JP2000171248A - 写真測量用タ―ゲット - Google Patents

写真測量用タ―ゲット

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JP2000171248A
JP2000171248A JP11281455A JP28145599A JP2000171248A JP 2000171248 A JP2000171248 A JP 2000171248A JP 11281455 A JP11281455 A JP 11281455A JP 28145599 A JP28145599 A JP 28145599A JP 2000171248 A JP2000171248 A JP 2000171248A
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雅実 白井
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敦美 金子
Kiyoshi Yamamoto
山本  清
Shigeru Wakashiro
滋 若代
Masahiko Sasaki
雅彦 佐々木
Yoshiyuki Araki
佳幸 荒木
Hiroshi Oda
洋 織田
Katsuyoshi Suzuki
克佳 鈴木
Takeyoshi Iwayama
剛美 岩山
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Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 写真測量用ターゲット内部のセンサを保護す
るとともに、センサにより得られたデータを外部に確実
に送信する。 【解決手段】 ターゲット10の第1柱状部材12、第
1柱状部材12と一体的な制御部筐体20、および側面
20cに対して回動可能な第2柱状部材14との上面
に、光の反射率の高い基準点部材31〜36を設ける。
第1および第2柱状部材12、14の内部にそれぞれ第
1および第2傾斜角センサ52、54を設け、基準点部
材31〜36の配列方向に平行な軸心AX1 およびAX
2 周りの傾斜角を測定する。制御部筐体20の内部に方
位センサを設け、ターゲット10の方位を測定する。制
御部筐体20の内部に送信機を設け、傾斜角および方位
のデータを外部に送信する。制御部筐体20の開口をカ
バー82により密閉し、カバー82の内側にアンテナを
設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、写真測量の撮影に
おいて基準尺として用いられる写真測量用ターゲットに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、交通事故現場等で行われる写真測
量において、被写体は例えばスチルカメラでもって2箇
所から撮影される。この撮影により得られた画像から被
写体の2次元座標が読取られ、これら2次元座標に基づ
いて被写体の3次元座標が求められる。この被写体の3
次元座標から、交通事故現場の測量図が作成される。
【0003】このような写真測量では、測量図を作成す
るための基準尺と基準平面とが必要である。従来、かか
る基準尺および基準平面を得るために、例えば3つの円
錐状マーカが撮影現場に設置される。3つの円錐状マー
カの先端で決定される面が基準平面に規定され、またこ
の先端の間の距離が巻尺等で実測されてその距離が基準
尺とされる。
【0004】しかし、円錐状マーカを設置する路面が傾
斜していたり、凹凸を有している場合、基準平面は水平
面に平行とならず、円錐状マーカを移動する度に基準平
面の傾斜度が変化するので、正確な水平面図を測量図と
して得ることができないという問題がある。さらに、コ
ンピュータにより測量図を作成する際には測定されたデ
ータを外部から入力しなければならず、煩雑な操作であ
るだけでなく、多数の画像を処理する場合には各画像と
の対応付けを間違える可能性がある。
【0005】このような問題を解決するものとして、例
えば特開平10−185563号公報に示すように、三
角形の枠材の上に三角板を設けた写真測量用ターゲット
を3つの円錐状マーカの替りに撮影現場に設置し、枠材
の3個の頂点に設けられた点光源間の距離を基準尺と
し、3個の点光源で決定される平面を基準平面とする写
真測量が開示されている。基準平面の水平面に対する傾
斜角および写真測量用ターゲットの現在位置を示す方位
は、三角板の裏側に設けられたセンサにより測定された
後送信され、カメラにより受信されて撮影時に画像と共
に記録される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、三角板の裏側
にセンサおよび送信部等の電子部品を設ける構成では、
センサおよび送信部が路面に対して露出し、道路面上に
突起物があったり路面が濡れている場合、あるいは運搬
等により破損や故障が生じる可能性がある。
【0007】本発明はこの様な点に鑑みてなされたもの
であり、浸水や衝撃からセンサ等の電子部品を保護する
と共に、センサにより得られたデータを確実に送信でき
る写真測量用ターゲットを得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による写真測量用
ターゲットは、中空に形成され、水平方向に沿って延び
る上面および底面を有し、少なくとも3個の視認用指標
部材を同一平面上おいて所定の相対位置関係に定める柱
状部材と、柱状部材の内部に実質的に水平に設けられ、
写真測量に用いるデータを無線により送信する送信部を
備えた制御回路基板と、制御回路基板を挿入するために
柱状部材の上面に形成された開口を密閉するカバーと、
柱状部材の底面に対向するカバーの裏面に設けられるア
ンテナと、制御回路基板とカバーとの間に設けられ、制
御回路基板とアンテナとを接続するコネクタと、一端が
制御回路基板に他端がカバーに密着する支持部材とを備
え、コネクタおよび支持部材が実質的に同じ垂直方向長
さを有し、コネクタおよび支持部材によって、制御回路
基板がカバーに対して所定の距離だけ離れた位置に保持
されることを特徴としている。これにより、制御回路基
板が安定すると共に、雨などの気象条件の悪い場合にで
も制御回路基板およびアンテナが柱状部材により保護さ
れ、確実にデータを送信できる。
【0009】写真測量用ターゲットにおいて、好ましく
はアンテナが所定のパターンに基づいて形成され、これ
により効率良く送信が行える。またアンテナは具体的に
はエッチング、メッキ、および印刷等の手法によって形
成され得る。
【0010】写真測量用ターゲットが送信する写真測量
に用いるデータには、好ましくは、視認用指標部材の相
対位置関係を示す相対座標データと、視認用指標部材に
よって定められた基準平面上に設定され互いに直交する
2軸周りの水平面に対する傾斜角データと、方位データ
とが含まれる。これにより、例えば写真測量用カメラに
受信装置を設けて、相対座標データ、傾斜角データおよ
び方位データを画像と共に記録すれば、測量図作成時に
これらデータの入力の手間が省ける。
【0011】写真測量用ターゲットにおいて、好ましく
は柱状部材が、第1柱状部材と、この第1柱状部材の一
端部に回転自在に連結された端部を有し第1柱状部材に
対して垂直に固定可能な第2柱状部材とを備え、さらに
視認用指標部材が第1および第2柱状部材の上面におい
て、第1および第2柱状部材の長手方向に平行な線に沿
って固定されることが好ましい。これにより、基準平面
の直交する2軸を実質的に第1および第2柱状部材の長
手方向にそれぞれ平行に設定できる。
【0012】写真測量用ターゲットにおいて、さらに好
ましくは第1および第2柱状部材の内部にそれぞれ第1
および第2傾斜角センサが設けられ、これら2つの傾斜
角センサによって各柱状部材の長手方向周りの水平面に
対する傾斜角がそれぞれ検出され、検出された2つの傾
斜角に基づいて傾斜角データが求められる。これによ
り、第1および第2柱状部材の長手方向周りの水平面に
対する傾斜角を測定し、適宜補正することにより、傾斜
角データを容易に得ることができる。
【0013】写真測量用ターゲットにおいて、制御回路
基板を柱状部材の底面に対して所定距離だけ離れた位置
