JP2002048209A - 運動変換装置及びこれを用いた動力舵取装置 - Google Patents
運動変換装置及びこれを用いた動力舵取装置Info
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Abstract
に実現し、ねじ軸外周のねじ溝に良好に係合させ、高効
率での運動変換を行わせる。 【解決手段】 保持筒2内部の送りリングR1 〜R
4 を、保持筒2の軸心と略平行な軸心を有して偏心保持
させ、これらの送りリングR1 〜R4 の内周面の一か所
を、保持筒2の内側に同軸的に挿通されたねじ軸1外周
のねじ溝10に良好に係合させる。
Description
運動へ、又は直線運動から回転運動への運動変換のため
に用いられる運動変換装置に関し、またこの運動変換装
置を備え、操舵補助用のモータの回転を直線運動に変換
して舵取り軸に伝えて舵取りを補助する構成とした動力
舵取装置に関する。
運動に変換するための運動変換装置、又はこれとは逆の
運動変換を行わせるための運動変換装置が、種々の産業
分野において用いられている。例えば、ステアリング操
作に応じて操舵補助用のモータを駆動し、このモータの
回転力を舵取機構に伝えて操舵補助を行わせる構成とし
た電動式の動力舵取装置においては、操向車輪(一般的
には左右の前輪)に連結された舵取り軸(ラック・ピニ
オン式舵取機構におけるラック軸等)に前記モータの回
転を伝え、前記舵取り軸の軸長方向の移動に変換すべく
前述した運動変換装置が用いられている。
る運動変換装置は、舵取機構周辺の限られたスペースに
操舵補助用のモータを含めて配設し得るように、コンパ
クトな構成であることが要求され、また小型のモータに
より可及的に大なる操舵補助力が得られるように、高い
伝動効率を有することが要求されている。
動変換装置の一つとして、特開昭59−9351号公報に開示
された運動変換装置がある。図7は、この運動変換装置
の縦断面図である。
軸1の外側を同軸上にて囲繞する保持筒2と、該保持筒
2の内部に保持された複数個(図においては4個)の送
りリングR1 〜R4 とを備えて構成されている。保持筒
2は、その中途部を内輪として一体形成された4点接触
玉軸受20により、筒形をなすハウジング3の内部に回転
自在に支持され、図示しない回転駆動源からの伝動によ
り、ねじ軸1と同軸上にて回転するようになしてある。
るねじ溝10が、前記保持筒2の内側を含む所定の長さ範
囲に亘って形成されている。送りリングR1 〜R4 は、
外輪と内輪との間に多数のボールを保持し、内側に挿通
されたねじ軸1の外径よりも十分に大きい内径を有する
玉軸受であり、前記保持筒2の内部に、これに対して前
記ねじ溝10のリード角と略等角度傾斜した軸心を有し、
各別の方向に偏心した状態に保持されている。
は、前記ねじ溝10の断面に対応する半円形の突起が周設
されており、送りリングR1 〜R4 は、夫々の傾きがね
じ溝10の傾きと一致する周方向位置において前記突起を
介してねじ溝10に係合させてある。なお、各送りリング
R1 〜R4 の係合位置a1 〜a4 は、図の正面側にある
ものを○により、背面側にあるものを●により夫々示す
ように、ねじ軸1の周方向に異なる位置に設定してあ
り、夫々の係合位置での押し付けが他に影響を与えるこ
となく確実に生じるようにしてある。
て、前記保持筒2が軸回りに回転すると、該保持筒2の
内側に保持された4個の送りリングR1 〜R4 が、前記
ねじ軸1外周のねじ溝10と夫々の内輪との係合を保って
転動し、該ねじ軸1は、各送りリングR1 〜R4 の係合
位置a1 〜a4 において前記ねじ溝10に沿って加わる摩
擦力の軸方向分力により押圧されて軸長方向に移動せし
められることとなり、保持筒2の回転運動がねじ軸1の
直線運動に変換される。従って、前記保持筒1を操舵補
