JP2002045840A - 土壌の浄化方法および装置 - Google Patents

土壌の浄化方法および装置

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JP2002045840A
JP2002045840A JP2000233618A JP2000233618A JP2002045840A JP 2002045840 A JP2002045840 A JP 2002045840A JP 2000233618 A JP2000233618 A JP 2000233618A JP 2000233618 A JP2000233618 A JP 2000233618A JP 2002045840 A JP2002045840 A JP 2002045840A
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separation
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particle size
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JP2000233618A
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Fukuzo Todo
福蔵 藤堂
Shinichiro Suhara
眞一郎 須原
Setsuo Shibata
節夫 柴田
Tsutomu Katagiri
務 片桐
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JGC Corp
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    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
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  • Separation Of Solids By Using Liquids Or Pneumatic Power (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 難揮発性有機物に汚染された土壌を低コスト
で効率よく浄化することができる方法を提供する。 【解決手段】 難揮発性有機物に汚染された土壌を、粒
度100μm以下の微粒土壌S1が乾燥土壌基準で5〜
40wt%含まれるように粒度調整する土壌粒度調整工
程と、粒度調整された土壌と水とを分離槽1内に供給し
て土壌を適度に流動化させることにより、粒度100μ
mを越える粗粒土壌S2を分離槽1底部に沈降させ、難
揮発性有機物と微粒土壌S1を分離槽1内水面付近に浮
上させ、該難揮発性有機物を微粒土壌S1とともに分離
除去する分離工程とにより浄化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、難揮発性有機物で
汚染された土壌から難揮発性有機物を分離することによ
り該土壌を浄化する方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】製油所、ガソリンスタンド、化学工場、
医薬品工場などの跡地等では、石油類炭化水素、有機溶
剤などの難揮発性有機物によって土壌が汚染されている
ことがあり、この汚染土壌を浄化することが必要となる
ことがある。土壌浄化方法としては、焼却、熱分解など
により土壌中の難揮発性有機物を処理する方法や、微生
物を利用して難揮発性有機物を処理するバイオレメディ
エーション法がある。このほか、特開平10−2114
86号公報には、汚染土壌を水中で過酸化水素で処理
し、過酸化水素の分解により生じる酸素ガスにより土壌
中の難揮発性有機物を分離する方法が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来方法では、次に示す問題があった。焼却、熱分解など
により土壌を処理する方法では、汚染が広範囲に及ぶ場
合、大量の土壌を加熱処理することが必要となるため、
加熱コストが嵩み、処理コストが高騰する問題があっ
た。バイオレメディエーション法では、浄化に長期間を
要する、高濃度汚染や重質油汚染には適用しにくいなど
の問題があった。また過酸化水素処理法では、過酸化水
素が高価であるため処理コストが嵩む問題があった。本
発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、難揮発性有
機物に汚染された土壌を低コストで効率よく浄化するこ
とができる方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の土壌の浄化方法
は、難揮発性有機物に汚染された土壌を、粒度100μ
m以下の微粒土壌が乾燥土壌基準で5〜40wt%含ま
れるように粒度調整する土壌粒度調整工程と、粒度調整
された土壌と水とを分離槽内に供給して土壌を適度に流
動化させることにより、粒度100μmを越える粗粒土
壌を分離槽底部に沈降させ、該土壌中の難揮発性有機物
と微粒土壌を分離槽内水面付近に浮上させ、該難揮発性
有機物を該微粒土壌とともに分離除去する分離工程とに
より浄化することを特徴とする。土壌を適度に流動化さ
せる方法としては、流量を調節した水を分離槽の底部か
ら連続的に供給する方法を採用することができる。また
流量を調節した空気を分離槽の底部から連続的に供給す
る方法を採用することもできる。分離工程においては、
粒度調整された土壌と水とを分離槽内に連続的に供給
し、粗粒土壌を連続的に分離槽から搬出することができ
る。また粒度調整された土壌と水とを分離槽内に連続的
に供給し、水面付近に浮上した難揮発性有機物と微粒土
壌とを連続的に分離槽から排出することができる。分離
