JP2002046871A - 媒体搬送機構、媒体搬送方法、及び媒体搬送装置 - Google Patents

媒体搬送機構、媒体搬送方法、及び媒体搬送装置

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JP2002046871A
JP2002046871A JP2000230550A JP2000230550A JP2002046871A JP 2002046871 A JP2002046871 A JP 2002046871A JP 2000230550 A JP2000230550 A JP 2000230550A JP 2000230550 A JP2000230550 A JP 2000230550A JP 2002046871 A JP2002046871 A JP 2002046871A
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広介 山根
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 媒体の繰出し上の不具合の発生を確実に回避
できる技術を提供する。 【解決手段】 シャフト4、9には、それぞれ、プーリ
3が取り付けられ、たわみベルト7はそれらプーリ3
に、上側は張り、下側はたわんだ状態に取り付けられて
いる。シャフト4には、駆動伝達兼搬送ベルト6を介し
てシャフト9から動力が伝達されるようになっている。
挿入口1に挿入され取り込まれた投票用紙のなかで最も
上に位置している投票用紙には、たわみベルト7のたわ
んだ部分が接触している。それにより、たわみベルト7
を駆動すると、そのたわんだ部分を介して投票用紙に動
力が伝達され、セパレータ14に向けて搬送される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、収納場所(カセッ
トやトレイ、入金口、或いは挿入口、など)に収納され
た媒体を一つずつ繰出して搬送するための技術に関す
る。
【0002】
【従来の技術】媒体を一つずつ繰出して搬送する媒体搬
送装置は、現金自動支払機(CD)や現金自動預金・支
払機(ATM)などの現金処理装置、伝票処理装置など
の媒体処理装置に幅広く搭載されている。例えば現金自
動預金・支払機(ATM)では、媒体搬送装置を搭載す
ることにより、顧客が入金口に入金した紙幣を1枚ずつ
繰出して真偽を確認し、真と確認した紙幣のみをスタッ
カに搬送してそこに収納するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した媒体搬送装置
での媒体の繰出しは、通常、収納場所(カセットやトレ
イ、入金口、或いは挿入口、など)の端の位置に設けら
れた媒体繰出し用の繰出しローラを回転させ、それと接
触している媒体に動力を伝達することで行われる。従来
の媒体搬送装置は、単に収納場所に収納された媒体を対
象にその繰出しを行うようになっていた。このため、媒
体の繰出しローラと接触する側の端(以降、先端と呼
ぶ。その反対側は後端と呼ぶ)が揃っていない場合、次
に繰出すべき媒体の先端部分ではなく、その次に繰出す
べき媒体の先端部分と繰出しローラが接触してしまい、
次に繰出すべき媒体を繰出せなかったり(媒体を繰出す
順序が変わったり)、或いは複数の媒体を同時に繰出す
ダブルフィードが発生するといった繰出し上の不具合が
発生してしまうという問題点があった。
【0004】紙幣などの大きさが異なる媒体では、その
先端が揃っていないことが多いのが実情である。このた
め、その問題点は、大きさが異なる媒体を扱う媒体搬送
装置で生じやすい傾向がある。
【0005】その紙幣では、ダブルフィードが発生する
と、読み取りが行えない紙幣が生じて入金額、或いは出
金額を正確に把握できなくなる。このため、例えば入金
であれば、ダブルフィードされた紙幣を顧客(入金者)
に返却して、再度、入金を行わせるようになっている。