助用のモータにより回転駆動し、前記ねじ軸1を舵取り
のための舵取り軸とすることにより前述した動力舵取装
置への適用が可能である。
には、逆方向の伝動により保持筒2が軸回りに回転せし
められることとなり、ねじ軸1の直線運動が保持筒2の
回転運動に変換される。
構成された運動変換装置においては、保持筒2内の送り
リングR1 〜R4 が、前述の如く、保持筒2に対して傾
斜した軸心を有すると共に、夫々の方向に偏心した状態
で保持されており、このような保持形態を実現するため
の構造が複雑となる問題があった。
破断して示す外観斜視図である。保持筒2の端部には、
同側の送りリングR1 を装着するための装着孔2aが形成
されている。この装着孔2aは、装着対象となる送りリン
グR1 の外径と略等しい内径を有する円孔であり、保持
筒2の軸心から所定長偏心した位置にて前記軸心に対し
てねじ軸1の外周のねじ溝10のリード角に相当する角度
だけ傾斜した形態をなし、前記保持筒2の同側端面に開
口を有して形成されている。
は、保持筒2の一側から前記開口を経て圧入され、図7
に示す如く、装着孔2aの底面に一側を突き当て、他側を
装着孔2aの内面に係着された止め輪2eに当接させて、軸
方向への移動不可に拘束して装着されている。なお他側
の送りリングR4 は、保持筒2の他側端部に形成された
装着孔2dに同様にして装着されている。
送りリングR2 ,R3 の一方(送りリングR2 )は、保
持筒2の該当部位の外面に開口を有して形成された装着
部2b(図7、図9参照)に装着されている。該装着部2b
の開口は、図8に示す如く、送りリングR2 の側断面形
状に対応する矩形断面を有し、保持筒2の軸心に対し前
記装着孔2aと異なる向きに略同角度だけ傾斜して形成さ
れている。
図である。送りリングR2 の装着部2bは、図示の如く、
保持筒2外面の前記開口に連続し送りリングR2 の外形
に対応する半円形の底面を有する凹部として形成されて
いる。送りリングR2 は、以上の如く形成された装着部
2bに、保持筒2外面の開口を経て押し込まれ、その内奥
側を装着部2bの底面に突き当てた状態に装着され、この
状態で保持筒2の内側に挿通されるねじ軸1外周のねじ
溝10に、前記底面と同側の係合位置a2 において係合せ
しめられている。なお他方の送りリングR3 は、前記装
着部2bの一側に離隔した位置に同様の形態をなして形成
された装着部2cに装着され、前記係合位置a3 において
ねじ軸1に係合させてある。
は、両側の送りリングR1 及びR4 の装着のために保持
筒2の両端部に、該保持筒2に対して傾斜すると共に偏
心した軸心を有する円孔の形態をなす装着孔2a,2dを形
成する必要があり、更に、中央の送りリングR2 ,R3
の装着のために、保持筒2外面の開口に連続し、該保持
筒2に対して傾斜すると共に偏心した軸心を有する半円
形の底面を有する凹所の形態をなす装着部2b,2cを形成
する必要があって、これらの形成を所望の精度下にて実
現するために多大の加工工数を要するという問題があ
り、不十分な精度下にて加工がなされた場合、各送りリ
ングR1 〜R4 とねじ軸1外周のねじ溝10との間の係合
状態が不良となり、前述の如く行われる運動変換の効率
低下を引き起こすこととなる。
であり、保持筒内での送りリングの位置決めを高精度に
実現し、ねじ軸外周のねじ溝との良好な係合状態を得
て、高効率での運動変換を行わせることが可能な運動変
換装置、及びこれを用いた動力舵取装置を提供すること
を目的とする。
運動変換装置は、軸長方向への移動自在に支持され、外
周面にねじ溝が形成されたたねじ軸と、該ねじ軸の外側
に同軸上での回転自在に支持された保持筒と、該保持筒
内に偏心保持され、内周面の一か所を前記ねじ溝に係合
させた複数の送りリングとを備え、駆動源からの伝動に
より生じる前記保持筒の回転、又は前記ねじ軸の移動
