JP2002045122A - 家畜用飼料 - Google Patents

家畜用飼料

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JP2002045122A JP2001157216A JP2001157216A JP2002045122A JP 2002045122 A JP2002045122 A JP 2002045122A JP 2001157216 A JP2001157216 A JP 2001157216A JP 2001157216 A JP2001157216 A JP 2001157216A JP 2002045122 A JP2002045122 A JP 2002045122A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 家畜の増体および飼料効率を改善させる。 【解決手段】 家畜用飼料に核酸、グルタミンおよびグ
ルタミン酸から成る群から選択された2種以上の添加物
を添加することにより、増体効率および飼料効率を改善
させる。家畜用飼料としては、代用乳、プレスターター
飼料またはスターター飼料が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家畜の増体効率お
よび飼料効率を改善させるための飼料に関する。
【0002】
【従来の技術】産業動物の飼育上特徴的な問題として、
幼若期のトラブルが挙げられる。例えば出生直後から離
乳期を経て飼料が肥育期用に切り替わる直前までの家畜
は、母乳から固形飼料に切り替わるストレスの影響で飼
料摂取量が低下する。この他にも、下痢や種々の感染
症、環境の変化、あるいは密飼い飼育などの様々なスト
レスが、家畜の飼料摂取量の低下を引き起こし成長を遅
延させる要因となることが知られている。この成長の遅
延は産業上大きな損害をもたらす要因となるため、その
対策として様々な試みがなされている。特に飼料摂取量
増進を目的として甘味料など嗜好性の高い原料を添加し
た飼料の給与などが試みられてはいるが、明瞭な効果は
認められていないというのが現状である。
【0003】これらのストレスがもたらす特徴的な所見
として、小腸絨毛の萎縮に起因する小腸機能の低下が挙
げられる。絨毛の発育には物理的な要因と化学的な要
因、すなわち固形飼料の摂取による粘膜への物理的な刺
激と栄養分による化学的な刺激とが関わっていると云わ
れているが、どちらの寄与が大きいかは不明である。し
かしいずれにせよ、絨毛が萎縮した状態では栄養分の吸
収が充分に行われず、その結果として飼料効率が低下し
増体の遅延を引き起こしているであろうことは容易に想
像できることである。
【0004】実験動物において実験的に小腸絨毛を萎縮
させた場合に、核酸を給与することで絨毛組織の回復が
促進されたとする知見がいくつか報告されている [Nutr
ition, Vol. 13, No. 4 (1997), J. Nutr., 125, 42-48
(1995), JPEN, 14, 598-604(1990)]。これらの報告
は、腸管の絨毛のように急速な細胞増殖を必要とする組
織に対しては、核酸合成の素材として飼料中へ核酸を添
加することが有効であることを示唆していると考えられ
る。さらに幼若動物においてはアミノ酸を基質としたde
novoでの核酸合成が未熟であるとされており、このよ
うな時期の動物に対しては核酸投与の有効性がさらに高
まるものと推察できる。
【0005】また母乳は子供の小腸機能発達と維持を図
るため、いくつかの因子を含むと推測されている。その
中でもグルタミンは母乳中の主要遊離アミノ酸であるこ
とから、このアミノ酸が動物の小腸機能発達とその維持
に必須であるとする説もある[Nutrition Review, 48, 2
97 (1990)]。また、豚母乳中の遊離グルタミン濃度は泌
乳が進むにつれ増加してくることが報告されており [J.
