JP2002047951A - エンジン制御装置 - Google Patents

エンジン制御装置

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JP2002047951A
JP2002047951A JP2000235823A JP2000235823A JP2002047951A JP 2002047951 A JP2002047951 A JP 2002047951A JP 2000235823 A JP2000235823 A JP 2000235823A JP 2000235823 A JP2000235823 A JP 2000235823A JP 2002047951 A JP2002047951 A JP 2002047951A
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burned gas
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target
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Yutaka Nishimura
豊 西村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジン運転状態の検出信号に基づいて、各
気筒内の実空気量及び実既燃ガス量を直接に算出し、か
つ、目標とする既燃ガス量を設定し、該目標とする既燃
ガス量が気筒に供給されるように、吸排気弁の開閉動作
を変更することによって、NOxの低減を図ることがで
きるエンジン制御装置を提供する。 【解決手段】 吸排気弁の開閉動作を可変制御するとと
もに、気筒の内部排気還流を行って該気筒内の既燃ガス
量を制御するエンジン制御装置であって、該エンジン制
御装置は、エンジンの運転状態を検出する手段の出力信
号に基づいて、前記気筒内の目標既燃ガス率を設定する
手段と、前記気筒内の実既燃ガス率を算出する手段と、
前記目標既燃ガス率を設定する手段と前記実既燃ガス率
を算出する手段との各出力信号に基づいて前記吸排気弁
の開閉動作を変更する手段と、を有してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジン制御装置に係
り、特に、可変バルブ機構が設けられたエンジンにおい
て、気筒内の既燃ガス量を算出し、適切な吸排気弁の開
閉動作を変更して内部EGR制御を行うエンジン制御装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】環境保護が要求されている現在において
は、窒素酸化物(NOx)の低減を図るために、(1)
気筒をバイパスして排気管と吸気管とを連通する通路を
設け、該通路に排気還流弁を設けて排気還流(EGR)
を行う外部EGRと、(2)気筒の吸排気弁の開閉時期
を制御して排気還流を行う内部EGRによる排気の還流
が行われている。
【0003】この内部EGR方式は、可変バルブ機構に
よって吸排気弁の開閉時期を制御して、気筒内に残留す
る排気ガス量(既燃ガス量)を調整し、該既燃ガス量と
新気とを混合させて前記気筒内の温度を上昇させること
により、燃料の気化の促進と成層燃焼時の燃焼安定化を
図るものである。また、一般に、前記可変バルブ機構
は、その製造コストの低減によって広く普及されつつあ
り、これに伴ってNOxの低減技術も内部EGR方式に
よるものが広く普及されつつある。
【0004】ここで、従来の電子制御による燃料噴射装
置は、空気流量計の信号を吸気行程間で積分し、その積
分値を基準として供給燃料量を求めて燃料噴射が行われ
ているが、前記吸排気弁の可変バルブ機構が用いられる
場合には、その吸排気弁の開閉時期を大きく変更する
と、前記空気流量計の信号の積分値と気筒内の実空気量
が一致せずに目標空燃比からずれることがあり、排気物
質の削減及び燃費の低減を図ることができないという問
題がある。
【0005】例えば、吸気弁及び排気弁の開閉時期が、
エンジン回転数Nと気筒内の空気量Qaとの2次元テー
ブルに記憶され、エンジン運転条件毎に前記2次元テー
ブルから前記吸気弁及び排気弁の目標とする開閉時期を
読み出して制御すると、排気圧(大気圧)及び排気管抵
抗等が変化した場合、若しくは前記吸気弁、前記排気弁
及びピストンの組立て誤差等があるときには、前記気筒
内の実既燃ガス量と目標値とのずれが生じ、前記大気圧
等の変化、前記エンジン機差によってNOx排出量が目
標値を超える恐れがあることから、触媒容量を大きく、
又は燃費を犠牲にした点火時期に設定せざるを得ないと
いう問題がある。
【0006】この問題を解消するため、点火プラグの電
極間のイオン電流から得られる燃焼安定度から気筒内の
既燃ガス量を推定し、目標の既燃ガス量、すなわち目標
の燃焼安定度が達成されるように、吸排気弁の開閉時期
を制御する内部残留ガス制御装置の技術が提案されてい
る(例えば、特開平11−93716号公報参照)。
【0007】また、内部EGR方式のNOx低減を図る
他の技術としては、エンジン運転状態検出手段の出力信
号に基づいて吸排気弁の開期間のオーバーラップ量を変
更し、排気還流量を制御等するエンジン制御装置の技術
が各種提案されている(例えば、特開平2000−73
803号公報、特開平7−77073号公報、特開平9
−158749号公報、特開平5−215002号公
報、特開平9−100728号公報等参照)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、吸排気弁の
開閉動作を可変制御するとともに、気筒の内部排気還流
を行って該気筒内の既燃ガス量を制御するエンジン制御
装置においては、上述のように、排気圧(大気圧)及び
排気管抵抗等が変化した場合、若しくは前記吸気弁、前
記排気弁及びピストンの組立て誤差等があるときには、
上記諸問題が生ずることから、各気筒内の実空気量及び
実既燃ガス量を直接に算出し、かつ、目標とする既燃ガ
