JP2000111342A - 写真測量用ターゲット - Google Patents

写真測量用ターゲット

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JP2000111342A
JP2000111342A JP10280919A JP28091998A JP2000111342A JP 2000111342 A JP2000111342 A JP 2000111342A JP 10280919 A JP10280919 A JP 10280919A JP 28091998 A JP28091998 A JP 28091998A JP 2000111342 A JP2000111342 A JP 2000111342A
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JP10280919A
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Masami Shirai
雅実 白井
Atsumi Kaneko
敦美 金子
Kiyoshi Yamamoto
山本  清
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Pentax Corp
Original Assignee
Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 写真測量用ターゲットの携帯性を向上させ、
かつ無線送信の範囲を広げる。 【解決手段】 ターゲット10の第1の柱状部材12に
制御部筐体20を一体的に固定する。第2の柱状部材1
4を制御部筐体20の側面20cに、ヒンジ15により
回動可能に取付ける。第1および第2の柱状部材12、
14および制御部筐体20に6つの基準点部材31、3
2、33、34、35、36を設け、それらの周囲に無
反射部材41、42、43、44、45、46をそれぞ
れ磁力により密着固定する。ターゲット10に2つの傾
斜角センサ52、54と、方位センサ86とを設ける。
無反射部材44にアンテナを設け、傾斜角センサ52、
54と方位センサ86との測定データをアンテナから無
線方式で送信する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、写真測量の撮影に
おいて基準尺として用いられる写真測量用ターゲットに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、交通事故現場等で行われる写真測
量において、被写体は例えばスチルカメラでもって2箇
所から撮影される。この撮影により得られた撮影画像か
ら被写体の2次元座標が読取られ、これら2次元座標に
基づいて被写体の3次元座標が求められる。この被写体
の3次元座標から、交通事故現場の測量図が作成され
る。
【0003】このような写真測量では、測量図を作成す
るための基準尺と基準平面とが必要である。従来、かか
る基準尺および基準平面を得るために、例えば3つの円
錐状マーカが撮影現場に設置される。3つの円錐状マー
カの先端で決定される面が基準平面に規定され、またこ
の先端である基準点間の距離が巻尺等で実測されてその
距離が基準尺とされる。基準平面は仮想的な水平面とみ
なされる。しかし、円錐状マーカを載置する道路面に凹
凸があったり、また道路面自体が傾斜していると、基準
平面が水平面に対して平行にならず、精密な測量図が得
られないこととなる。
【0004】このような問題を解決するものとして、例
えば特開平10−185563号公報に示すように、三
角形の枠材およびその枠材の上に固定された三角板を有
する写真測量用ターゲットを3つの円錐状マーカの替り
に撮影現場に設置し、三角板の3個の頂点に設けられた
基準点部材間の距離を基準尺とし、3個の基準点部材で
決定される平面を基準平面とする写真測量が開示されて
いる。写真測量用ターゲットには傾斜角センサおよび送
信部が内蔵される。傾斜角センサにより水平面に対する
基準平面の傾斜角が測定され、この傾斜角のデータは外
部のコンピュータ等に無線方式により送信される。この
コンピュータにおいて傾斜角のデータに基づいて基準平
面の補正が行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような写
真測量用ターゲットは写真測量に用いるためにはある程
度の大きさが必要であり、このため携帯性が悪いことが
問題である。携帯性を向上させるために、例えば枠材を
折畳み可能にし、枠材に傾斜角センサや送信部を内蔵さ
せる構成が考えられる。しかし、この場合枠材内蔵の送
信部からの電波送信範囲が小さくなることが問題であ
る。
【0006】本発明はこの様な点に鑑みてなされたもの
であり、携帯性がよく、かつ広範囲に無線送信が行える
写真測量用ターゲットを得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による写真測量用
ターゲットは、互いに連結された第1および第2の柱状
部材と、これらの柱状部材に固定され、同一平面上に位
置する少なくとも3個の基準点部材と、前記基準点部材
にそれぞれ設けられ、光の反射が抑えられた無反射部材
と、第1または第2の柱状部材に設けられ、少なくとも
基準点が位置する平面の水平面に対する傾斜角を測定す
るためのセンサと、センサにより測定されたデータに基
づいて、所定の信号をアンテナを介して電波により外部
の受信装置に向かって送信する制御部とを備え、このア
ンテナが無反射部材に設けられることを特徴としてい
る。
【0008】写真測量用ターゲットにおいて、好ましく
は、基準点部材と無反射部材との少なくとも一方が、第
1および第2の柱状部材に着脱自在である。この場合、
基準点部材および無反射部材が第1または第2の柱状部
材に装着されることにより、制御部とアンテナとが導通
する。
【0009】写真測量用ターゲットにおいて、好ましく
は、無反射部材が電波を透過可能な材料で構成される。
【0010】写真測量用ターゲットにおいて、基準点部
材が第1または第2の柱状部材に一体的に固定され、無
反射部材が基準点部材に着脱自在であってもよい。さら
に基準点部材に磁石と制御部に導通する金属製の磁石保
持部材とが設けられ、無反射部材にアンテナと接続され
る金属板部が設けられてもよく、この場合、金属板部が