を、前記ねじ溝を案内とする送りリングの転動により、
前記ねじ軸の移動、又は前記保持筒の回転に変換する運
動変換装置において、前記複数の送りリングは、夫々の
軸心を前記保持筒の軸心と略平行として保持させてある
ことを特徴とする。
転する保持筒内の複数の送りリングを、該保持筒と平行
をなす軸心を有して保持させ、保持筒の軸心に対して精
度良く位置決めし、夫々の内周面の一か所を前記保持筒
と同軸上に配されたねじ軸外周のねじ溝に良好に係合さ
せて、高効率での運動変換を行わせる。
発明における複数の送りリングが、前記保持筒と一体回
転する外輪と前記ねじ溝に係合する内輪との間に転動体
を介装してなる転がり軸受により構成してあることを特
徴とする。
りリングを、玉軸受、コロ軸受等、滑らかな転動が可能
な転がり軸受を用い、良好な変換効率と静粛な動作とを
安価に実現する。
発明における転がり軸受の一部又は全部が、前記保持筒
と一体形成された外輪を備えることを特徴とする。
いられる転がり軸受の外輪を保持筒と一体形成し、保持
筒の軸心に対する一層正確な位置決めを実現して、ねじ
軸外周のねじ溝と良好に係合させて高効率での運動変換
を行わせる。
向への移動自在に支持された舵取り軸と、該舵取り軸の
外側に同軸上での回転自在に支持され、操舵補助用のモ
ータからの伝動により回転する回転筒とを備え、該回転
筒の回転を前記舵取り軸の移動に変換して舵取りを補助
する動力舵取装置において、前記舵取り軸を前記ねじ溝
とし、前記回転筒を前記保持筒として構成された第1発
明乃至第3発明のいずれかの運動変換装置を備えること
を特徴とする。
の回転を舵取り軸の移動に変換する運動変換装置とし
て、高効率での運動変換が可能な第1〜第3発明の運動
変換装置を用いる。
す図面に基づいて詳述する。図1は、本発明に係る運動
変換装置の第1の実施の形態を示す縦断面図である。
動変換装置と同様、その外周面に半円形断面を有するね
じ溝10が形成されたねじ軸1と、該ねじ軸1の外側を同
軸上にて囲繞する円筒形をなす保持筒2と、該保持筒2
の内部に保持された4個の送りリングR1 〜R4 とを備
えて構成されている。保持筒2は、その中途部を内輪と
して一体形成された4点接触玉軸受20により、筒形をな
すハウジング3の内部に回転自在に支持され、図示しな
い回転駆動源からの伝動により、ねじ軸1と同軸上にて
回転するようになしてある。
間に多数のボール(転動体)を保持する玉軸受(転がり
軸受)であり、内側に挿通されたねじ軸1の外径よりも
大なる内径を有しており、夫々の内輪の内周面には、ね
じ軸1外周のねじ溝10の断面に対応する半円形の突起が
周設されている。
保持筒2の内部における前記送りリングR1 〜R4 の保
持態様にあり、図示の如く送りリングR1 〜R4 は、夫
々の軸心を保持筒2の軸心と略平行に保ち、この軸心と
直交する面内において各別の方向に偏心した状態に保持
されている。この偏心は、保持筒2の長手方向両側に位
置する2個の送りリングR1 ,R4 が略同方向となり、
同じく中央に位置する2個の送りリングR2 ,R3 が略
同方向となるように、夫々略等しい量だけ設定されてお
り、前記送りリングR1 ,R4 と前記送りリングR2 ,
R3 とは、夫々の内輪に設けた前記突起を介して、図示
の如く、半径方向に対向する位置から前記ねじ軸1外周
のねじ溝10に係合せしめられている。
の係合位置がねじ軸1の周方向において一致し、同様に
送りリングR2 ,R3 の係合位置が一致するかのように
図示されているが、実際には、これらの係合位置は周方
向にずらせて設定し、夫々の送りリングの係合位置での
ねじ溝10への押し付けが、他の送りリングにより種々の
方向から支えられた状態下にて確実に生じるようにして
ある。
置の動作説明図であり、ねじ軸1と一個の送りリングR
1 との係合関係が示されている。送りリングR1 は、ね
