JP2002047242A - メタクリル酸の回収方法 - Google Patents

メタクリル酸の回収方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 メタクリル酸の精製塔の塔底液を有効に利用
する。 【解決手段】 イソブチレン、t−ブチルアルコール、
メタクロレインおよびそれらの混合物よりなる群から選
ばれた少なくとも1種の化合物を分子状酸素含有ガスを
用いて接触気相酸化反応で得られた混合ガスをメタクリ
ル酸捕集塔に導いてメタクリル酸含有液として捕集した
後、該メタクリル酸含有液から蒸留または、蒸留および
抽出により粗製メタクリル酸を得て、ついで粗製メタク
リル酸を蒸留して精製メタクリル酸を得る工程を有する
メタクリル酸の製造方法において、粗製メタクリル酸の
蒸留に用いた精製塔からの塔底液を、前記メタクリル酸
捕集工程、前記メタクリル酸含有液の蒸留工程、前記メ
タクリル酸含有液の抽出工程および前記粗製メタクリル
酸をアルコールと反応させるエステル化工程より選ばれ
た少なくとも1つの工程に供給することを特徴とするメ
タクリル酸の回収方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メタクリル酸の製
造方法において、精製塔の塔底液からメタクリル酸を回
収または製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、メタクリル酸は次のような方法で
製造されていた。例えば、イソブテンまたはメタクロレ
インを分子状酸素含有ガスで接触気相酸化させ、得られ
た混合ガスをメタクリル酸捕集塔に導いて高沸点溶剤を
用いてメタクリル酸を捕集する。
【0003】その後、高沸点溶剤を蒸留によって抽出液
から除去し、さらに結晶化してメタクリル酸を製造して
いた(特開平9−227446号公報)。
【0004】粗製メタクリル酸を結晶化工程ではなく、
蒸留法を採用する場合、精製用の蒸留塔から得られる塔
底液は通常の蒸留操作で濃縮してメタクリル酸を回収し
ようとすると、濃縮された不純物が濃縮用の蒸留塔内の
塔内、塔底、配管またはリボイラーで析出して、濃縮用
の蒸留塔の連続稼働ができなくなるという問題点があ
る。
【0005】また、メタクリル酸の蒸留塔の釜残液より
メタクリル酸を回収する際に蒸留操作ではなく、該釜残
液を強酸性イオン交換樹脂を用いて直接メタノールと反
応させてメタクリル酸を回収していた(特公平7−61
981号公報)。しかし、この方法では、高モル比のメ
タノールが必要であることや、濃縮された不純物により
イオン交換樹脂が汚染され触媒としての活性が低下し、
長期運転ができないという問題点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる点に
鑑みてなされたもので、メタクリル酸の精製用の蒸留塔
の塔底液を有効に利用するすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、メタクリ
ル酸の精製塔の塔底液を有効に利用すべく鋭意検討した
結果、塔底液をメタクリル酸捕集工程、メタクリル酸水
溶液の抽出工程、メタクリル酸溶剤溶液から溶剤を除去
する工程および粗製メタクリル酸をアルコールと反応さ
せるエステル化工程のいずれかの工程に供給することに
より、長期にわたり安定して塔底液からの有効成分を回
収し得ることを見出し、本発明を完成させた。ここでい
う粗製メタクリル酸とは純度が95%を越えメタクリル
酸エステルの製造時の原料として用いるものであり、特
公平7−61981号公報に記載の残釜液とは異なる。
【0008】本発明の目的は、イソブチレン、t−ブチ
ルアルコール、メタクロレインおよびそれらの混合物よ
りなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物を分子状
酸素含有ガスを用いて接触気相酸化反応で得られた混合
ガスをメタクリル酸捕集塔に導いてメタクリル酸含有液
として捕集した後、該メタクリル酸含有液から蒸留また
