JP2002037764A - 高級脂肪酸アルカノールアミドの製造法 - Google Patents
高級脂肪酸アルカノールアミドの製造法Info
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Abstract
脂肪酸アルカノールアミドの製造法の提供。 【解決手段】 脂肪酸あるいはそのエステルを、アルカ
ノールアミンと反応させた後、酸を添加する、一般式
(3)で表される高級脂肪酸アルカノールアミドの製造
法。 【化1】 (式中、R1は炭素数5〜21の直鎖もしくは分岐鎖のアル
キル基、アルケニル基又はヒドロキシアルキル基、R2は
水素原子、ヒドロキシエチル基、又は炭素数1〜8の直
鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、R3は炭素数1〜6の直
鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基を示す。)
Description
酸アルカノールアミドの製造法に関し、さらに詳しくは
匂いを改善し、外観上濁りのない均質な高純度高級脂肪
酸アルカノールアミドの製造法に関する。
肪酸アルカノールアミドは、洗浄剤や香粧品の成分とし
て広く用いられている基剤である。こうした洗浄剤や香
粧品は人体に直接付着する機会が多いことから、配合成
分自体の匂いの善し悪しが製品価値を左右することも多
く、十分に匂い良好な成分を配合することが不可欠であ
る。また室温で液体状である低融点の高級脂肪酸アルカ
ノールアミドにおいては外観上、濁りやゲル化のない均
質な製品が商品価値を高める上で重要となる。
脂肪酸エステルとアルカノールアミンを縮合することに
よって製造されている。この際、製品の匂いに影響を与
える因子として、微量に存在する未反応のアルカノール
アミンによるアミン臭が挙げられる。このアミン臭は反
応終了時に水蒸気蒸留等により、系内のアミン量を低減
することによって改善する技術が広く知られている。
を製造する際に、触媒としてナトリウムアルコラート等
の塩基性触媒を用いることが多い。この塩基性成分は水
蒸気蒸留による処理でも除去されず、製品中に残存する
ことにより経時保存による匂いの劣化、並びに製品自体
のゲル化を引き起こす原因となる。
蒸留等の処理はあまり有効とは言えないことから、十分
に良好な匂いを保ちかつ、外観上濁りのない均質な高級
脂肪酸アルカノールアミドを得ることは非常に困難であ
った。
く、匂いや外観上の問題のない、品質良好な高級脂肪酸
アルカノールアミドの製造法を提供することにある。
キル基、アルケニル基又はヒドロキシアルキル基を示
す。)で表される脂肪酸、あるいはこの脂肪酸のエステ
ルを、一般式(2)
基、又は炭素数1〜8の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル
基を示す。R3は炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖のア
ルキレン基を示す。)で表されるアルカノールアミンと
反応させた後、酸を添加する、一般式(3)
示す。)で表される高級脂肪酸アルカノールアミドの製
造法である。
で表される脂肪酸としては、直鎖又は分岐鎖をもつ炭素
数6〜22の高級脂肪酸から選ばれる1種以上が挙げられ
る。具体的にはカプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、イソステアリン酸、オレイン酸、ノナデカン酸、ベ
ヘニン酸、エルカ酸、12−ヒドロキシステアリン酸や、
ヤシ油脂肪酸、綿実油脂肪酸、トウモロコシ油脂肪酸、
牛脂脂肪酸、ババス脂肪酸、パーム核油脂肪酸、大豆油
脂肪酸、あまに油脂肪酸、ひまし油脂肪酸、オリーブ油
脂肪酸、鯨油脂肪酸等の植物油又は動物油脂肪酸が挙げ
られる。
肪酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエス
テル等の炭素数1〜6のアルキルエステル、あるいは上
記高級脂肪酸のモノ、ジ又はトリグリセライドやこれら
の混合物が挙げられる。
リン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、
イソステアリン酸、オレイン酸、ヤシ油脂肪酸、パーム
核油脂肪酸、あるいはそれらのメチルエステル、エチル
エステル、プロピルエステル、トリグリセライド(油
脂)であり、特に好ましくはメチルエステルあるいは油
脂である。
るアルカノールアミンにおいて、R2としては水素原子、
ヒドロキシエチル基、メチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−
ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基等が挙げ
られ、炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基
が好ましい。R3としてはメチレン基、エチレン基、プロ
ピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレ
ン基、へキシレン基等が挙げられ、炭素数1〜3の直鎖
もしくは分岐鎖のアルキレン基が好ましい。
ンの具体例として、モノエタノールアミン、ジエタノー
ルアミン、イソプロパノールアミン、N−メチルエタノ
ールアミン、N−メチルイソプロパノールアミン、N−
エチルエタノールアミン、N−エチルブタノールアミン
等があり、好ましくはモノエタノールアミン、ジエタノ
ールアミン、イソプロパノールアミン、N−メチルエタ