工程においては、分離槽内に供給する水の温度を50℃
以上、好ましくは80℃以上とすることができる。また
分離工程においては、分離槽内の水の温度を50℃以
上、好ましくは80℃以上に加温することができる。分
離槽内の水の加温は、分離槽内へのスチームの供給によ
って行うことができる。分離工程においては、分離槽内
に、土壌からの難揮発性有機物の分離を促進する有機物
分離促進剤をそのままあるいは溶液にして添加すること
ができる。この有機物分離促進剤としては、デンプン系
化合物およびアルカリ剤のうち少なくともいずれかを用
いることができる。またデンプン系化合物とアルカリ剤
とを併用することもできる。有機物分離促進剤として使
用するデンプン系化合物としては、シクロデキストリン
類化合物を用いるのが好ましい。有機物分離促進剤とし
て使用するアルカリ剤としては、NaOHおよびNa2
CO3のうち少なくともいずれかを用いるのが好まし
い。本発明では、分離槽内で分離した浮上物から微粒土
壌を分離し、これを焼却処理することができる。また分
離槽内で分離した浮上物をそのまま焼却処理することも
できる。本発明では、分離槽内で分離した浮上物、ある
いは浮上物から分離した微粒土壌を焼却処理して得た焼
却微粒土壌の少なくとも一部を土壌粒度調整工程に供給
することができる。本発明の土壌の浄化装置は、難揮発
性有機物に汚染された土壌を、粒度100μm以下の微
粒土壌が乾燥土壌基準で5〜40wt%含まれるように
粒度調整する土壌粒度調整手段と、該粒度調整された土
壌を収容する分離槽と、粒度調整された土壌を分離槽内
に搬入する土壌搬入手段と、該分離槽内に分離槽底部よ
り水を流量調節して供給する水供給手段と、該分離槽内
に分離槽底部より空気を流量調節して供給する空気供給
手段と、分離槽底部に沈降した粒度100μmを越える
粗粒土壌を分離槽外に搬出する土壌搬出手段と、分離槽
で水面付近に浮上した難揮発性有機物と微粒土壌とを分
離槽から排出する排出手段とを備えていることを特徴と
する。本発明の土壌の浄化装置は、空気供給手段によっ
て分離槽内に供給される空気を分散させ微小気泡にする
空気分散手段を備えた構成とすることができる。また分
離槽内の水を加温するスチームを供給するスチーム供給
手段を備えた構成とすることができる。また分離槽内に
有機物分離促進剤を間欠的にあるいは連続的に供給する
有機物分離促進剤供給手段を備えた構成とすることもで
きる。本発明の土壌の浄化装置は、難揮発性有機物に汚
染された土壌を、粒度100μm以下の微粒土壌が乾燥
土壌基準で5〜40wt%含まれるように粒度調整する
土壌粒度調整手段と、該粒度調整された土壌を収容する
矩形の分離槽と、分離槽内の水位を検知する水位検知手
段と、粒度調整された土壌を分離槽内に搬入する土壌搬
入手段と、該分離槽内に水を流量調節して供給する水供
給手段と、該分離槽内に分離槽底部より空気を流量調節
して供給する空気供給手段と、該空気供給手段によって
分離槽内に供給される空気を分散させ微小気泡にする空
気分散手段と、分離槽に有機物分離促進剤を供給する有
機物分離促進剤供給手段と、分離槽内の水を加温するス
チームを供給するスチーム供給手段と、分離槽底部に沈
降した粒度100μmを越える粗粒土壌を分離槽外に搬
出する土壌搬出手段と、分離槽で水面付近に浮上した難
揮発性有機物と微粒土壌とを分離槽から排出する排出手
段とを備えた構成とすることもできる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の土壌の浄化方法の一実施
形態を図1を参照して簡単に説明する。本実施形態の方
法では、難揮発性有機物に汚染された土壌を、粒度が1
00μm以下である微粒土壌が乾燥土壌基準で5〜40
wt%含まれるように粒度調整する土壌粒度調整工程の
後、粒度調整された土壌を、土壌搬入手段22により分
離槽21に搬入するとともに、分離槽21下部に接続さ
れた水供給手段23を通して水を分離槽21に供給し、
分離槽21内において、粒度100μmを越える粗粒土
壌を分離槽21底部に沈降させ、土壌中の難揮発性有機
物を微粒土壌とともに分離除去する分離工程を行う。な
お上記含有率は、水分除去後の乾燥土壌を基準とする。
以下同様とする。
【0006】分離工程においては、前記水が供給手段2
3を通して分離槽21の下方から分離槽21内に供給さ
れるため、この水は分離槽21内で上昇流をなす。軽量
の微粒土壌S1は分離槽21内で水の上昇流に従って上
昇しやすく、しかも難揮発性有機物は微粒土壌S1に付
着しやすいことから、難揮発性有機物は微粒土壌S1と
ともに分離槽21内で上昇する。一方、微粒土壌S1以
外の土壌である粗粒土壌S2(粒度が100μmを越え
るもの)は、重量が大きいため分離槽21の底部に沈降
状態のまま留まる。このようにして、難揮発性有機物と
微粒土壌S1とは、粗粒土壌S2から分離される。この
ため、難揮発性有機物が分離されて分離槽内に留まる土
壌(粗粒土壌S2)を、煩雑な後処理を行わずに直ちに
埋め戻し可能な状態とすることができる。従って、後処
理にかかるコストを最小限に抑え、土壌浄化を低コスト
かつ効率よく行うことができる。
【0007】また分離槽21内には、水供給手段23に
接続された空気供給手段24を通して空気を供給しても
よく、この場合には、供給手段24、23を経て分離槽
21内に下方から導入された空気の気泡が分離槽21内
を上昇する際に、軽量の微粒土壌S1が空気の気泡に付
着し気泡と共に水面付近まで上昇する。この際、難揮発
性有機物は比重が低く、かつ微粒土壌S1に付着しやす
いため、微粒土壌S1とともに気泡に伴って水面付近ま
で上昇する。従って、難揮発性有機物分離の効率を高め
ることができる。
【0008】また本発明では、図2に示すように、分離
槽21内で浮上分離された難揮発性有機物および微粒土
壌S1を排出手段25を通して連続的に分離槽21外に
排出することもできる。さらには、分離槽21底部に残
