JP4104232B2 - 酢酸含有廃水からの酢酸回収方法 - Google Patents

酢酸含有廃水からの酢酸回収方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酢酸含有廃水から酢酸を回収する方法に関し、更に詳しくは、抽出溶剤を用いて、酢酸含有廃水から酢酸を抽出回収する、酢酸含有廃水からの酢酸回収方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、酢酸含有廃水の処理方法には、活性汚泥法、直接燃焼法が広く知られている。しかし、これらの方法はいずれも他の全有機炭素成分(以下、TOC成分と称することもある。)と共に酢酸をも処分してしまう方法であり、有効資源のリサイクルという観点からすれば決して好ましい方法ではない。また、余剰汚泥等の副生もあり、地球環境保全上も好ましくない。
【0003】
上記の有効資源リサイクルとして、酢酸を蒸留回収することが提案されており、この蒸留回収方法としては、オランダ国特許第73−16510号、ドイツ連邦国特許第3408239号、ソビエト連邦国特許第1268564号、特開平6−65139号公報等、各種の提案がなされているが、これらの方法はいずれも酢酸濃度が10重量%以上の酢酸水溶液を対象にした方法であって、酢酸濃度が数重量%以下の低い濃度であると、蒸留操作のみで効率的に酢酸を回収するのは困難である。
【0004】
また、酢酸をエステル化して回収する方法(ハンガリー国特許第40969号、特開昭59−29633号公報等)も提案されている。しかし、これらの方法ではエステル化と加水分解との2段階の反応工程を必要とし、それに伴ってアルコールの除去、水の除去などの分離操作も必要となるため、プロセス全体が長くなって設備コストが増大するという問題がある。
【0005】
その他の方法として、有機溶剤による抽出法も提案されており、抽出溶剤として、ホスファンオキサイド(特開昭63−44539号公報)、アミン及び燐酸エステル(特開昭55−154935号公報)、燐酸エステル(特開昭57−56002号公報)、メチル−n−アミルケトン(特開昭60−25949号公報)等の有機溶媒が提案されている。
【0006】
しかしながら、抽出溶剤に中に脂肪族ケトンを使用する方法においては、該ケトンに含まれる微量の不飽和化合物等が精製酢酸に混入し、酢酸品質の悪化をもたらすたという問題や、抽出溶剤中に排水中の芳香族酸成分が蓄積し詰りが発生する等の問題が生じており、依然として有効な酢酸含有廃水からの酢酸回収方法を確立することが要望となっていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来技術が有していた問題点を解決し、抽出溶剤を用いた抽出法によって、酢酸含有廃水から高純度の酢酸を回収する方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、抽出溶剤を用いる酢酸の回収方法について鋭意検討を重ねた結果、該抽出溶剤として、水と容易に共沸混合物を形成し、酢酸とは共沸混合物を形成せず、更に、酢酸の沸点よりも高い沸点を有する溶剤を精製して用いるとき、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明の目的は、
抽出溶剤を用いて酢酸含有廃水から酢酸を抽出する方法において、
抽出溶剤を用いて抽出する前に酢酸含有廃水にルテニウムを担持した固体触媒を用いて湿式酸化処理を行い、該抽出溶剤として、下記(a)〜(b)の各工程を逐次通過させて精製した、下記(c)〜(e)の特性を有するジ−n−プロピルケトン又はメチル−n−アミルケトンを抽出溶剤の少なくとも一部に用いることを特徴とする、酢酸含有廃水からの酢酸回収方法により達成することができる。
(a)抽出溶剤回収塔内に抽出溶剤と水とを導入し、該回収塔塔頂部から抽出溶剤と水とからなる共沸混合物を留出液として取り出す、第一工程。