磁石保持部材に磁力により吸着されることにより、無反
射部材が基準点部材に取付けられると共に、制御部とア
ンテナとが導通する。
【0011】写真測量用ターゲットにおいて、基準点部
材および無反射部材が互いに一体的に固定され、基準点
部材および無反射部材が第1および第2の柱状部材に着
脱自在であってもよい。さらに、基準点部材が金属から
形成されかつアンテナと接続され、第1または第2の柱
状部材に制御部に導通する金属板バネが一体的に設けら
れてもよく、この場合基準点部材と金属板バネとが係合
することにより、基準点部材および無反射部材が第1ま
たは第2の柱状部材に取付けられると共に、制御部とア
ンテナとが導通する。
【0012】写真測量用ターゲットにおいて、好ましく
は、第1および第2の柱状部材が互いの端部において回
動可能に連結され、使用時には第1および第2の柱状部
材が互いに垂直に固定され、不使用時には第1および第
2の柱状部材が互いに平行に固定される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明による写真測量用タ
ーゲットの実施形態について添付図面を参照して説明す
るが、まず写真測量用ターゲットを用いる写真測量の一
例について簡単に説明する。
【0014】図1には、写真測量用ターゲット10と、
被写体である立方体102と、カメラ100との位置関
係が示される。立方体102およびターゲット10は、
カメラ100によって第1のカメラ位置M1 および第2
のカメラ位置M2 の双方の箇所で撮影される。第1のカ
メラ位置M1 および第2のカメラ位置M2 は、それぞれ
カメラ100の撮影レンズの後側主点位置として定義さ
れる。第1のカメラ位置M1 は実線で示され、第2のカ
メラ位置M2 は破線で示される。それぞれのカメラ位置
1 、M2 での光軸は一点鎖線O1 およびO2 で示され
る。
【0015】ターゲット10は2本の柱状部材が連結さ
れたL字型を呈している。ターゲット10上には7個の
基準点部材が設けられるが、図の複雑化を避けるために
頂点である3個の基準点部材のみが説明に用いられる。
これら3個の頂点は基準点部材P1 、P2 およびP3
される。基準点部材P1 、P2 およびP3 によって決定
される平面は基準平面とされ、基準点部材P1 と基準点
部材P2 との間の距離が基準尺Lとして示される。な
お、基準点部材P1 およびP2 間の距離と、基準点部材
2 およびP3 間の距離とは等しく、辺P1 2 と辺P
2 3 とがなす角は90度である。
【0016】図2(a)には第1のカメラ位置M1 で撮
影された画像、即ち第1の画像が示され、図2(b)に
は第2のカメラ位置M2 で撮影された画像、即ち第2の
画像が示される。第1の画像には第1の2次元直交座標
系(x1 , 1 )が設定され、その座標原点は第1の画
像の撮像中心c1 とされる。図2(a)から明らかなよ
うに、第1の画像では、基準点部材P1 、P2 およびP
3 の像点はそれぞれ座標p11(px11, py11)、p12
(px12, py12)、p13(px13, py13)で示され
る。
【0017】第2の画像に対しても第2の2次元直交座
標系(x2 , 2 )が設定され、その座標原点も第2の
画像の撮像中心c2 とされる。図2(b)から明らかな
ように、第2の画像では、基準点部材P1 、P2 および
3 の像点はそれぞれ座標p 21(px21, py21)、p
22(px22, py22)、p23(px23, py23)で示さ
れる。
【0018】第1および第2の画像上での基準点部材P
1 、P2 およびP3 のそれぞれの座標については、pij
(pxij,pyij)として表すことができる。ここで、
変数iは画像の枚数を示し、i=1は図2(a)の第1
の画像に対応し、i=2は図2(b)の第2の画像に対
応する。また、変数jは基準点部材Pj の数に一致し、
本実施形態ではj=1,2,3である。
【0019】図3には、カメラ100による撮影時の第
1および第2の画像と、ターゲット10との間の位置関
係が相対的に示される。このとき、ターゲット10上の
基準点部材P1 と基準点部材P2 との間の距離も相対的
な長さとなっており、この長さはL’として示されてい
る。なお、基準点部材P1 、P2 およびP3 により規定
される基準平面は、図中ハッチング領域で示される。
【0020】ここで、第1および第2の画像に基づいて
立方体102の3次元位置を特定するために、3次元直
交座標系(X,Y,Z)が適宜設定される。図3におい
ては、この3次元直交座標系は右手系であり、その座標
原点は第1のカメラ位置M1に一致させられ、またその
Z軸は第1のカメラ位置M1 における光軸O1 に一致さ
せられる。
【0021】このとき、第2のカメラ位置M2 の3次元
座標は(Xo,Yo,Zo)で示され、この3次元座標
は第1のカメラ位置M1 に対する第2のカメラ位置M2
の変位量を示す。また、第2のカメラ位置M2 での光軸
2 の3次元角度座標が(α,β,γ)で示され、この
3次元角度座標は光軸O1 に対する光軸O2 の回転角度
を表す。即ち、αは3次元直交座標系のX軸と成す角度
を示し、βは3次元直交座標系のY軸と成す角度を示
し、γは3次元直交座標系のZ軸と成す角度を示す。
【0022】また、図3では3次元直交座標系(X,
Y,Z)における3個の基準点部材P 1 、P2 およびP
3 の3次元座標のそれぞれについては、P1 (PX1
PY1,PZ1 )、P2 (PX2 ,PY2 ,PZ2 )お
よびP3 (PX3 ,PY3 ,PZ3 )で示され、これら
3次元座標についてはPj (PXj ,PYj ,PZj
(j=1,2,3)として表すことができる。
【0023】図3から明らかなように、各基準点部材P
j と、その第1または第2の画像上の像点pijと、第1
および第2のカメラ位置M1 、M2 とは一直線上にあ
る。従って、3次元座標Pj (PXj ,PYj ,P
j )については、以下の(1)式に示す共線方程式を
用いて求めることができる。
【0024】
【数1】
【0025】なお、上記(1)式中のCは、カメラ10
0の撮影レンズの主点距離(焦点距離)であり、第1お
よび第2の画像において同じである。即ち、主点距離C
は第1のカメラ位置(後側主点位置)M1 と撮像中心c
1 との距離、あるいは第2のカメラ位置(後側主点位
置)M2 と撮像中心c2 との距離である。
【0026】図4のフローチャートを参照して、第1お