Nutr., 124, 415-424 (1994)]、このアミノ酸が幼若動
物において重要な役割を果たしている可能性を示唆する
ものと考えられる。さらに食餌由来のグルタミンは、腸
管上皮細胞の主要なエネルギー源であると同時に核酸の
前駆体であることも知られており、正常な小腸粘膜の形
態と機能の維持に不可欠な栄養素であると考えられてい
る [JPEN, 11, 569-579 (1987), Annu. Rev. Nutr., 1
1, 285-308 (1991), JPEN, 14,237-243 (1990)]。
【0006】グルタミンと同様グルタミン酸も母乳中の
主要なアミノ酸であり、特に豚の母乳中では、最も多量
に含まれるアミノ酸であることなどが報告されている
[Br.J. Nutr., 79, 129-131 (1998)]。また小腸粘膜に
おけるグルタミン酸の機能についての研究が近年積み重
ねられてきており、食餌由来のグルタミン酸はグルタミ
ンと同様小腸上皮細胞の主要なエネルギー源であること
や、アルギニンやプロリンなどの前駆体であること、さ
らにはグルタチオン合成の原料となることなどが明らか
にされてきている [Am. J. Physiol., 273, E408-E415
(1997), J. Nutr., 126, 878-886 (1996), J. Nutr, 12
8, 1249-1252 (1998), J. Nutr, 130, 978S-982S (200
0)]。これらの観点から近年ではグルタミン酸は小腸機
能の維持のために不可欠なアミノ酸であると考えられて
いる。
【0007】以上の報告から、核酸、グルタミンおよび
グルタミン酸はそれぞれ単独でもある程度の小腸機能改
善効果を持つものと推測される。しかし、核酸とグルタ
ミン、核酸とグルタミン酸、グルタミンとグルタミン酸
など、2種以上を併用した場合の効果についての報告は
これまでなされていなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、家畜
の増体効率および飼料効率を改善させるための飼料およ
び方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々の検
討を重ねた結果、核酸、グルタミン、グルタミン酸から
成る群から選択された2種以上の添加物を、家畜用飼
料、例えば、通常の家畜用飼料に添加することにより、
これらの添加物を各々単独で添加した場合に比べ家畜の
飼料効率が改善し発育が促進されることを見出し、本発
明を完成するに至った。すなわち本発明は、家畜用飼料
と核酸、グルタミン、グルタミン酸から成る群から選択
された2種以上の添加物を含有することを特徴とする家
畜飼料組成物に関するものである。また、本発明の家畜
用飼料としては通常の家畜用飼料、例えば代用乳、プレ
スターター飼料またはスターター飼料であることが好ま
しく、核酸の添加量は飼料重量あたり0.01〜2.5重量%、
グルタミンおよびグルタミン酸の添加量は飼料重量あた
り0.05〜2.5重量%、すなわち核酸、グルタミンおよびグ
ルタミン酸から成る群から選択された2種以上の混合物
としての添加量が飼料重量あたり0.05〜5重量%であるこ
とが好ましい。さらに、本発明は、上記家畜飼料用組成
物を家畜に投与することを特徴とする、家畜の増体効率
および飼料効率を増加する方法に関するものであり、該
飼料の投与期間は離乳期、すなわち離乳をはさんだ前後
1乃至2週間の時期であることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
家畜とは乳用、肉用、あるいは皮革用の産業動物を指
し、例えば牛、豚、鶏、馬、七面鳥、羊、山羊などが挙
げられる。本発明で使用する核酸は、飼料中に含まれて
いる穀物などの細胞に由来する核酸ではなく、単体とし
て存在する核酸、あるいは核酸を高度に含有するバクテ
リアや酵母などの菌体が該当する。さらにこの核酸はデ
ィオキシリボ核酸、リボ核酸のいずれも有効であり、ま
たいわゆる高分子である核酸としてのみでなく、その構