(b)抽出溶剤回収塔からの留出液である共沸混合物を、溶剤相と水相とに液液分離する、第二工程。
(c)水と共沸混合物を形成すること。
(d)酢酸とは共沸混合物を形成しないこと。
(e)酢酸の沸点よりも高い沸点を有すること。
【0010】
【発明の実施の形態】
酢酸含有処理液から高純度酢酸を回収するには、▲1▼水と共沸混合物を形成し、▲2▼酢酸とは共沸混合物を形成せず、▲3▼酢酸の沸点よりも高い沸点を有する抽出溶剤を精製して用いて、酢酸の抽出操作を行う必要がある。
【0011】
該抽出溶剤は、水と共沸混合物を形成し、酢酸とは共沸混合物を形成しない物質であり、酢酸の沸点よりも高い沸点を有していることが必要であるが、回収した酢酸から抽出溶剤を分離する操作を容易なものとするために該抽出溶剤の沸点は酢酸よりも20℃以上高いことが好ましく、一方、設備コスト等の観点から、該沸点差を80℃以下とすることが好ましい。更に、水と抽出溶剤とからなる共沸混合物の沸点と酢酸の沸点との差を大きくとると、両者の分離操作が容易になるため特に好ましい。
【0012】
上記の要件を満足する抽出溶剤としては、炭素数6〜10の脂肪族ケトンを挙げることができ、更に具体的には、ジイソプロピルケトン、ジ−n−プロピルケトン、メチル−n−アミルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチル−n−ブチルケトン及びジイソブチルケトン等を挙げることができる。
【0013】
該抽出溶剤を構成する炭素の数が、6〜10の範囲にある場合には、特に、酢酸との沸点差が大きく分離操作が安易であるとともに、抽出溶剤の蒸留精製工程におけるエネルギー使用量を制御することができる。
【0014】
これらの抽出溶剤は、一種を単独で用いても、2種類以上を併用してもどちらでもよいが、該抽出溶剤の使用量は抽出処理する酢酸含有排水量に対して1.1重量倍以上、3.0重量倍以下であることが好ましい。該使用量を1.1重量倍以上とすることにより酢酸水溶液を効率良く酢酸を抽出することが可能となる。逆に該使用量が1.1重量倍未満であると酢酸含有排水から効率良く酢酸を抽出することが困難になるため好ましくない。
【0015】
また、該抽出溶剤の使用量を過剰とした場合には、抽出溶剤回収塔での溶剤蒸留精製量を一時的に少なくすることができ、p−トルイル酸やテレフタル酸のような高沸点の不純物が含まれていても、酢酸と抽出溶剤とを分離する蒸留塔の釜残に高沸点の不純物が濃縮され難くなり、酢酸と高沸点の不純物とを分離する蒸留精製塔の塔底に高沸点の不純物が濃縮されて、リボイラーチューブへの該不純物の付着が原因となる伝熱効率の低下、リボイラーチューブの閉塞、といった問題点を抑制できる利点がある。
【0016】
しかしながら、該使用量が長期間に亘って多すぎると(例えば、抽出処理する酢酸含有排水量の3.0重量倍を超える量)、抽出溶剤と酢酸との分離操作に多くのエネルギーを必要とするので、前述の使用量の条件及び工程全体の経済性を十分考慮したうえで抽出溶剤使用量を設定すればよい。
【0017】
一般に、抽出剤は生成時に副生する不純物等を含んでおり、該不純物を精製する必要がある。特に、抽出溶剤として脂肪族ケトンを用いる際には、該脂肪族ケトンには、例えば不飽和ケトン、オレフィン等脂肪族ケトンの原料や脂肪族ケトンの精製過程で生成された副生物等の不純物が含まれる為、該脂肪族ケトンの純度を制御することが好ましく、該脂肪族ケトンの純度は硫酸着色試験によって測定することができる。ここで、硫酸着色試験とは、硫酸で容易に酸化される不飽和化合物、芳香族炭化水素などの不純物を検出する方法であって、本発明における具体的な測定手順としては、回収した酢酸に一定量の硫酸を添加し、30分経過した後の色相(以下、硫酸着色度と称することもある。)を測定するものである。
【0018】
