JP2002037766A - 高級脂肪酸アルカノールアミドの製造法 - Google Patents
高級脂肪酸アルカノールアミドの製造法Info
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Abstract
ルアミドを簡単な操作で効率的に製造する方法の提供。 【解決手段】 脂肪酸あるいはそのエステルを、アルカ
ノールアミンと反応させ、高級脂肪酸アルカノールアミ
ド(3)を製造する際に、ボロハイドライド(4)又は
ハイドライド(5)から選ばれる無機還元剤を添加す
る。 【化1】 (R1は炭素数5〜21のアルキル基等、R2は水素原子、ヒ
ドロキシエチル基、又は炭素数1〜8のアルキル基、R3
は炭素数1〜6のアルキレン基を示す。) M1(BH4)m (4) (M1はアルカリ金属、アルカリ土類金属等、mは1〜4
の数) M2Hn (5) (M2はアルカリ金属、アルカリ土類金属等、nは1〜4
の数)
Description
酸アルカノールアミドの製造法に関し、さらに詳しくは
匂いが改善され、かつ経時保存に伴う匂いの劣化の少な
いアルカノールアミドの製造法に関する。
肪酸アルカノールアミドは、洗浄剤や香粧品の成分とし
て広く用いられている基剤である。こうした洗浄剤や香
粧品は人体に直接付着する機会が多いことから、配合成
分自体の匂いの善し悪しが製品価値を左右することも多
く、十分に匂いの良好な成分を配合することが不可欠で
ある。
脂肪酸エステルとアルカノールアミンを縮合することに
よって製造されている。この際、製品の匂いに影響を与
える因子として、アルカノールアミン中に微量に存在す
るアルデヒドが挙げられる。このアルデヒドは反応終了
時に水蒸気蒸留等により、改善することが知られている
が、十分に匂いの良好なアルカノールアミドを得ること
は困難であった。この異臭に対しては、アルカノールア
ミド製造後の水蒸気蒸留等の処理はあまり有効とは言え
ないことから、十分に匂いの良好なアルカノールアミド
を得ることは非常に困難であった。
級脂肪酸アルカノールアミドを簡単な操作で効率的に製
造する方法を提供することにある。
キル基、アルケニル基又はヒドロキシアルキル基を示
す。)で表される脂肪酸、あるいはこの脂肪酸のエステ
ルを、一般式(2)
基、又は炭素数1〜8の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル
基を示す。R3は炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖のア
ルキレン基を示す。)で表されるアルカノールアミンと
反応させ、一般式(3)
示す。)で表される高級脂肪酸アルカノールアミドを製
造する際に、一般式(4) M1(BH4)m (4) (式中、M1はアルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミ
ニウム、アンモニウム、4級アンモニウム又はアミンを
示し、mはM1の価数を示す1〜4の数である。)で表さ
れるボロハイドライド、又は一般式(5) M2Hn (5) (式中、M2はアルカリ金属、アルカリ土類金属、チタン
又はジルコニウムを示し、nはM2の価数を示す1〜4の
数である。)で表されるハイドライドから選ばれる無機
還元剤を添加する、高級脂肪酸アルカノールアミドの製
造法である。
で表される脂肪酸としては、直鎖又は分岐鎖をもつ炭素
数6〜22の高級脂肪酸から選ばれる1種以上が挙げられ
る。具体的にはカプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、イソステアリン酸、オレイン酸、ノナデカン酸、ベ
ヘニン酸、エルカ酸、12−ヒドロキシステアリン酸や、
ヤシ油脂肪酸、綿実油脂肪酸、トウモロコシ油脂肪酸、
牛脂脂肪酸、ババス脂肪酸、パーム核油脂肪酸、大豆油
脂肪酸、あまに油脂肪酸、ひまし油脂肪酸、オリーブ油
脂肪酸、鯨油脂肪酸等の植物油又は動物油脂肪酸が挙げ
られる。
肪酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエス
テル等の炭素数1〜6のアルキルエステル、あるいは上
記高級脂肪酸のモノ、ジ又はトリグリセライドやこれら
の混合物が挙げられる。
リン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、
イソステアリン酸、オレイン酸、ヤシ油脂肪酸、パーム
核油脂肪酸、あるいはそれらのメチルエステル、エチル
エステル、プロピルエステル、トリグリセライド(油
脂)であり、特に好ましくはメチルエステルあるいは油
脂である。
るアルカノールアミンにおいて、R2としては水素原子、
ヒドロキシエチル基、メチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−
ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基等が挙げ