ス量が気筒に供給されるように、吸排気弁の開閉時期を
進角又は遅角させることによって解決することができる
一方、各気筒内の実空気量及び実既燃ガス量を直接に算
出するためには、以下の事項を考慮する必要がある。
【0009】図11及び図12は、気筒毎の実空気量
(気筒空気量)及び実既燃ガス量の計測について示した
ものであり、4気筒エンジンの気筒空気量を算出するに
は、(1)空気流量計を通過する空気量、(2)吸気圧
の変化に伴う吸気管充満空気量、(3)一の気筒が圧縮
行程初期に吸気管側に吹き返した空気量と他の気筒が吸
入する空気量、(4)当該気筒が排気行程後期に吸気管
側に吹き返すとともに、これに続く吸気行程で吸入する
既燃ガス量について考慮する必要がある。
【0010】このうち、可変バルブ機構を用いる場合に
は、(3)一の気筒が圧縮行程初期に吸気管側に吹き返
した空気量と他の気筒が吸入する空気量、(4)当該気
筒が排気行程後期に吸気管側に吹き返すとともに、これ
に続く吸気行程で吸入する既燃ガス量による影響が大き
い。それは、各気筒空気量と既燃ガス量は、吸排気弁の
開閉時期により変化するからである。
【0011】なお、(3)一の気筒が圧縮行程初期に吸
気管側に吹き返した空気量と他の気筒が吸入する空気量
とは、2つの気筒の吸気弁がともに開いている場合に、
他の気筒が吸気管に吹き返した空気を当該気筒が吸入す
る空気量であり、該空気量は、前記空気流量計を通過し
ないことから計測が困難である。
【0012】また、(4)当該気筒が排気行程後期に吸
気管側に吹き返すとともに、これに続く吸気行程で吸入
する既燃ガス量とは、図12に示すように、前記吸気弁
が吸気上死点(TDC)前に開く時に生ずるものであ
り、図12(a)に示すように、排気行程後期には、吸
気弁と排気弁がともに開いている場合に、ピストンの上
昇により気筒内の既燃ガスは吸気管及び排気管に排出さ
れ、前記ピストンがTDCに達したとき、クレアランス
容積部に排出されずに残留する既燃ガスを生じ、図12
(b)に示すように、吸気行程初期にも前記吸気弁及び
排気弁がともに開くことから、前記吸気管及び前記排気
管内に吹き返された前記既燃ガスを気筒に吸入するガス
量であり、空気流量計では空気が通過する一方で、前記
気筒では既燃ガスを吸入していることから、該ガス量も
また前記空気流量計のみでは、正確な量を把握すること
ができない。また、吸入された全既燃ガス量には、吸排
気弁の開閉時期のほか、排気温度、排気圧(大気圧)、
吸気圧、エンジン回転速度が影響する。
【0013】すなわち、本発明者は、吸排気弁の開閉動
作を可変制御するとともに、気筒の内部排気還流を行っ
て該気筒内の既燃ガス量を制御するエンジン制御装置に
おいては、各気筒内の実空気量及び実既燃ガス量を直接
に算出し、かつ、目標とする既燃ガス量が気筒に供給さ
れるように、吸排気弁の開閉時期を進角又は遅角させる
ことによって、排気圧(大気圧)及び排気管抵抗等が変
化した場合、若しくは前記吸気弁、前記排気弁及びピス
トンの組立て誤差等があるときにも確実に対応でき、N
Oxの低減を図ることができるとの新たな知見を得てい
る。しかし、前記従来の技術は、燃焼安定度等から既燃
ガス量を算出しているが、例えば、前記特開平11−9
3716号公報所載のエンジン制御装置では、気筒内の
既燃ガス量(内部EGR率)に対してイオン電流のばら
つきが大きく、既燃ガス量の計測には平均化または統計
処理が必要であり、かつ、既燃ガス量が少ない領域でシ
グナルノイズ比が小さく、気筒内既燃ガス量の正確な計
測は困難であり、さらに、他の従来技術もまた、エンジ
ン状態に応じて弁のオーバーラップ量を変更して内部E
GR量を増加させるものであって、吸排気弁の開閉タイ
ミング等から既燃ガス量を算出しており、各気筒内の実
空気量及び実既燃ガス量を直接に算出する点については
示されておらず、大気圧の変化及びエンジンの機差等に
対していずれも格別な配慮がなされていない。
【0014】本発明は、このような問題に鑑みてなされ
たものであって、その目的とするところは、エンジン運
転状態の検出信号に基づいて、各気筒内の実空気量及び
実既燃ガス量を直接に算出し、かつ、目標とする既燃ガ
ス量を設定し、該目標とする既燃ガス量が気筒に供給さ
れるように、吸排気弁の開閉動作を変更することによっ
て、NOxの低減を図ることができるエンジン制御装置
を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成すべく、
本発明のエンジン制御装置は、基本的には、吸排気弁の
開閉動作を可変制御するとともに、気筒の内部排気還流
を行って該気筒内の既燃ガス量を制御するエンジン制御
装置であって、該エンジン制御装置は、エンジンの運転
状態を検出する手段の出力信号に基づいて、前記気筒内
の目標既燃ガス率を設定する手段と、前記気筒内の実既
燃ガス率を算出する手段と、前記目標既燃ガス率を設定
する手段と前記実既燃ガス率を算出する手段との各出力
信号に基づいて前記吸排気弁の開閉動作を変更する手段
と、を有することを特徴としている。
【0016】前述の如く構成された本発明に係るエンジ
ン制御装置は、運転状態に基づいて目標既燃ガス量と測
定既燃ガス量を直接に算出・比較して、両者が一致する
ように吸排気弁の開閉動作を変更するので、吸気弁、排
気弁及びピストンの組立て誤差による機差、大気圧の変
化による既燃ガス量のずれが回避され、内部EGR制御
の精度の向上を図り、環境保護要求に確実に対応させる
ことができる。
【0017】また、本発明のエンジン制御装置における
具体的な態様は、前記吸排気弁の変更された開閉動作に
関するパラメータを記憶する手段を有するとともに、該
開閉動作に関するパラメータを記憶する手段の出力信号
に基づいて前記吸排気弁の開閉動作に関するパラメータ
を変更することを特徴としている。
【0018】さらに、本発明のエンジン制御装置におけ
る他の具体的な態様は、前記運転状態を検出する手段
は、吸気管の吸入空気量、吸気圧力、及び吸気温度を検
出すること、若しくは、前記吸排気弁の開閉時期、クラ
