JP2002037775A - カルバゾールの回収方法 - Google Patents

カルバゾールの回収方法

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JP2002037775A
JP2002037775A JP2000223910A JP2000223910A JP2002037775A JP 2002037775 A JP2002037775 A JP 2002037775A JP 2000223910 A JP2000223910 A JP 2000223910A JP 2000223910 A JP2000223910 A JP 2000223910A JP 2002037775 A JP2002037775 A JP 2002037775A
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JP
Japan
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carbazole
type
type zeolite
faujasite
adsorbent
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JP2000223910A
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Toshihide Senzaki
利英 千崎
Takahiro Imamura
高弘 今村
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Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カルバゾールの他にアントラセンやフェナン
トレン等を含む混合物から、カルバゾールを効率よく吸
着分離する。 【解決手段】 カルバゾールを含む芳香族炭化水素混合
物を、フォ−ジャサイト型ゼオライト吸着剤と接触させ
て、吸着分離法によりカルバゾールを分離、回収する。
好ましいフォ−ジャサイト型ゼオライト吸着剤として
は、ナトリウム又はカリウムイオンで置換されたY型フ
ォ−ジャサイト型ゼオライトが挙げられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はコールタールを精製
して得られるアントラセン留分等に含まれるカルバゾー
ルを、吸着分離法により回収する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】石炭の高温乾留に由来するコールタール
には、インドール類、カルバゾール類が含まれている。
これらの含窒素ヘテロ環化合物は医薬品、農薬等の有機
合成原料として欠くことができないものであり、コール
タールからの各種回収方法が考案されている。
【0003】例えば、カルバゾールを含むアントラセン
留分には、アントラセン、フェナンスレン等が多量に含
まれ、沸点が近似しているために汎用的な分離技術であ
る蒸留法で工業的に回収することは困難である。
【0004】カルバゾールの分離方法としては、混合物
をカリウム塩とし、これを有機溶剤で洗浄して高純度の
カリウム塩を得、ついで加水分解する方法(特開昭55
−20722号公報)、混合物にジメチルホルムアミド
を抽出溶媒として用い、抽出された溶剤中からカルバゾ
ールを回収する方法(特開昭58−103327号公
報)、カルバゾール含有油にポリアルキレングリコール
を添加し、蒸留する方法(特開平5−178829号公
報)が提案されている。
【0005】これらの方法は、強アルカリを高温度で使
用する必要があるため、危険性を伴った分離法であった
り、カルバゾールを蒸留分離するため、又は高沸点の溶
剤を使用するため、高温又は高真空を必要とした蒸留が
必要であり、エネルギー消費の高い分離方法である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、カル
バゾールを含む混合油から、各成分を効率よく分離回収
する工業的方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、カ
ルバゾールを含む混合物から、吸着分離法により両成分
を分離する方法において、吸着剤としてフォージャサイ
ト型ゼオライトを使用することを特徴とするカルバゾー
ルの分離方法である。有利には、吸着剤としてY型フォ