しかし、そのように再度、入金を行わせると、入金処理
にかかる時間が長くなるというだけでなく、顧客の負担
も増大させるという結果を招く。このようなことから、
大きさが異なる媒体を扱う媒体搬送装置では上記問題点
は特に深刻なものとなっており、それを回避することが
強く望まれていた。なお、本発明に係わる参考技術文献
としては、特開平8−310672号公報がある。
【0006】本発明は、媒体の繰出し上の不具合の発生
を確実に回避できる技術を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の媒体搬送機構
は、搬送対象とする媒体を搬送するための機構であっ
て、ベルト状部材と、ベルト状部材を、自重によりたわ
む状態に支持する少なくとも二つの支持部材と、二つの
支持部材によって支持されたベルト状部材に動力源から
の動力を伝達するための動力伝達手段と、を具備し、ベ
ルト状部材のなかで自重によりたわんだ部分を媒体と接
触させ、該ベルト状部材を介して該媒体に動力を伝達し
搬送する、ようになっている。
【0008】本発明の媒体搬送方法は、搬送対象とする
媒体を搬送するための方法であって、ベルト状部材を、
少なくとも二つの支持部材を用いてその間の部分が自重
によりたわむ状態に支持させ、ベルト状部材のなかで自
重によりたわんだ部分を媒体と接触させ、ベルト状部材
を介して動力源からの動力を媒体に伝達させて該媒体を
搬送する。
【0009】本発明の第1の態様の媒体搬送装置は、収
納場所に収納された媒体を1つずつ繰出して搬送する装
置であって、ベルト状部材と、ベルト状部材を、自重に
よりたわむ状態に支持する少なくとも二つの支持部材
と、二つの支持部材によって支持されたベルト状部材に
動力源からの動力を伝達するための動力伝達手段と、収
納場所に収納された媒体を1つずつ繰出す媒体繰出手段
と、を具備し、ベルト状部材のなかで二つの支持部材間
の自重によりたわんだ部分を収納場所に収納された媒体
のなかで最も上に位置する媒体と接触させ、該ベルト状
部材を介して動力を伝達することにより、該最も上に位
置する媒体の端をを所定位置に揃えた後、媒体繰出手段
により繰出して搬送する、ようになっている。
【0010】本発明の第2の態様の媒体搬送装置は、上
記第1の態様の構成に加えて、挿入口から挿入された媒
体を取り込んで収納場所に収納する媒体取込手段、を更
に具備する。
【0011】本発明の媒体搬送機構では、ベルト状部材
を自重によりたわませて媒体と接触させ、そのベルト状
部材に動力を伝達することにより、媒体に動力を伝達し
搬送する。自重によりたわませた部分を媒体と接触させ
ることで、その部分を介して媒体に伝達できる動力の大
きさが制限される。その結果、媒体に過剰な動力が伝達
するのを回避しつつ、その搬送が行えるようになる。
【0012】本発明の媒体搬送装置では、上記媒体搬送
機構を媒体の位置を揃えるのに利用する。それにより、
適切な位置の適切な状態の媒体を対象に繰出しを行える
ようになる結果、媒体を繰出す順序が変わる、ダブルフ
ィードが発生するといった媒体の繰出し上の不具合の発
生は確実に回避される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明の実施の形態につき詳細に説明する。図1は、本実施
の形態による媒体搬送装置の主要部分(本発明に特に係
わる部分)の側面断面図、図2は、その主要部分の上面
断面図である。
【0014】その媒体搬送装置は、勝ち馬投票券(以
降、投票券と略記する)を購入するための投票用紙を処
理する投票用紙処理装置に搭載されたものであり、本発
明に特に係わる主要部分として、購入希望者が挿入口1
から挿入した投票用紙を取り込み、取り込んだ投票用紙
を1枚ずつ繰出す部分を抜粋して示してある。始めに、
図1、及び図2を参照して、本発明に特に係わる主要部
分の機構的構成について詳細に説明する。
【0015】購入希望者は、投票用紙にマークなどを記
入した後、それを媒体挿入方向DIRから挿入口1に挿