において支持する支持部材が設けられる。これにより、
制御回路基板の両面に回路が形成されていても、柱状部
材の底面に干渉することなく制御回路基板が所定位置に
固定される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明による写真測量用タ
ーゲットの実施形態について添付図面を参照して説明す
るが、まず写真測量用ターゲットを用いる写真測量の一
例について説明する。
【0015】図1は、立方体102に代表される被写体
と、写真測量用ターゲット10と、カメラ100との位
置関係を模式的に示す斜視図である。立方体102およ
びターゲット10は、1台のカメラ100によって2箇
所から撮影される。撮影時のカメラ100の位置は図示
しない撮影レンズの後側主点位置により定義され、第1
カメラ位置M1 および第2カメラ位置M2 として、図
中、点で示される。第1カメラ位置M1 におけるカメラ
100は実線で示され、第2カメラ位置M2 におけるカ
メラ100は破線で示される。
【0016】それぞれのカメラ位置M1 、M2 における
カメラ100の向きは撮影レンズの光軸の傾きにより定
義され、第1光軸O1 および第2光軸O2 として、図
中、二点鎖線で示される。
【0017】第1カメラ位置M1 における撮影によって
得られた第1画像IM1 (図2参照)、および第2カメ
ラ位置M2 における撮影によって得られた第2画像IM
2 (図3参照)は、例えばカメラ100内に設けられた
撮像素子によってデジタルの画素データに変換され、所
定のフォーマットに基づいてメモリカード等の記録媒体
に格納される。
【0018】ターゲット10は2本の柱状部材が連結さ
れたL字型を呈し、それら柱状部材の上面に6個の視認
用指標部材を備えている。ここでは説明を簡単にするた
めに、頂点に位置する3個の視認用指標部材、即ち基準
点部材31、34および36のみが説明に用いられる。
基準点部材31および34間の距離と、基準点部材31
および36間の距離とは、共に等しく、長さLで示され
る。また基準点部材31および34を結ぶ直線と、基準
点部材31および36を結ぶ直線とが成す角は90度で
ある。
【0019】これら3つの基準点部材31、34および
36によって決定される平面が基準平面として定義さ
れ、基準点部材31および34間の距離Lが基準尺とし
て定義される。ターゲット10には、長さL等を含む固
有データが所定の内蔵メモリ例えばROM内に格納され
る。
【0020】基準平面の水平面に対する傾斜角データ
と、ターゲット10の向きを示す方位データとは、後述
するセンサの測定値に基づいて所定時間毎に求められ、
カメラ100が撮影を行う際に、そのときの傾斜角デー
タおよび方位データが固有データと共にカメラ100に
送信される。カメラ100では、これら3つのデータを
受信し、写真測量に必要な他のデータ、例えば焦点距離
を含む撮影条件や撮影日時、画像番号等と併せて写真測
量用データとし、画像と共に記録媒体に格納する。
【0021】図2には第1カメラ位置M1 で撮影された
第1画像IM1 の概念図が示され、図3には第2カメラ
位置M2 で撮影された第2画像IM2 の概念図が示され
る。記録媒体に格納された第1画像IM1 および第2画
像IM2 のデジタル画素データは、ビデオデータとして
コンピュータに取り込まれ、第1画像IM1 が得られた
ときの写真測量用データ、および第2画像IM2 が得ら
れたときの写真測量用データも同時に読み込まれる。こ
のときこのコンピュータに接続されたモニタ装置の表示
画面上には、第1画像IM1 および第2画像IM2 が表
示される。
【0022】第1画像IM1 には第1の2次元直交座標
系(x1 , 1 )が定義され、第1画像IM1 の撮像中
心c1 が座標原点に定義される。図2から明らかなよう
に、基準点部材31、34および36の第1画像IM1
における像点は、それぞれ図中p11、p12およびp13
示され、これら像点p11、p12およびp13の2次元座標
はp11(px11, py11)、p12(px12, py12)、
13(px13, py13)で示される。
【0023】第2画像IM2 には第2の2次元直交座標
系(x2 , 2 )が設定され、その座標原点は第2画像
IM2 の撮像中心c2 に一致する。図3から明らかなよ
うに、基準点部材31、34および36の第2画像IM
2 における像点は、それぞれp21(px21, py21)、
22(px22, py22)、p23(px23, py23)で示
される。
【0024】第1画像IM1 および第2画像IM2 上で
の基準点部材31、34および36のそれぞれの2次元
座標については、pij(pxij,pyij)として表すこ
とができる。ここで、変数iは画像の枚数を示し、i=
1は図2の第1画像IM1 に対応し、i=2は図3の第
2画像IM2 に対応する。また、変数jは基準点部材の
数に一致し、本実施形態ではj=1,2,3である。
【0025】図4には、第1画像IM1 および第2画像
IM2 と、ターゲット10の3つの基準点部材31、3
4、36との相対的な位置関係が示される。このとき、
基準点部材31および34間の距離は相対的な長さL’
として示され、また基準点部材31、34および36に
より規定される基準平面は、図中ハッチング領域で示さ
れる。
【0026】ここで、第1画像IM1 および第2画像I
2 に基づいて立方体102の3次元位置を特定するた
めに、3次元直交座標系(X,Y,Z)が適宜設定され
る。図4においては、この3次元直交座標系(X,Y,
Z)は右手系であり、その座標原点は第1カメラ位置M
1 に一致しており、またそのZ軸は第1光軸O1 に一致
する。
【0027】このとき、3次元直交座標系(X,Y,
Z)における第2カメラ位置M2 の3次元座標は(X
o,Yo,Zo)で表される。この3次元座標(Xo,
Yo,Zo)は第1カメラ位置M1 に対する第2カメラ
位置M2 の変位量を示す。また、第2光軸O2 の傾きが
3次元角度座標(α,β,γ)で表され、この3次元角
度座標(α,β,γ)は第1光軸O1 に対する第2光軸
2 の回転角度を表す。即ち、αは3次元直交座標系の
X軸と成す角度を示し、βは3次元直交座標系のY軸と
成す角度を示し、γは3次元直交座標系のZ軸と成す角
度を示す。
【0028】また、図4では3次元直交座標系(X,
Y,Z)における3個の基準点部材31、34および3
6の3次元座標のそれぞれについては、P1 (PX1
PY1,PZ1 )、P2 (PX2 ,PY2 ,PZ2 )お
よびP3 (PX3 ,PY3 ,PZ3 )で示され、これら
3次元座標についてはPj (PXj ,PYj ,PZj
(j=1,2,3)として表すことができる。
【0029】図4から明らかなように、基準点部材3
1、34および36と、その第1画像上の像点p1j(ま
たは第2画像上の像点p2j)と、第1カメラ位置M
1 (または第2カメラ位置M2 )とは一直線上にある。
従って、基準点部材の3次元座標P j (PXj ,P
j ,PZj )については、以下の(1)式に示す共線
方程式を用いて求めることができる。
【0030】
【数1】
【0031】なお、上記(1)式中のCは、カメラ10
0の撮影レンズの主点距離(焦点距離)であり、第1画
像IM1 および第2画像IM2 において同じ値である。
即ち、主点距離Cは第1カメラ位置M1 と撮像中心c1
との距離、あるいは第2カメラ位置M2 と撮像中心c2
との距離に一致する。
【0032】図5のフローチャートを参照して、第1画
像IM1 および第2画像IM2 に基づいて測量図を作成
するための測量図作成ルーチンについて説明する。この
測量図作成ルーチンは、第1画像IM1 (図2)および
第2画像IM2 (図3)をビデオデータとして取り込ん
だコンピュータによって実行される。
【0033】まず、ステップS101では、上述した共
線方程式(1)における未知変量、即ち第1カメラ位置
1 に対する第2カメラ位置M2 の変位量(Xo,Y
o,Zo)並びに光軸O1 に対する光軸O2 の回転角
(α,β,γ)に対して、0を除く適当な値が初期値と
してコンピュータに入力される。コンピュータへの入力
は例えばキーボードの操作により行われる。
【0034】ステップS102では、モニタ装置に表示
