JP2002038406A - 複合防水構造体 - Google Patents

複合防水構造体

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JP2002038406A
JP2002038406A JP2000223815A JP2000223815A JP2002038406A JP 2002038406 A JP2002038406 A JP 2002038406A JP 2000223815 A JP2000223815 A JP 2000223815A JP 2000223815 A JP2000223815 A JP 2000223815A JP 2002038406 A JP2002038406 A JP 2002038406A
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Abstract

(57)【要約】 【謀題】 FRP防水工法においてモルタル層を施す場
合に、モルタル層に由来するアルカリ成分に対する耐ア
ルカリ性に優れ、また、重量や衝撃に対する耐久性にも
優れ、結果として防水性に極めて優れた、新規な複合防
水構造体を提供する。 【解決手段】 本発明の複合防水構造体は、上から、
(A)モルタル層、(B)硬化物がJIS−K−691
9(1992)5.2.8に規定される耐アルカリ性試
験によりUP−CM、UP−CE、またはUP−CEE
に適合する硬化性樹脂を含有する硬化性樹脂組成物を硬
化してなる樹脂硬化層、(C)硬化物の引張り伸び率が
20〜200%である熱硬化性樹脂、および、繊維強化
材を含有する熱硬化性樹脂組成物を硬化してなる繊維強
化熱硬化性樹脂防水層、(D)プライマー層、(E)基
板、の構成を有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複合防水構造体に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、屋上、道路等の防水施工として、
FRP防水層を用いるFRP防水工法が広く採用されて
いる。FRP防水工法によれば、他の防水工法に比べて
強度、表面硬度が高く、耐久性、寸法安定性に優れた防
水施工が可能である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】FRP防水工法におい
て防水層に使用するFRP樹脂層は、下地基板の動きに
追従させるため、硬化物の引張り伸び率が比較的大きい
軟質樹脂を使用することが一般的である。しかしなが
ら、上記軟質樹脂は耐アルカリ性が低く、防水層の上に
モルタル層を施すような場合には、モルタルコンクリー
ト中のアルカリ成分により、施工時に防水層の腐食や劣
化が懸念された。さらに、施工後においても、モルタル
層に浸透した水分等によりモルタル層中のアルカリ成分
が防水層に到達し、防水層の腐食や劣化が懸念された。
【0004】また、防水層の上においてモルタル層を施
す場合、施工時の衝撃や、施工後の基板のたわみ、車両
等の通行によって生じるせん断力、振動等によって、モ
ルタル層が剥離したり、クラックが発生するなどの問題
があった。したがって、本発明が解決しようとする課題
は、FRP防水工法においてモルタル層を施す場合に、
モルタル層に由来するアルカリ成分に対する耐アルカリ
性に優れ、また、重量や衝撃に対する耐久性にも優れ、
結果として防水性に極めて優れた、新規な複合防水構造
体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決するべく鋭意検討を行った。その結果、特定物性を有
するFRP樹脂層を防水層とし、当該防水層とモルタル
層との間に特定物性の樹脂硬化層を設けた、特定の構成
を有する複合防水構造体によれば、上記課題を解決でき
ることが判った。すなわち、本発明に係る複合防水構造
体は、上から、(A)モルタル層、(B)硬化物がJI
S−K−6919(1992)5.2.8に規定される
耐アルカリ性試験によりUP−CM、UP−CE、また
はUP−CEEに適合する硬化性樹脂を含有する硬化性
樹脂組成物を硬化してなる樹脂硬化層、(C)硬化物の
