JP2002037107A - ダンパーバルブ及びそれを用いた油圧式パワーステアリング装置 - Google Patents

ダンパーバルブ及びそれを用いた油圧式パワーステアリング装置

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JP2002037107A
JP2002037107A JP2000220783A JP2000220783A JP2002037107A JP 2002037107 A JP2002037107 A JP 2002037107A JP 2000220783 A JP2000220783 A JP 2000220783A JP 2000220783 A JP2000220783 A JP 2000220783A JP 2002037107 A JP2002037107 A JP 2002037107A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 弁ハウジングの倒れ等の発生を防ぐことがで
き、安定した性能を確保することができるダンパーバル
ブ及びそれを用いた油圧式パワーステアリング装置を提
供する。 【解決手段】 ダンパーバルブ20は、油圧ポンプ7側
に接続される一端部21a、及び油圧シリンダ(油圧ア
クチュエータ)6側に接続される他端部21bを有する
筒状のケーシング21と、ケーシング21内でスプリン
グ23によって上記他端部21b側に付勢され、かつ移
動可能に配置した筒状の弁ハウジング22とを備える。
油圧シリンダ6から油圧ポンプ7に流れようとする作動
油の圧力がスプリング23の付勢力よりも大きい場合、
その作動油の圧力によって弁ハウジング22をケーシン
グ21のガイド部21cにガイドさせた状態で油路に沿
って移動させて、他端部21bから連通部27を経て一
端部21aに導く第2通路26を通して作動油の流通を
許容する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の車両に
搭載され、油圧ポンプと油圧アクチュエータとの間の油
圧回路に設けられるダンパーバルブ及びそれを用いた油
圧式パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両用の舵取装置として、油圧に
よって操舵力を補助する油圧式パワーステアリング装置
が多用されている。この油圧式パワーステアリング装置
は、油圧ポンプから吐出される作動油を、油圧シリンダ
や油圧モータ等の油圧アクチュエータに供給することに
より、操舵補助力を出力するものであり、前記油圧ポン
プと油圧アクチュエータとの間には、操舵方向及び操舵
抵抗に応じて油圧アクチュエータへの作動油の供給を制
御する油圧コントロールバルブを介在している。詳細に
は、油圧コントロールバルブが、ドライバーによるステ
アリングホイールの操舵に応じて、例えば油圧シリンダ
内に設けられた左右いずれか一方の油室に作動油を供給
して操舵補助力を発生し、ステアリングホイールの回転
操作をアシストする。
【0003】この種の油圧式パワーステアリング装置に
おいては、操舵系の部品精度等に起因して走行中に操舵
輪が過剰に振動し、この振動が例えば油圧シリンダのシ
リンダロッドを介してステアリングホイールに伝達され
るいわゆるシミー現象が生じることがある。このような
シミー現象を抑制するために、例えば油圧コントロール
バルブ内に逆止弁を設けて油圧シリンダを封止した状態
とすることにより、当該油圧シリンダを前記の振動に対
するダンパーとして機能させることが知られている。し
かしながら、上記のように油圧シリンダをダンパーとし
て機能させた場合、特に危険回避等のために急転舵を行
った際、そのステアリングホイールの転舵と反対側の油
室から油圧コントロールバルブに戻ろうとする作動油の
流れが逆止弁によって妨げられ操舵補助力が低下して、
ステアリングホイールが異常に重くなるなどの不具合を
発生するという問題点があった。
【0004】上記のような問題点を解決しようとした従
来の油圧式パワーステアリング装置には、例えば実公平
2−49109号公報に開示されたものがある。この従
来の油圧式パワーステアリング装置は、図10に示すダ
ンパーバルブ50を油圧コントロールバルブと油圧シリ
ンダの左右の油室を個別に接続する油圧回路に介在して
いる。ダンパーバルブ50は、同図において、ケーシン
グ51、そのケーシング51に螺着されたキャップ5
2、及び上記ケーシング51とキャップ52との間に介
装された管継手53を備えている。ケーシング51は、
油圧シリンダとしてのステアリングダンパ本体56のハ
ウジング57に固着されたものであり、その内部には油
室51aがキャップ52との間に形成されている。この
油室51aは、キャップ52内に設けられたポート52
aを介して管継手53内の通孔53aと連通している。
また、ケーシング51の下端にはポート51bが穿設さ
れ、ハウジング57に穿設されたポート57bを介して
ハウジング57内の油室57aに上記油室51aが連通
している。また、管継手53には、上記油圧コントロー
ルバルブに接続されるパイプ58が連結されている。
【0005】上記ケーシング51の油室51aには、油
圧コントロールバルブから油圧シリンダ側への作動油の
流れを許容するチェック弁54と、油圧シリンダから油
圧コントロールバルブ側への作動油の流れを、所定の抵
抗を有して許容する絞りチェック弁55とが収容されて
いる。チェック弁54は、スチールボール54aと、そ
のスチールボール54aを上方、すなわちキャップ52
に向けて付勢するコイルスプリング54bとで構成され
ている。絞りチェック弁55は、上記スチールボール5
4aと対向してこれを当接させる弁ハウジングとしての
弁体55aと、この弁体55aを下方、すなわちハウジ