ンク角、及び排気温度を検出すること、又は、前記目標
既燃ガス率を設定する手段は、前記運転状態を検出する
手段によるエンジンの目標トルクとエンジン回転数とに
基づいて、前記気筒内の目標既燃ガス率を設定するこ
と、若しくは、前記実既燃ガス率を算出する手段は、前
記運転状態を検出する手段からの前記気筒内の全ガス量
と前記気筒内の吸入空気量とに基づいて、前記気筒内の
実既燃ガス率を算出すること、若しくは、前記気筒内の
全ガス量は、前記運転状態を検出する手段からの吸気管
の吸気圧力、吸気温度及びピストンのクランク角に基づ
いて求められ、前記気筒内の吸入空気量は、前記運転状
態を検出する手段による前記吸気管の吸入空気量に基づ
いて求められるものであることを特徴とし、前記吸気圧
力は、前記吸気管の集合部の中央にて測定されること、
又は、前記吸気圧力は、前記吸気管の集合部内における
気柱振動の圧力振動定在波の振幅が無いところで測定さ
れることを特徴としている。
【0019】また、前記エンジン制御装置は、前記気筒
内の実空気量を算出する手段と、該実空気量を算出する
手段の出力信号に基づいて前記気筒内に燃料を噴射する
燃料噴射弁の燃料噴射量を設定する手段とを有し、前記
実空気量を算出する手段は、一の吸気弁と他の吸気弁が
開いている時間の重なり時間と、吸気管の吸入空気量と
に基づいて前記気筒内の実空気量を算出すること、又は
前記気筒内の目標空気量を設定する手段と、前記吸気管
の絞り弁の目標開度を設定する手段を有し、該目標開度
を算出する手段は、目標空気量、目標既燃ガス量、及び
エンジン回転数に基づいて前記絞り弁の目標開度を算出
することを特徴としている。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明に係
るエンジン制御装置の実施形態について詳細に説明す
る。図1は、本実施形態のエンジン制御装置を備えたエ
ンジンシステムの全体構成を示したものである。
【0021】該エンジンシステムには、4つの気筒6が
配設されたエンジンに吸気管3及び排気管12が備えら
れ、吸気管3には、吸入空気量を検出する空気流量計
1、吸気温度を検出する吸気温度センサ11、電子制御
の絞り弁2が各々の適宜位置に設けられ、また、吸気管
3の集合部45には、吸気圧力を検出する吸気圧力計7
が適宜位置に設けられており、吸入空気は、空気流量計
1、電子制御絞り弁2、吸気管3の集合部45を通り、
各気筒6の燃料噴射装置(インジェクタ)13、吸気弁
14、排気弁15及びピストン16で区画される燃焼室
5に吸入される。
【0022】また、吸気弁14及び排気弁15は、少な
くともこれらを同時に可変にすることができる可変バル
ブ装置4によって開閉時期が調節され、その開閉時期
は、吸排気弁カム角センサ(吸排気弁開閉時期センサ)
8で検出される。なお、この開閉時期は、吸排気弁1
4、15の開閉動作に関するパラメータの一例である。
【0023】燃料は、インジェクタ13から気筒6内に
直接噴射されており、燃焼後、排気管12から放出され
る。該排気管12には、排気温度を検出する排気温度セ
ンサ10が適宜位置に設けられている。なお、排気温度
センサ10については、これを用いずに運転状態から排
気温度を推定しても良い。
【0024】エンジン制御装置(コントローラ)60
は、前記空気流量計1、電子制御絞り弁2、吸気圧力計
7、クランク角センサ9、排気温度センサ10、吸気温
度センサ11の各信号を入力し、所定の演算処理を行
い、燃料噴射・弁開閉時期等の制御を行う。
【0025】すなわち、エンジン制御装置60は、後述
するように、エンジン運転状態検出手段(図示省略)に
よる各運転条件の検出信号に基づいて、目標トルクを算
出する手段62と、目標空燃比及び目標既燃ガス率を設
定する手段63と、気筒6の実空気量及び実既燃ガス率
を算出する手段64と、これらの値を比較して吸気弁1
4及び排気弁15の開閉時期を変更する手段65と、こ
の開閉時期を記憶して弁開閉時期を算出する手段66
と、前記目標空燃比及び目標既燃ガス率と前記実空気量
及び実既燃ガス率とを比較して燃料噴射量及び目標絞り
弁開度を設定する手段67とから構成され、可変バルブ
装置4を介して既燃ガス量が、電子制御絞り弁2を介し
て吸気量が、インジェクタ13を介して噴射量が各々制
御される。
【0026】目標トルクを算出する手段62は、アクセ
ル角、エンジン回転数に基づいて、エンジンに発生させ
たい目標トルクを算出し、目標空燃比及び目標既燃ガス
率を設定する手段63及び弁開閉時期を算出する手段6
6に出力する。なお、後述するように、目標空燃比と目
標トルクとから目標空気量が求められる。また、該目標
トルクは1回転当りの吸入空気量(Qa/N)としても
良い。
【0027】目標空燃比及び目標既燃ガス率を設定する
手段63は、前記目標トルクとエンジン回転数に基づい
て、目標空燃比と目標既燃ガス率を設定し、弁開閉時期
を変更する手段65及び燃料噴射量及び目標絞り弁開度
を設定する手段67に出力する。
【0028】実空気量及び実既燃ガス率を算出する手段
64は、後述するように、空気流量計1、吸気圧計7、
吸排気弁カム軸センサ8,クランク角センサ9、排気温
度センサ10、吸気温度センサ11の各信号に基づいて
気筒6内の実空気量と実既燃ガス量を算出する。なお、
前記目標既燃ガス率と前記実空気量(気筒空気量)とか
ら、気筒6の目標既燃ガス量が求められる。弁開閉時期
を変更する手段65は、該目標既燃ガス量と前記実既燃
ガス量とを比較して、両者が一致するように、弁開閉時
期を進角側又は遅角側に変更し、弁開閉時期を算出する
手段66に出力するとともに、可変バルブ装置4に出力
する。
【0029】弁開閉時期を算出する手段66は、両者が
一致したときの弁開閉時期学習の結果として、前記変更
された弁開閉時期を記憶するとともに、目標トルクとエ
ンジン回転数のテーブルから吸気弁14及び排気弁15
の目標開閉時期を算出し、弁開閉時期が前記目標とする
開閉時期になるように可変バルブ装置4を制御する。な
お、可変バルブ装置4が、油圧によりカム軸をねじる方