入することで投票用紙処理装置に処理させるようになっ
ている。周知のように、投票用紙には複数の種類があ
り、種類によってサイズが異なっている。しかし、ここ
では、図1に示すように、長さの異なる投票用紙A、B
の2種類だけを図示してある。その「A」または「B」
は、投票用紙の種類を特定する必要がない場合には付さ
ないことにする。
【0016】シャフト4、及び9は、回転可能に支持さ
れている。シャフト4には取込ローラ2、及びプーリ3
が取り付けられ、他方のシャフト9には、プーリ3、及
びプーリ8が取り付けられている。取込ローラ2とプー
リ8には、駆動伝達兼搬送ベルト(以降、搬送ベルトと
略記する)が張った状態に取り付けられている。シャフ
ト4、9にそれぞれ設けられたプーリ3には、図1に示
すように、上側は張り、下側は自重によりたわんでいる
状態でたわみベルト7が取り付けられている。プーリ3
との間でたわみベルト7を挟むように設けられたたわみ
ベルトテンションローラ(以降、テンションローラと略
記する)5は、たわみベルト5がプーリ3からはずれる
のを防止するためのものである。
【0017】シャフト9には、図3に示す取込モータ
(ステッピングモータ)24aからの動力が伝達される
ようになっている。そのシャフト9に伝達された動力
は、搬送ベルト6を介して取込モータ2に伝達される。
それにより、シャフト4には、シャフト9、搬送ベルト
6、及び取込ローラ2を介して取込モータ24aからの
動力が伝達される。シャフト9、4を共に同じ方向で同
じ回転速度で回転させることで、たわみベルト7は図1
に示す状態を常に維持するようになっている。
【0018】シャフト4は、シャフト9を中心に回転さ
せるような形で、図1に示す状態から取込ローラ2がロ
ーラ10と接触(圧接)する状態に移動させることがで
きるようになっている。それ以外には、返却ローラ1
1、繰出しサブローラ12、及び圧接板13が可動とな
っている。返却ローラ11は、図1に示す状態からシャ
フト9のプーリ8に接触する状態に移動させることがで
き、繰出しサブローラ12は、図1に示す状態から上方
に移動させることができるようになっている。圧接板1
3は、図1に示す状態から、その挿入口1から最も離れ
た方の端(以降、先端と言う)を、繰出しローラ15に
向けて回転させるように移動させることができるように
なっている。その圧接板13にはスプリングなどの弾性
部材が取り付けられている。それにより、先端を繰出し
ローラ15に向けて移動させた場合には、圧接板13は
投票用紙の先端部分(挿入口1から最も離れている方の
端の部分)を繰出しローラ15に圧接させるようになっ
ている。
【0019】繰出しローラ15の近傍に設けられたセパ
レータ14は、圧接板13と繰出しローラ15の間に挟
み込まれたような状態となっている投票用紙のなかで、
その最も上に位置する投票用紙を除き、その下に位置す
る投票用紙の障害となることで、その最も上に位置する
投票用紙だけを繰出せるようにするためのものである。
それ以外には、センサとして、取込トリガーセンサP1
や取込終了検知センサP2が設けられている。それらの
センサP1、及びP2は、発光素子、及び受光素子から
なる透過型の光学センサである。
【0020】図3は、本実施の形態による媒体(投票用
紙)搬送装置を搭載した投票用紙処理装置の回路構成図
である。その投票用紙処理装置は、挿入口1に挿入され
た投票用紙を1枚ずつ繰出し、繰出した投票用紙に記入
されたマークなどを読み取り、その読取結果を例えばL
ANによって接続されたホストコンピュータに送信する
ものである。図3に示すように、装置全体の制御を行う
制御部21と、ホストコンピュータ22との間で通信を
行うための通信制御部22と、投票用紙上に記入された
マークなどを読み取る読取部23と、取込モータ24a
や搬送モータ24bを含む、各種モータ24を制御部2
1からの指示に従って駆動するモータ駆動部25と、上
