JP2002046178A - 熱収縮性ポリエステル系フィルム - Google Patents
熱収縮性ポリエステル系フィルムInfo
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Abstract
途に好適な熱収縮性ポリエステル系フィルムに関する。 【課題】 ボトルのフルラベル用、特にペットボトルの
フルラベル用の熱収縮性ポリエステル系フィルムであっ
て、収縮によるシワ、収縮斑、歪みの発生が極めて少な
く、経時による低温収縮性の低下の少ない熱収縮性ポリ
エステル系フィルムを提供すること。 【解決手段】 熱収縮性ポリエステル系フィルムであっ
て、該ポリエステル系フイルムの温湯収縮率が、主収縮
方向において、処理温度70℃・処理時間5秒で30〜
60%であり、85℃・5秒で65%以上であり、主収
縮方向と直交する方向において、85℃・5秒で10%
以下であり、25℃保管1ヶ月後の温湯収縮率が主収縮
方向において処理温度70℃・処理時間5秒で25%以上
であることを特徴とする熱収縮性ポリエステル系フィル
ム。
Description
テル系フィルムに関し、特にラベル用途に好適な熱収縮
性ポリエステル系フィルムに関する。さらに詳しくは、
ボトルのフルラベル用、特にペットボトルのフルラベル
用であって、熱収縮によるシワ、収縮斑、歪みの発生が
極めて少ない熱収縮性ポリエステル系フィルムに関す
る。
ラベル用の熱収縮性フィルムとしては、ポリ塩化ビニ
ル、ポリスチレン等からなるフィルムが主として用いら
れている。しかし、ポリ塩化ビニルについては、近年、
廃棄時に焼却する際の塩素系ガス発生が問題となり、ポ
リエチレンについては、印刷が困難である等の問題があ
る。さらに、PETボトルの回収リサイクルにあたって
は、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン等のPET以外の樹
脂のラベルは分別する必要がある。このため、これらの
問題の無いポリエステル系の熱収縮性フィルムが注目を
集めている。
関して着色ボトルは再生に不向きであることからその代
案が検討されてきた。その中に無着色ボトルを使用し、
着色ラベルをボトル全体に収縮させる方法がある。
る場合、ボトル形状が複雑でかつ多くの種類があるた
め、従来の熱収縮性フィルムでは収縮仕上がり性におい
て問題が発生する場合がある。特に飲料ボトル等で、飲
み口部分が細く胴部とのボトル径の差が大きい物のフル
ラベルでは、従来の熱収縮性フィルムはボトルの上部首
部に収縮不足が発生する。このようなボトルのフルラベ
ルに使用する熱収縮性フィルムは、高収縮率などの熱収
縮特性が必要である。また、収縮前の保管期間中に低温
収縮性が低下することにより収縮仕上げ時の条件変更が
必要であったり、場合によっては収縮不良となるケース
も発生する。
合、これまでのポリエステル系熱収縮性フィルムでは性
能が不十分であった。
を解決するものであり、その目的とするところは、ボト
ルのフルラベル用、特にペットボトルのフルラベル用の
熱収縮性ポリエステル系フィルムであって、収縮による
シワ、収縮斑、歪みの発生が極めて少なく、経時による
低温収縮性の低下が少ない熱収縮性ポリエステル系フィ
ルムを提供することである。
ステル系フィルムは、フイルムの温湯収縮率が、主収縮
方向において、処理温度70℃・処理時間5秒で30〜
60%であり、85℃・5秒で65%以上であり、主収
縮方向と直交する方向において、85℃・5秒で10%
以下であり、25℃1ヶ月保管後の温湯収縮率が、主収
縮方向において、処理温度70℃・処理時間5秒で25
%以上であることを特徴とする熱収縮性ポリエステル系
フィルムであり、そのことにより上記課題が解決され
る。
的に説明する。
は、好ましくはジカルボン酸成分とジオール成分とを構
成成分とするポリエステルと、ポリエステル系エラスト
マーとを含有するポリエステル組成物から作製される。
前記ポリエステル組成物は、ポリエステルを50〜9
9.9重量%含有し、ポリエステル系エラストマーを
0.1〜50重量%含有し得る。このようなポリエステ
ル系エラストマーとしては、ポリ−ε−カプロラクトン