ング57に向けて付勢するコイルスプリング55bとで
構成されている。弁体55aは、その中央ポート55c
がコイルスプリング54bで付勢されたスチールボール
54aによって閉塞されるとともに、その下端面が上記
コイルスプリング55bによってケーシング51の内底
部上面に密着させられている。つまり、上記弁体55a
を付勢するコイルスプリング55bの付勢力は、スチー
ルボール54aを付勢するコイルスプリング54bの付
勢力より大きいものが選定され、さらにコイルスプリン
グ55bは上記所定の抵抗を生じるように弁体55aを
予め設定された初期荷重で付勢するものが選択されてい
る。
【0006】上記のように構成された従来の油圧式パワ
ーステアリング装置では、操舵輪の振動によってハウジ
ング57内のシリンダロッド(図示せず)が左右に急激
に移動しようとすると、その移動量に応じた微量な作動
油が前記チェック弁54及び絞りチェック弁55を通過
するのが阻止されることによって、シミー現象を生じる
のが防止される。また、ドライバーが急転舵を行った場
合では、絞りチェック弁55が油圧コントロールバルブ
に戻ろうとする作動油の圧力によって上記初期荷重に抗
して開くことにより、その逆向きの作動油の流れを許容
するので、ステアリングホイールが異常に重くなるなど
の不具合の発生が防止される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の油圧式パワーステアリング装置では、ダン
パーバルブ50の弁体(弁ハウジング)55aが作動油
の圧力でコイルスプリング55bに抗してキャップ52
側に押し上げられるとき、当該弁体55aはコイルスプ
リング55bのみで支持されることになる。このため、
当該弁体55aは傾動可能な非常に不安定な状態とな
り、最悪の場合、弁体55aが上記油室51a内で倒れ
て復帰不能な状態となるおそれがあった。
【0008】また、この従来の油圧式パワーステアリン
グ装置では、スチールボール54aはコイルスプリング
54bに固定されることなく、そのコイルスプリング5
4bの一端部に当接しているだけであるので、例えば急
転舵時などの作動油の圧力が大きい場合にスチールボー
ル54aがコイルスプリング54bから外れてしまうお
それもあった。さらには、図10に示したように、スチ
ールボール54aがポート51bの上方に配置されてい
たので、油圧コントロールバルブからポート51bへの
作動油の圧力が大きい場合に、スチールボール54aが
ポート51bの近傍まで押し下げられ、コイルスプリン
グ54bが全圧縮されてその巻線間の隙間が閉じられる
ことにより、その作動油の流れを阻害するおそれもあっ
た。
【0009】上記のような従来の問題点に鑑み、本発明
は、弁ハウジングの倒れ等の発生を防ぐことができ、安
定した性能を確保することができるダンパーバルブ及び
それを用いた油圧式パワーステアリング装置を提供する
ことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のダンパーバルブ
は、油圧ポンプと前記油圧ポンプから供給される作動油
によって動作する油圧アクチュエータとの間の油圧回路
に設けられるダンパーバルブであって、前記油圧ポンプ
側に接続される一端部、前記油圧アクチュエータ側に接
続される他端部、及び前記一端部と前記他端部との間に
形成されたガイド部を有する筒状のケーシングと、前記
ケーシング内でそのガイド部にガイドされた状態で油路
に沿って移動可能に配置され、前記ガイド部に嵌合され
た筒部と、前記他端部側に移動した状態でガイド部の一
端部側に密接されるフランジ部とを有する筒状の弁ハウ
ジングと、前記ケーシングの内部に配置され、前記フラ
ンジ部を前記ガイド部の一端部側に密接させるように前
記ケーシングの他端部側に前記弁ハウジングを所定圧に
て付勢するスプリングと、前記筒部及びガイド部の少な
くとも一方に設けられ、前記フランジ部がガイド部から
離反した状態で前記ケーシングの一端部側と他端部側と
を連通させる連通部と、前記弁ハウジングの内部で油路
に沿って移動可能に配置された可動部材を有し、その弁
ハウジングの内部を開放可能に閉塞する閉塞手段と、前
記可動部材が前記油圧ポンプからの作動油の圧力によっ
て前記弁ハウジングの内部を移動して、その閉塞手段に
よる前記弁ハウジングの閉塞状態を解除した状態で、前
記油圧ポンプからの作動油を前記ケーシングの一端部か
ら前記弁ハウジングの内部を経て前記ケーシングの他端
部に導く第1通路と、前記油圧アクチュエータからの作
動油の圧力が所定圧を越えて前記弁ハウジングが前記ス
プリングに抗して前記ケーシングの一端部側に移動した
状態で、前記油圧アクチュエータからの作動油を前記ケ
ーシングの他端部から前記連通部を経て前記ケーシング
の一端部に導く第2通路とを備えることを特徴としてい
る(請求項1)。
【0011】また、本発明のダンパーバルブは、油圧ポ
ンプと前記油圧ポンプから供給される作動油によって動
作する油圧アクチュエータとの間の油圧回路に設けられ
るダンパーバルブであって、前記油圧ポンプ側に接続さ
れる一端部、前記油圧アクチュエータ側に接続される他
端部、及び前記一端部と前記他端部との間に形成された
ガイド部を有する筒状のケーシングと、前記ケーシング
内でそのガイド部にガイドされた状態で油路に沿って移
動可能に配置された筒状の弁ハウジングと、前記ケーシ
ングの内部に配置され、前記ケーシングの他端部に前記
弁ハウジングの端部を密接させるように前記ケーシング
の他端部側に前記弁ハウジングを所定圧にて付勢するス
プリングと、前記弁ハウジングに設けられ、その端部が
前記ケーシングの他端部から離反した状態で前記ケーシ
ングの一端部側と他端部側とを連通させる連通部と、前
記弁ハウジングの内部で油路に沿って移動可能に配置さ
れた可動部材を有し、その弁ハウジングの内部を開放可