じ軸1外周のねじ溝10に、図中にaとして示す位置にて
係合させてある。この状態で前記保持筒2が軸回りに回
転した場合、該保持筒2に保持された送りリングR
1が、前記ねじ溝10との係合を保って転動し、この転動
によりねじ軸1には、ねじ溝10に沿った摩擦力Fが加わ
り、この摩擦力Fの軸方向分力F1 により押圧される。
同様の軸方向分力は、他の送りリングR2 〜R4 との係
合位置においても加えられ、前記ねじ軸1は、図中に白
抜矢符にて示す如く、前記押圧の方向、即ち、軸長方向
に移動せしめられる。この移動の方向は、保持筒2の回
転方向に応じて定まり、保持筒2の回転運動がねじ軸1
の直線運動に変換される。
場合、逆方向の伝動により保持筒2が軸回りに回転せし
められることとなり、ねじ軸1の直線運動が保持筒2の
回転運動に変換される。
は、4個の送りリングR1 〜R4 とねじ軸1外周のねじ
溝10とが良好な係合状態を保つ必要があり、このために
は、保持筒2の内部での送りリングR1 〜R4 の位置決
めが精度良くなされていることが重要である。
破断して示す外観斜視図である。保持筒2の端部には、
同側の送りリングR1 を装着するための装着孔21が形成
されている。この装着孔21は、装着対象となる送りリン
グR1 の外径と略等しい内径を有する円孔であり、保持
筒2の同側端面に開口を有し、保持筒2の軸心から所定
長偏心した位置に該軸心と略平行な軸心を有して形成さ
れている。
は、保持筒2の一側から前記開口を経て圧入され、図1
に示す如く、装着孔21の底面に一側を突き当て、他側を
装着孔21の内面に係着された止め輪25に当接させて、軸
方向への移動不可に拘束して装着されている。また他側
の送りリングR4 は、送りリングR1 と同様に、保持筒
2の他側端部に前記装着孔21と同様に形成された装着孔
24(図1参照)に圧入され、止め輪25により抜け止めし
て装着されている。
送りリングR2 ,R3 の一方(送りリングR2 )は、保
持筒2の中途部に形成された装着部22に装着されてい
る。この装着部22は、図3中に破線により示す如く、装
着対象となる送りリングR2 の外形に対応する半円形の
底面を有する凹部として形成され、前記送りリングR2
の側断面形状に対応する矩形断面を有して保持筒2の外
面に設けられた開口部に連通させてある。
は、保持筒2外側から、該保持筒2外面の開口を経て押
し込まれ、その内奥側を装着部22の底面に突き当て、図
1に示す如く、装着部22の側面との当接により軸長方向
の移動を拘束して装着されている。また、残りの送りリ
ングR3 は、前記装着部22の一側に同様の形態をなして
形成された装着部23に、前記送りリングR2 と同様にし
て装着されている。
装着孔21,24は、保持筒2の軸心と略平行をなし、所定
長偏心した円形断面を有しており、これらは、例えば、
保持筒2を偏心回転させた状態での旋盤加工により、保
持筒2の両端部において高精度に保って加工することが
できる。また、送りリングR2 ,R3 が装着される装着
部22,23の底面は、保持筒2の軸心と略平行であり、所
定長偏心した軸心を有する半円形断面を有しており、こ
れらは、保持筒2を偏心回転させた状態での同様の旋盤
加工により、保持筒2両端の前記装着孔21,24の開口部
から精度良く加工することができる。
れた送りリングR1 ,R4 、及び装着部22,23に前述の
如く装着された送りリングR2 ,R3 は、前記保持筒2
の軸心に対する位置関係を正しく保つことができ、図1
に示す如く保持筒2の内側に同軸的に挿通されたねじ軸
1外周のねじ溝10に良好に係合させることができ、前述
した運動変換を、確実に、しかも高効率にて行わせるこ
とができる。
置を用いた動力舵取装置の要部の構成を示す一部破断正
面図であり、操舵補助用のモータ5の回転を本発明に係
る運動変換装置を介して舵取り軸としてのラック軸4に