記センサP1、及びP2を含むセンサ群26を駆動して
その検知結果をデータの形で制御部21に送るセンサ駆
動部27と、ソレノイド群28を駆動するソレノイド駆
動部29と、を備えて構成される。
【0021】なお、上記シャフト4、返却ローラ11、
繰出しサブローラ12、圧接板13は、ソレノイドを用
いて可逆的に移動させられるようになっている。取込モ
ータ24aからシャフト9への動力の伝達や、搬送モー
タ24bから繰出しローラ15への動力の伝達などにも
ソレノイドが用いられている。ソレノイド群28は、そ
れらのソレノイドを含め、まとめて表したものである。
【0022】以上の構成において、動作を説明する。制
御部21は、電源がオンされている間、センサ駆動部2
7にセンサ群26の駆動を行わせる。センサ駆動部27
は、センサ群26を駆動し、それを構成するセンサ毎
に、その検知結果を制御部21に送る。それにより、制
御部21は、センサ駆動部27から送られたセンサの検
知結果に応じて、以下のような処理を実行することで制
御を行う。その制御のために実行する処理の内容につい
て、図4、及び図5に示す各フローチャートを参照して
詳細に説明する。
【0023】図4は、一括取込処理のフローチャートで
ある。図1に示す取込トリガーセンサP1が投票用紙を
検知したことをセンサ駆動部27から通知された場合
に、挿入口1に挿入された投票用紙を奥まで取り込んで
収納するために制御部21が実行する処理である。始め
に、図4を参照して、一括取込処理について詳細に説明
する。
【0024】なお、通常時には、シャフト4、返却ロー
ラ11、及び繰出しサブローラ12は図1に示す状態に
あり、圧接板13は、その先端が繰出しローラ15に接
しているか、或いはその近傍に位置している状態にあ
る。一括取込処理は、そのような状態となっているのを
前提として実行される。
【0025】先ず、ステップS1では、取込トリガーセ
ンサP1が媒体を検出したか否か判定する。そのセンサ
P1を構成する発光素子と受光素子の間が遮光された場
合、その旨を示すデータがセンサ駆動部27から制御部
21に送られる結果、判定はYESとなってステップS
2に移行する。そうでない場合には、判定はNOとな
り、再度、ステップS1を実行する。それにより、取込
トリガーセンサP1が媒体を検出するのを待つ。
【0026】ステップS2では、ソレノイド駆動部29
に指示して、シャフト4移動用のソレノイド、及びシャ
フト9に取込モータ24aからの動力を伝達させるため
のソレノイドを駆動させる。続くステップS3では、ソ
レノイド駆動部29に圧接板13移動用のソレノイドを
駆動させる。その後はステップS4に移行して、モータ
駆動部25に取込モータ24aを駆動(ON)させる。
その取込モータ24aを駆動させた後は、ステップS5
に移行する。
【0027】ステップS2を実行した結果、挿入口1に
挿入された媒体を取込ローラ2とローラ10とで挟み込
んだ形となる。ステップS3を実行するのは、圧接板1
3を図1に示す状態とすることにより、圧接板13に沿
って媒体を搬送する際の抵抗をより小さくするためであ
る。そのような状態としてから取込モータ24aを駆動
させることにより、挿入口1に挿入された媒体は強制的
にその先端をセパレータ14に向けて搬送される(取り
込まれる)ことになる。
【0028】ステップS5では、取込終了検知センサP
2が媒体を検出したか否か判定する。そのセンサP2を
構成する発光素子と受光素子の間が遮光された場合、そ
の旨を示すデータがセンサ駆動部27から制御部21に
送られる結果、判定はYESとなってステップS6に移
行する。そうでない場合には、判定はNOとなり、再
度、ステップS5を実行する。それにより、取込終了検
知センサP2が媒体を検出するのを待つ。
【0029】ステップS6では、ソレノイド駆動部29
に指示して、シャフト4移動用のソレノイド、及びシャ
フト9に取込モータ24aからの動力を伝達させるため
のソレノイドの駆動を終了させる。続くステップS7で