能に閉塞する閉塞手段と、前記可動部材が前記油圧ポン
プからの作動油の圧力によって前記弁ハウジングの内部
を移動して、その閉塞手段による前記弁ハウジングの閉
塞状態を解除した状態で、前記油圧ポンプからの作動油
を前記ケーシングの一端部から前記弁ハウジングの内部
を経て前記ケーシングの他端部に導く第1通路と、前記
油圧アクチュエータからの作動油の圧力が所定圧を越え
て前記弁ハウジングが前記スプリングに抗して前記ケー
シングの一端部側に移動した状態で、前記油圧アクチュ
エータからの作動油を前記ケーシングの他端部から前記
連通部を経て前記ケーシングの一端部に導く第2通路と
を備えることを特徴としている(請求項2)。
【0012】また、この発明の油圧式パワーステアリン
グ装置は、油圧ポンプと、この油圧ポンプから供給され
る作動油によって操舵補助力を出力する油圧アクチュエ
ータと、前記油圧アクチュエータと油圧ポンプとの間に
介在し、操舵に応じて前記油圧アクチュエータに対する
作動油の給排をコントロールする油圧コントロールバル
ブとを備える油圧式パワーステアリング装置であって、
前記油圧コントロールバルブの出力ポートと油圧アクチ
ュエータとの間の油圧回路の所定部に、請求項1または
2記載のダンパーバルブを設けていることを特徴として
いる(請求項5)。
【0013】上記のように構成されたダンパーバルブ及
び油圧式パワーステアリング装置によれば、作動油が油
圧ポンプから油圧アクチュエータに向かって流れる場合
には、その作動油の圧力によって上記閉塞手段の可動部
材が弁ハウジングの内部を移動して、その閉塞手段によ
る弁ハウジングの閉塞状態を解除した状態で、上記第1
通路を通してその作動油の流通が許容される。また、作
動油が油圧アクチュエータから油圧ポンプに向かって流
れる場合には、その作動油の圧力によって弁ハウジング
がケーシングのガイド部にガイドされた状態で、当該弁
ハウジングが油路に沿ってケーシングの一端部側に移動
する。そして、請求項1記載のダンパーバルブでは、フ
ランジ部とガイド部の一端部側との間に隙間を生じて、
上記第2通路を通してその作動油の流通が許容される。
また、請求項2記載のダンパーバルブでは、ケーシング
の他端部と前記弁ハウジングの端部側との間に隙間を生
じて、上記第2通路を通してその作動油の流通が許容さ
れる。このように、作動油が油圧ポンプ側へ逆流する場
合、弁ハウジングがケーシングのガイド部にガイドされ
た状態で移動するので、当該弁ハウジングの倒れ等の発
生を防ぐことができ、安定した性能を確保することがで
きる。
【0014】また、上記のダンパーバルブ(請求項1ま
たは2)において、前記閉塞手段が、前記弁ハウジング
内に固定されるケースと、前記ケース内に配置された前
記可動部材としての可動弁体と、前記ケースに取り付け
られ、前記可動弁体が着座する弁座とを有するユニット
化された逆止弁により構成されたものでもよい(請求項
3)。この場合、ユニット化された逆止弁を閉塞手段と
して用いているので、スチールボールとスプリングとに
より弁ハウジングを閉塞した前述の従来例のものに比べ
て、ダンパーバルブの組立作業を容易化することができ
る。
【0015】また、上記のダンパーバルブ(請求項1ま
たは2)において、前記閉塞手段が、前記可動部材を構
成し、前記弁ハウジングの内部を閉塞するためのボール
と、前記弁ハウジングの端部に取り付けられ、孔部を有
する係止板とを備えたものでもよい(請求項4)。この
場合、閉塞手段の構成を簡素化でき、部品点数の少ない
簡単な構成のダンパーバルブを提供できる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明のダンパーバルブ及
びそれを用いた油圧式パワーステアリング装置の好まし
い実施形態について、図面を参照しながら説明する。図
1は、本発明の一実施形態における油圧式パワーステア
リング装置の構成を示す概略図である。図2は、図1に
示した油圧式パワーステアリング装置の油圧回路を示す
説明図である。図1において、本実施形態の油圧式パワ
ーステアリング装置Aは、図示しないステアリングホイ
ールに連結される入力軸Sと、この入力軸Sの回転に伴
って回転するピニオン1と、このピニオン1に噛み合う
ラック軸2と、このラック軸2を覆うハウジング5と、
このハウジング5の内部に設けられた油圧アクチュエー
タとしての油圧シリンダ6と、この油圧シリンダ6に作
動油を供給する油圧ポンプ7と、前記ステアリングホイ
ールに連動して油圧シリンダ6に対する作動油の給排を
制御する油圧コントロールバルブ8とによって主要部が
構成されている。
【0017】前記ラック軸2の両端部は、ハウジング5
の両端開口部5a,5bから突出しており、その突出端
には、ボールジョイント10,11が一体化されてい
る。各ボールジョイント10,11には、タイロッド1
2,13が取り付けられており、このタイロッド12,
13を介して前記ラック軸2の両端部が操舵輪に連結さ
れている。したがって、前記ステアリングホイールの回
転操作により、入力軸Sを介してピニオン1を回転さ
せ、ラック軸2を軸方向(車幅方向)へ移動させて、車
両の操舵を行うことができる。
【0018】前記油圧シリンダ6は、ハウジング5によ
って構成されたシリンダチューブ6aと、ラック軸2で
構成されたピストンロッド6bと、ラック軸2に一体化
されたピストン6cとからなり、このピストン6cを挟
んだ両側空間が、第1油室6d及び第2油室6eとして
構成されている。
【0019】油圧コントロールバルブ8は、ロータリー
バルブによって構成されており、そのバルブハウジング
8aには、入力ポート8b、リターンポート8c、第1
出力ポート8d及び第2出力ポート8eがそれぞれ突出
形成されている。前記入力ポート8bは、第1油圧配管
P1を介して前記油圧ポンプ7の出力ポート7aに接続