った微粒土壌以外の土壌(粗粒土壌S2)を土壌搬出手
段26を通して連続的に槽外に搬出することもできる。
【0009】以下、より具体的な例を挙げて本発明を説
明する。図3は、本発明の土壌の浄化装置の一実施形態
を示すもので、ここに示す装置は、難揮発性有機物に汚
染された土壌中の砂利などの粗大物を土壌中から除去す
る粗篩機10と、土壌を粒度調整する土壌粒度調整手段
である土壌粒度調整機11と、粒度調整された土壌Sを
収容する矩形の分離槽1と、分離槽1内の土壌Sを攪拌
する空気を供給する空気供給手段である空気供給管路2
と、分離槽1内の水を加温するスチームを供給するスチ
ーム供給手段であるスチーム供給管路3と、分離槽1内
に、難揮発性有機物を含む土壌Sを連続的に搬入する土
壌搬入手段である搬入コンベア4と、分離槽1内で難揮
発性有機物が分離された土壌を分離槽1から連続的に搬
出する土壌搬出手段である搬出コンベア5と、分離槽1
内に水を供給する水供給手段である水供給管路6と、分
離槽1から越流した水を分離槽外に排出する排出手段で
ある越流水排出管路7と、難揮発性有機物の土壌からの
分離を促進する有機物分離促進剤を分離槽1内に供給す
る有機物分離促進剤供給手段である有機物分離促進剤供
給管路8と、越流水排出管路7から越流水とともに排出
された難揮発性有機物および微粒土壌から難揮発性有機
物を分離除去する除去槽12と、除去槽12にて難揮発
性有機物が分離除去された微粒土壌を凝集分離する清澄
機13と、清澄機13に凝集剤を添加する凝集剤添加管
路13aと、清澄機13で分離された微粒土壌を脱水す
る脱水機14と、脱水機14を経た微粒土壌を焼却処理
する焼却部15を備えている。
【0010】粗篩機10は、粗篩10aを備え、土壌中
に存在する砂利などの粗大物(例えば粒度10mm以上
のもの)をふるい分けて取り除くことができるようにな
っている。
【0011】土壌粒度調整機11は、土壌中の大粒径土
塊を、図示せぬ粉砕部材により機械的に押し潰すことに
より小粒径化する土壌粉砕部11aと、土壌粉砕部11
aを経た土壌のうち比較的粒径が大きいものをふるい分
ける細篩部11bを備えており、粗篩機10を経た土壌
を任意の粒度に調整することができるようになってい
る。細篩部11bは、細篩11c(例えば9メッシュ
(目開き2mm)のもの)を有する。
【0012】分離槽1の底部には、空気供給管路2から
供給された空気を分散させて水中に供給する空気分散手
段である分散板9が設置されている。この分散板9とし
ては、分離槽1底部のほぼ全面にわたる大きさ、形状と
され、空気供給管路2から供給された空気を、分離槽1
のほぼ全域にわたって分散した状態で分離槽1内に送り
込むことができるものが好適に用いられる。分散板9と
しては、空気が通過でき、かつ土壌Sの大部分が通過で
きない多数の微細孔部(孔径100μm程度)が全面に
わたって形成された多孔質板を用いることができる。空
気供給管路2は、分離槽1の底部の複数箇所に接続され
ており、図示せぬ供給源から供給された空気を、分離槽
1底部から分離槽1内に送り込むことができるようにな
っている。なお、分散板9に代えて、空気噴出ノズルを
多数取り付けたエアーリングを分離槽1底部に設置して
もよい。
【0013】スチーム供給管路3は、空気供給管路2に
接続されており、図示せぬ供給源から供給されたスチー
ムを、空気供給管路2を通して分離槽1内に送り込むこ
とができるようになっており、分離槽1内の適度な攪拌
と水の加温に用いる。
【0014】搬入コンベア4、搬出コンベア5は、それ
ぞれ分離槽1の一端および他端付近に接続されている。
搬入コンベア4、搬出コンベア5としては、土壌を連続
的に分離槽1内外に搬入、搬出することができるものを
用いるのが好ましい。これらコンベア4、5としては、
スクリューコンベアを用いるのが好適である。
【0015】有機物分離促進剤供給管路8は、搬入コン
ベア4が接続された分離槽1の一端付近に接続され、図
示せぬ供給源から供給されたデンプン系化合物、アルカ
リ剤などの有機物分離促進剤を分離槽1内に供給するこ
とができるようになっている。
【0016】除去槽12は、越流水排出管路7から排出
された難揮発性有機物を、浮上分離などにより微粒土壌
から分離除去するためのもので、汎用のオイルセパレー
タなどが使用可能である。清澄機13には、凝集剤添加
管路13aが接続され、除去槽12にて難揮発性有機物
が分離除去された微粒土壌に、無機系凝集剤、高分子系
凝集剤などの凝集剤を作用させ、この微粒土壌を凝集さ
せることができるようになっている。脱水機14として
は、フィルタープレスなどを用いることができる。焼却
部15は、脱水機14を経た微粒土壌を焼却処理するこ
とができるように構成されている。符号17は水位検知
手段である水位検知センサを示すものである。
【0017】以下、上記装置を用いた場合を例として、
本発明の土壌の浄化方法の一実施形態を説明する。図4
は、本実施形態の浄化方法を示す流れ図である。本発明
において、難揮発性有機物とは、揮発性が低い有機物を
指し、具体例としては、原油、石油系炭化水素(重油、
軽油、灯油など)、植物性加工油、有機系溶媒、潤滑
油、切削油などを挙げることができる。一般に、難揮発
性有機物は難水溶性である。
【0018】まず難揮発性有機物を含む土壌を粗篩機1
0に供給し(st1)、ここで金属類、ガラス類、プラ
スチック類、および砂利などの粗大物(例えば粒度が1
0mm以上のもの)を除去する(st2)。粗大物を取
り除くのは、次の工程である土壌粒度調整工程への悪影
響を取り除くためである。
【0019】本実施形態の土壌の浄化方法では、まず粗
篩機10を経た土壌を土壌粒度調整機11に供給し、以
下に示すように土壌の粒度を調整する土壌粒度調整工程
を行う。すなわち土壌粉砕部11aにおいて土壌中の大
粒径土塊を機械的に砕いて小粒径化し、続いて細篩部1
1bにおいて土壌粒子のうち比較的大粒径のもの(例え
ば粒度2mmを越えるもの)を取り除く。これによって