尚、色相の評価方法はthe American Public Health Association(APHA)規程の方法に準拠して測定を行った。ここで、抽出溶媒として脂肪族ケトンを用いる場合には、該脂肪族ケトンを抽出溶剤として用いて回収された酢酸の色相が300以下程度となるようにすることが好ましい。該色相が300以下である場合には、着色成分を除去するための酢酸精製の蒸留条件が温和となり、工業的に使用可能な高純度酢酸の収量が増大する。
【0019】
該脂肪族ケトンは、具体的には水蒸気蒸留を行えば精製することができるが、水蒸気蒸留塔内の塔頂温度、圧力は、用いる脂肪族ケトンの種類によって左右され、搭頂温度が80〜150℃、圧力は常圧であることが好ましく、該塔頂温度が上記の範囲内にある時には、共沸混合物の生成が十分行われて抽出溶剤の純度を更に向上させることができる。該水蒸気蒸留は常圧で行うことが可能であり、減圧、加圧蒸留を敢えて選択する必要は無い。
【0020】
本発明の回収方法は、主に、化学工場、製糸工場等の酸化反応プロセスから排出される廃水を対象としており、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸を始めとする脂肪族カルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸を始めとする芳香族カルボン酸、これらカルボン酸のエステル製造プロセス等から排出される廃水に対して適用できる。
【0021】
上記の廃水中にはカルボン酸、アルデヒド類、ギ酸、アルコール類等が含有成分として含まれており、更に具体的には、カルボン酸として酢酸、ギ酸及びプロピオン酸、アルデヒド類としてホルムアルデヒド及びアセトアルデヒド、アルコール類としてメタノール、エタノールなどが含まれている。該廃水含有成分の各成分濃度については特に限定はしないが、酢酸濃度が0.1〜50重量%の範囲にあることが好ましい。該濃度が上記の範囲内にある場合には、少量の抽出溶剤で、効率良く回収を行うことができる。尚、酢酸濃度が50重量%を超えるような廃水にあっては、操作が簡便な他の方法を用いても比較的容易に高純度の酢酸が得られるので、抽出方を使用する利点は少ない。
【0022】
本発明の回収方法においては、酢酸含有廃水に前処理として、該廃水が液相を保持する圧力下で貴金属担持固体触媒を用いて触媒湿式酸化処理を施すことが好ましい。該触媒湿式酸化処理を行うことにより、酢酸含有廃水中に含まれているホルムアルデヒド、ギ酸などの酢酸以外の有機物を、炭酸ガスと水とに分解することができ、酢酸は大部分が分解されずに処理液中に残存するため、酢酸含有廃水から、更に効率良く酢酸を回収することが可能となる。
【0023】
以下、図面をもって本発明の酢酸回収方法の一態様を説明する。図1中、酢酸含有廃水を廃水ポンプ(図中1)により熱交換器(図中2)に導入し、一方コンプレッサー(図中3)により昇圧された酸素含有ガスも同時に熱交換器(図中2)に導入して予熱を行い昇温する。
【0024】
昇温された有機物含有廃水及び酸素含有ガスは、触媒を充填した触媒湿式酸化処理装置(図中4)の塔頂部に導入され、該廃水中の有機物は触媒湿式酸化処理を受けて酸化分解されつつ廃水は塔底部に向かって流下する。該処理装置(図中4)から排出された廃水処理液は熱交換器(図中2)を経て冷却される。
【0025】
その後、気液分離器(図中5)に導入された処理液は、無害な炭酸ガスと酢酸含有処理水とに分離されたのち、該酢酸含有処理水は酢酸抽出塔(図中6)に導入される。
【0026】
次に、抽出溶剤に対しては、ポンプ(図中8)により溶剤回収塔(図中15)に導入して水蒸気蒸留を行う。溶剤精製塔を新たに設けても良いが、溶剤回収塔と同機能であり経済的には兼ねることが好ましい。不純物である不飽和化合物、溶剤は塔底部の缶出液として抜き出され、水、溶剤は塔頂部の留出液として抜き出される。缶出液はそのままパージされ、留出液は液液分離器(図中11)へ送液される。
