JP2002047109A - イネ病害防除剤およびイネ病害防除方法 - Google Patents

イネ病害防除剤およびイネ病害防除方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】稲育苗箱に発生する土壌伝染性病害および種子
伝染病害の同時防除剤として安定した効果を得て、土壌
消毒処理と種子消毒処理の作業を省力化すること。 【解決手段】有効成分としてカスガマイシンまたはその
塩類と3−アリルオキシ−1,2−ベンゾイソチアゾー
ル−1,1−ジオキシドとを含有する粒状剤を、稲種子
の播種時に稲育苗箱の1箱(縦×横×高さ;30cm×
60cm×3cm)あたり有効成分量として前者を10
0mgないし400mg、後者を5,000mgないし
12,000mgの割合で施用することを特徴とするイ
ネ病害防剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、水稲の育苗箱に発
生するイネ病害防除剤およびそれを用いる防除方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】稲育苗箱に発生する病害防除は、土壌伝
染性および種子伝染性のさまざまな植物病原菌により引
き起こされ、健全な苗生産をするために極めて重大な課
題である。これまで、土壌伝染性病害および種子伝染性
病害の防除は、土壌伝染性の病害防除剤と種子伝染性の
病害防除剤をそれぞれ別々に処理しなければならず、こ
のことは防除作業として煩雑となる。しかもこの防除方
法による種子消毒過程では薬液を含んだ大量の廃液が生
じるが、そのまま廃棄することは環境面から好ましくな
い。
【0003】また、種子伝染性病害防除では、糸状菌性
病害と細菌性病害とを同時に防除する必要があり、特に
種子伝染性の細菌性病害防除においては、イネ褐条病、
イネ苗立枯細菌病およびイネもみ枯細菌病のこれら3病
害を防除する必要がある。しかしながら、発病条件によ
っては満足できる効果が得られていない。
【0004】さらに、種子伝染性の細菌性病害防除方法
として、種子消毒に因らない環境負荷の少ない防除方法
として、カスガマイシンを有効成分とする薬剤を播種時
に処理する方法が知られている。しかし、種子伝染性の
細菌性病害のうち、イネ褐条病に対しては、カスガマイ
シン低感受性菌の出現により、安定した効果が得られな
くなっている。
【0005】従来、カスガマイシンまたはその塩類を有
効成分とする薬剤は、育苗箱の播種後処理によりイネ育
苗箱内に発生するイネいもち病および細菌性病害防除に
対して有効であったが、イネ褐条病防除に対しては、カ
スガマイシン低感受性菌の出現により、実用的な効果が
得られなくなってきた。一方、3−アリルオキシ−1,
2−ベンゾイソチアゾール−1,1−ジオキシド(以下
「プロベナゾール」という。)を有効成分とする粒剤
は、本田での湛水処理においてはイネいもち病および細
菌性病害であるイネ白葉枯病に対しては有効であるが、
育苗箱処理では、土壌伝染性病害や種子伝染性病害に対
しての効果は知られていない。
【0006】また、カスガマイシンまたはその塩類とプ
ロベナゾールとを配合した組成物をイネいもち病防除を
対象として本田で散布する方法は知られている(特公昭
46−18155号)。またカスガマイシンまたはその
塩類とプロベナゾールとを配合した粉剤あるいは粒剤
を、水稲の育苗箱にその1箱(縦×横×高さ;30cm
×60cm×3cm)あたり有効成分量として前者を5
0mgないし2,000mg、後者を100mgないし
1,000mgの割合で施用することにより育苗箱に発
生するイネ苗腐敗症およびイネいもち病を防除する方法
は特公平2−28562号で公知である。
【0007】しかしながら、これらの殺菌組成物の処理
割合では、土壌伝染性病害を防除することはできず、ま
たカスガマイシン低感受性のイネ褐条病に対しては満足
すべき結果は得られない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】水稲の栽培において健
全な苗を育苗することは極めて重要であるが、稲の育苗
箱内で発生するイネいもち病、イネ褐条病、イネ苗立枯
細菌病、イネもみ枯細菌病などの病害を同時に防除でき
る薬剤が少ない。この事情に応えるべく新規薬剤の開発