されており、リターンポート8cは、第2油圧配管P2
を介してリザーブタンクTに接続されている。また、第
1出力ポート8dは、管体としての第3油圧配管P3を
介して油圧シリンダ6の第1油室6dに接続されてお
り、第2出力ポート8eは、管体としての第4油圧配管
P4を介して油圧シリンダ6の第2油室6eに接続され
ている。この油圧コントロールバルブ8は、操舵方向と
操舵抵抗に応じて、各油室6d,6eの何れか一方に操
舵力補助用の作動油を供給すると同時に、他方の油室か
ら作動油をリザーブタンクTに還流させる。
【0020】前記第3油圧配管P3及び第4油圧配管P
4は、それぞれ金属管4によって構成されており、これ
らの各配管はこの発明の一実施形態であるダンパーバル
ブ20を介在して、油圧シリンダ6に接続されている。
具体的には、第3油圧配管P3はコネクター14a,1
4bを介在してダンパーバルブ20に連結されて、油圧
シリンダ6の第1油室6dに連通する第1入力ポート6
fに接続されている。同様に、第4油圧配管P4は、ダ
ンパーバルブ20及びコネクター14a,14bを介在
して油圧シリンダ6の第2油室6eに連通する第2入力
ポート6gに接続されている。ダンパーバルブ20は、
図2に示すように、油圧コントロールバルブ8から油圧
シリンダ6側への作動油の流れを許容するチェック弁2
0aとしての機能と、それとは逆向きの作動油の流れ
を、所定の抵抗を有して許容する絞りチェック弁20b
としての機能とを含んだものである。
【0021】ここで、上記ダンパーバルブ20につい
て、図3を参照して具体的に説明する。図3は、図1に
示したダンパーバルブ20の具体的な構成を示す拡大断
面図である。図3において、ダンパーバルブ20は、当
該ダンパーバルブ20の外容器としての筒状のケーシン
グ21と、このケーシング21の内部に配置された筒状
の弁ハウジング22及びこの弁ハウジング22を付勢す
るコイル状のスプリング23とを備えている。さらに、
ダンパーバルブ20の上記弁ハウジング22内には、そ
の弁ハウジング22の内部を開放可能に閉塞する閉塞手
段としての逆止弁24が設けられている。尚、同図に示
すダンパーバルブ20では、スプリング23で付勢され
た弁ハウジング22によってケーシング21の内部が閉
塞された状態であり、さらに弁ハウジング22の内部が
逆止弁24によって閉塞された状態であり、作動油の流
れを許容していない状態である。
【0022】上記ケーシング21は、コネクター14
a,14b及び金属管4を介して油圧ポンプ7側に接続
される一端部21a、油圧シリンダ6側に接続される他
端部21b、及び一端部21aと他端部21bとの間に
形成されたガイド部21cを有している。また、このケ
ーシング21の内部には、作動油を一端部21aから弁
ハウジング22の内部を経て他端部21bに導く第1通
路25と、作動油を他端部21bから後述の連通部27
及び隙間28(図5参照)を経て一端部21aに導く第
2通路26とが形成されている。
【0023】上記一端部21aには、コネクター14a
がねじ止めされている。このコネクター14aには、管
体4を当該コネクター14aに止定するコネクター14
bがねじ止めされている。これにより、ダンパーバルブ
20は油圧ポンプ7側に連結される。なお、Oリング1
6が一端部21aとコネクター14aとの間に配置され
て、ケーシング21とコネクター14aとを油密に連結
している。また、他端部21bは、油圧シリンダ6の第
1入力ポート6fまたは第2入力ポート6gにねじ止め
されている。なお、Oリング15が他端部21bと第1
入力ポート6fまたは第2入力ポート6gとの間に配置
されて、ケーシング21と第1入力ポート6fまたは第
2入力ポート6gとを油密に連結している。
【0024】上記ガイド部21cは、当該ケーシング2
1の内部で弁ハウジング22の移動をガイドするととも
に、スプリング23によって付勢された弁ハウジング2
2が他端部側21bへ移動するのを規制している。つま
り、このガイド部21の一端部21a側には、内側に突
出した端面21c1が設けられており、この端面21c
1が弁ハウジング22と密接した状態で当該弁ハウジン
グ22を受け止めている。
【0025】弁ハウジング22は、ケーシング21内で
その内周面21dに沿って移動可能に配置されたもので
あり、上記ガイド部21cに嵌合された筒部22aと、
上記他端部21b側に移動した状態でガイド部21cの
一端部21a側の端面21c1に密接されるフランジ部
22bとを備えている。筒部22a及びフランジ部22
bは互いに連設されたものであり、その内部には逆止弁
24が取り付けられている。フランジ部22bの外径寸
法は、対向するケーシング21の内径寸法よりも所定の
寸法だけ小さく構成されたものであり、したがって、図
3に示すように、フランジ部22bはケーシング21の
内周面から離されて配置されている。また、フランジ部
22bの中心部分には、スプリング23の一端部を包囲
した状態で、その一端部を支持するために、支持部22
b1が設けられている。また、フランジ部22bには、
スプリング23を包囲する側壁部分に切欠部22b2が
設けられている。この切欠部22b2は、前記側壁部分
を切り欠いたものであり、例えば周方向に沿って等間隔
に4箇所設けられて、フランジ部22bの内部と外部と
を連通している。
【0026】また、上記筒部22aの外周面には、上記
第2通路26の一部を構成する連通部27が設けられて
いる。この連通部27は、ケーシング21の一端部21
aと他端部21bとを通る油路に沿って筒部22aの外
周面を切り欠くことによって形成された複数、例えば4
つの溝により構成されている。これらの各溝は、例えば
周方向に沿って等間隔に設けられている。この連通部2
7は、フランジ部22bが作動油の圧力によってガイド
部21cの一端部21a側の端面21c1から離された
