JP2002042389A - 光記録媒体の製造装置及び製造方法 - Google Patents

光記録媒体の製造装置及び製造方法

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JP2002042389A
JP2002042389A JP2000219994A JP2000219994A JP2002042389A JP 2002042389 A JP2002042389 A JP 2002042389A JP 2000219994 A JP2000219994 A JP 2000219994A JP 2000219994 A JP2000219994 A JP 2000219994A JP 2002042389 A JP2002042389 A JP 2002042389A
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shaped substrate
disk
ultraviolet
rotation
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Mamoru Usami
守 宇佐美
Takeshi Komaki
壮 小巻
Tomoki Ushita
智樹 丑田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紫外線硬化樹脂を円盤状基体に回転塗布する
ときに円盤状基体の最外周での液溜まりの形成を防止し
かつ良好な膜厚に塗布できる光記録媒体の製造装置及び
製造方法を提供する。また、回転塗布時に振り切られた
紫外線硬化樹脂を効率よく確実にリサイクルできるよう
にする。 【解決手段】 この光記録媒体の製造装置は、記録層が
形成された円盤状基体上に紫外線硬化樹脂からなる樹脂
層を有する光記録媒体を製造する。円盤状基体Dを回転
させながら紫外線硬化樹脂を滴下して回転塗布する回転
塗布手段11と、回転塗布手段から離れて配置され紫外
線照射位置にある回転中の円盤状基体に紫外線を照射す
る紫外線照射手段20とを具備し、回転塗布手段から円
盤状基体をその回転を保持したまま紫外線照射位置に移
動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外線硬化樹脂層
を有する光記録媒体の製造装置及び製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】MD(ミニディスク)やDVD(デジタ
ル・バーサタイル・ディスク)等の光記録媒体の表面を
保護する目的で主としてスピンコート法(回転塗布法)
によって形成される樹脂層は、紫外線硬化樹脂を塗布し
た後に、紫外線を照射して硬化するが、この場合、塗布
位置から紫外線照射位置まで搬送するために円盤状基体
の回転を停止しなければならない。このように回転を停
止した状態では、スピンコート時に振り切れずに最外周
に残った未硬化の紫外線硬化樹脂が内周側に戻り、図6
(a)に示すように、円盤状基体90の外周部に液溜ま
り92が発生する。この液溜まりが紫外線硬化樹脂層9
1とともにそのまま硬化すると、MDのように液溜まり
が硬化した面を記録のためのへッドが接触する場合等は
問題となり、また、DVD等のように円盤状基体の液溜
まりが硬化した面同士を貼り合わせる場合は、貼り合わ
せる際に邪魔になり、貼り合わせ工程に支障をきたして
しまう。
【0003】そこで、これらの問題を解決するために、
特開平1−286146号公報、特開平1−29967
0号公報、特開平2−15441号公報などには、スピ
ンコート法で紫外線硬化樹脂を塗布し、最外周の液溜ま
りを振り切り、図6(b)のように紫外線硬化樹脂層9
1の膜厚を良好にした後、スピンドル(回転軸)の回転
を止めずに、そのままの状態で紫外線照射して硬化させ
る技術が開示されている。
【0004】一方で、環境ヘの配慮やコストダウンを目
的として、特開昭62−155964号公報や特開平8
−7347号公報等では、未硬化の樹脂のリサイクル利
用が提案されている。
【0005】上述の2つの技術を組み合わせれば、特性
の良い光ディスクが作製でき、コストダウンや環境への
配慮など、数々の問題が解決できることから、鋭意検討
され、特開平11−25523号公報では、基板上に回
転塗布された紫外線硬化樹脂にのみ紫外線を照射し振り
切られた紫外線硬化樹脂には照射しないようにするとと
もに振り切られた未硬化樹脂を回収するようにした装置
が提案されている。
【0006】しかし、同公報開示の技術のように、紫外
線照射装置がスピンドル上部に移動してきて、回転して
いるターンテーブル上の円盤状基体の紫外線硬化樹脂に
紫外線を照射する一方、振り切られた紫外線硬化樹脂に
対して紫外線を完全に遮断するのは困難であり、少しで
も紫外線が照射されて僅かな硬化反応部分が発生する
と、それに起因して更に反応が進み、装置内の樹脂が硬
化反応を起こした状態となり、回収されてリサイクルに
供するときに、回収された樹脂の精製用フィルタに溜ま
ってフィルタ寿命を低下させたり、場合によっては半硬
化状態で再び塗布されてしまい光ディスクに欠陥ができ
てしまうおそれがある。
【0007】そこで、同公報でも検討されているよう
に、回転塗布の終了したターンテーブル上の円盤状基体
をチャンバに囲まれた紫外線照射装置に移送してから紫
外線照射を行う。このため、ターンテーブルの回転を停
止せざるを得ない。
【0008】しかし、ターンテーブルの回転を停止させ
て再び回転させても、最初に振り切った状態には戻らな
い。即ち、図6(b)のように一度振り切って良好な膜
厚にしてから回転を止めてしまうと、樹脂は内周側に戻
ってしまい、再度回転させて樹脂を振り切ると、せっか
く良好な状態で塗布された膜厚が図6(c)のように薄
くなってしまい、好ましくない。また、膜厚が薄くなら
ない程度の回転数では、内周側に戻ってきてしまった樹
脂を再び振り切ることができない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述のよう