引張り伸び率が20〜200%である熱硬化性樹脂、お
よび、繊維強化材を含有する熱硬化性樹脂組成物を硬化
してなる繊維強化熱硬化性樹脂防水層、(D)プライマ
ー層、(E)基板、の構成を有することを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明に係る複合防水構造体は、
上から、(A)モルタル層、(B)硬化物がJIS−K
−6919(1992)5.2.8に規定される耐アル
カリ性試験によりUP−CM、UP−CE、またはUP
−CEEに適合する硬化性樹脂を含有する硬化性樹脂組
成物を硬化してなる樹脂硬化層、(C)硬化物の引張り
伸び率が20〜200%である熱硬化性樹脂、および、
繊維強化材を含有する熱硬化性樹脂組成物を硬化してな
る繊維強化熱硬化性樹脂防水層、(D)プライマー層、
(E)基板、の構成を有することを特徴とする。
【0007】以下、上記の構成要素の詳細を含めて、本
発明について詳細に説明する。本発明におけるモルタル
層(A)としては、特に限定されず、通常のモルタル施
工に用いられる組成のモルタル材を通常の方法により施
工すればよい。上記モルタル材としては、セメントモル
タルと骨材を含有すれば、特に限定されない。前記セメ
ントモルタルとしては、例えば、セメント100重量部
に対して水40〜70重量部を混合したものや、セメン
ト100重量部に対して水40〜70重量部と樹脂を固
形分換算で5〜30重量部を混合したもの等が挙げられ
る。
【0008】前記樹脂としては、水分散系樹脂、ラテッ
クス樹脂、エマルション樹脂等が挙げられ、具体的に
は、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ビニルエステル樹
脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、SBR、NB
R、エチレン・酢酸ビニル樹脂等が使用される。前記骨
材としては、特に限定されないが、例えば、砂、砂利、
砕石、スラグ、硅砂等が挙げられる。粒径としては、特
に限定されないが、5mmふるいを重量で85%以上通
過する細骨材が好ましい。セメントモルタルと骨材の混
合比は、特に限定されないが、セメントモルタル100
重量部に対して骨材が200〜900重量部の範囲内が
好ましく、300〜500重量部の範囲内がさらに好ま
しい。
【0009】モルタル層(A)の厚みは特に限定されな
いが、10〜50mmの範囲内が好ましく、10〜30
mmの範囲内がより好ましい。本発明における樹脂硬化
層(B)は、硬化性樹脂を含有する硬化性樹脂組成物を
硬化してなる樹脂硬化層であり、前記硬化性樹脂の硬化
物がJIS−K−6919(1992)5.2.8に規
定される耐アルカリ性試験によりUP−CM、UP−C
E、またはUP−CEEに適合するものであることを特
徴とする。本発明における樹脂硬化層(B)は、該硬化
性樹脂組成物をローラーやスプレー、刷毛等により塗布
した後、常温条件下、加熱条件下、光照射条件下等によ
り硬化させた層である。
【0010】JIS−K−6919(1992)5.
2.8に規定される耐アルカリ性試験によりUP−CM
に適合するものとは、耐アルカリ性に優れているものを
いい、UP−CEに適合するものとは、耐アルカリ性に
特に優れているものをいい、UP−CEEに適合するも
のとは、耐アルカリ性に非常に優れているものをいう。
すなわち、これらUP−CM、UP−CE、またはUP
−CEEに適合するものは、いずれも耐薬品性に優れた
ものであることを意味する。樹脂硬化層(B)に用いる
硬化性樹脂の硬化物がJIS−K−6919(199
2)5.2.8に規定される耐アルカリ性試験によりU
P−CM、UP−CE、またはUP−CEEに適合する
ものであれば、本発明に係る構造体の如くモルタル層を
設ける場合において、モルタル層に由来するアルカリ成
分に対する耐アルカリ性に優れるため、例えば、長期間
使用しても防水層に影響が及ばない、一方、樹脂硬化層
(B)に用いる硬化性樹脂の硬化物がJIS−K−69
19(1992)5.2.8に規定される耐アルカリ性
試験によりUP−CM、UP−CE、またはUP−CE