よび第2の画像に基づいて測量図を作成するための測量
図作成ルーチンについて説明する。この測量図作成ルー
チンは、第1および第2の画像をビデオデータとして取
り込んだコンピュータによって実行され、このときこの
コンピュータに接続されたモニタ装置の表示画面上には
第1および第2の画像(図2(a)および図2(b))
が表示される。
【0027】まず、ステップS101では、上述した共
線方程式(1)における未知変量、即ち第1のカメラ位
置M1 に対する第2のカメラ位置M2 の変位量(Xo,
Yo,Zo)並びに光軸O1 に対する光軸O2 の回転角
(α,β,γ)に対して、0を除く適当な値が初期値と
してコンピュータに入力される。コンピュータへの入力
は例えばキーボードの操作により行われる。
【0028】ステップS102では、モニタ装置に表示
された第1および第2の画像上における基準点部材Pj
の像点の互いに対応した2次元座標p1j(px1j,py
1j)およびp2j(px2j,py2j)が順次コンピュータ
に入力される。なお、2次元座標p1j(px1j,p
1j)およびp2j(px2j,py2j)の入力について
は、例えばマウスを操作して、モニタ装置の第1および
第2の画像上のそれぞれの基準点部材Pj の像点をカー
ソルで指定してクリックすることにより行われる。
【0029】ステップS103では、カウンタkに初期
値として1が与えられる。次にステップS104では、
被写体である立方体102上の任意の物点Qk=1 (図
1)が選択され、モニタ装置に表示された第1および第
2の画像上における物点Qk=1の像点の互いに対応した
2次元座標q1k(qx1k,qy1k)およびq2k(q
2k,qy2k)が順次コンピュータに入力される。な
お、2次元座標q1k(qx1k,qy1k)およびq2k(q
2k,qy2k)の入力についても、マウスを操作して、
モニタ装置の第1および第2の画像上におけるそれぞれ
の物点Qk=1 の像点をカーソルで指定してクリックする
ことにより行われる。
【0030】物点Qk=1 と、第1および第2の画像上に
おける物点Qk=1 の像点と、第1および第2のカメラ
位置M1 、M2 との間の位置関係は、図3に示す各基準
点部材Pj と、その第1または第2の画像上の像点pij
と、第1および第2のカメラ位置M1 、M2 との位置関
係と同様であり、物点Qk=1 と物点Qk=1 の像点と、第
1および第2のカメラ位置M1 、M2 とは一直線上にあ
る。従って、物点Qk= 1 の3次元座標Q1 (QX1 ,Q
1 ,QZ1 )は、(1)式を用いて求めることができ
る。
【0031】ステップS105では、2次元座標p
1j(px1j,py1j)およびp2j(px 2j,py2j)と
2次元座標q1k(qx1k,qy1k)およびq2k(q
2k,qy2k)の入力データに基づいて、上述した共線
方程式(1)が逐次近似解法により解かれる。これによ
り、各基準点部材Pj (j=1,2,3)の3次元座標
j (PXj ,PYj ,PZj )と、物点Qk=1 の3次
元座標Q1 (QX1 ,QY1 ,QZ1 )と、未知変量
(Xo,Yo,Zo)および(α,β,γ)とが近似的
に求められる。
【0032】逐次近似解法とは、前述の共線方程式にお
いて未知変量(Xo,Yo,Zo)および(α,β,
γ)に初期値を与え、この初期値の周りにテーラー展開
して線形化し、最小二乗法により未知変量の補正量を求
める手法である。このような近似演算を繰り返すことに
より、未知変量の一層誤差の少ない近似値が求められ
る。
【0033】要するに基準点部材Pj (j=1,2,
3)の3次元座標Pj (PXj ,PY j ,PZj )を、
第1の画像における基準点部材Pj の2次元座標p
1j(px1j,py1j)と、第2の画像における基準点部
材Pj の2次元座標p2j(px2j,py2j)とに基づい
て求め、かつ物点Qk=1 の3次元座標Q1 (QX1 ,Q
1,QZ1 )を、第1の画像における物点Qk=1 の2
次元座標q1k(qx1k,qy 1k)と、第2の画像におけ
る物点Qk=1 の2次元座標q2k(qx2k,qy2k)とに
基づいて求めることにより、第2のカメラ位置M2 の変
位量(Xo,Yo,Zo)および光軸O2 の回転角
(α,β,γ)についての近似値が求められる。
【0034】ステップS106では、座標値による相対
的な距離を実際の距離に補正するための補正倍率mが求
められる。この演算には既知の長さ、例えば基準点部材
1と基準点部材P2 との間の距離が用いられる。基準
点部材P1 と基準点部材P2との間の実際の距離はL
(図1参照)であることから、3次元直交座標系(X,
Y,Z)における基準点部材P1 と基準点部材P2 との
距離L’(図3参照)と実際の距離Lとの間には次の関
係式が成り立つ。
【0035】 L=L’×m (m:補正倍率)
【0036】ステップS107では、上述の補正倍率を
用いてスケーリングが行われ、これにより基準点部材P
j の3次元座標Pj (PXj ,PYj ,PZj )および
物点Qk=1 の3次元座標Q1 (QX1 ,QY1 ,Q
1 )間で、実測値に基づく配置関係が得られることに
なる。
【0037】ステップS108では、3次元直交座標系
(X,Y,Z)が、図5に示すような3次元直交座標系
(X’,Y’,Z’)に座標変換される。同図から明ら
かなように、3次元直交座標系(X’,Y’,Z’)の
座標原点は基準点部材P1 に一致させられ、そのX’軸
は基準点部材P1 およびP2 を結ぶ直線に一致させら
れ、さらにX’−Z’平面が基準平面(図中、ハッチン
グ領域として示される)を含む平面Psに一致させられ
る。なお、3次元直交座標系(X’,Y’,Z’)の座
標原点として基準点部材P1 が選ばれたが、平面Ps上
の任意の点であれば、3次元直交座標系(X’,Y’,
Z’)の座標原点とし得る。
【0038】ステップS109では、X’−Z’平面が
測量図としてモニタ装置に表示され、このときX’−
Z’平面即ち測量図には、基準点部材P1 、P2 および
3 と共に物点Qk=1 の投影点が表示される。なお、測
量図はX’−Z’平面に限定されることはなく、X’−
Y’平面あるいはY’−Z’平面とすることもできる
し、さらには3次元直交座標系(X’,Y’,Z’)に
基づく立体斜視図とすることもできる。
【0039】ステップS110では、立方体102に対
