JP2002038378A - ポリ乳酸系繊維の熱収縮性向上方法 - Google Patents

ポリ乳酸系繊維の熱収縮性向上方法

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JP2002038378A
JP2002038378A JP2000224023A JP2000224023A JP2002038378A JP 2002038378 A JP2002038378 A JP 2002038378A JP 2000224023 A JP2000224023 A JP 2000224023A JP 2000224023 A JP2000224023 A JP 2000224023A JP 2002038378 A JP2002038378 A JP 2002038378A
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polylactic acid
acid
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lactic acid
heat shrinkability
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Kazuhiro Komori
一廣 小森
Takeo Shimizu
壯夫 清水
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Unitika Textiles Ltd
Original Assignee
Unitika Textiles Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリ乳酸系繊維の熱収縮性を向上する。 【解決手段】 ポリ乳酸系繊維にアミノプラスト樹脂ま
たは反応性を有するシリコーン樹脂を付与し、乾燥・熱
処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリ乳酸系繊維の
熱収縮性向上方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の合成繊維はその大部分が石油など
の限りある貴重な化石資源を原料としている。またこれ
らは自然環境下ではほとんど分解されず、廃棄処理が問
題となっている。それに対し、ポリ乳酸はトウモロコシ
などの再生産可能な植物資源を原料としている。ポリ乳
酸は生体内埋植材料として用いられているうえ、ポリ乳
酸の最終分解産物である乳酸は人体中にも広く存在して
おり、きわめて安全性の高いポリマーである。ポリ乳酸
を繊維化したポリ乳酸系繊維は、従来の合成繊維として
の特性を有しながら、コンポストまたは土壌中などの自
然環境下では最終的に炭酸ガスと水に分解される完全生
分解性を持つ。
【0003】このようにポリ乳酸系繊維はいろいろな特
長を有する自然循環型の素材で、環境問題に対応する非
常に有力な材料であるが、実際にポリ乳酸系繊維を繊維
構造体(例えば糸、織物、編物等)として使用すると、
ポリ乳酸系繊維の低融点(170℃)に起因する熱収縮
性が障害となる。即ち、製品におけるアイロンがけの際
に、風合い硬化やテカリとなって現れるのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
課題を解決しようとするものである。すなわち、本発明
は、ポリ乳酸系繊維の熱収縮性を向上する方法を提供す
ることを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の目的を
達成するもので、次の構成よりなるものである。すなわ
ち本発明は、ポリ乳酸系繊維にアミノプラスト樹脂また
は反応性を有するシリコーン樹脂を付与し、乾燥・熱処
理することを特徴とするポリ乳酸系繊維の熱収縮性向上
方法を要旨とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いるポリ乳酸系繊維とは、トウモロコシなど
の再生可能な植物資源から得られるデンプンを出発原料
とし、これを酵素分解することにより得られるグルコー
スを乳酸菌発酵により乳酸とし、さらに化学合成するこ
とにより得られるポリ乳酸を溶融紡糸により繊維化した
ものである。
【0007】ポリ乳酸系繊維を繊維を構成するポリ乳酸
系重合体は、熱可塑性脂肪属ポリエステルであって、ポ
リ(α−ヒドロキシ酸)を主たる繰り返し単位とする重
合体を挙げることができる。具体的には、ポリ(D−乳
酸)、ポリ(L−乳酸)、D−乳酸とL−乳酸との共重
合体、D−乳酸とヒドロキシカルボン酸との共重合体、
L−乳酸とヒドロキシカルボン酸との共重合体、DL−
乳酸とヒドロキシカルボン酸との共重合体等を挙げるこ
とができ、これらの重合体のうち、融点が80℃以上で
ある重合体が好ましい。ここで、乳酸とヒドロキシカル