な従来技術の問題に鑑み、紫外線硬化樹脂を円盤状基体
に回転塗布するときに円盤状基体の最外周での液溜まり
の形成を防止しかつ良好な膜厚に塗布できる光記録媒体
の製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
また、回転塗布時に振り切られた紫外線硬化樹脂を効率
よく確実にリサイクルできる光記録媒体の製造装置及び
製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
には、本発明による光記録媒体の製造装置は、光学的に
情報の記録及び/又は再生が可能な記録層が形成された
円盤状基体上に紫外線硬化樹脂からなる樹脂層を有する
光記録媒体を製造する装置であって、円盤状基体に紫外
線硬化樹脂を滴下して塗布する回転塗布手段と、前記回
転塗布手段から離れて位置する紫外線照射位置において
前記円盤状基体を回転させながら紫外線を照射する紫外
線照射手段とを具備し、前記回転塗布手段から前記円盤
状基体をその回転状態を保持したまま前記紫外線照射位
置に移動させるように構成したことを特徴とする。
【0011】この光記録媒体の製造装置によれば、紫外
線硬化樹脂が塗布された円盤状基体をそのままの回転状
態で回転塗布手段から離れた紫外線照射位置に移動させ
るので、移動のために円盤状基体の回転を停止する必要
はなく、適度な回転数で回転を保持し続けることができ
る。このため、紫外線硬化樹脂の良好な塗布状態が確保
され続け、膜厚が薄くなったり、最外周の紫外線硬化樹
脂が逆流することもない回転状態で、円盤状基体に紫外
線を照射し紫外線硬化樹脂を硬化させることができ、適
切で良好な膜厚の樹脂層を形成することができる。ま
た、紫外線照射位置は回転塗布手段と離れているから、
回転塗布時に振り切られた紫外線硬化樹脂に紫外線が照
射されることを防止でき、紫外線硬化樹脂を効率よく回
収することができ、確実にリサイクルできる。
【0012】上述の円盤状基体を回転保持状態で紫外線
照射位置に移動させるために、前記回転塗布手段の回転
と同期して回転しながら前記円盤状基体を保持し移動さ
せる回転状態保持移動手段と、前記円盤状基体を前記紫
外線照射位置で回転させる照射位置回転手段とを備え、
前記回転塗布手段で前記円盤状基体を回転させたまま前
記回転状態保持移動手段により保持して前記照射位置回
転手段まで移動させ、前記回転状態保持移動手段の回転
と同期して回転中の前記照射位置回転手段に移すように
構成できる。
【0013】この構成によれば、回転塗布手段から紫外
線照射位置の照射位置回転手段まで円盤状基体を回転状
態で移動させることができる。この場合、前記円盤状基
体を移動した後の前記回転塗布手段に次の円盤状基体を
セットし、前記紫外線照射の終了した円盤状基体を排出
位置まで移動させるように構成することにより、連続的
に回転塗布及び紫外線照射を行うことができ、大量生産
が可能となる。
【0014】また、同様に円盤状基体を回転保持状態で
移動させるために、第1の回転手段を一端側に第2の回
転手段を他端側にそれぞれ配置するとともに、前記第1
の回転手段及び前記第2の回転手段が回転(自転)しな
がら回転塗布位置と前記紫外線照射位置との間を回動軸
を中心に回動(公転)するように構成された回動部材を
備え、前記回転塗布位置で前記第1の回転手段により第
1の円盤状基体に前記紫外線硬化樹脂を回転塗布し、前
記紫外線照射位置で、前記第2の回転手段により前記紫
外線硬化樹脂が回転塗布された第2の円盤状基体を回転
させながら、前記紫外線照射手段により紫外線を照射
し、前記紫外線照射の終了後に前記第2の回転手段から
前記第2の円盤状基体を排出位置まで移動させ排出する
とともに、前記回転塗布後に前記回動部材を回動させる
ことにより前記第1の回転手段を前記第1の円盤状基体
を回転させたまま前記紫外線照射位置に移動させるとと
もに前記第2の回転手段を前記回転塗布位置に移動させ
て前記第2の回転手段に次の円盤状基体をセットするよ
うに構成できる。
【0015】この構成によれば、円盤状基体を回転させ
た状態で各回転手段を回転塗布位置から紫外線照射位置
まで移動させることができる。そして、一方の回転手段
を回転塗布位置から紫外線照射位置に移動させると同時
に、他方の回転手段を紫外線照射位置から回転塗布位置
に移動させることができるので、効率よく回転塗布と紫
外線照射を行うことができる。また、紫外線照射の終了
した円盤状基体を回転手段から外部に排出する一方、そ
の回転手段に回転塗布位置で次の円盤状基体をセットで
きるので、連続的に回転塗布及び紫外線照射を行うこと
ができ、連続生産ができ、大量生産が可能となる。
【0016】また、前記回転塗布位置の周囲に配置さ
れ、前記回転塗布を行うときに前記円盤状基体の最外周
から振り切られた紫外線硬化樹脂液を回収する回収手段
を備え、前記回収手段と前記回転塗布手段とが相対的に
移動してから前記円盤状基体の各移動を行うように構成
されていることが好ましい。これにより、回収手段と回
転塗布手段との相対移動と、円盤状基体の各移動とが干
渉しない。
【0017】また、前記紫外線照射手段を包囲して紫外
線を遮断する遮断手段を備え、前記遮断手段及び前記紫
外線照射手段と前記照射位置回転手段または前記第1ま
たは第2の回転手段とが相対的に移動してから前記円盤
状基体の各移動を行うように構成されていることが好ま
しい。これにより、遮断手段・紫外線照射手段と照射位
置回転手段または第1または第2の回転手段との相対移
動と、円盤状基体の各移動とが干渉しない。
【0018】なお、前記紫外線照射手段は紫外線を照射
しないときに前記円盤状基体から離れた位置にあり、紫
外線を照射するときに前記円盤状基体の上方に移動する
ことが好ましい。これにより、紫外線照射手段が円盤状
基体の移動や回転手段の移動と干渉することがなく、紫
外線照射を確実に行うことができる。この場合、紫外線
照射は一定位置に停止して行ってもよく、また円盤状基