して他の物点が選択されるか否かが判定され、他の物点
が更に選択される場合には、ステップS111に進み、
そこでカウンタkのカウンタ値が“1”だけカウントア
ップされる。その後ステップS104に進み、そこでモ
ニタ装置に表示された第1および第2の画像上における
物点Qk=2 (図示せず)の像点の互いに対応した2次元
座標q1k(qx1k,qy1k)およびq2k(qx2k,qy
2k)がコンピュータに入力される。
【0040】ステップS105では2次元座標p1j(p
1j,py1j)およびp2j(px2j,py2j)と、2次
元座標q1k(qx1k,qy1k)およびq2k(qx2k,q
2k)との入力データに基づいて、上述した共線方程式
(1)が逐次近似解法により解かれる。これにより、各
基準点部材Pj (j=1,2,3)の3次元座標P
j(PXj ,PYj ,PZj )と、物点Qk (k=1,
2)の3次元座標Qk (QXk ,QYk ,QZk )と、
未知変量(Xo,Yo,Zo)および(α,β,γ)と
が近似的に求められる。このとき得られる未知変量(X
o,Yo,Zo)および(α,β,γ)の近似値は、前
回より一層近似されたものとなる。
【0041】要するに、物点Qk の数を増やせば増やす
ほど、未知変量(Xo,Yo,Zo)および(α,β,
γ)の近似値は実際の値に近づくこととなる。ある程度
の近似値を得るためには基準点部材P1 、P2 およびP
3 を含めて少なくとも5点必要である。
【0042】図6および図7には、写真測量用ターゲッ
トの第1実施形態が示される。図6は写真測量用ターゲ
ットの一部破断した平面図であり、図7はその側面図で
ある。
【0043】ターゲット10はL字型を呈しており、2
本の柱状部材12、14を備える。第1の柱状部材12
および第2の柱状部材14は金属材料から形成され、内
部が中空の四角柱形状を呈しており、それらの全外周面
には無反射シートが貼付される。第1の柱状部材12お
よび第2の柱状部材14の幅は概略同じ長さLw であ
り、またそれぞれの厚みは共に同じ長さLH である。
【0044】無反射シートは第1および第2の柱状部材
12、14に密着する面には接着剤が塗布され、反対側
の面は黒色であり、表面に細かい凹凸が形成される。こ
の凹凸面において入射光が吸収拡散されることにより、
反射光量が極めて減少させられる。なお、無反射シート
の代わりに、例えばつや消しの黒色塗料等の無反射塗料
を第1および第2の柱状部材12、14の表面に塗布し
てもよい。
【0045】第1の柱状部材12の一方の端面12aに
は、直方体の制御部筐体20が一体的に固定される。制
御部筐体20は金属材料から形成され、その全外周面に
は無反射シートが貼付される。制御部筐体20におい
て、その厚みは第1の柱状部材12の厚みと同じ長さL
H であり、またその幅は第1の柱状部材12の幅Lw
約2倍である。制御部筐体20はその側面20bが第1
の柱状部材12の側面12bと同一平面上に位置してお
り、制御部筐体20の側面20cは第1の柱状部材12
の側面12cから段状に突出している。
【0046】制御部筐体20の側面20cには、第2の
柱状部材14がヒンジ15により回動可能に取付けら
れ、第2の柱状部材14の端面14aが密着している。
第2の柱状部材14の側面14bは、制御部筐体20の
第1の柱状部材12が設けられる面の反対側の端面20
dと同一平面上に位置する。
【0047】第2の柱状部材14の側面14cと制御部
筐体20の側面20cとが成す角α、即ち2本の柱状部
材12および14の軸心AおよびB(図中、二点鎖線で
示す)が成す鋭角側には固定部材であるステー16が連
結され、これにより2本の柱状部材12および14は互
いに固定される。ステー16はその幅および厚みはそれ
ぞれ第1および第2の柱状部材12、14の幅Lw およ
び厚みLH より小さい。またステー16の長手方向長さ
は第1の柱状部材12の長手方向長さより短い。
【0048】ステー16は2本の柱状部材12、14に
対してそれぞれ傾斜して設けられ、このとき第2の柱状
部材14の第1の柱状部材12に対して成す角度αは9
0度である。ステー16はステー用ヒンジ92により第
1の柱状部材12に回動可能に固定され、ロックヒンジ
94により第2の柱状部材14に対して着脱自在であ
る。
【0049】ターゲット10の上面、即ち2本の柱状部
材12、14および制御部筐体20の上面には6個の基
準点部材31、32、33、34、35、36が同一平
面上に設けられる。基準点部材31、32、33は第1
の柱状部材12の上面12eに設けられ、基準点部材3
4は制御部筐体20の上面20eに設けられ、基準点部
材35、36は第2の柱状部材14の上面14eに設け
られる。なお、図1における基準点部材P1 、P2 およ
びP3 は、それぞれ基準点部材34、31および36に
一致する。
【0050】各基準点部材31、32、33、34、3
5、36は円板状を呈しており、それらの直径は全て同
じであり、かつ柱状部材12、14の幅Lw より小さ
い。基準点部材31、32、33、34は軸心A方向に
平行な直線上に設けられ、隣り合う各基準点部材31、
32、33、34間の距離はそれぞれ等しい。同様に、
基準点部材34、35、36は軸心B方向に平行な直線
上に設けられ、隣り合う各基準点部材34、35、36
間の距離はそれぞれ等しい。また、基準点部材31から
基準点部材34までの距離と、基準点部材34から基準
点部材36までの距離とは等しい。
【0051】基準点部材31、32、33、34、3
5、36によって、写真測量の基準平面が定められ、同
時に基準点部材31、34、36を頂点とする二等辺三
角形の辺長さが基準尺として定められる。即ち、基準点
部材31から基準点部材34までの距離(図1に示す長
さL)、あるいは基準点部材34から基準点部材36ま
での距離、あるいは基準点部材36から基準点部材31
までの距離が既知であり、これらが基準尺として写真測
量に用いられる。
【0052】なお、角度αは90度に限定されず、また
基準点部材31および34間の距離と、基準点部材34
および36間の距離とは、等しくなくてもよい。角度α
と、基準点部材31および34間の距離と、基準点部材
34および36間の距離とは、既知の数値であればよい
が、計算処理の簡便さを考慮した場合、上述のように角
度αが90度で、基準点部材31および34間の距離
と、基準点部材34および36間の距離とが等しいこと