粒度調整された土壌Sを得る(st3、4)。
【0020】この粒度調整の際には、土壌を、粒度が1
00μm以下である微粒土壌の含有率が5〜40wt%
となるように粒度調整する。
【0021】土壌S中の微粒土壌の含有量が40wt%
を越えると、分離工程において、難揮発性有機物が分離
されて分離槽1内に沈降し残留する粗粒土壌量が少なく
なるとともに、難揮発性有機物とともに浮上分離される
微粒土壌量が多くなるため、この土壌の後処理(除去槽
12、清澄機13、脱水機14、焼却部15における処
理)に手間がかかるようになり処理コストの高騰を招
く。また微粒土壌の含有量が5wt%未満であると、難
揮発性有機物が土壌Sから浮上分離されにくくなり、処
理効率が低下する。細篩部11bにおいて取り除かれた
大粒径の土壌粒子は、土壌粉砕部11aに再び供給され
て粉砕される(st5)。
【0022】次いで、以下に示すように、土壌S中から
難揮発性有機物を分離する分離工程を行う。粒度調整さ
れた土壌Sを搬入コンベア4を通して連続的に分離槽1
内に投入するとともに、水供給管路6を通して分離槽1
内に水を連続的に供給する(st6、7)。土壌Sを分
離槽1に供給する際には、土壌Sをそのまま供給しても
よいし、土壌Sを水と混合してスラリー状として供給し
てもよい。
【0023】有機物、重金属などの土壌汚染物は微粒土
壌に付着し濃縮される性質があるため、通常、土壌中の
難揮発性有機物のうち80〜90wt%が微粒土壌に付
着した状態となる。
【0024】この際、空気供給管路2を通して供給され
た空気を分離槽1内に供給する。同時に、スチーム供給
管路3を通して空気供給管路2内にスチームを供給する
のが好ましい。スチームは空気とともに分離槽1内に導
入され、分離槽1内の水を加温する。スチームの供給量
は、分離槽1内の水の温度が50℃以上(好ましくは8
0℃以上)となるように設定するのが望ましい。分離槽
1内の水温を上記範囲とすることによって、土壌Sに含
まれる難揮発性有機物は粘性が低下し、土壌Sから分離
しやすい状態となる。分離槽1内の水の温度が上記範囲
未満である場合には、難揮発性有機物除去効率が低下す
る。なお、分離槽1内の水の温度を高めるには、スチー
ムを供給する方法に限らず、水供給管路6を通して分離
槽1内に供給する水を予め加温しておく方法を採ること
もできる。
【0025】分離槽1内には、有機物分離促進剤供給管
路8を通して有機物分離促進剤を供給するのが好まし
い。有機物分離促進剤としては、デンプン系化合物を用
いることができる。デンプン系化合物としては、デンプ
ンおよび/またはデンプン派生物質を用いることができ
る。デンプン派生物質としては、シクロデキストリン類
化合物を挙げることができる。シクロデキストリン類化
合物としては、α−シクロデキストリン、β−シクロデ
キストリン、γ−シクロデキストリンのほか、これらの
アルキル、ヒドロキシアルキル、アシル誘導体(例えば
メチル、エチル、ヒドロキシエチル、プロピル、アセチ
ル、サクシニル)またはそれらのポリマー誘導体などを
用いることができる。デンプン系化合物の添加量は、分
離槽1中における濃度が0.1〜1.0重量%となるよ
うに設定するのが好ましい。
【0026】デンプン系化合物を添加すると、デンプン
系化合物が界面活性剤としてはたらき、難揮発性有機物
が土壌Sから分離しやすくなる。またデンプン系化合物
は生分解性が高く、後述の工程で埋め戻される処理済土
壌中に残留した場合でも直ちに分解されるため、環境保
全性の点で好適である。
【0027】また有機物分離促進剤としては、アルカリ
剤を用いることもできる。アルカリ剤としては、塩基性
金属塩、塩基性金属酸化物を用いるのが好ましい。塩基
性金属塩としては、Na2CO3、NaHCO3 、K2
3、KHCO3 、NaOH、KOH、Ca(OH)2
用いるのが好ましい。塩基性金属酸化物としては、Ca
O、MgOを用いるのが好ましい。なかでも特に、Na
OHおよびNa2CO3 のうち少なくともいずれかを用
いると、難揮発性有機物分離効率を高めることができる
ため好ましい。アルカリ剤の添加量は、分離槽1内のp
Hが8以上となるように設定するのが好ましい。アルカ
リ剤を用いると、分離槽1内のpHの上昇により土壌S
中の難揮発性有機物の表面状態が変化し、表面の疎水性
が高い気泡に付着しやすくなるため、難揮発性有機物が
土壌Sから浮上分離しやすくなる。
【0028】有機物分離促進剤としては、デンプン系化
合物とアルカリ剤とを併用することもできる。デンプン
系化合物とアルカリ剤を併用する場合には、デンプン系
化合物のもつ界面活性作用と、アルカリ剤のもつ有機物
不溶化促進作用とによって、難揮発性有機物の土壌Sか
らの分離がいっそう促され、難揮発性有機物分離効率が
さらに高められる。有機物分離促進剤は、そのままの状
態で分離槽1内へ添加してもよいし、水、溶剤、油類等
で希釈し溶液として分離槽1内へ添加してもよい。有機
物分離促進剤を溶液として添加する場合には、有機物分
離促進剤を分離槽1内で速やかに均一化し、難揮発性有
機物の土壌からの分離を促進する効果を高めることがで
きる。有機物分離促進剤は、分離槽1に、間欠的に添加
することもできるし、連続的に添加することもできる。
なお、土壌Sをスラリー状にして分離槽1に供給する場
合には、このスラリー状の土壌Sに予め有機物分離促進
剤を含有させておくことも可能である。
【0029】空気供給管路2を通して分離槽1内に供給
された空気は、分散板9を通過する際に細かい気泡とな
って、分離槽1底部のほぼ全域にわたって分離槽1内に
供給される。分離槽1内に供給された空気が気泡となっ
て分離槽1内の土壌S中を上昇する際には、気泡の浮
力、および気泡が上昇する際に発生する水流により土壌
Sが十分に流動化し攪拌され、空気と土壌Sとの接触効
率が高まるとともに、土壌Sが気泡により振動し、これ
によって土壌S中の難揮発性有機物および微粒土壌が土