伝え、該ラック軸4を軸長方向に移動させて操舵を補助
する構成となっている。
ジング40の内部に軸長方向への移動自在に支承され、図
示しない車体の左右方向に延設されており、ラックハウ
ジング40の両側に夫々突出するラック軸4の両端は、各
別のタイロッドを介して図示しない操向用車輪(一般的
には左右の前輪)に連結されている。
軸心を交叉させてピニオンハウジング41が連設され、該
ピニオンハウジング41の内部には、その軸心回りでの回
転自在にピニオン軸42が支承されている。図1において
ピニオン軸42は、ピニオンハウジング41の上部への突出
端のみが図示してあり、この突出端を介して図示しない
舵輪(ステアリングホィール)に連結され、舵取りのた
めの舵輪の操作に応じて軸回りに回転するようになして
ある。
ピニオン軸42の下部には、図示しないピニオンが一体的
に形成してある。また、ラックハウジング40内に支承さ
れたラック軸4には、ピニオンハウジング41との交叉位
置を含めた適長に亘って、ラック歯43が形成され、ピニ
オン軸42の下部の前記ピニオンに噛合させてある。而し
て、舵輪の操作に伴うピニオン軸42の回転が、前記ピニ
オン及びラック歯43の噛合によりラック軸4の軸長方向
の移動に変換され、更に、ラックハウジング40内でのラ
ック軸4の移動が、前記タイロッドを介して左右の操向
用車輪に伝達されて、これらの車輪が前記舵輪の操作に
応じて操舵されるラック・ピニオン式の舵取り機構が構
成されている。
助用のモータ5は、前記ラックハウジング40の中途部を
適長に亘って拡径して一体的に構成された円筒形のモー
タハウジング50の内部に、該モータハウジング50の内周
面に固設されたステータ51と、該ステータ51の内側に同
軸的に配されたロータ52とを備える3相ブラシレスモー
タとして構成されている。
大なる内径を有する円筒の外周に、前記ステータ51の内
面にわずかな隙間を有して対向する磁極53を保持して構
成されており、左右一対の玉軸受54,55により、モータ
ハウジング50の軸心回りに回転自在に支承され、前記ス
テータ51への通電に応じて正逆両方向に回転するように
なしてある。
部材としてのロータ52の一側に構成された本発明に係る
運動変換装置の動作により、前記ラック軸5の軸長方向
の移動に変換されて伝達されるようにしてある。運動変
換装置は、モータハウジング50を同側に延長してなる筒
形のハウジング3の内部に4点接触玉軸受20により支持
された保持筒2と、該保持筒2の内部に前述の如く保持
された4個の送りリングR1 〜R4 と、これらを係合さ
せるべく前記ラック軸4の外周に適長に亘って形成され
たねじ溝10とを備えて構成されている。保持筒2は、前
記モータ5のロータ52の一側(玉軸受55による支持側)
端部に連結ブラケット56を介して同軸的に連結され、前
記モータ5の回転に応じてラック軸4と同軸上にて回転
する回転筒として構成されている。
操舵補助用のモータ5からに伝動により回転する回転筒
を前記保持筒2とし、外周に形成されたねじ溝10を備え
るラック軸4を前記ねじ軸1として構成されており、舵
取り操作に応じて駆動される前記モータ5の回転をラッ
ク軸4の軸長方向の移動に変換し、この移動に応じて前
述の如くなされる操舵を補助する動力舵取装置に組み込
まれている。
ては、ラック軸4外周のねじ溝10に対する4個の送りリ
ングR1 〜R4 の係合状態が、保持筒2の内部における
各送りリングR1 〜R4 の前述した保持により良好に実
現されていることから、前記モータ5からの伝動による
保持筒2の回転運動をラック軸4の軸長方向の直線運動
に高効率に変換することができ、前述した操舵補助を確
実に行わせることができる。
内輪との間に、転動体としての多数のボールを備える玉
軸受であり、前記ボールは、相互間の位置を変えること
なく転動し、衝突する虞れがないから、前述した運動変