成単位であるヌクレオチド、ヌクレオチドが脱リン酸化
されて生じるヌクレオシド、さらには最小単位であるプ
リンまたはピリミジン塩基のいずれの形でも有効に利用
される。例えばヌクレオチドとしてはアデノシン一リン
酸、グアノシン一リン酸、シチジン一リン酸、ウリジン
一リン酸、チミジン一リン酸、イノシン一リン酸が、ま
たヌクレオシドとしてはこれらヌクレオチドが脱リン酸
化された化合物が該当する。またプリン塩基としてはア
デニンとグアニンが、ピリミジン塩基としてはシトシ
ン、ウラシル、チミンが挙げられる。一方本発明で使用
するグルタミンおよびグルタミン酸は、飼料中に含まれ
ている蛋白質分子に由来するグルタミンおよびグルタミ
ン酸とは異なり、アミノ酸単体として存在するグルタミ
ンおよびグルタミン酸である。このグルタミンおよびグ
ルタミン酸はL体およびD体のいずれも使用可能である
が、利用効率の点からL体の方が好ましい。アミノ酸単
体としてのグルタミンおよびグルタミン酸は、合成法、
抽出法、又は発酵法で製造されたグルタミンおよびグル
タミン酸が使用可能であるが、その由来は特に問わな
い。
【0011】核酸、グルタミンおよびグルタミン酸から
成る群から選択された2種以上の添加物を添加する家畜
用飼料としては、通常、とうもろこし、大麦、小麦、ラ
イ麦、ソルガム、大豆、黄粉などの穀類、大豆油かす、
大豆蛋白、油脂、スキムミルク、魚粉、肉骨粉、血粉、
血漿蛋白、ホエー、米ぬか、ふすま、砂糖などの糖類や
その他の甘味料、ミネラル、ビタミン、食塩などの原料
を単独あるいは組み合わせたものを用いればよい。また
牛、羊、山羊などの反芻動物においては上記飼料以外に
粗飼料として種々の牧草が給与される。
【0012】核酸の添加量としては、通常用いられる飼
料に核酸を飼料重量あたり0.01〜2.5重量%、好ましくは
0.05〜1.0重量%の割合で添加すればよい。一方グルタミ
ンおよびグルタミン酸の添加量としては、通常用いられ
る飼料にグルタミンおよびグルタミン酸を飼料重量あた
り0.05〜2.5重量%、好ましくは0.5〜2.0重量%の割合で
添加すればよい。そして核酸、グルタミンおよびグルタ
ミン酸から成る群から選択された2種以上の混合物とし
ての添加量は、飼料重量あたり0.05〜5.0重量%、好まし
くは0.5〜2.5%重量の割合で添加すればよい。そして該
家畜飼料用組成物を家畜に給餌することで、核酸を家畜
体重1kgあたり0.01〜2.5g/日、好ましくは0.05〜1.0g
/日、グルタミンおよびグルタミン酸を家畜体重1kgあ
たり0.05〜2.5g/日、好ましくは0.5〜2.0g/日摂取さ
せることが望ましい。
【0013】なお、核酸はその要求量のほぼ全てが生体
内合成合成で満たされると考えられているため、飼料に
由来する核酸供給量は従来考慮されていなかった。その
ため各飼料原料の核酸含有量の分析値は不明なものが多
いが、一般的にはこれら飼料原料に由来する核酸はごく
微量であると云われている。一方飼料中のグルタミンは
飼料原料の加水分解過程でグルタミン酸へと変化するた
め、飼料原料中のグルタミン含有量は測定されないのが
現状である。そのため一般的には飼料由来のグルタミン
はグルタミン酸との合計として測定され、飼料中の全蛋
白の10〜15%を占めるとされている。これに基づけば通
常使用される飼料は、グルタミンとグルタミン酸の合計
として飼料重量あたり約1.5〜4.0重量%の割合で含んで
いるものと推測される。
【0014】核酸、グルタミンおよびグルタミン酸から
成る群から選択された2種以上の添加物は、飼料に添
加、混合して家畜に給餌できる。例えば豚の飼育におい
ては、出生直後は母乳給与のみであるが、1〜2週間後か
らは母乳に加え前初期飼料(プレスターター飼料)が並
行して給与される。離乳とともに初期飼料(スターター
飼料)に切り替えられ、その後肥育期飼料を用いて肥育
される。また、牛、羊、山羊などの反芻動物においては
ルーメン(第一胃)が形成されるまでは母乳または代用
乳と固形飼料とが並行給与され、離乳と同時に固形飼料
へと完全に切り替わる。核酸、グルタミンおよびグルタ