式の場合には、カム軸の進角(ねじり角)を前記テーブ
ルから求めて、カム軸進角測定値が目標値となるように
油圧制御弁を操作する。
【0030】燃料噴射量及び目標絞り弁開度を設定する
手段67は、後述するように、前記目標空気量、目標既
燃ガス率、及びエンジン回転数、並びに、実空気量に基
づいて、インジェクタ13の開弁時間、電子制御絞り弁
2の開度を算出し、インジェクタ13、電子制御絞り弁
2に出力する。
【0031】図2は、前記吸気圧計7による吸気管3へ
の取り付けと、吸気圧の測定について示した図である。
図2(a)に示すように、吸気管3は、絞り弁2の下流
にて吸気管3の集合部45と、該集合部45から各気筒
6に分岐する各通路3A乃至3Dとを有しており、吸気
圧計7は、集合部45において、通路3A乃至3Dに対
向する側の壁面であって、その略中央部に設置されてい
る。
【0032】また、集合管45中に示された破線は、吸
気管3内の空気流の気柱振動の速度振動の振幅パターン
を示しており、集合部45の左右両端付近で速度振幅が
ゼロ、集合部45の中央付近で速度振幅が最大になるこ
とが分かる。したがって、空気流の気柱振動の圧力振動
(図示省略)は、前記速度振動と90度ずれた位相を有
していることから、図示の速度振動の振幅とは逆にな
り、集合部45の中央付近で圧力振幅がゼロ、集合部4
5の左右両端付近で圧力振幅が最大になることが分か
る。そして、吸気圧計7は、圧力振幅がゼロになる節の
部分にて吸気圧力を検出している。
【0033】吸気圧計7は、図2(b)に示すように、
シリコン製の圧力計43と、その電子回路44とからな
り、集合部45の壁の穴45aにゴムリング40を介し
て吸気圧計ハウジング41が挿入され、ネジ42により
集合部45に固定されている。そして、上述の取り付け
により、気柱振動の伴う圧力振動の影響がない吸気圧の
計測を行い、後述するように、特定クランク角における
吸気圧(気筒内圧力)の瞬時値における実既燃ガス量の
算出を行うことができる。なお、吸気管3の形状によっ
て、エンジン回転数が4000rpm以上で気柱振動の
影響回避が困難になり得る場合には、コントローラ6内
のCPU25にて、気柱振動の周期程度で吸気圧信号の
移動平均処理を行う。
【0034】図3は、エンジン制御装置60の内部構成
図であり、A/Dコンバータ23、パルス信号を入力す
る入力インタフェース24、CPU25、ROM26、
RAM27、バックアップRAM28、インジェクタ駆
動回路29、可変バルブ駆動回路30、絞り弁駆動回路
31とからなり、双方向性バスで接続され、空気流量計
1、吸気圧計7、クランク角センサ9、吸気温度計1
1、吸排気弁カム軸センサ8の各信号に基づいて、空気
量、燃料量に関する指令を出力し、絞り弁2、可変バル
ブ装置4、及びインジェクタ13等を制御している。
【0035】図4は、エンジン制御装置60の信号処理
を説明するフローチャートである。ステップ20では、
前記エンジン運転状態検出手段でアクセル角、エンジン
回転速度、冷却水温を読み込み、ステップ21では、目
標トルクを算出する手段62でエンジン回転速度とアク
セル角の2次元テーブルから目標トルクをテーブルルッ
クアップにて読み出してステップ22に進む。
【0036】ステップ22では、目標空燃比及び目標既
燃ガス率を設定する手段63にて、目標トルクとエンジ
ン回転速度から目標空燃比と目標既燃ガス率をテーブル
ルックアップにて読み出してステップ23に進む。な
お、目標空燃比と目標既燃ガス率は、冷却水温度によっ
て変化するので、前記テーブルは、冷却水温により必要
となる枚数が備えられている。ステップ23では、目標
空燃比及び目標既燃ガス率を設定する手段63にて、予
め目標の既燃ガス率となるように準備された吸気弁14
及び排気弁15のカム軸の進角を目標トルクとエンジン
回転速度のテーブルから読み出す。
【0037】ステップ24では、吸気弁14及び排気弁
15の開閉時期を変更する手段65にて、目標の吸気弁
カム軸位置と目標の排気弁カム軸位置となるように、可
変バルブ装置4の前記油圧制御弁を駆動させる。ステッ
プ25では、気筒6の実空気量及び実既燃ガス率を算出
する手段64にて、後述(図5、6)する手順によっ
て、前記エンジン運転状態検出手段の信号に基づいて気
筒6の実空気量及び実既燃ガス率を直接求める。
【0038】ステップ26では、エンジンの運転状態が
定常状態であるか否かを判定、すなわち、絞り弁2の開
度変化が小さいか否かを判定し、弁開速度の程度を判断
する。そして、エンジンの運転状態が定常状態である、
すなわち、YESの場合には、ステップ27に進み、燃
料噴射量の演算までに余裕時間があるか否か、つまり燃
料噴射時期に近いか否かを判定し、燃料噴射量の演算ま
でに余裕時間がある場合、すなわち、YESのときには
ステップ28に進み、後述(図8)する手順によって実
既燃ガス量を算出し、ステップ29に進む。
【0039】そして、ステップ29では、後述(図9)
するように、吸気弁14及び排気弁15の開閉時期を変
更する手段65にて、設定された目標既燃ガス率(ステ
ップ22)と算出した実既燃ガス率(ステップ25)と
が一致するように吸排気弁の開閉時期を進角側又は遅角
側に変更し、弁開閉時期を算出する手段66にて、一致
したときの吸気弁14と排気弁15の進角値をステップ
23のテーブルに記憶する。
【0040】また、ステップ26でエンジンの運転状態
が定常状態ではない、すなわち、絞り弁2の開度の開速
度が大きいとき、若しくは、ステップ27で燃料噴射量
の演算までに余裕時間がない、すなわち、燃料噴射時期
に近いときには、ステップ30に進み、目標空燃比及び
目標既燃ガス率を設定する手段63にて、目標トルクと
目標空燃比とから目標空気量を求めてステップ31に進
む。
【0041】ステップ31では、燃料噴射量及び目標絞
り弁開度を設定する手段67にて、該目標空気量、目標
既燃ガス量及びエンジン回転速度からテーブルルックア
ップにて目標絞り弁開度を読み出してステップ32に進
み、該目標絞り弁開度を電子制御絞り弁2に出力して、