された第1画像IM1 および第2画像IM2 上における
基準点部材31、34および36の像点の互いに対応し
た2次元座標p1j(px1j,py1j)およびp2j(px
2j,py2j)が順次コンピュータに入力される。なお、
2次元座標pij(pxij,pyij)(i=1,2)の入
力については、例えばマウスを操作して、モニタ装置の
第i画像IMi 上のそれぞれの基準点部材31、34お
よび36の像点をカーソルで指定してクリックすること
により行われる。
【0035】ステップS103では、カウンタkに初期
値として1が与えられる。次にステップS104では、
被写体である立方体102上の任意の物点104(図
1)が選択され、モニタ装置に表示された第1画像IM
1 および第2画像IM2 上における物点104の像点の
互いに対応した2次元座標q1k(qx1k,qy1k)(図
2)およびq2k(qx2k,qy2k)(図3)が順次コン
ピュータに入力される。なお、2次元座標qik(q
ik,qyik)(i=1,2)の入力についても、マウ
スを操作して、モニタ装置の第i画像IMi 上における
それぞれの物点104の像点を、カーソルで指定してク
リックすることにより行われる。
【0036】物点104と、第i画像IMi (i=1,
2)上における物点104の像点と、第iカメラ位置M
i との間の位置関係は、図4に示す各基準点部材31、
34および36と、その第i画像IMi 上の像点と、第
iカメラ位置Mi との位置関係と同様であり、物点10
4とその像点と第iカメラ位置Mi とは一直線上にあ
る。従って、物点104の3次元座標Qk=1 (QX1
QY1 ,QZ1 )は、(1)式を用いて求めることがで
きる。
【0037】ステップS105では、2次元座標p
ij(pxij,pyij)およびqik(qx ik,qyik
(i=1,2)の入力データに基づいて、上述した共線
方程式(1)が逐次近似解法により解かれる。これによ
り、各基準点部材31、34および36の3次元座標P
j (PXj ,PYj ,PZj )(j=1,2,3)と、
物点104の3次元座標Qk=1 (QX1 ,QY1 ,QZ
1 )と、未知変量(Xo,Yo,Zo)および(α,
β,γ)とが近似的に求められる。
【0038】逐次近似解法とは、前述の共線方程式にお
いて未知変量(Xo,Yo,Zo)および(α,β,
γ)に初期値を与え、この初期値の周りにテーラー展開
して線形化し、最小二乗法により未知変量の補正量を求
める手法である。このような近似演算を繰り返すことに
より、未知変量の一層誤差の少ない近似値が求められ
る。
【0039】要するに基準点部材31、34および36
の3次元座標Pj (PXj ,PYj,PZj )(j=
1,2,3)を、第1画像IM1 における基準点部材P
j の2次元座標p1j(px1j,py1j)と、第2画像I
2 における基準点部材Pj の2次元座標p2j(p
2j,py2j)とに基づいて求め、かつ物点104の3
次元座標Qk=1 (QX1 ,QY1 ,QZ1 )を、第1画
像IM1 における物点104の2次元座標q1k(q
1k,qy1k)と、第2画像IM2 における物点104
の2次元座標q2k(qx2k,qy2k)とに基づいて求め
ることにより、第2カメラ位置M2 の変位量(Xo,Y
o,Zo)および光軸O2 の回転角(α,β,γ)につ
いての近似値が求められる。
【0040】ステップS106では、座標値による相対
的な距離を実際の距離に補正するための補正倍率mが求
められる。この演算には既知の長さ、例えば基準点部材
31および34間の距離が用いられる。基準点部材31
と基準点部材34との間の実際の距離はL(図1)であ
ることから、3次元直交座標系(X,Y,Z)における
基準点部材31と基準点部材34との距離L’(図4)
と実際の距離Lとの間には次の関係式が成り立つ。
【0041】 L=L’×m (m:補正倍率)
【0042】ステップS107では、上述の補正倍率を
用いてスケーリングが行われ、これにより基準点部材3
1、34および36の3次元座標Pj (PXj ,P
j ,PZj )および物点104の3次元座標Q
k=1 (QX1 ,QY1 ,QZ1 )間で、実測値に基づく
配置関係が得られることになる。
【0043】ステップS108では、3次元直交座標系
(X,Y,Z)が、図6に示すような3次元直交座標系
(X’,Y’,Z’)に座標変換される。同図から明ら
かなように、3次元直交座標系(X’,Y’,Z’)の
座標原点は基準点部材31に一致させられ、そのX’軸
は基準点部材31および34を結ぶ直線に一致させら
れ、さらにX’−Z’平面が基準平面(図中、ハッチン
グ領域として示される)を含む平面Psに一致させられ
る。なお、3次元直交座標系(X’,Y’,Z’)の座
標原点として基準点部材31が選ばれたが、平面Ps上
の任意の点であれば、3次元直交座標系(X’,Y’,
Z’)の座標原点とし得る。
【0044】ステップS109では、図7に示すような
X’−Z’平面が測量図としてモニタ装置に表示され、
このときX’−Z’平面図には、基準点部材31、34
および36と共に物点104の投影点が表示される。な
お図7には、立方体102およびターゲット10を補助
的に破線で示している。また、この時点では後述する物
点106の投影点は表示されない。
【0045】ターゲット10が道路上に載置された際に
基準平面は水平面に略一致し、これによりX’−Z’平
面図は道路を鉛直上方から見た水平面図に略一致する。
基準平面はターゲット10により測定された傾斜角デー
タによって適宜補正され、厳密に水平面に一致せしめら
れる。従って、X’−Z’平面が水平面Psに一致する
ような3次元直交座標系(X’,Y’,Z’)を設定す
ることにより、水平面図が測量図として容易に得られ
る。
【0046】なお、測量図はX’−Z’平面図に限定さ
れることはなく、X’−Y’平面図あるいはY’−Z’
平面図とすることもできるし、さらには3次元直交座標
系(X’,Y’,Z’)に基づく立体斜視図とすること
もできる。
【0047】ステップS110では、立方体102に対
して他の物点が選択されるか否かが判定され、他の物点
が更に選択される場合には、ステップS111に進み、
そこでカウンタkのカウンタ値が“1”だけカウントア
ップされる。その後ステップS104に進み、そこでモ
ニタ装置に表示された第1および第2画像IM1 、IM
2 上における他の物点106(図1)の像点の互いに対
応した2次元座標q1k(qx1k,qy1k)(図2)およ
びq2k(qx2k,qy2k)(図3)がコンピュータに入
力される。
【0048】ステップS105では2次元座標pij(p
ij,pyij)(i=1,2;j=1,2,3)と、2
次元座標qik(qxik,qyik)(k=1,2)との入
力データに基づいて、上述した共線方程式(1)が逐次
近似解法により解かれる。これにより、各基準点部材3
1、34および36の3次元座標Pj (PXj ,P
j ,PZj )(j=1,2,3)と、物点104およ
び106の3次元座標Qk(QXk ,QYk ,QZk
(k=1,2)と、未知変量(Xo,Yo,Zo)およ
び(α,β,γ)とが近似的に求められる。このとき得
られる未知変量(Xo,Yo,Zo)および(α,β,
γ)の近似値は、前回より一層近似されたものとなる。
【0049】要するに、物点の数を増やせば増やすほ
ど、未知変量(Xo,Yo,Zo)および(α,β,
γ)の近似値は実際の値に近づくこととなる。ある程度
の近似値を得るためには基準点部材31、34および3
6を含めて少なくとも5点必要である。
【0050】ステップS105の後、ステップS106
〜ステップS109が実行され、図7に示す測量図は更
新表示される。即ち、基準点物点材31、34および3
6と物点104の投影点に加え、物点106の投影点が
測量図に表示される。ステップS110において新たに
他の物点が選択されないと判定されると、この測量図作
成ルーチンは終了する。
【0051】このように、ターゲット10は立方体10
2と共に2枚の画像IM1 およびIM2 に写しこまれ、
このとき基準点部材31、34および36によって定め
られる基準平面は水平面に略一致する。これにより、基