ミン酸はこれらいずれの飼料に添加しても増体効率およ
び飼料効率を改善させることができる。しかし核酸、グ
ルタミンおよびグルタミン酸から成る群から選択された
2種以上の添加物を添加してなる家畜用飼料の給与によ
る増体効率および飼料効率の改善効果は、該家畜用飼料
の給与を停止した後でも継続されるため、特に離乳の前
後1乃至2週間の時期に給与すると一層効果的である。
核酸、グルタミンおよびグルタミン酸は食餌と別に、各
々単独、あるいは混合した粉末状態で、あるいは家畜が
好んで摂取する砂糖などと混合して与えることもでき
る。また代用乳あるいは水に溶かして液体として給与す
ることもできる。
【0015】核酸、グルタミンおよびグルタミン酸から
成る群から選択された2種以上の添加物は、家畜用飼料
の作製時に予め添加されてもよいし、家畜への給餌時に
添加されてもよい。
【0016】本発明における、核酸、グルタミンおよび
グルタミン酸から成る群から選択された2種以上の添加
物を添加された家畜用飼料による増体効率および飼料効
率の改善方法は、産業上は出生直後から離乳期を経て飼
料が肥育期用に切り替わる直前までの家畜への適用が有
用であり、特に豚への適用が有用である。以下、実施例
を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら
に限定されるものではない。尚、特に断りの無い限り、
%は重量%を示す。
【0017】
【実施例】実施例1 子豚の飼料効率改善 離乳子豚・去勢雄72頭、雌72頭を用い、対照区
(C)、核酸単独投与区(N)、グルタミン単独投与区
(G)、および核酸+グルタミン混合投与区(N+G)の4
群(各群36頭、6頭ずつの6反復)に分けた。子豚を
平均17日齢で離乳させ、離乳から2週間、C区には表
−1に示す組成のスターター飼料を、N区にはビール酵
母より抽出した市販のリボ核酸(キリンビール社製)を
飼料重量あたり0.8%、G区には結晶グルタミンを飼料重
量あたり1.2%、そしてN+G区には飼料重量あたり0.8%の
リボ核酸と1.2%のグルタミンを、それぞれ表−1に示し
たスターター飼料に添加し試験用飼料として給与した。
離乳後2週間が経過した後は、全区とも同一の飼料が給
与された。離乳後7、14、21、28日目の各時点で
体重と残飼重量を測定し、飼料摂取量と増体重量、飼料
効率を算出した。結果を表−2に示す。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】全試験期間(離乳後0〜28日)におい
て、G区ではC区に対して飼料効率の改善は認められなか
った。またN区ではC区に対して若干の飼料効率の改善が
見られたが、その差は統計的に有意ではなかった。しか
しN+G区では、C区あるいはG区に対して、飼料効率の有
意な改善が認められた。各週毎の成績で比較しても、C
区に対してN区では若干の飼料効率の改善が見られ、そ
の改善効果はN+G区で一層大きくなる傾向が認められ
た。さらにこの増体および飼料効率の改善効果は、試験
飼料の給与期間(0〜14日)のみならず、試験飼料給
与が終了し全区共通の飼料が給与された期間(14〜2
8日)においても継続していることが確認された。その
結果として、試験開始時の平均体重は各区とも同等であ
ったものの、試験終了時の平均体重では、C区が12.98kg
であったのに対しN+G区では14.09kgとなり、1kg以上の
増体の改善効果が観察された。以上の結果から、核酸と
グルタミンを同時に飼料に添加することにより離乳子豚
の増体効率および飼料効率が改善された。また核酸とグ
ルタミンの併用による増体効率および飼料効率の改善効
果は、核酸あるいはグルタミンを単独で添加した際の効
果を上回るものであった。さらにこの増体効率および飼
料効率改善効果は、試験飼料の給与を終了した後も残存
するものであることが確認された。
【0021】実施例2 子豚の増体効率および飼料効率
改善 離乳子豚・去勢雄120頭を用い、対照区(C)、核酸
単独投与区(N)、グルタミン酸単独投与区(G)、およ