絞り弁開度を目標開度となるように制御する。
【0042】そして、ステップ33では、燃料噴射量及
び目標絞り弁開度を設定する手段67にて、算出された
気筒6の実空気量(ステップ25)と設定された目標空
燃比(ステップ22)に基づいて燃料噴射量を求めてス
テップ34に進み、インジェクタ13に出力して燃料噴
射を行う。
【0043】図5は、実空気量及び実既燃ガス率を算出
する手段64による気筒6の実既燃ガス量算出の説明図
である。気筒6の前記実既燃ガス量は、ピストン16に
おける特定のクランク角の気筒内ガス量と、実空気量
(気筒空気量)との差から求められ、気筒6の実既燃ガ
ス率の算出に用いられる。なお、前記クランク角は、例
えば吸気弁14の閉時等とする。
【0044】また、前記気筒内ガス量は、気筒6内の全
ガス量たる新しいガス量であり、気筒内ガスの密度と、
前記クランク角における気筒6のシリンダ容積との積か
ら求められる。そして、前記気筒内ガスの密度は、気筒
内ガス温度と気筒内圧力とから得られ、前記ガス温度
は、後述(図8のステップ15乃至19)するように、
吸気温度計11による吸気温度と排気温度計10による
排気温度を既燃ガス割合で比例配分して求められ、ま
た、ピストン16の位置が下死点付近であれば、吸気弁
14部分の空気流速は低いことから、前記気筒内圧力
は、吸気管3の吸気圧力と同じとする。さらに、前記シ
リンダ容積は、吸気弁14の閉時のクランク角から求め
られる。
【0045】一方、前記気筒空気量は、気筒6内の吸入
空気量であり、後述(図6のステップ4乃至7)するよ
うに、空気流量計1の信号を所定クランク角間で積算し
た値に、吸気弁14の開閉時期の変化分の補正、吸気管
充満の補正を加えて求められる。
【0046】図6は、実空気量及び実既燃ガス率を算出
する手段64による前記気筒空気量算出のフローチャー
トである。ステップ1では、空気流量q、吸気圧P、吸
気温度Ta,排気温度TeをA/Dコンバータ23を介
して読み込み、吸気弁カム軸角θCAM、REF信号、
POS信号を入力I/F24を介して読み込んでステッ
プ2に進む。なお、前記吸気弁カム軸角θCAM、RE
F信号、POS信号については、図7で説明する。
【0047】ステップ2では、所定クランク角間、例え
ば、前記REF信号間の吸気圧Pの平均値を算出し、ス
テップ3では、前記吸気圧Pの平均値と吸気温度Taと
からテーブルルックアップにより吸気密度ρを求めてス
テップ4に進む。ステップ4では、今回読み込んだ吸気
密度ρiと前回読み込んだ吸気密度ρi−1との差から
吸気行程毎の吸気密度の差Δρを求めてステップ5に進
む。
【0048】ステップ5では、所定クランク間、例え
ば、吸気行程の間における空気流量qを積算した空気量
Gaを求め、ステップ6では、吸気管3の充満を考慮し
た空気量を算出する。なお、ステップ6中のVは、絞り
弁2の下流から吸気弁14に至る吸気管3の容積であ
る。
【0049】ステップ7では、今回読み込んだ吸気弁カ
ム軸角θCAMiと前回読み込んだ吸気弁カム軸角θC
AMi−1との差から吸気弁カム軸角の変化量ΔθCA
Mを求めてステップ8に進む。なお、ΔθCAMは、吸
気行程毎の吸気弁開期間の重なり量の変化に対応する。
【0050】そして、ステップ8では、吸気弁カム軸角
の変化量ΔθCAMが所定値ε以上であるか否かを判定
し、ΔθCAMが所定値ε以上の場合、すなわちYES
のときには、ステップ9に進み、吸気弁開期間の重なり
量の変化に基づく補正係数をテーブルから求めてステッ
プ11に進む。一方、ΔθCAMが所定値ε以下のとき
には、ステップ10に進み、吸気弁開閉時期変化分の補
正を不要として補正係数を1としてステップ11に進
む。ステップ11では、ステップ6で求めた吸気管3の
充満を考慮した空気量に前記補正係数を乗じて真の空気
量Gaを算出して一連の動作を終了する。
【0051】図7は、図6のステップ1における吸気弁
カム軸角θCAM、REF信号、POS信号の説明図で
あり、エンジン制御装置60に入力されるクランク角セ
ンサ9、カム軸角センサ8の信号、吸気弁14及び排気
弁15の開期間、吸気圧信号、及び空気流量信号を示し
た図である。
【0052】クランク角センサ9は、上死点又は下死点
等の基準位置を示すREF信号と、一定クランク角度
(例えば、クランク角10度)毎のパルスを出力するP
OS信号とからなり、カム軸角信号8は、吸気弁カム若
しくは排気弁カムと一体に回転されるカム軸の回転角を
検出している。本実施形態のように、4つの気筒6を有
するエンジンでは、前記カム軸の回転90度毎に、該カ
ム軸が基準位置に到達したことを示すパルス信号を発生
する。
【0053】吸気弁カム軸角θCAMは、基準位置RE
F信号の立下りから吸気弁14のカム軸角信号の立下り
までの角度であり、前記REF信号と前記カム軸角信号
との立下り間の時間を一定クランク角信号であるPOS
信号を用いて、前記カム軸の角度に変換する。また、吸
気弁14及び排気弁15が開いている期間は、カム形状
により決定されることから、カム軸角信号を基準にして
吸気弁14及び排気弁15の開閉時期を得ることができ
る。つまり、REF信号、POS信号、吸気弁カム軸角
信号、排気弁カム軸角信号に基づいて、吸気弁14と排
気弁15の開期間を求めることができ、吸気弁カム軸角
の変化量ΔθCAMは、今回読み込んだ吸気弁カム軸角
θCAMiと前回読み込んだ吸気弁カム軸角θCAMi
−1との差から求められる。
【0054】図8は、実空気量及び実既燃ガス率を算出
する手段64による気筒6の前記実既燃ガス率算出のフ
ローチャートである。ステップ13では、吸気弁カム軸
角θCAMから吸気弁閉時のシリンダ容積Vcylを求
め、ステップ14に進む。なお、吸気弁カム軸角θCA
Mと吸気弁閉時のシリンダ容積Vcylとの関係は、予
めテーブルとして記憶されている。
【0055】ステップ14では、既燃ガス率の初期値と
して、目標トルクとエンジン回転速度のテーブルに記憶
された既燃ガス率の設定値Rを読み込み、ステップ15
に進む(図4のステップ22参照)。これは、ステップ
