JP2002037046A - 路面摩擦係数判定装置の初期化装置および方法 - Google Patents

路面摩擦係数判定装置の初期化装置および方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 乾燥アスファルトに限らず、どのような路面
でもしきい値の設定ができる路面摩擦係数判定装置の初
期化装置を提供する。 【解決手段】 車両の4輪のタイヤの回転速度を定期的
に検出する回転速度検出手段と、前記回転速度検出手段
による測定値から、スリップ比を演算する第1演算手段
と、該スリップ比と車両の加減速度とのあいだの1次の
回帰係数と相関係数を求める第2演算手段と、該第2演
算手段により求められた相関係数の値に応じてある所定
の時間または所定の個数の1次の回帰係数を蓄積し、当
該蓄積した1次の回帰係数の値の頻度分布に基づいて、
路面摩擦係数のしきい値を設定するしきい値設定手段と
を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は路面摩擦係数判定装
置の初期化装置および方法に関する。さらに詳しくは、
タイヤを交換した場合などに、現在装着されているタイ
ヤを識別して、摩擦係数を推定するしきい値を設定する
ための路面摩擦係数判定装置の初期化装置および方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】車両は、滑りやすい路面で急加速や急制
動を行なうと、タイヤがスリップを起こしスピンなどす
る危険性がある。また急な操舵を行なうと車両が横すべ
りやスピンを起こす惧れがある。
【0003】そこで、従来より、タイヤと路面とのあい
だの制動力が最大値をこえてタイヤがロック状態になる
前に、車輪に作用するブレーキトルクを低下させて車輪
のロック状態を防止し、最大制動力が得られる車輪の回
転数を制御するアンチロックブレーキ装置などが提案さ
れている(特開昭60−99757号公報、特開平1−
249559号公報など参照)。
【0004】たとえば、アンチロックブレーキ装置の制
御では、車両の判定速度および検出した車輪速度(回転
速度)からスリップ率を演算したのち、該演算したスリ
ップ率があらかじめ設定してある基準スリップ率に一致
するようにブレーキ力を制御することにより、最大制動
力に追従するように構成されている。
【0005】このようなABS装置などの制御では、路
面の摩擦係数μが利用されている。すなわち路面摩擦係
数μ(路面μ)に応じて、たとえば高μの場合と低μの
場合とで制御内容を変更して最適な制御を行なうように
している。
【0006】前記特開昭60−99759号公報に記載
される装置では、スリップ発生時の従動輪から車両加速
度を求め、この加速度を用いて路面μを判定している
が、この路面μは、単に従動輪の回転速度を微分して求
めた従動輪の加速度を車両加速度に置き換え、この車両
加速度を算出した時点での路面μであり、実際の路面と
タイヤとのあいだの路面μであるかどうかわからない。
【0007】これに対し、走行中のタイヤの回転速度の
情報からタイヤと路面とのあいだの摩擦係数を推定する
方法がある。
【0008】この方法は、路面μによってタイヤと路面
とのμ−s曲線の立ち上がり勾配が異なることを利用し
たもので、ABSセンサなどの車輪回転速度を定期的に
検出し、前後輪のスリップ比および従輪輪の加速度を演
算して判定値となる勾配を求めている。そして、求めら
れた判定値とあらかじめ設定しておいたしきい値を比較
して、路面μを推定している。また、設定したしきい値
より判定値が大きければ、スリップ警報を発するなどし
ている。
【0009】かかる方法では、タイヤが1種類に固定さ
れている場合は、比較的に精度良く路面μを推定するこ
とができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記方
法では、路面μの違いによりタイヤと路面のμ−s曲線
の立ち上がり勾配が異なることを利用しているため、夏
タイヤと冬タイヤのようにタイヤトレッドの剛性が大き
く異なると同じ路面でもμ−s曲線の立ち上がり勾配が
変化してしまう。そのために、夏タイヤからスタッドレ
スタイヤなどの冬タイヤにタイヤを交換した場合には、
タイヤに応じた路面μのしきい値の設定が必要となる。
【0011】この場合、たとえば車両に夏タイヤモード
および冬タイヤモードなどの切り替えスイッチを設け、