換に伴って発生する音が小さく静粛な動作が可能とな
る。
転をラック軸4の軸長方向の移動に変換して操舵補助す
るラック・ピニオン式の動力舵取装置への適用例を示し
ているが、本発明に係る運動変換装置は、軸長方向への
移動により舵取りを行わせる舵取り軸に操舵補助用のモ
ータの回転を伝達する構成とした各種の形式の動力舵取
装置に適用可能であることは言うまでもない。
リングR1 〜R4 を備える構成について述べたが、本発
明に係る運動変換装置は、3個の送りリングを備えて構
成とすることもできる。図5は、3個の送りリングをR
1 〜R3 を備えて構成された本発明に係る運動変換装置
の第2の実施の形態を示す縦断面図である。
ングR1 〜R3 は、保持筒2の内部に、該保持筒2の軸
心と夫々の軸心を略平行として保持させてあり、両側の
2個の送りリングR1 ,R3 を、ねじ軸1外周のねじ溝
10に半径方向の同側から係合させ、中央の1個の送りリ
ングR2 を、同じく他側から係合させてある。
態は、保持筒2の両端部に軸心を平行として形成された
装着孔21,23に送りリングR1 ,R3 を、保持筒2の中
間部に前述の如く形成された装着部22に送りリングR2
を夫々嵌め込み固定することにより、保持筒2の軸心に
対する位置関係を正しく保って実現することができ、前
記ねじ溝10に対する各送りリングR1 〜R3 の係合を良
好とし、運動変換を高効率に行わせることができる。
置も、同様に実現することが可能であり、多くの送りリ
ングの使用は大負荷での用途に有効である。2個又は1
個の送りリングを備える運動変換装置も実現可能である
が、この場合、ねじ軸1の外周への送りリングの係合位
置が2か所以下となり、ねじ軸1の撓みによって係合が
損なわれる虞れがある。
1 〜R4 を備えて構成された本発明に係る運動変換装置
の第3の実施の形態を示す縦断面図である。
ングR1 〜R4 は、保持筒2の内部に、該保持筒2の軸
心と略平行をなし各別の方向に偏心させた軸心を有して
保持させてあり、両側の2個の送りリングR1 ,R
4 を、ねじ軸1外周のねじ溝10に半径方向の同側から係
合させ、中央の2個の送りリングR2 ,R3 を、同じく
他側から係合させてある。
に位置する2個の送りリングR1 ,R4 の構成にあり、
図示の如くこれらは、保持筒2と一体に形成された外輪
を備え、この外輪とねじ溝10に係合する内輪との間に多
数のボールを介在させてなる玉軸受として構成されてい
る。なお、中央の2個の送りリングR2 ,R3 は、第1
の実施の形態におけると同様、保持筒2の該当位置に設
けられた装着部22,23に嵌め込んで装着されている。
R1 〜R4 は、保持筒2の軸心に対する位置関係を正し
く保つことができ、特に、両側の送りリングR1 ,R4
の位置決めが高精度になされる結果、ねじ軸1外周のね
じ溝10との係合が一層良好に実現され、運動変換を高効
率に行わせることができる。
る運動変換装置においては、保持筒内部の複数の送りリ
ングを、保持筒の軸心と略平行な軸心を有して偏心保持
させたから、前記送りリングを保持筒の軸心に対して正
しく位置決めすることができ、夫々の送りリングの内周
面の一か所を保持筒の内側に同軸的に挿通されたねじ軸
外周のねじ溝に良好に係合させて、ねじ溝を案内とする
送りリングの転動によって行われる運動変換を高効率に
て行わせることが可能となる。
は、保持筒に保持された複数の送りリングを、保持筒と
一体回転する外輪とねじ溝に係合する内輪とを備える転
がり軸受を用いたから、ねじ溝に沿った各送りリングの
転動を滑らかに行わせ、良好な変換効率と静粛な動作と
を実現することができる。
て、送りリングとして用いた転がり軸受の外輪を保持筒
と一体形成したから、これらの送りリングを保持筒の軸
心に対して一層正確に位置決めすることができ、ねじ軸
外周のねじ溝と良好に係合させて高効率での運動変換を