【0027】
抽出溶剤と酢酸含有処理液は酢酸抽出塔(図中6)で向流接触して、塔頂から抽剤相、塔底から抽残相が抜き出される。抽剤相はポンプ(図中12)により脱水塔(図中13)に送液され、抽残相はポンプ(図中14)により溶剤回収塔(図中15)に送液される。
【0028】
脱水塔(図中13)では、抽剤相の脱水が行われ、水、溶剤、少量の酢酸が塔頂部の留出液として取り出され、酢酸、溶剤が塔底部の缶出液として取り出される。留出液は液液分離器(図中16)に送られ、また缶出液は酢酸精製塔(図中18)へ送られて酢酸の回収が行われる。
【0029】
液液分離器(図中16)で、留出液は水相、抽出相に分離されたのち、水相はポンプ(図中19)により溶剤回収塔(図中15)に送液され、一方、抽出相は酢酸精製塔(図中18)に送液され、微量の酢酸が回収される。
【0030】
溶剤回収塔(図中15)では、抽残相中の抽剤の回収が行われ、塔頂から抽剤、水が抜き出され、塔底から抽剤を含まない処理を抜き出してパージする。
【0031】
溶剤回収塔(図中15)の留出液は液液分離器(図中11)へ送られる。ここで留出液は水相、抽出相に分離されたのち、水相はポンプ(図中19)により溶剤回収塔(図中15)に戻され、抽出相はポンプ(図中21)により脱水塔(図中13)に送液される。
【0032】
酢酸精製塔(図中18)では、塔頂部から精製酢酸、塔底部から抽剤が抜き出される。精製酢酸はポンプ(図中23)により回収酢酸タンク(図中24)へ送液され、抽剤はポンプ(図中10)によりクーラー(図中 9)にて冷却後抽出溶剤タンク(図中7)に貯える。この抽出溶剤は、ポンプ(図中8)により、一部を溶剤回収塔(図中15)に送液し溶剤中の不純物を除去する。大部分は酢酸抽出塔(図中6)に戻されて循環使用される。溶剤回収塔への送液量は溶剤中の不純物濃度が通常使用する最低の温度、即ち、40℃付近における不純物飽和溶解度以下となるように行う。
【0033】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれにより何等限定を受けるものではない。
尚、実施例中の各値は以下の方法に従って算出した。
重量空間速度:
重量空間速度(hr-1)=廃水供給速度(g/hr)/触媒重量(g)
TOC濃度:
TOC濃度(ppm)=排水中に含まれる有機化合物の総炭素量(mg)/廃水質量(g)×1000
ギ酸濃度:
ギ酸濃度(ppm)=廃水中に含まれるギ酸質量(mg)/廃水質量(g)×1000
酢酸濃度:
酢酸濃度(ppm)=廃水中に含まれる酢酸質量(mg)/廃水質量(g)×1000
硫酸着色試験法:
回収した酢酸27mLに濃硫酸3mLを添加し、室温で10分間放置した後、サンプルを色度標準と比較することにより回収酢酸の硫酸着色度を求めた。
【0034】
[実施例1]
湿式酸化分解工程:
湿式触媒分解処理塔に、ルテニウムを酸化チタンに担持した触媒(ルテニウム2重量%)を充填し、ジメチルテレフタレート製造プロセスから排出されたTOC濃度18440ppm、ギ酸濃度1.05重量%、酢酸濃度2.83重量%、ホルムアルデヒド濃度1.01重量%の廃水と4NL/minの空気とを混合してWHSV2hr-1で反応器の塔頂部より導入し、処理温度230℃、処理圧力30kg/cm2Gにて廃水を処理した。各有機成分の分解率、酢酸濃度を表1に示す。
【0035】
【表1】
Figure 0004104232
【0036】
抽出溶剤回収工程:
ラボパックを充填したガラス製蒸留塔を用い、塔上部に水蒸気と、メシチルオキシド240ppmを含有するメチル−n−アミルケトン(以下、MAKと略記する。)を供給した。そして塔頂からMAK、水の2相混合液、塔底からMAKを抜き出した。この時、蒸留塔の塔頂温度は97℃、塔底温度は106℃であった。留出液、缶出液の液組成は表2に記載した通りであった。留出液中のメシチルオキシドは5ppmであった。