が米の安定した収穫を図る上で重要であり、防除方法と
しても、一度に多種の病害防除ができ、かつ卓効を示す
省力的な防除方法の開発が望まれる。
【0009】本発明は、このような要望に合致した新規
なイネ病害防除剤と防除方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決するために鋭意検討を重ねてきた。その結果、
カスガマイシンまたはその塩類とプロベナゾールとを特
定の割合で配合した殺菌組成物を、稲の育苗箱の播種時
に処理することにより、育苗箱で発生する土壌伝染性の
糸状菌性病害および種子伝染性の糸状菌性病害および細
菌性病害に対して有効に防除できることを見出した。同
時にカスガマイシン低感受性菌によるイネ褐条病に対し
ても感受性菌による病害と同様の防除効果が得られた。
【0011】すなわち、本発明では次のごとくに要約さ
れる。
【0012】有効成分としてカスガマイシンまたはその
塩類とプロベナゾールとを含有する粒状剤を、稲種子の
播種時に稲育苗箱の1箱(縦×横×高さ;30cm×6
0cm×3cm)あたり有効成分量として前者を100
mgないし400mg、後者を5,000mgないし1
2,000mgの割合で施用することを特徴とする、イ
ネ病害防除剤に関する。
【0013】また、有効成分としてカスガマイシンまた
はその塩類とプロベナゾールとを含有する農薬粒状剤を
稲種子の播種時に、稲育苗箱の1箱(縦×横×高さ;3
0cm×60cm×3cm)あたり、有効成分量として
前者を100mgないし400mg、後者を5,000
mgないし12,000mgの割合で施用し、覆土して
なることを特徴とする、イネ土壌伝染性病害と種子伝染
性病害の防除方法に関する。
【0014】そして、特に、本発明のイネ病害防除剤
は、種子伝染性病害の糸状菌性病害、細菌性病害の防除
に有効で、そのうちでも特に細菌性病害のイネ褐条病、
イネ苗立枯細菌病、イネもみ枯細菌病を有効に防除する
ことができる。したがって、これらの病害の防除方法に
関する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明のイネ病害防除剤を製剤化
するには、まず、前述のごとくのカスガマイシンまたは
その塩とプロベナゾールを特定の割合となるように用い
ることが重要である。特に一方の有効成分でも、上記し
た薬量以下となると、所期のイネ病害防除効果が得られ
ない。また一方の有効成分でも上記した薬量以上となっ
ても防除効果の向上がもたらされないうえに、薬害など
の好ましくない結果をまねきかねない。したがって、上
記の比率となるように、製剤化することが重要となる。
そしてこの特定割合の2種有効成分と農薬製剤化の一般
的な方法にしたがって、担体、界面活性剤、結合剤、有
効成分の分解防止剤などを加えて、常法により造粒し、
粒剤、微粒剤などの粒状剤とすればよい。
【0016】本発明のイネ病害防除剤に使用される界面
活性剤としては、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界
面活性剤、陽イオン性界面活性剤および両性界面活性剤
などが挙げられる。例えば、非イオン性界面活性剤とし
ては、アルキルエーテル、オポリオキシエチレンアルキ
ルアリールエーテル、ポリオキエチレンスチリルフェニ
ルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポ
リオキシエチレンソルビタンアルキレート、ポリオキシ
エチレンフェニルエーテルポリマー、ポリオキシエチレ
ンアルキレンアリールフェニルエーテル、ポリオキシエ
チレンアルキレングリコール、ポリオキシエチレンポリ
オキシプロピレンブロックポリマーなどがある。陰イオ
ン界面活性剤としては、リグニンスルホン酸塩、アルキ
ルアリールスルホン酸塩ジアルキルスルホサクシネー
ト、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルサル
フェート、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ポリオキ
シエチレンスチリルフェニルエーテルサルフェートなど
がある。陽イオン界面活性剤としては、アルキルアミン
塩、第四級アンモニウム塩などがある。また、両性界面
活性剤としては、アルキルベタイン、アミンオキサイド