が好ましい。
【0053】図6から明らかなように、二等辺三角形の
長さの等しい2辺において基準点部材の数が異なってい
るため、ターゲット10の向きが容易に判別でき、被写
体が同一の撮影画像が多数ある場合に、そのカメラ位置
が容易に想定できる。また、ステー16により第1およ
び第2の柱状部材12、14の中間が互いに連結固定さ
れるので、角度αが正確に規定され、写真測量の精度が
向上する。
【0054】さらに、ヒンジ15の取付によって生じる
制御部筐体20の側面20cと第2の柱状部材14の端
面14aとの間隙にはシート状の弾性部材19が設けら
れ(図11参照)、これにより第2の柱状部材14のガ
タつきが防止される。弾性部材19はゴムやスポンジ等
から形成され、第2の柱状部材14の端面14aまたは
側面20cに密着固定される。なお、シート状の弾性部
材19の代わりにバネ部材を設けてもよい。
【0055】基準点部材31、32、33、34、3
5、36には反射シートが貼付される。反射シートの表
面は滑らかに加工され、白色を呈している。これにより
光の反射量が増加する。各基準点部材31、32、3
3、34、35、36の周りには、無反射シートが貼付
された円板部材である無反射部材41、42、43、4
4、45、46がそれぞれ設けられる。これにより撮影
画像における基準点部材31、32、33、34、3
5、36の識別が容易になり、写真測量の精度を向上さ
せることができる。
【0056】ターゲット10は2つの傾斜角センサ5
2、54を備え、これらの傾斜角センサ52、54によ
り直交する2本の軸心A、Bに関する傾斜角がそれぞれ
測定される。第1の傾斜角センサ52は、第1の柱状部
材12の内部であってかつ基準点部材32および33間
に設けられる。第1の傾斜角センサ52によって、水平
面に対する軸心A周りの傾斜角が測定される。第2の傾
斜角センサ54は、第2の柱状部材14の内部であって
かつ基準点部材34および35間に設けられる。第2の
傾斜角センサ54によって、水平面に対する軸心B周り
の傾斜角が測定される。
【0057】第1および第2の傾斜角センサ52、54
は、ケーブルによって制御部筐体20に接続される。図
6には第2の傾斜角センサ54と制御部筐体20とを接
続するケーブル17のみを示す。第1および第2の傾斜
角センサ52、54によって測定された軸心AおよびB
周りの傾斜角データは、制御部筐体20に送信される。
【0058】直交する2本の軸心A、B周りの傾斜角が
測定されることにより、軸心A、Bにそれぞれ平行であ
る基準平面の水平面に対する傾斜角が得られる。従っ
て、上述した写真測量において、基準平面であるX’−
Z’平面から水平面に座標変換することができ、水平面
を測量図としてモニタ表示することができる。即ち、道
路面が傾斜している、あるいは基準平面が道路面に対し
て平行でない場合でも、水平面に基づいた精密な測量図
が得られる。なお、X’−Z’平面から水平面への座標
変換は公知の手法であり、ここでは詳述しない。
【0059】ターゲット10は、基準点部材31、3
2、33、34、35、36が設けられる面の反対側の
面に3本の脚18を備える。図7には2本の脚18のみ
を示す。脚18は基準点部材31、34、36に対応し
て設けられる。ターゲット10は道路面に対して脚18
の長さ分だけ離れて載置され、これにより道路上の凹凸
の影響を受けずに道路面に対して平行に設置される。
【0060】制御部筐体20の内部において、端面20
d側には電池収納室(図示せず)が設けられる。電池収
納室にはターゲット10の電源である電池(図示せず)
が収納される。電池収納室は端面20d側に開口を有
し、蓋部83aにより閉密される。制御部筐体20の端
面20dからスイッチ85が突出しており、このスイッ
チ85の手動操作により電源のオン、オフが切換えられ
る。
【0061】制御部筐体20の内部には制御基板84
と、方位を検出する方位センサ86とが設けられる。制
御基板84には、方位センサ86および前述した第1お
よび第2の傾斜角センサ52、54が接続され、これら
3つのセンサ86、52、54の動作は制御基板84に
より制御される。
【0062】方位センサ86は基準点部材33と基準点
部材34との中間に設けられる。方位センサ86は通
常、周囲の磁性材料、例えば制御部筐体20および電池
等の影響を受ける。さらに基準点部材33、34には無
反射部材43、44が磁力により密着固定されるため、
この磁力の影響をも受ける。このため、検出された方位
角度が不正確になり、補正を施す必要がある。しかし、
上述したように方位センサ86は基準点部材33と基準
点部材34との中間に設けられており、この位置では基
準点部材33および34の周囲に発生する磁力が互いに
打消し合うため、双方の磁力の影響を最も受け難い。
【0063】方位センサ86によって方位が測定される
ことにより、上述した写真測量において、例えば基準平
面であるX’−Z’平面のZ’軸を北の方向に定めるこ
とができる。従って、例えば交通事故現場が広範囲に渡
る場合、複数の撮影現場に分割して写真測量が行われる
が、各撮影現場毎に得られた複数の測量図のZ’軸をそ
れぞれ北の方向に定めておけば、各測量図を容易にかつ
正確に連結させることができる。
【0064】3つのセンサ86、52、54は、スイッ
チ85のオンにより電源が投入されると、制御基板84
から出力される制御パルスに従って一定時間毎に方位あ
るいは傾斜角を測定するとともに、制御基板84に測定
データを出力する。制御基板84において、方位センサ
86から出力された方位データおよび第1および第2の
傾斜角センサ52、54から出力された傾斜角データ
は、補正等の所定の処理が施された後に、コンピュータ
等に設けられた受信装置に向かって電波で無線送信され
る。
【0065】図示しないが、例えば受信装置をデジタル
カメラに設け、このデジタルカメラによって、受信した
方位データおよび傾斜角データを撮影画像と共に記録媒
体等に記録し、この記録媒体等を介してコンピュータに
入力すれば、コンピュータにおける撮影画像の処理がよ
り迅速に行え、精密な測量図が容易に得られる。
【0066】図8はターゲット10を折り畳んだ状態を
示す平面図である。ターゲット10は、写真測量時には
図6に示すようにL字型に組立てられて用いられるが、
不使用時、例えば運搬時等には図12に示すようにI字
型に折り畳まれる。まず無反射部材41、42、43、