体と紫外線照射手段とを相対的に移動させながら行って
もよい。
【0019】また、本発明による光記録媒体の製造方法
は、光学的に情報の記録及び/又は再生が可能な記録層
が形成された円盤状基体上に紫外線硬化樹脂からなる樹
脂層を有する光記録媒体を製造する方法であって、回転
塗布位置で円盤状基体に紫外線硬化樹脂を滴下して回転
塗布する工程と、前記回転塗布中に前記円盤状基体の最
外周から振り切られた前記紫外線硬化樹脂を回収する工
程と、前記回転塗布が行われた前記円盤状基体をその回
転状態を保持したまま前記回転塗布位置と離れた紫外線
照射位置に移動させる工程と、回転中の前記円盤状基体
に紫外線を照射する工程とを含むことを特徴とする。
【0020】この場合、前記移動工程は、円盤状基体の
回転状態を保持し移動させる回転状態保持移動手段を前
記回転塗布位置の円盤状基体の回転と同期して回転させ
ながら前記円盤状基体を回転状態で保持し前記紫外線照
射位置に移動させる工程と、前記紫外線照射位置にある
回転手段を前記回転状態で保持された円盤状基体の回転
と同期して回転させながら前記円盤状基体を前記回転保
持移動手段から前記回転手段に移す工程とを含むことが
好ましい。
【0021】また、上述の製造方法は、前記円盤状基体
を移動した後の回転塗布位置に次の円盤状基体をセット
する工程と、前記紫外線照射の終了した円盤状基体を排
出位置まで移動させる工程とを更に含むことが好まし
い。
【0022】また、本発明による別の光記録媒体の製造
方法は、光学的に情報の記録及び/又は再生が可能な記
録層が形成された円盤状基体上に紫外線硬化樹脂からな
る樹脂層を有する光記録媒体を製造する方法であって、
第1の回転手段により第1の円盤状基体に回転塗布位置
で紫外線硬化樹脂を滴下して回転塗布する工程と、前記
回転塗布中に前記第1の円盤状基体の最外周から振り切
られた前記紫外線硬化樹脂の液を回収する工程と、紫外
線硬化樹脂が回転塗布された第2の円盤状基体を第2の
回転手段により回転させながら前記回転塗布位置と離れ
た紫外線照射位置で紫外線を照射する工程と、前記紫外
線照射の終了した前記第2の円盤状基体を前記第2の回
転手段から排出する工程と、前記回転塗布の終了した前
記第1の円盤状基体を回転状態で前記第1の回転手段と
ともに前記紫外線照射位置に移動させるとともに、この
移動に同期して前記第2の回転手段を前記回転塗布位置
に移動させる工程と、前記第2の回転手段に別の円盤状
基体をセットしてから前記回転塗布を行う工程と、前記
第1の円盤状基体を前記第1の回転手段により回転状態
として前記紫外線照射位置で紫外線を照射する工程とを
含むことを特徴とする。
【0023】なお、上述の製造方法において、紫外線を
照射する紫外線照射手段を前記移動工程時に前記紫外線
照射位置の円盤状基体から離れた位置に退避させること
が好ましい。
【0024】また、回転手段の回転数は回転塗布後に減
少させ、回転塗布時回転数よりも低い適度な回転数を保
持した回転状態で紫外線照射位置への移動を実行すると
ともに紫外線照射を行うことが好ましい。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明による第1の実施の
形態及び第2の実施の形態について図面を用いて説明す
る。
【0026】〈第1の実施の形態〉
【0027】図1は本発明の第1の実施の形態による光
記録媒体の製造装置の概略的構成を示す斜視図であり、
図2は図1の製造装置の回転状態保持移動機構の概略的
な縦断面図であり、図3は図1の製造装置による光記録
媒体の製造工程を示すフローチャート図である。
【0028】図1に示す光記録媒体の製造装置は、回転
軸11aと円盤状基体Dを載置して回転するターンテー
ブル11bとターンテーブル11bを回転させるモータ
11cとを有しスピンコート法の回転塗布手段であるコ
ータ部11と、回転軸12aと円盤状基体Dを載置して
回転するターンテーブル12bとターンテーブル12b
を回転させるモータ12cとを有しコータ部11から離
れた紫外線照射位置で紫外線照射を行うように配置され
た照射位置回転部12と、円盤状基体Dを回転状態で吸
着する回転吸着部16と回転吸着部16を回動させる回
動軸17と回動軸17を中心に回動しかつ回転吸着部1
6を回転させるモータ15aを保持する保持部材18と
を有する回転状態保持移動機構15とを備える。
【0029】また、図1の製造装置は、コータ部11の
円盤状基体Dの表面に適当量の紫外線樹脂を滴下するた
めのノズル13と、コータ部11を包囲するようにその
周囲に配置され円盤状基体dに紫外線硬化樹脂を回転塗
布したときにその最外周から振り切られた紫外線硬化樹
脂dを回収するための回収部14と、照射位置回転部1
2の上方に配置された紫外線光源20とを備える。紫外
線光源20は不使用時には紫外線照射位置から離れて位
置し、円盤状基体Dに紫外線を照射するときに紫外線光
源20と円盤状基体Dとが相対的に図の矢印方向Hまた
はその反対方向に移動するように構成されている。ノズ
ル13は、樹脂滴下が終了すると、コータ部11の上方
から退避するようになっている。また、回転状態保持移
動機構15は、回動軸17を回動方向R、R’及び上下
方向V、V’に駆動する駆動機構(図示省略)を備え
る。
【0030】次に、図2により回転状態保持移動機構1
5の回転吸着部16を説明する。回転吸着部16は、円
柱状に構成され保持部材18に保持されたモータ15a
により回転方向rに回転駆動され、その下端面16aに
は円周状の吸引孔19が回転吸着部16の回転軸を中心
に同心円状に複数形成されている。回転吸着部16内に
は吸引孔19と連通した連通路19aが形成され、その
端部は管19bを介して外部の真空吸引装置(図示省
略)に接続されており、回転吸着部16は回転しながら
吸引孔19で円盤状基体を吸着し持ち上げることができ
るようになっている。また、モータ15aはコータ部1
1及び照射位置回転部12の各モータ11c、12cと
同期して回転するようになっている。
【0031】次に、上述のような製造装置による光記録