壌Sから分離上昇しやすい状態となる。空気を供給する
ことによって、土壌、水および空気による気液固三相流
動層が形成される。このため、これらを効率よく混合、
流動化させ、互いに付着した土壌粒子どうしを分離させ
ることができる。従って、土壌を、微粒土壌と粗粒土壌
とに効率よく分級することができる。
【0030】気泡が分離槽1内を上昇する際に、軽量の
微粒土壌は気泡と共に水面付近まで上昇する。この際、
土壌Sから分離した難揮発性有機物は低比重であり、か
つ微粒土壌に付着しやすいため、微粒土壌とともに気泡
に伴って水面付近まで上昇する。これに対し、粗粒土壌
は重量が大きいため分離槽1の底部付近に残る。このよ
うにして、土壌S中の難揮発性有機物は、微粒土壌と共
に粗粒土壌から浮上分離される。また土壌Sから分離さ
れた難揮発性有機物は、通常、低比重であるため自らに
作用する浮力によっても浮上する。
【0031】分離槽1内には、水供給管路6によって水
が連続的に供給されるため、分離槽1内の水のうち水面
付近のものは分離槽1の縁部から越流し、越流水排出管
路7を通して分離槽1外に排出される。この際、水面付
近まで浮上した難揮発性有機物と微粒土壌は、浮上物と
して、越流水とともに分離槽外に排出され、その後、後
述する方法により処理される。
【0032】また、気泡が土壌S中を上昇する際には、
気泡の浮力、および気泡上昇時に発生する水流により土
壌S全体が流動化するため、搬出コンベア5により分離
槽1内の搬出口5a付近の土壌を分離槽外に搬出する
と、これに伴って土壌が自重により搬出コンベア5の搬
出口5a付近に流れ込み、流れ込んだ土壌が搬出コンベ
ア5によって搬出される。このため、搬出コンベア5に
よる土壌搬出を連続的に行うと、搬入コンベア4から分
離槽1内に連続的に搬入された土壌は、上記過程を繰り
返して分離槽1の一端側から徐々に他端側に移動し、移
動の過程で上述のように難揮発性有機物が微粒土壌と共
に粗粒土壌から浮上分離され、分離槽1の他端付近に達
した粗粒土壌が搬出コンベア5によって分離槽外に搬出
される。搬出された粗粒土壌は、難揮発性有機物が分離
され、浄化された状態となっているため、脱水後、埋め
戻される(st9、11)。脱水により粗粒土壌から分
離された水は、分離槽1内に供給される水として再利用
される(st10)。
【0033】分離槽1内で土壌Sを効率よく流動化させ
るには、分離槽1内の土壌Sの堆積高さを100cm以
下、好ましくは50cm以下とするのが望ましい。また
空気の供給量は、分離槽1の底部面積1m2あたり10
〜25L/min、好ましくは20〜25L/minに
設定するのが好ましい。空気供給量が上記範囲未満であ
ると、分離槽1内において土壌Sの流動化、攪拌が不十
分となりやすくなる。また空気供給量が上記範囲を越え
ると、気泡により浮上物が分離槽1内で高さ方向に分散
しやすくなり、浮上物排出の際の効率低下を招く。
【0034】越流水とともに分離槽1から排出された浮
上物は、除去槽12において難揮発性有機物と微粒土壌
に分けられる(st12)。分離された難揮発性有機物
は、焼却処理などにより処分される。
【0035】一方、難揮発性有機物が分離された微粒土
壌は、清澄機13内において無機系凝集剤、高分子系凝
集剤などの凝集剤が添加されて凝集分離される(st1
3、14)。得られた凝集物はフィルタープレスなどの
脱水機14により脱水されたのち、乾燥され(st1
5、16)、焼却部15において焼却処理される(st
17)。焼却処理を行うことにより、微粒土壌中に難揮
発性有機物が残留した場合でもこの難揮発性有機物は完
全に除去される。処理済みの焼却微粒土壌は埋め戻され
る(st18)。脱水機14において脱水により凝集物
から分離された水は、分離槽1内に供給される水として
再利用される(st19)。難揮発性有機物の含有量が
少ない場合は、浮上物全部を清澄機以下の工程を経て焼
却処理することもできる。また、焼却処理済みの焼却微
粒土壌の少なくとも一部を、土壌粒度調整機11に供給
される土壌中に供給することもできる(st20)。
【0036】本実施形態の方法では、難揮発性有機物に
汚染された土壌を、粒度100μm以下の微粒土壌が乾
燥土壌基準で5〜40wt%含まれるように粒度調整す
る土壌粒度調整工程と、該粒度調整された土壌と水とを
分離槽内に供給して土壌を適度に流動化させることによ
り、粒度100μmを越える粗粒土壌を分離槽底部に沈
降させ、該土壌中の難揮発性有機物と微粒土壌を分離槽
内水面付近に浮上させ、該難揮発性有機物を該微粒土壌
とともに分離除去する分離工程とにより浄化するので、
分離工程で浮上しやすい微粒土壌を供給することによ
り、微粒土壌に付着しやすい難揮発性有機物を浮上しや
すくし、土壌からの有機物分離効率を高めることができ
る。これは、有機物、重金属などの土壌汚染物は微粒土
壌に付着し濃縮される性質があるため、通常、土壌中の
難揮発性有機物のうち80〜90wt%が微粒土壌に付
着した状態となるためであると考えられる。また被処理
土壌中、60wt%以上を占める粗粒土壌は、濾過性が
良好で、脱水処理が容易であり、煩雑な後処理を行わず
に直ちに埋め戻し可能な状態とすることができる。この
ため、難揮発性有機物含有土壌の全量を焼却処理する従
来方法に比べ、焼却処理などの後処理が必要な土壌の量
を大幅に削減することができ、後処理にかかるコストを
最小限に抑えることができる。従って、難揮発性有機物
に汚染された土壌を低コストで効率よく浄化することが
できる。
【0037】また分離工程において、分離槽1内に空気
を供給し、該空気により分離槽1内の土壌Sを攪拌し流
動化させつつ、土壌S中の難揮発性有機物を微粒土壌と
共に浮上分離することによって、攪拌機を使用すること
なく空気と土壌Sとの接触効率を向上させることができ
る。このため、攪拌機にかかる設備コストを不要とし、
処理コストを低く抑えることができる。また空気の供給
により土壌Sを振動させて難揮発性有機物を土壌Sから