ノールアミン、N−メチルイソプロパノールアミンであ
り、特に好ましくはN−メチルエタノールアミン、N−
メチルイソプロパノールアミンである。
に広く使用されている酸の中から選ばれ、例えば、塩
酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、乳酸、グリコール酸、
グリセリン酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、コハ
ク酸、クエン酸、酒石酸、安息香酸、脂肪酸、アスコル
ビン酸等が挙げられる。これらの酸の中でも生成物中に
含まれる残留アミン、アルカリ性触媒等の塩基性成分と
中和して生じた塩のアルカノールアミド中における溶解
性を向上させる目的から、有機酸が好ましく、更に炭素
数7以下、特に炭素数3以下のカルボン酸が好ましい。
具体的には、酢酸、乳酸、グリコール酸、グリセリン酸
が特に好ましい。
匂いと外観の劣化を防ぐために、反応系全量の0.01〜30
重量%が好ましく、更に好ましくは0.05〜10重量%、特
に好ましくは0.5〜5重量%である。特に塩基性触媒を
使用した場合、添加した触媒量を中和するのに必要なだ
け添加するのが好ましい。
表される脂肪酸又はそのエステルと、その0.95〜3当量
倍の一般式(2)で表されるアルカノールアミンを通常
の方法、例えばアルカリ触媒の存在下、常圧下もしくは
減圧下、80〜200℃で3〜20時間反応させ、反応が平衡
に達した時点に於いて、要すれば過剰のアルカノールア
ミンを水蒸気蒸留等により除去後、酸を添加する。酸を
添加する際の操作温度は40〜200℃が好ましく、50〜100
℃が更に好ましい。この際の圧力は常圧下又は減圧下で
もよいが、好ましくは常圧下で行うのがよい。
例えば蒸留、抽出、晶析、クロマト処理工程等により精
製してよいことはいうまでもない。
を備えた500ml4つ口フラスコに、ラウリン酸メチルエ
ステル214gとN−メチルエタノールアミン83g、28%
ナトリウムメトキシド4gを仕込んだ。この際のラウリ
ン酸メチルエステルに対するN−メチルエタノールアミ
ンのモル比は1.1であった。次に90℃に昇温し、常圧下
で3時間反応させた。次に系内温度と圧力を維持しなが
ら水蒸気を10g/Hrの割合で生成物の中に1時間吹き込
んだ。最後に系内の圧力を常圧に戻した後、酢酸を2.5
g加え、冷却して高級脂肪酸アルカノールアミドを得
た。
214gとN−メチルエタノールアミン83g、28%ナトリ
ウムメトキシド4gを仕込んだ。この際のラウリン酸メ
チルエステルに対するN−メチルエタノールアミンのモ
ル比は1.1であった。次に90℃に昇温し、常圧下で3時
間反応させた。次に系内温度と圧力を維持しながら水蒸
気を10g/Hrの割合で生成物の中に1時間吹き込んだ。
最後に系内の圧力を常圧に戻した後、乳酸を3.8g加
え、冷却して高級脂肪酸アルカノールアミドを得た。
ル224gとN−メチルエタノールアミン83g、28%ナト
リウムメトキシド4gを仕込んだ。この際のヤシ油脂肪
酸メチルエステルに対するN−メチルエタノールアミン
のモル比は1.1であった。次に90℃に昇温し、常圧下で
3時間反応させた。次に系内温度と圧力を維持しながら
水蒸気を10g/Hrの割合で生成物の中に1時間吹き込ん
だ。最後に系内の圧力を常圧に戻した後、乳酸を3.8g
加え、冷却して高級脂肪酸アルカノールアミドを得た。
214gとN−メチルイソプロパノールアミン98g、28%
ナトリウムメトキシド4gを仕込んだ。この際のラウリ
ン酸メチルエステルに対するN−メチルイソプロパノー
ルアミンのモル比は1.1であった。次に90℃に昇温し、
常圧下で3時間反応させた。次に系内温度と圧力を維持
しながら水蒸気を10g/Hrの割合で生成物の中に1時間
吹き込んだ。最後に系内の圧力を常圧に戻した後、酢酸
を2.5g加え、冷却して高級脂肪酸アルカノールアミド
を得た。
214gとN−メチルイソプロパノールアミン98g、28%
ナトリウムメトキシド4gを仕込んだ。この際のラウリ
ン酸メチルエステルに対するN−メチルイソプロパノー
ルアミンのモル比は1.1であった。次に90℃に昇温し、
常圧下で3時間反応させた。次に系内温度と圧力を維持
しながら水蒸気を10g/Hrの割合で生成物の中に1時間
吹き込んだ。最後に系内の圧力を常圧に戻した後、乳酸
を3.8g加え、冷却して高級脂肪酸アルカノールアミド
を得た。
−メチルエタノールアミン83g、28%ナトリウムメトキ
シド4gを仕込んだ。この際の精製パーム核油に対する
N−メチルエタノールアミンのモル比は3.3であった。
次に90℃に昇温し、常圧下で3時間反応させた。次に系
内温度と圧力を維持しながら水蒸気を10g/Hrの割合で
生成物の中に1時間吹き込んだ。最後に系内の圧力を常
圧に戻した後、乳酸を3.8g加え、冷却して高級脂肪酸
アルカノールアミドを得た。
214gとN−メチルエタノールアミン83g、28%ナトリ
ウムメトキシド4gを仕込んだ。この際のラウリン酸メ
チルエステルに対するN−メチルエタノールアミンのモ
ル比は1.1であった。次に90℃に昇温し、常圧下で3時
間反応させた。最後に同温度を維持したまま圧力を200P
aまで低下させ、未反応のN−メチルエタノールアミン
を除去し、系内の圧力を常圧に戻し冷却して高級脂肪酸
アルカノールアミドを得た。
214gとN−メチルエタノールアミン83g、28%ナトリ
ウムメトキシド4gを仕込んだ。この際のラウリン酸メ
チルエステルに対するN−メチルエタノールアミンのモ
ル比は1.1であった。次に90℃に昇温し、常圧下で3時
間反応させた。次に系内温度と圧力を維持しながら水蒸