Eに適合しないものであれば、耐アルカリ性が十分でな
いため、長期に使用した場合に(B)層にクラックが発
生し、防水層にアルカリ成分の影響が及び、腐食や劣化
による漏水の原因となるおそれがある。
【0011】また、モルタル層(A)と後述する防水層
(C)との間に、上記樹脂硬化層(B)を設けることに
より、上述の耐アルカリ性における利点のみならず、施
工時の衝撃や、施工後の基板のたわみ、車両等の通行に
よって生じるせん断力、振動等によって、モルタル層が
剥離したり、クラックが発生するなどの、重量や衝撃に
対する耐久性にも優れるという利点もある。前記硬化性
樹脂組成物は、硬化性樹脂を含有する組成物である。硬
化性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、不飽
和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリエステ
ル(メタ)アクリレート樹脂、ウレタン(メタ)アクリ
レート樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられ
る。前記硬化性樹脂組成物中の硬化性樹脂の含有割合は
特に限定されないが、例えば、40〜100重量%が好
ましく、60〜100重量%がより好ましく、80〜1
00重量%が特に好ましい。
【0012】前記硬化性樹脂組成物中には、前記硬化性
樹脂以外に、必要に応じて、硬化剤、硬化促進剤、ライ
フ安定化剤、チクソ性付与剤、繊維強化材、充填材、顔
料、消泡剤、可塑剤、溶剤、熱可塑性樹脂等の副資材を
含んでいてもよい。(B)層の厚みは特に限定されない
が、好ましくは0.2〜10.0mmの範囲内であり、
より好ましくは0.3〜5.0mmの範囲内、特に好ま
しくは0.4〜2.0mmの範囲内である。厚みが0.
2mm未満では、モルタル層を施工する際にアルカリ成
分に対する耐久性が不十分となるおそれがある。また、
10.0mmを越えると、施工時または施工後の基体の
動きによりクラックが発生するおそれがある。
【0013】本発明に係る複合防水構造体においては、
樹脂硬化層(B)からモルタル層(A)にまたがって、
粒子、好ましくは骨材が存在することが好ましい。粒子
は層間アンカーとして働き、この粒子(骨材)の存在に
より、層間の接着面積の拡大による密着強度の向上が発
現され、また、構造体の横方向のせん断応力に対する耐
久性の向上が達成される。前記粒子(骨材)としては、
特に限定されないが、例えば、砕石、砂利、小石、スラ
グなどが挙げられる。前記粒子(骨材)の粒径は、特に
限定されないが、5mm以上の範囲が好ましく、5〜3
0mmの範囲がさらに好ましい。また、5mm以上の粒
径のものが粒子(骨材)全量の50重量%以上であるこ
とが好ましく、80重量%以上であることがさらに好ま
しい。具体的には、6号(5〜13mm)砕石等が挙げ
られる。5mm以上の粒径のものが粒子(骨材)全量の
50重量%未満では、十分な密着強度の向上やせん断強
度の向上を達成できない可能性がある。また、粒子(骨
材)の粒径が30mmを越えると、施工面の平均的な強
度物性が得られず、部分的な強度低下をかえって引き起
こす可能性がある。
【0014】前記粒子(骨材)の使用量は、特に限定さ
れないが、施工面の1/3〜1/10の範囲の占有面積
となることが好ましく、1/5〜1/7の範囲の占有面
積となることがさらに好ましい。施工面の1/10未満
では、十分な密着強度の向上やせん断強度の向上を達成
できない可能性があり、1/3を越えると施工面の平均
的な強度物性が得られず、部分的な強度低下をかえって
起こす可能性がある。前記粒子(骨材)を層間アンカー
として存在させる方法としては、特に限定されないが、
例えば、樹脂硬化層(B)を形成する際、当該硬化性樹
脂組成物を塗布後、硬化前に、例えば人手によって粒子
(骨材)を散布し、その後硬化さることにより、樹脂硬
化層(B)から粒子(骨材)が突起した状態を形成す
る。したがって、粒子(骨材)の粒径や粒度分布は、樹
脂硬化層(B)の施工厚みによって適宜設定する必要が
ある。続いて、この粒子(骨材)が突起した状態を形成
した樹脂硬化層(B)の上に、モルタル層(A)を形成