分離しやすくする効果があるため、土壌からの有機物分
離効率を高め、短時間で高い難揮発性有機物除去率を得
ることができる。このため、分離槽1の容量を小さく
し、装置を小型化し設備コストを低く抑えることができ
る。従って、低コストかつ高効率で土壌浄化処理を行う
ことができる。
【0038】また搬入コンベア4により土壌Sを連続的
に分離槽1内に搬入するとともに、搬出コンベア5によ
り分離槽1内の土壌Sを連続的に分離槽1から搬出する
ことによって、効率的な浄化処理が可能となる。さらに
は、空気により土壌Sを分離槽1内において流動化させ
るため、搬出コンベア5による土壌S搬出に伴って、分
離槽1内の土壌Sが自重により搬出コンベア5方向に移
動するようになる。このため、分離槽1内において土壌
Sを移動させるための機構を設けることなく、連続的な
浄化処理が可能となる。従って、設備コストを低く抑え
ることができ、さらなる低処理コスト化が可能となる。
【0039】また過酸化水素処理法に比べ、高価な薬剤
が必要なく、処理コストを低く抑えることができる。ま
た分離槽1内の水をスチーム供給により加温することに
よって、ヒータなどの加温手段を用いる場合に比べ、装
置構造を簡略化し、設備コスト削減を図るとともに、加
熱コストを低減することができる。
【0040】また粒度の小さい微粒土壌は、ろ過性に劣
り脱水が容易でないため、埋め戻し可能な状態とするま
での後処理が煩雑となる。しかしながら、本実施形態の
方法では、焼却処理済みの焼却微粒土壌の少なくとも一
部を、土壌粒度調整機11に供給される土壌中に供給す
ることによって、土壌の粒度調整を容易にするととも
に、後処理が煩雑な微粒土壌の発生量を少なくすること
ができる。従って、後処理に要するコストを削減するこ
とができる。
【0041】図5は、本発明の土壌の浄化装置の他の実
施形態を示すもので、ここに示す装置は、分離槽1内に
水を供給する水供給手段として、水供給管路6に加え
て、分離槽1底部に接続された水供給管路16を用いる
点で図3に示す浄化装置と異なる。水供給管路16は、
分離槽1の底部の複数箇所に接続されており、図示せぬ
供給源から供給された水を、分離槽1底部側から分離槽
1内に送り込むことができるようになっている。
【0042】この装置を用いる場合には、土壌Sを搬入
コンベア4を通して連続的に分離槽1内に投入するとと
もに、水供給管路16を通して水を分離槽1内に連続的
に供給する。水供給管路16は分離槽1の底部に接続さ
れているため、水供給管路16から分離槽1内に供給さ
れた水は、分離槽1内において上昇流をなす。このた
め、分離槽1内において土壌から分離された難揮発性有
機物の浮上が促され、該有機物の分離効率が高められ
る。
【0043】なお、上記実施形態では、分離槽1内の水
をスチームの供給により加温する例を示したが、分離槽
1内の水温を高めるには、分離槽1内に設置した図示せ
ぬヒータ(スチームを導入可能なスチームコイルなど)
を用いる方法を採ることもできる。また分離槽1にスチ
ームジャケットを設け、このスチームジャケットにスチ
ームを導入することによって分離槽1内を加温すること
もできる。また上記実施形態では分離槽1内に供給する
空気によって土壌Sを攪拌し流動化させる方法を採った
が、土壌Sを攪拌する方法はこれに限らず、汎用の攪拌
羽根を備えた攪拌機を用いた方法を採用することもでき
る。
【0044】さらに、上記実施形態では、越流水ととも
に分離槽1から排出された浮上物を、除去槽12におい
て難揮発性有機物と微粒土壌とに分け、分離された難揮
発性有機物を焼却処理などにより処分する方法を示した
が、これに限らず、浮上物をそのまま焼却処理などによ
り処分する方法を採ることもできる。焼却処理済みの土
壌は埋め戻すことができる。
【0045】本明細書において、難揮発性有機物を含有
する土壌の粒度とは、該土壌中の難揮発性有機物を、ソ
ックスレー抽出器を用いてn−ヘキサン抽出し土壌から
除いて、乾燥した後に測定した粒度をいう。なお土壌粒
度の測定法としては、例えば粒径が0.25mm以上の
大きな粒子には篩分析、それ以下の大きさの粒子にはレ
ーザー回折式粒度分布測定法が採用できる。
【0046】
【実施例】(試験例1)3.6重量%(乾燥土壌基準)
の難揮発性有機物である油分(重質油)を含む土壌20
g(水分25.4%)(予め10mm以上の砂利等を取
り除いたもの)を用意し、9メッシュの網篩(目開き2
mm)上で機械的に押し潰してこの網篩を通過させた
後、ボールミルで処理することによって、微粒土壌を2
5wt%含む土壌を得た。この土壌を内径20mmの円
筒状カラムに充填し(土壌の堆積高さ50mm)、80
〜90℃の温水をカラム下部から400ml/hrの供
給速度でカラム内に供給するとともに、カラム下部から
空気を8mL/minの供給速度でカラム内に供給し、
この空気によりカラム内の土壌を攪拌した。なおカラム
としては、カラム内の水が上部から越流できるようにさ
れたものを使用した。上記操作を60分間にわたって行
った後、カラム内の土壌を回収し、乾燥した後、ソック
スレー抽出器を用いてn−ヘキサン抽出により回収土壌
中の残留油分含有率を測定し、該土壌における油分除去
率を算出した。結果を表1に示す。またカラム上部から
の越流水中から微粒土壌を含む浮上物を回収し、浮上物
中の残留油分量を測定したところ、残留油分含有量は1
5重量%となり、試験開始当初のカラム内土壌に含まれ
ていた油分のうち95%が浮上分離され排出されたこと
がわかった。回収物中の微粒土壌の平均粒度は20μ
m、最大粒度は80μmであった。
【0047】(試験例2〜9)微粒土壌の含有率を変え
ること以外は試験例1と同様にして土壌浄化試験を行っ
た。
【0048】(試験例10)β−シクロデキストリン
を、カラム内濃度が0.5%となるようにカラム内に添
加すること以外は試験例1と同様にして土壌浄化試験を
行った。
【0049】(試験例11)カラム内の水のpHが8.