44、45、46が取外され、次いでステー16が第2
の柱状部材14のロックヒンジ94から取外される。こ
れにより、ステー16は第1の柱状部材12のステー用
ヒンジ92周りに回動自在となり、第2の柱状部材14
はヒンジ15周りに回動自在となる。
【0067】さらに、ステー16および第2の柱状部材
14を時計周りに回動させ、ステー16および第2の柱
状部材14を第1の柱状部材12に略平行にさせる。こ
のとき、ステー16は第1の柱状部材12と第2の柱状
部材14との間隙D内に収納される。
【0068】次にステー16および第2の柱状部材14
は、それぞれの端部において第1の柱状部材12に固定
され、第1の柱状部材12に対して回動自在なために不
用意に開くことが防止され、故障や破損等が回避され
る。
【0069】第1の柱状部材12の側面12cには第1
および第2の固定部材96、101が形成される。第1
の固定部材96には第2の柱状部材14の側面14cに
形成されたキーパー98が係合し、これにより第1の柱
状部材12と第2の柱状部材14とが互いに固定され
る。また、第2の固定部材101にはステー16の先端
に形成された収納用固定穴102が係合し、これにより
ステー16は第1の柱状部材12に固定される。
【0070】図8に示す折畳み状態から図6に示す組立
状態へ移行するには、まず第1の固定部材96とキーパ
ー98との係合、および第2の固定部材101とステー
16との係合を解除する。次に第2の柱状部材14をヒ
ンジ15を中心に約90度回動させ、端面14aに設け
られた弾性部材19を制御部筐体20の側面20cに当
接させる。次いで、ステー16をステー用ヒンジ92を
中心に回動させ、端部をロックヒンジ94に係合させて
第1および第2の柱状部材12、14を連結固定する。
【0071】第1および第2の柱状部材12、14がス
テー16によって連結された後、基準点部材31、3
2、33、34、35、36に無反射部材41、42、
43、44、45、46がそれぞれ取付けられて、ター
ゲット10は図6に示す組立状態となり、写真測量に用
いられる。
【0072】組立状態において、ヒンジ15、ステー用
ヒンジ92、ロックヒンジ94、第1および第2の固定
部材96、101、キーパー98の各部品は撮影画像に
写らないように、無反射部材41、42、43、44、
45、46により覆われる。これにより基準点部材3
1、32、33、34、35、36がより識別し易くな
り、写真測量の精度が向上する。
【0073】図9および図10を参照して、基準点部材
35および無反射部材45の構成について説明する。図
9は、図6のIX−IX線断面におけるターゲット10
の断面図である。図10は無反射部材45の第2の柱状
部材14側の面を示す平面図である。他の基準点部材3
1、32、33、36および無反射部材41、42、4
3、46は、基準点部材35および無反射部材45と同
様の構成であるのでここでは説明を省略する。
【0074】第2の柱状部材14の上面14eには磁石
保持部材62が設けられ、この磁石保持部材62の内部
には環状の磁石64が収納される。磁石保持部材62の
外径は第2の柱状部材14の幅Lw と略同じ長さであ
る。磁石64は磁石保持部材62とともに、ネジ部材6
6により第2の柱状部材14に一体的に固定される。ネ
ジ部材66の頭部67には反射シート68が貼付され
る。これら磁石保持部材62、磁石64、ネジ部材66
および反射シート68により、基準点部材35が構成さ
れる。
【0075】無反射部材45は、電波が透過できる材
料、例えば樹脂あるいはゴムから形成された円板72を
備える。円板72の材料がゴムの場合、無反射部材45
の落下による破損が防止される。円板72の一方の面に
は無反射シート74が貼付される。無反射部材45の直
径はこの実施形態においては、基準点部材35、即ちネ
ジ部材頭部67の直径の約7倍である。また、無反射部
材45の厚みはネジ部材66の頭部67の厚みよりわず
かに小さい。
【0076】無反射部材45の中央には、ネジ部材66
の頭部67と略同径の嵌合穴76が形成される。無反射
部材45の無反射シート74が設けられていない面にお
いて、嵌合穴76の周囲には環状の鉄板78が埋込まれ
ている。鉄板78の内径は嵌合穴76の直径と略等し
く、その外径は磁石保持部材62の外径と略等しい。
【0077】無反射部材45は基準点部材35に対して
着脱自在である。ターゲット10の使用時には、ネジ部
材66の頭部67と嵌合穴76とが嵌合させられ、この
とき磁石64の磁力により鉄板78がネジ部材66の頭
部67あるいは磁石保持部材62に密着固定される。図
9から明らかなように、無反射部材45が基準点部材3
5に取付けられた状態において、反射シート68と無反
射シート74とは略同一平面上にある。ターゲット10
の不使用時には、人手により無反射部材45が基準点部
材35から取外される。
【0078】このように、無反射部材45を基準点部材
35に対して着脱自在にすることにより、ターゲット1
0の携帯性が向上する。さらに、反射シート68の周囲
に無反射シート74が設けられることにより、基準点部
材35の領域が明確になり、夜間や雨によって周囲が暗
い現場での撮影、あるいは道路面が反射しやすい現場で
の撮影等の撮影条件が悪い場合でも、撮影画像における
基準点部材35の識別が容易になる。
【0079】なお、基準点部材35と無反射部材45と
の直径の比率、即ち反射シート68および無反射シート
74の領域の大きさは、特にこの実施形態に限定され
ず、ターゲット10の撮影画像において反射シート68
が十分認識できる大きさであればよい。また基準点部材
35および無反射部材45の形状も円形に限定されな
い。
【0080】図11および図12を参照して、基準点部
材34および無反射部材44の構成について説明する。
図11は、図6のX−X線断面におけるターゲット10
の断面図である。図12は無反射部材44の第1の柱状
部材12側の面を示す平面図である。
【0081】制御部筐体20の上面20eには、絶縁板
161を介して磁石保持部材162が設けられ、この磁
石保持部材162の内部には環状の磁石164が収容さ
れる。磁石164には円板部材である基準点本体167
が載置される。基準点本体167、磁石164、磁石保
持部材162および絶縁板161は、ネジ部材166に
より制御部筐体20に一体的に固定される。基準点本体
167には反射シート168が貼付される。これら絶縁