することにより、所望の層間アンカーとして粒子(骨
材)を存在させることができる。
【0015】本発明における、硬化物の引張り伸び率が
20〜200%である熱硬化性樹脂、および、繊維強化
材を含有する熱硬化性樹脂組成物を硬化してなる繊維強
化熱硬化性樹脂防水層(C)は、いわゆるFRP防水層
である。繊維強化熱硬化性樹脂防水層(C)で用いられ
る繊維強化材としては、例えば、ガラス繊維;アミド、
アラミド、ビニロン、ポリエステル、フェノール等の有
機繊維;カーボン繊維;金属繊維;セラミックス繊維;
それらの組み合わせ;などが挙げられる。これらの中で
も、施工性、経済性を考慮した場合、ガラス繊維と有機
繊維が好ましい。
【0016】前記繊維の形態は、平織り、朱子織り、マ
ット状等があるが、施工性、厚み保持等より、マット状
が好ましい。また、ガラスロービングを20〜100m
m程度にカットして、チョップドストランドにして使用
することも可能である。前記熱硬化性樹脂組成物中の前
記繊維強化材の含有量は、特に限定されないが、5〜6
0重量%の範囲内が好ましく、10〜40重量%の範囲
内がさらに好ましい。前記熱硬化性樹脂の引張り伸び率
(JIS−K−7113)は20〜200%であり、好
ましくは20〜150%、より好ましくは30〜120
%である。20%より小さいと、下地基板の動きに対す
る追従性に劣ってしまう。200%より大きいと、耐塩
化カルシウム性、耐水性、耐アルカリ性、耐油性に劣っ
てしまう。
【0017】繊維強化熱硬化性樹脂防水層(C)の形成
法は、特に限定されないが、例えば、ハンドレーアップ
法、スプレーアップ法、樹脂含浸マット状繊維強化材を
敷設する方法、マット状繊維強化材施工後に樹脂を注型
する方法などが挙げられる。繊維強化熱硬化性樹脂防水
層(C)の厚みは、特に限定されないが、通常好ましく
は0.5〜5mm、より好ましくは1〜2mmである。
繊維強化熱硬化性樹脂防水層(C)で用いられる前記熱
硬化性樹脂は、特に限定されないが、例えば不飽和ポリ
エステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂、フ
ェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレー
ト等をメチルメタクリレート等に溶解させてなるアクリ
ルシラップ、側鎖に硬化性二重結合を導入してなる架橋
性アクリルシラップ等が挙げられるが、施工性等の点か
ら、好ましくは、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエス
テル樹脂である。
【0018】前記熱硬化性樹脂組成物中の前記熱硬化性
樹脂の含有量は、特に限定されないが、40〜95重量
%の範囲内が好ましく、60〜90重量%の範囲内がさ
らに好ましい。本発明で好ましく使用される不飽和ポリ
エステル樹脂としては、例えば、α、β−不飽和二塩基
酸またはその酸無水物と、芳香族飽和二塩基酸またはそ
の酸無水物と、グリコール類の重縮合によって製造さ
れ、場合によっては酸成分として脂肪族あるいは脂環族
飽和二塩基酸を併用して製造された不飽和ポリエステル
30〜80重量部を、重合性不飽和単量体70〜20重
量部に溶解して得られるものが挙げられる。
【0019】本発明で好ましく使用されるビニルエステ
ル樹脂とは、例えば、不飽和ポリエステルのカルボキシ
ル末端や水酸基末端を不飽和基を有するエポキシ化合物
や不飽和基を有するイソシアネート化合物でビニル変性
したビニルエステル、および、多官能エポキシ樹脂のエ
ポキシ基に不飽和一塩基酸を付加させたビニルエステル
30〜80重量%を、重合性不飽和単量体70〜20重
量部に溶解して得られるものが挙げられる。必要によ
り、増粘剤、充填剤、硬化剤、硬化促進剤、低収縮化
剤、揺変化付与剤、パラフィンワックス等を添加するこ
とができる。特に、硬化剤、硬化促進剤を添加すること
が好ましい。
【0020】α、β−不飽和二塩基酸またはその酸無水
物としては、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フ
マル酸、イタコン酸、シトラコン酸、およびこれらのエ