モードごとに応じて異なるしきい値をあらかじめ設定し
ておくことが考えられる。しかし、冬タイヤ(夏タイ
ヤ)の中でもパターンやメーカが異なると、立ち上がり
勾配に差があったり、タイヤの摩耗状態でも立ち上がり
勾配が異なるために、摩耗係数の推定精度が劣るなどの
問題がある。
【0012】また別の方法としては、タイヤ交換などを
した際に、乾燥アスファルトなど限定された路面を所定
の時間(距離)走行し、そのときの判定レベルからしき
い値を設定する初期化法も考えられる。しかし、この場
合、走行する路面を乾燥アスファルトのように路面μが
比較的に均一で、ある程度わかっている路面などに限定
しなければならず、雪道や凍結路のように路面μが安定
していない路面ではしきい値の設定ができないという問
題がある。
【0013】本発明は、叙上の事情に鑑み、乾燥アスフ
ァルトに限らず、どのような路面でもしきい値の設定が
できる路面摩擦係数判定装置の初期化装置および方法を
提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の路面摩擦係数判
定装置の初期化装置は、車両の4輪のタイヤの回転速度
を定期的に検出する回転速度検出手段と、前記回転速度
検出手段による測定値から、スリップ比を演算する第1
演算手段と、該スリップ比と車両の加減速度とのあいだ
の1次の回帰係数と相関係数を求める第2演算手段と、
該第2演算手段により求められた相関係数の値に応じて
所定の時間または所定の個数の1次の回帰係数を蓄積
し、当該蓄積した1次の回帰係数の値の頻度分布に基づ
いて、路面摩擦係数のしきい値を設定するしきい値設定
手段とを備えてなることを特徴とする。
【0015】また本発明の路面摩擦係数判定装置の初期
化方法は、車両の4輪のタイヤの回転速度を定期的に検
出する工程と、該測定された回転速度から、スリップ比
を演算する工程と、該スリップ比と車両の加減速度との
あいだの1次の回帰係数と相関係数を求める工程と、該
相関係数の値に応じて所定の時間または所定の個数の1
次の回帰係数を蓄積し、当該蓄積した1次の回帰係数の
値の頻度分布に基づいて、路面摩擦係数のしきい値を設
定する工程とを備えていることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて、本発
明の路面摩擦係数判定装置の初期化装置および方法を説
明する。図1は本発明の路面摩擦係数判定装置の一実施
の形態を示すブロック図、図2は図1における路面摩擦
係数判定装置の電気的構成を示すブロック図、図3は1
次の回帰係数の頻度分布を示す図、図4は標準偏差と平
均値の関係に基づいてタイヤごとのエリアに区分けられ
る一例を示す図、図5は走行路面によらず、2種類のタ
イヤがそれぞれのエリアに区分けられる図である。
【0017】図1に示すように、本発明の一実施の形態
にかかわる路面摩擦係数判定装置は、4輪車両のタイヤ
FLW、FRW、RLWおよびRRWにそれぞれ設けら
れた車輪タイヤの回転速度を定期的に検出する回転速度
検出手段Sを備えており、この回転速度検出手段Sの出
力は、ABSなどの制御ユニット1に伝達される。な
お、2は運転者によって、操作される初期化スイッチで
あり、3は低μ路警報表示器である。
【0018】前記回転速度検出手段Sとしては、電磁ピ
ックアップなどを用いて回転パルスを発生させてパルス
の数から回転速度を測定する車輪速センサまたはダイナ
モのように回転を利用して発電を行ない、この電圧から
回転速度を測定するものを含む角速度センサなどを用い
ることができる。
【0019】前記制御ユニット1は、図2に示されるよ
うに、外部装置との信号の受け渡しに必要なI/Oイン
ターフェイス1aと、演算処理の中枢として機能するC
PU1bと、該CPU1bの制御動作プログラムが格納
されたROM1cと、前記CPU1bが制御動作を行な
う際にデータなどが一時的に書き込まれたり、その書き
込まれたデータなどが読み出されるRAM1dとから構
成されている。
【0020】本実施の形態では、路面摩擦係数判定装置
は、路面とタイヤとのあいだの摩擦係数μを判定する摩
擦係数判定手段を備えるとともに、前記制御ユニット1
に、前記回転速度検出手段Sによる測定値から、スリッ
プ比(前輪タイヤの車輪速度と後輪タイヤとの車輪速度
の比)を演算する第1演算手段と、該スリップ比と車両
の加減速度との互いの1次の回帰係数と相関係数を求め