板161、磁石保持部材162、磁石164、ネジ部材
166、基準点本体167および反射シート168によ
り、基準点部材34が構成される。
【0082】磁石保持部材162は、リード線169に
より制御基板84に接続される。磁石保持部材162は
導電性の材料、例えば金属から形成される。一方、絶縁
板161、ネジ部材166および基準点本体167は樹
脂等の不導体から形成される。絶縁板161により、磁
石保持部材162と制御部筐体20との間、およびリー
ド線169と制御部筐体20との間は電気的に遮断され
る。これにより、制御基板84の信号がリード線169
を介して磁石保持部材162に伝えられる。
【0083】無反射部材44は、電波が透過できる材
料、例えば樹脂あるいはゴムから形成された円板172
を備え、この円板172の一方の面には無反射シート1
74が貼付される。
【0084】無反射部材44の中央には、基準点本体1
67と略同径の嵌合穴172が形成される。無反射部材
44の無反射シート174が設けられていない面におい
て、嵌合穴172の周囲には環状の鉄板178が埋込ま
れている。鉄板178の内径は嵌合穴172の直径と略
等しく、その外径は磁石保持部材162の外径と略等し
い。
【0085】円板172と無反射シート174との間に
は、図12に示すように、渦巻状にアンテナ173が設
けられる。アンテナ173の中心側端部は鉄板178に
接続される。
【0086】無反射部材44は基準点部材34に対して
着脱自在である。ターゲット10の使用時には、基準点
本体167と嵌合穴176とが嵌合させられ、このとき
磁石164の磁力により鉄板178が磁石保持部材16
2に吸着される。このとき、アンテナ173は鉄板17
8、磁石保持部材162、リード線169を介して制御
基板84と導通状態になり、制御基板84からの信号が
アンテナ173に確実に伝達され、アンテナ173から
電波によって外部へ送信可能となる。
【0087】無反射部材44は、基準点部材34の識別
を容易にするために寸法が大きく、またターゲット10
の最も高い位置に位置するため、アンテナ173を無反
射部材44に設けることは電波の発信に好適であり、ア
ンテナ173による電波の届く範囲を大きくすることが
できる。
【0088】また、無反射部材44が基準点部材34に
対して着脱自在であることから、ターゲット10の携帯
性が向上する。さらに、無反射部材44の基準点部材3
4への取付機構が、アンテナ173の制御基板84への
導通機構を兼ね備えているので、アンテナの取付が特別
な操作を必要とすることなく、無反射部材44を基準点
部材34へ装着するだけで簡単に行える。
【0089】第1実施形態のターゲット10は基準点部
材31、32、33、34、35、36に反射シートを
設け、さらにそれらの周囲に無反射部材41、42、4
3、44、45、46を設けることにより、基準点部材
31、32、33、34、35、36が強調される。従
って、撮影画像における基準点部材の識別が容易にな
り、写真測量の精度が向上する。
【0090】図13および図14には、写真測量用ター
ゲットの第2実施形態が示される。第2実施形態は、基
準点部材34および無反射部材44の構成が異なること
以外は第1実施形態と同じ構成を有しており、同じ構成
については説明を省略する。図13は図6のX−X線断
面におけるターゲット10の断面図である。図14は無
反射部材44の第1の柱状部材12側の面を示す平面図
である。
【0091】第1実施形態では基準点部材34は制御部
筐体20に固定されていたが、第2実施形態において基
準点部材34は無反射部材44に一体的に固定される。
基準点部材34および無反射部材44は共に、制御部筐
体20に着脱可能である。
【0092】基準点部材34は金属材料から形成され、
円板状の頭部267と、この頭部267の一方の面から
同軸上に延びる円柱突起266とを備える。円柱突起2
66の直径は頭部267の直径より小さい。円柱突起2
66の外周面には環状溝265が形成される。頭部26
7には反射シートが貼付される。
【0093】無反射部材44は板厚および外径が略同じ
2枚の密着する円板、即ち上円板272および下円板2
74を備える。上円板272および下円板274は、電
波が透過可能な樹脂等の材料から形成される。上円板2
72の中央には頭部267と略同径の穴が形成され、下
円板274には上円板272の穴より小さい直径の穴が
形成される。基準点部材34の頭部267は下円板27
4に密着固定され、下円板274から円柱突起266が
突出している。下円板274の円柱突起266が突出し
ている側の面には、円柱突起266と略同径の穴を有す
る小円板268が密着固定される。上円板272の下円
板274に密着する面の反対側の面には、無反射シート
275が貼付される。
【0094】上円板272と下円板274との間には図
14に示すように2本のアンテナ273が挟み込まれて
いる。各アンテナ273は基準点部材34の頭部267
あるいは円柱突起266に接続される。各アンテナ27
3は下円板274の所定の直径Dから一定の距離内にあ
る領域に設けられ、この領域内を往復しながら下円板2
74の中心から外縁に向かってそれぞれ延びている。こ
の領域の直径Dに垂直な方向における長さは、発信する
電波の波長λの(1/4)の長さ、即ち(λ/4)であ
る。
【0095】制御部筐体20の上面20eには絶縁体で
あるホルダ242が固定される。ホルダ242は嵌合穴
244と、その嵌合穴244の側方に形成されたバネ用
溝246とを備える。バネ用溝246には金属の板バネ
250の一端が挿入され、板バネ250の他端はホルダ
242の底面側においてネジ252により固定される。
板バネ250の他端側はリード線269を介して制御基
板84に接続される。これにより板バネ250と制御基
板84とは導通状態となる。板バネ250と制御部筐体
20とはホルダ242により絶縁される。
【0096】バネ用溝246内において、板バネ250
は嵌合穴244の軸心に沿って延びており、その先端に
は嵌合穴244に向かって突出している凸部250aが
形成される。板バネ250は嵌合穴244に向かって付
勢される。
【0097】基準点部材34の円柱突起266がホルダ
242の嵌合穴244に挿入され、環状溝265と板バ
ネ250の凸部250aとが係合することにより、基準
点部材34および無反射部材44とが制御部筐体20に
固定される。なお基準点部材34はホルダ242により