準点部材31、34および36と物点104および10
6の画像上の2次元座標に基づいて、立方体102の3
次元座標が求められ、基準平面を含む平面図が測量図と
して得られる。従って、ターゲット10は水平面図が容
易に得られるような正確な基準平面を常に設定し得る構
成を備えている。以下、ターゲット10の構成について
説明する。
【0052】図8はターゲット10を一部破断して示す
平面図であり、図9はその側面図である。ターゲット1
0は互いに端部で連結された2本の柱状部材12、14
を備える。第1柱状部材12および第2柱状部材14は
金属等の剛性材料から形成され、内部が中空の四角柱形
状を呈しており、それらの全外周面には無反射シートが
貼付される。第1柱状部材12および第2柱状部材14
の幅は概略同じ長さLw であり、またそれぞれの厚みは
共に同じ長さLH である。
【0053】ターゲット10の大きさ、即ち第1および
第2柱状部材12、14の長手方向長さは特に限定され
ないが、画像上で基準点物点材31、34および36が
ある程度の距離をもって認識し得る程度の大きさであっ
て、かつ容易に運搬できる大きさであればよい。第1お
よび第2柱状部材12、14の内部は中空でなくてもよ
いが、運搬することを考慮すれば軽量化のために中空で
あることが好ましい。また、材料は特に金属材料に限定
されることはないが、常に高精度の基準尺および基準平
面を設定するためには熱や衝撃に対して変形し難く、か
つある一定以上の剛性が必要とされる。
【0054】無反射シートは第1および第2柱状部材1
2、14に密着する面には接着剤が塗布され、反対側の
面は黒色であり、表面に細かい凹凸が形成される。この
凹凸面において入射光が吸収拡散されることにより、反
射光量が極めて減少させられる。なお、無反射シートの
代わりに、例えばつや消しの黒色塗料等の無反射塗料を
第1および第2柱状部材12、14の全表面に塗布して
もよい。これにより画像上ではターゲット10は輝度の
極めて低い領域となり、判別しやすくなる。
【0055】第1柱状部材12の一方の端部12aに
は、直方体の制御部筐体20が一体的に固定される。制
御部筐体20は金属材料から形成され、その全外周面に
は無反射シートが貼付される。制御部筐体20におい
て、その厚みは第1柱状部材12の厚みと同じ長さLH
であり、またその幅は第1柱状部材12の幅Lw の約2
倍である。制御部筐体20はその側面20bが第1柱状
部材12の側面12bと同一平面上に位置するように設
けられており、制御部筐体20の側面20cは第1柱状
部材12の側面12cから突出している。
【0056】制御部筐体20の側面20cには、第2柱
状部材14の一方の端部14aがヒンジ15により回動
可能に取付けられる。第2柱状部材14の側面14b
は、制御部筐体20の第1柱状部材12が設けられる面
の反対側の端面20dと同一平面上に位置する。
【0057】第2柱状部材14の側面14cと制御部筐
体20の側面20cとが成す角δ、即ち第1柱状部材1
2の軸心AX1 と第2柱状部材14の軸心AX2 (図
中、二点鎖線で示す)とが成す鋭角側には、固定部材で
あるステー16が連結され、これにより2本の柱状部材
12および14は互いに固定される。ステー16はその
幅および厚みは第1および第2柱状部材12、14の幅
w および厚みLH より小さい。またステー16の長手
方向長さは第1柱状部材12の長手方向長さより短い。
【0058】ステー16は第1および第2柱状部材1
2、14に対してそれぞれ傾斜して設けられ、ステー用
ヒンジ92により第1柱状部材12に回動可能に固定さ
れるとともに、ロックヒンジ94により第2柱状部材1
4に対して着脱自在である。図8に示すようにステー1
6がロックヒンジ94により第2柱状部材14に固定さ
れた状態においては、第2柱状部材14の第1柱状部材
12に対して成す角度δは90度である。
【0059】ターゲット10の上面、即ち2本の柱状部
材12、14および制御部筐体20の上面には6個の基
準点部材31、32、33、34、35および36が同
一平面上に設けられる。基準点部材31は制御部筐体2
0の上面20eに設けられ、基準点部材32、33およ
び34は第1柱状部材12の上面12eに設けられ、基
準点部材35および36は第2柱状部材14の上面14
eに設けられる。
【0060】各基準点部材31〜36は円板状を呈して
おり、それらの直径は全て同じであり、かつ柱状部材1
2、14の幅Lw より小さい。なお、基準点部材31〜
36は画像上において容易に識別できる大きさを有して
おればよく、形状および大きさについては適宜設計変更
される。
【0061】基準点部材31〜34は軸心AX1 方向に
平行な直線上に設けられ、隣り合う各基準点部材31、
32、33および34間の距離はそれぞれ等しい。同様
に、基準点部材31、35および36は軸心AX2 方向
に平行な直線上に設けられ、隣り合う各基準点部材3
1、35および36間の距離はそれぞれ等しい。また、
基準点部材31から基準点部材34までの距離と、基準
点部材31から基準点部材36までの距離とは等しく、
図1の長さLに一致する。
【0062】前述したように、基準点部材31、34お
よび36を頂点とする直角二等辺三角形が基準平面に定
められ、基準点部材31および34間の距離Lが基準尺
として定められる。なお、角度δは90度に限定され
ず、また基準点部材31および34間の距離と、基準点
部材34および36間の距離とは、等しくなくてもよ
い。角度δと、基準点部材31および34間の距離と、
基準点部材34および36間の距離とは、既知の数値で
あればよいが、計算処理の簡便さを考慮した場合、上述
のように角度δが90度で、基準点部材31および34
間の距離と、基準点部材34および36間の距離とが等
しいことが好ましい。
【0063】図8から明らかなように、直角二等辺三角
形の長さの等しい2辺において基準点部材の数が異なっ
ているため、ターゲット10の向きが容易に判別でき、
被写体が同一の画像が多数ある場合に、そのカメラ位置
が容易に想定できる。なお、基準点部材32、33およ
び35は、ターゲット10の向きを用意に識別するため
だけではなく、写真測量の精度を向上させるために前述
の測量図作成ルーチン(図5)における基準点部材Pj
として用いてもよい。
【0064】また、前述した写真測量においては、基準
点部材31、34および36に基づいて基準尺および基
準平面を規定するので、一定以上の写真測量の精度を得
るには基準点部材31、34および36により常に高精
度な直角二等辺三角形が形成されることが必要である。
本実施形態においては、ステー16により第1および第
2柱状部材12、14の中間が互いに連結固定されるの
で、角度δが正確に規定され高精度の基準平面が得られ
る。これにより写真測量の精度が向上する。
【0065】さらに、ヒンジ15の取付によって生じる
制御部筐体20の側面20cと第2柱状部材14の端面
14aとの間隙にはシート状の弾性部材19(図12参
照)が設けられ、これにより第2柱状部材14のガタつ
きが防止される。弾性部材19はゴムやスポンジ等から
形成され、第2柱状部材14の端面14aまたは側面2
0cに密着固定される。なお、シート状の弾性部材19
の代わりにバネ部材を設けてもよく、制御部筐体20の
側面20c側に密着固定してもよい。
【0066】基準点部材31〜36にはそれぞれ反射シ
ートが貼付される。反射シートの表面は滑らかに加工さ
れ、白色を呈している。これにより光の反射量が増加す
る。さらに各基準点部材31〜36のそれぞれ周囲に
は、無反射シートが貼付された環状部材である無反射部
材41、42、43、44、45および46が設けられ
る。これにより、基準点部材31〜36は、画像上にお
いては輝度の極めて高い領域であって、かつ輝度の低い
領域に囲まれるので、容易に識別され、写真測量の精度
を向上させることができる。
【0067】ターゲット10は2つの傾斜角センサ5
2、54を備え、これらの傾斜角センサ52、54によ
り直交する2本の軸心AX1 、AX2 に関する傾斜角が
それぞれ測定される。第1傾斜角センサ52は、第1柱
状部材12の内部であってかつ基準点部材32および3
3間に設けられる。第1傾斜角センサ52によって、水
平面に対する軸心AX1 周りの傾斜角が測定される。第