る第2演算手段と、該第2演算手段により求められる相
関係数の値に応じて所定の時間または所定の個数の1次
の回帰係数を蓄積し、蓄積した1次の回帰係数の値の頻
度分布に基づいて、路面摩擦係数のしきい値を設定する
しきい値設定手段とからなる初期化装置を備えている。
【0021】本実施の形態では、前記4輪のタイヤの回
転速度を0.1秒以下、好ましくは0.05秒以下で検
出する。前記車両の加減速度はGセンサで測定すること
もできるが、4輪または従動輪の平均車輪速度から演算
するのがコスト面から好ましい。
【0022】ついで前記スリップ比および車両の加減速
度を一定時間分のデータ、たとえば少なくとも0.1秒
分以上のデータの平均値として、サンプリング時間ごと
に移動平均化して求め、この移動平均された値(一定個
数のスリップ比と車両の加減速度)を元に、該スリップ
比と該車両の加減速度との関係式を求める。
【0023】さらに前記移動平均されたスリップ比およ
び車両の加減速度のデータ、たとえば少なくとも5個以
上のデータを用いて、スリップ比と車両の加減速度との
互いの1次の回帰係数と相関係数を求める。ここで、移
動平均して求められたスリップ比がある一定値以上の場
合または一定値以下の場合(たとえば0.07以上また
は−0.07以下の場合)は、回帰係数の演算には使用
しないようにしても良い。
【0024】以下、本実施の形態の路面摩擦係数判定装
置および初期化装置の動作を手順〜に沿って説明す
る。
【0025】車両の4輪タイヤFLW、FRW、RL
WおよびRRWのそれぞれの回転速度から車輪速度(V
n、V2n、V3n、V4n)を算出する。たとえば、A
BSセンサなどのセンサから得られた車両の各車輪タイ
ヤFLW、FRW、RLW、RRWのある時点の車輪速
データを車輪速度V1n、V2n、V3n、V4nとする。
【0026】ついで従動輪および駆動輪の平均車輪速
度(Vfn、Vdn)を演算する。前輪駆動の場合、ある
時点の従動輪および駆動輪の平均車輪速度Vfn、Vdn
をつぎの式(1)、(2)により求められる。 Vfn=(V3n+V4n)/2 ・・・(1) Vdn=(V1n+V2n)/2 ・・・(2)
【0027】ついで前記従動輪の平均車輪加減速度
(すなわち車両の加減速度)Afnを演算する。前記従
動輪の平均車輪速度Vfnより1つ前の車輪速データか
ら、平均車輪速度Vfn-1とすると、従動輪の平均車輪
加減速度Afnはそれぞれつぎの式(3)で求められ
る。 Afn=a・(Vfn−Vfn-1)/Δt/g ・・・(3)
【0028】ここで、Δtは車輪速データから算出され
る車輪速度VfnとVfn-1の時間間隔(サンプリング時
間)であり、gは重力加速度であり、aは車輪速度(k
m/h)の単位と加速度(m/s)の単位を合わせるた
めの定数(1/3.6)である。前記サンプルング時間
としては、データのばらつきを小さくし、かつ短時間で
判別するためには、0.1秒以下である必要がある。よ
り好ましくは、0.05秒以下である。
【0029】ついで前記車両の加減速度Afnの値に
応じて、スリップ比を演算する。まず、加速状態で、駆
動輪がロック状態で車両が滑っているとき(Vdn
0、Vfn≠0)や、減速状態で、車両が停止状態で駆
動輪がホイールスピンを起こしているとき(Vfn
0、Vdn≠0)は、起こり得ないものとして、スリッ
プ比Snをつぎの式(4)、(5)から演算する。 Afn≧0およびVdn≠0である場合、Sn=(Vfn−Vdn)/Vdn ・・・(4) Afn<0およびVfn≠0である場合、Sn=(Vfn−Vdn)/Vfn ・・・(5) 前記以外の場合は、Sn=1とする。
【0030】ついでスリップ比および車両の加減速度
のデータをサンプリング時間ごとに移動平均化処理す
る。実際の走行中の路面μは一定ではなく、刻々と変化
するため、短時間で路面μを推定する必要がある。また
直線回帰をする場合、一定以上のデータ数がなければ、
得られた回帰係数の信頼性が劣る。そこで、単時間のサ
ンプリング時間、たとえば数十msごとにデータをサン
プリングし、このサンプリング時間で得られたばらつき
の大きいデータを移動平均することにより、データの数
を減らさずに、データのばらつきを小さくすることがで
きる。