られ、炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基
が好ましい。R3としてはメチレン基、エチレン基、プロ
ピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレ
ン基、へキシレン基等が挙げられ、炭素数1〜3の直鎖
もしくは分岐鎖のアルキレン基が好ましい。
ンの具体例として、モノエタノールアミン、ジエタノー
ルアミン、イソプロパノールアミン、N−メチルエタノ
ールアミン、N−メチルイソプロパノールアミン、N−
エチルエタノールアミン、N−エチルブタノールアミン
等があり、好ましくはモノエタノールアミン、ジエタノ
ールアミン、イソプロパノールアミン、N−メチルエタ
ノールアミン、N−メチルイソプロパノールアミンであ
り、特に好ましくはN−メチルエタノールアミン、N−
メチルイソプロパノールアミンである。
とアルカノールアミンとの反応に関しては、特に限定さ
れるものではなく、広く知られている方法で反応を行っ
て良い。例えば、脂肪酸とアルカノールアミンとの反応
では、双方を同時に仕込み高温下で脱水縮合を行う方法
や、高温下において脂肪酸中にアルカノールアミンを滴
下して反応させる方法等がある。また、脂肪酸エステル
を用いた反応においては、アルカリ触媒の存在下、80〜
120℃でアルカノールアミンと反応させることにより、
容易に目的とするアルカノールアミドが得られる。脂肪
酸又はそのエステルとアルカノールアミンとは、脂肪酸
又はそのエステルに対し、アルカノールアミン0.7〜1.3
当量で反応させることが好ましい。
ルと、アルカノールアミンを反応させる工程時に上記の
様な無機還元剤を添加する。
般式(4)で表されるボロハイドライドとしては、NaBH
4、LiBH4、KBH4、Ca(BH4)2、Ba(BH4)2、Mg(BH4)2、Sr(B
H4)2、Li・Al(BH4)4、テトラメチルアンモニウムボロハ
イドライド、テトラエチルアンモニウムボロハイドライ
ド、テトラプロピルアンモニウムボロハイドライド、テ
トライソプロピルアンモニウムボロハイドライド、トリ
エチルアミンボロハイドライド、トリイソプロピルアミ
ンボロハイドライド、トリブチルアミンボロハイドライ
ド、トリイソブチルアミンボロハイドライド等が挙げら
れ、又一般式(5)で表されるハイドライドとしては、
NaH、KH、LiH、CaH2、TiH4、ZrH4等が挙げられる。
表されるボロハイドライドが好ましく、特に一般式
(4)におけるM1がアルカリ金属又はアルカリ土類金属
であり、mが1又は2であるボロハイドライドが好まし
く、更に好ましくはNaBH4、LiBH4、更に特に好ましくは
NaBH4である。
原料として脂肪酸を用いた場合は、無機還元剤が酸性下
では分解しやすいため、アルカノールアミンに無機還元
剤を添加後、脂肪酸と反応させるか、又は脂肪酸とアル
カノールアミンを仕込んだ後に無機還元剤を添加して反
応させることが好ましい。また脂肪酸エステルを用いた
場合は、無機還元剤の添加時期は特に問題とならず、い
ずれの時期に添加しても良い。
は、脂肪酸又は脂肪酸エステルに対して0.0001〜5重量
%が好ましく、0.005〜0.3重量%が更に好ましい。
度や時間等は特に限定されないが、例えば処理温度は、
0〜180℃、処理を行っている間の圧力は、常圧、加
圧、減圧下いずれでも構わない。
が残っている場合は、必要に応じて定法に従い、反応終
了後に減圧下、80〜120℃で水蒸気と接触させること
で、残存アミンを除去することができる。
を備えた500ml4つ口フラスコに、ラウリン酸200gとN
−メチルエタノールアミン83gを仕込んだ後に、ソジウ
ムボロハイドライド(SBH)0.1gを添加した。この際の
ラウリン酸に対するN−メチルエタノールアミンのモル
比は1.1であった。次に昇温し160℃で7時間反応を行っ
た。この間にアミン価は8まで低下した。次に同温度を
維持しながら圧力を200Paまで低下させ、未反応のN−
メチルエタノールアミンを除去した後に冷却してアルカ
ノールアミドを得た。
214gとN−メチルエタノールアミン83g、28%ナトリ
ウムメトキシド4gを仕込んだ後に、SBH 0.1gを添加
した。この際のラウリン酸メチルエステルに対するN−
メチルエタノールアミンのモル比は1.1であった。次に9
0℃に昇温し、常圧下で3時間反応させた。このときア
ミン価は25まで低下した。次に圧力を200Paまで低下さ
せ、未反応のN−メチルエタノールアミンを除去した後
に冷却してアルカノールアミドを得た。
214gとN−メチルイソプロパノールアミン98g、28%
ナトリウムメトキシド4gを仕込んだ後に、SBH 0.1g
を添加した。この際のラウリン酸メチルエステルに対す
るN−メチルイソプロパノールアミンのモル比は1.1で
あった。次に90℃に昇温し、常圧下で3時間反応させ
た。このときアミン価は25まで低下した。次に圧力を20