などの成分を含むポリマーが挙げられる。
ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル
酸、ナフタレンジカルボン酸、オルトフタル酸等の芳香
族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、デカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、およ
び脂環式ジカルボン酸等が挙げられる。
セバシン酸、デカンジカルボン酸等)を含有させる場
合、含有率は3モル%未満であることが好ましい。これ
らの脂肪族ジカルボン酸を3モル%以上含有するポリエ
ステルを使用して得た熱収縮性ポリエステル系フィルム
では、高速装着時のフィルム腰が不十分である。
ば、トリメリット酸、ピロメリット酸及びこれらの無水
物等)を含有させないことが好ましい。これらの多価カ
ルボン酸を含有するポリエステルを使用して得た熱収縮
性ポリエステル系フィルムでは、必要な高収縮率を達成
しにくくなる。
ジオール成分としては、エチレングリコール、プロパン
ジオール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、
ヘキサンジオール等の脂肪族ジオール、1,4−シクロ
ヘキサンジメタノール等の脂環式ジオール、芳香族ジオ
ール等が挙げられる。
に用いるポリエステルは炭素数3〜6個を有するジオー
ル(例えばプロパンジオール、ブタンジオール、ネオペ
ンチルグリコール、ヘキサンジオール等)のうち1種以
上を含有させて、ガラス転移点(Tg)を60〜75℃
に調整したポリエステルが好ましい。
ポリエステル系フィルムとするためには、ネオペンチル
グリコールをジオール成分の1種として用いることが好
ましい。
ンジオール等)、又は3価以上の多価アルコール(例え
ば、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、
グリセリン、ジグリセリン等)は、含有させないことが
好ましい。これらのジオール、又は多価アルコールを含
有するポリエステルを使用して得た熱収縮性ポリエステ
ル系フィルムでは、必要な高収縮率を達成しにくくな
る。
コール、ポリエチレングリコールはできるだけ含有させ
ないことが好ましい。特にジエチレングリコールは、ポ
リエステル重合時の副生成成分のため、存在しやすい
が、本発明で使用するポリエステルでは、ジエチレング
リコールの含有率が4モル%未満であることが好まし
い。
有率は、2種以上のポリエステルを混合して使用する場
合、ポリエステル全体の酸成分、ジオール成分に対する
含有率である。混合後にエステル交換がなされているか
どうかにはかかわらない.さらに、熱収縮性フィルムの
易滑性を向上させるために、例えば、二酸化チタン、微
粒子状シリカ、カオリン、炭酸カルシウムなどの無機滑
剤、また例えば、長鎖脂肪酸エステルなどの有機滑剤を
含有させるのも好ましい。また、必要に応じて、安定
剤、着色剤、酸化防止剤、消泡剤、静電防止剤、紫外線
吸収剤等の添加剤を含有させてもよい。
により重合して製造され得る。例えば、ジカルボン酸と
ジオールとを直接反応させる直接エステル化法、ジカル
ボン酸ジメチルエステルとジオールとを反応させるエス
テル交換法などを用いて、ポリエステルが得られる。重
合は、回分式および連続式のいずれの方法で行われても
よい。
は、温水中で無荷重状態で処理して収縮前後の長さか
ら、熱収縮率=((収縮前の長さ−収縮後の長さ)/収
縮前の長さ)×100(%)の式で算出したフィルムの
温湯収縮率が、主収縮方向において、処理温度70℃・
処理時間5秒で30〜60%であり、好ましくは40〜
60%であり、85℃・5秒で65%以上であり、好ま
しくは75〜95%であり、主収縮方向と直交する方向
において、85℃・5秒で10%以下であり、好ましく
は6%以下である。
25%未満の場合は、低温収縮性が不足し、収縮温度を
高くする必要があり好ましくない。一方、60%を越え
る場合は、熱収縮によるラベルの飛び上がりが発生し好
ましくない。
95%であり、75%未満の場合は、瓶の形状によって