−ジャサイト型ゼオライトを、より有利には、ナトリウ
ム、カリウムイオンで置換されたY型フォ−ジャサイト
型ゼオライトを使用するカルバゾールの分離方法であ
る。
【0008】本発明の方法において使用されるゼオライ
トは、フォ−ジャサイト型ゼオライトである。フォ−ジ
ャサイト型ゼオライトとは次式で示される結晶性アルミ
ノシリケ−トである。 0.9±0.2M2/nO:Al23:xSiO2:yH2
O (ここで、Mはカチオンを示し、nはその原子価を表
す。) 上式のフォージャサイト型ゼオライトはX型とY型に分
類され、X型はx=2.5±0.5であり、Y型はx=
3〜6で表される。また、yは水和の程度により異な
る。本発明では、X型又はY型フォ−ジャサイトゼオラ
イトを使用することが好ましく、特にY型フォ−ジャサ
イトゼオライトが好ましい吸着剤である。
【0009】本発明で使用するフォ−ジャサイト型ゼオ
ライトは、水素イオン、アンモニウムイオンタイプのも
のでもよいが、1種又は2種以上の金属イオンで置換さ
れているものが好ましい。そして、金属イオンの置換率
に限定はなく、陽イオンの一部又は全部を置換してもよ
い。好ましくは10%以上である。
【0010】置換される金属イオンとしては、例えば、
ナトリウム、カリウム、銀、カルシウム、ストロンチウ
ム、バリウム、亜鉛、鉛、セリウム、マグネシウム、
銅、アルミニウム、ジルコニウム、バナジウム、モリブ
デン、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、白金等のイ
オンがあげられる。これらの内、好ましくは、ナトリウ
ム、カリウムのイオンである。
【0011】これらカチオンのイオン交換方法は、交換
するイオンの水溶性の塩、例えば塩酸塩、硝酸塩、硫酸
塩、炭酸塩等の水溶液とゼオライトを接触させることに
よって行われる。水溶液の金属イオン濃度は、金属塩の
種類によって異なるが1〜10wt%程度が好ましい。
その方式はバッチ式でも流通式でもよい。また、接触は
必要に応じて数回繰り返して行ってもよい。このときの
温度は20〜100℃程度でよい。イオンの交換量はイ
オンの種類によって異なるが、溶液の濃度、イオン交換
時の温度などにより任意に設定することができる。
【0012】本発明で用いられるフォージャサイト型ゼ
オライトの形状は、前記被分離物とゼオライトの接触方
法により適当に選択され、圧縮成型品及びスプレ−ドラ
イヤ−等による成型品又は粉末体でもよい。
【0013】また、本発明の方法では脱離剤を使用する
ことが好ましく、ここで使用する脱離剤としては、公知
の脱離剤を使用することができ、例えば、ベンゼン、ト
ルエン、各種キシレン、エチルベンゼン、シメン、n−
プロピルベンゼン、イソプロピルベンゼン、テトラリン
などの芳香族炭化水素類、例えば、ジエチルエ−テル、
イソプロピルエ−テル、n−プロピルエ−テル、アニソ
−ル、テトラヒドロフラン等のエ−テル類、例えば、ア
セトン、メチルエチルケトン等のケトン類、例えば、ク
ロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエンなど
の芳香族ハロゲン化合物、例えば、酢酸ブチル、酢酸エ
チルなどのエステル類、等があげられる。好ましくは、
キシレン等の芳香族炭化水素類である。
【0014】カルバゾールを含む混合物としては、カル
バゾールを含有するものであればよいが、好ましくは、
コールタールや石炭液化油等から蒸留、酸抽出等の操作
を経て回収される250から400℃の範囲の成分を含
む留分である。かかる留分は、カルバゾールの他、沸点
の近接したアントラセン、フェナントレン、フルオレン
等の芳香族炭化水素を含むが、カルバゾールの濃度は1
0重量%以上であることが好ましい。なお、フェノール
類のような酸性分やピッチのような重質分はあらかじめ
除去しておくことが望ましい。
【0015】
【発明の実施形態】本発明方法によってカルバゾールを
吸着分離する方法としては、クロマト分取法でもよく、
また、擬似移動床による連続吸着分離法でもよい。擬似
移動床による連続的吸着分離法は、複数の吸着等を設置
して、吸着、濃縮、脱離の操作をそれぞれの塔で行い、
これらの塔を順次、切り換えることによって、各操作を
連続して行う工業的プロセスである。
【0016】まず、カルバゾール混合物又はこれを必要
に応じて希釈剤で希釈した供給原料をフォ−ジャサイト
型ゼオライト吸着剤に接触させて、強吸着成分を選択的
に吸着させ、一方、弱吸着成分をラフィネ−トとして分