は、モータ駆動部25に指示して、取込モータ24aの
駆動を終了(OFF)させる。その次に移行するステッ
プS8では、ソレノイド駆動部29に指示して、圧接板
13移動用のソレノイドの駆動を終了させる。そのよう
にして、シャフト4は図1に示す状態に戻し、圧接板1
3は媒体を繰出しローラ15に圧接する状態に戻した
後、一連の処理を終了する。その図1は、ステップS
6、或いはS7の処理の終了時点の状態を表している。
【0030】このように、購入希望者が投票用紙を挿入
口1に挿入すると、その投票用紙は、取込ローラ2とロ
ーラ10とで挟み込まれた後、取込モータ24aからの
動力が取込ローラ2に伝達されることにより、セパレー
タ14に向けて、取込終了検知センサP2がそれを検知
するまで強制的に搬送される。それにより、挿入口1に
挿入された投票用紙(媒体)はその奥に一旦、収納する
ようになっている。
【0031】なお、取込トリガーセンサP1は、シャフ
ト4、及び9の間に、その長手方向に沿って複数、配置
されている。それを複数、配置することで、挿入口1に
挿入された媒体の幅の検出を合わせて行えるようになっ
ている。それにより、特に図示していないが、センサP
1によって検出した媒体の幅が投票用紙のそれと異なる
か否か判定し、その判定がYES、即ち挿入口1から挿
入された媒体の幅が投票用紙のそれと異なると判定した
場合に、制御部21は、返却ローラ11移動用のソレノ
イドを駆動させてそれとプーリ8との間で媒体を挟み込
んだ状態とさせた後、取込モータ24aを駆動させてそ
の動力を返却ローラ11に伝達させることにより、挿入
口1から装置外に排出するようになっている。
【0032】図5は、繰出し搬送処理のフローチャート
である。その搬送処理は、挿入口1の奥に収納された媒
体(投票用紙)を1枚ずつ繰出して搬送してそれに記入
されたマークなどを読み取り、その読取結果(購入を希
望する投票券の内容)をホストコンピュータに送信する
ために実行される処理であり、図4に示す一括取込処理
に続けて実行される。次に、図5を参照して、その搬送
処理について詳細に説明する。
【0033】購買希望者は、投票用紙の先端を揃えて挿
入口1に挿入するとは限らない。投票用紙には様々なサ
イズがあり、サイズの異なる投票用紙を一緒に挿入口1
に挿入する場合には、投票用紙の先端が揃っていない確
率はそうでない場合と比較してより高くなる。即ち図1
に示すような状態で投票用紙が取り込まれることが多く
なる。繰出し搬送処理では、そのようなことへの対応を
行いつつ、投票用紙の繰出しを行うようになっている。
【0034】先ず、ステップS11では、シャフト9へ
の動力伝達用のソレノイドをソレノイド駆動部29に駆
動させることにより、シャフト9に取込モータ24aか
らの動力が伝達される状態にして、モータ駆動部25に
取込モータ24aを所定時間、駆動(ON)させる。
【0035】たわみベルト7のプーリ3間で自重により
たわんだ部分は、図1に示すように、挿入口1の奥に取
り込まれた投票用紙のなかで最も上に位置する投票用紙
と接触している。その状態でシャフト9に取込モータ2
4aからの動力を伝達させ、シャフト9を図1に向かっ
て左回転させると、たわみベルト7の投票用紙と接触し
ている部分は繰出しローラ15に向かって移動すること
になる。このとき、最も上に位置する投票用紙には、た
わみベルト7による駆動力の他に、その下に位置する投
票用紙との摩擦力が加わる。その摩擦力より駆動力のほ
うが大きくなければ投票用紙を移動させることはできな
い。駆動力は、投票用紙とたわみベルト7間の摩擦係
数、その投票用紙にかかるたわみベルト7の重さ、それ
らの間の接触面積などによって変化し、他方の摩擦力
は、投票用紙間の摩擦係数、下の投票用紙が支えている
重さ、それらの間の接触面積などによって変化する。こ
のことから、主に、投票用紙との摩擦係数、及びその投
票用紙に加える重さを考慮して、たわみベルト7を選択
(材質の種類や幅の広さ、表面の形状、など)してい