ボン酸との共重合体である場合におけるヒドロキシカル
ボン酸としては、グルコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒド
ロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシカプ
リル酸等を挙げることができる。
【0008】このようなポリ乳酸系重合体は、数平均分
子量が約20,000以上、好ましくは、40,000
以上のものが製糸性および得られる糸条特性の点で好ま
しい。数平均分子量の上限については、溶融紡糸が行え
るものであればよく、150,000程度であればよ
い。
【0009】ポリ乳酸系重合体には、必要に応じて他の
添加剤、例えば艶消し剤や顔料、結晶核剤等の各種添加
剤を添加してもかまわない。
【0010】ポリ乳酸系繊維の繊維横断面形状は、通常
の丸断面の他、楕円形、菱形、三角形、四角形、多角
形、T形、井形等の異形断面のもの、また中空部を有す
る中空断面形状等のいずれのものを用いることができ、
適宜選択すればよい。
【0011】ポリ乳酸系繊維は、一種のポリ乳酸系重合
体単独からなる単相形態のものであっても、2種以上の
ポリ乳酸系重合体からなる複合形態のものであってもよ
い。複合形態としては、並列型複合形態、多層型複合形
態、芯鞘型複合形態、分割型複合形態、分割型多葉複合
形態を挙げることができ、用途に応じて適宜選択すれば
よい。
【0012】ポリ乳酸系繊維の単糸繊度は、適宜選択す
ればよいが、0.5デシテックス以上であることが好ま
しい。単糸繊度が0.5デシテックス未満であると、生
産量が低下する傾向にあり、また生産量を向上させるた
めに紡糸口金の数を増加させた場合に紡糸工程が不安定
になる。また、単糸繊度の上限についても特に限定され
ない。一般的な冷却風で繊維を固定化させる方法による
製造面からは、56デシテックス程度が好ましい。56
デシテックスを超えると溶融紡糸された糸条の冷却不足
により引き取りが困難になる傾向にあり、また、糸条の
冷却を促進させるために紡糸口金の数を減らした場合に
生産量が低下する。
【0013】本発明では、上述のポリ乳酸系繊維を単独
で、またはポリ乳酸系繊維と他の繊維とを混用する糸、
織物、編物、不織布を用いる。ポリ乳酸系繊維と混用す
る他の繊維としては、ポリエステル、アクリル、ナイロ
ン、アラミド等の合成繊維や絹、綿、麻、獣毛等の天然
繊維、ビスコース、キュプラ、ポリノジック等のレーヨ
ン系繊維、リヨセル等の溶剤紡糸セルロース繊維を挙げ
ることができる。
【0014】混用方法としては一般的に用いられている
方法を適宜選択すればよく、具体的には混綿、混紡、交
撚、精紡交撚、交織、交編等の方法で混用すれば良い。
混用率は任意の割合で用いることができるが、ポリ乳酸
系繊維の混用率が低すぎる場合(5質量%以下)には、
ポリ乳酸系繊維の熱収縮性が発現しないため、本発明の
効果は少ない。
【0015】本発明では上述のポリ乳酸系繊維布帛に、
アミノプラスト樹脂または反応性を有するシリコーン樹
脂を含む水溶液を付与し、乾燥・熱処理を行う。本発明
で用いるアミノプラスト樹脂としては、尿素ホルマリン
樹脂、エチレン尿素系樹脂、メラミン樹脂、グリオキザ
ール尿素系樹脂等の架橋性をを有する繊維素反応型樹脂
を挙げることができる。アミノプラスト樹脂を架橋反応
させるために触媒を用いるが、ここで用いる触媒は、公
知の金属塩系、有機アミン系のものを使用すればよい。
【0016】アミノプラスト樹脂の使用量については、
繊維質量に対して5〜30質量パーセントの範囲で用い
るのが適当である。アミノプラスト樹脂がこれよりも少
ないと十分な熱収縮の改善効果が得られず、多すぎると
風合いが硬化するとともに使用量に見合う性能が得られ
ず経済的なロスが大きい。触媒の使用量はアミノプラス
ト樹脂の使用量に適宜対応して用いればよい。
【0017】本発明で用いる反応性を有するシリコーン
樹脂としては、オルガノポリシロキサンポリマー骨格の
側鎖や末端に水酸基、アミノ基、エポキシ基を持ち、熱
処理によりエラストマーを形成するタイプのものを挙げ
ることができる。
【0018】反応性を有するシリコーン樹脂脂は、繊維
質量に対して5〜30質量パーセントの範囲で用いるの
が適当である。反応性を有するシリコーン樹脂がこれよ
りも少ないと、十分な熱収縮の改善効果が得られず、多
すぎると風合いの過剰なぬめり感をもたらし、滑脱抵抗
力を減少させるとともに使用量に見合う性能が得られず
経済的なロスが大きい。
【0019】本発明ではポリ乳酸系繊維布帛に上述のア
ミノプラスト樹脂または反応性を有するシリコーン樹脂
を含む水溶液を付与し、乾燥・熱処理を行が、付与の方
法としてはスプレー法、浸漬法等の公知の方法を用いれ
ばよく、実用的にはパディング法が好ましい。その後、
乾燥、熱処理を行う。乾燥は80〜150℃で、好まし
くは80〜130℃で0.5〜5分間行い、熱処理は1
10〜150℃で、好ましくは110〜150℃で0.