【0037】
【表2】
Figure 0004104232
【0038】
酢酸抽出工程:
住友重機製カールカラム型抽出塔を用い、酢酸含有処理液の抽出操作を行った。湿式酸化分解工程にて得られた酢酸含有処理液を抽出塔上部に、抽出溶剤精製工程にて得られたMAKを抽出塔下部に導入し塔内で向流接触させた。塔頂部から抽出液、塔底部から抽残液を取り出した。ガスクロマトグラフィーにより、抽出液及び抽残液の酢酸濃度、MAK濃度を求めて表3に示した。
【0039】
【表3】
Figure 0004104232
【0040】
酢酸精製工程:
酢酸抽出工程にて得られた酢酸抽出液に対して2段階の蒸留操作を行った。1段目の蒸留操作で酢酸抽出液の脱水を行い、2段目の蒸留操作で酢酸精製を行った。2段目の蒸留操作の留分として、純度99.9重量%の酢酸が回収率93.8%で得られた。各蒸留操作の条件、回収酢酸の硫酸着色度は表4、5に示す。
【0041】
【表4】
Figure 0004104232
【0042】
【表5】
Figure 0004104232
【0043】
[実施例2]
実施例1において、抽出溶剤としてジ−n−プロピルケトンを用い、酢酸抽出条件、脂肪族ケトンの水蒸気蒸留条件、脱水条件及び酢酸精製条件を変更すること以外は同様の操作をを行った。結果を表6〜9に示す。
【0044】
【表6】
Figure 0004104232
【0045】
【表7】
Figure 0004104232
【0046】
【表8】
Figure 0004104232
【0047】
【表9】
Figure 0004104232
【0048】
[比較例1]
実施例1において、水蒸気蒸留をしていないメチル−n−アミルケトンを用いること以外は同様の操作を行った。結果を表10〜12に示す。
【0049】
【表10】
Figure 0004104232
【0050】
【表11】
Figure 0004104232
【0051】
【表12】
Figure 0004104232
【0052】
[比較例2]
実施例1において、水蒸気蒸留をしていないジ−n−プロピルケトンを用いること以外は同様の操作を行った。結果を表13〜15に示す。
【0053】
【表13】
Figure 0004104232
【0054】
【表14】
Figure 0004104232
【0055】
【表15】
Figure 0004104232
【0056】
[実施例3]
湿式触媒分解処理塔に、ルテニウムを酸化チタンに担持した触媒(ルテニウム2重量%)を充填し、ジメチルテレフタレート製造プロセスから排出されたTOC濃度18440ppm、ギ酸濃度1.05重量%、酢酸濃度2.83重量%、ホルムアルデヒド濃度1.01重量%の廃水と10Nm3/minの空気とを混合してWHSV6hr-1で反応器の塔頂部より導入し、処理温度230℃、処理圧力35kg/cm2Gにて廃水を処理した。該排水を住友重機製カールカラム型抽出塔を用い、酢酸含有処理液の抽出操作を行った。湿式酸化分解工程にて得られた酢酸含有処理液を抽出塔上部に6ton/h、酢酸と蒸留分離して得られたMAKを12T/Hで抽出塔下部に導入し塔内で向流接触させた。塔頂部から抽出液、塔底部から抽残液を取り出した。この抽出液を蒸留で脱水後、酢酸蒸留塔で酢酸を分離し、塔底から得られるMAKを24kg/hで排水中MAK回収塔にフィードした。留出MAKは抽出塔へフィードした。この時の抽出塔フィードMAK中に含まれるテレフタル酸濃度を島津製作所製の等速電気泳動分析装置により測定した。結果は表16のようになり、固形物の析出はなく、連続運転できた。
【0057】
[比較例3]
実施例3において、酢酸精製塔塔底のMAKを672kg/hで排水中MAK回収塔にフィードすること以外は同様の操作を行った。結果は表16にようになり固形物の析出が起こり運転できなくなった。
【0058】
【表16】
Figure 0004104232
【0059】
【発明の効果】