は口部の収縮が不十分になり好ましくない。一方、95
%を越える場合は加熱収縮後もさらに収縮する力がある
ため、ラベルが飛び上がりやすくなる。
の厚みは、特に限定するものではないが、ラベル用熱収
縮性フィルムとして10〜200μmが好ましく、20
〜100μmがさらに好ましい。
ルムの製造法について、具体例を説明するが、この製造
法に限定されるものではない。
ードライヤー、パドルドライヤー等の乾燥機、または真
空乾燥機を用いて乾燥し、200〜300℃の温度で溶
融しフィルム状に押し出す。押し出しに際してはTダイ
法、チューブラー法等、既存の任意の方法を採用して構
わない。押し出し後、急冷して未延伸フィルムを得る。
5℃以上、Tg+15℃未満の温度で、好ましくは、T
g以上、Tg+15℃未満の温度で、横方向に3.0倍
以上、好ましくは3.5倍以上、特に好ましくは4.2
倍以上延伸する。
で熱処理して、熱収縮性ポリエステル系フィルムを得
る。
みでなく、付加的に縦方向に延伸し2軸延伸することも
可能である。このような2軸延伸は、逐次2軸延伸法、
同時2軸延伸法のいずれの方法によってもよく、さらに
必要に応じて、縦方向または横方向に再延伸を行っても
よい。
縮方向としては横方向が実用的であるので、以上では、
主収縮方向が横方向である場合の製膜法の例を示した
が、主収縮方向を縦方向とする場合も、上記方法におけ
る延伸方向を90度変えるほかは、上記方法の操作に準
じて製膜することができる。
延伸フィルムを、Tg−5℃以上、Tg+15℃未満の
温度、好ましくはTg℃以上、Tg+10℃未満の温度
で延伸することが好ましい。
発明の構成要件である熱収縮率を得にくいばかりでな
く、得られたフィルムの透明性が悪化するため好ましく
ない。
合、得られたフィルムは高速装着時のフィルム腰が不十
分であり、かつフィルムの厚みむらが著しく損なわれる
ため好ましくない。
は、フィルムの厚みから、厚み分布=((最大厚み−最
小厚み)/平均厚み)×100(%)の式で算出された
フィルムの厚み分布が6%以下であることが好ましい。
さらに好ましくは、5%以下である。
収縮仕上り性評価時に実施する3色印刷で、色の重ね合
せが容易であるのに対し、6%を越えたフィルムは色の
重ね合せの点で好ましくない。
布を均一化させるためには、テンターを用いて横方向に
延伸する際、延伸工程に先立って実施される予備加熱工
程では、熱伝達係数が0.0013カロリー/cm2・
sec・℃以下となるよう低風速で所定のフィルム温度
になるまで加熱を行うことが好ましい。
制し、巾方向のフィルム温度斑を小さくするためには、
延伸工程の熱伝達係数は0.0009カロリー/cm2
・sec・℃以上、好ましくは0.0011〜0.00
17カロリー/cm2・sec・℃の条件がよい。
カロリー/cm2・secを越える場合、また、延伸工
程での熱伝達係数が0.0009カロリー/cm2・s
ec未満の場合、厚み分布が均一になりにくく、得られ
たフィルムを多色印刷加工する際、多色の重ね合せで図
柄のずれが起こり好ましくない。
説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これら
の実施例に限定されるものではない。
である。
温度±0.5℃の温水中において、無荷重状態で所定時
間処理して熱収縮させた後、フィルムの縦および横方向
の寸法を測定し、下記(1)式に従いそれぞれ熱収縮率
を求めた。該熱収縮率の大きい方向を主収縮方向とし
た。
さ)/収縮前の長さ)×100(%) (1)
の草・金・白色のインキで3色印刷した。
式:SH−1500−L)を用い、通過時間2.5秒、
ゾーン温度80℃で、500mlのガラス瓶(高さ2
0.6cm、中央部直径6.5cm)((株)吉野工業
所製でキリンビバレッジ(株)の午後の紅茶に使用され
ているボトル)を用いてテストした(測定数=20)。
た。
0)を用いて、未延伸フィルム10mgを、−40℃か
ら120℃まで、昇温速度20℃/分で昇温し、得られ
た吸熱曲線より求めた。吸熱曲線の変曲点の前後に接線
を引き、その交点をTg(ガラス転移点)とした。
を用いて、縦方向5cm、横方向50cmのサンプルの
厚みを測定し(測定数=20)、各々のサンプルについ