媒体の樹脂層の製造工程について図1〜図3を参照しな
がら説明する。まず、所定の記録層が形成された円盤状
基体Dをコータ部11のターンテーブル11b上にセッ
トし、モータ11cの回転により回転軸11a、ターン
テーブル11bを回転方向rに回転させてノズル13か
ら円盤状基体Dの表面に紫外線硬化樹脂の液体を滴下す
ることにより、紫外線硬化樹脂を円盤状基体Dの表面に
回転塗布する(S01)。なお、この場合、ノズルが停
止した円盤状基体に対して円弧状に移動するようにして
もよく、相対的に回転滴下を行うようにすればよい。
【0032】このとき、モータ11cによりターンテー
ブル11bは所定の回転数に達して、円盤状基体Dの最
外周から紫外線硬化樹脂を振り切り、その振り切られた
紫外線硬化樹脂は回収部14により回収され(S0
2)、貯蔵されて後にリサイクルに供することができ
る。この場合、コータ部11は、紫外線が照射される照
射位置回転部12から離れた位置にあるので、回収され
る紫外線硬化樹脂に紫外線が照射されることがなく、硬
化部分が生じる影響はない。なお、この効果を確実にす
るために、紫外線光源20を包囲して紫外線を遮蔽する
遮蔽手段を配置してもよい。また、コータ部11の回転
塗布時の回転数は紫外線硬化樹脂を振り切る程度の高回
転数とし、回転塗布終了後はその回転数よりも低い回転
数でコータ部11が回転する。この回転塗布終了後の回
転数は、紫外線硬化樹脂を再度振り切ることなく膜厚を
良好に維持できるような回転数である。
【0033】次に、回転状態保持移動機構15の回動軸
17が回動方向R’に回動し、回転吸着部16が図1の
破線に示す位置に移動してから、回動軸17が下方向
V’に下降し、回転吸着部16が回転中の円盤状基体D
に接近する。このとき、回転状態保持移動機構15のモ
ータ15aはコータ部11のモータ11cと同期しなが
ら同じ回転方向rに回転するとともに、真空吸引装置
(図示省略)が作動し、吸引孔19が円盤状基体に吸着
可能となっている。この状態で回転吸着部16の吸引孔
19が回転中の円盤状基体Dの内径部の外側に吸着して
から、回動軸17が上方向Vに上昇して回転吸着部16
が円盤状基体Dをターンテーブル11bから持ち上げ
る。次に、回動軸17が回動方向Rに回動し、回転吸着
部16が紫外線照射位置である照射位置回転部12の上
方まで移動する(S03)。なお、この工程の前にノズ
ル13はコータ部11の上方から離れた位置に退避して
いるので、回転吸着部16の移動と干渉しない。
【0034】次に、回動軸17が下方向V’に下降し、
回転吸着部16に回転しながら吸着されている円盤状基
体Dが照射位置回転部12のターンテーブル12bに接
近する。このとき、照射位置回転部12のモータ12c
は回転状態保持移動機構15のモータ15aと同期しな
がら同じ回転方向rに回転している。この状態で円盤状
基体Dがターンテーブル12bに載ると、回転状態保持
移動機構15の真空吸引装置(図示省略)による吸引を
停止することによって、円盤状基体Dを照射位置回転部
12に移す(S04)。なお、この工程の前に紫外線光
源20は照射位置回転部12の上方から離れた位置に退
避しているので、回転吸着部16の移動と干渉しない。
【0035】次に、紫外線光源20が照射位置回転部1
2の上方で円盤状基体Dと相対的に水平方向Hまたはそ
の反対方向に移動しながら照射位置回転部12で回転中
の円盤状基体Dに紫外線を照射し(S05)、円盤状基
体上に回転塗布された紫外線硬化樹脂を硬化させること
により樹脂層を形成する。なお、この紫外線照射は紫外
線光源20が円盤状基体Dのほぼ中央の上方で停止して
行ってもよい。
【0036】次に、紫外線照射の終了した円盤状基体を
排出位置(図示省略)まで移動させ、外部に排出する
(S06)。このための円盤状基体の移動は、例えば、
回転状態保持移動機構15により排出する円盤状基体を
吸着して持ち上げ回動軸17を回動方向Rに更に回動さ
せ排出位置まで移動させることによって行うことができ
る。また、回転状態保持移動機構15と同様の機構を別
に配置して行うようにしてもよい。
【0037】一方、円盤状基体Dが移動したコータ部1
1ではターンテーブル11b上に次の円盤状基体がセッ
トされ(S07)、次の回転塗布が同様にして行われ
る。このための円盤状基体のセットは、図1の回転状態
保持移動機構15と同様の機構を別に配置して行うこと
ができる。また、図1の回転状態保持移動機構15の回
動軸17に別の保持部材及び回転吸着部を設けて行うよ
うにしてもよい。上述の紫外線照射の終了した円盤状基
体の排出及びコータ部11への次の円盤状基体のセット
を次々と行うことにより、連続生産が可能となる。
【0038】以上のように、第1の実施の形態の光記録
媒体の製造装置及び製造方法によれば、記録層の形成さ
れた円盤状基体に紫外線硬化樹脂の樹脂層を形成する際
に、紫外線硬化樹脂が回転塗布された円盤状基体を適度
な回転数で回転を保持しながら紫外線照射位置に移すこ
とができるので、円盤状基体の紫外線硬化樹脂は紫外線
照射開始まで良好な塗布状態を確保し続け、外周部に液
溜まりができたり、膜厚が薄くなったり、最外周の樹脂
が逆流することもない。このため、円盤状基体上に適切
で良好な膜厚の樹脂層を形成することができる。
【0039】また、回転塗布時に円盤状基体から振り切
られて回収された紫外線硬化樹脂は、紫外線が照射され
ず、硬化部分が生じないので、効率よく確実にリサイク
ルに供することができ、装置内の樹脂が硬化反応を起こ
した状態ともならず、更に、リサイクルに供する際に、
回収された樹脂の精製用フィルタに溜まりフィルタ寿命
を低下させず、また再び塗布されて光記録媒体に欠陥が
できることもない。
【0040】
【実施例】次に、上述の光記録媒体の製造装置による実
施例1〜4及び比較例1〜10について説明する。
【0041】〈実施例1〉光透過性の熱可塑性樹脂であ
るポリカーボネートにより厚さ0.6mm、直径120
mmの円盤状基体を成形し、この上に公知の相変化記録