2傾斜角センサ54は、第2柱状部材14の内部であっ
てかつ基準点部材34および35間に設けられる。第2
傾斜角センサ54によって、水平面に対する軸心AX2
周りの傾斜角が測定される。
【0068】第1および第2傾斜角センサ52、54
は、ケーブルによって制御部筐体20に接続される。図
6には第2傾斜角センサ54と制御部筐体20とを接続
するケーブル17のみを示す。第1および第2傾斜角セ
ンサ52、54によって測定された軸心AX1 およびA
2 周りの傾斜角データは、ケーブルを介して制御部筐
体20に転送される。
【0069】直交する2軸周りの傾斜角が測定されるこ
とにより、基準平面の水平面に対する傾斜角が得られ
る。従って、上述した写真測量において、ターゲット1
0が傾いて載置された場合、この傾斜角を用いて基準平
面であるX’−Z’平面を補正して水平面に厳密に一致
させることができる。なお、X’−Z’平面を水平面に
一致させる補正には例えば公知の座標変換が用いられ、
ここでは詳述しない。
【0070】ターゲット10は、基準点部材31〜36
が設けられる面の反対側の面に3本の脚18を備える。
図9には2本の脚18のみを示す。脚18は基準点部材
31、34および36に対応して設けられる。ターゲッ
ト10は道路面に対して脚18の長さ分だけ離れて載置
され、これにより道路上の凹凸の影響を受けずに道路面
に対して平行に設置される。
【0071】図10および図11を参照して、基準点部
材35および無反射部材45の構成について説明する。
図10は、図8のX−X線断面におけるターゲット10
の断面図である。図11は無反射部材45の第2柱状部
材14側の面を示す平面図である。他の基準点部材31
〜34、36および無反射部材41〜44、46は、基
準点部材35および無反射部材45と同様の構成である
のでここでは説明を省略する。
【0072】第2柱状部材14の上面14eには磁石保
持部材62が設けられ、この磁石保持部材62の内部に
は環状の磁石64が収納される。磁石保持部材62の外
径は第2柱状部材14の幅Lw と略同じ長さである。磁
石64は磁石保持部材62とともに、ネジ部材66によ
り第2柱状部材14に一体的に固定される。ネジ部材6
6の頭部67には反射シート68が貼付される。これら
磁石保持部材62、磁石64、ネジ部材66および反射
シート68により、基準点部材35が構成される。
【0073】無反射部材45は、電波が透過できる材
料、例えば樹脂あるいはゴムから形成された環状板72
を備える。環状板72の材料がゴムの場合、無反射部材
45の落下による破損が防止される。環状板72の一方
の面、即ち第2柱状部材14に対向する面とは反対側の
面には無反射シート74が貼付される。無反射部材45
の直径はこの実施形態においては、基準点部材35、即
ちネジ部材66の頭部67の直径の約7倍である。ま
た、無反射部材45の厚みはネジ部材66の頭部67の
厚みよりわずかに小さく、これにより何れの方向から頭
部67を見ても無反射部材45によって頭部67、厳密
には反射シート68が隠れることがない。
【0074】無反射部材45の中央には、ネジ部材66
の頭部67と略同径の嵌合穴76が形成される。無反射
部材45の第2柱状部材14に対向する面において、嵌
合穴76の周囲には環状の鉄板78が埋込まれている。
鉄板78の内径は嵌合穴76の直径と略等しく、その外
径は磁石保持部材62の外径と略等しい。
【0075】無反射部材45は基準点部材35に対して
着脱自在である。ターゲット10の使用時には、ネジ部
材66の頭部67と嵌合穴76とが嵌合させられ、この
とき磁石64の磁力により鉄板78がネジ部材66の頭
部67あるいは磁石保持部材62に密着固定される。図
10から明らかなように、無反射部材45が基準点部材
35に取付けられた状態において、反射シート68と無
反射シート74とは略同一平面上にある。ターゲット1
0を運搬する場合等には、人手により無反射部材45が
基準点部材35から取外される。
【0076】このように、無反射部材45を基準点部材
35に対して着脱自在にすることにより、ターゲット1
0の携帯性が向上する。さらに、反射シート68の周囲
に無反射シート74が設けられることにより、基準点部
材35の領域が明確になり、夜間や雨によって周囲が暗
い現場での撮影、あるいは道路面が反射しやすい現場で
の撮影等の撮影条件が悪い場合でも、画像における基準
点部材35の識別が容易になる。
【0077】なお、基準点部材35と無反射部材45と
の直径の比率、即ち反射シート68および無反射シート
74の領域の大きさは、特にこの実施形態に限定され
ず、ターゲット10の画像において反射シート68が十
分認識できる大きさであればよい。また基準点部材35
および無反射部材45の形状も円形に限定されない。
【0078】図12は、制御部筐体20を部分的に拡大
して示す平面図である。図13は図12のXIII−X
III線における断面図であり、制御部筐体20の構成
を簡略化して示す図である。図14は制御部筐体20の
内部の構成を示す分解斜視図である。
【0079】制御部筐体20の端面20d側には電池収
納室83が設けられる。電池収納室83には電源である
電池87が収納され、ターゲット10に電力を供給して
いる。電池収納室83は端面20d側に開口を有し、蓋
部83aにより閉密される。制御部筐体20の端面20
dにはスイッチ85が一体的に設けられ、このスイッチ
85の手動操作により電源のオン、オフが切換えられ
る。
【0080】制御部筐体20の上面20eは開口81を
有しており、この開口81は平板状のカバー82により
密閉される。開口81は図13の断面において階段状に
形成され、上面20e側の側面81aがカバー82と実
質的に同じ大きさを有し、底面20g側の側面81bは
溝部81aより僅か内側に突出している。即ち、カバー
82は開口81に嵌合すると共に、上面20eとほぼ同
一平面上に支持される。
【0081】カバー82は電波が透過可能な材料、例え
ば樹脂から形成され、その4隅はネジにより開口81に
螺合固定される。カバー82の内側の裏面82aには無
線用のアンテナ88が設けられる。アンテナ88はカバ
ー82により定められるスペースを有効に利用するため
に所定のパターンに基づいて配されており、エッチン
グ、メッキまたは印刷等の処理により適宜形成される。
なお、本実施形態ではパターンは渦巻き状であるが、こ
れに限定されない。
【0082】制御部筐体20の内部には制御回路基板8
4が設けられる。制御回路基板84には方位を測定する
方位センサ86を設けるための切欠き84aが形成さ
れ、これにより制御回路基板84はコの字状を呈してい
る。制御回路基板84上には無線送信機75が一体的に
設けられる。送信機75、方位センサ86および前述し
た第1および第2傾斜角センサ52、54は制御回路基
板84に接続され、これらの動作は制御回路基板84に
より制御される。制御回路基板84の少なくとも片面に
は回路が形成されるが、両面に回路が形成されていても
よい。
【0083】制御部筐体20はカバー82により密閉さ
れるので、内部にある電子部品、即ち制御回路基板8
4、送信機75および方位センサ86やアンテナ88が
保護され、破損が防止される。さらに、制御部筐体20
の内部の防水性が向上し、制御回路基板84、送信機7
5および方位センサ86等の故障が防止される。
【0084】制御部筐体20内において、制御回路基板
84の4隅はスペーサ22によって支持されており、制
御部筐体20の内側底面20gに対して所定の間隙を有
している。これにより、制御回路基板84の内側底面2
0gに対向する面に形成された回路等の凹凸と、内側底
面20gとの干渉が回避される。
【0085】また、制御回路基板84とカバー82との
間にはコネクタ24aおよび24bが設けられる。コネ
クタ24aはカバー82の裏面82aにおける対向する
2つの短辺の両縁近傍に固定され、ぞれぞれほぼ幅方向
全体に渡って延びている。一方、2つのコネクタ24b
はコネクタ24aと同じ幅方向長さを有し、制御回路基
板84の上面であってコネクタ24aに対向する位置に
固定される。
【0086】アンテナ88は少なくとも一方のコネクタ
24aに接続され、送信機75はアンテナ88が接続さ
れたコネクタ24aに対応するコネクタ24bに接続さ