る。それにより、駆動力が摩擦力よりも大きくなるよう
にしている。
【0036】取込モータ24aを駆動(ON)する所定
時間は、投票用紙間の長さの違い(差)を考慮しつつ、
ある程度の余裕を持たせて設定してある。このため、多
くの場合、先端がセパレータ14に当接しても、たわみ
ベルト7により投票用紙に駆動力を加えるようになって
いる。
【0037】先端がセパレータ14に当接すると、その
セパレータ14が障害となって先端はそれ以上、移動で
きなくなる。このとき、たわみベルト7から加える駆動
力が大きすぎると、投票用紙自体を変形させてしまう可
能性がある。その変形はジャムなどの原因となる恐れが
ある。このことから、本実施の形態では、投票用紙に加
える駆動力が必要以上、大きくならないようにすること
も考慮して(投票用紙の先端がセパレータ14と当接し
た状態ではたわみベルト7は投票用紙上をすべってその
投票用紙を変形させないように)、たわみベルト7の選
択を行っている。それにより、投票用紙の先端をセパレ
ータ14に当接させた状態に確実に揃えられるようにし
ている。
【0038】実際上、たわみベルト7の重量はそれほど
重いものではないことから、投票用紙(媒体)に過剰な
駆動力を加えることは容易に回避することができる。そ
のため、たわんだ部分を接触させての搬送では、投票用
紙を変形させることなく、その先端がセパレータ14と
当接する位置にまで搬送させることが容易に行えるよう
になっている。投票用紙を変更させないことから、それ
への駆動力を解除した際に、その弾性力によって位置が
ずれるようなことは回避される。それにより、高精度に
投票用紙を所望の位置(ここではセパレータ14に当接
する位置)に搬送できるようになっている。
【0039】上記ステップS1を実行することにより投
票用紙の先端をセパレータ14に当接させる予備搬送を
行った後は、ステップS12に移行して、モータ駆動部
25に搬送モータ24bを駆動(ON)させる。続くス
テップS13では、ソレノイド駆動部29に繰出しロー
ラ15駆動用のソレノイドを駆動させて、繰出しローラ
15に搬送モータ24bからの動力を伝達させる。その
後は、ステップS14に移行する。
【0040】特に図示していないが、繰出しローラ15
の近傍には、その繰出しローラ15が繰出した投票用紙
を検知するための光学センサが配置されている。ステッ
プS14では、センサ駆動部27からその光学センサが
投票用紙を検知した旨を示すデータが送られてくるのを
待つ。その光学センサが投票用紙を検知すると、ステッ
プS15に移行する。
【0041】ステップS15では、ソレノイド駆動部2
9に繰出しローラ15駆動用のソレノイドの駆動を終了
させる。続くステップS16では、読取部23の近傍に
配置された光学センサが投票用紙を検知するのを待つ。
その光学センサが投票用紙を検知することで、その旨を
示すデータをセンサ駆動部27から受け取ると、ステッ
プS17に移行して、読取部23に、搬送されている投
票用紙の読み取りを指示する。ステップS18には、そ
の指示を行った後に移行する。
【0042】ステップS18では、読取部23から投票
用紙のイメージ(画像)データを受け取り、そのイメー
ジデータを解析して、読み取りに異常がないか否か判定
する。投票用紙上に記入すべきマークが記入されていな
かったり、イメージを読み取った媒体が投票用紙ではな
かったような場合、判定はNOとなってステップS20
に移行し、搬送先を返却口に決定して、搬送路の切換用
のソレノイドをソレノイド駆動部29に駆動させて搬送
先を返却口に切り換えた後、ステップS21に移行す
る。そうでない場合には、判定はYESとなってステッ
プS19に移行し、搬送先をスタッカに決定して、その
スタッカに向けて投票用紙を搬送させるとともに、読取
部23による読取結果(購入を希望する投票券の内容)
を通信制御部22からホストコンピュータに送信させた
後、ステップS21に移行する。
【0043】上記返却口、及びスタッカの近傍には、そ