層を形成した。紫外線硬化樹脂として日本化薬(株)製
MD341(粘度70cps)を用い、製造装置として
図1の装置を用いて円盤状基体の上に回転数3500r
pm、2秒間保持による振りきりで回転塗布により塗膜
を形成した後、80rpmで円盤状基体の回転を保持し
て移動後、同様に80rpmで回転状態を保持したまま
紫外線照射を行った。硬化後の樹脂膜厚を円盤状基体の
外周エッジ側及び内周側(光記録媒体の記録エリアに相
当する部分)で測定した。その結果、図6(a)の液溜
まり92の紫外線硬化樹脂層91の平坦な表面からの高
さ(盛上り量=外周エッジ膜厚−記録エリア膜厚)hは
約2μmであり、貼り合わせや印刷には問題がなく、良
好な状態であった。また、記録エリアにおける紫外線硬
化樹脂層91の膜厚は減少せず、一定値に維持できた。
【0042】〈実施例2〉実施例2では、紫外線硬化樹
脂として大日本インキ化学工業(株)製SD318(粘
度130cps)を用い、回転数4000rpm、1秒
間保持で回転塗布した後、150rpmで円盤状基体の
回転を保持して移動後、同様に150rpmで回転状態
を保持したまま紫外線照射を行った以外は、実施例1と
同様の条件とした。その結果、図6(a)の液溜まり9
2の高さ(盛上り量)hは約3μmであり、貼り合わせ
や印刷には問題がなく、良好な状態であった。また、記
録エリアにおける紫外線硬化樹脂層91の膜厚は減少せ
ず、一定値に維持できた。
【0043】〈実施例3〉実施例3では、3000rp
mの回転数で回転塗布した後、200rpmで円盤状基
体の回転を保持して移動後、同様に200rpmで回転
状態を保持したまま紫外線照射を行った以外は、実施例
2と同様の条件とした。その結果、図6(a)の液溜ま
り92の高さ(盛上り量)hは約1μmであり、貼り合
わせや印刷には問題がなく、良好な状態であった。ま
た、記録エリアにおける紫外線硬化樹脂層91の膜厚は
減少せず、一定値に維持できた。
【0044】〈実施例4〉実施例4では、紫外線硬化樹
脂として大日本インキ化学工業(株)製SD301(粘
度500cps)を用い、回転数1000rpm、2秒
間保持で回転塗布した後、300rpmで円盤状基体の
回転を保持して移動後、同様に300rpmで回転状態
を保持したまま紫外線照射を行った以外は、実施例2と
同様の条件とした。その結果、図6(a)の液溜まり9
2の高さ(盛上り量)hは約2μmであり、貼り合わせ
や印刷には問題がなく、良好な状態であった。また、記
録エリアにおける紫外線硬化樹脂層91の膜厚は減少せ
ず、一定値に維持できた。
【0045】〈比較例1〜3〉実施例1と同条件で円盤
状基体に紫外線樹脂を回転塗布した後、コータ部の回転
を停止し移動した後、比較例1として停止したまま紫外
線照射をし、比較例2として回転数80rpmで再び回
転させて紫外線照射をし、更に比較例3として回転数8
00rpmで再び回転させて紫外線照射をした。その結
果、図6(a)の液溜まり92の高さ(盛上り量)h
は、比較例1,2では10μm前後であり、印刷および
貼り合わせに支障を来たす結果であり、また、比較例3
では約2μmと小さいが、比較的高回転数で紫外線硬化
樹脂を振り切ったため紫外線硬化樹脂層91の膜厚tが
減少してしまった。
【0046】〈比較例4〜6〉実施例2と同条件で円盤
状基体に紫外線樹脂を回転塗布した後、コータ部の回転
を停止し移動した後、比較例4として停止したまま紫外
線照射をし、比較例5として回転数150rpmで再び
回転させて紫外線照射をし、更に比較例6として回転数
1000rpmで再び回転させて紫外線照射をした。そ
の結果、図6(a)の液溜まり92の高さ(盛上り量)
hは、比較例4,5では十数μmであり、印刷および貼
り合わせに支障を来たす結果であり、また、比較例6で
は約3μmと小さいが、比較的高回転数で紫外線硬化樹
脂を振り切ったため紫外線硬化樹脂層91の膜厚tが減
少してしまった。
【0047】〈比較例7〉実施例3と同条件で円盤状基
体に紫外線樹脂を回転塗布した後、コータ部の回転を停
止し移動した後、停止したまま紫外線照射をした。図6
(c)の紫外線硬化樹脂層91の膜厚tは実施例3と同
様の約20μmであったが、図6(a)の液溜まり92
の紫外線硬化樹脂層の平坦な表面からの高さ(盛上り
量)hは約25μmであり、印刷および貼り合わせに支
障を来たす結果であった。
【0048】〈比較例8〜10〉実施例4と同条件で円
盤状基体に紫外線樹脂を回転塗布した後、コータ部の回
転を停止し移動した後、比較例8として停止したまま紫
外線照射をし、比較例9として回転数300rpmで再
び回転させて紫外線照射をし、更に比較例10として回
転数500rpmで再び回転させて紫外線照射をした。
図6(a)の液溜まり92の紫外線硬化樹脂層の平坦な
表面からの高さ(盛上り量)hは、比較例8,9では5
0〜70μm程度であり、印刷および貼り合わせに支障
を来たす結果であり、また、比較例10では約2μmと
小さいが、比較的高回転数で紫外線硬化樹脂を振り切っ
たため紫外線硬化樹脂層の膜厚tが減少してしまった。
【0049】以上の実施例1〜4及び比較例1〜10の
各条件及び膜厚測定の結果を表1に示す。表1から分か
るように、回転塗布後に低回転数の回転状態を円盤状基
体の回転塗布位置からの移動時及び紫外線照射時まで維
持するとともにその回転数を調整することにより、塗布
膜厚の円盤状基体の外周における盛り上がりを抑え、記
録エリアにおける膜厚を維持できた。比較例7〜9から
分かるように記録エリアにおける膜厚が大きいほど盛り
上がり量hが大きくなるが、実施例3,4によれば、か
かる盛り上がりを効果的に抑制できた。また、比較例
3,6,10のように紫外線照射時に比較的高回転数で
再回転をして紫外線硬化樹脂を振り切ると、例えば光記
録媒体の保護層としての樹脂層が薄くなってしまい、光
記録媒体の信頼性に影響を及ぼしてしまうのであるが、
実施例1〜4によれば、かかる膜厚の減少は生じなかっ
た。また、紫外線照射位置における未硬化樹脂の飛び散
りや樹脂の硬化による汚染を防止できた。