は、蒸留および抽出により粗製メタクリル酸を得て、つ
いで粗製メタクリル酸を蒸留して精製メタクリル酸を得
る工程を有するメタクリル酸の製造方法において、粗製
メタクリル酸の蒸留に用いた精製塔からの塔底液を、前
記メタクリル酸捕集工程、前記メタクリル酸含有液の蒸
留工程、前記メタクリル酸含有液の抽出工程および前記
粗製メタクリル酸をアルコールと反応させるエステル化
工程より選ばれた少なくとも1つの工程に供給すること
を特徴とするメタクリル酸の回収方法、によって達成さ
れる。
【0009】なかでも、イソブチレン、t−ブチルアル
コール、メタクロレインおよびそれらの混合物よりなる
群から選ばれた少なくとも1種の化合物を分子状酸素含
有ガスを用いて接触気相酸化反応で得られた混合ガスを
メタクリル酸捕集塔に導いてメタクリル酸水溶液として
捕集した後、メタクリル酸水溶液を蒸留してメタクロレ
インなどの軽沸点物質を除去したメタクリル酸水溶液を
有機溶剤で抽出し、抽出したメタクリル酸溶剤溶液から
該有機溶剤を除去して粗製メタクリル酸を得て、ついで
粗製メタクリル酸を蒸留して精製メタクリル酸を得る工
程を有するメタクリル酸の製造方法において、粗製メタ
クリル酸の蒸留に用いた精製塔からの塔底液を、前記メ
タクリル酸捕集工程、前記メタクリル酸水溶液の抽出工
程、前記メタクリル酸溶剤溶液から溶剤を除去する工程
および前記粗製メタクリル酸をアルコールと反応させる
エステル化工程より選ばれた少なくとも1つの工程に供
給することを特徴とするメタクリル酸の回収方法、が好
ましい。
【0010】本発明の技術範囲は、特許請求の範囲の各
請求項に記載された文言に限定されることなく、当業者
がそれらから容易に置き換えられる範囲にもおよぶ。
【0011】
【発明の実施の形態】イソブチレン、t−ブチルアルコ
ール、メタクロレインおよびそれらの混合物よりなる群
から選ばれた少なくとも1種の化合物を分子状酸素含有
ガスを用いて接触気相酸化する。プロピレンの2段接触
酸化法と類似の方法であり、固定床多管式の触媒層が用
いられる。通常、1段目の反応にはモリブデン−ビスマ
ス複合酸化物系触媒が、2段目にはモリブデンーバナジ
ウム複合酸化物系触媒が用いられる。
【0012】反応で得られた混合ガスをメタクリル酸捕
集塔に導いてメタクリル酸水溶液として捕集した後、メ
タクリル酸水溶液を公知の蒸留塔を用いて蒸留してメタ
クロレインなどの軽沸点物質を除去する。得られたメタ
クリル酸水溶液を公知の有機溶剤を用いて回転円板塔な
どの公知の抽出塔で抽出し、抽出したメタクリル酸溶剤
溶液をシーブトレイなどを有する公知の蒸留塔を用いて
蒸留して該有機溶剤を回収しまたは除去し、得られた粗
製メタクリル酸を公知の蒸留塔を用いて蒸留して精製す
る。ここで、有機溶剤としては、炭素数6〜9の脂肪族
飽和炭化水素、特にヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノ
ナンが好ましい。
【0013】反応で得られた混合ガスをメタクリル酸捕
集塔に導いてメタクリル酸を捕集する際に、水以外のそ
の他の溶剤を用いて行うことも可能である。その他の溶
剤としては、メタクリル酸を溶解できれば特に制限され
ないが、例えばジフェニルエーテル、ジフェニルそれら
の混合物などの有機化合物を例示できる。さらに、得ら
れたメタクリル酸含有溶液は蒸留または、蒸留および抽
出法により粗製メタクリル酸を得ることができる。ここ
で、蒸留は多孔板塔などの公知の蒸留塔を用いて、また
抽出は回転円板塔などの公知の手段により行う。
【0014】粗製メタクリル酸を精製する工程において
使用する蒸留塔(精製塔)は、1塔または2塔以上の場
合でもよい。1塔で精製する場合には塔頂から精製メタ
クリル酸を、塔底液からメタクリル酸を回収する。2塔
で精製する場合には、粗製メタクリル酸を最初に第1精
製塔に供給して塔頂から精製メタクリル酸を得て、該精
製メタクリル酸を第2精製塔に供給し塔頂から再精製メ
タクリル酸を得て、第2精製塔の塔底液を第1精製塔に
供給し第1精製塔の塔底液からメタクリル酸を回収する
場合や、第1、第2精製塔のいずれの塔底液も回収作業