などが挙げられる。
【0017】本発明の粒状剤に配合できる結合剤は、粒
剤、微粒剤等に常用されるものであればよく、特定のも
のに限定されないが、例えば、ポリビニルアルコール、
澱粉、デキストリン、カルボキシメチルセルロース、ポ
リビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウム、リグニン
スルホン酸ナトリウム、リグニンスルホン酸カルシウム
などを使用できる。また、本発明の粒状剤の担体として
は、クレー、珪石、タルク、ベントナイト、炭酸カルシ
ウム、軽石、ケイソウ土、バーミキュライト、パーライ
トおよび結晶性シリカなどが1種またはそれ以上使用で
きる。また、物理性改良剤としてはヒマシ油、ゴマ油、
ヒマワリ油、トウモロコシ油、大豆油などの植物油など
が挙げられる。
【0018】本発明のイネ病害防除剤を用いた育苗箱で
の病害防除方法は、次により行われる。すなわち、本発
明の方法では、育苗箱への施用方法は特に限定されるも
のではなく、播種後覆土前に処理してこれに覆土しても
よく、あるいは播種して一旦これに覆土した後にその上
から散粒するなどして処理してもよい。また、予め覆土
用培土と本発明のイネ病害防除剤とを混和して播種後に
覆土することもできる。また、本発明におけるイネ病害
防除方法で播種時とは、上記した処理時期を意味するも
のである。
【0019】
【実施例】(製剤例)次に、本発明のイネ病害防除剤に
ついて実施例を示す。
【0020】なお、実施例中で部とあるものは、すべて
重量部である。
【0021】実施例1 プロベナゾール12部、カスガマイシン塩酸塩0.4
部、ホワイトカーボン5部、ラウリル硫酸ナトリウム
0.2部、ポリビニルアルコール2部およびクレー8
0.4部をハンマーミルで混合粉砕して均一な粉末混合
物100部を得た。これに適量の水を添加し、よく混練
した。得られた混合物をバスケット型押出し造粒機で造
粒し、流動乾燥した後に篩別により整粒して、農薬粒剤
を得た。
【0022】実施例2 プロベナゾール10部、カスガマイシン塩酸塩0.2
部、ホワイトカーボン8部、ラウリル硫酸ナトリウム
0.2部、ポリビニルアルコール4部およびクレー7
7.6部をハンマーミルで混合粉砕して均一な粉末混合
物100部を得た。これに適量の水を添加し、よく混練
した。得られた混合物をバスケット型押出し造粒機で造
粒し、流動乾燥した後に篩別により整粒して、農薬粒剤
を得た。
【0023】比較製剤として、プロベナゾールあるいは
カスガマイシン塩酸塩のどちらか一方の有効成分を含む
農薬粒剤を実施例1および実施例2の製造方法と同様に
して調製した。
【0024】比較例1 実施例1で調製された粉末混合物に含まれるカスガマイ
シン塩酸塩の量を0部とし、プロベナゾール12部、ホ
ワイトカーボン5部、ラウリル硫酸ナトリウム0.2
部、ポリビニルアルコール2部、クレー80.8部をハ
ンマーミルで混合粉砕して均一な粉末混合物100部を
得た。これら粉末混合物を実施例1と同様にして、造
粒、乾燥、整粒して、比較製剤1を得た。
【0025】比較例2 実施例1で調製された粉末混合物に含まれるプロベナゾ
ールを0部とし、カスガマイシン塩酸塩0.4部、ホワ
イトカーボン5部、ラウリル硫酸ナトリウム0.2部、
ポリビニルアルコール2部、クレー92.4部をハンマ
ーミルで混合粉砕して均一な粉末混合物100部を得
た。これら粉末混合物を実施例1と同様にして、造粒、
乾燥、整粒して、比較製剤2を得た。
【0026】比較例3 実施例2で調製された粉末混合物に含まれるカスガマイ
シン塩酸塩の量を0部とし、プロベナゾール10部、ホ
ワイトカーボン5部、ラウリル硫酸ナトリウム0.2
部、ポリビニルアルコール2部、クレー82.8部をハ
ンマーミルで混合粉砕して均一な粉末混合物100部を
得た。これら粉末混合物を実施例1と同様にして、造
粒、乾燥、整粒して、比較製剤3を得た。
【0027】比較例4 実施例2で調製された粉末混合物に含まれるプロベナゾ
ールを0部とし、カスガマイシン塩酸塩0.2部、ホワ
イトカーボン5部、ラウリル硫酸ナトリウム0.2部、
ポリビニルアルコール2部、クレー92.6部をハンマ
ーミルで混合粉砕して均一な粉末混合物100部を得
た。これら粉末混合物を実施例1と同様にして、造粒、
乾燥、整粒して、比較製剤4を得た。