【0050】
【表1】
【0051】〈第2の実施の形態〉
【0052】図4は本発明の第2の実施の形態による光
記録媒体の製造装置の概略的構成を示す斜視図であり、
図5は図4の製造装置による光記録媒体の製造工程を示
すフローチャート図である。
【0053】図4に示す光記録媒体の製造装置は、円盤
状基体Dを回転方向rに回転させる第1の回転部21を
一端側に、同じく円盤状基体Dを回転方向rに回転させ
る第2の回転部22を他端側に有し回動軸26を中心に
回動するとともに上下方向に移動が可能な回動部材25
と、回転塗布位置にある回転部21または22により回
転中の円盤状基体Dに紫外線硬化樹脂を滴下するための
ノズル23と、回転塗布時に円盤状基体Dから振り切ら
れた紫外線硬化樹脂を回収するための回収部24と、紫
外線照射位置にある回転部22または21により回転中
の円盤状基体D(紫外線硬化樹脂が回転塗布された)に
紫外線を照射する紫外線光源27と、紫外線光源27を
包囲し紫外線を遮断する遮断部28と、回転塗布位置か
ら退避した回転部21または22に対しストック部31
から円盤状基体を供給する円盤状基体供給機構29と、
紫外線照射位置から退避した回転部22または21から
紫外線照射の終了した円盤状基体Dを排出位置にあるス
トック部32に排出する円盤状基体排出機構30とを備
える。
【0054】第1の回転部21は、回転軸21aと円盤
状基体Dを載置して回転するターンテーブル21bとタ
ーンテーブル21bを回転させるモータ21cとを備え
る。同様に、第2の回転部22は、回転軸22aと円盤
状基体Dを載置して回転するターンテーブル22bとタ
ーンテーブル22bを回転させるモータ22cとを備え
る。
【0055】また、回動部材25は、回動軸26を回動
方向S、S’及び上下方向V、V’に駆動する駆動機構
(図示省略)を備え、図4の上方の回転塗布位置及び紫
外線照射位置と下方の退避位置(実線で示す位置)との
間を上下動し、下方の退避位置で回動軸26の回動によ
り第1の回転部21と第2の回転部22とが180度移
動しその位置が逆転するようになっている。
【0056】また、円盤状基体供給機構29は、先端に
吸着部を有する供給回動部材29aと回動軸29bとを
備え、上下方向V、V’に上下動しかつ回動方向T、
T’に回動しながら、所定の記録層が形成された円盤状
基体が多数枚積層されているストック部31から円盤状
基体を吸着部で吸着して持ち上げ回転塗布位置から退避
した位置の回転部21または22まで搬送する。
【0057】また、円盤状基体排出機構30は、同じ
く、先端に吸着部を有する排出回動部材30aと回動軸
30bとを備え、上下方向V、V’に上下動しかつ回動
方向U,U’に回動しながら、紫外線照射位置から退避
した位置の回転部22または21から紫外線照射の終了
した円盤状基体を吸着部で吸着して持ち上げストック部
32まで搬送する。
【0058】次に、図4の製造装置による光記録媒体の
樹脂層の製造工程について図4,図5を参照しながら説
明する。まず、回動部材25は図4の位置から上方に移
動し、第1の回転部21にセットされた第1の円盤状基
体D1(破線で示す)が回転塗布位置にあり、第2の回
転部22にセットされた第2の円盤状基体D2(破線で
示し、紫外線硬化樹脂が回転塗布されている)が紫外線
照射位置にある。この状態で、第1の回転部21のター
ンテーブル21b上の第1の円盤状基体D1をモータ2
1cの回転により回転方向rに回転させてからノズル2
3から円盤状基体D1の表面に紫外線硬化樹脂の液体を
滴下することにより、紫外線硬化樹脂を円盤状基体D1
の表面に回転塗布する(S11)。
【0059】この後、モータ21cによりターンテーブ
ル21bは所定の回転数に達して、円盤状基体D1の最
外周から紫外線硬化樹脂を振り切り、その振り切られた
紫外線硬化樹脂は回収部24により回収され(S1
2)、貯蔵されて後にリサイクルに供することができ
る。一方、第2の回転部22のターンテーブル22b上
の第2の円盤状基体D2がモータ22cの回転により回
転方向rに回転しており、この状態で第2の円盤状基体
D2上の紫外線硬化樹脂に紫外線光源27から紫外線を
照射する(S13)。この場合、第1の回転部21は、
紫外線光源27からほぼ回動部材25の長さに相当する
距離だけ離れた位置にあり、紫外線光源20を包囲した
遮蔽部27が紫外線を遮蔽し外部に漏れないので、工程
S12で回収される紫外線硬化樹脂に対する紫外線照射
を確実に防止し、回収された紫外線硬化樹脂に硬化部分
が生じる可能性を確実に排除することができる。また、
第1の回転部21の回転塗布時の回転数は紫外線硬化樹
脂を振り切る程度の高回転数とし、回転塗布終了後はそ
の回転数よりも低い回転数で第1の回転部21が回転す
る。この回転塗布終了後の回転数は、紫外線硬化樹脂を
再度振り切ることなく膜厚を良好に維持できるような回
転数である。
【0060】次に、回動部材25を下方向V’に図4の
実線で示す退避位置まで移動させる(S14)。この状
態で、回転塗布の終了した第1の回転部21は回転した
ままであるが、紫外線照射の終了した第2の回転部22
は回転が停止している。また、各回転部21,22は、
下方の退避位置にあるので、円盤状基体排出機構30、
円盤状基体供給機構29及び回動部材25の各動作時に
それらの各部分と干渉することはない。
【0061】次に、円盤状基体排出機構30の排出回動
部材30aを回動軸30bで回動方向U’に図4の実線
位置まで回動させてから下方向V’に移動させ、その吸
着部で第2の回転部22上の紫外線照射の終了した第2
の円盤状基体D2を吸着し持ち上げてから上方向Vに移
動させる。そして、排出回動部材30aを回動方向Uに
図4の破線位置まで回動させてから下方向V’に移動さ
せ、第2の円盤状基体D2をストック部32の上に載せ
る(S15)。
【0062】工程S15で第2の回転部22から第2の
円盤状基体D2が持ち上げられると、回動部材25を回
動軸26の回動方向Sへの回動により180度回動させ
る(S16)。これにより、第1の回転部21が第1の