れぞれ、投票用紙を検知するための光学センサが配置さ
れている。ステップS21では、センサ駆動部27から
送られてくるデータを基に、ステップS19、或いはS
20で決定した搬送先に投票用紙を搬送したか否か判定
する。返却口、或いはスタッカの近傍に配置された光学
センサが投票用紙を検知した場合、判定はYESとな
り、ステップS22に移行する。そうでない場合には、
判定はNOとなり、再度、ステップS21を実行する。
それにより、ステップS19、或いはS20で決定した
搬送先に対応する光学センサが投票用紙を検知するのを
待つ。なお、直前にステップS19を実行、即ち搬送先
を返却口と決定していたのであれば、ステップS22に
は、ソレノイド駆動部29に、搬送路の切換用のソレノ
イドの駆動終了を指示した後に移行する。
【0044】ステップS22では、他の媒体が有るか否
か判定する。センサ駆動部27から取込トリガーセンサ
P1が媒体(投票用紙)を検知している旨を示すデータ
が送られてきている場合、判定はYESとなってステッ
プS23に移行し、ステップS1と同様に、モータ駆動
部25に取込モータ24aを所定時間、駆動(ON)さ
せて次に繰出すべき投票用紙の先端をセパレータ14に
当接させた後、上記ステップS13に戻る。そうでない
場合には、判定はNOとなり、ステップS24でモータ
駆動部25に搬送モータ24bの駆動を終了させた後、
一連の処理を終了する。
【0045】上記繰出し搬送処理を実行することによ
り、取り込んだ投票用紙は、1枚ずつ、その先端をセパ
レータ14に当接させる形で揃えてから繰出すようにな
っている。それにより、繰出しローラ15は確実に次に
繰出すべき投票用紙と接触してそれを繰出すことができ
ることから、繰出す順序が変わる、複数の投票用紙と接
触してダブルフィードが発生する、といった繰出し上の
不具合は確実に回避されることになる。
【0046】なお、本実施の形態では、たわみベルト7
を1本だけ設けているが、それを複数本、設けても良
い。たわみベルト7を用いての予備搬送については、投
票用紙の先端(搬送方向上の先頭となる端)をセパレー
タ14に向けて搬送することで、搬送方向上にだけ行っ
ているが、それを搬送方向の交差方向上で行うようにし
ても良い。当然のことながら、搬送方向上、及び搬送方
向の交差方向上の予備搬送を共に行うようにしても良
い。そのような予備搬送は、無条件で行うのではなく、
必要に応じて行うようにしても良い。
【0047】たわみベルト7は、本実施の形態では投票
用紙の繰出し時にはその駆動を行わないようになってい
るが、その繰出し時にもその駆動を行うようにしても良
い。そのベルト7を駆動するために、取込モータ24a
からの動力をシャフト4、及び9にそれぞれ伝達させて
いるが、シャフト4にのみ、その動力を伝達させるよう
にしても良い。そのようにした場合には、シャフト4を
回転させる向きに応じてたわみを発生させる部分を変更
できるようになる。図1に示すように下側の部分にたわ
みを発生させるだけでなく、その逆の上側にたわみを発
生させることができるようになる。このため、返却(挿
入された媒体を外に排出する)時には、たわみを上側に
発生(退避)させることで、投票用紙を排出する際にた
わみベルト7が抵抗となるのを回避させることができ
る。
【0048】本実施の形態は、媒体として投票用紙を搬
送対象とする媒体搬送装置に本発明を適用したものであ
るが、本発明が適用できる媒体搬送装置は投票用紙を扱
うものに限定されるものではない。紙幣や伝票、金券な
どの種類に係わらず、媒体を1つずつ繰出して搬送する
装置に本発明は幅広く適用できるものである。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように本発明の媒体搬送機
構は、ベルト状部材を自重によりたわませて媒体と接触
させ、そのベルト状部材に動力を伝達することにより、
媒体に動力を伝達し搬送する。自重によりたわませた部