ステル等があり、芳香族飽和二塩基酸またはその酸無水
物としては、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、
テレフタル酸、およびこれらのエステル等があり、脂肪
族あるいは脂環族飽和二塩基酸としては、シュウ酸、マ
ロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライ
ン酸、グルタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサ
ヒドロ無水フタル酸、および、これらのエステル等があ
る。これらは、それぞれ単独あるいは併用して使用する
ことができる。
【0021】グリコール類としては、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジ
プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,
4−ブタンジオール、2−メチルプロパン−1,3−ジ
オール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコ
ール、テトラエチレングリコール、1,5−ペンタンジ
オール、1,6−ヘキサンジオール、ビスフェノール
A、水素化ビスフェノールA等が挙げられる。これらは
単独あるいは併用で使用することができる。その他、エ
チレンオキサイド、プロピレンオキサイド等の酸化物も
同様に使用することができる。また、グリコール類と酸
成分の一部としてポリエチレンテレフタレート等の重縮
合物も使用できる。
【0022】重合性不飽和単量体としては、スチレン、
ビニルトルエン、α−メチルスチレン、メチル(メタ)
アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、メトキシ
ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキ
シエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート等のビニル化合物、および、ジ
アリルフタレート、トリアリルシアヌレート等のアリル
化合物などの不飽和ポリエステルやビニルエステルと架
橋可能なビニルモノマー等が挙げられる。これらは単独
あるいは併用で使用することができる。充填剤として
は、特に限定されないが、例えば、炭酸カルシウム粉、
クレー、アルミナ粉、硅石粉、タルク、硫酸バリウム、
シリカパウダー、ガラス粉、ガラスビーズ、マイカ、水
酸化アルミニウム、セルロース糸、硅砂、川砂、寒水
石、大理石屑、砕石など公知のものが挙げられる。
【0023】硬化剤としては、不飽和ポリエステル樹脂
等の熱硬化性樹脂の硬化に一般に用いられるもので、具
体的には、アゾイソブチロニトリルのようなアゾ化合
物、ターシャリーブチルパーベンゾエート、ターシャリ
ーパーオクトエート、ベンゾイルパーオキサイド、メチ
ルエチルケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイ
ド等の有機過酸化物等を挙げることができる。硬化触媒
の使用量は特に限定されないが、例えば、不飽和ポリエ
ステル樹脂等の熱硬化性樹脂100重量部に対して通常
0.3〜3重量部の範囲で用いることができる。硬化促
進剤としては、有機酸の金属塩類、特に、コバルト塩、
例えば、ナフテン酸コバルト、オクチル酸コバルト、ア
セチルアセトコバルト等が使用されるが、これらに限定
されない。
【0024】本発明におけるプライマー層(D)は、基
板(E)と繊維強化熱硬化性樹脂防水層(C)とを接着
させるため等を目的とする層である。プライマー層
(D)としては、熱硬化性樹脂と接着性のよいものが望
まれ、例えば、コンクリート含浸型の低粘度品(粘度3
00mPa・s以下)が好ましく、具体的には、一液湿
気硬化型ウレタン系プライマー、ビスフェノールA型エ
ポキシ/ポリアミン系プライマー、不飽和ポリエステル
樹脂系プライマー、ビニルエステル樹脂系プライマーな
どを用いることができる。プライマーの塗布量は、溶液
で50〜500g/m2 、好ましくは70〜300g/