制御部筐体20から絶縁される。
【0098】このとき、アンテナ273は、基準点部材
34、板バネ250、リード線269を介して制御基板
84に導通する。従って、制御基板84から出力された
信号をアンテナ273から電波により送信することがで
きる。
【0099】第2実施形態においても、第1実施形態と
同様、アンテナ273による電波の届く範囲を大きくす
ることができ、かつターゲット10の携帯性が向上す
る。さらに、無反射部材44および基準点部材34のホ
ルダ242への取付機構が、アンテナ273の制御基板
84への導通機構を兼ね備えているので、アンテナ27
3の取付が特別な操作を必要とすることなく、無反射部
材44および基準点部材34をホルダ242へ装着する
だけで簡単に行える。
【発明の効果】本発明によると、携帯性がよく、かつ広
範囲に無線送信が行える写真測量用ターゲットが得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態である写真測量用ターゲット
と、被写体と、カメラとの位置関係を示す斜視図であ
る。
【図2】図1のカメラで撮影した画像を模式的に示す図
であって、図2(a)は図1のカメラにより第1のカメ
ラ位置で撮影したときの第1の画像であり、図2(b)
は図1のカメラにより第2のカメラ位置で撮影したとき
の第2の画像である。
【図3】基準点部材と、その像点と、カメラの撮影レン
ズの後側主点位置との位置関係を3次元座標で示す図で
ある。
【図4】図2の2枚の画像から被写体の測量図を作成す
るためのルーチンを示すフローチャートである。
【図5】基準形状を含む平面に基づく3次元座標を示す
図である。
【図6】本発明による写真測量用ターゲットの第1実施
形態を示す平面図である。
【図7】図6に示す写真測量用ターゲットの側面図であ
る。
【図8】図6に示すターゲットを折り畳んだ状態を示す
平面図である。
【図9】図6のIX−IX線におけるターゲットの断面
図である。
【図10】図6に示すターゲットの無反射部材の第2の
柱状部材側の面を示す平面図である。
【図11】図6のXI−XI線におけるターゲットの断
面図である。
【図12】図6に示すターゲットの制御部筐体上にある
無反射部材を示す図であって、その制御部筐体側の面を
示す平面図である。
【図13】第2実施形態である写真測量用ターゲットを
示す断面図である。
【図14】図13に示すターゲットの制御部筐体上にあ
る無反射部材を示す図であって、その制御部筐体側の面
を示す平面図である。
【符号の説明】
10 ターゲット 12 第1の柱状部材 14 第2の柱状部材 16 ステー 20 制御部筐体 31、32、33、34、35、36 基準点部材 41、42、43、44、45、46 無反射部材 52 第1の傾斜角センサ 54 第2の傾斜角センサ 84 制御基板 86 方位センサ 173、273 アンテナ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに連結された第1および第2の柱状
    部材と、 これらの柱状部材に固定され、同一平面上に位置する少
    なくとも3個の基準点部材と、 前記基準点部材にそれぞれ設けられ、光の反射が抑えら
    れた無反射部材と、 前記第1または第2の柱状部材に設けられ、少なくとも
    前記基準点が位置する平面の水平面に対する傾斜角を測
    定するためのセンサと、 前記センサにより測定されたデータに基づいて、所定の
    信号をアンテナを介して電波により外部の受信装置に向
    かって送信する制御部とを備え、 このアンテナが前記無反射部材に設けられることを特徴
    とする写真測量用ターゲット。
  2. 【請求項2】 前記基準点部材と前記無反射部材との少
    なくとも一方が、前記第1および第2の柱状部材に着脱
    自在であることを特徴とする請求項1に記載の写真測量
    用ターゲット。
  3. 【請求項3】 前記無反射部材が電波を透過可能な材料
    で構成されることを特徴とする請求項1に記載の写真測
    量用ターゲット。
  4. 【請求項4】 前記前記基準点部材および前記無反射部
    材が前記第1または第2の柱状部材に装着されることに
    より、前記制御部と前記アンテナとが導通することを特
    徴とする請求項3に記載の写真測量用ターゲット。
  5. 【請求項5】 前記基準点部材が前記第1または第2の
    柱状部材に一体的に固定され、前記無反射部材が前記基
    準点部材に着脱自在であることを特徴とする請求項4に
    記載の写真測量用ターゲット。
  6. 【請求項6】 前記基準点部材に、磁石と、前記制御部
    に導通する金属製の磁石保持部材とが設けられ、前記無
    反射部材に、前記アンテナと接続される金属板部が設け
    られ、前記金属板部が前記磁石保持部材に磁力により吸
    着されることにより、前記無反射部材が前記基準点部材
    に取付けられると共に、前記制御部と前記アンテナとが
    導通することを特徴とする請求項5に記載の写真測量用
    ターゲット。
  7. 【請求項7】 前記基準点部材および前記無反射部材が
    互いに一体的に固定され、前記基準点部材および前記無
    反射部材が前記第1および第2の柱状部材に着脱自在で
    あることを特徴とする請求項3に記載の写真測量用ター
    ゲット。
  8. 【請求項8】 前記基準点部材が金属から形成されかつ
    前記アンテナと接続され、前記第1または第2の柱状部
    材に前記制御部に導通する金属板バネが一体的に設けら
    れ、前記基準点部材と前記金属板バネとが係合すること
    により、前記基準点部材および前記無反射部材が前記第
    1または第2の柱状部材に取付けられると共に、前記制
    御部と前記アンテナとが導通することを特徴とする請求
    項7に記載の写真測量用ターゲット。
  9. 【請求項9】 前記第1および第2の柱状部材が互いの
    端部において回動可能に連結され、使用時には前記第1
    および第2の柱状部材が互いに垂直に固定され、不使用
    時には前記第1および第2の柱状部材が互いに平行に固
    定されることを特徴とする請求項1に記載の写真測量用
    ターゲット。
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