分を媒体と接触させることで、その部分を介して媒体に
伝達できる動力の大きさが制限される。このため、媒体
に過剰な動力が伝達するのを回避しつつ、その搬送を行
うことができる。媒体に過剰な動力が伝達するのを回避
することによって、その媒体が変形して弾性力が生じる
のが回避される。このことから、弾性力によって位置が
ずれてしまうようなことも回避され、所望の位置に媒体
を高精度に搬送することができる。
【0050】本発明の媒体搬送装置は、上記媒体搬送機
構を媒体の位置を揃えるのに利用する。それにより、適
切な位置の適切な状態の媒体を対象に繰出しを行えるよ
うになる結果、媒体を繰出す順序が変わる、ダブルフィ
ードが発生するといった媒体の繰出し上の不具合の発生
を確実に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態による媒体搬送装置の主要部分の
側面断面図である。
【図2】本実施の形態による媒体搬送装置の主要部分の
上面断面図である。
【図3】本実施の形態による媒体搬送装置を搭載した投
票用紙処理装置の回路構成図である。
【図4】一括取込処理のフローチャートである。
【図5】繰出し搬送処理のフローチャートである。
【符号の説明】
1 挿入口 2 取込ローラ 3、8 プーリ 4、9 シャフト 5 たわみベルトテンションローラ 6 駆動伝達兼搬送ベルト 7 たわみベルト 13 圧接板 14 セパレータ 15 繰出しローラ 21 制御部 24 各種モータ 24a 取込モータ 24b 搬送モータ 25 モータ駆動部 26 センサ群 27 センサ駆動部 28 ソレノイド群 29 ソレノイド駆動部 A、B 投票用紙(媒体)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 搬送対象とする媒体を搬送するための機
    構であって、 ベルト状部材と、 前記ベルト状部材を、自重によりたわむ状態に支持する
    少なくとも二つの支持部材と、 前記二つの支持部材によって支持された前記ベルト状部
    材に動力源からの動力を伝達するための動力伝達手段
    と、を具備し、 前記ベルト状部材のなかで自重によりたわんだ部分を前
    記媒体と接触させ、該ベルト状部材を介して該媒体に動
    力を伝達し搬送する、 ことを特徴とする媒体搬送機構。
  2. 【請求項2】 搬送対象とする媒体を搬送するための方
    法であって、 ベルト状部材を、少なくとも二つの支持部材を用いてそ
    の間の部分が自重によりたわむ状態に支持させ、 前記ベルト状部材のなかで自重によりたわんだ部分を媒
    体と接触させ、 前記ベルト状部材を介して動力源からの動力を媒体に伝
    達させて該媒体を搬送する、 ことを特徴とする媒体搬送方法。
  3. 【請求項3】 収納場所に収納された媒体を1つずつ繰
    出して搬送する装置であって、 ベルト状部材と、 前記ベルト状部材を、自重によりたわむ状態に支持する
    少なくとも二つの支持部材と、 前記二つの支持部材によって支持された前記ベルト状部
    材に動力源からの動力を伝達するための動力伝達手段
    と、 前記収納場所に収納された媒体を1つずつ繰出す媒体繰
    出手段と、を具備し、 前記ベルト状部材のなかで前記二つの支持部材間の自重
    によりたわんだ部分を前記収納場所に収納された媒体の
    なかで最も上に位置する媒体と接触させ、該ベルト状部
    材を介して動力を伝達することにより、該最も上に位置
    する媒体の端をを所定位置に揃えた後、前記媒体繰出手
    段により繰出して搬送する、 ことを特徴とする媒体搬送装置。
  4. 【請求項4】 挿入口から挿入された媒体を取り込んで
    前記収納場所に収納する媒体取込手段、 を更に具備することを特徴とする請求項3記載の媒体搬
    送装置。
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