ときだけ、ケーシング21の一端部21a側と他端部2
1b側とを連通して、作動油の流れを許容する。
【0027】上記逆止弁24は、弁ハウジング22内に
固定される筒状のケース24aと、ケース24a内に配
置された可動部材としての可動弁体24bと、ケース2
4a内に収納され、可動弁体24bを付勢するためのコ
イルばね24cと、ケース24aに取り付けられ、可動
弁体24bが着座するリング状の弁座24dとを備えて
いる。この逆止弁24は、上述の構成部材を一体的に組
み立ててユニット化されたものであり、弁ハウジング2
2の内部に設けられた段部に圧入され固定されている。
ケース24aには、コイルばね24cを保持するため
に、内側に折り曲げられた突片24a1が上記他端部2
1b側の底部に設けられている。また、上記一端部21
a側のケース24aの開口部には、上記弁座24dが例
えばかしめによって取り付けられている。
【0028】上記可動弁体24bは、弁ハウジング22
の内部で油路に沿って移動可能に配置されており、通常
はコイルばね24cの付勢力で弁座24dに密接して、
弁座24dの中央部分に設けられた孔部を塞いでいる。
これにより、逆止弁24は、弁ハウジング22の内部を
閉塞した状態として、油圧ポンプ7側に逆流しようとす
る作動油の流れを阻止する。また、この可動弁体24b
の周囲の3箇所には、ケース24aの内周面に係合し
て、当該可動弁体24bの姿勢を維持するための係合部
24b1が設けられている。
【0029】また、逆止弁24では、図4に示すよう
に、その可動弁体24bが油圧コントロールバルブ8か
ら油圧シリンダ6側に流れようとする作動油の圧力によ
り、コイルばね24cに抗して弁座24dから離れケー
シング21の他端部21b側に押圧移動される。これに
より、当該ダンパーバルブ20内では、第1通路25が
開放されて、その作動油は同図の矢印Fに示すように、
ケーシング21の一端部21a、逆止弁24及び弁ハウ
ジング22の内部、及びケーシング21の他端部21b
を順次通過する。その結果、油圧ポンプ7からの作動油
がステアリングホイールの操舵方向に対応する側の油室
に供給されて、そのステアリングホイールの回転操作を
アシストすることができる。
【0030】スプリング23は、ケーシング21の他端
部21b側に弁ハウジング22を所定圧にて付勢して、
フランジ部22bをガイド部21cの一端部21a側の
端面21c1に密接させるものであり、油圧シリンダ6
から油圧ポンプ7側へ逆流しようとする作動油の圧力に
応じて伸縮するように、上記フランジ部22bの支持部
22b1とケーシング21の一端部21a側に取り付け
られたコネクター14aの内側表面との間に弾性収縮さ
せた状態で介在してある。つまり、このスプリング23
は、上述の作動油の圧力が所定圧未満である場合、ケー
シング21と弁ハウジング22との密接状態を維持して
油圧ポンプ7側への作動油の流通を阻止する。これによ
り、油圧シリンダ6を封止した状態として、前述のシミ
ー現象や、悪路走行時などにおいて作動油が油圧ポンプ
7側に逆流してステアリングホイールをとられるいわゆ
るキックバック現象などの車両の部品精度等や走行環境
に起因する外乱の影響を抑制することができる。
【0031】一方、上記作動油の圧力が所定圧以上であ
る場合、例えば危険回避等のためにステアリングホイー
ルが急転舵されて、作動油がステアリングホイールの転
舵と反対側の油室から油圧コントロールバルブ8に戻ろ
うとする場合、スプリング23はその作動油の圧力によ
ってケーシング21の一端部21a側に押圧されて、そ
の作動油の流れを許容する。具体的には、作動油の圧力
がスプリング23の付勢力に打ち勝って、図5に示すよ
うに、弁ハウジング22をケーシング21のガイド部2
1cに沿って一端部21a側に移動させて、そのフラン
ジ部22bとガイド部21cの一端部21a側の端面2
1c1との間に隙間28を生じさせる。これにより、当
該ダンパーバルブ20内では、第2通路26が開放され
て、その作動油は同図の矢印IFに示すように、ケーシ
ング21の他端部21b、連通部27、隙間28、切欠
部22b2、及び一端部21aを順次通過する。その結
果、油圧コントロールバルブ8に戻ろうとする作動油の
流れを許容して、操舵補助力の低下を防いでステアリン
グホイールが異常に重くなるなどの不具合の発生を防止
することができる。
【0032】上記のように構成されたダンパーバルブ2
0及び油圧式パワーステアリング装置Aによれば、一方
向への操舵に伴って作動油が例えば油圧コントロールバ
ルブ8の第2出力ポート8eから第4油圧配管P4を通
して油圧シリンダ6の第2油室6eに向かって流れよう
とすると、その第4油圧配管P4に介在したダンパーバ
ルブ20において、弁ハウジング22の内部に配置され
た逆止弁24では、図4に示したように、可動弁体24
bが作動油によって押圧されコイルばね24cに抗して
ケーシング21の他端部21b側に移動する。これによ
り、作動油はダンパーバルブ20内の第1通路25を通
って第2油室6eに流れて、ラック軸2が図1において
左方向に移動し操舵補助力が出力される。
【0033】このとき、第3油圧配管P3に介在したダ
ンパーバルブ20においては、作動油は油圧シリンダ6
の第1油室6dから油圧コントロールバルブ8に向かっ
て流れようとする。この作動油の圧力がスプリング23
の付勢力(所定圧)よりも小さい場合、弁ハウジング2
2はスプリング23によってケーシング21に密接され
た状態が維持されて、当該ダンパーバルブ20はその作
動油の流通を阻止する。一方、作動油の圧力が上記の付
勢力よりも大きい場合、弁ハウジング22が、図5に示
したように、スプリング23に抗してケーシング21の
一端部21a側に押圧移動されて、そのフランジ部22
bがガイド部21cの端面21c1から離れて隙間28