行わせることが可能となる。
においては、操舵補助用のモータの回転を舵取り軸の移
動に変換する用途に第1〜第3発明の運動変換装置を用
いたから、操舵補助用のモータから舵取り軸への伝動
を、高効率下にて安定して行わせることができ、前記モ
ータを含めて装置構成のコンパクト化が図れる等、本発
明は優れた効果を奏する。
を示す縦断面図である。
る。
観斜視図である。
置の要部の構成を示す一部破断正面図である。
を示す縦断面図である。
を示す縦断面図である。
近傍の一部を破断して示す外観斜視図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 軸長方向への移動自在に支持され、外周
面にねじ溝が形成されたたねじ軸と、該ねじ軸の外側に
同軸上での回転自在に支持された保持筒と、該保持筒内
に偏心保持され、内周面の一か所を前記ねじ溝に係合さ
せた複数の送りリングとを備え、駆動源からの伝動によ
り生じる前記保持筒の回転、又は前記ねじ軸の移動を、
前記ねじ溝を案内とする送りリングの転動により、前記
ねじ軸の移動、又は前記保持筒の回転に変換する運動変
換装置において、 前記複数の送りリングは、夫々の軸心を前記保持筒の軸
心と略平行として保持させてあることを特徴とする運動
変換装置。 - 【請求項2】 前記複数の送りリングは、前記保持筒と
一体回転する外輪と前記ねじ溝に係合する内輪との間に
転動体を介装してなる転がり軸受により構成してある請
求項1記載の運動変換装置。 - 【請求項3】 前記転がり軸受の一部又は全部は、前記
保持筒と一体形成された外輪を備える請求項2記載の運
動変換装置。 - 【請求項4】 軸長方向への移動自在に支持された舵取
り軸と、該舵取り軸の外側に同軸上での回転自在に支持
され、操舵補助用のモータからの伝動により回転する回
転筒とを備え、該回転筒の回転を前記舵取り軸の移動に
変換して舵取りを補助する動力舵取装置において、 前記舵取り軸を前記ねじ溝とし、前記回転筒を前記保持
筒として構成された請求項1乃至請求項3のいずれかに
記載された運動変換装置を備えることを特徴とする動力
舵取装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000233601A JP3698620B2 (ja) | 2000-08-01 | 2000-08-01 | 運動変換装置及びこれを用いた動力舵取装置 |
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JP3698620B2 JP3698620B2 (ja) | 2005-09-21 |
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JP (1) | JP3698620B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108895132A (zh) * | 2018-09-12 | 2018-11-27 | 浙江雷尼摩申精密机械有限公司 | 一种高速静音滚动轴承丝杆副 |
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2000
- 2000-08-01 JP JP2000233601A patent/JP3698620B2/ja not_active Expired - Fee Related
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CN108895132A (zh) * | 2018-09-12 | 2018-11-27 | 浙江雷尼摩申精密机械有限公司 | 一种高速静音滚动轴承丝杆副 |
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