5〜5分間行う。本発明は、以上の構成を有するもので
ある。
【0020】
【実施例】次に、実施例をあげて本発明を記述するが、
実施例における布帛の性能の測定は、温度20℃、湿度
40%RHにて下記の方法で行った。
【0021】熱収縮性 熱収縮性の測定は、張力の影響を除去するためコンベア
ータイプの樹脂加工装置を用いて乾熱処理を行い、下記
の計算式により乾熱収縮率を算出した。 乾熱処理前 : L1 乾熱処理後 : L2
【0022】実施例1 光学純度が98.8%で、融点170℃、MFR25g
/10分のポリL−乳酸樹脂を溶融し、紡糸温度220
℃、吐出量33g/分の条件下で、孔数36の紡糸口金
より溶融防糸した。次に、紡出糸条を冷却装置にて冷却
し、紡糸油剤(分子量600のポリエチレングリコ−ル
モノオレ−トを20重量%含有した油剤)を0.6重量
%付与した後、第1ロ−ラ−温度100℃、第1ロ−ラ
−速度3000m/分、第2ロ−ラ−温度120℃、第
2ロ−ラ−速度4000m/分、巻取速度3970m/
分で巻き取って、繊維長64mm、繊度が2.2dte
xのポリ乳酸繊維を得た。得られたポリ乳酸繊維を用い
て、撚数19.6回/2.54cm(撚係数3.3)で
40番手(メ−トル番手)の糸を紡績し、双糸としこれ
を、経緯糸として用い、経密度85本/2.54cm緯
密度50本/2.54cmで平織の織物を得た。得られ
た織物を、下記処方1に示す処理液で90℃で30分間
糊抜き・精練を行い、乾燥させ、次いで、下記処方2に
示す処理液を上述の被加工布帛にピックアップ60%で
パディング法により付与した後、100℃で120秒間
乾燥し、続いて、150℃で150秒間熱処理して本発
明の加工布帛(実施例1)を得た。
【0023】処方1 ビオテックスSL 1%(ナガセ生化学工業株式会
社製 酸化糊抜剤) 炭酸ナトリウム 0.2%
【0024】処方2 スミテックスレジンNS−19 15% (住友化学工業株式会社製 グリオキザール系樹脂) スミテックスアクセラレーターX−110 4.5% (住友化学工業株式会社製 金属塩系触媒)
【0025】実施例2 実施例1と同一の試料を用いて、同一の方法で糊抜き・
精練されたポリ乳酸繊維100%の織物を被加工布帛と
して用意した。次に、下記処方3に示す処理液を上述の
被加工布帛にピックアップ60%でパディング法により
付与した後、100℃で120秒間乾燥し、続いて、1
50℃で150秒間熱処理して本発明の加工布帛(実施
例2)を得た。
【0026】処方3 クインセッターSIE 5%(コタニ化学工
業株式会社製 エポキシ変性シリコーン樹脂) クインセッターSIスーパー 5%(コタニ化学工
業株式会社製 OH変性シリコーン樹脂)
【0027】本発明の比較として、実施例1の糊抜き・
精練を行っただけの試料(未加工布)を比較に呈した。
本発明及び比較用の未加工織物の熱収縮率を測定・算出
し、その結果を表1に示した。
【0028】
【表1】
【0029】表1から明らかなように、実施例1および
2の加工織物は、比較例の未加工織物と比較して、熱収
縮率が小さく、熱収縮性が向上していることがわかる。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、ポリ乳酸系繊維にアミ
ノプラスト樹脂または反応性を有するシリコーン樹脂を
付与し、乾燥・熱処理することによりポリ乳酸系繊維の
熱収縮性を向上することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリ乳酸系繊維にアミノプラスト樹脂ま
    たは反応性を有するシリコーン樹脂を付与し、乾燥・熱
    処理することを特徴とするポリ乳酸系繊維の熱収縮性向
    上方法。
  2. 【請求項2】 ポリ乳酸系繊維が、ポリ(D−乳酸)、
    ポリ(L−乳酸)、D−乳酸とL−乳酸との共重合体、
    D−乳酸とヒドロキシカルボン酸との共重合体、D−乳
    酸とL−乳酸とヒドロキシカルボン酸との共重合体から
    選ばれるいずれかの重合体、あるいはこれらのブレンド
    体であることを特徴とする請求項1に記載のポリ乳酸系
    繊維の熱収縮性向上方法。
JP2000224023A 2000-07-25 2000-07-25 ポリ乳酸系繊維の熱収縮性向上方法 Withdrawn JP2002038378A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002294565A (ja) * 2001-03-30 2002-10-09 Toray Ind Inc ポリエステル系繊維構造物

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002294565A (ja) * 2001-03-30 2002-10-09 Toray Ind Inc ポリエステル系繊維構造物
JP4665329B2 (ja) * 2001-03-30 2011-04-06 東レ株式会社 ポリエステル系繊維構造物

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