132内においてガイド部材134は傾斜面16cに当接すると共に、傾斜面16cを側面132aから離間する方向(図21の左方)に付勢する。なおガイド部材134は、ゴムまたはスポンジの他、側面132aに平行に設けた板部材を側面132aから離間する方向にバネで付勢する構成にしてもよい。
【0123】
制御部筐体20と第2柱状部材14との間に弾性部材19を、またステー16と第2柱状部材14との間にガイド部材134をそれぞれ設けているので、第1および第2柱状部材12、14のステー16による連結が安定し、ターゲット10の寸法精度が向上する。
【0124】
第1および第2柱状部材12、14がステー16によって連結された後、基準点部材31〜36に無反射部材41〜46がそれぞれ取付けられて、ターゲット10は図6に示す組立状態となり、写真測量に用いられる。
【0125】
組立状態において、ヒンジ15、ステー用ヒンジ92、ロックヒンジ94、第1および第2ボールプランジャ96、101、キーパー98の各部品は画像に写らないように、無反射部材41〜46により覆われる。これにより基準点部材31〜36がより識別し易くなり、写真測量の精度が向上する。
【0126】
以上述べたように、本実施形態のターゲット10は傾斜角データを得るための第1および第2傾斜角センサ52、54、方位データを得るための方位センサ86、およびこれらデータを固有データと共にカメラ100へ送信するための送信機75および制御回路基板84等の電子部品を密閉された制御部筐体20内部に設けているので、防水性が向上すると共にこれら電子部品が保護され衝撃等による破損が防止される。
【0127】
さらに、アンテナ88がカバー82の内側に所定のパターンに基づいて設けられ、カバー82が電波を透過できる材料により形成されるので、効率よくかつ確実にデータを送信できる。
【0128】
【発明の効果】
本発明によると、センサ等の電子部品を浸水や衝撃から保護すると共に、センサにより得られたデータを確実に送信できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態であるターゲットと、被写体と、カメラとの位置関係を示す斜視図である。
【図2】図1に示すカメラにより第1カメラ位置で撮影したときの第1画像を示す概念図である。
【図3】図1に示すカメラにより第2カメラ位置で撮影したときの第2画像を示す概念図である。
【図4】図1に示すターゲットの基準点部材と、その像点と、カメラの撮影レンズの後側主点位置との相対的な位置関係を示す図である。
【図5】図2および図3に示す第1および第2画像から、被写体の測量図を作成するための測量図作成ルーチンを示すフローチャートである。
【図6】基準形状を含む平面に基づく3次元座標を示す概念図である。
【図7】モニタ装置に表示される測量図の一例であって、図1に示す写真測量用ターゲットおよび被写体の水平面図を簡略化して示す図である。
【図8】図1に示すターゲットの一部を破断して示す平面図である。
【図9】図8に示すターゲットの側面図である。
【図10】図8のX−X線におけるターゲットの断面図である。
【図11】図8に示すターゲットの無反射部材の第2柱状部材側の面を示す平面図である。
【図12】図8に示すターゲットの制御部筐体の近傍を拡大して示す平面図であり、一部破断して示す図である。
【図13】図10のXIII−XIII線における断面図であり、制御部筐体の構成を簡略化して示す図である。
【図14】図8に示すターゲットの制御部筐体の内部構成を示す分解斜視図である。
【図15】図8に示すターゲットを折り畳んだ状態を示す平面図である。
【図16】図8に示す組立状態から図15に示す折畳み状態へ移行する途中経過を示すターゲットの平面図である。
【図17】図8に示すターゲットの第1および第2柱状部材の固定機構を示す図であり、図15のXVII−XVII線における断面図である。
【図18】図8に示すターゲットのステーの固定機構を示す図であり、図15のXVIII−XVIII線における断面図である。
【図19】図8に示すターゲットのステー用ヒンジ近傍の構成を一部破断して示す平面図であり、図8の部分拡大図である。
【図20】図19のXX−XX線における断面図である。
【図21】図8に示すターゲットのロックヒンジ近傍の構成を一部破断して示す平面図であり、図8の部分拡大図である。
【図22】図8に示すターゲットのロックヒンジにステーを係合させた状態を示す断面図であり、図21のXXII−XXII線断面図である。
【図23】図8に示すターゲットのロックヒンジにステーを係合させる前の状態を示す断面図である。
【符号の説明】
10 ターゲット
12 第1柱状部材
14 第2柱状部材
15 ヒンジ
16 ステー
20 制御部筐体
24a、24b コネクタ
31、32、33、34、35、36 基準点部材
41、42、43、44、45、46 無反射部材
75 送信機
84 制御回路基板
86 方位センサ
88 アンテナ
92 ステー用ヒンジ
94 ロックヒンジ

Claims (9)

  1. 中空に形成され、水平方向に沿って延びる上面および底面を有し、少なくとも3個の視認用指標部材を同一平面上おいて所定の相対位置関係に定める柱状部材と、
    前記柱状部材の内部に実質的に水平に設けられ、写真測量に用いるデータを無線により送信する送信部を備えた制御回路基板と、
    前記制御回路基板を挿入するために前記柱状部材の上面に形成された開口を密閉し、電波が透過可能な材料から形成されるカバーと、
    前記柱状部材の底面に対向する前記カバーの裏面に設けられるアンテナと、
    前記制御回路基板と前記カバーとの間に設けられ、前記制御回路基板と前記アンテナとを電気的に接続するとともに、前記制御回路基板を前記カバーに対して所定の距離だけ離れた位置に保持するコネクタと
    を備えることを特徴とする写真測量用ターゲット。
  2. 前記アンテナが所定のパターンに基づいて形成されることを特徴とする請求項1に記載の写真測量用ターゲット。
  3. 前記アンテナが前記カバーの裏面をエッチングすることによって形成されることを特徴とする請求項2に記載の写真測量用ターゲット。
  4. 前記アンテナが前記カバーの裏面をメッキすることによって形成されることを特徴とする請求項2に記載の写真測量用ターゲット。
  5. 前記アンテナが前記カバーの裏面への印刷によって形成されることを特徴とする請求項2に記載の写真測量用ターゲット。
  6. 前記写真測量に用いるデータが、前記視認用指標部材の相対位置関係を示す相対座標データと、前記視認用指標部材によって定められた基準平面上に設定され互いに直交する2軸周りの水平面に対する傾斜角データと、方位データとを含むことを特徴とする請求項1に記載の写真測量用ターゲット。
  7. 前記柱状部材が、第1柱状部材と、この第1柱状部材の一端部に回転自在に連結された端部を有し前記第1柱状部材に対して垂直に固定可能な第2柱状部材とを備え、前記視認用指標部材が前記第1および第2柱状部材の上面において、前記第1および第2柱状部材の長手方向に平行な線に沿って固定されることを特徴とする請求項6に記載の写真測量用ターゲット。
  8. 前記第1および第2柱状部材の内部にそれぞれ設けられる第1および第2傾斜角センサによって、各柱状部材の長手方向周りの水平面に対する傾斜角がそれぞれ検出され、前記傾斜角データが検出された2つの傾斜角に基づいて求められることを特徴とする請求項7に記載の写真測量用ターゲット。
  9. 前記制御回路基板を前記柱状部材の底面に対して所定距離だけ離れた位置において支持する支持部材が設けられることを特徴とする請求項1に記載の写真測量用ターゲット。
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