2 、より好ましくは100〜200g/m2 である。
塗布する手段としては、ハケ、ロール、スプレーガン等
を用いる。
【0025】本発明における基板(E)としては、特に
限定されないが、例えば、建築物・構造物の屋根、屋
上、中間階、地上階、地下室等の表面やそれぞれの表面
に施された既設防水面が挙げられ、材質としては、セメ
ントコンクリート、アスファルトコンクリート、モルタ
ル、石綿ストレート、ALC板、PC板、FRP板、プ
ラスチック、木質材、金属等が挙げられる。本発明に係
る複合防水構造体の施工方法は、例えば、まず、基板
(E)にプライマーを塗布してプライマー層(D)を形
成させる。続いて、プライマー層の上に繊維強化材を敷
設した後に熱硬化性樹脂を含浸させるか、あるいは、繊
維強化材に熱硬化性樹脂を含浸させたものを敷設する
か、あるいは、熱硬化性樹脂を塗布し、続いてその上に
繊維強化材を置き、必要に応じて所定のガラス含有量と
なるように熱硬化性樹脂をさらに含浸させるなどして、
硬化物の引張り伸び率が20〜200%である熱硬化性
樹脂、および、繊維強化材を含有する熱硬化性樹脂組成
物を硬化してなる繊維強化熱硬化性樹脂防水層(C)を
形成させる。次に、繊維強化熱硬化性樹脂防水層(C)
の上に、硬化物がJIS−K−6919(1992)
5.2.8に規定される耐アルカリ性試験によりUP−
CM、UP−CE、またはUP−CEEに適合する硬化
性樹脂を含有する硬化性樹脂組成物を硬化してなる樹脂
硬化層(B)を形成させる。最後に、樹脂硬化層(B)
上に、モルタル層(A)を形成させる。
【0026】なお、先にも述べたように、樹脂硬化層
(B)からモルタル層(A)にまたがって、粒子(骨
材)を層間アンカーとして存在させるように組み込んで
もよい。本発明に係る複合防水構造体が利用されるもの
は、特に限定されないが、例えば、建築物の屋上、中間
階、地下階、地下室、ベランダ、駐車場(屋外駐車場、
屋内駐車場、地下駐車場など)等である。また、例え
ば、人や車両などの往来の頻繁な場所に用いる等の場合
には、本発明に係る複合防水構造体のモルタル層の上
に、さらにアスファルト舗装層を設けた形態で使用して
もよい。
【0027】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明を
さらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によ
り何ら限定されるものではない。 (実施例1)基板である鋼床版の表面の汚れや錆をサン
ドブラストで取り除いた。次に、1液型ウレタンプライ
マー(商品名:NS−YP、日本触媒社製)を0.2m
mの厚みで均一に塗布し、3時間放置して、指触乾燥程
度に乾燥し、プライマー層を形成した。
【0028】次に、促進剤添加軟質不飽和ポリエステル
樹脂(商品名:エポラックN−5553、日本触媒社
製、引張り伸び率=50%、JIS−K−6919のU
P−Fに適合)に硬化剤(商品名:カヤメックM、化薬
アクゾ社製)を1重量%添加配合した硬化剤添加樹脂を
0.4mmの厚みで均一に塗布し、続いて、その上にガ
ラスマット#380、2プライにガラス含有量が約23
重量%となるように同様の硬化剤添加樹脂を含浸させ、
3時間放置して、指触乾燥程度に硬化させて約2mm厚
の防水層を形成した。続いて、不飽和ポリエステル樹脂
(商品名:エポラックN−350L、日本触媒社製、J
IS−K−6919のUP−CEに適合)に硬化剤(商
品名:カヤメックM、化薬アクゾ社製)と硬化促進剤
(商品名:オクテンサンコバルト、日本触媒社製)を配
合した樹脂組成物(不飽和ポリエステル樹脂/硬化剤/
硬化促進剤=100/1/0.3重量部)を1mmの厚
みで均一に塗布し、さらに、該樹脂組成物が硬化する前
に塗布面に骨材(砕石6号、粒径5〜13mm)を表面
積の約1/5程度の占有となるように塗布し、4時間放
置して、樹脂硬化層を形成した。
【0029】続いて、モルタルコンクリートを打設して
硬化させ、厚み30mmのモルタル層を形成して、複合
防水構造体(1)を作成した。 (実施例2)JIS規格歩道用コンクリート平板(30
0×300×60mm)表面に、実施例1と同様にし