【0031】スリップ比については、 MSn=(S1+S2+・・・+Sn)/N ・・・(6) MSn+1=(S2+S3+・・・+Sn+1)/N ・・・(7) MSn+2=(S3+S4+・・・+Sn+2)/N ・・・(8) 車両の加減速度については、 MAfn=(Af1+Af2+・・・+Afn)/N ・・・(9) MAfn+1=(Af2+Af3+・・・+Afn+1)/N ・・・(10) MAfn+2=(Af3+Af4+・・・+Afn+2)/N ・・・(11)
【0032】ついでスリップ比と車両の加減速度との
互いの1次の回帰係数、すなわちスリップ比の車両の加
減速度に対する回帰係数K1と車両の加減速度のスリッ
プ比に対する回帰係数K2をそれぞれつぎの式(1
2)、(13)から求める。
【0033】
【数1】
【0034】
【表1】
【0035】また相関係数Rは、 R=K1×K2 ・・・(14) となる。
【0036】前記手順により求めた1次の回帰係数K
1(またはK2)の値を所定の時間または所定の個数蓄
積する。以下、回帰係数K1について説明する。このと
き、相関係数Rの値に応じて回帰係数K1のデータを蓄
積するかしないかを決定する。このデータ蓄積のしきい
値となる相関係数Rの値については、とくに限定されな
いが、小さすぎると測定精度が劣ったデータも蓄積され
てしまうため、0.5以上であるが、0.9以上ではデ
ータがほとんど蓄積されないため、0.7前後が好まし
い。
【0037】データの蓄積量については、測定時間また
は蓄積個数で決定する。たとえば測定時間が10分また
はデータ蓄積個数が10,000個になった時点で、デ
ータ蓄積を終了するようにする。測定時間や蓄積個数
は、これらに限定されたものではないが、時間が、たと
えば1分以下のように短すぎたり、データ蓄積個数が少
なすぎると、タイヤ識別の精度である初期化の精度が劣
るので好ましくない。また逆に測定時間を長くしすぎる
と、そのあいだタイヤの識別が行なえないので、好まし
くない。
【0038】つぎに蓄積した回帰係数K1のデータの
頻度分布を求める。そしてその頻度分布に基づいてしき
い値を決定する。頻度分布に基づいてとは、たとえばそ
の指標として、データの標準偏差と平均値との関係があ
げられる。ただし、指標は、これらに限られるものでは
なく、たとえばデータの最も発生頻度の高い値(ピーク
値)などの統計的手法により求めることができる。
【0039】図3に回帰係数K1の頻度分布の一例を示
す。図3に示される頻度分布の場合、標準偏差σは0.
027、平均値μは0.109である。そして、図4に
示されるようにあらかじめ車両ごとに設定した回帰係数
K1のしきい値のマップ(エリア1〜4)と標準偏差の
値および平均値とを比較することにより、現在装着され
ているタイヤのしきい値が決定される。図3に示す頻度
分布の場合、前記標準偏差の値および平均値が図4に示
すマップのエリア3内に入ることになり、表2に示され
るようにK1≦0.12では注意報、警報とも発しない
(高μ路)、0.12<K1≦0.16ではスリップ注
意報を発する(中μ路)、0.16<K1ではスリップ
警報を発する(低μ路)。ここで、この場合の回帰係数
K1のしきい値0.12と0.16は、たとえば車両ご
とに複数のトレッド剛性の異なるタイヤで乾燥アスフャ
ルト路を走行し、回帰係数K1の頻度分布の平均値と標
準偏差をμAとσAとした場合、 K1≦μA+2σA 高μ路 μA+2σA<K1≦(μA+2σA)×1.4 中μ路 (μA+2σA)×1.4<K1 低μ路 を用いて、あらかじめ設定される。さらに各種路面を走
行し、マップを作成しておくのが好ましい。
【0040】
【表2】
【0041】
【実施例】つぎに本発明を実施例に基づいて説明する
が、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではな
い。
【0042】実施例1〜2 まず前輪駆動車の4輪タイヤとして、車両に装着させる
2種類の冬タイヤは住友ゴム工業(株)製 グラスピッ
クDS−1とドイツダンロップ製 winter sp
ort(ウインタースポーツ) M2である。またこの
冬タイヤのゴム硬度は、前者が約50度であり、後者が
約60度である。
【0043】ついで前記手順〜にしたがって、スリ
ップ比に対する従動輪の平均車輪加減速度の1次の回帰
係数K1を求めるにあたり、相関係数Rが0.7以上の
ときの回帰係数K1の値を採用し、そして蓄積すること
にした。また蓄積量は、測定時間が10分間(またはデ
ータ蓄積個数が10,000個になった時点)と設定し
た。
【0044】ついで車両を前記2種類のタイヤについて
乾燥アスファルト路、湿潤アスファルト路、圧雪路およ