で処理する場合がある。
【0015】メタクリル酸の精製塔の塔底液とは、上記
粗製メタクリル酸を蒸留塔で精製する際に生じる塔底液
であれば特に制限はなく、通常、シーブトレーを備えた
蒸留塔を用いて、塔底温度が50℃以上の条件で得られ
る塔底液をいう。塔底液には、通常、メタクリル酸より
も高沸点の不純物が含まれる。
【0016】粗製メタクリル酸の精製塔の塔底液は、メ
タクリル酸の捕集工程、メタクリル酸水溶液の抽出工
程、メタクリル酸溶剤溶液から溶剤を回収する工程また
は粗製メタクリル酸をアルコールと反応させるエステル
化工程に供給する。塔底液の供給場所はメタクリル酸の
エステル化工程が好ましい。これは、塔底液中の成分の
一部がエステル化工程において変性し、精製塔を含む装
置内で重合または析出が起こり難い形態となるからであ
る。かかる塔底液の供給量は、エステル化反応にトラブ
ルが生じない範囲ならば特に制限はされないが、通常、
本来の目的処理物に対して、20質量%以下、好ましく
は10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下が望
ましい。
【0017】また、メタクリル酸をメタクリル酸含有液
として捕集した場合には、粗製メタクリル酸の精製塔の
塔底液は、前記メタクリル酸捕集工程、前記メタクリル
酸含有液の蒸留工程、前記メタクリル酸含有液の抽出工
程または前記粗製メタクリル酸をアルコールと反応させ
るエステル化工程、またはこれらの工程の中の複数の工
程に供給する。
【0018】粗製メタクリル酸をアルコールと反応させ
るエステル化工程とは、得られた上記粗製メタクリル酸
をアルコールと反応させてエステル化してエステル化物
を得る工程をいう。ここで、アルコールとしては、メタ
ノール、エタノール、プロピルアルコール、イソブチル
−、tert−、ブチルノール、ヘキシルアルコール、
ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアル
コール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ド
デシルアルコールなどの炭素数1〜12の脂肪族アルコ
ールまたはシクロペンタノール、シクロヘキサノールな
どの脂環式アルコールなどのアルコールが例示でき、な
かでも炭素数が1〜4の低級脂肪族アルコール、特にメ
タノール、エタノール、プロピルアルコール、ブタノー
ルが好ましい。エステル化反応は、通常、イオン交換樹
脂を用いて行われるが、デュオライトC−26C(住友
化学社製)、ダイヤイオンPK−208、PK−21
6、PK−228(三菱化学社製)、MSC−1、88
(ダウ社製)、アンバーライト16(ロームアンドハー
ス社製)などの公知の多孔質の強酸性陽イオン交換樹脂
を用いてエステル化を行うことが好ましい。
【0019】上記エステル化反応は、通常、公知の方法
を採用できるが、例えば特公昭7−64787号公報の
実施例1に記載の方法により行われる。本発明の一例と
しては精製搭の塔底液を粗製メタクリル酸とともにメタ
クリル酸エステル化工程に供給し、強酸性イオン交換樹
脂を用いてアルコールとのエステル化反応を行い、メタ
クリル酸のエステルを含む反応生成物を得る方法が挙げ
られる。
【0020】該反応生成物を蒸留塔に供給して常圧蒸留
し、塔頂からメタクリル酸のエステルを回収する。通
常、常圧蒸留はシーブトレーを備えた蒸留塔を用いて、
塔底温度が90〜120℃の条件で行う。蒸留塔の底部
から抜き出した缶出液を薄膜蒸発器を併設した蒸留塔に
供給し、薄膜蒸発器の底部から廃油を得る。
【0021】廃油用の蒸留塔としては、通常、理論段数
が10〜30段、好ましくは10〜20段であって、カ
スケードミニリングなどの充填物を内装した充填塔が好
適に用いられる。また、操作条件は、通常、減圧下、好
ましくは10〜200hPaの操作圧で、蒸留塔の塔底
温度が120℃以下、好ましくは60〜120℃となる
条件下で蒸留することが望ましい。塔底温度が高すぎる
と、重合物が発生して長期の安定操作が困難となるため
好ましくない。