15からステップ19の既燃ガス率を求めるための繰り
返し計算の収束を速めるために、真値に近い初期値を選
ぶものである。
【0056】ステップ15では、吸気温度と排気温度を
既燃ガス割合で比例配分し、吸気温度Ta、排気温度T
e及び既燃ガス率Rに基づいて、気筒6内の筒内温度T
mを求めてステップ16に進み、ステップ16では、前
記気筒6内の温度Tmと圧力とから気筒6内のガス密度
ρm求める。なお、前記気筒6内の圧力は吸気圧Pを用
いる。
【0057】ステップ17では、筒内ガス密度ρmとシ
リンダ容積Vcylとの積と、気筒6内の空気量(気筒
空気量)Gaとの差から既燃ガス量Gmを求めてステッ
プ18に進み、ステップ18では、既燃ガス量Gmと気
筒空気量Gaとに基づいて既燃ガス率Rを算出してステ
ップ19に進む。
【0058】そして、ステップ19では、既燃ガス率算
出の収束を判定、つまり、前回求めた既燃ガス率Ri−
1と今回求めた既燃ガス率Riが所定値ε以内であるか
否かを判定し、所定値ε以内の場合、すなわちYESの
ときには、ほぼ真の既燃ガス量Gmが得られており、一
連の動作を終了する。一方、所定値ε以内ではないとき
には、ステップ15に戻り、今回求めた既燃ガス率Ri
を既燃ガス率Rに代入して、ステップ15からステップ
19の動作を繰り返す。
【0059】図9は、弁開閉時期を算出する手段66に
よる吸気弁カム軸進角の学習のフローチャートである。
ステップ28では、既燃ガス量(算出値)Gmを求めて
ステップ40に進み、ステップ40では、ステップ22
で算出された目標既燃ガス率とステップ25で算出され
た気筒空気量とから目標既燃ガス量(目標値)Gmtを
求める。
【0060】ステップ41では、目標値Gmtと算出値
Gmが近いか否か、つまり、ステップ42からステップ
49で行う吸気弁カム軸の進角値の閉ループ制御の収束
判定を行い、目標値Gmtと算出値Gmがほぼ等しい場
合、すなわちYESの場合には、ステップ30(図4)
に進んで、電子制御絞り弁2、燃料噴射弁13を作動さ
せる。
【0061】一方、収束が不十分であるときには、ステ
ップ42に進み、既燃ガス量の目標値Gmtと算出値G
mの大小を比較する。そして、算出値Gmが目標値Gm
tよりも小さい場合、すなわちYESの場合には、ステ
ップ43に進み、吸気弁カム軸角VTから一定値Δを減
算して、吸気弁14の開閉時期を進角させ、既燃ガス量
を増加させてステップ44に進む。なお、一定値Δは、
エンジン冷却水温、エンジン回転速度及びエンジン負荷
(例えば、気筒空気量又は燃料噴射量)により変更し、
エンジン運転性に支障を与えないようにする。
【0062】ステップ44では、吸気弁カム軸進角VT
が下限値VTLを超えていないか否かを判定し、超えて
いない場合、すなわちNOの場合には、吸気弁カム軸進
角VTを新たな進角値としてステップ46に進み、超え
ている場合には、ステップ45にて下限値VTLを進角
値VTとしてステップ46に進む。一方、ステップ42
にて、算出値Gmが目標値Gmtよりも大きいときに
は、ステップ47に進み、吸気弁カム軸角VTに一定値
Δを加算して吸気弁14の開閉時期を遅角させてステッ
プ48に進む。
【0063】ステップ48では、吸気弁カム軸進角VT
が上限値VTHを超えていないか否かを判定し、超えて
いない場合、すなわちNOの場合には、吸気弁カム軸進
角VTを新たな進角値としてステップ46に進み、超え
ている場合には、ステップ48にて上限値VTHを進角
値VTとする。
【0064】そして、ステップ46では、前記得られた
進角値VTをステップ23の目標吸気弁カム軸進角のテ
ーブルに記憶して一連の動作を終了する。以上のよう
に、本発明の実施形態は、上記の構成としたことによっ
て次の機能を奏するものである。
【0065】すなわち、本実施形態のエンジン制御装置
60は、前記エンジン運転状態検出手段による運転条件
の検出信号に基づき、目標空燃比及び目標既燃ガス率を
設定する手段63にて、目標トルクとエンジン回転数と
から目標既燃ガス率等を設定するとともに、気筒6の実
空気量及び実既燃ガス率を算出する手段64にて、吸入
空気量、吸気圧力、吸排気温度、及びクランク角等から
実既燃ガス率を直接に算出し、開閉時期を変更する手段
65にて、目標既燃ガス率(目標既燃ガス量)と実既燃
ガス率(実既燃ガス量)が一致するように弁開閉時期を
進角側又は遅角側に変更し、弁開閉時期を算出する手段
66にて、該一致した時の弁開閉時期を記憶し、次回か
らは該記憶値に基づいた吸気弁14及び排気弁15の開
閉時期としているので、吸気弁14、排気弁15及びピ
ストン16の組立て誤差による機差、大気圧の変化によ
る既燃ガス率のずれが回避され、弁開閉時期制御による
排気還流制御の精度を一層高めることができる。そし
て、実既燃ガス量の算出に用いられる各パラメータは、
エンジン制御に一般に用いられるものであり、その信頼
性は既に保証されているとともに、製造コストの課題を
もなくすことができる。
【0066】また、エンジン制御装置60に入力される
吸気圧の信号は、吸気管3の集合部45の吸気圧計7に
て検出され、該吸気圧計7は、集合部45の略中央部に
設置されていることから、圧力振幅がゼロになる節の部
分にて吸気圧力を検出でき、気柱振動に伴う圧力振動の
影響を受けることなく、ピストン16の動きに伴う吸気
圧のみを測定し、これに基づいて算出される気筒内ガス
量、ひいては実既燃ガス量の精度を高めることができ
る。
【0067】さらに、目標空燃比及び目標既燃ガス率を
設定する手段63は、目標の既燃ガス率をテーブルに書
き込んでいるので、閉ループ制御にて正確に決定でき、
しかも、吸気弁14と排気弁15の進角位置をステップ
23のテーブルにて決定できるので、制御ロジックの設
計が容易になり開発工数の低減を図ることができる。
【0068】さらにまた、実空気量及び実既燃ガス率を
算出する手段64は、吸気弁開期間の重なり量の変化に
基づく補正係数をテーブルから求め、吸気管3の充満を
考慮した空気量に前記補正係数を乗じて真の空気量Ga