8となるようにカラム内に苛性ソーダを添加すること以
外は試験例1と同様にして土壌浄化試験を行った。
【0050】(試験例12)微粒土壌を含まない粗粒土
壌(粒度100〜1000μm)を被検体として用いる
こと以外は試験例1と同様にして土壌浄化試験を行っ
た。なおいずれの試験例においても、空気の供給により
カラム中の土壌が完全に流動化したことが確認できた。
【0051】
【表1】
【0052】上記試験結果より、微粒土壌を含まない土
壌を被検体とした場合に比べ、微粒土壌の含有率が5〜
40wt%となるように粒度調整した土壌を用いる場合
には、土壌中の難揮発性有機物を該土壌から、有機物分
離促進剤を用いない場合でも85ないし95wt%の高
い効率で分離除去することができたことがわかる。特
に、土壌中の微粒土壌の含有量を10wt%以上とする
場合には、高い効率で難揮発性有機物を分離除去できた
ことがわかる。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の土壌の浄
化方法では、難揮発性有機物に汚染された土壌を、粒度
100μm以下の微粒土壌が乾燥土壌基準で5〜40w
t%含まれるように粒度調整する土壌粒度調整工程と、
該粒度調整された土壌と水とを分離槽内に供給して土壌
を適度に流動化させることにより、粒度100μmを越
える粗粒土壌を分離槽底部に沈降させ、該土壌中の難揮
発性有機物と微粒土壌を分離槽内水面付近に浮上させ、
該難揮発性有機物を該微粒土壌とともに分離除去する分
離工程とにより浄化するので、分離工程で浮上しやすい
微粒土壌を供給することにより、微粒土壌に付着しやす
い難揮発性有機物を浮上しやすくし、土壌からの有機物
分離効率を高めることができる。また難揮発性有機物が
分離されて分離槽内に残る土壌を、煩雑な後処理を行わ
ずに直ちに埋め戻し可能な状態とすることができる。よ
って、後処理にかかるコストを最小限に抑えることがで
きる。従って、難揮発性有機物に汚染された土壌を低コ
ストで効率よく浄化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の土壌の浄化方法の一実施形態を示
す説明図である。
【図2】 本発明の土壌の浄化方法の他の実施形態を
示す説明図である。
【図3】 本発明の土壌の浄化装置の他の実施形態を
示す概略構成図である。
【図4】 本発明の土壌の浄化方法の他の実施形態を
示す流れ図である。
【図5】 本発明の土壌の浄化装置の他の実施形態を
示す概略構成図である。
【符号の説明】
1、21・・・分離槽、2・・・空気供給管路(空気供給手
段)、3・・・スチーム供給管路(スチーム供給手段)、
4・・・搬入コンベア(土壌搬入手段)、5・・・搬出コンベ
ア(土壌搬出手段)、6、16・・・水供給管路(水供給
手段)、7・・・越流水排出管路(排出手段)、8・・・有機
物分離促進剤供給管路(有機物分離促進剤供給手段)、
9・・・分散板(空気分散手段)、11・・・土壌粒度調整機
(土壌粒度調整手段)、12・・・除去槽、13・・・清澄
機、14・・・脱水機、15・・・焼却部、17・・・水位検知
センサ(水位検知手段)、S・・・土壌、S1・・・微粒土
壌、S2・・・粗粒土壌
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B03D 1/00 B09B 5/00 ZABS B09C 1/06 3/00 303P 1/02 304K 1/08 (72)発明者 柴田 節夫 神奈川県横浜市西区みなとみらい2−3− 1 日揮株式会社内 (72)発明者 片桐 務 茨城県東茨城郡大洗町成田町2205 日揮株 式会社技術研究所内 Fターム(参考) 4D004 AA41 AB05 AC05 CA04 CA10 CA22 CA28 CA34 CB05 CB13 CB36 CC12 CC15 DA03 DA06 DA20 4D071 AA46 AA63 AB03 AB04 AB13 AB23 BB01 CA05 DA20

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 難揮発性有機物に汚染された土壌を、 粒度100μm以下の微粒土壌が乾燥土壌基準で5〜4
    0wt%含まれるように粒度調整する土壌粒度調整工程
    と、 粒度調整された土壌と水とを分離槽内に供給して土壌を
    適度に流動化させることにより、粒度100μmを越え
    る粗粒土壌を分離槽底部に沈降させ、該土壌中の難揮発
    性有機物と微粒土壌を分離槽内水面付近に浮上させ、該
    難揮発性有機物を該微粒土壌とともに分離除去する分離
    工程とにより浄化することを特徴とする土壌の浄化方
    法。
  2. 【請求項2】 土壌を適度に流動化させる方法とし
    て、流量を調節した水を分離槽の底部から連続的に供給
    する方法を採用することを特徴とする請求項1記載の土
    壌の浄化方法。
  3. 【請求項3】 土壌を適度に流動化させる方法とし
    て、流量を調節した空気を分離槽の底部から連続的に供
    給する方法を採用することを特徴とする請求項1または
    2記載の土壌の浄化方法。
  4. 【請求項4】 分離工程において、粒度調整された土
    壌と水とを分離槽内に連続的に供給し、粗粒土壌を連続
    的に分離槽から搬出することを特徴とする請求項1〜3
    のうちいずれか1項記載の土壌の浄化方法。
  5. 【請求項5】 分離工程において、粒度調整された土
    壌と水とを分離槽内に連続的に供給し、水面付近に浮上