を生じる。これにより、作動油は抵抗を生じることなく
ダンパーバルブ20内の第2通路26を通って油圧コン
トロールバルブ8に戻りステアリングホイールの操舵に
違和感が生じることを防止する。また、弁ハウジング2
2をケーシング21のガイド部21cにガイドさせて油
路に沿って移動可能に配置しているので、弁ハウジング
22が油圧シリンダ6からの作動油の圧力によって一端
部21a側に移動される場合でも、当該弁ハウジング2
2の倒れ等の発生を防ぐことができ、安定した性能を確
保することができる。
【0034】また、本実施形態のダンパーバルブ20で
は、ユニット化された逆止弁24を閉塞手段として用い
ているので、 [発明が解決しようとする課題]の欄に記
載した前述の従来例のものに比べてダンパーバルブの組
立作業を容易化することができるとともに、その従来例
でのスチールボールがスプリングから外れることなどに
よる作動油の流れを阻害する不具合の発生を防止するこ
とができる。さらに、本実施形態のダンパーバルブ20
では、例えば図3に示したように、弁ハウジング22を
付勢するスプリング23が逆止弁24に接することなく
弁ハウジング22に取り付けられている。それゆえ、ス
プリング23とコイルばね24cとが互いに付勢力を打
ち消し合うのを阻止することができるので、スプリング
23及びコイルばね24cの各バネ圧の設定を容易に行
える。
【0035】また、上記のユニット化された逆止弁24
に代えて、図6(a)に示すボール31と係止板32と
を用いて、上記閉塞手段を構成してもよい。具体的に
は、同図に示すように、ダンパーバルブ29は、弁ハウ
ジング30を閉塞するための可動部材としてのボール3
1と、弁ハウジング30の端部に取り付けられた係止板
32とを備えている。また、弁ハウジング30には、ボ
ール30と密接する弁座30cが設けられている。この
弁ハウジング30では、ボール31がケーシング21の
他端部21bから一端部21aに流れようとする作動油
の圧力によって上記一端部21a側に押圧移動されたと
き、そのボール31は弁座31dに密接するので、筒部
30aの内部とフランジ部30bの支持部30b1と連
通するための孔である連通部30eを塞いで弁ハウジン
グ30の内部を閉塞状態とする。
【0036】係止板32は、図6(b)に示すように、
複数の孔部32a,32bを有する円板により構成され
たものであり、上記他端部21b側の筒部30aの開口
部分に取り付けられている。孔部32a,32bの直径
は、ボール31のものより小さい寸法のものが選択さ
れ、かつ作動油の圧力によってボール31が当該係止板
32に密接する場合でも、その作動油の流れを阻害しな
いように、孔部32a,32bの数及び直径(つまり、
トータルの開口面積)が選択されている。尚、上記説明
以外に、係止板32に接するコイルばねを筒部30aの
内部に配置して、ボール31を付勢し弁座30dに密接
させる構成でもよい。
【0037】上記のように構成されたダンパーバルブ2
9では、図7に示すように、油圧コントロールバルブ8
から油圧シリンダ6側に流れようとする作動油の圧力に
より、ボール31がケーシング21の他端部21b側に
移動される。これにより、当該ダンパーバルブ29内で
は、第1通路25が開放されて、その作動油は同図の矢
印Fに示すように、ケーシング21の一端部21a、弁
ハウジング22の内部、及びケーシング21の他端部2
1bを順次通過する。その結果、油圧ポンプ7からの作
動油がステアリングホイールの操舵方向に対応する側の
油室に供給されて、そのステアリングホイールの回転操
作をアシストすることができる。
【0038】また、図3に示したダンパーバルブ20と
同様に、油圧シリンダ6から油圧ポンプ7側へ逆流しよ
うとする作動油の圧力が所定圧未満である場合、スプリ
ング23の付勢力によってケーシング21と弁ハウジン
グ30との密接状態を維持して油圧ポンプ7側への作動
油の流通を阻止する。これにより、油圧シリンダ6を封
止した状態として、前述のシミー現象や上記キックバッ
ク現象などの車両の部品精度等や走行環境に起因する外
乱の影響を抑制することができる。
【0039】一方、上記作動油の圧力が所定圧以上であ
る場合、例えば危険回避等のためにステアリングホイー
ルが急転舵されて、作動油がステアリングホイールの転
舵と反対側の油室から油圧コントロールバルブ8に戻ろ
うとする場合、スプリング23はその作動油の圧力によ
ってケーシング21の一端部21a側に押圧されて、そ
の作動油の流れを許容する。具体的には、作動油の圧力
がスプリング23の付勢力に打ち勝って、図8に示すよ
うに、弁ハウジング30をケーシング21のガイド部2
1cに沿って一端部21a側に移動させて、そのフラン
ジ部30bとガイド部21cの一端部21a側の端面2
1c1との間に隙間28を生じさせる。これにより、当
該ダンパーバルブ29内では、第2通路26が開放され
て、その作動油は同図の矢印IFに示すように、ケーシ
ング21の他端部21b、連通部27、隙間28、切欠
部30b2、及び一端部21aを順次通過する。その結
果、油圧コントロールバルブ8に戻ろうとする作動油の
流れを許容して、操舵補助力の低下を防いでステアリン
グホイールが異常に重くなるなどの不具合の発生を防止
することができる。
【0040】以上のように、このダンパーバルブ29で
は、ボール31と係止板32とを用いて弁ハウジング3
0を閉塞しているので、図3に示した逆止弁24を用い
たものでの効果に加えて、閉塞手段の構成を簡素化で
き、部品点数の少ない簡単な構成のダンパーバルブを提
供できる。
【0041】尚、上記の説明では、ダンパーバルブ20
を第3油圧配管P3及び第4油圧配管P4の先端部分に
取り付ける構成を説明したが、本発明の実施形態はこれ
に限定されるものではなく、油圧コントロールバルブ8
の出力ポート8d、8eと油圧シリンダ(油圧アクチュ