円盤状基体D1とともに回転したまま紫外線照射位置の
下方の退避位置側に移動し、同時に円盤状基体の載って
いない第2の回転部22が回転塗布位置の下方の退避位
置側に移動し、第1と第2の回転部21,22が逆の位
置になる。
【0063】次に、円盤状基体供給機構29の供給回動
部材29aを回動軸29bで回動方向T’に図4の実線
位置まで回動させてから下方向V’に移動させ、その吸
着部でストック部31に重ねられている円盤状基体Dを
1枚吸着し持ち上げてから上方向Vに移動させる。そし
て、供給回動部材29aを回動方向Tに図4の破線位置
まで回動させてから下方向V’に移動させ、次の円盤状
基体Dを第2の回転部22上にセットする(S17)。
【0064】次に、回動部材25を上方向Vに移動さ
せ、第2の回転部22上の次の円盤状基体Dを回転塗布
位置まで移動させるとともに第1の回転部21上の第1
の円盤状基体D2(紫外線硬化樹脂が回転塗布されてい
る)を紫外線照射位置まで移動させる(S18)。
【0065】そして、第2の回転部22で次の円盤状基
体Dに工程S11と同様にして紫外線樹脂を回転塗布す
る(S19)とともに、第1の回転部21で回転中の第
1の基板D1の紫外線硬化樹脂に工程13と同様にして
紫外線を照射する(S20)。続いて、各工程S12、
S14〜S18と同様の工程を行う。
【0066】以上の各工程S11〜S20を繰り返すこ
とにより、記録層の形成された円盤状基体の上に紫外線
硬化樹脂からなる樹脂層を連続的に形成することがで
き、連続生産をすることができる。
【0067】以上のように、第2の実施の形態の光記録
媒体の製造装置及び製造方法によれば、記録層の形成さ
れた円盤状基体に紫外線硬化樹脂の樹脂層を形成する際
に、紫外線硬化樹脂が回転塗布された円盤状基体を載せ
た回転部を適度な回転数で回転を保持して紫外線照射位
置まで移動させることができるので、円盤状基体の紫外
線硬化樹脂は紫外線照射開始まで良好な塗布状態を確保
し続け、外周部に液溜まりができたり、膜厚が薄くなっ
たり、最外周の樹脂が逆流することもない。このため、
円盤状基体上に適切で良好な膜厚の樹脂層を形成するこ
とができる。
【0068】また、回転塗布時に円盤状基体から振り切
られて回収された紫外線硬化樹脂は、紫外線が照射され
ず、硬化部分が生じないので、効率よく確実にリサイク
ルに供することができ、硬化部分が装置内に堆積される
こともなく、更に、リサイクルに供する際に、回収され
た樹脂の精製用フィルタに溜まりフィルタ寿命を低下さ
せず、また再び塗布されて光記録媒体に欠陥ができるこ
ともない。
【0069】以上のように本発明を実施の形態及び実施
例により説明したが、本発明はこれらに限定されるもの
ではなく、本発明の技術的思想の範囲内で各種の変形が
可能である。例えば、図1の回転状態保持移動機構は吸
引による円盤状基体の保持のみならず他の方法であって
もよく、例えば円盤状基体の内径孔を回転しながら爪部
で機械的に掴むようにしてもよい。また、紫外線照射位
置が独立しているため、紫外線光源を内蔵する遮蔽部で
は、嫌気性の紫外線硬化樹脂を使用する場合に窒素ガス
を導入すること等も可能である。
【0070】
【発明の効果】本発明の光記録媒体の製造装置及び製造
方法によれば、紫外線硬化樹脂を円盤状基体に回転塗布
するときに円盤状基体の最外周での液溜まりの形成を防
止しかつ良好な膜厚に塗布できる。また、回転塗布時に
振り切られた紫外線硬化樹脂を効率よく確実にリサイク
ルできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態による光記録媒体の製
造装置を概略的に示す斜視図である。
【図2】図1の製造装置の回転状態保持移動機構の要部
を示す断面図である。
【図3】図1の製造装置による光記録媒体の製造工程を
示すフローチャート図である。
【図4】本発明の第2実施の形態による光記録媒体の製
造装置を概略的に示す斜視図である。
【図5】図4の製造装置による光記録媒体の製造工程を
示すフローチャート図である。
【図6】円盤状基体上に紫外線硬化樹脂を回転塗布した
とき、従来の問題点である液溜まりが生じることを示す
図(a)、紫外線硬化樹脂層が適度な厚さで形成された
ことを示す図(b)、及び回転塗布後に回転を停止し再
び回転させた場合に従来の問題点である紫外線硬化樹脂
層が薄くなることを示す図(c)である。
【符号の説明】
11 コータ部 12 照射位置回転部 13,23 ノズル 14,24 回収部 15 回転状態保持移動機構 16 回転吸着部 20,27 紫外線光源 21 第1の回転部 22 第2の回転部 25 回動部材 28 遮蔽部 29 円盤状基体供給機構 30 円盤状基体排出機構 D,D1,D2 円盤状基体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丑田 智樹 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 Fターム(参考) 5D121 AA04 EE22 EE23 EE24 GG02

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学的に情報の記録及び/又は再生が可
    能な記録層が形成された円盤状基体上に紫外線硬化樹脂
    からなる樹脂層を有する光記録媒体を製造する装置であ
    って、 円盤状基体に紫外線硬化樹脂を滴下して塗布する回転塗
    布手段と、 前記回転塗布手段から離れて位置する紫外線照射位置に
    おいて前記円盤状基体を回転させながら紫外線を照射す
    る紫外線照射手段と、を具備し、 前記回転塗布手段から前記円盤状基体をその回転状態を
    保持したまま前記紫外線照射位置に移動させるように構
    成したことを特徴とする光記録媒体の製造装置。
  2. 【請求項2】 前記回転塗布手段の回転と同期して回転
    しながら前記円盤状基体を保持し移動させる回転状態保