れる。図13に示すようにコネクタ24aと24bとが
接合されることにより、制御回路基板84とアンテナ8
8とが互いに電気的に接続される。これにより送信機7
5から出力された信号がアンテナ88を介して外部に発
信される。
【0087】スペーサ22、コネクタ24a、24bの
高さと、制御回路基板84およびカバー82の厚みとを
加算した値は、制御部筐体20の高さから底面の厚みを
差し引いた長さに一致する。即ち、制御回路基板84は
制御部筐体20の内側底面20gおよびカバー82の双
方に対して所定距離を持って位置決めされ、これにより
運搬等における制御部筐体20内での制御回路基板84
のガタつきが防止され、制御回路基板84の破損等が防
止される。
【0088】また、コネクタ24aおよび24bの接続
によって、カバー82が開口81に強固に固定され、運
搬時等のカバー82が不用意に外れることが防止され
る。
【0089】図12から明らかなように、方位センサ8
6は基準点部材31と基準点部材32との中間に設けら
れる。即ち基準点部材31および32間の距離をLA
すると、方位センサ86の中心から基準点部材32まで
の距離は、(LA /2)である。方位センサ86は通
常、周囲の磁性材料、制御部筐体20および電池87
や、特に基準点部材31、32等の磁力の影響を受け
る。磁力の影響が大きいと方位センサ86の検出する方
位が不正確になる恐れがある。従って、この磁力の影響
を最小限にするために方位センサ86は基準点部材31
と基準点部材32との中間に設けられる。
【0090】方位センサ86によって方位が測定される
ことにより、上述した写真測量において、例えば基準平
面であるX’−Z’平面のZ’軸を北の方向に定めるこ
とができる。従って、例えば交通事故現場が広範囲に渡
る場合、複数の撮影現場に分割して写真測量が行われる
が、各撮影現場毎に得られた複数の測量図のZ’軸をそ
れぞれ北の方向に定めておけば、各測量図を容易にかつ
正確に連結させることができる。
【0091】3つのセンサ86、52、54は、スイッ
チ85のオンにより電源が投入されると、制御回路基板
84から出力される制御パルスに従って一定時間毎に方
位あるいは傾斜角を測定するとともに、制御回路基板8
4に測定値を出力する。制御回路基板84では、方位セ
ンサ86、第1および第2傾斜角センサ52、54から
出力された測定値に対して補正等の所定の処理を施し、
それぞれ方位データおよび傾斜角データを生成する。そ
の後、方位データおよび傾斜角データが例えば送信機7
5においてFM変調され、アンテナ88を介して例えば
カメラ100に設けられた受信機(図示せず)に向かっ
て無線で送信される。
【0092】制御回路基板84にはROM等のメモリが
設けられ、このメモリ内には基準尺である長さL、厳密
には基準点部材31、34間の距離および基準点部材3
1、36間の距離の高精度な値、またはターゲット10
の製造番号等のターゲット10の固有データが格納され
る。これら固有データは方位データおよび傾斜角データ
と共に送信される。
【0093】アンテナ88はカバー82の内側に設けら
れているが、カバー82あるいは無反射部材41、42
は電波が透過可能な材料から形成されているので、アン
テナ88から発信された電波は、カバー82あるいは無
反射部材41、42に遮断されることなく受信機に送信
される。
【0094】カメラ100が受信機を備えている場合、
受信された方位データおよび傾斜角データを画像と共に
記録媒体に格納し、この記録媒体を介してコンピュータ
に入力すれば、異なる媒体に記録したデータを新たに手
入力する手間が省け、精密な測量図が容易にかつ迅速に
得られる。
【0095】図15はターゲット10を折り畳んだ状態
を示す平面図である。図16は図8に示す組立状態から
図13に示す折畳み状態へ移行する途中経過を示すター
ゲット10の平面図である。
【0096】ターゲット10は、画像の撮影時には図8
に示すようにL字型に組立てられて用いられるが、使用
しない時、例えば運搬時等には図15に示すようにI字
型に折り畳まれる。まず全ての無反射部材41〜46が
取外され、次いでステー16が第2柱状部材14のロッ
クヒンジ94から取外される。これにより、ステー16
は第1柱状部材12のステー用ヒンジ92周りに回動自
在となり、第2柱状部材14はヒンジ15周りに回動自
在となる。
【0097】さらに、ステー16および第2柱状部材1
4を時計周り、即ち図16の矢印Aで示す方向に回動さ
せ、ステー16および第2柱状部材14を第1柱状部材
12に対して略平行に近接させる。第2柱状部材14は
制御部筐体20に取付けられるため、制御部筐体20が
第1柱状部材12からターゲット10の内側(図15の
左方)に突出していることにより、第1柱状部材12と
第2柱状部材14との間には間隙Dが生じる。ステー1
6はこの間隙D内に収められており、これにより折畳み
時に生じる間隙Dが有効に活用される。また、この折畳
み時においてロックヒンジ94は、ステー用ヒンジ92
より制御部筐体20側に位置し、ステー用ヒンジ92お
よびステー16に干渉しない。
【0098】しかし、I字型に折り畳むだけでは運搬時
にステー16や第2柱状部材14が第1柱状部材12に
対して回動自在なために不用意に開くことがあり、故障
や破損等を招く恐れがある。このため、ステー16およ
び第2柱状部材14は、それぞれの端部において第1柱
状部材12に係止される。
【0099】第1柱状部材12の側面12cにおいて、
基準点部材34の近傍には第1ボールプランジャ96が
設けられる。一方、第2柱状部材14の側面14cにお
いて、基準点部材36の近傍にはキーパー98が設けら
れる。この第1ボールプランジャ96とキーパー98と
が係合することにより、第1柱状部材12に第2柱状部
材14が固定される。同様に、第1柱状部材12の側面
12cに設けられた第2ボールプランジャ101と、ス
テー16の先端に形成された収納用固定穴103とが係
合することにより、第1柱状部材12にステー16が固
定される。
【0100】図17は第1ボールプランジャ96および
キーパー98の構成を詳細に示す図であり、図15のX
VII−XVII線における断面図である。
【0101】第1ボールプランジャ96はキーパー98
側に開口する凹部104を備え、この凹部104にはキ
ーパー98に形成された凸部106が挿入される。凸部
106はその先端に図の上下方向に膨らんだ隆起部10
6aを備え、この隆起部106aの最も膨らんだ部分の
厚みは、凹部104の対向する側面間の距離より僅かに
小さい。凸部106の基端部106bの厚みは隆起部1
06aより小さい。
【0102】第1ボールプランジャ96には、凹部10
4から図17の上下方向に延び、ボール108をそれぞ
れ収容する2つのボール収容部97が形成され、これら
ボール108はバネ110によってそれぞれ凹部104
に向かって付勢される。ボール収容部97の凹部104
における開口の大きさは、ボール108の直径を含む断
面の大きさより小さく、これによりボール108は凹部
104内に僅かに露出した状態で保持される。
【0103】キーパー98の凸部106が凹部104に
挿入されると、まず先端の隆起部106aが第1ボール
プランジャ96のボール108に当接し、凸部106が
徐々に進入するに従って、ボール108がバネ110の
付勢力に抗して凹部104から離間する方向に相対移動
する。さらに、凸部106が凹部104内へ進入する
と、ボール108は隆起部106aの外表面に沿って滑
り、基端部106bに当接する。このとき、基端部10
6bの厚みが隆起部106aの厚みより小さいため、ボ
ール108はバネ110の付勢力により再び凹部104
側へ相対移動し、基端部106bを挟持する。これによ
り、隆起部106aの凹部104開口側への移動がボー
ル108によって規制され、キーパー98は第1ボール
プランジャ96に係止される。
【0104】このようにキーパー98が第1ボールプラ
ンジャ96に係止されることにより、第2柱状部材14
が第1柱状部材12に固定される。なお、キーパー98
を第1ボールプランジャ96から取外す場合には、上述
と逆の操作、即ち第2柱状部材14を第1柱状部材12
から離れる方向に引張ればよい。
【0105】図18は第2ボールプランジャ101およ