を算出しているので、吸気弁14及び排気弁15の開閉
時期が変化した場合に生じる影響、すなわち、他気筒か
らの空気の移動、既燃ガスの吸気管3への吹き返し、吸
気管3の充満の項目を補正することによって、正確な気
筒空気量を求めることができ、しかも、弁開閉時期の変
化分の補正は、テーブルルックアップによる補正値と該
積算値の乗算だけであることから、コンピュータの演算
負荷も小さくすることができる。
【0069】また、本実施形態によって、目標既燃ガス
率が大きい筒内噴射エンジンにおいてもより正確に目標
空気量を供給でき、さらに、排気管と吸気管をバイパス
する通路に排気還流弁を設けた外部EGR装置を不要に
し、簡単な構成の排気還流装置を提供でき、さらに、上
記の実既燃ガス量の算出は、可変バルブによる排気還流
装置の診断に用いることができる。この診断において、
目標既燃ガス率と実際値が所定の値よりずれた場合に
は、警告灯を表示して運転者に知らせることもできる。
【0070】以上、本発明の一実施形態について詳説し
たが、本発明は前記実施形態に限定されるものではな
く、特許請求の範囲に記載された発明の精神を逸脱しな
い範囲で、設計において種々の変更ができるものであ
る。例えば、前記実施形態のエンジン制御装置60は、
燃料を気筒6内に直接噴射する筒内噴射について説明し
たが、インジェクタ13を吸気管3に装着するポート噴
射にも適用させることができ、この場合にも同じ効果を
得ることができる。
【0071】また、気筒6の既燃ガス量は、ピストン1
6が下死点にあるときの気筒内ガス量と気筒空気量との
差から求めても良く、この場合の気筒空気量は、ピスト
ン16が下死点から吸気弁閉のクランク角へ移動する間
に吹き返す空気量を空気流量計1の信号の積算値に加算
若しくは減算する。そして、ピストン16が下死点にあ
るときには、吸気弁14部分の空気流速がほぼゼロとな
り、気筒内圧力と吸気圧とが等しく、正確に既燃ガス量
を求められる効果がある。
【0072】さらに、前記弁開閉時期を変更する手段6
5及び弁開閉時期を算出する手段66は、前記実施形態
では、それぞれ吸排気弁の開閉時期を変更、該変更され
た開閉時期を記憶しているが、この開閉時期に限られる
ことなく、リフト制御等による吸排気弁の開閉動作を変
更、該変更された開閉動作に関するパラメータを記憶す
るものであっても良く、この場合にも同じ効果を得るこ
とができる。
【0073】さらにまた、図10は、弁開閉時期を算出
する手段66は、吸気弁カム軸進角の他の学習のフロー
チャートであり、本図に示すように学習させても良い。
なお、ステップ28、ステップ40、41及び46は、
前記実施例と同様である。ステップ41にて、吸気弁カ
ム軸の進角値の閉ループ制御の収束が不十分である場
合、すなわちNOのときにはステップ50に進み、吸気
弁14のカム軸進角を変えるか否かの判定を目標トルク
とエンジン回転速度のテーブルに基づいて行う。なお、
該テーブルには、吸気弁進角調整の領域と排気弁進角調
整の領域が書かれており、例えば、目標トルクが大であ
る絞り弁2の全開域では、吸気弁14は体積効率を高め
る開閉時期とするので、既燃ガス率は排気弁15の開閉
時期で調整する。また、無負荷域では吸気弁14は既燃
ガス率を小さくする開閉時期とするので、既燃ガス率の
調整は排気弁15の開閉時期で行われる。
【0074】そして、吸気弁14のカム軸進角を変える
場合、すなわちYESのときには、ステップ51に進
み、図9のステップ42からステップ49のステップと
同様に吸気弁14のカム軸角を進角側又は遅角側に変更
して、ステップ46に進む。一方、吸気弁14のカム軸
進角を変えない、つまり、排気弁15のカム軸進角を変
えると判断したときには、ステップ52に移り,排気弁
15のカム軸角を進角側又は遅角側に変更する。
【0075】そして、ステップ46では、前記得られた
進角値VTをステップ23の目標吸気弁カム軸進角のテ
ーブルに記憶して一連の動作を終了する。なお、図10
では、吸気弁14と排気弁15のいずれかが可変制御さ
れる場合を示したが、吸気弁14と排気弁15とを同時
に可変制御しても良く、さらに、吸排気弁のカム軸進角
の記憶に限られず、吸排気弁の開閉時期を記憶させても
良いものである。
【0076】
【発明の効果】以上の説明から理解できるように、本発
明のエンジン制御装置は、空気流量、吸気圧、吸排気温
度等を用いて気筒内の既燃ガス率を直接に算出し、該既
燃ガス率と設定された目標既燃ガス率とを比較して、吸
排気弁の開閉動作を変更しているので、弁開閉動作制御
により要求された既燃ガス量を正確に気筒へ供給でき、
精密な空燃比制御を可能にして、排気物質及び燃費の一
層の低減を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のエンジン制御装置を備えたエンジ
ンシステムの全体構成図。
【図2】図1の吸気圧計による吸気管への取り付け、吸
気圧の測定について示した図。
【図3】図1のエンジン制御装置の内部構成図。
【図4】図1のエンジン制御装置の信号処理を説明する
フローチャート。
【図5】図1のエンジン制御装置の実空気量及び実既燃
ガス率を算出する手段による気筒の既燃ガス量算出の説
明図。
【図6】図1のエンジン制御装置の実空気量及び実既燃
ガス率を算出する手段による気筒の実空気量算出のフロ
ーチャート。
【図7】図6のステップ1における吸気弁カム軸角、R
EF信号、POS信号の説明図。
【図8】図1のエンジン制御装置の実空気量及び実既燃
ガス率を算出する手段による気筒の既燃ガス量算出のフ
ローチャート。
【図9】図1のエンジン制御装置の弁開閉時期を算出す
る手段による吸気弁カム軸進角の学習のフローチャー
ト。
【図10】図9の弁開閉時期を算出する手段による吸気
弁カム軸進角の他の学習のフローチャート。
【図11】可変バルブ付きエンジンにおける気筒空気量
測定の課題を説明する図。
【図12】図11の可変バルブ付きエンジンにおける気
筒既燃ガスを説明する図。
【符号の説明】