びアイスバーン路を走行させた(実施例1、2)。この
ときの走行条件は、各路面とも50km/h前後の走行
である。車輪の車輪速度のサンプリング時間に関し、デ
ータ数を多く、かつばらつきや測定誤差を排除するため
に、たとえば1秒ではサンプリング時間が長すぎるた
め、40msとした。
【0045】そして走行中に蓄積した回帰係数K1のデ
ータの標準偏差σを求めた。さらに蓄積した回帰係数K
1のデータの平均値を求めた。その結果を図5のマップ
上に示す。この1次の回帰係数K1の値の標準偏差σと
平均値μの関係をあらかじめ車両ごとに設定した表3の
エリアA〜Gのしきい値のマップを組み込んだ路面摩擦
係数判定装置のロジックと比較して、前記冬タイヤの路
面摩擦係数のしきい値を設定する。なお、表3における
エリアのしきい値については、前記手順で述べた考え
により設定した。
【0046】
【表3】
【0047】図5から路面の摩擦係数によらず、2種類
のタイヤはそれぞれ同じエリアにすべてのデータが入っ
ており、タイヤによる違いが現れている。すなわちどの
ような路面で初期化を行なってもタイヤを識別すること
が可能であり、精度良く摩耗係数の推定のためのしきい
値を設定することができる。
【0048】
【発明の効果】以上説明したとおり、路面の摩耗係数に
かかわらず、タイヤのトレッド剛性の識別が可能とな
り、現在装着されているタイヤに応じたしきい値が設定
できる。
【0049】この結果、タイヤを交換したり、摩耗が進
んだ場合でも容易にしきい値の変更が可能となり、精度
良く路面μを推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の路面摩擦係数判定装置の一実施の形態
を示すブロック図である。
【図2】図1における路面摩擦係数判定装置の電気的構
成を示すブロック図である。
【図3】1次の回帰係数の頻度分布を示す図である。
【図4】標準偏差と平均値の関係に基づいてタイヤごと
のエリアに区分けられる一例を示す図である。
【図5】走行路面によらず、2種類のタイヤがそれぞれ
のエリアに区分けられる図である。
【符号の説明】
1 制御ユニット 2 初期化スイッチ 3 低μ路警報表示器 S 回転速度検出手段 FLW、FRW、RLW、RRW タイヤ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の4輪のタイヤの回転速度を定期的
    に検出する回転速度検出手段と、前記回転速度検出手段
    による測定値から、スリップ比を演算する第1演算手段
    と、該スリップ比と車両の加減速度とのあいだの1次の
    回帰係数と相関係数を求める第2演算手段と、該第2演
    算手段により求められた相関係数の値に応じて所定の時
    間または所定の個数の1次の回帰係数を蓄積し、当該蓄
    積した1次の回帰係数の値の頻度分布に基づいて、路面
    摩擦係数のしきい値を設定するしきい値設定手段とを備
    えてなる路面摩擦係数判定装置の初期化装置。
  2. 【請求項2】 前記しきい値設定手段が、蓄積した1次
    の回帰係数の値の標準偏差と平均値の関係を、あらかじ
    め車両ごとに設定したエリアのしきい値のマップを組み
    込んだ路面摩擦係数判定装置のロジックと比較する請求
    項1記載の初期化装置。
  3. 【請求項3】 車両の4輪のタイヤの回転速度を定期的
    に検出する工程と、該測定された回転速度から、スリッ
    プ比を演算する工程と、該スリップ比と車両の加減速度
    とのあいだの1次の回帰係数と相関係数を求める工程
    と、該相関係数の値に応じて所定の時間または所定の個
    数の1次の回帰係数を蓄積し、当該蓄積した1次の回帰
    係数の値の頻度分布に基づいて、路面摩擦係数のしきい
    値を設定する工程とを備えている路面摩擦係数判定装置
    の初期化方法。
  4. 【請求項4】 前記しきい値を設定する工程が、蓄積し
    た1次の回帰係数の値の標準偏差と平均値の関係を、あ
    らかじめ車両ごとに設定したエリアのしきい値のマップ
    を組み込んだ路面摩擦係数判定装置のロジックと比較し
    て路面摩擦係数のしきい値を設定する手順を含んでいる
    請求項3記載の初期化方法。
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