び収納用固定穴103の構成を詳細に示す図であり、図
15のXVIII−XVIII線における断面図であ
る。第2ボールプランジャ101の構成は、図17に示
す第1ボールプランジャ96と略同じ構成を備えてお
り、同じ構成については同符号を付す。
【0106】第1柱状部材12の側面12cにおいて、
第2ボールプランジャ101は第1ボールプランジャ9
6より制御部筐体20側に設けられ、第2ボールプラン
ジャ101に形成された凹部104にステー16が挿入
される。ステー16の厚みは一定であり、かつ凹部10
4の対向する側面間の距離より僅かに小さい。ステー1
6の自由端部16bには収納用固定穴103が形成さ
れ、収納用固定穴103はステー16の厚み方向に貫通
している。
【0107】ステー16は凹部104に挿入されるとま
ず2つのボール108に当接し、ボール108はバネ1
10の付勢力に抗して凹部104から離間する方向に相
対移動する。ステー16がさらに進入すると収納用固定
穴103の両端に各ボール108の一部がそれぞれ収容
され、バネ110の付勢力によりステー16は2つのボ
ール108に挟持される。これによりステー16が第1
柱状部材12に固定される。なお逆の操作、即ちステー
16を図の左方に引張れば、第1柱状部材12から取外
すことができる。
【0108】以上のように、ターゲット10の折畳み時
には第2柱状部材14およびステー16が第1柱状部材
12に固定されるので、運搬時に第2柱状部材14およ
びステー16が不用意に開くことが防止され、故障およ
び破損が防止される。
【0109】図15に示す折畳み状態から図8に示す組
立状態へ移行するには、第1ボールプランジャ96とキ
ーパー98との係合、および第2ボールプランジャ10
1とステー16との係合を解除する。次に第2柱状部材
14をヒンジ15を中心に約90度図16の矢印B方向
に回動させ、端面14aに設けられた弾性部材19を制
御部筐体20の側面20cに当接させる(図12参
照)。次いで、ステー16をステー用ヒンジ92を中心
に図16の矢印B方向に回動させ、自由端部16bをロ
ックヒンジ94に係合させて第1および第2柱状部材1
2、14をL字型に固定する。
【0110】図19はステー用ヒンジ92近傍の構成を
一部破断して示す平面図であり、図20は図19のXX
−XX線における断面図である。
【0111】ステー用ヒンジ92は、第1柱状部材12
の長手方向において基準点部材33と第1傾斜角センサ
52との間に設けられ(図8参照)、ネジ120により
第1柱状部材12の側面12cに固定される。ステー用
ヒンジ92にはステー収容溝部122が形成され、この
ステー収容溝部122内にステー16の端部16aが嵌
合している。ステー収容溝部122の厚みはステー16
の厚みよりわずかに大きく、ステー16がステー収容溝
部122内で移動可能となる。
【0112】ステー用ヒンジ92およびステー16に
は、それぞれ支点ピン124を通すための支点穴12
6、128が形成される。支点ピン124はステー用ヒ
ンジ92の支点穴126に対して圧入固定され、ステー
16の支点穴128に対して貫通している。これにより
ステー16は支店ピン124周りに回動自在となる。
【0113】図21はロックヒンジ94近傍の構成を一
部破断して示す平面図であり、ロックヒンジ94にステ
ー16を係合させた状態を示している。図22は図18
のXX−XX線断面図である。図23はロックヒンジ9
4にステー16を係合させる前の状態を示す断面図であ
り、図22に対応している。
【0114】ロックヒンジ94は、第2柱状部材14の
長手方向において基準点部材35と第2傾斜角センサ5
4との間に設けられ(図8参照)、ネジ130により第
2柱状部材14の側面14cに固定される。ロックヒン
ジ94にはステー収容溝部132が形成され、このステ
ー収容溝部132の厚みはステー16の厚みよりわずか
に大きい。組み立て時にはステー16はB方向に回動さ
れてその自由端部16bがステー収容溝部132に収容
され、折畳み時にはステー16がA方向に回動させられ
ることにより自由端部16bがステー収容溝部132か
ら外れる。
【0115】ロックヒンジ94は鉛直方向に沿って相対
移動可能なロックピン136を備え、このロックピン1
36がステー16の自由端部16bに形成されたロック
穴150に挿入されることにより、自由端部16bはス
テー収容溝部132内に係止される。
【0116】図22においてステー収容溝部132の下
方にはロックピン136が貫通するための嵌合穴138
が形成される。ステー収容溝部132の上方にはロック
ピン136を収容するためのピン収容部137が形成さ
れ、ピン収容部137内には嵌合穴138と略同径、か
つ同軸を有する嵌合穴140が形成される。ピン収容部
137の上壁137aには嵌合穴140より直径の小さ
い開口141が形成される。
【0117】ロックピン136は頭部142と、嵌合穴
138および140と略同径を有する係合部144と、
頭部142および係合部144の間に設けられ、開口1
41と略同径の中間部146とを備える。嵌合穴140
内において中間部146の周囲にはバネ148が設けら
れる。バネ148は一端がピン収容部137の上壁13
7aに当接し、その他端が係合部144の上面144a
に当接する。バネ148は係合部144、即ちロックピ
ン136を鉛直下方に向かって付勢する。
【0118】ロックピン136は鉛直方向に沿って相対
移動可能であり、人手により頭部142を持ち上げる
と、上面144aの上昇に伴ってバネ148が圧縮し、
図23に示す位置にまで移動する。このとき係合部14
4の下端はステー収容溝部132の上方に位置し、ステ
ー16をステー収容溝部132へ挿入できる。
【0119】ステー16の端部16bには係合部144
の直径よりわずかに大きい直径を有するロック穴150
が形成される。自由端部16bの傾斜面16cは、ステ
ー収容溝部132内にステー16を挿入する際に、ガイ
ド部材134を押圧しながらガイド部材134に対して
摺動する。
【0120】ロックピン136を図23に示す位置に持
ち上げた状態で、ステー16をステー収容溝部132内
で摺動させて、ロック穴150の位置を嵌合穴138お
よび140に一致させる。一致後、持ち上げていた頭部
142を離すと、図22に示すようにロックピン136
はバネ148の付勢力によりロック穴150を貫通して
嵌合穴138に係合する。このとき頭部142はピン収
容部137の上壁137aにより係止され、ロックピン
136の下方への抜落ちが防止される。
【0121】このように、ロックピン136とロック穴
150とを嵌合させて、ステー16を第2柱状部材14
に固定させることにより、第1および第2柱状部材1
2、14をステー16により一体的に連結させることが
できる。
【0122】ステー収容溝部132は、第2柱状部材1
4の側面14cに平行な側面132aを有し、この側面
132aにはシート状のゴムあるいはスポンジ等の弾性
体であるガイド部材134が密着固定される。自由端部
16bの角部には長手方向の側面に対して傾斜している
傾斜面16cが形成され、ステー収容溝部132内にお
いてガイド部材134は傾斜面16cに当接すると共
に、傾斜面16cを側面132aから離間する方向(図
21の左方)に付勢する。なおガイド部材134は、ゴ
ムまたはスポンジの他、側面132aに平行に設けた板
部材を側面132aから離間する方向にバネで付勢する
構成にしてもよい。
【0123】制御部筐体20と第2柱状部材14との間
に弾性部材19を、またステー16と第2柱状部材14
との間にガイド部材134をそれぞれ設けているので、
第1および第2柱状部材12、14のステー16による
連結が安定し、ターゲット10の寸法精度が向上する。
【0124】第1および第2柱状部材12、14がステ
ー16によって連結された後、基準点部材31〜36に
無反射部材41〜46がそれぞれ取付けられて、ターゲ
ット10は図6に示す組立状態となり、写真測量に用い
られる。
【0125】組立状態において、ヒンジ15、ステー用
ヒンジ92、ロックヒンジ94、第1および第2ボール
プランジャ96、101、キーパー98の各部品は画像
に写らないように、無反射部材41〜46により覆われ
る。これにより基準点部材31〜36がより識別し易く