1 空気流量計 3 吸気管 4 可変バルブ装置 6 気筒 7 吸気圧力計 8 カム軸角センサ 9 クランク角センサ 10 排気温度センサ 11 吸気温度センサ 13 燃料噴射弁(インジェクタ) 14 吸気弁 15 排気弁 45 吸気管の集合部 60 エンジン制御装置 63 気筒内の目標空燃比及び目標既燃ガス率を設定す
る手段 64 気筒内の実空気量及び実既燃ガス率を算出する手
段 65 吸排気弁の開閉動作(開閉時期)を変更する手段 66 吸排気弁の変更された開閉動作に関するパラメー
タ(開閉時期)を記憶する手段 67 燃料噴射量及び目標絞り弁開度を設定する手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 41/04 320 F02D 41/04 320 330 330C 41/32 41/32 Z 43/00 301 43/00 301H 301K 301Z F02M 25/07 510 F02M 25/07 510B 550 550R 550G Fターム(参考) 3G062 AA10 BA04 BA09 FA05 FA13 GA01 GA02 GA04 GA05 GA06 GA08 GA12 GA15 GA17 3G065 CA12 GA01 GA05 GA08 GA15 GA27 GA41 3G084 BA05 BA13 BA23 DA10 EA05 EA07 EA11 EB09 EC04 FA00 FA02 FA07 FA10 FA11 FA20 FA27 FA29 FA38 3G092 AA11 BA01 BB01 DA01 DA02 DA08 DC01 EA08 EB05 EC10 FA17 HA01Z HA04Z HA05Z HA06Z HD01Z HD05Z HE00Z HE01Z HE03Z HE05Z HE06Z HE08Z 3G301 HA01 HA04 HA13 HA19 JA02 JA15 JA17 JA20 JA25 JB10 KA06 LA01 LA07 LB04 MA11 MA12 MA13 MA14 NA04 NA06 NC01 NC02 ND01 NE11 NE12 PA01A PA07A PA10A PA11A PA17A PA18A PD01A PD11A PD15A PE00A PE01A PE03A PE04A PF03A

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸排気弁の開閉動作を可変制御するとと
    もに、気筒の内部排気還流を行って該気筒内の既燃ガス
    量を制御するエンジン制御装置において、 該エンジン制御装置は、エンジンの運転状態を検出する
    手段の出力信号に基づいて、前記気筒内の目標既燃ガス
    率を設定する手段と、前記気筒内の実既燃ガス率を算出
    する手段と、前記目標既燃ガス率を設定する手段と前記
    実既燃ガス率を算出する手段との各出力信号に基づいて
    前記吸排気弁の開閉動作を変更する手段と、を有するこ
    とを特徴とするエンジン制御装置。
  2. 【請求項2】 前記エンジン制御装置は、前記吸排気弁
    の変更された開閉動作に関するパラメータを記憶する手
    段を有するとともに、該開閉動作に関するパラメータを
    記憶する手段の出力信号に基づいて前記吸排気弁の開閉
    動作に関するパラメータを変更することを特徴とする請
    求項1記載のエンジン制御装置。
  3. 【請求項3】 前記目標既燃ガス率を設定する手段は、
    前記運転状態を検出する手段からのエンジンの目標トル
    クとエンジン回転数とに基づいて、前記気筒内の目標既
    燃ガス率を設定することを特徴とする請求項1又は2記
    載のエンジン制御装置。
  4. 【請求項4】 前記実既燃ガス率を算出する手段は、前
    記運転状態を検出する手段からの前記気筒内の全ガス量
    と前記気筒内の吸入空気量とに基づいて、前記気筒内の
    実既燃ガス率を算出することを特徴とする請求項1乃至
    3のいずれか一項に記載のエンジン制御装置。
  5. 【請求項5】 前記気筒内の全ガス量は、前記運転状態
    を検出する手段による吸気管の吸気圧力、吸気温度及び
    ピストンのクランク角に基づいて求められ、前記気筒内
    の吸入空気量は、前記運転状態を検出する手段による前
    記吸気管の吸入空気量に基づいて求められるものである
    ことを特徴とする請求項4記載のエンジン制御装置。
  6. 【請求項6】 前記吸気圧力は、前記吸気管の集合部の
    中央にて測定されることを特徴とする請求項5記載のエ
    ンジン制御装置。
  7. 【請求項7】 前記吸気圧力は、前記吸気管の集合部内
    における気柱振動の圧力振動定在波の振幅が無いところ
    で測定されることを特徴とする請求項5又は6記載のエ
    ンジン制御装置。
  8. 【請求項8】 前記エンジン制御装置は、前記気筒内の
    実空気量を算出する手段と該実空気量を算出する手段の
    出力信号に基づいて前記気筒内に燃料を噴射する燃料噴
    射弁の燃料噴射量を設定する手段とを有し、前記実空気
    量を算出する手段は、一の吸気弁と他の吸気弁が開いて
    いる時間の重なり時間と吸気管の吸入空気量とに基づい
    て前記気筒内の実空気量を算出することを特徴とする請
    求項1乃至7のいずれか一項に記載のエンジン制御装
    置。
  9. 【請求項9】 前記エンジン制御装置は、前記気筒内の
    目標空気量を設定する手段と、前記吸気管の絞り弁の目
    標開度を設定する手段を有し、該絞り弁の目標開度を算
    出する手段は、目標空気量、目標既燃ガス量、及びエン
    ジン回転数に基づいて前記絞り弁の目標開度を算出する
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載
    のエンジン制御装置。
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