    した難揮発性有機物と微粒土壌とを連続的に分離槽から
    排出することを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか
    1項記載の土壌の浄化方法。
  6. 【請求項6】 分離工程において、分離槽内に供給す
    る水の温度を50℃以上、好ましくは80℃以上とする
    ことを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか1項記載
    の土壌の浄化方法。
  7. 【請求項7】 分離工程において、分離槽内の水の温
    度を50℃以上、好ましくは80℃以上に加温すること
    を特徴とする請求項1〜6のうちいずれか1項記載の土
    壌の浄化方法。
  8. 【請求項8】 分離槽内の水の加温を、分離槽内への
    スチームの供給によって行うことを特徴とする請求項7
    記載の土壌の浄化方法。
  9. 【請求項9】 分離工程において、分離槽内に、土壌
    からの難揮発性有機物の分離を促進する有機物分離促進
    剤をそのままあるいは溶液にして添加することを特徴と
    する請求項1〜8のうちいずれか1項記載の土壌の浄化
    方法。
  10. 【請求項10】 前記有機物分離促進剤として、デン
    プン系化合物およびアルカリ剤のうち少なくともいずれ
    かを用いることを特徴とする請求項9記載の土壌の浄化
    方法。
  11. 【請求項11】 前記有機物分離促進剤として、デン
    プン系化合物とアルカリ剤とを併用することを特徴とす
    る請求項9項記載の土壌の浄化方法。
  12. 【請求項12】 有機物分離促進剤として使用するデ
    ンプン系化合物として、シクロデキストリン類化合物を
    用いることを特徴とする請求項10または11記載の土
    壌の浄化方法。
  13. 【請求項13】 有機物分離促進剤として使用するア
    ルカリ剤として、NaOHおよびNa2CO3のうち少な
    くともいずれかを用いることを特徴とする請求項10ま
    たは11記載の土壌の浄化方法。
  14. 【請求項14】 分離槽内で分離した浮上物から微粒
    土壌を分離し、これを焼却処理することを特徴とする請
    求項1〜13のうちいずれか1項記載の土壌の浄化方
    法。
  15. 【請求項15】 分離槽内で分離した浮上物を焼却処
    理することを特徴とする請求項1〜13のうちいずれか
    1項記載の土壌の浄化方法。
  16. 【請求項16】 分離槽内で分離した浮上物、あるい
    は浮上物から分離した微粒土壌を焼却処理して得た焼却
    微粒土壌の少なくとも一部を土壌粒度調整工程に供給す
    ることを特徴とする請求項1〜15のうちいずれか1項
    記載の土壌の浄化方法。
  17. 【請求項17】 難揮発性有機物に汚染された土壌
    を、 粒度100μm以下の微粒土壌が乾燥土壌基準で5〜4
    0wt%含まれるように粒度調整する土壌粒度調整手段
    と、 該粒度調整された土壌を収容する分離槽と、 粒度調整された土壌を分離槽内に搬入する土壌搬入手段
    と、 該分離槽内に分離槽底部より水を流量調節して供給する
    水供給手段と、 該分離槽内に分離槽底部より空気を流量調節して供給す
    る空気供給手段と、 分離槽底部に沈降した粒度100μmを越える粗粒土壌
    を分離槽外に搬出する土壌搬出手段と、 分離槽で水面付近に浮上した難揮発性有機物と微粒土壌
    とを分離槽から排出する排出手段とを備えていることを
    特徴とする土壌の浄化装置。
  18. 【請求項18】 空気供給手段によって分離槽内に供
    給される空気を分散させ微小気泡にする空気分散手段を
    備えていることを特徴とする請求項17記載の土壌の浄
    化装置。
  19. 【請求項19】 分離槽内の水を加温するスチームを
    供給するスチーム供給手段を備えていることを特徴とす
    る請求項17または18記載の土壌の浄化装置。
  20. 【請求項20】 分離槽内に、有機物分離促進剤を間
    欠的にあるいは連続的に供給する有機物分離促進剤供給
    手段を備えていることを特徴とする請求項17〜19の
    うちいずれか1項記載の土壌の浄化装置。
  21. 【請求項21】 難揮発性有機物に汚染された土壌
    を、 粒度100μm以下の微粒土壌が乾燥土壌基準で5〜4
    0wt%含まれるように粒度調整する土壌粒度調整手段
    と、 該粒度調整された土壌を収容する矩形の分離槽と、 分離槽内の水位を検知する水位検知手段と、 粒度調整された土壌を分離槽内に搬入する土壌搬入手段
    と、 該分離槽内に水を流量調節して供給する水供給手段と、 該分離槽内に分離槽底部より空気を流量調節して供給す
    る空気供給手段と、 該空気供給手段によって分離槽内に供給される空気を分
    散させ微小気泡にする空気分散手段と、 分離槽に有機物分離促進剤を供給する有機物分離促進剤
    供給手段と、 分離槽内の水を加温するスチームを供給するスチーム供
    給手段と、 分離槽底部に沈降した粒度100μmを越える粗粒土壌
    を分離槽外に搬出する土壌搬出手段と、 分離槽で水面付近に浮上した難揮発性有機物と微粒土壌
    とを分離槽から排出する排出手段とを備えていることを
    特徴とする土壌の浄化装置。
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