なり、写真測量の精度が向上する。
【0126】以上述べたように、本実施形態のターゲッ
ト10は傾斜角データを得るための第1および第2傾斜
角センサ52、54、方位データを得るための方位セン
サ86、およびこれらデータを固有データと共にカメラ
100へ送信するための送信機75および制御回路基板
84等の電子部品を密閉された制御部筐体20内部に設
けているので、防水性が向上すると共にこれら電子部品
が保護され衝撃等による破損が防止される。
【0127】さらに、アンテナ88がカバー82の内側
に所定のパターンに基づいて設けられ、カバー82が電
波を透過できる材料により形成されるので、効率よくか
つ確実にデータを送信できる。
【0128】
【発明の効果】本発明によると、センサ等の電子部品を
浸水や衝撃から保護すると共に、センサにより得られた
データを確実に送信できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態であるターゲットと、被写体
と、カメラとの位置関係を示す斜視図である。
【図2】図1に示すカメラにより第1カメラ位置で撮影
したときの第1画像を示す概念図である。
【図3】図1に示すカメラにより第2カメラ位置で撮影
したときの第2画像を示す概念図である。
【図4】図1に示すターゲットの基準点部材と、その像
点と、カメラの撮影レンズの後側主点位置との相対的な
位置関係を示す図である。
【図5】図2および図3に示す第1および第2画像か
ら、被写体の測量図を作成するための測量図作成ルーチ
ンを示すフローチャートである。
【図6】基準形状を含む平面に基づく3次元座標を示す
概念図である。
【図7】モニタ装置に表示される測量図の一例であっ
て、図1に示す写真測量用ターゲットおよび被写体の水
平面図を簡略化して示す図である。
【図8】図1に示すターゲットの一部を破断して示す平
面図である。
【図9】図8に示すターゲットの側面図である。
【図10】図8のX−X線におけるターゲットの断面図
である。
【図11】図8に示すターゲットの無反射部材の第2柱
状部材側の面を示す平面図である。
【図12】図8に示すターゲットの制御部筐体の近傍を
拡大して示す平面図であり、一部破断して示す図であ
る。
【図13】図10のXIII−XIII線における断面
図であり、制御部筐体の構成を簡略化して示す図であ
る。
【図14】図8に示すターゲットの制御部筐体の内部構
成を示す分解斜視図である。
【図15】図8に示すターゲットを折り畳んだ状態を示
す平面図である。
【図16】図8に示す組立状態から図15に示す折畳み
状態へ移行する途中経過を示すターゲットの平面図であ
る。
【図17】図8に示すターゲットの第1および第2柱状
部材の固定機構を示す図であり、図15のXVII−X
VII線における断面図である。
【図18】図8に示すターゲットのステーの固定機構を
示す図であり、図15のXVIII−XVIII線にお
ける断面図である。
【図19】図8に示すターゲットのステー用ヒンジ近傍
の構成を一部破断して示す平面図であり、図8の部分拡
大図である。
【図20】図19のXX−XX線における断面図であ
る。
【図21】図8に示すターゲットのロックヒンジ近傍の
構成を一部破断して示す平面図であり、図8の部分拡大
図である。
【図22】図8に示すターゲットのロックヒンジにステ
ーを係合させた状態を示す断面図であり、図21のXX
II−XXII線断面図である。
【図23】図8に示すターゲットのロックヒンジにステ
ーを係合させる前の状態を示す断面図である。
【符号の説明】
10 ターゲット 12 第1柱状部材 14 第2柱状部材 15 ヒンジ 16 ステー 20 制御部筐体 24a、24b コネクタ 31、32、33、34、35、36 基準点部材 41、42、43、44、45、46 無反射部材 75 送信機 84 制御回路基板 86 方位センサ 88 アンテナ 92 ステー用ヒンジ 94 ロックヒンジ
フロントページの続き (72)発明者 山本 清 東京都板橋区前野町2丁目36番9号 旭光 学工業株式会社内 (72)発明者 若代 滋 東京都板橋区前野町2丁目36番9号 旭光 学工業株式会社内 (72)発明者 佐々木 雅彦 東京都板橋区前野町2丁目36番9号 旭光 学工業株式会社内 (72)発明者 荒木 佳幸 東京都板橋区前野町2丁目36番9号 旭光 学工業株式会社内 (72)発明者 織田 洋 東京都板橋区前野町2丁目36番9号 旭光 学工業株式会社内 (72)発明者 鈴木 克佳 東京都板橋区前野町2丁目36番9号 旭光 学工業株式会社内 (72)発明者 岩山 剛美 東京都板橋区前野町2丁目36番9号 旭光 学工業株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空に形成され、水平方向に沿って延び
    る上面および底面を有し、少なくとも3個の視認用指標
    部材を同一平面上おいて所定の相対位置関係に定める柱
    状部材と、 前記柱状部材の内部に実質的に水平に設けられ、写真測
    量に用いるデータを無線により送信する送信部を備えた
    制御回路基板と、 前記制御回路基板を挿入するために前記柱状部材の上面
    に形成された開口を密閉し、電波が透過可能な材料から
    形成されるカバーと、 前記柱状部材の底面に対向する前記カバーの裏面に設け
    られるアンテナと、 前記制御回路基板と前記カバーとの間に設けられ、前記
    制御回路基板と前記アンテナとを電気的に接続するとと
    もに、前記制御回路基板を前記カバーに対して所定の距
    離だけ離れた位置に保持するコネクタとを備えることを
    特徴とする写真測量用ターゲット。
  2. 【請求項2】 前記アンテナが所定のパターンに基づい
    て形成されることを特徴とする請求項1に記載の写真測
    量用ターゲット。
  3. 【請求項3】 前記アンテナが前記カバーの裏面をエッ
    チングすることによって形成されることを特徴とする請
    求項2に記載の写真測量用ターゲット。
  4. 【請求項4】 前記アンテナが前記カバーの裏面をメッ
    キすることによって形成されることを特徴とする請求項
    2に記載の写真測量用ターゲット。
  5. 【請求項5】 前記アンテナが前記カバーの裏面への印
    刷によって形成されることを特徴とする請求項2に記載
    の写真測量用ターゲット。
  6. 【請求項6】 前記写真測量に用いるデータが、前記視
    認用指標部材の相対位置関係を示す相対座標データと、
    前記視認用指標部材によって定められた基準平面上に設
    定され互いに直交する2軸周りの水平面に対する傾斜角
    データと、方位データとを含むことを特徴とする請求項
    1に記載の写真測量用ターゲット。
  7. 【請求項7】 前記柱状部材が、第1柱状部材と、この
    第1柱状部材の一端部に回転自在に連結された端部を有
    し前記第1柱状部材に対して垂直に固定可能な第2柱状
    部材とを備え、前記視認用指標部材が前記第1および第
    2柱状部材の上面において、前記第1および第2柱状部
    材の長手方向に平行な線に沿って固定されることを特徴
    とする請求項6に記載の写真測量用ターゲット。
  8. 【請求項8】 前記第1および第2柱状部材の内部にそ
    れぞれ設けられる第1および第2傾斜角センサによっ
    て、各柱状部材の長手方向周りの水平面に対する傾斜角
    がそれぞれ検出され、前記傾斜角データが検出された2
    つの傾斜角に基づいて求められることを特徴とする請求
    項7に記載の写真測量用ターゲット。
  9. 【請求項9】 前記制御回路基板を前記柱状部材の底面
    に対して所定距離だけ離れた位置において支持する支持
    部材が設けられることを特徴とする請求項1に記載の写
    真測量用ターゲット。
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JPWO2005040721A1 (ja) * 2003-10-29 2007-04-19 岩根 和郎 3d自動測量装置
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