    持移動手段と、 前記円盤状基体を前記紫外線照射位置で回転させる照射
    位置回転手段と、を備え、 前記回転塗布手段で前記円盤状基体を回転させたまま前
    記回転状態保持移動手段により保持して前記照射位置回
    転手段まで移動させ、前記回転状態保持移動手段の回転
    と同期して回転中の前記照射位置回転手段に移すことを
    特徴とする請求項1に記載の光記録媒体の製造装置。
  3. 【請求項3】 前記円盤状基体を移動した後の前記回転
    塗布手段に次の円盤状基体をセットするとともに、前記
    紫外線照射の終了した円盤状基体を排出位置まで移動さ
    せるように構成したことを特徴とする請求項1または2
    に記載の光記録媒体の製造装置。
  4. 【請求項4】 第1の回転手段を一端側に第2の回転手
    段を他端側にそれぞれ配置するとともに、前記第1の回
    転手段及び前記第2の回転手段が回転しながら回転塗布
    位置と前記紫外線照射位置との間を回動軸を中心に回動
    するように構成された回動部材を備え、 前記回転塗布位置で前記第1の回転手段により第1の円
    盤状基体に前記紫外線硬化樹脂を回転塗布し、 前記紫外線照射位置で、前記第2の回転手段により前記
    紫外線硬化樹脂が回転塗布された第2の円盤状基体を回
    転させながら、前記紫外線照射手段により紫外線を照射
    し、 前記紫外線照射の終了後に前記第2の回転手段から前記
    第2の円盤状基体を排出位置まで移動させ排出するとと
    もに、前記回転塗布後に前記回動部材を回動させること
    により前記第1の回転手段を前記第1の円盤状基体を回
    転させたまま前記紫外線照射位置に移動させるとともに
    前記第2の回転手段を前記回転塗布位置に移動させて前
    記第2の回転手段に次の円盤状基体をセットすることを
    特徴とする請求項1に記載の光記録媒体の製造装置。
  5. 【請求項5】 前記回転塗布位置の周囲に配置され、前
    記回転塗布を行うときに前記円盤状基体の最外周から振
    り切られた紫外線硬化樹脂液を回収する回収手段を備
    え、 前記回収手段と前記回転塗布手段とが相対的に移動して
    から前記円盤状基体の各移動を行うように構成されてい
    ることを特徴とする請求項1,2,3または4に記載の
    光記録媒体の製造装置。
  6. 【請求項6】 前記紫外線照射手段を包囲して紫外線を
    遮断する遮断手段を備え、 前記遮断手段及び前記紫外線照射手段と前記照射位置回
    転手段または前記第1または第2の回転手段とが相対的
    に移動してから前記円盤状基体の各移動を行うように構
    成されていることを特徴とする請求項2または4に記載
    の光記録媒体の製造装置。
  7. 【請求項7】 光学的に情報の記録及び/又は再生が可
    能な記録層が形成された円盤状基体上に紫外線硬化樹脂
    からなる樹脂層を有する光記録媒体を製造する方法であ
    って、 回転塗布位置で円盤状基体に紫外線硬化樹脂を滴下して
    回転塗布する工程と、 前記回転塗布中に前記円盤状基体の最外周から振り切ら
    れた前記紫外線硬化樹脂を回収する工程と、 前記回転塗布が行われた前記円盤状基体をその回転状態
    を保持したまま前記回転塗布位置と離れた紫外線照射位
    置に移動させる工程と、 回転中の前記円盤状基体に紫外線を照射する工程と、を
    含むことを特徴とする光記録媒体の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記移動工程は、円盤状基体の回転状態
    を保持し移動させる回転状態保持移動手段を前記回転塗
    布位置の円盤状基体の回転と同期して回転させながら前
    記円盤状基体を回転状態で保持し前記紫外線照射位置に
    移動させる工程と、前記紫外線照射位置にある回転手段
    を前記回転状態で保持された円盤状基体の回転と同期し
    て回転させながら前記円盤状基体を前記回転保持移動手
    段から前記回転手段に移す工程と、を含むことを特徴と
    する請求項7に記載の光記録媒体の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記円盤状基体を移動した後の回転塗布
    位置に次の円盤状基体をセットする工程と、 前記紫外線照射の終了した円盤状基体を排出位置まで移
    動させる工程と、を更に含むことを特徴とする請求項7
    または8に記載の光記録媒体の製造方法。
  10. 【請求項10】 光学的に情報の記録及び/又は再生が
    可能な記録層が形成された円盤状基体上に紫外線硬化樹
    脂からなる樹脂層を有する光記録媒体を製造する方法で
    あって、 第1の回転手段により第1の円盤状基体に回転塗布位置
    で紫外線硬化樹脂を滴下して回転塗布する工程と、 前記回転塗布中に前記第1の円盤状基体の最外周から振
    り切られた前記紫外線硬化樹脂の液を回収する工程と、 紫外線硬化樹脂が回転塗布された第2の円盤状基体を第
    2の回転手段により回転させながら前記回転塗布位置と
    離れた紫外線照射位置で紫外線を照射する工程と、 前記紫外線照射の終了した前記第2の円盤状基体を前記
    第2の回転手段から排出する工程と、 前記回転塗布の終了した前記第1の円盤状基体を回転状
    態で前記第1の回転手段とともに前記紫外線照射位置に
    移動させるとともに、この移動に同期して前記第2の回
    転手段を前記回転塗布位置に移動させる工程と、 前記第2の回転手段に別の円盤状基体をセットしてから
    前記回転塗布を行う工程と、 前記第1の円盤状基体を前記第1の回転手段により回転
    状態として前記紫外線照射位置で紫外線を照射する工程
    と、を含むことを特徴とする光記録媒体の製造方法。
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