エータ)6との間の油圧回路の所定部に設ける構成であ
ればよい。具体的には、油圧シリンダ6の第1油室6d
に連通する第1入力ポート6f及び第2油室6eに連通
する第2入力ポート6gの内部、または油圧コントロー
ルバルブ8の第1出力ポート8d及び第2出力ポート8
eの内部にダンパーバルブ20を設ける構成でもよい。
【0042】また、上記の説明では、弁ハウジング2
2,30の筒部22a,30aの外周面に連通部27を
設けた構成について説明したが、本発明はこれに限定さ
れるものではなく、連通部27は筒部22a,30a及
びガイド部21cの少なくとも一方に設けられ、一端が
ケーシング21の他端部21b側に連通し、かつ他端が
フランジ部22b,30bによって密接されるガイド部
21cの一端部21a側に連通する構成であればよい。
つまり、連通部27は、フランジ部22b,30bが作
動油の圧力によってガイド部21cの一端部21a側の
端面21c1から離されたときに、ケーシング21の他
端部21b側とガイド部21cの一端部21a側とを連
通し、かつフランジ部22b,30bがスプリング23
の付勢力によってガイド部21cの一端部21a側の端
面21c1に密接しているときに、そのフランジ部22
b,30bによって閉じられるものであればよい。
【0043】また、上記の説明では、フランジ部22
b,30bがガイド部21cの一端部21a側の端面2
1c1に密接して、ケーシング21の内部を閉塞する構
成について説明したが、フランジ部22b,30bの外
周面をケーシング21のガイド部21cの内周面に密接
させて、ケーシング21の内部を閉塞してもよい。
【0044】また、上記の説明では、弁ハウジング2
2,30に筒部22a,30aとフランジ部22b,3
0bを設けて、スプリング23によってケーシング21
の他端部21b側に当該弁ハウジング22,30を付勢
しフランジ部22b,30bをガイド部21cの一端部
21a側に密接させる構成について説明した。しかしな
がら、本発明の実施形態はこれに限定されるものではな
く、図9に示すように、例えばフランジ部を有しない筒
状の弁ハウジング22を、上記スプリング23によって
ケーシング21の他端部21b側に付勢して、その他端
部21bに当該弁ハウジング22の端部22cを密接さ
せる構成でもよい。このように構成した場合、弁ハウジ
ング22の端部22cがケーシング21の他端部21b
から離反した状態でそのケーシング21の一端部21a
側と他端部21b側とを連通させる連通路27を当該弁
ハウジング22の外周面に設ければよい。また、このと
き第2通路26内では、ケーシング21の他端部21b
と前記弁ハウジング22の端部22c側との間に隙間を
生じた状態で、油圧アクチュエータからの作動油がケー
シング21の他端部21bから連通部27を経てケーシ
ング21の一端部21aに導かれる。
【0045】
【発明の効果】以上のように構成された本発明は以下の
効果を奏する。請求項1及び請求項2のダンパーバルブ
と請求項5のダンパーバルブを用いた油圧式パワーステ
アリング装置によれば、油圧アクチュエータ側から油圧
ポンプ側への逆向きに流れる作動油の圧力が所定圧以上
である場合、弁ハウジングはその圧力によってケーシン
グのガイド部にガイドされた状態で油路に沿って移動す
る。このように、弁ハウジングの移動がケーシングのガ
イド部でガイドされながら行われるので、当該弁ハウジ
ングの倒れ等の発生を防ぐことができ、安定した性能を
確保することができる。
【0046】請求項3のダンパーバルブによれば、ユニ
ット化された逆止弁を上記閉塞手段として用いているの
で、スチールボールとスプリングとにより弁ハウジング
を閉塞した前述の従来例のものに比べて、ダンパーバル
ブの組立作業を容易化することができるとともに、その
従来例でのスチールボールがスプリングから外れること
などによる作動油の流れを阻害する不具合の発生等を防
止することができる。
【0047】請求項4のダンパーバルブによれば、ボー
ルと係止板とを用いた閉塞手段によって弁ハウジングを
閉塞しているので、閉塞手段の構成を簡素化でき、部品
点数の少ない簡単な構成のダンパーバルブを提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における油圧式パワーステ
アリング装置の構成を示す概略図である。
【図2】図1に示した油圧式パワーステアリング装置で
の油圧回路を示す説明図である。
【図3】図1に示したダンパーバルブの具体的な構成を
示す拡大断面図である。
【図4】図3に示したダンパーバルブでの作動油が第1
通路を流れる場合の動作を示す説明図である。
【図5】図3に示したダンパーバルブでの作動油が第2
通路を流れる場合の動作を示す説明図である。
【図6】(a)は閉塞手段の別の実施形態を示す拡大断
面図であり、(b)は(a)に示した係止板の構成を示
す平面図である。
【図7】図6に示したダンパーバルブでの作動油が第1
通路を流れる場合の動作を示す説明図である。
【図8】図6に示したダンパーバルブでの作動油が第2
通路を流れる場合の動作を示す説明図である。
【図9】弁ハウジング及び連通部の別の実施形態を示す
拡大断面図である。
【図10】従来の油圧式パワーステアリング装置のダン
パーバルブを示す断面図である。
【符号の説明】
1 ピニオン 2 ラック軸 4 金属管(管体) 5 ハウジング 6 油圧シリンダ(油圧アクチュエータ) 6f 第1入力ポート 6g 第2入力ポート 7 油圧ポンプ 8 油圧コントロールバルブ 8d 第1出力ポート 8e 第2出力ポート 20,29 ダンパーバルブ 21 ケーシング 21a 一端部 21b 他端部 21c ガイド部 21c1 端面 22,30 弁ハウジング 22a,30a 筒部 22b,30b フランジ部 22c 端部 23 スプリング 24 逆止弁(閉塞手段) 24b 可動弁体(閉塞手段の可動部材) 25 第1通路 26 第2通路 27 連通部 28 隙間 31 ボール(閉塞手段の可動部材) 32 係止板(閉塞手段) A 油圧式パワーステアリング装置 S 入力軸 P3 第3油圧配管 P4 第4油圧配管