【0028】比較例5 また、特公平2−28562号で公知であるプロベナゾ
ールとカスガマイシン塩酸塩の殺菌組成物を次のように
製剤化した。
【0029】カスガマイシン塩酸塩2部、プロベナゾー
ル1部、リグニンスルホン酸カルシウム3部およびクレ
ー94部を十分に混練して造粒し、乾燥した後整粒して
比較製剤5を得た。
【0030】
【発明の効果】本発明のイネ病害防除剤およびその防除
方法によれば、稲育苗箱に発生する土壌伝染性病害およ
び種子伝染病害の同時防除剤として安定した効果が得ら
れ、従来の土壌消毒処理と種子消毒処理の作業を省力化
することができる。また、種子消毒剤では必ずしも安定
した効果が得られなかった細菌性病害防除に対して高い
効果を示し、特にカスガマイシン低感受性のイネ褐条病
菌によるイネ褐条病には感受性菌の場合と同等の効果を
示した。さらに、従来の種子消毒処理では薬液を含んだ
廃液の処理が問題となり、その処理に多大な作業労働が
必要であったが、本発明による農園芸用殺菌組成物の播
種時の育苗箱の処理により、環境負荷は低下し、しかも
作業労力が大幅に軽減されることにより省力化できる。
【0031】次に、本発明による稲病害防除方法の有用
性を示すために試験例を示す。
【0032】試験例1 イネ褐条病防除効果試験 供試籾として、稲籾(品種:きらら397)をカスガマ
イシン感受性および低感受性のイネ褐条病菌(Pseu
domonas avenae)の細菌懸濁液中(10
cfu/ml)に減圧接種することによりイネ褐条病
罹病籾をそれぞれ得た。播種する前の種子予措として、
種籾と浸種水との容積比が1:2となるようにして20
℃、4日間浸種した。浸種終了後の種籾は、水を切り3
0℃で24時間蒸気催芽処理し、鳩胸状態になった種籾
を慣行の育苗方法に準じて市販の粒状育苗培土(合成培
土3号:三井東圧肥料株式会社製)に播種した。実施例
1および実施例2で調製した粒剤を所定量散粒し、慣行
の育苗方法に従って覆土し、32℃で2日間出芽処理し
た。18℃の遮光条件下で2日間緑化処理を行い、その
後ガラス温室で発病管理した。比較剤として、比較例1
〜4で調製した各有効成分の単剤を含有した粒剤および
比較例5の製剤を本発明の粒剤と同様に処理した。
【0033】なお、慣行区としては表に記載した市販の
種子消毒剤を用いて次の方法により種子消毒処理した。
すなわち、種子消毒剤を水で200倍に希釈して薬液を
調製し、種籾と薬液との容積比が1:1となるようにし
て20℃で24時間種籾を薬液に浸漬した。その後この
種籾を、種籾と浸種水との容積比が1:2となるように
して、20℃で3日間浸種した。その後の処理は上記方
法と同様に行った。播種21日後に下記の調査基準に準
拠して各区100〜150本の苗について発病程度別に
調査し、下記式により発病度を求め、これより防除価
(%)を算出した。
【0034】結果は表1に示す。
【0035】発病指数 調査基準 0:発病なし 1:第1葉鞘部に褐色条斑が認められるが、第2葉身に
は認められない 2:第2葉身部に褐色条斑が認められる 3:著しい生育不良あるいは枯死
【0036】
【数1】
【0037】
【数2】
【0038】
【表1】
【0039】試験例2 イネ苗立枯細菌病およびイネもみ枯細菌病防除試験 供試籾として、イネ種籾(品種:朝日)をイネ苗立枯細
菌病(Pseudomonas plantarii)
の細菌懸濁液中(3×10cfu/ml)で減圧接種
することによりイネ苗立枯細菌病罹病籾を得た。また、
同様にイネもみ枯細菌病菌(Pseudomonas
glumae)の細菌懸濁液(10cfu/ml)で
減圧接種することによりイネもみ枯細菌病罹病籾を得
た。播種する前の種子予措として、種籾と浸種水との容
積比が1:2となるようにして20℃、4日間浸種し
た。浸種終了後の種籾は、水を切り30℃で24時間蒸
気催芽処理し、鳩胸状態になった種籾を慣行の育苗方法
に準じて市販の粒状育苗培土(粒状培土D:呉羽化学工
業株式会社製)に播種した。実施例1および実施例2で
調製した粒剤を所定量散粒し、慣行の育苗方法にしたが
って覆土し、32℃で2日間出芽処理した。18℃の遮
光条件下で2日間緑化処理を行い、その後ガラス温室で
発病管理した。
【0040】なお、比較例1〜4で調製した各有効成分
の単剤を含有した粒剤および比較例5で調製した薬剤も
本発明の粒剤と同様に処理した。