離する(吸着操作)。次いで、弱吸着成分に富むラフィ
ネ−トをさらに吸着剤と接触させて残存する強吸着成分
を吸着させ、ラフィネ−トの弱吸着成分を濃縮する(濃
縮操作)。更に、吸着された強吸着成分を脱離剤によっ
て吸着剤から脱離させ、エクストラクトとして脱離剤と
共に回収する(脱離操作)。
【0017】本発明の吸着分離操作は、気相又は液相の
いずれでも行うことができるが、温度を低くした方が副
反応を抑制できるので、液相で行うことが好ましい。操
作条件としては、温度は0℃から200℃、好ましくは
20〜150℃、圧力は大気圧から50kg/cm2・Gの
範囲がよい。
【0018】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。実施例及び比較例において、吸着特性を次式で計算
される分離係数αで表す。 α=(A成分の吸着量/A成分の未吸着量)/(B成分の吸着
量/B成分の未吸着量) 以下の実施例及び比較例において、カルバゾールをA成
分として、アントラセンをB成分として、αを計算して
いる。また、各成分の量は重量基準である。上式におい
て、αが1.0であれば、A、B成分間に選択的な吸着
はない。また、αが1.0より大であれば、A成分が選
択的に吸着され、1.0より小であれば、B成分が選択
的に吸着される。したがって、A成分とB成分の分離
は、αが1.0より大であるほど又は1.0より小であ
るほど、A成分とB成分の吸着分離が容易であることが
分かる。
【0019】実施例1 市販のNa置換Y型フォ−ジャサイトゼオライト(シリ
カ/アルミナ比:5.5)を350℃、4時間焼成し、
デシケーターで冷却した。この吸着剤4gと液相混合物
42.1gを三角フラスコへ充填し、50℃で3時間振
とうして充分に接触させた。液相混合物組成比はカルバ
ゾール混合物:トルエン:1,3,5−トリイソプロピ
ルベンゼン=1:40:0.1(重量比)であった。カ
ルバゾール混合物は、コールタールから分離された新日
鐵化学社製を使用し、その組成は、カルバゾール18
%、アントラセン28%、フェナンスレン15%、その
他39 %であった。なお、1,3,5−トリイソプロ
ピルベンゼンはガスクロマトグラフィー分析の内部標準
物質として添加したものである。
【0020】ついで、吸着剤と接触後の液層混合物をガ
スクロマトグラフィーにより分析して、その組成比から
分離係数αを求めた。Aをカルバゾール、Bをアントラ
センとした結果 α=10.7であった。
【0021】実施例2 実施例1で使用したトルエン溶剤の代わりにp−キシレ
ンを使用し、同様の手法で測定を実施した。このときの
分離係数αは、30.6であった。
【0022】実施例3 実施例1で使用したトルエン溶剤の代わりに1−メチル
ナフタレンを使用し、同様の手法で測定を実施した。こ
のときの分離係数αは、11.7であった。
【0023】実施例4 市販のK置換Y型フォ−ジャサイトゼオライト(シリカ
/アルミナ比:5.5)を使用した。その他は実施例1
と同様とした。このときの分離係数αは、16.5であ
った。
【0024】実施例5 実施例4で使用したトルエン溶剤の代わりにp−キシレ
ンを使用し、同様の手法で測定を実施した。このときの
分離係数αは、28.3であった。
【0025】実施例6 実施例4で使用したトルエン溶剤の代わりに1−メチル
ナフタレンを使用し、同様の手法で測定を実施した。こ
のときの分離係数αは、10.7であった。
【0026】比較例1 実施例1のNa置換Y型ゼオライトに代えて、市販のN
a置換A型ゼオライトを吸着剤として使用し、実施例1
と同様に実験を行った。このときの分離係数αは、1.
05であった。
【0027】
【発明の効果】本発明の回収方法によれば、アントラセ
ンやフェナントレン等を含む混合物から、カルバゾール
を強吸着成分として効率よく分離することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルバゾールを含む芳香族炭化水素混合
    物から、吸着分離法によりカルバゾールを分離する方法
    において、吸着剤としてフォ−ジャサイト型ゼオライト
    を使用することを特徴とするカルバゾールの回収方法。
  2. 【請求項2】 吸着剤が、ナトリウム又はカリウムイオ
    ンで置換されたY型フォ−ジャサイト型ゼオライトであ
    る請求項1に記載のカルバゾールの分離方法。
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