び核酸+グルタミン酸混合投与区(N+G)の4群(各群
30頭、5頭ずつの6反復)に分けた。子豚を平均17
日齢で離乳させ、離乳から2週間、C区には表−3に示
す組成のスターター飼料を、N区にはビール酵母より抽
出した市販のリボ核酸(キリンビール社製)を飼料重量
あたり0.8%、G区には結晶グルタミン酸を飼料重量あた
り1.2%、そしてN+G区には飼料重量あたり0.12%のリボ核
酸と1.08%のグルタミン酸を、それぞれ表−3に示した
スターター飼料に添加し試験用飼料として給与した。離
乳後7日および14日の時点で体重と残飼重量を測定
し、飼料摂取量と増体重量、飼料効率を算出した。結果
を表−4に示す。
【0022】
【表3】
【0023】
【表4】
【0024】離乳直後の7日間において、N区およびG区
の1日あたりの増体量はC区と差はなかったが、N+G区の
1日あたりの増体量は他の3区よりも有意に高かった。
同時期における飼料摂取量はG区で最も少なく、N+G区で
最も多かった。飼料効率は区間に統計的差は見られなか
ったが、N+G区で最も効率が高まる傾向にあった。その
後の7日間(離乳後8日から14日)では、1日あたり
の増体量はC区で最も低く、次いでG区、そしてN区およ
びN+G区で最も高い傾向にあったが、区間に統計的有意
差はなかった。飼料摂取量は全区ほぼ同等であった。飼
料効率はC区およびG区に比べ、N区およびN+G区で改善さ
れている傾向にあったが、統計的に有意な差ではなかっ
た。以上の結果から、核酸とグルタミン酸を同時に飼料
に添加することにより離乳子豚の増体効率および飼料効
率が改善された。また核酸とグルタミン酸の併用による
増体効率および飼料効率の改善効果は、核酸あるいはグ
ルタミン酸を単独で添加した際の効果を上回るものであ
った。さらにこの増体効率および飼料効率改善効果は、
特に離乳直後の時期に顕著であるが、その傾向は離乳後
2週間が経過しても継続していることが確認された。
【0025】実施例3 子豚の増体効率および飼料効率
改善 離乳子豚・去勢雄120頭を用い、対照区(C)、グル
タミン単独投与区(GLN)、グルタミン酸単独投与区(G
LU)、およびグルタミン+グルタミン酸混合投与区(GL
N+GLU)の4群(各群30頭、5頭ずつの6反復)に分
けた。子豚を平均17日齢で離乳させ、離乳から2週
間、C区には実施例2の表−3に示したものと同一のス
ターター飼料を、GLN区およびGLU区には結晶グルタミン
および結晶グルタミン酸をそれぞれ飼料重量あたり1.2
%、そしてGLN+GLU区には飼料重量あたり0.12%のグルタ
ミンと1.08%のグルタミン酸を、それぞれ表−3のスタ
ーター飼料に添加し試験用飼料として給与した。離乳後
2週間が経過した後は、全区とも同一の飼料が給与され
た。離乳後14日および21日の時点で体重と残飼重量
を測定し、飼料摂取量と増体重量、飼料効率を算出し
た。結果を表−5に示す。
【0026】
【表5】
【0027】離乳後1日から14日の2週間において、
1日あたりの増体量はGLN+GLU区で最も大きく、次いでC
区およびGLU区、そしてGLN区が最も小さくなったが、各
区に統計的差はなかった。同時期における飼料摂取量は
GLU区で最も多く、次いでC区、GLN+GLU区となり、GLN区
で最も少なかったが、増体量と同様区間に統計的有意差
は見られなかった。飼料効率も区間に統計的差は見られ
なかったが、GLN+GLU区が他の3区よりも効率が高まる
傾向を示した。その後の7日間(離乳後15日から21
日)では、1日あたりの増体量はC区で最も低く、次い
でGLU区およびGLN区、そしてGLN+GLU区で最も高くなる
傾向を示した。飼料効率については、GLN区およびGLU区
はC区に比べ改善傾向を示したが、GLN+GLU区では更に改
善される傾向にあった。以上の結果から、グルタミンと
グルタミン酸を同時に飼料に添加することにより離乳子
豚の増体効率および飼料効率が改善された。またグルタ
ミンとグルタミン酸の併用による増体効率および飼料効
率の改善効果は、グルタミンあるいはグルタミン酸を単
独で添加した際の効果を上回るものであった。さらにこ