て、下記(3)式により厚み分布(厚みのバラツキ)を
求めた。また、該厚み分布の平均値(n=50)を下記
の基準に従って評価した。
である。
ート(極限粘度(IV)0.75dl/g) ポリエステルB:エチレングリコール70モル%、ネオ
ペンチルグリコール30モル%とテレフタル酸とからな
るポリエステル(IV 0.72dl/g) ポリエステルC:ポリブチレンテレフタレート70重量
%とポリ−ε−カプロラクトン30重量%とからなるポ
リエステル(IV 1.30dl/g) ポリエステルD:ポリブチレンテレフタレート(IV
1.20dl/g)
ポリエステルB75重量%、ポリエステルC10重量%
を混合したポリエステルを、280℃で溶融しTダイか
ら押出し、チルロールで急冷して未延伸フィルムを得
た。この未延伸フィルムのTgは69℃であった。
℃になるまで予備加熱した後、テンターで横方向に80
℃で5倍に延伸し、厚み50μmの熱収縮性ポリエステ
ルフィルムを得た。
ポリエステルB80重量%、ポリエステルC10重量%
を混合したポリエステルを、280℃で溶融しTダイか
ら押出し、チルロールで急冷して未延伸フィルムを得
た。この未延伸フィルムのTgは68℃であった。
℃になるまで予備加熱した後、テンターで横方向に79
℃で5倍に延伸し、厚み50μmの熱収縮性ポリエステ
ルフィルムを得た。
ポリエステルB78重量%、ポリエステルC7重量%を
混合したポリエステルを、280℃で溶融しTダイから
押出し、チルロールで急冷して未延伸フィルムを得た。
この未延伸フィルムのTgは70℃であった。
した方法と同様にして、厚み50μmの熱収縮性ポリエ
ステルフィルムを得た。
は実施例1に記載した方法と同様にして、厚み50μm
の熱収縮性ポリエステルフィルムを得た。
は実施例1に記載した方法と同様にして、製膜した。フ
ィルムはテンター出口で全巾にわたって白化していた。
ポリエステルB75重量%、ポリエステルD10重量%
を混合したポリエステルを280℃で溶融しTダイから
押出し、チルロールで急冷して未延伸フィルムを得た。
この未延伸フィルムのTgは69℃であった。
℃になるまで予備加熱した後、テンターで横方向に83
℃で5倍に延伸し、厚み50μmの熱収縮性ポリエステ
ルフィルムを得た。
た以外は実施例1に記載した方法と同様にして、厚み5
0μmの熱収縮性ポリエステルフィルムを得た。
フィルムの評価結果を表1に示す。表1から明らかなよ
うに、実施例1〜5で得られたフィルムはいずれも収縮
仕上り性が良好であった。また、厚み分布も良好であっ
た。本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは高品質
で実用性が高く、特に収縮ラベル用として好適である。
ムは厚み分布が劣る。また比較例3、4及び5で得られ
た熱収縮性フィルムは、収縮によってシワ、収縮不足が
発生し、いずれも収縮仕上り性が劣る。このように比較
例で得られた熱収縮性ポリエステル系フィルムはいずれ
も品質が劣り、実用性が低いものであった。
用、特にペットボトルのフルラベル用に好適な熱収縮性
ポリエステル系フィルムが得られる。
は、ボトルのフルラベルとして使用する場合、熱収縮に
よるシワ、収縮斑、歪み及び収縮不足の発生が極めて少
ない良好な仕上がり性が可能であり、フルボトルラベル
用途として極めて有用である。
Claims (2)
- 【請求項1】 熱収縮性ポリエステル系フィルムであっ
て、前記ポリエステル系フイルムの温湯収縮率が、主収
縮方向において、処理温度70℃・処理時間5秒で30
〜60%であり、85℃・5秒で65%以上であり、主
収縮方向と直交する方向において、85℃・5秒で10
%以下であり、25℃保管1ヶ月後の温湯収縮率が、主
収縮方向において、処理温度70℃・処理時間5秒で2
5%以上であることを特徴とする熱収縮性ポリエステル
系フィルム。 - 【請求項2】 請求項1記載の熱収縮性ポリエステル系
フィルムであって、厚み分布が6%以下であることを特
徴とする熱収縮性ポリエステル系フィルム。
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