て、プライマー層、防水層を作成した。続いて、ビニル
エステル樹脂(商品名:エポラックRF−701、日本
触媒社製、JIS−K−6919のUP−CEEに適
合)に硬化剤(商品名:カヤメックM、化薬アクゾ社
製)と硬化促進剤(商品名:PRO−VE、日本触媒社
製)を配合した樹脂組成物(ビニルエステル樹脂/硬化
剤/硬化促進剤=100/1/0.5重量部)を1mm
の厚みで均一に塗布し、さらに、該樹脂組成物が硬化す
る前に塗布面に骨材(砕石6号、粒径5〜13mm)を
表面積の約1/5程度の占有となるように塗布し、4時
間放置して、樹脂硬化層を形成した。
【0030】続いて、モルタルコンクリートを打設して
硬化させ、厚み30mmのモルタル層を形成して、複合
防水構造体(2)を作成した。 (比較例1)実施例1と同様にして、鋼床版表面にプラ
イマー層、防水層を作成した。続いて、防水層に使用し
た樹脂と同様の樹脂に硬化剤(商品名:カヤメックM、
化薬アクゾ社製)を配合した樹脂組成物(不飽和ポリエ
ステル樹脂/硬化剤=100/1重量部)を1mmの厚
みで均一に塗布し、さらに、該樹脂組成物が硬化する前
に塗布面に骨材(硅砂2号、粒径2〜5mm)を表面積
の約1/5程度の占有となるように塗布し、4時間放置
して、樹脂硬化層を形成した。
【0031】続いて、モルタルコンクリートを打設して
硬化させ、厚み30mmのモルタル層を形成して、比較
複合防水構造体(1)を作成した。 (実施例3,4、比較例2)実施例1,2および比較例
1で得られた複合防水構造体(1),(2)および比較
複合防水構造体(1)について、接着力を以下の建研式
接着力試験機を用いた方法により評価した。すなわち、
得られた構造体をコアカッターで4.0cm×4.0c
mの正方形に、切り込みを鋼床版に達するまで行った。
次に、該正方形上にアタッチメントをエポキシ樹脂接着
剤(商品名:セメダイン1500、セメダイン社製)で
取り付けた。4日間養生して接着剤を硬化させ、建研式
接着力試験機(商品名:LPT−1500、山本工重機
社製)で測定した。載荷速度は約1kgf/cm2 /s
ecとし、破壊強度値は次式により算出した。
【0032】破壊強度値(kgf/cm2 )=破壊荷重
(kgf)/接着面積(cm2 ) 結果を表1に示した。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、FRP防水工法におい
てモルタル層を施す場合に、モルタル層に由来するアル
カリ成分に対する耐アルカリ性に優れ、また、重量や衝
撃に対する耐久性にも優れ、結果として防水性に極めて
優れた、新規な複合防水構造体を提供することができ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上から、 (A)モルタル層、 (B)硬化物がJIS−K−6919(1992)5.
    2.8に規定される耐アルカリ性試験によりUP−C
    M、UP−CE、またはUP−CEEに適合する硬化性
    樹脂を含有する硬化性樹脂組成物を硬化してなる樹脂硬
    化層、 (C)硬化物の引張り伸び率が20〜200%である熱
    硬化性樹脂、および、繊維強化材を含有する熱硬化性樹
    脂組成物を硬化してなる繊維強化熱硬化性樹脂防水層、 (D)プライマー層、 (E)基板、 の構成を有することを特徴とする、複合防水構造体。
  2. 【請求項2】上記(B)層から(A)層にまたがって粒
    子が存在する、請求項1に記載の複合防水構造体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005232786A (ja) * 2004-02-19 2005-09-02 Aica Kogyo Co Ltd 防水用複合被覆体の施工方法
CN105183958A (zh) * 2015-08-24 2015-12-23 哈尔滨工程大学 一种复合材料层合结构三维振动分析方法
JP2016079598A (ja) * 2014-10-14 2016-05-16 株式会社植木組 覆工板及びその製造方法

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