本発明の回収方法によれば、化学工場、製糸工場等の酸化反応プロセスから排出される酢酸含有廃水から、高純度の酢酸を効率よく、容易に回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の酢酸回収方法を説明するための、回収プロセスの一態様を示した概略図である。
【符号の説明】
1 ・・・ 廃水供給ポンプ
2 ・・・ 熱交換器(反応熱回収及び廃水予熱用)
3 ・・・ コンプレッサー
4 ・・・ 湿式触媒酸化塔
5 ・・・ 気液分離器
6 ・・・ 酢酸抽出塔
7 ・・・ 抽出溶剤タンク
8 ・・・ ポンプ
9 ・・・ クーラー
10 ・・・ ポンプ
11 ・・・ 液液分離器
12 ・・・ ポンプ
13 ・・・ 脱水塔
14 ・・・ ポンプ
15 ・・・ 溶剤回収塔
16 ・・・ 液液分離器
17 ・・・ リボイラー
18 ・・・ 酢酸精製塔
19 ・・・ ポンプ
20 ・・・ ポンプ
21 ・・・ ポンプ
22 ・・・ 酢酸クーラー
23 ・・・ ポンプ
24 ・・・ 回収酢酸タンク

Claims (6)

  1. 抽出溶剤を用いて酢酸含有廃水から酢酸を抽出する方法において、
    抽出溶剤を用いて抽出する前に酢酸含有廃水にルテニウムを担持した固体触媒を用いて湿式酸化処理を行い、該抽出溶剤として、下記(a)〜(b)の各工程を逐次通過させて精製した、下記(c)〜(e)の特性を有するジ−n−プロピルケトン又はメチル−n−アミルケトンを抽出溶剤の少なくとも一部に用いることを特徴とする、酢酸含有廃水からの酢酸回収方法。
    (a)抽出溶剤回収塔内に抽出溶剤と水とを導入し、該回収塔塔頂部から抽出溶剤と水とからなる共沸混合物を留出液として取り出す、第一工程。
    (b)抽出溶剤回収塔からの留出液である共沸混合物を、溶剤相と水相とに液液分離する第二工程。
    (c)水と共沸混合物を形成すること。
    (d)酢酸とは共沸混合物を形成しないこと。
    (e)酢酸の沸点よりも高い沸点を有すること。
  2. 抽出溶剤回収搭内に導入する水として水蒸気を用いる、請求項1記載の酢酸回収方法。
  3. 酢酸を抽出・回収する前の酢酸含有廃水に対して、予め該廃水が液相を保持する圧力下で貴金属担持固体触媒を用いて触媒湿式酸化処理を行う、請求項1記載の酢酸回収方法。
  4. 酢酸含有廃水が、テレフタル酸、テレフタル酸ジメチル及びポリエチレンテレフタレートのいずれかの製造プロセスから排出された廃水である、請求項1記載の酢酸回収方法。
  5. 酢酸含有廃水の酢酸濃度が0.1〜50重量%であり、抽出溶剤の使用量が酢酸含有廃水に対して1.1〜3.0重量倍である、請求項1〜4のいずれか1項記載の酢酸回収方法。
  6. 抽出溶剤として、下記(c)〜(e)の特性を有するジ−n−プロピルケトン又はメチル−n−アミルケトンを抽出溶剤の少なくとも一部に用いて酢酸含有廃水から酢酸を抽出する装置であって、
    前記酢酸含有廃水をルテニウム担持固体触媒を用いて湿式酸化処理する湿式酸化処理手段と、
    前記酢酸含有廃水から抽剤相を分離する酢酸抽出手段と、
    該抽剤相を前記酢酸と前記抽出溶剤に分離する酢酸精製手段と、
    該酢酸精製手段で分離した前記抽出溶剤の一部と水とを導入して、前記抽出溶剤と前記水とからなる共沸混合物を留出液として取り出す抽出溶剤回収手段と、
    該抽出溶剤回収手段からの前期留出液である前記共沸混合物を前記抽出溶剤と前記水とに分離する液液分離手段と、を備え
    該液液分離手段からの前記抽出溶剤を前記酢酸抽出手段に導入することを特徴とする酢酸回収装置。
    (c)水と共沸混合物を形成すること。
    (d)酢酸とは共沸混合物を形成しないこと。
    (e)酢酸の沸点よりも高い沸点を有すること。
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