【0022】なお、薄膜蒸発器としては特に制限はな
く、一般に薄膜蒸発器として用いられるものを使用する
ことができ、縦型、横型のいずれでもよい。
【0023】メタクリル酸の精製塔の塔底液をこのよう
に循環または使用することにより、メタクリル酸の捕集
塔、溶剤を用いる抽出塔、溶剤分離塔、メタクリル酸の
精製塔、エステル化反応器、生成物用の蒸留塔、廃油用
の蒸留塔および薄膜蒸発器のいずれにおいても、長期間
実施しても重合物、析出物の影響によるトラブルは発生
しないか、発生の割合は極めて低減される。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例により具体的に説明す
るが、これらの実施例は本発明を限定するものではな
い。
【0025】実施例1 モリブデン系触媒を用いてイソブチレンを水蒸気の存在
下に空気により接触気相酸化反応させ、反応生成ガスを
メタクリル酸捕集塔に導いてメタクリル酸水溶液として
捕集した後、メタクロレインなどの軽沸点物質を蒸留に
より除去して、メタクリル酸35質量%、酢酸5.3質
量%、フタル酸2.0質量%、マレイン酸1.2質量%
およびタール状物質1.5質量%を含むメタクリル酸水
溶液12.5kg/時を得た。
【0026】内径700mm、全高1800mmの回転
円板塔からなる抽出塔の上部から該メタクリル酸水溶液
を、抽出塔下部からn−ヘプタン16.4kg/時をそ
れぞれ供給し、連続的に向流抽出を行った。抽出操作は
常温、常圧でおこない、十分に抽出平衡に達した後、抽
出塔上部からメタクリル酸を含むn−ヘプタン相20.
8kg/時および抽出塔下部から水相8.1kg/時を
それぞれ得た。
【0027】得られたn−ヘプタン相を溶剤分離塔(内
径6インチ、シーブトレー30段、SUS304製)の
15段目に供給し、塔頂圧80hPa、塔頂温度44
℃、還流比1.0で蒸留した。塔頂から留出したn−ヘ
プタンは抽出塔に循環、再使用した。溶剤分離塔の塔底
部から粗製メタクリル酸を4.35kg/時で得た。
【0028】該粗製メタクリル酸0.77kg/時を第
1精製塔(塔径3.4cm、段数8段のガラス製オルダ
ーショウ型蒸留塔)に供給し、塔頂圧25hPa、塔頂
温度83℃、還流比0.6で蒸留した。塔頂から留出し
た精製メタクリル酸を0.65kg/時で第2精製塔
(塔径3.4cm、段数17段のガラス製オルダーショ
ウ型蒸留塔)に供給し、塔頂圧25hPa、塔頂温度8
1℃、還流比2.0で蒸留した。塔頂から再精製メタク
リル酸を0.60kg/時で得た。第2精製塔の塔底液
は第1精製塔に供給し、第1精製塔から0.17kg/
時の割合で塔底液を抜き出した。
【0029】第1精製塔の塔底液を粗製メタクリル酸と
ともに(粗製メタクリル酸と塔底液の質量比率は21:
1であった)メタクリル酸エステル化工程に供給し、架
橋度8%、比表面積4m2/g(BET法)、ポロシテ
ィ0.1mL/g、平均細孔径300Aの多孔質の強酸
性イオン交換樹脂を用いてメタノールとのエステル化反
応を行い、メタクリル酸メチルを含有する反応生成物を
得た。
【0030】該反応生成物を蒸留塔に供給して常圧蒸留
し(蒸留条件:塔頂温度83℃、塔径7.5cm、段数
15段のガラス製オルダーショウ型蒸留塔)、留分を得
た。該蒸発器の底部から抜き出した缶出液を薄膜蒸発器
(ガラス製縦型)を併設した蒸留塔に供給し、薄膜蒸発
器の底部から廃油を得た。
【0031】上記の条件で60日間連続運転を行ったと
ころ、上述した捕集塔、抽出塔、溶剤分離塔、精製塔、
エステル化反応器、蒸留塔および薄膜蒸発器ではいずれ
も重合物、析出物などによるトラブルは認められなかっ
た。
【0032】比較例1 実施例1において、第1精製塔の塔底液を単独で別の薄
膜蒸発器を併設した蒸留塔に供給し、薄膜蒸発器の底部
から廃油を得るようにした以外は実施例1と同様にして
運転を行った。
【0033】その結果、稼働10日後の蒸留塔の圧損が
増大し、連続運転が困難になった。直ちに運転を停止
し、解体点検したところ、蒸留塔内および薄膜蒸発器内
に多量の析出物が付着していた。