の増体効率および飼料効率改善効果は、試験飼料の給与
が終了し全区共通の飼料が給与された後も残存するもの
であることが確認された。
【0028】実施例4 小腸絨毛の回復効果 離乳子豚・去勢雄24頭を用い、対照区(C)、核酸単
独投与区(N)、グルタミン酸単独投与区(G)、および
核酸+グルタミン酸混合投与区(N+G)の4群(各群6
頭)に分けた。子豚を平均17日齢で離乳させ、離乳か
ら1週間、C区には実施例2の表−3に示したものと同
一のスターター飼料を、N区にはビール酵母より抽出し
た市販のリボ核酸(キリンビール社製)を飼料重量あた
り0.8%、G区には結晶グルタミン酸を飼料重量あたり1.2
%、そしてN+G区には飼料重量あたり0.12%のリボ核酸と
1.08%のグルタミン酸を、それぞれ表−3に示したスタ
ーター飼料に添加し試験用飼料として給与した。離乳後
7日目に全ての子豚を屠殺し、小腸を採取した。採取さ
れた小腸から一般的な手法により組織切片を作製し、光
学顕微鏡下で絨毛の長さおよび陰窩の厚さを測定した。
結果を表−6に示す。
【0029】
【表6】
【0030】離乳後7日目の十二指腸において、N区お
よびG区の絨毛長はC区より有意に長くなっており、さら
にN+G区の絨毛長はN区またはG区よりも有意に長くなっ
ていた。十二指腸と同様に空腸および回腸においても、
N+G区の絨毛長は他の3区よりも有意に長くなってい
た。また陰窩厚については、十二指腸ではN+G区がC区お
よびG区よりも有意に厚く、空腸および回腸ではN区とN+
G区が、C区およびG区よりも有意に厚い陰窩厚を示し
た。以上の結果から、核酸とグルタミン酸を同時に飼料
に添加することにより離乳子豚の小腸の絨毛長が長くな
り、陰窩厚も厚くなることが確認された。さらにこの効
果は、核酸あるいはグルタミン酸をそれぞれ単独で添加
した場合よりも明らかに大きかった。このことは、N+G
区では小腸粘膜組織の形態および機能の障害の程度が小
さいことを示しており、離乳子豚の栄養素の消化吸収や
感染症の防止に極めて有効であるものと考えられた。
【0031】
【発明の効果】本発明により、家畜の増体効率および飼
料効率を改善することが可能になり、その結果、体重増
加等の効果を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 取出 恭彦 東京都中央区京橋1−15−1 味の素株式 会社内 (72)発明者 竹内 誠 東京都中央区京橋1−15−1 味の素株式 会社内 Fターム(参考) 2B150 AA01 AA02 AA03 AA04 AA05 AB01 AB02 DA46 DC19

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 家畜用飼料と、核酸、グルタミンおよび
    グルタミン酸から成る群から選択された2種以上の添加
    物を含有することを特徴とする家畜飼料用組成物。
  2. 【請求項2】 家畜用飼料が代用乳、プレスターター飼
    料またはスターター飼料であることを特徴とする請求項
    1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】 核酸の添加量が飼料重量あたり0.01〜2.
    5重量%、グルタミンおよびグルタミン酸の添加量が飼料
    重量あたり0.05〜2.5重量%、さらに核酸、グルタミンお
    よびグルタミン酸から成る群から選択された2種以上の
    混合物としての添加量が飼料重量あたり0.05〜5重量%で
    あることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の家畜飼料用組成物を家
    畜に投与することを特徴とする、家畜の増体効率および
    飼料効率を増加する方法。
  5. 【請求項5】 該家畜飼料用組成物の投与期間が離乳期
    であることを特徴とする請求項4に記載の方法。
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