【0041】また、さらに対照区としては市販の種子消
毒剤を用いて試験例1と同様に種子消毒処理した。
【0042】イネ苗立枯細菌病は播種14日後に、イネ
もみ枯細菌病は播種18日後に下記調査基準に準拠して
各区100〜150本の苗について発病程度別に調査
し、発病度を求め、これより防除価(%)を算出した。
【0043】結果は表2に示す。
【0044】発病指数 調査基準 0:発病なし 1:第2葉身の基部が白化する 2:第1葉鞘が白化し、生育が劣る 3:枯死
【0045】
【数3】
【0046】
【数4】
【0047】
【表2】
【0048】試験例3 イネ苗立枯病防除試験 イネ種籾(品種:日本晴)を用いて、播種する前の種子
予措として、種籾と浸種水との容積比が1:2となるよ
うにして20℃、4日間浸種した。浸種終了後の種籾
は、水を切り30℃で24時間蒸気催芽処理し、鳩胸状
態になった種籾を慣行の育苗方法に準じて市販の粒状育
苗培土(粒状培土D:呉羽化学工業株式会社製)に播種
した。実施例1および実施例2で調製した粒剤を所定量
散粒した。汚染土壌は、予めバレイショ、ブドウ糖寒天
培地で24℃、5日間培養したトリコデルマ オリゼ菌
(Trichoderma oryzae)に水を加
え、当該菌の胞子濃度を1mあたり2×10個に調整
し、粒状育苗培土1リットルあたり50mlを加えてよ
く混合した。播種後、薬剤処理した育苗箱に、この汚染
土壌で覆土した後、32℃で2日間出芽処理した。20
℃の遮光条件下で2日間緑化処理を行い、その後ガラス
温室で発病管理した。
【0049】なお、比較例1〜4で調製した各有効成分
の単剤を含有した粒剤および比較例5で調製した薬剤も
本発明の粒剤と同様に処理した。
【0050】イネ苗立枯病は播種21日後に、育苗箱の
1/3の面積の苗について、苗立枯病の病徴を示す発病
苗と無病徴苗の苗数を調査し、無処理との対比で防除価
(%)を求めた。
【0051】結果は表3に示す。
【0052】
【数5】
【0053】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A01N 63/02 A01N 63/02 G

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有効成分としてカスガマイシンまたはその
    塩類と3−アリルオキシ−1,2−ベンゾイソチアゾー
    ル−1,1−ジオキシドとを含有する農薬粒状剤を、稲
    種子の播種時に、稲育苗箱の1箱(縦×横×高さ;30
    cm×60cm×3cm)あたり有効成分量として前者
    を100mgないし400mg、後者を5,000mg
    ないし12,000mgの割合で施用することを特徴と
    するイネ病害防除剤。
  2. 【請求項2】有効成分としてカスガマイシンまたはその
    塩類と3−アリルオキシ−1,2−ベンゾイソチアゾー
    ル−1,1−ジオキシドとを含有する農薬粒状剤を、稲
    種子の播種時に、稲育苗箱の1箱(縦×横×高さ;30
    cm×60cm×3cm)あたり有効成分量として前者
    を100mgないし400mg、後者を5,000mg
    ないし12,000mgの割合で施用し、覆土してなる
    ことを特徴とする、イネ土壌伝染性病害と種子伝染性病
    害の防除方法。
  3. 【請求項3】種子伝染性病害が、糸状菌性病害、細菌性
    病害である請求項2に記載の防除方法。
  4. 【請求項4】細菌性病害が、イネ褐条病、イネ苗立枯細
    菌病、イネもみ枯細菌病であることを特徴とする、請求
    項3に記載の防除方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108935492A (zh) * 2012-01-21 2018-12-07 拜耳知识产权有限责任公司 宿主防御诱导物用于防治有用植物中的细菌有害生物的用途

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CN108935492A (zh) * 2012-01-21 2018-12-07 拜耳知识产权有限责任公司 宿主防御诱导物用于防治有用植物中的细菌有害生物的用途

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