0Paまで低下させ、未反応のN−メチルイソプロパノー
ルアミンを除去した後に冷却してアルカノールアミドを
得た。
チルエタノールアミン79g、28%ナトリウムメトキシド
4g、SBH 0.1gを仕込んだ。この際のパーム核油に対
するN−メチルエタノールアミンのモル比は3.3であっ
た。次に90℃に昇温し、常圧下で3時間反応させた。こ
のときアミン価は18まで低下した。次に圧力を200Paま
で低下させ、未反応のN−メチルエタノールアミンを除
去した後に冷却してアルカノールアミドを得た。
214gとN−メチルエタノールアミン83g、28%ナトリ
ウムメトキシド4gを仕込んだ。この際のラウリン酸メ
チルエステルに対するN−メチルエタノールアミンのモ
ル比は1.1であった。次に90℃に昇温し、常圧下で3時
間反応させた。このときアミン価は25まで低下した。同
温度を維持したまま圧力を200Paまで低下させ、未反応
のN−メチルエタノールアミンを除去した後に冷却して
アルカノールアミドを得た。
蒸留して、アルカノールアミドを得た。
アルカノールアミドについて、以下の方法でアミン価を
測定し、匂いを評価した。結果を表1に示す。
ラスコに秤取り、99%中性エタノール35mlを加えて溶解
し、メチレンブルーを指示薬として、0.2N塩酸−エタ
ノール規定液で滴定し、次式よりアミン価を求めた。
滴定液力価)/サンプル量 <匂いの評価基準> ○:ほとんど匂いがない △:異臭がする ×:強い異臭がする
なアルカノールアミドを得ることができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 一般式(1) R1−COOH (1) (式中、R1は炭素数5〜21の直鎖もしくは分岐鎖のアル
キル基、アルケニル基又はヒドロキシアルキル基を示
す。)で表される脂肪酸、あるいはこの脂肪酸のエステ
ルを、一般式(2) 【化1】 (式中R2は水素原子、ヒドロキシエチル基、又は炭素数
1〜8の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を示す。R3は
炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基を示
す。)で表されるアルカノールアミンと反応させ、一般
式(3) 【化2】 (式中、R1、R2及びR3は上記と同じ意味を示す。)で表
される高級脂肪酸アルカノールアミドを製造する際に、
一般式(4) M1(BH4)m (4) (式中、M1はアルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミ
ニウム、アンモニウム、4級アンモニウム又はアミンを
示し、mはM1の価数を示す1〜4の数である。)で表さ
れるボロハイドライド、又は一般式(5) M2Hn (5) (式中、M2はアルカリ金属、アルカリ土類金属、チタン
又はジルコニウムを示し、nはM2の価数を示す1〜4の
数である。)で表されるハイドライドから選ばれる無機
還元剤を添加する、高級脂肪酸アルカノールアミドの製
造法。 - 【請求項2】 脂肪酸エステルがメチルエステルあるい
は油脂である請求項1記載の高級脂肪酸アルカノールア
ミドの製造法。 - 【請求項3】 R2が炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐鎖
のアルキル基、R3が炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐鎖
のアルキレン基である請求項1又は2記載の高級脂肪酸
アルカノールアミドの製造法。
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---|---|---|---|
JP2000223424A JP2002037766A (ja) | 2000-07-25 | 2000-07-25 | 高級脂肪酸アルカノールアミドの製造法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010505891A (ja) * | 2006-10-09 | 2010-02-25 | クラリアント・ファイナンス・(ビーブイアイ)・リミテッド | 脂肪酸アルカノールアミドの製造方法 |
-
2000
- 2000-07-25 JP JP2000223424A patent/JP2002037766A/ja active Pending
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JP2010505891A (ja) * | 2006-10-09 | 2010-02-25 | クラリアント・ファイナンス・(ビーブイアイ)・リミテッド | 脂肪酸アルカノールアミドの製造方法 |
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