【0034】比較例2 実施例1における第1精製搭の塔底液を単独で別のエス
テル化反応器に供給しメタノールとのエステル化反応を
行った。なお、強酸性陽イオン交換樹脂は実施例1と同
じものを用いた。
【0035】エステル化反応を連続して行ったところ運
転開始後、20日後にイオン交換樹脂の活性が著しく低
下し、反応を継続することが困難であった。
【0036】
【発明の効果】本発明の方法により、メタクリル酸精製
塔の塔底液よりメタクリル酸を回収する場合には装置内
での不純物の重合、析出が抑制され、装置の長期稼働が
可能になる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 百々 治 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地の 1 株式会社日本触媒内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AD11 AD16 AD30 BA72 BD40 BD53 BS10 DA64

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イソブチレン、t−ブチルアルコール、
    メタクロレインおよびそれらの混合物よりなる群から選
    ばれた少なくとも1種の化合物を分子状酸素含有ガスを
    用いて接触気相酸化反応で得られた混合ガスをメタクリ
    ル酸捕集塔に導いてメタクリル酸含有液として捕集した
    後、該メタクリル酸含有液から蒸留または、蒸留および
    抽出により粗製メタクリル酸を得て、ついで粗製メタク
    リル酸を蒸留して精製メタクリル酸を得る工程を有する
    メタクリル酸の製造方法において、 粗製メタクリル酸の蒸留に用いた精製塔からの塔底液
    を、前記メタクリル酸捕集工程、前記メタクリル酸含有
    液の蒸留工程、前記メタクリル酸含有液の抽出工程およ
    び前記粗製メタクリル酸をアルコールと反応させるエス
    テル化工程より選ばれた少なくとも1つの工程に供給す
    ることを特徴とするメタクリル酸の回収方法。
  2. 【請求項2】 イソブチレン、t−ブチルアルコール、
    メタクロレインおよびそれらの混合物よりなる群から選
    ばれた少なくとも1種の化合物を分子状酸素含有ガスを
    用いて接触気相酸化反応で得られた混合ガスをメタクリ
    ル酸捕集塔に導いてメタクリル酸水溶液として捕集した
    後、メタクリル酸水溶液を蒸留してメタクロレインなど
    の軽沸点物質を除去したメタクリル酸水溶液を有機溶剤
    で抽出し、抽出したメタクリル酸溶剤溶液から該有機溶
    剤を除去して粗製メタクリル酸を得て、ついで粗製メタ
    クリル酸を蒸留して精製メタクリル酸を得る工程を有す
    るメタクリル酸の製造方法において、 粗製メタクリル酸の蒸留に用いた精製塔からの塔底液
    を、前記メタクリル酸捕集工程、前記メタクリル酸水溶
    液の抽出工程、前記メタクリル酸溶剤溶液から溶剤を除
    去する工程および前記粗製メタクリル酸をアルコールと
    反応させるエステル化工程より選ばれた少なくとも1つ
    の工程に供給する請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記エステル化が強酸性イオン交換樹脂
    を用いて行われる請求項1または請求項2に記載の方
    法。
  4. 【請求項4】 前記アルコールが炭素数1〜12の脂肪
    族アルコールまたは脂環式アルコールである請求項1〜
    3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記精製塔からの塔底液をメタクリル酸
    エステル化工程に供給する請求項1〜4のいずれか1項
    に記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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