気を10g/Hrの割合で生成物の中に1時間吹き込んだ。
最後に同温度を維持したまま圧力を200Paまで低下さ
せ、系中に残存する水分を除去し、系内の圧力を常圧に
戻した後に冷却して高級脂肪酸アルカノールアミドを得
た。
ル224gとN−メチルエタノールアミン83g、28%ナト
リウムメトキシド4gを仕込んだ。この際のヤシ油脂肪
酸メチルエステルに対するN−メチルエタノールアミン
のモル比は1.1であった。次に90℃に昇温し、常圧下で
3時間反応させた。次に系内温度と圧力を維持しながら
水蒸気を10g/Hrの割合で生成物の中に1時間吹き込ん
だ。最後に同温度を維持したまま圧力を200Paまで低下
させ、系中に残存する水分を除去し、系内の圧力を常圧
に戻し冷却して高級脂肪酸アルカノールアミドを得た。
−メチルエタノールアミン83g、28%ナトリウムメトキ
シド4gを仕込んだ。この際の精製パーム核油に対する
N−メチルエタノールアミンのモル比は3.3であった。
次に90℃に昇温し、常圧下で3時間反応させた。次に系
内温度と圧力を維持しながら水蒸気を10g/Hrの割合で
生成物の中に1時間吹き込んだ。最後に同温度を維持し
たまま圧力を200Paまで低下させ、系中に残存する水分
を除去し、系内の圧力を常圧に戻し冷却して高級脂肪酸
アルカノールアミドを得た。
高級脂肪酸アルカノールアミドの製造直後、及び25℃
1ヶ月保存後の外観並びに匂いについて、下記基準で評
価した。結果を表1に示す。 <外観の評価基準> ○:均一で透明 △:分層、沈殿を生じる ×:ゲル化 <匂いの評価基準> ○:ほとんど匂わない △:異臭がする ×:強い異臭がする
経済的に、匂いの問題のない高品質の高級脂肪酸アルカ
ノールアミドを製造することができる。本発明によって
得られる高級脂肪酸アルカノールアミドは、経時保存に
おいても匂いの劣化がなく、外観上濁りがなく均質であ
り、後処理せずに香粧品等の製品に応用できる。
Claims (4)
- 【請求項1】 一般式(1) R1−COOH (1) (式中、R1は炭素数5〜21の直鎖もしくは分岐鎖のアル
キル基、アルケニル基又はヒドロキシアルキル基を示
す。)で表される脂肪酸、あるいはこの脂肪酸のエステ
ルを、一般式(2) 【化1】 (式中R2は水素原子、ヒドロキシエチル基、又は炭素数
1〜8の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を示す。R3は
炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基を示
す。)で表されるアルカノールアミンと反応させた後、
酸を添加する、一般式(3) 【化2】 (式中、R1、R2及びR3は上記と同じ意味を示す。)で表
される高級脂肪酸アルカノールアミドの製造法。 - 【請求項2】 脂肪酸エステルがメチルエステルあるい
は油脂である請求項1記載の高級脂肪酸アルカノールア
ミドの製造法。 - 【請求項3】 R2が炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐鎖
のアルキル基、R3が炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐鎖
のアルキレン基である請求項1又は2記載の高級脂肪酸
アルカノールアミドの製造法。 - 【請求項4】 酸が有機酸である請求項1〜3のいずれ
か一項に記載の高級脂肪酸アルカノールアミドの製造
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000223423A JP2002037764A (ja) | 2000-07-25 | 2000-07-25 | 高級脂肪酸アルカノールアミドの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000223423A JP2002037764A (ja) | 2000-07-25 | 2000-07-25 | 高級脂肪酸アルカノールアミドの製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002037764A true JP2002037764A (ja) | 2002-02-06 |
Family
ID=18717517
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000223423A Pending JP2002037764A (ja) | 2000-07-25 | 2000-07-25 | 高級脂肪酸アルカノールアミドの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002037764A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101139520B (zh) * | 2007-09-17 | 2012-03-07 | 徐方俊 | 一种烷醇酰胺的制备方法及其在三次采油中的应用 |
-
2000
- 2000-07-25 JP JP2000223423A patent/JP2002037764A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101139520B (zh) * | 2007-09-17 | 2012-03-07 | 徐方俊 | 一种烷醇酰胺的制备方法及其在三次采油中的应用 |
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