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】油圧ポンプと前記油圧ポンプから供給され
    る作動油によって動作する油圧アクチュエータとの間の
    油圧回路に設けられるダンパーバルブであって、 前記油圧ポンプ側に接続される一端部、前記油圧アクチ
    ュエータ側に接続される他端部、及び前記一端部と前記
    他端部との間に形成されたガイド部を有する筒状のケー
    シングと、 前記ケーシング内でそのガイド部にガイドされた状態で
    油路に沿って移動可能に配置され、前記ガイド部に嵌合
    された筒部と、前記他端部側に移動した状態でガイド部
    の一端部側に密接されるフランジ部とを有する筒状の弁
    ハウジングと、 前記ケーシングの内部に配置され、前記フランジ部を前
    記ガイド部の一端部側に密接させるように前記ケーシン
    グの他端部側に前記弁ハウジングを所定圧にて付勢する
    スプリングと、 前記筒部及びガイド部の少なくとも一方に設けられ、前
    記フランジ部がガイド部から離反した状態で前記ケーシ
    ングの一端部側と他端部側とを連通させる連通部と、 前記弁ハウジングの内部で油路に沿って移動可能に配置
    された可動部材を有し、その弁ハウジングの内部を開放
    可能に閉塞する閉塞手段と、 前記可動部材が前記油圧ポンプからの作動油の圧力によ
    って前記弁ハウジングの内部を移動して、その閉塞手段
    による前記弁ハウジングの閉塞状態を解除した状態で、
    前記油圧ポンプからの作動油を前記ケーシングの一端部
    から前記弁ハウジングの内部を経て前記ケーシングの他
    端部に導く第1通路と、 前記油圧アクチュエータからの作動油の圧力が所定圧を
    越えて前記弁ハウジングが前記スプリングに抗して前記
    ケーシングの一端部側に移動した状態で、前記油圧アク
    チュエータからの作動油を前記ケーシングの他端部から
    前記連通部を経て前記ケーシングの一端部に導く第2通
    路とを備えることを特徴とするダンパーバルブ。
  2. 【請求項2】油圧ポンプと前記油圧ポンプから供給され
    る作動油によって動作する油圧アクチュエータとの間の
    油圧回路に設けられるダンパーバルブであって、 前記油圧ポンプ側に接続される一端部、前記油圧アクチ
    ュエータ側に接続される他端部、及び前記一端部と前記
    他端部との間に形成されたガイド部を有する筒状のケー
    シングと、 前記ケーシング内でそのガイド部にガイドされた状態で
    油路に沿って移動可能に配置された筒状の弁ハウジング
    と、 前記ケーシングの内部に配置され、前記ケーシングの他
    端部に前記弁ハウジングの端部を密接させるように前記
    ケーシングの他端部側に前記弁ハウジングを所定圧にて
    付勢するスプリングと、 前記弁ハウジングに設けられ、その端部が前記ケーシン
    グの他端部から離反した状態で前記ケーシングの一端部
    側と他端部側とを連通させる連通部と、 前記弁ハウジングの内部で油路に沿って移動可能に配置
    された可動部材を有し、その弁ハウジングの内部を開放
    可能に閉塞する閉塞手段と、 前記可動部材が前記油圧ポンプからの作動油の圧力によ
    って前記弁ハウジングの内部を移動して、その閉塞手段
    による前記弁ハウジングの閉塞状態を解除した状態で、
    前記油圧ポンプからの作動油を前記ケーシングの一端部
    から前記弁ハウジングの内部を経て前記ケーシングの他
    端部に導く第1通路と、 前記油圧アクチュエータからの作動油の圧力が所定圧を
    越えて前記弁ハウジングが前記スプリングに抗して前記
    ケーシングの一端部側に移動した状態で、前記油圧アク
    チュエータからの作動油を前記ケーシングの他端部から
    前記連通部を経て前記ケーシングの一端部に導く第2通
    路とを備えることを特徴とするダンパーバルブ。
  3. 【請求項3】前記閉塞手段が、前記弁ハウジング内に固
    定されるケースと、前記ケース内に配置された前記可動
    部材としての可動弁体と、前記ケースに取り付けられ、
    前記可動弁体が着座する弁座とを有するユニット化され
    た逆止弁により構成されていることを特徴とする請求項
    1または2記載のダンパーバルブ。
  4. 【請求項4】前記閉塞手段が、前記可動部材を構成し、
    前記弁ハウジングの内部を閉塞するためのボールと、前
    記弁ハウジングの端部に取り付けられ、孔部を有する係
    止板とを備えていることを特徴とする請求項1または2
    記載のダンパーバルブ。
  5. 【請求項5】油圧ポンプと、この油圧ポンプから供給さ
    れる作動油によって操舵補助力を出力する油圧アクチュ
    エータと、前記油圧アクチュエータと油圧ポンプとの間
    に介在し、操舵に応じて前記油圧アクチュエータに対す
    る作動油の給排をコントロールする油圧コントロールバ
    ルブとを備える油圧式パワーステアリング装置であっ
    て、 前記油圧コントロールバルブの出力ポートと油圧アクチ
    ュエータとの間の油圧回路の所定部に、請求項1または
    2記載のダンパーバルブを設けていることを特徴とする
    油圧式パワーステアリング装置。
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